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2017年11月18日

突然ですが・・・・。

サインディスプレイ部 営業のKです。

突然ですが、母方の祖母が亡くなりました。

仮通夜と通夜の為、今日、明日と能登方面で

過ごさなければならず、大変申し訳ありませんが、

怖くない話、お休みさせて頂きます。

宜しくお願い致します。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:03Comments(34)

2017年11月17日

:指輪というもの

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

明日は少し早いですが、会社の車を

スタッドレスに交換します。

ちなみに、うちの妻の車は、いつも

私と娘の2人で交換しています。

ジャッキアップし、タイヤを外すのは

私の役目。

そして、冬用タイヤの溝に詰まった小石を

取り除くのが娘の役目なんですが、

その作業が事の他楽しいらしく

なかなかタイヤを運んでこない娘。

1人でやれば10分で終わる作業が

娘と一緒にやると、30分以上かかります(涙)

今年もタイヤ交換頑張るからね~と妻に

宣言していた娘。

タイヤ交換後に、ホットケーキを焼いて貰う

約束をとりつけてました(笑)

ちなみに、明日は友達大勢でカラオケ

だそうです。

勉強はどうなってますか?

大監督?

ということで、2夜連続でアップします。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!



彼は数年前に離婚した。

夫婦間に子供はいなかったので、離婚もスムーズに行くと思われたが、

奥さんの方がどうしても承諾しなかったらしく調停もなかなか

進まなかった。

しかし、離婚の話し合いを始めてから、ちょうど2年経った頃、

奥さんがある条件のもとで、離婚に同意したのだという。

それは、離婚しても決して結婚指輪は外さない事、というものだった。

彼はとにかく早く離婚したかったので、言われるままにその条件を飲んだ。

しかし、その時の奥さんの少し気がふれたような気持ちの悪い笑みが

忘れられなかった。

そして、無事に離婚が成立してから、ちょうど1ヵ月後、元奥さんは

自ら命を絶った。

電車に飛び込んでの自殺だったが、バラバラになった体をかき集めると

その指にはしっかりと結婚指輪がはめられたままだったという。

さすがの彼もしばらくは落ち込んでしまったが、時間の経過とともに

少しずつ元気になっていく。

そして、そうなると、やはり気になるのは結婚指輪だった。

亡くなった奥さんには申し訳ないとは思ったが、やはり自殺した人と

同じ指輪をはめ続けるというのは気持ちが悪かった。

そこで、彼はある日、思い立った様に結婚指輪を外してしまおうとした。

しかし、何故か指輪は抜けなかった。

それまでも、スポーツをする際など、指輪を外した事もあったのだが、

今度は何をしても指輪は抜けない。

そこで彼は病院にも行ったのだが、それでも指輪はまるで指と癒着している

かのように抜ける気配すら無かった。

彼は仕方なくその指輪をはめ続けるしかなかった。

しかし、その指輪をはめて生活をしていると、それまでには無かった問題が

起こり始める。

それは指輪がまるで指を締め付けメカのような激痛が走るという事。

最初、それは1ヶ月に一度くらいの頻度だった。

だが、どんどんとその頻度は増していき、半年位経つと一日に数回は

その激痛に襲われるようになってしまう。

そして、その頻度が増すにしたがって彼はある事に気付いた。

それは、指輪が締め付けている間、ずっと耳元で、

ねぇ、思い出した?

という奥さんの声が聞こえるという事だった。

これは亡くなった妻の呪いなのか?

彼は恐れ慄いた。

それでも、何とか気持ちを奮い立たせて生活の為、仕事に精を出した。

仕事をしている時だけは、その指輪の事は思い出さないというのも、

その理由かもしれないが・・・・・・。

しかし、ある日、彼は訪問した取引先で、こんな事を言われた。

しかも、帰り際に、わざわざ担当者が走り寄って来て・・・。

いつも連れてくる女の方は誰なんですか?

私がこんな事を言うのは筋違いかもしれませんが、あんな女性を

連れて会社を回っていたら、今に誰も相手にされなくなりますよ?

そんな言葉だった。

だから、彼は他の取引先にも電話を掛けて、その事について聞いてみると、

やはり、彼が訪問する際、必ず女性が同行してくるのだが、その女性は

座る事もせず、ただ部屋の端に立ったまま、彼の事をじっと睨んでいる

という事だった。

もしかすると、いや、間違いなく、あいつは死んでからもずっと俺の側に

いるんだ・・・・・・。

そう思うと、彼は恐怖で居ても立ってもいられず、すぐに病院へと向かった。

そして、医者に事情を説明すると、指輪がはめられた指を切断して欲しい、

と頼み込んだ。

当然、医者は笑いながら断った。

通常ならば指輪を切断するのが当たり前だから・・・。

しかし、彼があまりにも真剣に頼み続けており、

真顔で、亡くなった妻の呪いだと説明したこと。

更に、断られたら、もう自分は死ぬしかないんです!

という言葉が決め手となって、事前に承諾書にサインさせられた後、

緊急手術で、彼の指は切断された。

その手術の際も、実は麻酔で寝ている彼に内緒で指輪を切断

しようとしたらしいのだが、何故か全く歯が立たない。

更に突然、照明が消えるなど様々な怪異が起こったらしく、

もしかしたら呪いというのも本当かもしれない、と

いう事になり、彼の意志通り、指を切断する事に

決まったという事らしい。

その後、彼の身には怪異は発生していない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:04Comments(14)

2017年11月16日

帰らない部屋には・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

急にめっきりと寒くなりました。

お風呂ではなくシャワー派の私は真冬でも

お風呂ではなくシャワーなんですが、これからの

季節は辛いものがあります(涙)

それはそうと、『闇塗怪談』の中で怖い話という

アンケート?にお答え頂きましてありがとうございます。

このブログやコメントは出版社のご担当者様も

見てくれているらしいので、きっと参考にして

頂けるものと確信しております。

今日帰宅すると、ファンヒーターの前に陣取って

サーティワン・アイスを食べておりました。

それを見た私が、

寒いんならアイスなんか食べなきゃいいんじゃないの?

と言うと、

背中は寒いけど、前半分は暑いんだよ~

と訳の分からない事を言ってました。

ちなみに、その後、ファンヒーターの灯油が無くなり、

切れてしまったのですが、妻も娘も全く動く気がないらしく

私が灯油を補給してきました。

私がファンヒーターにあたるのなんて、朝の30秒くらいの

ものなんですけどね(涙)

ということで、今夜はやります。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!





これは俺の仕事関係の知り合いから聞いた話である。

彼女はデザインの仕事をしており、数年前に離婚して今は1人暮らし。

それまでの一軒屋から、どうせ1人暮らしだから、という理由で

母親が経営するマンションに移り住んだ。

彼女には子供はおらず、元々出来るだけスッキリした部屋に住むのが

理想だった彼女は、引越しの際、家具の殆どを処分し、新居の

賃貸マンションへ入った。

何より母親が経営するマンションだから家賃も要らず、彼女は気楽な

独身生活をエンジョイした。

仕事自体も遅い時間に終わる事が多く、何より飲み歩く事も好きだった

彼女は、次第に殆どマンションには帰らない生活を送る様になる。

俺も1度だけ、彼女が自宅で使っているパソコンが調子が悪いという事で

彼女のマンションの部屋を訪れた事があるのだが、かなり広いスペースに

ポツンとソファーベッドとパソコンだけが置かれているという感じで

まさに何も無い部屋という表現がピッタリだと感じた。

しかし、空家や廃屋がそうであるように、いくらそこに住んでいても

なかなか帰らない場所になってしまうと、悪いモノが酔ってくるのかもしれない。

最初は、ほんの些細な変化だった。

しかし、彼女がマンションの部屋に戻るたびに、その部屋は少しずつ

雰囲気を変えていった。

開けっ放しにしておいた筈のカーテンが全て閉じられていたり、更には

風呂場の蛇口から水が流れっぱなしになっている事もあった。

そして、もっとも決定的だったのは、偶然彼女が帰宅した際、となりの

部屋の住民から苦情が来た事だった。

それは、毎晩、夜中に大勢で集まるのは止めてくれ!

というものだった。

当然、彼女には心当たりも無く、否定したが、その隣人の話では、明らかに

男女の声で、ヒソヒソと話したり、ゲラゲラと笑う声が夜中ずっと

聞こえてくるのだという。

彼女は、もしかしたら浮浪者が不法侵入しているのではないか、と考え、

男友達に頼んで、次の週末の夜、彼女の部屋を見に行って欲しいと

頼み込んだ。

そして、週末の金曜、午後11時に待ち合わせして、男友達2人と

彼女は自分のマンションへと向かった。

部屋に着くと、確かに、廊下へ響くくらいの声で話したり笑ったりしている

声が聞こえてくる。

本当に浮浪者が泊まり込んでいるんだ・・・。

そう思うと、彼女は怖くなり、男友達に頼んで先に部屋に入って

貰うことにした。

そして、同時に警察にも連絡し、不法に住居侵入されている事を伝え、

一刻も早く、このマンションに来てくれる様に頼んだ。

部屋は鍵が掛かっていたので、ゆっくりと音がしない様に開けた。

玄関のドアを開けると、以外にも部屋は真っ暗だった。

しかし、まだ声は聞こえていたので、恐る恐るリビングに忍び寄ると、

こら!何してる!

と怒鳴りながらリビングに飛び出した。

しかし、そこはカーテンも閉められ、光ひとつ無い真っ暗な空間であり、

物音ひとつ聞こえなかった。

彼女は慌てて、部屋の電気を点けたが、やはり部屋の中には誰もいない。

呆然と立ち尽くしている彼らの耳に、突然インターホンの音が聞こえた。

もしかしたら警察が来てくれたのかもしれない・・・。

そう思った彼女は急いで玄関に向かった。

しかし、玄関に着く前に、部屋に居た男友達の一人が叫んだ。

玄関のドア、開けちゃダメだ!

すぐに鍵も閉めて!

彼女は意味が分からなかったが、急いで玄関のドアをロックした。

すると、それと同時に玄関の取っ手がガチャガチャと回された。

そして、リビングに戻ると、男友達2人が不安そうな顔をしていた。

そして、彼らが見ている玄関のモニターを見た時、彼女は思わず絶句した。

そこには、冬だというのに麦わら帽子を被った痩せ細った顔の女がカメラを

覗き込んでいた。

こんなの人間じゃねぇよ!

友人の1人がつぶやいた。

すると、一瞬、その女がカメラから消えたと思ったら、次の瞬間には、見た事も無い

老婆がインターホンを鳴らした。

その老婆も明らかに人外のモノにしか見えず、彼らは震えながらモニターを

見ているしかなかった。

すると、しばらくすると、今度は彼女の母親らしき人が、インターホンを

鳴らしているのが見えた。

○○ちゃん、開けて・・・・・・。

その声は、確かに母親の声に似ていたが、どこか異質な感じがした。

それに何故か彼女の名前も知っていた。

しかし、やはり心の声が、開けてはいけない、と叫んでいた。

それに、母親ならこの部屋のキーを持っているのだから勝手に入ってくるはずだ。

彼女はドアを開けたい気持ちを必死に堪えた。

すると、今度は、モニターに警官の姿が映った。

彼女は、やっと来てくれた!と一瞬思ったが、先ほどからの事があったので、

すぐにはドアを開けなかった。

そして、彼女はその警官に尋ねた。

どこの警察署の方ですか?

警察手帳も見えてもらえますか?

すると、その警官は、

ドアを開けてください。

そうしたらお答えします。

そう返してきた。

だから、彼女はドアを開けず、そのまま放置した。

そして、それからも含めると、合計7人が、彼女の部屋のインターホンを

押したのだという。

友達の姿をしたモノ、同僚の姿をしたモノ。

それらは、全員が彼女にドアを開けるように促したが、彼女は決して

ドアを開ける事はしなかった。

そして、7人目が終わった頃、外は朝陽が昇ったのか、一気に明るくなった。

彼女は、助かった、と思い、急いで玄関を開けようとした。

すると、友人達が叫んだ。

おい、何するんだよ!まだ夜は明けてないだろ?

しかし、もう遅かった。

彼女はその時、既に兼官のドアを開けてしまっていた。

そして、開いたドアの外には、まだ暗い空が見えた。

そして、ドアから見た事も無い気持ちの悪い女の顔がヌッと現れた。

そこで、彼女は意識を失った。

その後、彼女は見回りに来た警官達によって助け起こされた。

そして、リビングに行くと、同じように友人2人が倒れていたのだが、

揺り起こしても、どうも様子がおかしかった。

結局、強いストレスを感じた事による一時的な記憶喪失と診断され、そのまま

病院に収容された。

そして、彼女は、その日のうちに、そのマンションの部屋を出たそうだ。

そして、今は、小さなアパートの一室に住んでいるが、きちんと毎日、

帰宅する事にしているという。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:01Comments(16)

2017年11月14日

つきまとう理由

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、

先日、削除した『その歌を唄ってはいけない』

の話を再アップさせて頂きました。

ご指摘のあった冒頭部分の歌のタイトルを

削除したうえで、最初の説明部分に

注意書きを追加させて頂きました。

もしも、お読みになられる方がいらっしゃれば、

その注意書きを厳守してお読みください。

ということで、今日は朝から風邪熱なのか、

体温が38度前後ありましたが、何とか

仕事をこなし、現在は37度ちょっと、で

落ち着いております。

そして、今日は地元の新聞社から取材の電話が

ありました。

勿論、丁重にお断りしましたが(笑)

ということで、今夜も書き溜めた話を1つ。

とりあえず、書ける様なら毎日何かしら書く習慣を

つけないと・・・・。

Aさんも少しだけ登場します。

それでは、怖くない話、いってみませう。

銅像!・・・じゃなくて、どうぞ~!





それはほんの偶然の出来事から始まった。

彼は東京のとあるアパートに住み通勤には電車を利用していた。

そして、彼が乗車している時、急ブレーキがかかった。

そして、しばらくして電車は停まり、車内アナウンスで人身事故との

アナウンスが流れてきた。

正直、

またか?

と思ったという。

確かに彼が電車に乗っている時には、何故か人身事故が発生する

確率が高かった。

そして、その時には、いつも彼はこう思いながら過ごすのだという。

よくまあ、こんな鉄の塊に飛び込む勇気があるよな?

それだけの勇気があれば、もっと他に解決策はあるだろうに・・・・。

そして、

いま、この電車の下に、誰かが巻き込まれているんだ・・。

痛いだろうな・・・楽に死ねていれば良いけど・・・・。

そして、そのまま電車が再び走り出すまでの時間をボーっとして過ごすのだ。

しかし、その時は少し勝手が違っていた。

何故かその日だけは、通勤電車が異様に空いていて、彼は座席に

座る事が出来ていた。

だから、対面側の窓から、外の景色をぼんやりと見つめていたのだ。

そんな時、異変が起こった。

彼が眺めている窓に何かが映りこんだ。

それは、明らかに人間の手だった。

そして、その手は窓に張りつく様にしてベタベタと動き回っていた。

それは、何故か他の乗客には見えていないらしく、彼は思わず

大声を出そうとして止めた。

すると、次の瞬間、その手に引き上げられるようにして、顔が映りこむ。

首から下が無くなった顔が、まさに窓に張りつくようにして、じっと

彼を見つめていた。

それは、女性だった。

彼は、とっさに考えた。

きっと、これは今、電車に飛び込んだ人の霊なのではないか?と。

だから、顔を合わせてはいけないと思い、すぐに顔を伏せて、頭の中で

祈った。

どうぞ、成仏してください、と。

そして、しばらくすると、電車にアナウンスが流れ、走り出した。

彼はそーっと顔をあげるが、その窓にはもう、その女の顔は見えなかった。

その日は、結局遅刻してしまったが出社し仕事をこなして午後7時頃

帰路についた。

その日は、少し用事があったので、いつもの電車ルートではなく、

別の電車に乗り継いで帰ることにした。

しかし、その帰りの電車の中、彼がふと視線を上げると誰かに見られている

様な感覚を覚えた。

だから、彼は辺りをキョロキョロと見回すと、斜め向かいの座席に座った

女性が彼の顔をじっと見ていた。

そして、彼と目が合うと、満面の笑みで応えた。

彼はその女性の顔を、どこかで見た事がある顔のように感じ、何とか

思い出そうとした。

そして、その答えが導き出されたとき、彼は思わず、え?と声を出してしまう。

何故なら、その顔は、彼が朝の出勤時に遭遇した人身事故の際、窓に

張り付いていた顔とそっくりだったのだから・・・。

そうと分かると、その女の満面の笑みがとても恐ろしく感じてしまう。

彼は、勢い良く座席を立つと、そのまま別の車両へと移動した。

そして、最寄の駅で降りた彼は、そのまま階段を駆け下りると、

急いでタクシーを拾った。

そして、運転手さんに住所を告げると、早く車を出すように頼んだ。

しかし、運転手さんがなかなか車を発進させないので、彼は思わず、

どうして車を出してくれないんですか?

急いでるんですけど!

と語気を荒げたが、運転手さんは申し訳無さそうにこう言った。

いえ、お連れの女性がまだ乗られていませんので・・・・。

それを聞いた彼は、タクシーのドアを自分で思いっきり閉めてこう言った。

僕に連れの女性なんていませんよ!

だからさっさと車を出してください!

.すると運転手は不思議そうな顔をして車を発進させた。

そして、彼は自分のアパートに付くまでの時間に運転手とこんな会話をした。

さっきはすみません。

運転手さんも見えてたんですね?

でも、あの女は、どんな風に僕に付いてきてましたか?

と聞くと、運転手は、

いえね。ずっとお客さんの横から顔を覗き込む様にして立っていらっしゃいましたよ。

ずっと笑っていたからきっと恋人同士なんだと思ったんですけどね・・・。

そう言われ、思わず身震いしてしまった。

そんな会話をしているうちに、タクシーは彼のアパートの前に停まり、

彼は急いで料金を払いタクシーを降りた。

だが、その時、彼の視界には、アパートの前に立って手を振っている

あの女の姿がはっきりと映りこんだ。

彼は一旦降りたタクシーをもう一度ドアを開けさせて急いで乗り込むと

そのままその場から走り去った。

そして、その日は結局、会社の近くのビジネスホテルに宿泊する事にした。

ビジネスホテルでは特に変わった事は起こらず、快適に過ごせたという。

そして、翌日、ビジネスホテルから出勤した彼は、その日も会社が

終わると、そのまま帰路についたのだが、やはり怖かったらしく、

翌日が休みだった事もあり、同僚を誘って彼のアパートで飲もうという

事にした。

そして、彼のアパートに着く頃には時刻は午後8時位になっていた。

恐る恐るアパートの周りを見渡すが、何処にもあの女の姿は無かった。

彼はホッと胸を撫で下ろし、アパートの階段を上り自室へと入る。

部屋の中は、一晩空けただけなのに、どこか自分の部屋ではない様な

感覚に襲われ、そして室内も妙に寒く感じた。

その日は、2人で買い込んできた酒とつまみで、大いに飲んだ。

そして、昨日からの疲れなのか、彼は同僚よりも早く潰れてしまう。

そのまま寝てしまったらしく目が覚めたのは、もう朝の8時を過ぎていた。

横を見ると同僚の姿は無く、メモに書置きがしてあった。

彼女さんが夜中に訪ねて来られたので帰ります。

ヨロシク!

とそれだけが書かれていた。

彼は、寝ぼけ眼で考えていた。

僕に彼女は居ないのだが・・・・。

一体誰が訪ねてきたんだ?

と、そこまで考えて彼は固まってしまう。

あの女は、アパートの前まで来ていたんだ・・・・。

だとしたら、部屋を訪ねてくる事もあるかもしれない・・・と。

ただ、それからは彼も常に緊張しながら部屋の中で生活していたが、

同僚が招き入れたという女の姿は一度も見る事は無かった。

それよりも、彼が仕事から帰宅すると、明らかに部屋の中が掃除され

綺麗になっていた。

普通なら、それも立派な怪異になるのだろうが、根が楽天家の彼は

それについて深く考える事はしなかった。

そして、いつしか、あの女の事も忘れていった。

そんなある日、彼が夜中にトイレに行こうと目を覚ますと、彼の寝ている

ベッドの横に、あの女が座っていた。

そして、相変わらず満面の笑みを浮かべていた。

結局、彼はその女に気付かれないように寝たフリを続け、何とか朝を

迎えた。

朝になると、その女は、少し寂しそうに立ち上がると、そのまま壁の中へと

吸い込まれるように消えていった。

そして、それは毎晩続くようになり、彼は睡眠不足でどんどんと疲労が溜まった。

そんな日が2週間も続いた頃、彼は俺に助けを求めてきた。

自殺者の霊に付きまとわれて死にそうだ!

との事だった。

そこで、俺はちょうど東京に遊びに行くというAさんに頼んで彼のアパートを

見てきてもらう事にした。

そして、東京から戻ったAさんにその結果を聞いてみた。

すると、

ああ、会って来ましたよ。勿論。

その男性にも、そして女の霊にも・・・。

でも、浄化はしませんでした!

必要無さそう・・・ですから。

こう言うので、俺はその理由を聞いてみた。すると・・・。

あの女の人は、確かに自殺した霊なんですけどね。

自殺した霊は基本的にはその場所から動けなくなって自縛霊になるんですが。

でも、自殺した際、彼の気持ちとシンクロしてしまったらしく、自縛霊では

なくなったんですけどね。

それで、最初は、その女も、その彼にとり憑こうと思ったらしいんですけど。

でも、好きになっちゃったみたいで(笑)

側にいられるだけで幸せだそうです(笑)

だから、彼の側に居るんですけど、彼には見えないようにしてるらしいです。

怖がらせたくないから・・・。

でも、何かしてあげたくて、取り敢えずは掃除とか目立たない事をしてるそうです。

ただ、夜中に気付かれてた事は知らなかったみたいで、驚いてました。

ごめんなさいって。もう夜中には絶対に姿は現しませんって。

私は健気だと思いますけどね。こういうの。

霊だからって、恋しちゃいけない訳じゃないでしょ?

それに、変な霊が寄ってくるよりも余程安心だと思いますけどね。

だから、私は浄化する気はありませんね。あの女の霊を。

だって、話してたら可愛いんですよ(笑)

そう言って笑った。

まあ、考えてみれば、俺の友人にも霊と共同生活している奴も居るのは事実。

悪くないかもな・・・・。

そう思った俺は、彼にはしっかりと浄化したよ、と嘘の連絡をした。

そして、その後、彼の身の回りで怪異は一切起こっていないそうである。

きっと、その女の霊は、まだ側にいるのだろうが(笑)

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:39Comments(30)

2017年11月13日

一番怖いモノは・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

相変わらず、私などのサインを希望されて

ゆうパックで文庫本が送られてきておりまして、

大変恐縮しております。

話がなかなか書けず毎日更新するのは

難しいのですが、文庫本のサインくらいなら、

幾らでもさせて頂きますので、宜しければ

どうぞ!(笑)

その際、皆様、本当に申し訳無い程のお菓子まで

同梱して頂いているのですが、本当にお気持ちだけで

十分ですので・・・。

いつも会社の皆で美味しく食べさせて頂いておりますが、

さすがに申し訳なく感じているこの頃です。

ですから、

「おい、K。サイン頼むぜ!」

というノリで大丈夫ですので(笑)

それから、大変申し訳ないのですが、個人的なお悩みの

お手紙を会社宛に送られてくる方がいらっしゃいますが、

大変申し訳ありませんが、Aさんにも、姫にも、住職にも

会える様に仲介する事は出来ませんので、ご理解ください。

また、個人的なお悩みに対しても、私ごときがご相談に

乗れる事もありませんので、その点もご理解頂ければ、と

思います。

更に、『その歌を唄ってはいけない』の話ですが、既に

削除しましたが、是非読みたいという旨のコメントも

沢山頂いております。

ですので、1度削除しておきながら、恐縮なのですが、

今度の日曜日にもう一度アップしたいと思います。

そして、夜の11時には今度こそ完全に削除致しますので、

お読みになりたい方は、その時間内に是非どうぞ!

その話だけでもメールで送って欲しいという要望も

頂いておりますが、やはり、その方法は避けたいというのが

本音です。

ご理解ください。

そして、今日のうちの大監督ですが・・・・。

早めの時間に帰宅したらしいのですが、

帰ってきた妻を驚かせようと、リビングの手前の

廊下で死んだ真似をしていたしらいのですが、

疲れが溜まっていたらしく、そのまま爆睡されました。

妻が帰宅すると、真っ暗な廊下に、うつ伏せの娘が

倒れており(爆睡しており)、まるでホラー映画の

一場面のようだったということです。

ちなみに、セーラー服のまま寝ていた娘は、

服にシワがついたとのことで、妻からお叱りを

受けておりました。

「だって眠かったんだもん」

と言い張る娘でしたが、

「眠かったらそんな事するな!」

という妻の言葉に撃沈されておりました。

大丈夫なのか?

大監督?

ということで、

今日は本当はアップしないつもりだったのですが、

少しだけ書いてみます(笑)

私にとっては一番怖い話・・・になります。

それでは、どうぞ~!



俺が小さな頃には家の周りには沢山の田んぼが在った。

その頃の俺は、カエルなど全く怖くなかった。

そして、田植えの時期になると、近くの用水の水位が上がる。

そして、私は友達と遊んでいて、小さな川に落ちた。

水泳が得意だった俺だが、さすがに皮の流れは速く

俺は流れに身を任せ沈まないように浮かび続けるだけで

精一杯だった。

そして、その小川は用水に流れ込んだ。

俺はそのまま用水へと流されるのだか、用水の先には

金属製のネットが張ってあり、そこまで流されれば、助かる

というのは子供の俺にも分かっていた。

しかし、誤算があった。

その金属製のネットは川の本流に大きなゴミなどが

流れていかないように設置されていたものなのだが、

そのネットにたどり着いたとき、俺は地獄を見る事になった。

そのネットには格子が埋まるほど沢山のトノサマガエルが

くっ付いており、更にネットの周辺の水面も、カエル達で

埋め尽くされていた。

そして、逃げ場の無い俺は当然ネットを手で掴むのだが、

俺の顔や頭には無数のカエルが飛びついては逃げていく。

そして、カエルで一杯の川の水も、たらふく飲んだ後、

俺の記憶は飛んでいる。

たぶん、俺の脳が危険と判断し記憶から消したのだろう。

しかし、その後、誰かに助けられ目が覚めた俺だったが、

帰るの恐怖だけは完全に心に焼き付けられていた。

それからは、帰るの恐怖と戦う日々が待っていた。

友達とバスに乗り、先に降りた俺は何気に近くの

ガードレールに手を置いた。

その瞬間、うわお、と訳の分からない悲鳴をあげてしまった。

俺が手を置いた場所にビンポイントにアマガエルが

留まっており、それを俺は手で掴んでしまったのだ。

更に、自動販売機にお金を入れてから、商品のボタン近くに

無数のアマガエルが張り付いている事に気付いた俺が

そのままお金と商品を取らずに逃げ帰ったのは一度や

二度ではない。

更に、自宅から通勤していた際、何がどうなっていたのかは

分からないが、エンジンをかけた途端、フロントガラスに

何かが落ちてきた。

ビクッとしてよく見ると、とても巨大なヒキガエルが

窓に張り付いてこちらを見つめていた。

ワイパーで何とか振り落とそうとしたが、カエルにも意地が

あるのか、全く動こうともしない。

結局、その日はそのまま会社に連絡をして休んでしまう。

更に、実家のトイレで用を足している時、ふと視線を

上げると、そこには一匹のアマガエルが・・・・。

動いたら、こちらに飛んできそうな気がして、俺は

そのままの姿勢で1時間以上カエルが出て行くのを

待ち続けた事もある。

また、辰口という所にある公衆トイレに尿意を催した

俺は急いで車を停めて飛び込んだ。

そして、用を足している、まさにその時、目の前の

便器に巨大なモリアオガエルが今にもこちらに

飛び掛ってきそうな様子で、俺を見ていた。

完全に固まってしまった俺は、そのままの

姿勢で、ゆっくり少しずつ後ろに下がっていった。

その様子を見ていた見知らぬ人が、俺を不思議そうな

顔で見ていたのは言うまでも無い。

それからというもの、山菜取りに行けば、俺だけが

カエルと遭遇したり、仕事でブロックをどけた

途端、大きなヒキガエルに飛び掛られた事もあった。

だから、この世の中で、俺が一番怖いのは、今でも

カエル・・・である。

ちなみに、ヘビやトカゲなどは平気で触れるのだが。

それでも、以前は一年に必ず数回は見ていた、

用水に落ちた時の夢が、ここ数年は全く見なく

なったことだけでも感謝しなければいけないのだろう。

つまらない話、本当に失礼しました。

でも、本当に怖いんですけどね(涙)

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:20Comments(27)

2017年11月12日

その土地を離れられない理由

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

相変わらず沢山のご意見と励ましのコメント。

本当にありがとうございます。

相変わらず、書く事から少し距離を置いておりますが、

それでも、皆様からの思いに、少しずつ

書きたいという気持ちが湧いてきております。

ちなみに、うちの大監督は現在、脚本作りの真っ最中!

先週の木曜~土曜までは山に篭もっての

演劇合同合宿にも参加してきました。

合宿で、人間的にも成長してきたと自負する大監督ですが、

先ほど家族で外食に行った際、カメラのキタムラの

ラの文字のLED電球が切れているのを見つけて、

わーい!カメのキタムラ~亀のキタムラ~と

1人ではしゃいでおりました。

ちなみに、来年は受験ですが、大丈夫ですか?

大監督?

それと、皆様にお願いばかりで恐縮なのですが・・・。

私の文庫本「闇塗怪談」の中の話にある

・キツネの嫁入り

・死者からの電話

・迎えに来るモノ

・怖いモノ知らず

の中で皆様が一番怖いは感じられた話は何になりますでしょうか?

竹書房さんで、年間の怖い話グランプリがあるらしく、

それに参加する為に1話だけ選ばなければいけないのですが、

私には正直、どれが一番怖いのかが判断出来ません。

もし、宜しければ、皆様のご意見をお聞かせ願えれば

助かります。

お願いばかりで本当に申し訳ありませんが、

ご協力の程、お願い致します。

ということで、今夜も、過去に書き溜めた話をアップ

させて頂きます。

まあ、怖くないです。ごめんなさい。

それでは、どうぞ~!



これは俺の大学の後輩の話。

彼女は、山陰のとある都市に住んでいる。

もっとも以前は郡とか村だったらしいのだが、合併して市になったらしい。

そして、彼女は、既に結婚適齢期も過ぎているのだが、

いまだに結婚する気配すら無い。

それどころか、大学も20歳になる前に自主退学し、そして大学時代の

サークルの同窓会にも一度も顔を出した事は無い。

そして、これはバイクでのツーリングの際に、彼女が住む山陰の

都市に寄り、一緒に飲みに行った時に聞いた話である。

事の起こりは、かなり古く江戸時代よりも前の話になるのだという。

ある旅人がその村にやって来て、一晩泊めてくれるように懇願した。

しかし、その村はとても貧しい者ばかりの村であり、旅人を

泊める余裕など無かった。

しかし、何故か、村人達は相談の上、その旅人を泊めてあげた。

ただ、それは旅人の身を案じて、というのではなく、旅人が持っていた

金品が目当てだったのだという。

そして、その夜、村人達は、旅人が寝てしまった頃に、旅人を襲った。

金品を強奪した上に、旅人は、誰も近寄らない洞窟の中に幽閉した。

幽閉した旅人には最低限の食料しか当たらなかったが、それでも

旅人の生命力は強く、なかなか死ななかった。

それでも、村人達は、決して旅人を殺すことだけはしなかった。

やはり人殺しをする事自体が恐ろしかったし、祟られても困る。

だからといって、このまま旅人を自由にしてしまえば、よその土地で

口外されてしまう。

だから、幽閉して、気持ち程度の食べ物を与え続け、そして旅人が

死んでいくのをひたすら待っていた。

旅人はどんどん痩せ衰えていったが、それでも何かが心の支えになって

いたのか、ミイラのようになりながらも生き続ける。

そんな時、1人の子供が、偶然、その洞窟に入り、その旅人を見てしまった。

最初は驚き恐怖したが、それでも子供に優しく接する旅人に心を開き、

その子供と旅人は急速に親しくなった。

そして、旅人から事情を聞いていた、その子供は、ある日の夜、

皆が寝静まった頃に、家を抜け出し、洞窟に向かった。

そして、自分が用意出来た少しばかりの食料を渡し、縄をほどいて

旅人を解放してあげた。

しかし、体力がもう残っていなかった旅人は、ふらふらと歩いているところを

村人に見つかり、捕まった。

そして、旅人は決して口を割らなかったが、結局、旅人を逃がした

子供も突き止められてしまう。

そして、危険ということで、その場で、まず子供を殺し、そして

旅人を殺した。

目の前で、自分を助けてくれた子供を殺された旅人は、狂ったように

村人を罵り、恨みの言葉と共に死んでいった。

これが、大昔に実際に起きたといわれる惨劇であるだけでなく、現在も

続く呪いの起源だという。

なんと、彼女が生まれた時、そこはもう立派な街になっていたが、元を

辿れば、その村なのだという。

そして、その村は生まれた子供は、大人になる前に全ての体験を

しなくてはいけなかった。

趣味や遊び、そして、旅行など・・・・。

それは、20歳になってしまうと、もうその土地からは離れてはいけないから、

だという。

そういわれると、確かに大学を20歳になる前に理由も無く自主退学

したのも説明がつく。

しかし、この現代において、いまだにそんな呪いが残っているのか?

そんな疑問を彼女にぶつけてみたが、彼女は、真顔で頷き、話を続けた。

今は市に合併されていますが、それでも他の地域とは、雰囲気も発展具合も

全然違うんです。

いわゆる過疎地なんです。此処は・・・・。

だから、きっとこの場所で何が起こり続けていても、きっと他の地域の

人達には関係無いんでしょうね。

この土地の者は、一生此処から離れる事は出来ないんです。

だから、子供達は、生まれて物心がついた頃に、この話を聞かされます。

そして、20歳まで、という限られた時間の中で、精一杯楽しむように

教えられます。

なかには、20歳までの間を、わざわざ県外で過ごさせる人も居る位です。

でも、20歳になったら、否応無く、この土地に戻らなければいけないんです。

そして、20歳になったら、この土地に縛られて生きて、そして死んでいくんです。

決して、この土地から出る事は叶いません。

過去に何人もの大人達や、20歳まで県外で過ごし、此処に戻るのを拒んだ

若者がいたらしいんですが、やはり全員が例外なく痩せ衰えて、7日持たずに

死んでいったみたいです。

そんな土地だから、以前は、近親者による結婚や子作りが行われていました。

法律上は決して許されない事なんですけど、でも現実はそうなんです。

そして、近親相姦を繰り返していると、生まれてくる子供はどんどん

人間の姿をしていないようになりました。

だから、今は、近親間での結婚をする者はいませんけど、その代わり、

県外の人とメールやSNSで知り合って、結婚する人が増えてきて・・。

ただ、それも結局は、県外の罪の無い人達を、この呪いの輪の中に

誘い込んでいる事になります。

そして、結婚してこの土地に住んだ者にも、否応無く、呪いは適応されます。

だから、私は結婚しないんです。

私が結婚しないことで、県外から不幸になる人が入ってくるのを、少なくとも

1人は救えますから・・・。

そう言って、彼女はグラスを飲み干した。

そして、つらそうな顔で見ている俺に向かって、

でも、心配しなくて大丈夫ですよ。

案外、この土地も楽しい事もありますから(笑)

それに、私達の先祖がやった事ですから、その報いは当然、受け止めないと!

きっと、今もその旅人は、この土地のどこかで私達が出て行かないように

見張ってるのかもしれないですよね。

そう言って、無理に笑ってみせたが、やはり俺には、理不尽な呪いに

思えて仕方ないのだ。

いつか、この呪いが解ける日が来る事を願わずにはいられない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:57Comments(40)

2017年11月11日

沢山のご意見、感謝致します。

サインディスプレイ部  営業のKです。

【その歌を唄ってはいけない】の話について、

沢山のご意見を頂きまして本当に

ありがとうございます。

皆さん、本当に真剣に考えて頂き、とても

参考になりました。

それを参考にさせて頂き、熟考した結果、

明日の午後11時を以て削除させて頂く事に

しました。

読んでしまったから削除しても何の意味があるのか?

とは思いますが、話の存在自体を恐れている方が

いらっしゃるのであれば、今回に限り、削除した方が

良いと判断させて頂きました。

ただ、危険な話は一切載せていないという事には

嘘偽りはありませんので、現在、お読みになられて

嫌な気分になっていらっしゃる方がいたとしたら、

それは自己暗示に他ならないと思います。

実は、この話がボツになったのは、出版社側が

危険だと判断した訳ではなく、似通った話が

沢山あるから・・・という理由でした。

そして、念の為、Aさんにも遠回しに確認しましたが、

話を読んだだけで、怪異が及ぶ事はあり得ない、との

見解でした。

万が一、そういう事があるとするならば、話の中に

呪いの言葉が密かに組み込まれている場合だけ、

だそうです。

もしも、その場合でも、声に出して読み上げなければ

問題無いとの事でした。

勿論、私はそんな呪いの言葉を組み込んではおりません

ので、ご安心ください。

ここまで、安心です!と書いているのは、削除することによって、

更に恐怖感が増してしまうのを防ぐ為です。

何度も申しますが、私の書く話に危険なものは

全く含まれておりませんので、ご安心ください。

そして、今後は、このような事で、読者様にも

ご迷惑をおかけしない様にする為に、

万が一、読んでいて、気分が悪くなられたとしたら、

その時点で読むのをお止めください。

やはり、自己暗示というものも、ある意味、

どんどんと大きくなっていきますので・・・。

そして、最後に1つ、お願い致します。

もしも、この話を読まれて、ネットで検索をして、

調べたりするのはお止めください。

私もそんな事は決してしませんので。

ですから、そこから先は、私には安全を保証出来ません。

どうしても、という方は、自己責任でお願い致します。

最後に、もう一度だけ書かせて下さい。

私がこのブログ、及び文庫本に載せている

話は、全て安全な話ばかりであり、霊障は全く

ありません。

そもそも、霊障がある話は、私は好きではありませんので(笑)

ですから、安心して、お読み頂けると嬉しいです。

それでは、今後とも、宜しくお願い致します。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:21Comments(33)

2017年11月11日

昨晩の話に関しまして・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、おはようございます。

今日は会社は休みですが、お客さんのお手伝いで

仕事です。

そして、夜からは、そのお客さんと飲み会という

予定になっております。

というか、まあそんな事は置いといて・・・・。

昨晩、アップした話に関しまして、お1人の方から

今までに無い程の危険さを感じたので、話自体を

削除した方が良いのでは?

とのアドバイスを頂きました。

非掲載希望なので、承認しておりませんが、

きちんと説明して頂いたうえでのアドバイスだと

思いましたので、他の読者様にもお聞きしたいと思いました。

私は危険な話は絶対にアップしないと公言しているように、

それ自体には不安は持っておりません。

ただし、私が感じない部分で読者の皆様に、負の力が

作用して、精神的にストレスが掛かる様な話になって

いるとしたら、それは私の本意ではありませんし、

1人の読者様のアドバイス通り、削除したいと考えて

おります。

ただ、私にはその判断がつきませんので、大変

申し訳ありませんが、皆様のご意見をお聞かせ

頂ければ、と思います。

話の安全性には自信を持っておりますが、何らかの

暗示のようなもので、読者の皆様にご迷惑が

掛かる事は避けたいと思っておりますので、

ご理解のうえ、ご意見をお寄せ頂けると助かります。

ちなみに、この話は、文庫本用に書き上げた

話の中でボツになったひとつになります。

それでは、宜しければご協力の程、

お願い致します。

今日も皆様にとりまして素晴らしい1日に

なる事を祈っております!
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 07:21Comments(47)

2017年11月10日

【閲覧注意】その歌を唄ってはいけない!

サインディスプレイ部  営業のKです。

この話は、先日お読みになった方から、

気分が悪くなったり不安感に襲われたとの

コメントがあり、1度削除させて頂いた

話になります。

しかし、その後のコメントで読んでみたいという

ご要望が多かった為、私としてもせっかく

書いた話をこのまま埋没させるのは

悲しく思い、冒頭の歌のタイトルのみ削除

した形で再アップする事にしました。

特に、いわくつきの話でもありませんし、

危険な話でもありませんが、

お読みになられる方は、あくまで自己責任で

お願い致します。

また、体調の優れない時に読まれるのは

避けた方が良いのかもしれません。

どちらにしましても、読んでいる途中で

気分が悪くなったり不安感に襲われた時は

速やかに読まれるのを中止してください。

また、読まれた方も、ネットで表題の歌を

探すなどの行為はお止めください。

私が安全を保証出来るのは、あくまで

このブログを読むという行為に限定されます。

そこから先へ進もうとなさる方の安全までは

保証いたしかねます。

以上のお願いに同意された方のみ、

下記本文へとお進み頂ければ、と

思います。

同意頂けない方は、このままこの話はスルー

してください。

宜しくお願い致します。






いわくつきの曲、というものがある。

かなり以前になるが、全世界で数百人が自殺した。

その曲を聴いて・・・・。

曲自体は、やはり全体的に暗い曲調のものであり、死んだ恋人の事を想って過ごす

日曜日に、最後には、本人も自殺を決意する、というまさに自殺ソングといっても

過言では無いような暗すぎる歌詞らしい。

しかし、実はこの曲は、日本でも自殺者を出している。

その曲を聴いただけで、やはり自殺してしまったそうだ。

その曲はハンガリーだったかの古い曲なので、当然日本語ではない。

それなのに、日本人も自殺してしまうということは、その曲を聞いて催眠や

暗示にかけられてしまったという以外にも何か要因があるのかもしれない。

そして、これもそんな曲にまつわる話である。

しかも、かなり限定的に・・・。

それは友人が所属しているカラオケサークルで起こった話になる。

そのカラオケサークルは、もともとは彼女が勤める会社の同士数人で、仕事帰りに

カラオケでストレス発散しよう、と立ち上げられたものらしいのだが、友達が

友達を呼び、気が付けば、数十人が参加する巨大なカラオケサークルに

なってしまっていた。

そんなに大所帯になってしまうと、さすがに全体で集まる事など不可能であり、

仲の良いグループ毎に、好きな場所でカラオケパーティを開催して楽しんでいた。

皆、それぞれが好きな場所で好きな歌を唄う。

当たり前のことである。

しかし、そのカラオケサークルでは、1つだけ決まり事があった。

それはある日本人女性の歌を唄ってはいけない、というもの。

特に、とあるカラオケボックスでその歌を唄う事は特に禁忌とされていた。

その歌の歌手名や曲名は絶対に書かないが、日本人女性のかなりマイナーな歌手

であり、認知度こそ低いが、良い歌をじっくりと聞かせる歌手で、特にバラード

には定評があった。

あった・・・と書いたのは、その歌手がもうこの世にはいないという事。

自殺だったらしいが・・・。

噂では、その禁忌とされている歌を作り終えてから、発表する事なく、この世を去った。

その歌手の自殺の理由は分からないが、その曲を作り終え、急いでレコーディングし、

その帰り道に、特急列車に飛び込んだのだという。

そして、その曲のバックには、演奏に混じって、説明のつかない様な気味の悪い

笑い声が入っている。

これは、俺も確認したのだが、男性とも女性ともとれるような声であり、それが

確かに薄気味悪く笑っていた。

まるで、地獄の底から聞こえてくるような声に聞こえたのを覚えている。

まあ、確かにいわくつきの気持ち悪さはあるが、曲は素晴らしく原曲を

聞いた時、かなり感動してしまった。

ただ1つだけ気になったのは、その歌手の他の曲での歌い方とはかなり違っており、

まるで何かに怯えるように唄っているという事。

勿論、バラードであり、その歌い方は曲調にも合っていると言えなくもないが、

俺には、まるで恐ろしいモノに近くから睨まれながら唄っているようにさえ聞こえた。

そんな彼女にはコアなファンもそれなりに居り、曲の良さとも相まって、カラオケ

で唄う事もそれなりに居るのだろう。

そして、そういうコアなファンが以前はそのカラオケサークルにも在籍していた。

いつも、最後にその歌を唄い、その女性は満足気だったらしいが、実はその女性も

カラオケサークルの帰り道に電車に飛び込んで死んでしまった。

そして、その歌を唄ってはいけない、ということだけが、そのカラオケサークルの

唯一無二の禁忌事項になった。

しかし、そんな事実も時間が経てば風化してしまうのが実情である。

最近ではそのサークルでも、その歌を唄ってしまう者も居るのだという。

それは、怖いモノ見たさだったり、純粋にその曲が好き、など様々だったが、

そんな事実を知っても、誰も止めようとははしなかったらしい。

実際、唄っているメンバーに異変や怪異は全く起こってはいなかったし、逆に

そこまで管理してしまうと、カラオケという空間がぎこちなくつまらないものに

なってしまうからなのだという。

しかし、それでも、とあるカラオケボックスでその歌を唄う事だけは、厳格に

禁止されていた。

そこは、以前、メンバーがその歌を唄った帰りに自殺してしまった際、利用していた

カラオケボックスだった。

そこでその歌を唄ったものは、即退会処分になるとの厳しい通達が出ていた。

しかし、世の中には、ルールで縛られると、逆にそのルールを意地でも破りたく

なるタイプの人間がいる。

その日は金曜日の夜で、仕事帰りにメンバー数人で集まり、件のカラオケボックス

を利用してカラオケパーティをする事になっていた。

その店は持ち込みもOKだったので、各自が飲み物やお菓子などを買い込んで

午後8時には全員が集まった。

カラオケがスタートすると、各自が自分の得意な曲を連続して唄っていく。

場はかなり盛り上がり、時間が経つのもあっという間だった。

そして、最後に各自が1曲だけ唄って、お開きにしようという事になった。

そして、その中の一人が、その禁忌とされていた曲を選んだ。

その場に居たほかのメンバーは止めたらしいが、彼女は頑として聞かなかった。

そんなのただの都市伝説に決まってるじゃん!

今夜、私がそれを証明してあげるから、見てなさいよ!

イントロが始まると、何故か部屋の電気が明滅した。

そして、曲にもかなりのノイズが混じってくる。

その場にいるほかのメンバーは、どんどんと不安になっていったが、当の本人は

目を閉じて完全に歌い手になりきっている。

そして、彼女が歌い始めたとき、突然、悲鳴があがった。

その部屋に居た全員がそれを見たのだという。

マイクを持ち、唄っている彼女の前に突然、ドレスを着た女が、彼女の顔を

覗き込む様に立っていたのだという。

そして、それは唄っている彼女自身にも見えている様であり、彼女の目からは

涙が流れ、顔は恐怖で引きつっていた。

それでも、何故か唄う事が止められないようで、彼女は涙を流しながらも、その歌を

唄うのを止めなかった。

それを見たほかのメンバーは、全員が出口に殺到し、ドアから外へと逃げ出た。

そして、その中の一人が、受付に居るカラオケボックスのスタッフに助けを

求めに行った。

その間、他のメンバーは泣き叫ぶ者、呆然とうなだれる者など様々だったが、

それでも、スタッフがその部屋に向かって走ってくるのを見て、どこかホッとした

という。

此処にいらっしゃる方で全員ですか?

と聞かれ、

いえ、まだ1人だけ中に取り残されてます・・・。

と辛そうに伝えた。

それを聞いたスタッフが、急いで中に入ると、何かを見て驚いたような声が聞こえた。

そして、部屋の外に再び出てきたそのスタッフは、急いで別のスタッフに助けを求めた。

そして、救急車も・・・・。

と言ったのも聞こえた。

それから、すぐに他のスタッフ1名と店長らしき人が来て、3人で再び、部屋の中へと

入って行った。

そして、そっと部屋の中を覗き込んだメンバーはとんでもない光景を見てしまう。

それは、完全に視点が定まらない目でヘラヘラと笑いながら、必死に自分の首を

折ろうとするかのように、壁に首をぐいぐいと押し付ける彼女と、それを力ずくで

必死に阻止しようとしているスタッフ達の姿だった。

そして、その時も、彼女はずっと、例の禁忌の歌を楽しそうに口ずさんでいた。

それから、救急車が到着し、店内は騒然となったが、笑いながらまるで幼児の様に

暴れる彼女を5人がかりで押さえつけ、救急車で病院へと運ばれていった。

そして、その後、彼女が入院している病院を調べたメンバーが、見舞いに行った

らしいが、完全に面会謝絶にされ、会う事は叶わなかった。

ただ、やはりその時も聞こえていたのだという。

きっと自殺防止用の猿ぐつわをされている状態なのだろうが、その状態でも、

必死になってあの歌を唄う彼女の声が・・・・。

それから、結局、彼女は県外の特別な独房が備えられている精神病院へと移送され、

一生、そこで過ごす事になるそうだ。

ちなみに、その夜、彼女達が使用した部屋は、運命のいたずらなのか、過去に自殺

したメンバーが使った部屋だったそうだ。

そのカラオケボックスと禁忌の歌は、今も存在している。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:44Comments(23)

2017年11月07日

消えない気配

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

公私共に、とても忙しくなっており、大変

ご迷惑をお掛けしております。

アップできる時には、しっかりとブログを

書かせて頂きますので、今後とも

宜しくお願い致します。

ということで、とりあえず、1話アップさせて

頂きますね!

それでは、どうぞ!



これは知人の女性が体験した話である。

彼女は、何より怖いモノが好きという、俺とは真逆なタイプ。

怖いものなら何でも大好物な様で、怖い話やビデオ、そして心霊写真や心霊動画、

更に心霊系の怖い漫画など、その守備範囲はとても広い。

そして、結婚もしており、昼間は共働きで働いている。

だから、仕事から帰り家事をこなし、ゆっくりとくつろげるのはいつもかなり

遅い時間になってしまう。

それでも、平日は翌日の仕事の事もあり、なかなか夜更かし出来ない訳で、

必然的に、週末の夜が彼女の趣味の時間になる事が多かった。

特に誰もが寝静まった静かな時間は、恐怖も倍増し、彼女の一番好きな時間帯

になっていた。

そして、その日も金曜日の仕事が終わり、翌日が休みということもあり、のんびりと

家事をこなしていたせいもあって、自分の部屋でゆっくり出来たのは、午前1時

近くになっていた。

最初はベッドの上に寝転がってホラー小説を読み始めた。

しかし、眠たいわけではないのだが、本の内容がなかなか頭に入ってこない。

そこで彼女はパソコンの電源を入れてyoutubeで怖そうな心霊動画を探して

鑑賞し始める。

しかし、既に見飽きた動画ばかりで目新しいものは無く、それならということで、

彼女はネット上に数多にある実話系の怖い話のサイトを見て廻る事にした。

ヘッドフォンを外し、傍らにはお菓子と缶コーヒーを用意して。

すると、見かけないサイトを見つけた。

彼女は、かなりの頻度でそういう類のサイトを見て廻る事が多かったのだが、その

サイトは明らかに始めて見るものであり、彼女はすぐにそのサイトをじっくりと

見てみる事に決めた。

普通、怖い話のサイトといえば、真っ黒な背景におどろおどろしい画像が随所に

置かれ、中には恐怖演出の為にBGMが流れているものさえ在ったのだが、

そのサイトは、真っ白な背景に、黒い文字が並んでいるだけというシンプルなもの。

そして、そのTOPページには、普通は、霊障が発生しても当サイトは一切責任を

負いません、というのが一般的なのだが、逆に、霊と遭遇したい人だけ閲覧

してください・・・という文言が控えめに書かれており、それも彼女の心を惹きつけた。

ふ~ん。なんか本物っぽいかも・・・・。

彼女は、そう思いながら一話目から順に読み始めた。

話自体は、そう長いものではなかったが、まるでその現場に居るような臨場感が

あり、彼女はすぐに話の中に引き込まれた。

彼女はまるで宝の山でも見つけたような気持ちになり、次から次へと、そのサイトの

話を読み漁った。

彼女は、話を読み進めながら思った。

外からは虫の音が聞こえ、とても穏やかな時間の中で怖い話を読める、と

いうのは、なんて幸せなことなのだろう、と。

そして、ちょうど10話ほど、読み進めた頃、彼女はある事に気がついた。

先ほどから聞こえていた虫の音が全く聞こえなくなっていた。

いや、それだけではない。

外を走る車の音も聞こえず、風も完全に止まってしまい、聞こえてくるのは

部屋に置いてある目覚まし時計が刻むコツコツという音だけだった。

今、何時なんだろう?

彼女は時計を見ると、既に午前3時近くになっていた。

あっ、さすがに夜更かしし過ぎかも・・・・。

と思った彼女は、もう1話だけ読んだら床に入る事にしようと思い、再び

パソコンの画面に向かった。

そして、画面にある『次へ』というボタンを押した。

すると、そこには「秋の夜長に」というタイトルが書かれている。

そして、読み始めていくと、彼女は自分の心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

そこには、1人の女性が1日の仕事が終わり、週末の秋の夜長を利用して

怖い話を読み始めるという内容の話が書かれていた。

そして、それは紛れもなく彼女自身のことが書かれている内容だとすぐに判った。

そこには、彼女の実名はおろか、努めている会社、そして、彼女がその日1日に

体験した事柄が細かく正確に書き込まれていた。

なんで?

こんな事があるの?

そう思い怖くなった彼女は、すぐにそのサイトを閉じようとした。

すると、警告!という真っ赤な文字が出て、

最後まで読まなければ命の保証は出来ません!

という文字が表示された。

普段なら馬鹿馬鹿しいと気にもしない彼女なのだか、さすがにその時は、説明の

つかない恐怖に支配されており、仕方なく、そのまま読み進める事を選ぶ。

そして、画面にある『次へ』というボタンを押した。

その途端、彼女は激しい耳鳴りに襲われた。

初めて体験するほどの強烈なものだった。

それでも画面を見るしかなかった彼女だが、そこに書かれている内容を見た時、

彼女は一気に血の気が引いてしまう。

そこには、こう書かれていた。

自ら危険を選んだ彼女の背後には、1人の女の霊が立っている。

その霊は、江戸時代に無実の罪で捕らえられ監禁されたまま餓死した女の

怨霊であり、今まさにすぐ後ろから、彼女の顔を覗き込み、とり殺そうかと

狙っている・・・・というものだった。

すると、突然、先ほどまでの耳鳴りが嘘のように消え、代わって荒い息づかいが

聞こえてくる。

しかも、それは、明らかに彼女の右耳の側から聞こえた。

誰かいるの?

彼女は頭を動かさないように視線を右に送り確認しようとした。

・・・・・・。

悲鳴をあげようとしたが、全く声にならなかった。

そこには、間違いなく古く汚い着物を着た女らしきモノが彼女の顔を覗き込む様に

身を乗り出しているのが、うっすらと見えた。

部屋の中には、その女の苦しそうな息づかいと線香臭い臭いだけが充満

していた。

彼女は固まったまま身動き出来なかった。

金縛りというわけではない。

何故か目だけは閉じられなかったが、体は動かせるようだったのだが、それが

逆に彼女には恐怖に感じられた。

次にどうしたら良いか、が全く考えられなかった。

すると、またしても画面に、

ここでとり殺されるか・・・・それとも次へ進むか・・・。

という文字が表示される。

彼女は何も考えられないまま、震える手で、『次へ』というボタンを押した。

すると、そこにはまたしても、彼女自身の事が書かれていた。

そこには、

彼女はまた新しい怨霊を召喚してしまった。

その女の霊は、女友達に裏切られ自殺した怨霊であり、彼女の命を奪う事しか

考えてはいない・・・。

そう書かれていた。

彼女は、自然に涙が溢れてきたが、それでも、今度はそっと先ほどと同じようにして

左側を確認してみる。

そこには、紛れもなく、先ほどとは別の女の顔があった。

その顔はうっすらと笑っているようにも見えた。

そして、

クックックッ

という笑い声が聞こえてくる。

彼女は、もしかしたら私は殺されるのか・・・・。

と初めて自覚した。

こんなサイトに興味を持った自分に堪らなく腹がたった。

そして、それと同時に、いわれの無い危険に無性に腹が立ってきた。

そして、再び画面は変わる。

そこには、

最後の試練です。

次へ進めば、貴方は助かるのかもしれません・・・・。

助かりたければ、『次へ』のボタンを押してください。

と表示された。

しかし、もう彼女には、『次へ』ボタンを押す気は毛頭無かった。

考えてみれば、『次へ』というボタンを押したが為に今の窮地に立たされていた。

彼女の唯一の救いは、ずっと聞こえている時計の音だけだった。

こんな状況でも時間は確実に進んでくれている。

だとしたら、朝まで持ちこたえれば、助かるのではないか?

それが、彼女の唯一の希望だった。

しかし、時間が進むのは異様に遅く感じた。

もう永遠に朝が来ないのかもしれないとさえ思った。

そうこうしているうちに、左右にいる女達は、少しずつ前へと移動し、既に

普通にしていても視界の中に入る位にまで近づいていた。

そして、

押せ・・・・・早く押せ・・・・・

と低く暗い声で、ボタンを押すように促してくる。

しかし、彼女にはぼんやりとだがわかっていた。

次に、ボタンを押した時が、自分の最後なのだと・・・・。

だから、彼女はパソコン画面のちょうど真ん中だけをジッと見つめてひたすら

耐え続けた。

そして、どれくらいの時間が経過しただろうか・・・。

外がうっすらと明るくなってくるのが分かった。

しかし、彼女の真横までせり出していた2人の女の顔は相変わらず消えては

いなかった。

すると、突然、彼女の部屋のドアがノックされた。

彼女は歓喜した。

きっと夫に違いない。きっと部屋の明かりが点けっぱなしなのを心配して部屋を

見に来てくれたんだ!

そう思った。

そう思っただけで勇気が出た。

彼女は1度大きく深呼吸をし、体に力が入る事を確認した。

そして、次の瞬間、一気に立ち上がり、部屋のドアを開けた。

そこには夫の姿がある筈だった。

しかし、そこに立っていたのは、彼女を見下ろすように立つ、腐乱して顔の造形

すらも分からなくなっているモノであり、緑色の皮膚からは体液のような

ものがポタポタと滴り落ちていた。

そして、ソレの手が彼女に伸びてきて、頭をつかまれたとき、彼女は意識を

失った。

次に彼女が目覚めたのは病室だった。

彼女が記憶している日時から一週間以上が経過していた。

どうやら、自室で倒れているのが発見され、心肺停止の状態だった。

急いで病院へ運ばれ蘇生措置をとられて、息を吹き返し、また心肺停止になり、

息を吹き返し、という状態がずっと続いたのだという。

そして、それから半年くらいして彼女は無事に退院した。

もう怖い話はこりごりだという。

そして、俺にある事を頼んできた。

彼女が体験した怖い話のサイト。

それがどういうものなのか、調べてもらえないか、というものだった。

俺は自分だけではなく、ネット関係に詳しい友人にも頼んでそのサイトを

探したのだが、そのようなサイトは全く見つかれなかった。

そして、念の為、彼女のパソコンを借りて、その履歴からサイトを探しても

みたのだが、結局、サイトは見つからなかった。

彼女は、それ以来、インターネットは一度も利用していないということだ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:09Comments(21)

2017年11月05日

友人はお寺生まれ!

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日は晴れでしたが肌寒い1日でした。

うちの大監督は、白山市のコスプレイベントの後、

其処で知り合った仲間とカラオケとディナーを

楽しまれてからご帰宅されるそうです。

勿論、私が妻のどちらかに、

迎えに来て~!

とラインが入ることでしょう(笑)

それはそうと、ミニ子様、大丈夫ですか?

仕事で嫌なことがあり、更に歯が欠けてしまうなんて。

でも、これしか言えません。ごめんなさい。

『お互いに元気出していきましょう!』

そして、みさとん様も、第2回の金沢オフ会が決定したとの事で

おめでとうございます。

というか、頑張って金沢を盛り上げてくださいませ!

ところで、うちの営業Mさんも行くのだろうか?(笑)

ちなみに、やっほー茶漬けは、普通のお茶漬けとは少し

違い美味しいんですが、行かれるのなら1人ではなく、

お友達と行かれたほうが良いかもしれません。

まあ、理由は敢えて言いませんが(笑)

ちなみに私は数十回は行ってます(笑)

そして、いつも拙いブログをお読み頂いている

神読者の皆様。

空元気でもいいから、とりあえず明日からも

頑張りましょうね!

お互いに!

と、三連休明けの明日からの出勤に憂鬱な自分に

喝を入れております(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみませう!

それでんわ、どんぞ~!



中学時代の同級生には住職が多い。

何故かといえば、通っていた中学が寺町という金沢市でもお寺が

密集している地域の生徒をカバーしていたから。

だから実家がお寺というパターンは良くある事で、当然その中の

大部分がお寺の住職をしているというわけだ。

といっても、頭を剃髪している事も無く、普通に結婚もしている。

好きな物は何でも食べるし、飲み歩いたりもする。

仕事といえば、葬式の読経と檀家への対応。

それ以外の時はぶらぶらと暇つぶし。

それでいて、かなり裕福な生活をしているのだからある意味

羨ましい限りである。

そんな彼らでも、やはりある事だけは欠かさないのだという。

それは、お墓の掃除とか仏像の手入れなどというものではなくて、

もっと特殊なものらしい。

それは訪ねてくる霊達の相手をし、そして話を聞いてやる事だそうだ。

それを聞いて、

だって、お前に霊感なんて無かっただろ?

と聞くと、残念ながら、そういう仕事をしていると、次第に備わるらしく、

最初は、突然見えなかったものが見え始めるとかなりパニックになり、

幽霊恐怖症になってしまうそうだが、どうやらお寺に訪ねて来る様な

霊というものは、悪霊などいる筈も無く、いたって安全なのだそうだ。

確かに普通の人間のように大声で喋ったり笑ったりする事は無いが、

それでも、その姿や言葉は普通の人間と変わらないという。

そして死んだ後の残してきた家族の事などを相談されるそうだが、

それ位なら、何とかこなせるらしい。

悪霊が出てきても退治など出来る訳も無いが、普通の善良な霊ならば、

ほとんとが話を聞いてあげるだけで、このまま帰っていく。

ただ、やはり困るのは事故や病気などて顔や体が崩れている場合だという。

目を背ける事も出来ず、ただひたすら時間が経過するのを待つしかなくなる。

そんな話をしていると、ちょうと1人の女の人が俺達の目の前を通りすぎる。

とても聡明で美しい20代くらいの女性だったのだか、友人が、こんにちは!と

挨拶するので、俺も思わず、こんにちは!ご苦労様です!と言ってしまった。

すると、少し、クスッと笑う顔をして、そのまま本堂に入っていった。

そして、俺が、

檀家さんにあんな綺麗で若い女性もいるんだな?

と聞くと友人は笑いながら、

え?あれがさっき言ってた、話を聞いてもらいに来る霊なんだけどな(笑)

と笑った。

不謹慎だが、あんな綺麗な幽霊さんの悩みなら、どれだけでも聞きたい、と

思ってしまった。

しかし、まるで普通の姿で霊がやってくるとは・・・・・・。

そのせいだろうか。

やはり、この寺町界隈には昔から幽霊の目撃談が後を絶たないのは・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:28Comments(19)

2017年11月04日

真夜中の行列

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日はうちの大監督を富山まで送ってきました。

今日のコスプレ場所は、かなりの雨風だった

様なので、きっと疲れきってご帰宅される

ことでしょう(笑)

と、思っていたら、帰りは電車とバスで自力で

帰ってくるはずなのに、今日は1日仕事の妻に

ラインがあり、迎えに来てください、との事でした。

本当に、親を運転手としか考えていないのかも(涙)

ということで、今夜も怖くない話、いってみますね!

それでは、どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

毎週末、俺は片町に飲みに出かける。

ストレス解消という大義名分のもとに。

そして、たまには1人ではなくお客さんや友人と飲みに行く事も少なくない。

そうなると、やはり〆の一品が必要になる。

それはラーメンだったりお茶漬けだったり、そばだったりと様々なのだが、

根っからの行列嫌いの俺は、行列が出来るほどの人気店には行かない。

並んだ結果が???な場合も多々あるのもその理由だが、どうせなら

少しくらい不味くても広々とした店内でゆっくり食べたいからという

のが本音である。

だから、いつも人気店を奨めるお客さんや友人を振り切って、暇そうな

店にばかり飛び込む。

まあ、どうせ酒も回っているから味など判る筈もないのだから。

ただ、いつの頃からか、とある行列に興味を持つようになっていた。

それは、とてもとても長い行列であり、いったいどんな店に続いている

のかすら判別がつかないものだった。

それは、凄まじく美味しいお店なのか、それとも、何か別の激安店なのか?

我慢していると尚更興味が沸いてきてしまい、お酒を飲んでいても

落ち着かない。

そこで、ある日の夜、深夜1時過ぎにいきつけの店を出た俺は

思い切って、裏通りにあるその行列を見に行った。

その場所に着くといつも通り、老若男女が関係なく長い列を作っていた。

皆、私服でありそれぞれが単独で列をなしている。

それにしても長い列だ。

俺はつい好奇心が勝ってしまい、その行列の最後尾に並んだ。

俺が列に並んでも、誰も振り向こうともしなかった。

それどころか、行列を成している全員が俯きがちに寡黙に並んでいる。

それは、特に霊的なものを感じる事も無かったので、俺はそのまま列に

ついていると、少しずつではあるが、前へと進んでいるようだった。

そして、気がつくと、俺の後ろにも沢山の人が並んでいる。

それにしても、こんなに大人気の店っていうのも凄いな!

俺はそう思いながらワクワクして行列が進むのを待った。

すると、気がつくと、周りは行列に並んだ人で溢れんばかりになっており、

狭い路地は身動き出来ない状態になった。

こうなってしまうと、さすかに行列嫌いの本能が起き出してきてしまう。

俺は、何とか、今並んでいる行列を抜け出そうと決めた。

しかし、まるで満員電車に押し込まれたような状態で、全く体の自由が利かない。

それどころか、急に人の流れが速くなったのか、俺はまるで激流にでも

飲み込まれたかのように、人の流れに身を任せるしかなかった。

こんな列に並ぶんじゃなかった!

そう思ったが、もう遅かった。

人の流れはどんどんと速くなっていき、それでも行列の最前列というのが

見えなかった。

いや、というよりも、この行列にはもしかすると先頭は無いのかもしれない。

そう思った。

この時になると、さすがにこれはもしかすると普通の行列ではないのでは?

と思い始める。

更に、根拠は無かったが、1度列に並んでしまうと、もう逃げられないのでは、と

悟り始める。

なんとかしなくては・・・・・。

そう思った時、突然、行列の流れが止まり、俺はその勢いで思わずその場に

転んでしまう。

そして、顔を上げた時、そこには、見慣れた顔があった。

Aさんだった。

Aさんは、笑いを堪えている様な表情でこちらを見ている。

なんで、こんな処にAさんがいるんだ?

本物なのか?

そう思った時、いつものように、

死人だけの行列に生者が居る、と思って見てみれば・・・。

相変わらず馬鹿な事やってますよね(笑)

これって、死人がこれからあの世に行く列なんですけど?

あっ、馬鹿は死ななきゃ治らないと思って、そんな列に並んでるんですか?

でも、Kさんの馬鹿は死んでも治らないと思いますよ(笑)

相変わらずの好き放題の暴言の数々。

間違いなくAさんだった。

そして、Aさんがこちらに近づいて来るにつれて、まるでモーゼの十戒の様に

並んでいる死者達が道を開ける。

そして、目の前に来たAさんは、

この列にこのまま流されたらそのまま死んでしまいますけど、どうします?

私はスイーツが食べられなくなって困りますけど?(笑)

と言いながら俺の顔を覗き込んでいる。

俺はあなたのお財布じゃないよ!

と思ったが、相変わらず口にする事は出来ず、俺は小さな声で、

あの・・・助けてくれるかな?

と言うと、Aさんはにんまりと笑って、

また貸しが1回ですからね(笑)

せっかく1人楽しく飲みに来ていたのに台無しですから(笑)

と言うと、

はい。どいて。どいて。

と行列を掻き分けるようにして俺の手を引いた。

そして、気がつくと、俺はいつもの夜の片町に立っていた。

安堵している俺に、Aさんは、

まあ、Kさんの場合、ある程度見えちゃうのが逆効果なんですよね!

もっと自覚を持たないと・・・・。

そう言うと、そのまま手を引っ張られて、別の店に無理やり入らされた。

そして、

今夜はKさんの奢りですからね(笑)

と嬉しそうにメニューを物色していた。

まあ、飲食店にAさんと一緒に来て、お金を払って

貰った記憶は無いのだが・・・・。

それから、2軒ほど付き合わされ、全額俺が支払いしたのは言うまでも無い。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:13Comments(21)

2017年11月03日

笑えるホラーCMって好きです(笑)

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

昨夜のブログで、色々と暖かいコメントを

ありがとうございました。

中には健康状態を心配してくださる方も

いらっしゃいますが、私はいたって元気です(笑)

更新はたまにお休みするかも・・・という程度ですので(笑)

怖くない話も毎日書いておりますし。

後はお察しくださいませ(笑)

ということで、今夜はずっと以前にもこのブログで

紹介したかもしれませんが、笑えるホラーCM

という奴を載せてみます。

個人的には、こういうのは大好物です(笑)

宜しかったらどうぞ!

①エクソシスト風笑えるCM
https://www.youtube.com/watch?v=ItDAmHyX848

②ジェイソン風笑えるCM
https://www.youtube.com/watch?v=ebFfB4NS9L8

③BGMが変わればホラーは怖くない1
https://www.youtube.com/watch?v=FjB3NOzFU3c

④BGMが変わればホラーは怖くない2
https://www.youtube.com/watch?v=fcykEsu20eg

昔はもっと沢山こういう動画がyoutubeには

在ったんですが・・・・。

楽しんで頂けましたか?
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:20Comments(6)

2017年11月02日

寝言に答えてはいけない!

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

うちの大監督は、明日は学校で授業。

そして、土曜は富山でコスプレ。

日曜日は、白山市でコスプレ。

そして、運転手は私・・・だそうです(涙)

ところで、今後、しばらくの間、とある事情で

毎日の更新が難しいかもしれません。

以前の、とある事情と同じですので、

ご理解くださいませ。

だから、もしも、更新が無かったら、

ああ、きっと、とある事情で忙しいんだな?と

思って頂けると助かります。

ちなみに、文庫本へのサイン希望は随時受付させて

頂きます(笑)

ということで、短いですが、今夜も全く全然、

怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは俺の知人が体験した話である。

よく、”寝言に返事をしてはいけない”と言われる。

返事をすると寝ている人がそのまま死んでしまうとか、魂が現世に戻って

来られなくなるという話を聞く。

しかし、これから話すのは、それらとは少し理由が違うようである。

その日、彼は翌日が休みという事もあって、趣味のDVD鑑賞をしてから、

午前1時半頃に、寝室に向かった。

1階のリビングの電気を消し、静かに階段をあがり、寝室のドアを開けた。

既に妻は寝ているようで、部屋の中は真っ暗だった。

だから、彼もすぐに寝ようとしたのだがどうも眠りに落ちる事が出来ない。

彼は仕方なく、枕元にある小さなスタンド照明の明かりを点けて、雑誌に

目を通していた。

妻は完全に深い眠りに就いている様で、スースーと心良さそうに寝息を

立てている。

時計の音だけが、コツコツと暗い部屋に響いている。

こんなのも、なんか落ち着けて良いもんだな・・・。

彼はそんな事を感じながら、パラパラと雑誌に目を通す。

その時、突然、隣のベッドに寝ている妻の方から声が聞こえた。

今から行くから・・・・・。

彼は、ドキッとして妻の方を見る。

すると、相変わらず、スースーと寝息を立てている。

なんだ・・・・寝言か・・・・。

そう思い、彼は再び雑誌に視線を戻した。

すると、今度は、

もう少しで着くから・・・・。

おいおい何の夢を見てるんだ?と彼はそのままスルーした。

そして、次に、

ねぇ、死にたいと思ったことない?

そう聞こえた。

彼はさすがにびっくりしてしまい、思わず、その寝言に答えてしまう。

え?

何言ってるんだ?

あるわけ無いだろ?と。

そして、寝言だと思い直し、妻の方を見た。

すると、妻は横たわったまま、両目を見開いて彼の方を見ていた。

彼は、うわっと声を出しそうになったが、それよりも、起きていてそんな事を

聞いてきた妻の内心が気になった。

だから、再び、視線を妻の方へと向けた。

すると、そこに横たわっていたのは明らかに妻とは別の女だった。

彼は思わず、

うわぁ!

という声を出してベッドから飛び起きた。

そして、ベッドから3メートルくらい離れてから、もう一度確認する。

すると、その顔はどんどん崩れていき、老婆の様な顔になっていく。

そして、ニターっと笑いながら横たわり彼の顔を見つめていた。

彼は思わず、

あんた・・・いったい誰なんだ?

妻を何所へやった?

と怒鳴ってしまう。

すると、その老婆は彼のそんな反応がさも嬉しそうに、笑いながらジッと

彼を見ているだけだった。

そして、突然、バターンという音とともに起き上がった。

その起き上がり方は、まるで何か仕掛けでもあるかのように、とても

速いものであり、まるで寝ている姿勢のまま起き上がってきたその老婆に

彼は恐怖し、言葉を失った。

そして、老婆は呆然と見つめる彼の横を通り過ぎ、そのまま階下へと降りていった。

しばらく彼は動けなかったが、ハッと我に還り急いで階下へと降りていく。

そして、家中の電気をつけて妻を探したのだが、妻の姿は何所にも見つからなかった。

しかも老婆の姿は明らかに見当たらないのだが、玄関の鍵はしっかりと掛かったまま

であり、彼は頭が混乱してしまう。

結局、その後、家の外も調べたのだが妻は見つからないままで、彼はそのまま

一睡もせずに朝を迎えた。

すると、突然玄関のチャイムが鳴った。

彼は急いで玄関に走りドアを開けると、そこには妻が立っていた。

パジャマを着たままの姿であり、彼を見ても全く表情1つ変えなかった。

それはまるで催眠術にでもかけられているかのように、無反応な妻の姿だった。

そのまま彼は妻を病院まで連れて行くと、そのまま精密検査が行われ、結果として

一種の記憶喪失状態だと診断された。

それから催眠療法などによって生活に支障が出ない程度に回復したのだが、結局、

その老婆が誰だったのか、は彼には分からないままだった。

それからは、彼は万が一誰かの寝言を聞いたとしても絶対に無視するように

しているのだという。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:08Comments(20)

2017年11月01日

隔離された墓というもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です。

いよいよ11月ですね!

昨日は、細田塗料㈱60周年パーティーが

予定通り行われ、高級中華食べ放題の他、

お土産まで頂きました。

そこからは、バラバラでカラオケに行く者、

私のように他の場所へ飲みに行く者と

様々でした。

私は当然、昨日のブログに書いたお店で

1人で午前2時まで飲んでました。

これで、たったの3000円は安すぎます(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

墓というものは、亡くなった方の家であり、それを生きている者達が、

掃除したりお参りしたりして、ずっと関わっていくものだと俺は理解

している。

だから、お寺の中にあったり、霊園という場所にまとめられていたりする

のかもしれない。

そう、つまりお墓というものは、決して建てて終わり、というものではない。

しかし、これから書く話は、そういうお墓とは、まるで意味合いが違うもの

なのかもしれない。

それは、元々は俺が見つけたものではなかった。

心霊スポット好きな友人が本当に偶然に見つけたものなのである。

そして、それは白山市の山の中に在る。

たぶん、山菜取りの人が行き着く場所でもないし、登山者や農家の人が

偶然見つけてしまう場所とも違う。

まさに、人が全く近づけない場所に存在するお墓なのである。

実際、そのお墓を見つけた友人も、バイクで林道を走っていて、誤まって

道を踏み外して、緩い崖の下へと落ちて、そこから、何とか徒歩で下山

しようとして偶然、見つけたという事らしい。

そして、その話を聞いた若かりし俺は、早速、彼にその場所を教えてくれ、と

頼み込んだ。

しかし、何故か彼は頑なに拒否する。

そんな感じで、俺と同じように、その場所に行ってみたいと彼に頼み込む者が

後を絶たなくなってしまったが、ソレでも彼の首を縦に振らせる事は出来なかった。

しかし、その中の一人が、

本当はそんな墓なんか見つけてないんじゃないの?

と言った時、さすがの彼も、嘘の汚名を受けるのは我慢出来なかったらしく、

しぶしぶ了解してくれた。

そして、いよいよ、その墓を案内する当日になると、総勢で15人くらいの

希望者が殺到し、さながら、何処かへ遠足にでも行くような大所帯になってしまった。

これだけの大所帯なら、怖いという感覚も無くなるだろうと思っていたのだが、

やはり彼は、その墓には決して近づこうとはせず、かなり遠くから、俺達の様子を

見守っていた。

そして、件の墓に着いたとき、総勢15人くらいの大所帯が一斉に沈黙してしまう。

誰も喋ろうとはしなかった。

それは、明らかにヤバイ場所である事が、誰にでもすぐに感じ取れたのだから。

だから、遠巻きにその墓を呆然と眺めていたのだが、それでも恐怖が拭いきれず、

すぐにその場から全員が撤収してしまった。

そんな危険な場所なのである。

彼が行きたくないと思うのも無理は無いと思った。

少なくとも、俺は二度と近づきたくは無い。

しかし、彼がその場所に近づきたくない理由はどうやら、もっと恐ろしい理由

らしい。

それが、これから書く話になる。

最初に書いたように彼は偶然、その場所を発見した。

それは、草藁を掻き分けて進んだ先にある、突然開けた場所にあった。

最初、彼はそれがお墓だとは気付かなかった。

しかし、それが人為的に造られたものである事はなんとなく分かったらしい。

だから、彼は思った。

これは凄いものを見つけてしまったのかもしれない!

とりあえず写真だけでも撮っておこう・・・と。

そして、持っていたスマホで撮影を開始したのだが、その途中に、『墓』という

文字を見つけて固まってしまった。

それは大きな石を何段にも積み重ねたものの上に、縦長の石が置かれ、

そこには読めない漢字で色々と書かれていたが、その中に、墓という文字を

見つけてしまったのだ。

そして、その墓らしきものは、全部で5つ在り、まともなものは1つしかなく、

他の4つは、3つが医師が崩され、もしひとつは、墓にかけられていた

しめ縄のようなものが、引き千切られていた。

いつもは、鈍感な彼も、その時はそれが何を意味するるのか、すぐに理解出来た

という事だ。

まるで隔離されるようにひっそりと人目につかないように建てられたお墓には、

きっと良くないモノが葬られており、その中の4つは既に封印が解かれている

のではないか、と。

そして、彼は咄嗟に思った。

だとしたら、こんな処に居るのは危険なのではないか・・・と。

だから、彼はすぐに墓から視線を外し、どちらの方向に逃げようかと辺りを

見回した。

そこで彼は凍りついた。

ちょうど墓の後ろにあたる場所にある木々から、何かがこちらを見ていた。

何か、と書いたのは、それがとても人間には見えなかったから。

骨と皮だけになった抜け殻のような顔が、木に隠れてこちらを覗き込むように

こちらを見ていた。

まるでガイコツに人間の皮だけを被せたようだった。

彼は息を殺してしばらくそちらの方向を見ながら固まっていたが、すぐに恐怖で

居ても経ってもいられなくなる。

彼はそのままじりじりと後ずさりしながら退路を探った。

そして、その場所から20メートルくらい離れた場所まで来ると、そいつらは

木々から姿を現した。

それは全部で3体だった。

その姿は、本当に棒切れのように細い体に、破れかけた布きれだけをまとい、

頭を上下に振るような仕草をしながら、ゆっくりと墓の方へと歩いていく。

そして、墓の前まで来ると、ウアッウアッと訳の分からない言葉を発しながら、

墓の前の土の中へと入っていった。

彼は、今自分の目の前で起こった事が理解出来なかった。

あいつらは一体何なのか?

そして、どうして墓の中に入っていったのか?

彼にもそれらがきっと墓の中に埋葬されたモノだという事だけは、何となく

推測できた。

しかし、あいつらは墓から出て何をしていたのか?

とにかく、彼には一刻も早くその場から離れる必要があった。

確か、あの墓は、5つのうちの4つが何かの封印らしきものが解かれていた。

だとしたら、あと一体はどこにいるのか?

彼は一体どの方向へ逃げれば良いのか、全く分からなかったが、それでも

あの墓に近づく勇気は無い事だけは明らかだった。

だから、彼はその墓と反対方向へと体を向けた。

その時、彼は心臓が止まるかと思ったという。

振り向いた彼の前には、何かが立っていた。

振り向いた直後、今日に視界が妨げられたが、それが何なのか、彼には分からなかった。

しかし、むせ返るような臭気を感じ、顔を上に向けると、それが大きな人だと

いう事が分かった。

その体はいように細く、そして身長は目測で2メートル以上はあった。

そして、破れた布キレを着た針金のような体の上には、まさに先ほど見た

モノ達と同じようなガイコツに人の皮が被せられたモノが乗っていた。

そして、その顔は一目見て、凄まじい怒りの顔だという事が分かった。

そして、その男に覆い被さるように体を預けられた彼は、そのまま意識を

失ってしまう。

そして、それから次に彼が目を覚ましたのは、夕暮れが迫る時刻だった。

彼は違和感を感じて体を動かそうとしたが、どうも体の自由が利かない。

そこで、体を動かそうとした時、そこが、先ほどの墓の中だということが

分かった。

首から上だけを土の上に出すようにして埋められていた。

彼は慌ててそこから脱出しようとしたが、その時、彼が前方を見ると、そこには

先ほどの3体と1体のバケモノが、じっとこちらを睨んでいた。

彼は、一刻も早くその墓から逃げ出したかったが、そんな事をすれば、前方から

こちらを睨んでいるモノ達が怒ってこちらに向かってくる様な気がした。

だから、必死でその気持ちの悪い墓の中でじっと耐え続けた。

すると、突然、ポツポツと雨が降り始め、そしてすぐに酷いどしゃ降りになった。

そして、どうやら、そのバケモノ達は雨を嫌うようで、そのままスーッと消えていく。

それを見た彼は一気に墓から出ようとするのだが、どうしても足が動かなかった。

そして、彼が視線を落とすと、そこには彼の足にしがみつくようにもがいている

先ほどのバケモノの顔があった。

彼はそれからの記憶がはっきりしないらしく、どうやってそこから脱出し、そして

どうやってその場から逃げたのかは、全く覚えていないのだという。

ただ、そこから無事に帰宅した彼は、そのまま高熱で寝込む事になった。

そして、彼は言っていた。

墓の中に埋められている時、何かを強く感じたのだという。

それは恨みとかの念であり、そいつらは皆、大昔に村の都合で山の中に埋められた

者達であり、そして、そのまま土に埋められた状態で餓死したのだ、と理解出来た。

そして、きっとそこに近づく者には、ソレ相応の呪いがかけられるのだと・・・。

そして、その言葉を裏付けるように、その後、その場所を訪れた総勢15人

以上の参加者全員が、その後、やはり、在り得無い程の高熱でうなされる事になった。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:20Comments(12)

2017年10月31日

誰も飲めないボトル・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

今夜は、60周年パーティーですが、

とりあえず、1話あげておきます。

ちなみに、娘はパーティーには参加出来ません(笑)

そして、今夜の話は、パーティーの後、1人で飲みに

行く予定のお店の話です。

良かったらどうぞ!

まったく怖くないですが(笑)




俺がいつも通っている店には、誰も飲む事が出来ない

ボトルがある。

それは小さなスナックには似つかわしくない様な、

とても貴重なウイスキー。

しかも、かなり高価なものである事は周知の事実

になっていた。

最初に知人から紹介されてそのスナックを訪れた時は、

正直、何故

こんな場末のスナックにそんな貴重で、欲してもなかなか

手に入らない様な

ウイスキーがあるのか、と俺も驚いてしまったのを覚えている。

あまりに珍しいウイスキーだったので、俺も最初に訪れた際、

そのウイスキーを飲ませて欲しいと頼んだのだが、丁重に断られた。

どうやら、そのウイスキーは、ある1人のお客さんの為に用意

してある物だということを聞かされ、渋々断念した。

しかし、それから何度もその店に通うのだが、いっこうに

そのウイスキーのボトルが減っている様子が無い。

だから、俺は聞いてみた。

その、ある客というのは、どんな客なのか?と。

すると、ママさんがこんな話をしてくれた。

かなり以前、そのスナックがオープンした当時はお客さんもまばらで

ほぼ毎日が開店休業状態だった。

それこそ、店を続けていくのも難しいというレベルで。

そんな時、ある男性が、その店を訪れた。

お客さんは少ないが、なんとなく落ち着くお店の雰囲気が気に入った

らしく、それからは常連客として、いつも

飲みに来てくれるようになった。

まだオープンしたばかりで固定客がいなかったその店に、その男性は

足繁く通い続け、更に自分の知り合いや友人達も、この店に連れて来て

どんどん客層を広げていった。

そして、お店が軌道に乗り始めたとき、その男性は顔を出さなくなる。

お店自体は、いつも満員状態で、大忙しだったが、それでもママさんは

その男性の事を思い出さない日は無かったという。

だから、お店のママさんも、すっとその男性が来ない事を気に留めていたが、

どうしても男性とは連絡がつかなかった。

そんなある日、本当に久しぶりにその男性がお店に顔を出した。

とても痩せ細っており、どこか体が悪い事はすぐに分かった。

顔色も悪く、とてもお酒が飲める状態には見えなかった。

すると、その男性は一本の酒のボトルをカバンから

申し訳無さそうに出してきた。

それは、とても珍しく貴重な酒であり、入手困難と言われている

ウイスキーだった。

お願いがあるんだけど・・・・。

本当はお酒の持ち込みなんて許される事では無いのは分かってるんだ。

でも、どうしても、このウイスキーをこの店で飲みたくてね。

悪いんだけど、一杯だけでも飲ませてもらえないだろうか?

勿論、ママさんは笑顔で頷き、丁寧に、ウイスキーのボトルを開けて

グラスへと注ぎ、そして男性の前に差し出した。

そして、その男性は、そのウイスキーをストレートで一杯だけ

飲むと、ママさんにこう言った。

やっぱり、この店で飲むウイスキーは最高だね。

無理を言って飲ませてもらった良かったよ。

それでね。

我侭ついでに、もう1つお願いがあるんだけど・・・。

これから、私が来たら、このウイスキーを出して欲しいんだ。

とても貴重な酒だから、ゆっくりじっくりと飲みたいんだ。

だから頼むよ。

ママさんはそれを聞いて、大きく頷くと男性は嬉しそうに笑ってその店から

出て行った。

また来るから!絶対に来るから!

そんな言葉を残して・・・・。

とても嬉しそうな男性の顔を見て、ママさんもとても幸せな気分になった。

しかし、それがその男性の最後の生前の姿だった。

そして、それからしばらくして、お客さんから、彼が死んだという

知らせを受け取った。

ママさんは愕然としたが、それでも、あのお客さんは、また来るって

言っていたんだから、もしかしたら本当に来てくれるかもしれない・・・。

そう思って、仕事を頑張った。

お店がお客さんで一杯になるたびに、これは亡くなられたあのお客さんの

お陰なんだから、と自分に言い聞かせて。

だから、男性が持ってきたウイスキーは、ずっと棚の一番高い場所に

置いて、そのお客さんが来てくれるのをずっと待った。

勿論、誰にも飲ませずに・・・。

そして、男性が最後に訪れてから、ちょうど一年後、本当にその男性は

お店にやって来た。

痩せ細った姿ではなく、元気そうな姿で。

そして、

お久しぶりです。

という男性に対してママさんは、

はい。ずっとお待ちしておりましたよ。

と笑顔で返すと、黙ってそのウイスキーをストレートでグラスに注ぎ、

男性の前に差し出した。

男性は、とても嬉しそうにそのグラスを手に取ると、一気に飲み干した。

すると、男性は、

また来るけどいいかな?

と聞いてきた。

ママさんは、

はい、いつでもお待ちしていますね!

と返した。

すると、男性は少し照れくさそうな顔で笑うと、ゆっくりとドアを開き、そのまま

お店を出て行ったという。

ママさんにも、それが生きている人間ではない事は分かっていたが、

不思議と怖さは感じず、それどころか、とても幸せな気持ちになれたという。

そして、それから、毎年、同じ日に、その男性はお店にやって来ては、

そのウイスキーを一杯だけ飲んで帰るのだそうだ。

だから、毎年、そのウイスキーは少しずつ減っていく。

しかし、何故か無くならないそうだ。

だから、俺を含めて、そのウイスキーを飲もうと思う常連客は誰もいない。

それどころか、見慣れない客が、そのボトルを見つけ、飲ませて欲しいと

言うと、ママさんに代わって、その人をなだめ、皆で説得する。

そんな感じだから、一年でその日だけは、常連客は誰もその店に

立ち寄らない。

その男性客に、水入らずでのんびりとお酒を飲んで欲しいから・・・。

そして、ママさんも、今では慣れたもので、その日だけは、

従業員を休ませて、お店の看板の明かりも点けない。

今年も、その日が近づいている。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:14Comments(33)

2017年10月30日

在るはずのない部屋

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

いつも、コメント欄で、常連さん達のやり取りに

大爆笑させてもらっております。

明日は、弊社の60周年の記念パーティ?が

市内某所で行われます。

うちの娘が”私も参加したい”と騒いでました(笑)

それが終わったら1人で片町に飲みに行く予定です。

土曜日は飲みに出られなかったので(笑)

それでは、今日も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼はかなり昔からの友人。

お互いに結婚した時期も近かったので、家族ぐるみでの付き合いが長かった。

家というものに限って言えば、俺の方がかなり早く購入した。

まあ、妻に押し切られて、の事なのだが。

その点、彼ら夫婦は、どちらも慎重派のせいか、なかなか家というものに

縁が無かった。

しかし、ある時、中古であるが、リフォームを終えたばかりの

綺麗な中古物件を紹介されて、購入に至った。

俺も、引越しの際には手伝いに行き、その家の中を案内された。

実は、その時、少し違和感を感じたのだが、当然彼らにそれは伝えなかった。

その違和感とは、何かまるで家の中で迷っているかのような不思議な感覚

だった事と、家の中の一部分が異様に寒く感じたという事。

それ自体は、俺の勘違いということもあるし、何よりこれから、その家に

住む者としては、間違ってもそんな話は聞きたくないだろう。

しかし、その違和感は後日、的中してしまう。

ある夜、夜更かしした彼の妻が、何処かから聞こえてくるオルゴールの

微かな音を聞いてしまう。

勿論、彼の家にはオルゴールなどある筈も無かったのだが、明らかに

その音は家の中から聞こえてくるものだった。

翌日、妻は彼にその事を話すと、彼は家の見取り図を持ってきて色々と

考えた。

しかし、家の見取り図によると、妻が夜更かししていた1階のリビングの

横は、明らかに風呂の脱衣場しか存在しなかった。

彼らは、当然、脱衣所を丹念に調べたが、オルゴールなど在る筈は

無かった。

きっと聞き間違いだろう、という事になったが、納得のいかない妻は、

その日の夜も、そのオルゴールの音を確かめる為に夜更かしして

リビングで待った。

時刻はちょうど12時を回った頃だったという。

突然、カリカリと壁を引っ掻くような音が聞こえ、その後に紛れも無く

昨晩と同じオルゴールの音が聞こえてきた。

妻は急いで夫を起こし、リビングに連れて来る。

寝ぼけていた夫も、確かに聞こえてくるオルゴールの音に一気に目が覚めた。

そして、音が聞こえてくる場所を息を殺して探すと、どうやらやはり脱衣所

しかない筈の隣の部屋から聞こえてくる。

結局、その夜、オルゴールの音がずっと聞こえ続け、午前5時になると

ピタリと静かになった。

そこで、翌日、その中古住宅を購入した不動産屋に連絡し、家に来てもらった。

不動産屋の営業は、家の見取り図を見ながら、

いや~、おかしいですね。

でも、この見取り図だと確かにリビングの隣には脱衣所しかありませんし。

そう言いながらも、家の中や外回りを見ていたのだが、突然、彼ら夫婦を

呼ぶ声が聞こえたので、外に行ってみると、その営業さんが難しい顔を

している。

そして、彼ら夫婦に、こう言った。

実は私達も、リフォーム後にこの物件を委託され、お客様に販売させて

頂いたんですが、どうやらこの見取り図には、少し間違いがあるようです。

それが故意的なものなのか、それとも、本人達も知らなかったのかもしれませんが。

そう言って、見取り図の脱衣所の場所を指差した。

そして、

ほら、この図面では脱衣所は、かなりの奥行きがあるように書かれてるんですが、

先ほど見た感じだと、この図面の半分の奥行きも無いんです。

でも、外側から見ると、外壁はしっかりと図面通りになってます。

ということは、もしかすると、脱衣所の奥にもう1つ空間があるのかもしれません。

そう言われた。

そして、

有料になりますが、もしもご希望でしたら、業者に頼んで、脱衣所の後ろの空間を

調べてみる事も出来ますが?

と言われたので、彼らは、即答で、お願いします!と返した。

そして、次の日曜日に業者がやってきて、不動産屋の営業立会いの元で、

リビングの壁に穴を空けた。

最初、小さな穴を開けて、そこからカメラを入れて、中の空間の様子を

探った。

しかし、カメラには何も映らなかった。

そこで、仕方なく、人間が入れるくらいの大きめの穴を開けて、そこから

業者の人間が穴の中に入った。

すると、

うわっ!

という声が聞こえ、その後すぐに業者さんはその穴から出てくる。

そして、開口一番、

この家、どうなってるんですか?

と履き捨てる様に怒鳴る。

そして、これはもう仕事とはいえないので、これで引き取らせて貰います。

そう言って、そそくさと帰っていった。

残された彼らと営業さんは、しばらく呆然としていたが、慌てて

懐中電灯を探し、中に入ってみる事にする。

先ほどの業者の意味不明な言動がかなり恐怖を増長していたが、それでも

営業さんを先頭に、夫も中に入る事にした。

中には入ると、そこは完全に異世界だった。

そこはちょうど2畳ほどの空間になっていた。

懐中電灯に照らされて浮かび上がったのは、壁に埋め込まれた鉄の板と

それに固定されている拘束具。

拘束具は、何故か、どす黒く錆びていた。

そして、鉄の椅子が置かれ、そこには拘束用のベルトが。

更に、座った状態で、ちょうど自分の顔が映るくらいの位置に、小さな

鏡が飾られており、床には見たことも無い古いオルゴールが置いてあった。

そして、その部屋の壁には無数の引っ掻き傷が、どす黒い血の痕と共に

浮かび上がった。

営業さんも夫も、終始無言だった。

そして、営業さんが床に置いてあるオルゴールを拾おうとしたので、夫は

それを止めた。

ここにあるものには、一切手をつけてはいけない・・・・。

そんな気がしたのだという。

そして、彼らは、3分と持たずに、その穴からリビングに出てきた。

明るい場所で、そり2人の顔を見た妻は、その蒼ざめた表情に、一気に

恐怖が増した。

そして、とりあえず、その穴は、応急処置として、ベニヤ板で塞がれた。

その後、営業さんは、会社に帰って上司と相談してみます、と言って、

その場を後にした。

それからは、恐怖の中で、その日を過ごした。

そして、翌日には、上司と伺うという旨の電話を営業さんから貰い、その夜は

何とか乗り切ろうという事になった。

そして、その夜の午前0時過ぎ。

彼ら夫婦は、ある物音で同時に目が覚めた。

それは、いつもにも増して、大きく聞こえる、ガリガリと壁を引っ掻く音と、

オルゴールの音だった。

彼らは、布団の中で、抱き合って恐怖に耐えていた。

すると、どうやら、そのオルゴールの音が明らかに近づいてきていた。

彼らは、得体の知れない何かが、オルゴールを持ったまま、こちらへと

近づいて来る姿を想像して、恐怖が増した。

キシッ・・・ギシッ・・・・ギシッ・・・。

ゆっくりと階段をのぼってくる音が聞こえた。

そして、それと同時に何かをブツブツと呟くような声が聞こえてきた。

それは男の声に聞こえたという。

そうなると、妻はもう恐怖で泣き出してしまう。

その時、夫は何を思ったのか、急にベッドから起き上がり、

待ってろ!今、確かめてくるから・・・。

そう言って、部屋のドアを開けた。

すると、その瞬間、夫の悲鳴が聞こえ、辺りは静寂に包まれた。

妻は何が起こったのか、全く理解出来なかった。

すると、寝室のドアが開いて、妻の名前を呼ぶ声が聞こえた。

声はよく聞こえなかったが、自分の名前をしっているのだから、夫に

間違いないと思ったという。

だから、妻はベッドから起き上がると同時に、

無事だったんだ?

と言おうとして、言葉が出なかった。

そこには、血まみれで片腕の無い男が立っていた。

痩せ細り、骨だけのようになった顔で、その男は満面の笑みで笑った。

そして、妻は意識を失った。

そして、翌朝、目が覚めると、いつもの明るい日差しが差し込んでいたが、

夫が横にいなかった。

やはり、夢ではなかったんだ・・・。

そう思い、妻は慌てて起き上がると、寝室の中にはまるで何かを引き摺った

かのような血の痕がベットリと床に残されていた。

妻は夫の身を案じ、その血の痕を避けるように、廊下へ飛び出すと、そこに

夫は倒れていた。

揺り起こすと意識は取り戻したが、想像を絶する恐怖を体験したのか、

体がずっと震えており、まともに話すことも出来なかった。

そして、夫が落ち着くのを待って、1階へ降りると、リビングに開けた穴を

塞いでいたベニヤ板が、粉々に割られており、ぽっかりと大きな穴が

露出していた。

そのまま、彼らは、仕事を休み、不動産屋へ駆け込むと、急いで、その家の

売却を頼んだ。

しかし、その不動産屋も、何か心当たりがあったのか、結局、その家を

買い戻してくれた。

そして、彼ら夫婦は、それからしばらくの間、ホテルに滞在し、手頃な

アパートを見つけて、すぐに移り住んだ。

それ以来、怪異は発生していない。

ちなみに、その家は今は取り壊され、更地になっているそうだ。

隠し部屋に、誰かが閉じ込められていたとしたら、かなりの事件性が

あるのは間違いないが、その被害者は今はどうなっているのか?

きっと、彼ら夫婦は、あの夜に見たのが、その被害者だとすると、きっと

もう生きてはいないということなのだろう。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:57Comments(25)

2017年10月29日

続・受け継がれてきた人形

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です。

毎週、台風がやってきておりますが、これから

台風が通るコースにいらっしゃる方、十分に

お気をつけください。

そして、既に台風が通過し、被害を受けた方には

心よりお見舞い申し上げます。

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう。

少しだけ長いですが(笑)

それでは、どうぞ~!



先日、受け継がれてきた、いわくつきの人形の話を書いた。

コメントでも、何とかならないのか?という趣旨の内容を頂いていた。

実は、あの話には続きがある。

ちょっとした事情があって、それを書く事を迷っていたのだが、やはり俺自身が

もやもやしてしまいそうなので、書いてしまう。

前回、“現時点では、彼女の身に、不幸は起こってはいない”

として話を締めくくった。

しかし、その現時点というのは、あまりに短かった。

燃やし、土に埋めた人形が、再び家に戻ってきてから、ちょうど1週間目の

ある日、彼女は夢の中にその人形が出てきた、と連絡してきた。

いや、それはもしかすると夢などではなかったのかもしれない。

彼女が眠っていると、ふと何かの気配を感じて目を覚ました。

すると、そこは何故か昭和の初期、ちょうど戦争の最中にある東京だった。

道や川には沢山の人が灰になって倒れている。

彼女は、これは東京空襲の場面だと気付いたという。

そして、灰になって焼け死んでいる人達の中に、彼女は倒れていた。

そこは、とても熱く皮膚が焼けるような感覚があった。

そして、そこに横たわった彼女の横に、ちょうど彼女の顔を見下ろすように

立っているおかっぱ頭の女の子がいた。

そして、その女の子が大事そうに腕にかかえていたのが、あの市松人形

だったという。

その女の子は、地獄絵図と化した大地に横たわり動けなくなっている彼女の顔を

ジッと見つめていた。

そして、人形も彼女を怖い顔で見つめており、その二つがリンクしているように

感じたという。

彼女は、どうやら空襲で負った怪我が火傷のせいで全く動けなくなっており、

話す事も侭ならなかった。

彼女は、その女の子と人形が恐ろしくて仕方がなかった。

だから、心の中で、

早く何処かへ行って!

と願い続けたが、女の子と人形は、全く動こうとはしなかった。

一体、いつまでこんな時間が続くの?

と思った。

しかし、次の瞬間、それは突然終わる。

空から何かが降ってきて、大きな爆発音がした。

そして、その炎と爆風が、女の子と人形を一瞬で吹き飛ばした。

彼女は、それを呆然と見ていた。

そして、あの爆発で、どうして自分が無事でいられたのか、不思議で

仕方なかった。

辺りには、何かが焼けるような嫌な臭いが充満し、煙と炎が視界を遮る。

しかし、その煙が薄くなっていくと、そこには何かがいた。

それは、爆風で死んだ女の子と、それを見下ろす市松人形の姿だった。

そして、人形はしばらく女の子を見つめた後、そこから遠ざかっていくのが

見えた。

彼女はホッとしていた。

女の子には申し訳なかったが、あの市松人形がその場から消えてくれたのは

正直、嬉しかった。

そして、それと同時に、どうして今、自分はこんな場面を見せられているのか、と

必死に考えていた。

すると、背後から、小さな女の子の声がした。

彼女は、動かない体で、必死に声がした方を見た。

すると、そこには、先ほど遠ざかって行った筈の市松人形が立っていた。

そして、相変わらず、恐ろしい顔で、

なんで、あんたが生きてるの?

そう言った。

そして、それを聞いた瞬間、彼女の意識は飛んでしまい、気が付くと

朝になっていた。

とても嫌な気分だったという。

そして、その夢を見てからが彼女にとっての地獄の始まりだった。

家で料理をしていると、突然、変な方向に力がかかり、彼女は左手の小指を

骨に包丁が食い込むほど切ってしまう。

会社で仕事をしていたとき、一番落差のある大きな階段で彼女は突然バランスを

崩した。

それは、背後から誰かに押されたようだった。

しかし、その時は運良く、偶然通りかかった男性社員に助けられ彼女自身は怪我を

しなかった。

しかし、その数日後、その時、彼女を助けてくれた男性社員が、何の前触れも

無く、職場の窓から飛び降りた。

一命は取り留めたが、かなりの酷い怪我を負った。

それから、彼女は、責任を感じ会社に休職願いを出した。

そして、その初日に、家の階段から落ちて、1階の床に体を叩きつけられた。

結局は肋骨の骨折たけで済んだのだが、彼女にはもう考える余裕は無かった。

再び、その人形を抱え、車に乗ると、急いで家を出た。

遺書らしきメモまで残して・・・。

どうやら、その時は、彼女はその人形と心中するつもりだったらしい。

誰の邪魔も入らない山の中で、体を石にくくり付けて、ガソリンをかぶり、

その人形と一緒に焼身自殺をしようと考えていた。

しかし、その移動途中、彼女は、トラックと衝突し、救急車で

搬送された。

彼女の夫から連絡を貰った俺は急いで病院に駆けつけると、そこには事故で

全身火傷と何箇所もの骨を骨折した彼女がICUに入っていた。

そして、彼女のベッドの隣には、相変わらず、傷1つ付いていない市松人形が

置かれていた。

彼女の夫から聞いた話では、命が助かる見込みは50パーセントも無いと

言われたということだった。

その時、俺自身の中の何かがぶち切れた。

許せない!

そんな気持ちしか無かった。

俺は、急いでAさんに連絡を取り、いつもの喫茶店で待ち合わせた。

約束の時間よりもかなり早い時刻に喫茶店に着いたのだが、Aさんも、それと

ほぼ同時に喫茶店に入ってきた。

俺が深刻な顔をしているのを見て、Aさんは、

いやいや、久しぶりですね。

今日は何を奢ってくれるんですか?(笑)

といつも以上に明るく、俺は少しムッとしてしまった。

そして、話を切り出そうとする俺に対して、まるで茶化すようにおどけるAさん。

とりあえず、いつものように、特大パフェを二つ頼み、ご満悦のAさん。

そして、ムッとしている俺にAさんが囁いた。

ほんと、馬鹿ですよね?

あの人形の前で、敵意を剥きだしにしたんでしょ?

さっきから、ずっと側でKさんと私を見張ってます・・・。

だから・・・下手な事は絶対に言ってはいけません!

それだけ言うと、Aさんは運ばれてきた特大パフェを嬉しそうに口へと運ぶ。

俺は、ふと考えた。

確かにいつものAさんは、こんなにハイテンションではない。

だとすると、本当に演技なのか・・・と。

それにしても、凄まじい食いっぷりと嬉しそうな顔を見ていると、何故か

笑えてくる。

そして、Aさんは、特大パフェ二つを完食すると、今度は特大スパゲティを

追加注文した。

俺は、Aさんに顔を近づけて、

まだ演技続けないとダメなの?

と聞くと、Aさんは、

いえ、もうどこかに行ってしまいました。

大丈夫です。

というので、

それじゃ、スパゲティは何の為に?

と聞くと、

ああ、単にお腹が空いていたので(笑)

と返してきた。

俺は少し呆れ顔で、Aさんが食べるスパゲティが凄まじいスピードで減っていく

のを見ていたが、気にせず食べ続けるAさんは、あっという間に完食してしまう。

すると、突然、

出ましょうか?

と言って席を立つ。

そこからは、Aさんの車に乗せてもらう。

どうやらAさんの車は、それ自体に強力な結界が張られているとの事で、その車の中

なら、何を話しても大丈夫だということだった。

だから、俺はそのまま駐車場に車を停めたまま、話をするのか、と思っていたが、

予想を反して、Aさんは車を発進させた。

俺がどこに行くの?

と聞くと、

どうしても寄らないといけない処があるので・・・。

とだけ答えた。

俺はもしかすると、何か秘策でもあるのかと思い、そのまま助手席に乗っていると、

車は、とあるケーキ屋の前で停車した。

すると、Aさんは、

私は車の中で待ってますから、Kさんが買ってきてくださいね!

私は、イチゴショートとティラミスとマロンケーキ、それとシュークリームを

それぞれ2個で!

と言ってくるので、俺が

もしかして、どうしても寄らないといけない場所ってこのケーキ屋じゃないよね?

と聞くと、Aさんは涼しい顔で視線を逸らせた。

もう完全に呆れてしまった俺だったが、やはり彼女を助けるとしたらAさんの

力は必要不可欠のものだった。

だから、言われるままに、指定されたケーキを買って車に戻ってくると、Aさんは

満面の笑みで迎えてくれた。

俺は、嫌味で、

いつも、それくらい明るい顔してると、すぐに彼氏出来るんだろうけどね!

と言うと、

だから、何度言えば分かるんですか?

彼氏が居ないのは、私が欲していないからだって言ってるじゃないですか?

私の彼氏になりたい男なんて、沢山居過ぎて、キャンセル待ち状態なんですから(笑)

と返してくる。

それから、Aさんは、車を近くの公園に停めた。

そして、嬉しそうにケーキを1つ手に取ると、

それで、彼女の具合はどうなんですか?

と切り出してきた。

俺は、そこから順を追って説明をした。

彼女が負った厄災の事。

そして、現在は死の淵を彷徨っている事。

そして、その傍らには、あの人形が、置かれていた事。

そして、彼女がもしも助かったなら、今度は彼女の夫が、彼女に代わって

あの人形を浄化させたいと思っている事。

そして、彼女にどんな後遺症が残り、火傷の痕が消えなくても、夫はずっと

彼女を支え続けるつもりだ、という事も・・・。

それを聞いたAさんは、

まあ、そんな感じですよね。やっぱり・・・。

とため息混じりにつぶやく。

だから、俺は聞いてみた。

やっぱり無理なのかな?Aさんでも・・・・・。

すると、

まあ、私も死にたくはないですからね・・・・・。

と言葉を濁した。

そこで、俺は、

それじゃ、Aさんと姫が力を合わせたら、どうなの?

と聞くと、

姫はまだ女子高生なんですよ?

それに、私も、まだ結婚前の女の子ですからね~?

と言ったきり、しばらく何かを考えていた。

そして、顔を上げて俺の方を見ながら、

まあ、うってつけの人が居ない訳ではないんですけど・・・・。

と少し浮かない顔をする。

俺は、その“うってつけの人”という言葉に食いついて、更に話を続ける。

そんな人が居るの?

それじゃ、早速その人に頼んでみてくれない?

と言うと、Aさんは更に気が進まないという顔をして、

はいはい。分かりましたよ。

でも、忙しい人だから、ダメ元で聞いてみますね・・・・。

と言ってその日はお開きにした。

そして、後日、Aさんから連絡が入った。

それは、その“うってつけの人”がやはりダメだった!

というものだった。

電話口で、

そっか・・・・しょうがないよね・・・・。

と暗い声を出して言うと、Aさんが

分かってるって言ったじゃないですか?

私だって、あれからずっと彼女を助けたいと思って色々と調べたりしてたんですから。

それに、その人に電話した際に、対人形の対処の仕方も教えてもらいましたから。

だから、とりあえずは、やってみましょう!

と言ってくれた。

それからは、姫も参加して富山の住職の寺でミーティングになった。

だから、俺は姫の高校まで迎えに行き、姫を後部座席に乗せてそのままお寺へと

車を走らせた。

しかし、姫と2人で車に乗っていると、いつも困惑する事がある。

それは、姫がどちらに話しかけているのか、分からない時があるから・・・。

どちらに、というのは勿論、俺なのか、それとも俺の守護霊なのか、ということ。

だから、最近では、いつも、話しかける前に、これから話しかける相手がどちら

なのかを冒頭に言ってもらう事にしている。

ねぇ、Kさんとか、ねぇ、Kさんの守護霊ちゃん・・・とか。

まあ、そんな事はどうでも良いのだが、その時にとても興味深い事を姫から聞いた。

それは、姫のある一言から始まったのだが・・・。

それにしても、Kさんの守護霊ちゃんって凄いですよね~。

もしも、Aさんにも、これくらいの守護霊ちゃんが付いていたら、とんでもなく

凄い事になりそうなんですけどねぇ(笑)

その言葉に思わず反応した俺は、すぐにこう返した。

そういえばさ、Aさんの守護霊ってどんな感じなの?

やっぱりワガママだったり、上から目線だったりするの?

と聞くと、

あれ~、知らなかったんですか?

Aさんには守護霊って付いてはいないんですよ~。

だから、たまにAさんもKさんから借りてるじゃないですか?

Kさんの守護霊ちゃんを(笑)

そう言って笑っていた。

その時、俺は初めて知った。

Aさんに守護霊が居ないのだということを・・・・。

そういえば、Aさんがたまに、最近は守護霊がついていない人もいるんですよね、と

言っていたのは、自分も含めての事だったのかと気付かされた。

まあ、もしも守護霊がいたとしたら、あんなにひねくれた性格には

なっていないのかもしれないが・・・。

そんな話をしていると、ようやくお寺に着いた。

寺に着くと、既にAさんが来ており、住職と何やら難しい顔で

話し込んでいる。

それだと下手すると、命を落としかねないよ・・・・。

これなら何とか、最低でも道連れには出来ると思うんですよ・・・。

と何やら物騒な話をしている。

しかし、そこに姫が加わり、

Aさん、そしてご住職・・・。

本当にご無沙汰しております。

今日は私などもお話に加えて頂いて本当に感謝しております・・・。

などと話しだすから、場の雰囲気が一気にのどかなものになってしまった。

それでも、話が人形の浄化というものになると、さすがにその場に居た

者全ての顔に緊張が走る。

やはり、それほど危険な除霊ということなのか?

話を聞いていると、どうやら、人形を浄化する際には、人形に見られても、

そして自分が人形を見ても駄目だということだった。

それはかなり難しいことになりそうだった。

作戦はこうだった。

彼女の夫に頼んで、あの人形をある場所に持ってきてもらう。

そして、そこに入ると同時に姫が強力な結界を張る。

そこで、動けなくなった人形に、Aさんが浄化の行を行う。

そして、浄化が済んだ人形は、強力な御札と共に、気を込めた鉄の箱に

水晶と一緒に納めて、重しと共に海中深く沈める、というものだった。

そうすれば、人形も長い年月の間に浄化されるだろうということだった。

作戦が決まってからは、行動が早かった。

何しろ、彼女の命が懸かっているのだから、全員が必死だった。

俺は彼女の夫に頼んで、人形を、水気の無い、山の中腹にある小屋まで

持ってきてもらうことにした。

夫は、彼女を助ける為だと聞くと、積極的に協力してくれた。

俺が、先に現地に行くと、既にAさんと姫が来ており、火を起こして

何かを焼いて食べていた。

焼いも・・・だった。

それにしても、この緊張感の無さは、何度体験しても慣れることは無い。

そして、キャンプファイヤーよろしく、Aさんは、持ってきた食材を

どんどんと火に入れる。

それは巨大なソーセージだったり、焼き鳥だったり・・・・。

情けなくて言葉も出ない。

そんな俺の気持ちを察したのか、Aさんが、

あっ、ご苦労様ですね。

大丈夫ですって!

戦いの前の腹ごしらえ・・・ですから。

そう言われたが、何の説得力も無かった。

そんな事をしていると、彼女の夫が車でやって来た。

手には、人形が入れられているであろう木箱を抱えていた。

さすがに、それを見た途端、Aさんと姫の顔つきが変わる。

いくよ!

というAさんに、

はい!

と姫が答えた。

まさに、この2人は最強のペアなのかもしれない。

夫が指示されたとおりに、木箱を持って小屋の中に入る。

そして、出てきた夫と入れ替わるように、Aさんが中へと入っていく。

俺は危険という事で、遠巻きにその様子を見ていた。

いつものように、白く眩い光が小屋を包んでいく。

その時、いつもとは違う声が聞こえる。

それは、明らかにAさんの悲鳴にも似た絶叫だった。

それでも、Aさんは、必死に人形と闘っているようで、俺はしばらく

様子を窺っていた。

すると、姫が大声で俺に叫んだ。

あの・・・Aさん、危険です。

私も力を貸したいんですけど、Aさんからは、絶対に最後までこの

結界は解くな!って言われてるので・・・。

私、どうしたらいいですか?

そんな叫びだった。

しかし、姫の初めて聞く大声に、とんでもなくまずい状況だと理解した。

しかし、俺にはどうしようもなかった。

やはり、あの人形には手を出すべきではなかったのか?

しかし、今の状況に巻き込んでしまったのは俺だった。

俺は意を決して、何とかAさんだけでも助けに行く事にした。

Aさんが劣勢になる相手に、俺が何も出来る事は無い。

ただ、このままだとAさんが・・・・。

俺は、恐怖を押し殺して、一歩踏み出した。

すると、突然、ポンと方を叩かれた。

それは見たこともないスーツ姿の男性だった。

そして、

話には聞いていたけど、凄まじい結界だな~

とか、

それにしても、あれほど言っておいたのに・・・。

まだまだ・・・だな。

と独り言を言っている。

そして、その男性は、そのままAさんが居る小屋の方へと近づいていき、

あっさりと小屋の中へ入っていく。

俺は何が起こったのか、わからず、ただ呆然と立ち尽くしていたが、

しばらくすると、小屋のドアが開いて、その男性が出てきた。

その手にはしっかりと人形が握られていた。

そして、少し遅れて、しかめっ面のAさんが出てきた。

かなり反撃をくらったらしく、その姿はとても痛々しいものだった。

そして、Aさんが口を開く。

来るなら来るって最初から言ってよ!

そしたら、私もこんな目に遭わなくて良かったのに!

すると、その男性が口を開いた。

だから、こうやって持てって教えたでしょ?

それに、人形には、絶対に背後から近づく事!

見られたらお終いだって。

その為にも、水晶を上手く使えって言ってあったでしょ?

何回も言ったと思うんだけどね~

と返す。

姫は何とか無事なAさんを見て泣きそうな顔をしている。

そして、Aさんに手厳しい言葉をかけるその男性を睨んでいた。

すると、Aさんが、

あっ、姫ちゃん、大丈夫!

この人、一応、私の師匠みたいな感じだから・・・。

あっ、それからKさん、この人が人形の浄化にうってつけの奴ですから。

と言う。

俺は、師匠という言葉に反応してしまい、その男性を思わず凝視する。

すると、その男性は、俺の方へと近づいてきて、名刺を差し出す。

そこには、かなり有名な会社の名前と、それなりの役職が明記されていた。

俺も思わず、名刺を差し出した。

すると、

ああ、貴方が、噂のKさんですか?

いつも、Aから、色々と聞いてますよ。

かなりの馬鹿だと聞いてましたが(笑)

あのAに馬鹿と呼ばれるくらいですから相当なものなんでしょうね(笑)

と柔らかくも、キツイ言葉を並べてくる。

まあ、返す言葉は無かったので、俺はそのまま、その言葉を受け止めた。

実際、そう言われたが少しも頭にはこなかった。

不思議な人物だ。

そして、

どうやら、仕事の出張の途中で、何やら嫌な予感がしたとのことで、

此処に寄ってくれたとのことだった。

それにしても、これほど簡単にあの人形が浄化できるなんて・・・。

そして、姫にも挨拶を終えると、そのまま送ってもらったタクシーに

乗って、慌しくその場を去っていった。

その後、Aさんから聞いた話では、

強力な霊能者ではあるが、普通に会社に勤め、仕事をしている事。

そして、年に何度かは、同じ志を持った霊能者達で、全国を浄化して

回っている事。

そして、Aさんに霊能者としての技術や心得を教えてくれた師匠であるという

事が判った。

それを聞いて、俺は思わず、

Aさんって、師匠に対してもタメ口なんだね?

と聞くと、

尊敬するのと、喋り方は比例しませんから・・・。

と言っていた。

それから、俺達は、全く反応が無くなった人形を用意してあった

鉄製の箱に入れ、御札、水晶とともに封印した。

それから痕はAさんに任せたのだが、きっと何処かの海に沈めたのだろう。

そして、彼女はその後、奇跡的に回復し、今では普通の生活が送れるまでに

回復している。

それにしても、まだまだこの日本には、とてつもない霊能者というものが、

いるようである。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:15Comments(22)

2017年10月28日

霊がいるのか、いないのか、の診断方法

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です!

今日は私は仕事でした。

用事があるので、今夜は片町に飲みに行けません(泣)

それから、サイン希望の文庫本、沢山届きました。

ありがとうございます。

お手紙を付けて頂いたり、プレゼントまで(涙)

お気遣い頂き、感謝致します。

実は、オマケの金箔の栞が切れてしまいまして、

現在、追加で用意しておりますので、もう

しばらくお待ちください。

それはそうと、今日仕事から帰宅すると、うちの娘が

リビングでゴロゴロしていたので、

今日は家族でお好み焼きでも食べに行くか?

と言うと、娘が

わーい、本当?行きたい、行きたい!

というので、私はそのつもりでいたのですが、

妻が帰って来て、何の音沙汰も無いので、

心配になり、1階へ降りると、既に

お刺身他の、豪華な夕食の真っ最中でした。

あの・・・・お好み焼きは?

とも言えず、そのまま再び2階の自室へと

戻ってきました。

現在、娘は夕食を終えて、隣の部屋でミシンと格闘しております。

それにしても、お好み焼きの話は、いつ消えたの?(涙)

かなり空腹状態です(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

今日は趣向を変えて・・・・。

全く怖くないのでご安心を!

それでは、どうぞ~!




これは以前、飲み会の席でAさんから聞いた話である。

その場に、住んでいる部屋で怪異が発生しているバンド関係の知り合いが

居り、それに答える形でAさんが話した内容である。

金縛りとか、ラップ音とか、霊的な現象なのかな?と思う場合には多種多様

なものがあると思う。

実際にはそれが単なる家の木材が軋む音だったり、単なる医学的な

金縛りなのかもしれない。

しかし、それらの現象が本当に霊によるものなのかどうかを判断する

方法というのも、確かに幾つか存在するらしい。

最も簡単なのは、部屋に盛塩をしてみるということ。

塩には清めの効果が在るので、陰の気を持つ霊には、それがとても不快

なものであるらしい。

使用する塩は、勿論、粗塩が最も適しているらしいが、別に家庭にある食塩

でもOKとの事である。

それを、白い紙の上に、ちょうど円すい状になる様に山盛りにする。

これは、下に紙を置いた上から、塩をかければ、当然そのような形になると

思うので、それほど難しい事ではないと思う。

それを部屋の場合には、四隅に置くだけ・・・である。

本来は、方角的な四方に置くのが正式なものらしいが、実際には、霊は

部屋の四隅から侵入してくるらしく、普通に部屋の角に置けば良いらしい。

そして、それを一晩そのままにしておく。

夜が明け、朝になってからその状態を確認する。

変化を見る為にはスマホで事前に写メを撮っておくのも良いかもしれない。

盛塩を置いた直後の状態と、一晩放置した状態を見比べる為に。

特に変化が無い場合は勿論、霊など居ないので気のせいということになる。

盛塩が濡れている様な場合には、もう1~2日、そのまま様子を見るのが良いらしい。

そして、もしも、その間に盛塩が黄色く変色した場合には要注意というか、

その部屋には霊が存在しているらしい。

盛塩が変化する色は、黄色だったり、うっすらとしたピンク色だったりするらしいが、

変化した盛塩の色によって、それが普通の霊なのか、悪い霊なのかも判断出来る

ということだ。

もしも、盛塩が変色せず、ただ、固まったりしている場合や、薄いピンクに

変色している場合は霊は居るが、それは害を為さないものであるらしい。

ただ、それが黄色や茶色、そして茶褐色、そして真っ黒に変色していった場合は

覚悟した方が良い。

その部屋には、明らかに悪い霊が、存在しているらしい。

そして、最悪なのは、盛塩が、白い紙の上からはみ出すように散乱している場合。

その場合は、とてもタチの悪い悪霊であるらしく、すぐにでも、その部屋から

出て行くか、もしくは何らかの対策をとる事をお奨めする。

実は、俺は以前、霊障に困り果てていた時、盛塩によって、自分の部屋を

確認したことがあるのだが、その時には、白い紙の上に盛った粗塩が部屋中に

散乱しており、かなり恐怖を感じた。

そして、それをしばらく放置していると、怪異は家中に広がったという苦い

経験がある。

そして、これは盛塩から日本酒に置き換えても同じような事が起こるらしい。

この場合、日本酒の味が分かる人でないと意味が無いのだが、やはり

悪い霊が居る部屋ほど、その部屋に置いておいた日本酒の味が不味くなり、

タチの悪い悪霊が居る場合などは、とても飲めたものではなくなる、という

話だ。

そして、盛塩と同じように、日本酒の色も、黄色く濁ってくる。

これも、変色や濁りが酷いほど危険という事になる。

そして、もしも、これらを試して、何らかの現象が起こった時はとりあえず、

その部屋を一時的に退去する事をお奨めする。

逃げるのではなく、あくまで一時的に・・・・である。

勿論、それは各々の判断する事になるとは思うが、そんな部屋で

生活しているだけで、

運は離れて行き、何をやってもうまくいかず、そして重い病気

にもかかり易い。

だからこそ、取り敢えずの一時退去である。

そして、退去している間に、その部屋のカーテンなどを

全て外してしまい、

雨が降らない日には、一日中、部屋の窓を開けておく。

部屋に線香やお香を焚くのも効果的である。

そして、部屋の中の至るところに、粗塩を置いておく。

勿論、神社などで買ってきた、悪霊退散の御札を貼っておくのも

ベターである。

そうして、霊にとって、不快な場所をわざと作ってしまう。

そうすれば、どんなに忍耐の強い霊であっても、必ずその部屋

から出て行く

のだそうだ。

そして、それでもまだ部屋の中で怪異がおこるようであれば、そこに

残っている

のは、とてつもなく強力な悪霊という事になる。

その時には

しっかりとした霊能者やお寺、神社に頼むしか方法は残されていない。

その際には、代金の話を相手からしてくるような場合には、他を

探した方が良いらしい。

確かに最初はしっかりとした霊能力や法力を持っていたとしても、お金に固執

するようになると、その本人も気付かないうちに、その力はどんどん弱まっていく

というのがAさんの持論である。

ちなみに、Aさんのように、甘いものなどを要求するのは特に問題ないらしい。

何故なら、そうした力を使うと、とても疲弊してしまうらしく、その際の

回復の為にも、甘いものというのは、やはり必需品なのだという。

まあ、Aさん本人に言われても、いまひとつ説得力が無いのだが・・・。

そして、Aさんの家や部屋などに霊が居ついた事は無いということだ。

やはり霊達も危ない者には近づかない、ということらしい。

ただ、Aさん自体は、部屋に霊が居ついて欲しいのだという。

なんで?

と聞くと、

だって、掃除とか雑用を私がしなくても良くなるじゃないですか(笑)

それに家に持ち帰った仕事もやらせられますし・・・・・(笑)

と言ってのける。

楽ばかり考えてないで、もっと動けよ!

と思ったが、口に出せなかったのは言うまでもない。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:39Comments(25)

2017年10月27日

彼は海では泳がない

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です。

今日は帰宅すると、うちの大監督が風邪で

食欲が無いとの事で、いつもの夕飯の後、

ラーメンを食べ、更にミスドを食べられた後、

現在、隣の部屋で寝ております。

が・・・・。

先ほどから、ゲームの音に加え、歌を唄っている

様な声まで聞こえてきます。

きっと、幻聴でしょうが(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



友人に泳ぎが得意な男がいる。

彼は中学から高校まで水泳部で全国大会にも行った事があるほどの

スイマーだった。

だから、昔はよく一緒にプールへ泳ぎに出かけた。

彼と泳いでいると、それまでは泳ぎが得意だと思っていた自分が

恥ずかしくなるくらいの違いを見せ付けられる。

とにかく、安定して速く、そして疲れを見せない。

本気で泳げば凄く疲れるんだけどな!

と言っている彼だが、完全に手を抜いて泳いでもあれほど速く

泳いでしまうのだから恐れ入ってしまう。

そんな彼だが、実は海では絶対に泳ぐ事はしない。

波があって泳ぎ難いとかの理由ではなく、海水がベトベトするから、

という理由でもない。

というか、そもそも海には泳ぐ事はおろか、近づこうともしないのだ。

しかも、以前、学生時代に海での遠泳の試験があった際も、学校を

休んでまで、泳ぐ事を拒否した、というのだから筋金入りだ。

だから、以前、一緒に酒を飲んだ際、思い切って聞いてみた。

どうしてそんなに海が嫌いなのか?と。

すると、彼は海が嫌いな訳では無い。

ただ、恐ろしいんだ・・・。

と前置きした上で、お酒の酔いも手伝って、その理由を話してくれた。

彼の父親の実家が海辺の町ということもあってか、子供の頃には、

彼は普通の子と同じように海で泳いだり遊んだりしていたようだ。

それでは、何故そうなってしまったのか・・・・・・。

それはある時の体験から始まっているのだという。

その時も、彼は夏休みを利用して、父親の実家に家族揃って遊びに来ていた。

小学校の高学年だったという。

その頃から、彼は地元のスイミングクラブに加入していたそうで、毎日、

従兄弟達と海に出かけていっては日が暮れるまで遊んでいた。

実際、その町は田舎で何も無かったから、遊べる事といえば、海での海水浴や

魚釣りや貝拾いなどに限定されてしまっていたが、それでも彼はその場所での

数日間をとても楽しみにしていた。

そんなある日、漁師をしている叔父が子供達全員を連れて沖合いまで

釣りに連れて行ってくれる事になった。

いつもは港のテトラポットなどで釣りを楽しんでいたが、やはり沖合いでの

釣りは、大物も狙えるし、魚も豊富だから、かなりの釣果も期待出来た。

だから、その日の前の晩などは楽しみで眠れなかったという。

そして、朝起きると、さっそく釣りの準備をして、彼らは叔父さんの

漁船に乗り込んだ。

船が出港すると、初めての船で船酔いしてしまう子もいたらしいが、

彼は大丈夫だったらしい。

船の先頭に座り、ずっと向こうまで続いている水平線を気持ちよく眺めていた。

叔父さんの操縦する船は、かなり大きく漁船とはいえ、しっかりとした

船室も備わっていた。

そして、港を出港してから20分くらいで、その日の釣り場に到着する。

すると、各々が持ってきた釣竿を使って釣りをはじめた。

さすがに沖合いでの釣りは、テトラポットなどでの釣りとは違い、かなりの

大物がどんどんと釣れた。

入れ食い状態と言っても良い感じだったという。

すると、それを見ていた叔父さんは、

危ない事はするなよ~、とだけ言うと、さっさと船室に行って昼寝を始めてしまう。

おいおい、監督してなくても良いのか?

と思ったらしいが、子供達にとっては、その方が好都合だった。

何しろ、初めての沖合いの海は、見る物全てが新鮮であり、色んな事を

してみたかったから。

すると、気が付くと、並みが完全に消えてしまい、海がまるで水の

絨毯の様に見えていた。

船の周りには波ひとつ無い不気味なほど静かな景色が広がっていた。

360度を見渡しても、どこまでいっても海しか見えなかった。

そして、海の波が消えたせいか、魚がパッタリと釣れなくなった。

釣り糸を垂らすポイントを変えても、餌を変えても、魚は一匹も

掛からなかった。

すると、従兄弟の誰かが言った。

おい、泳いでみないか?と。

すると、従兄弟の殆どが、賛成した。

中には怖いという事で、泳がないという子もいたが、見張り番役としては

ちょうど良かった。

しかし、初めて入る沖合いの海は、プールとは違い底すら見えないのだから、

さすがの彼も緊張したらしいのだが、それも1人が生みに飛び込むと、

そんな緊張感は、あっさりと消えてしまった。

沖合いの海は、波も無く泳ぎやすかったが、それでも、海の底から人食いザメ

でも出てくるのではないか、と妄想してしまい、なかなか船から離れる

勇気は無かった。

だから、彼を含めた全員は、船のすぐ側を泳ぎ回っていただけなのだが、

それでも、かなりのスリルを味わえた。

夏の日差しの中で釣りをしていた体がどんどん冷やされていき心地よかった。

すると、突然、背後から

うわぁ!

という声が聞こえた。

彼は急いで振り返った。

すると、今まさに、従兄弟の1人が、まるで何かに海中に引きずり込まれる

ようにして海の中へ消えていくところだった。

一瞬の沈黙の後、他の従兄弟達は、いっせいに我先に、と船の上に上がっていく。

しかし、彼はその当時から泳ぎには自信があった。

だから、彼は、その従兄弟を助けに行く決断をする。

彼は、

叔父さんを早く起こせ!

とだけ言うと、勢いをつけて海の中へと潜った。

初めて見る沖合いの海の中は、光も通らないくらいに暗く感じた。

そして、頭では分かっていたのだが、実際自分の目で見る、底が見えない

海は、彼に恐怖という感情を抱かせるには十分だった。

それでも、彼はそのまま海中へと潜り続けた。

時折見上げると、海面とはそれほど離れていないにも拘わらず、海の中は

どんどん暗くなっていった。

そして、彼は考えていた。

いったい何が従兄弟を海中へと引きずりこんだのか?ということを。

しかし、それを考えると恐怖で体が硬直してしまうので、出来るだけ

それは考えない様にした。

すると、前方に何やら改装のようにユラユラと揺れているものを発見した。

そして、何故か、その先端には従兄弟の体が繋がれている事が分かった。

彼は、急いで従兄弟に近づき、従兄弟の体を引き上げようとした。

しかし、何故か従兄弟の体は、持ち上がらない。

彼は、仕方なく、従兄弟の体を繋いでいるものを捜した。

そして、固まった。

そこには、海底から何人もの白い体をした人間が繋がってユラユラと揺れており、

一番先頭の白い人間の手がしっかりと従兄弟の足を握っていた。

それは一瞬の出来事だったのかもしれないが、それでも間違いなく、そこに

従兄弟は繋がれていた。

そして、彼は恐怖のあまり、その場で固まったまま、身動き出来ずにいた。

すると、海面から何かが飛び込んでくる音が聞こえた。

その大きな体は、すぐに彼の目の前を横切り、従兄弟の足に繋がっている

白い手を振りほどいた。

そして、身を翻し、彼の手も掴むと、そのまま海面へと上がっていった。

海面まで上がると、彼と従兄弟を先に船に乗せ、最後に叔父さんが

船にあがってきた。

そして、そのまま急いで操舵室に向かい、何も言わずに船をスタートさせた。

そのまま叔父さんは無言で船を操縦し、行きは20分掛かった距離を帰りは、

10数分で港まで帰ってきた。

すると、叔父さんが操舵室から無線で連絡しておいたらしく、港には大勢の

大人達が集まっていた。

そして、従兄弟は救急車に乗せられてその場から居なくなった。

そして、何故か彼もその日のうちに、田舎から家に戻る事になった。

家に戻る途中、彼は父親にその日見た事を話そうとしたらしいが、何故か、

それは死ぬまで誰にも言うな!

とだけ言われたという。

その後、従兄弟が遠い町の病院に入院したと聞いた。

そして、それから叔父さんと電話で話す機会があったらしいが、その時も、

叔父さんは、

何も言うな!絶対に!誰にも!

とだけ言われたという。

その後、彼の叔父さんは片足を失ったと聞いた。

そして、これは噂だが、その時連れて行かれた従兄弟も片足を失ったのだそうだ。

そして、実は彼にも左足に、まるで誰かの手で摑まれた様なアザが残っている。

それが、彼が決して海では泳がなくなった理由なのだという。

そして、最後に彼は言っていた。

あいつらが何者なのかは分からないけど・・・・。

ただ、いつも海の底から手を繋いで海面辺りを泳いでいる人間を狙ってるんだ。

海の底に引き摺り込もうとして・・・・。

だから、特に波が消えた海には絶対に入ってはいけないんだ!

その目はすっかり酔いが醒め、恐怖を思い出した様な顔をしていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:51Comments(19)
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