2013年06月15日

(改)斎場の近くに住む友人。

俺が毎日通る通勤路には、斎場がある。

昔の呼び方をすれば、火葬場。

文字通り、亡くなられた方を火葬する場所である。

別にそこを通らなくても会社には行けるのだが、朝の通勤ラッシュは

苦手なので、ついつい通ってしまう。

しかし、最近の斎場は、周囲が公園のように整備されていて、朝夕は犬を

連れ散歩を楽しむ沢山の人達で、とても活気に満ちている。

小さな子供も遊んでいたり、学生さんのカップルのデートコースにも

なっているようであり、すぐ側には沢山の民家も立ち並んでいる。

昔の火葬場のイメージとはかけ離れた、本当に明るい雰囲気である。

しかし、夜になると、その雰囲気は一変する。

帰り道を考えるのが面倒くさいという単純な理由で、帰り道も、ついつい

斎場の横を通ってしまう俺。

本当は、そんな場所を通りたくはないのだが・・・。

すると、たまに、アレッとなる。

夜は無人の筈の斎場の林の中に人が立っているのが見える。

斎場の建物から明かりが漏れている。

しかも、それは残業で遅くなった日でも、同じである。

色んなパターンがあると思うが、今の斎場は設備が進んでいる為、

昔のように、夜を徹して、火葬の見張り番をする必要も無いので、

基本的には夜は無人であり、従業員が残っている筈はない。

しかも、入り口にもチェーンが張られ、立ち入り禁止になっているので、

従業員が残っている可能性はゼロだと思う。

それでも、やはり斎場の敷地内の林から、誰かがこちらを見ていたり、

ガラス張りの建物の中を、白い光が移動するのを見てしまう。

そういう時には、気付かない振りをするのが得策だと心得ている。

だから、今まで、車に乗ってきた事は無いが、それでも、ついつい

後部座席が気になってしまう。

そんな中、最近、趣味関係で知り合った若い独身男性が、その斎場の

近くにぽつんと建っているアパートの部屋に住んでいる

というので少し話を聞いてみた。

やはり、夜は、嫌な感じがするのだという。

でも、部屋は、結構安めなので、文句は言えないんですけど、と

話してくれた。

そして、深夜には、部屋のインターホンが鳴る事がよくあるそうだ。

最初の頃は、玄関のドアを開けてちゃんと確認していたそうなのだが、

ドアの外にインターホンを押した相手が居た事は一度も無かった。

それどころか、逆にドアを開けた後は必ず、インターホンが何度も

鳴らされたたり、無言電話が掛かってきたりするそうだ。

しかも、ドアを開けた時は必ず、部屋でテレビを見ていても、まるで

同じ部屋の中に誰かが居る様な視線を感じたり、また

眠りに就くと必ずといってよいほど、金縛りに遭うのだという。

だから、最近では、インターホンが鳴っても、絶対に出ないそうだ。

そして、本当に訪ねてくる友人には、来る前に必ず電話するように、と

お願いしてあるそうだ。

そして、変な声、そう断末魔のような悲鳴が聞こえる事もあるという。

その声はとても大きく、まるでドアの外の廊下から聞こえてくる様であり、

彼だけでなく、そのアパートの住民も皆、聞こえているらしい。

そして、

一番怖いのは・・・と続けた。

夜、遅くに帰ってくると、たまに、得体の知れないものが、廊下を

蠢いているのだという。

そういう時には、さっさと部屋に入るのは諦めて、友達の家に

泊めてもらうそうだ。

だから、会社は定時に帰りたいんですが・・

と言われたが、仕事はそんなに甘くない・・・そうである。

このアパートは、金沢市内に実在する。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:00Comments(4)