2017年07月31日

手取川ダムについて・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様でございます。

最近、部屋で怖くない話を書いている時は、

いつもお香を焚いております。

以前、送って頂いてから、しばらく使わなかったんですが、

やはりお香をするのと、しないのとでは、明らかに

何かが違うので・・・・。

まあ、気のせいかもしれませんが(笑)

ちなみに、よく怖い話を書いていると体調が・・・・

と言っているのに、その話を読んでいても

実害は無いのか?と聞かれるのですが、

私の場合は元々そういう体質でして、しかも、

そういう話をしたり、書いていると、霊が集まってくる

みたいです。

だから、あくまで、私の体質であり、私の部屋の中だけ

での怪異ですから、それが皆様に波及する事は

ございません。

ご安心の上、お読み頂ければ、と思います。

それでは、今夜も怖くない話、スタートします。

どうぞ~!



石川県の白山市という所に、手取川ダムがある。

金沢から福井県に抜ける道沿いに位置し、金沢市からも車で1時間くらいで

着いてしまう。

くねくねと曲がった山道を走り、それなりに長いトンネルもある場所に

展望台を備えた駐車場もあり、それなりに観光スポットになっている。

俺も過去に何度か、その場所を訪れているのだが、その雄大な風景の

素晴らしさを感じる事が出来る場所だ。

しかし、俺にとってその場所は、何故か落ち着かないのだ。

だから、いつも早くその場所から離れたいという衝動に駆られてしまう。

そして、ある時、霊感の強い友人に、その話をした所、意外な返事が

返ってきた。

それは、

手取川ダムの駐車場には、霊が出没する1

というものだった。

特に過去、自殺があったとか、事件があったとか、そういう話も聞かない。

しかし、出るものは出るらしい・・・。

もしかしたら、トンネルが続いたり、近くに洞窟があったりという地形が

起因しているのかもしれない。

友人はそう言っていた。

そして、その話を聞いてから、俺はそれを確かめに行った事がある。

しかも、早朝とか深夜ではなく、日曜日の昼間だったと思う。

バイクで、その場所まで行き、その友人から教えて貰った通りに、駐車場には

降りず、少し離れた駐車場全体を見渡せるような場所に陣取って、じっくりと

観察した。

その日は、日曜日の昼間ということで、それなりに家族連れや観光客の車で賑わって

いた。

車の数も、そしてその場所にいる人間の数も、それなりに多く、いつもの休日の

風景だった。

本当にこんな状態で、霊なんか見えるのか?

俺は、内心そう思っていた。

しかし、やはりいつもと同じように、何故か落ち着かない。

此処にいてはいけない、と感じてしまっている。

その時、不思議な事に気付いた。

駐車場には、いつものように、何組かの人がカメラで記念撮影をしている。

そして、その中に、カメラで撮影している人の中に、いつも同じ男性がいる事が

分かった。

何処にでもいそうな普通の服装をした40代くらいの男性。

それは忙しなく動き、常にカメラのファインターの中に納まっていた。

そして、次から次へと、記念撮影をしている人の元へと移動を繰り返している。

さすがに、あの距離では無理だろう、という離れた場所で撮影している人の元へも

気がつけば、しっかりとファインダーに収まっている。

あたかも、瞬間移動でもするかのように、気がつけば、その男は、ちゃんと

其処にいるのだ。

しかし、その男の存在には誰も気付いていないようだった。

その男性からは、怖い雰囲気も、生気の無さも感じられなかったが、逆に

その普通の表情が恐ろしく感じた。

気がつけば、俺はずっとその男だけをひたすら目で追いかけていた。

これが、友人が言っていた霊・・・なのか?

そんな事を思いながら・・・・。

その間も、その男は、疲れなど全く感じないかのように、ひたすら移動を

繰り返している。

まるで、早回しの映像を見せられているようだった。

そして、気がつくと、駐車場には誰も居なくなっていた。

当然、駐車している車もいない。

あの男は?・・・・・。

そう思った瞬間、その男は、俺から10メートルくらいの距離に立ち、じっと

こちらを見つめていた。

邪魔するな!とでも言いたげに・・・・。

俺はすぐにその場を立ち去ろうと思った。

しかし、俺は何故か、その男に背中を見せるのが怖かった。

背中を見せれば、次の瞬間には、俺のすぐ背後に近づいているような気が

してならなかった。

だから、ジッと俺とその男は、目を離せなくなった。

このままでは危ない・・・どうすれば?

そう感じたとき、一台の車が駐車場に降りていき、中から家族連れと思われる

男女が降りてきた。

すると、次の瞬間、その男は、しっかりとその家族に纏わり憑いていた。

当然、誰にも彼の姿は見えていないようだったが・・・・・。

俺は、すかさず、その場所を離れ、難を逃れる事が出来た。

過去に何かが有ったのか、それとも無かったのか、は分からないが、その場所に

その男が居て、常に誰かにまとわり憑いている事だけは確認出来た。

俺はもう二度とその場所に近づかないでおこうと強く思った。

しかし、後日談がある。

そんな場所だから、俺は出来るだけ夜間や早朝に、その場所の近くを通る事

さえ、可能な限り、避けてきた。

しかし、仕事で福井県経由で、岐阜県まで行かなくてはならなくなる。

しかも、午前9時に現地でお客さんと待ち合わせというスケジュールだ。

逆算すると、自宅を午前5時前には出発しなければならない。

しかも、季節は、秋も終わりそうな時期であり、朝もなかなか明るくならない。

しかし、仕事に穴を空ける訳にもいかず、少し余裕を持って、午前4時半には家を

出た。

交通量が増える前に、出来るだけ距離を稼いでおかなければ・・・・。

そう思った俺は、それなりのハイペースで走り続ける。

そして、ちょうど手取川ダムの手前で時計を見ると、時刻は5時過ぎ。

辺りはまだ暗い。

しかも、雨が降っている訳でもないのに、路面がしっとりと濡れている。

俺は正直迷った。

もう、ここまで来れば、渋滞に巻き込まれる心配は皆無だった。

少し明るくなるまで、此処で待つか、それとも、さっさと行ってしまうか・・・。

俺は缶コーヒーを買い、それを飲みながら考えた。

そして、そのまま、待機せずに走る事にした。

走れるうちに出来るだけ距離を稼ぎたいという思いもあったが、やはり、手取川ダム

で体験した恐怖が、もうその頃にはかなり薄れていたのかもしれない。

俺は缶コーヒーを飲み干すと、そのまま車をスタートさせる。

しかし、走り出すと、すぐにおかしなことに気付く。

先程から、車というものに、1台も遭遇していないのだ。

更に、走り出すと、徐々に霧のようなものが道路を覆い出す。

最初はうっすらとした霧だったのだが、それも、どんどん濃くなっていく。

まるで、別世界にでも迷いこんだ様な感覚だった。

運転していても、前方の視界は、20メートルも無かったと思う。

その状態では、危なくて駐車もUターンも出来ず、俺はそのままノロノロと車を

走らせ続けた。

すると、突然、前方に標識が見えた。

それと同時に、一気に目の前の霧が晴れる。

いや、霧が晴れたというよりも、その部分にだけ霧が存在しておらず、その先には、

また、霧のトンネルが続いている。

そして、標識に書かれていた文字は、

“←手取川ダムP”

という文字。

俺は一気に、あの時の恐怖が蘇った。

そして、俺の視界にあるものが映りこむ。

それは、紛れもなくあの日、駐車場で見た、あの男が、薄ら笑いを浮かべながら、

俺に手招きをしている姿だった。

俺は思わず、前方にまた霧が広がっているのも構わず、アクセルを底まで踏み込んだ。

すると、すぐにトンネルに入り、霧は無くなっている。

俺はここぞとばかりに、スピードを上げた。

しかし、それでも何故か安心出来なかった。

何かが後ろから付いてきている?

そんな気がして少しだけ窓を開けてみた。

すると、風切り音に混じって、

アーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアー

という男の連続する叫び声のようなものが聞こえてきた。

しかも、その叫び声は、どんどんと車に近づいてきているようで、声の大きさが

次第に大きくなっていく。

そして、その時、見てしまった。

車の助手席側のサイドミラーに映る、あの男の顔を!

もう、その声は頭が割れるほど、大きな音になっていた。

しかし、前方にトンネルの出口が見えた。

出口までたどり着ければ・・・・。

自分でもよく分からなかったが、何故かそんな気がした。

そして、しっかりとハンドルを握り締め、アクセルを踏み続けた。

もう、トンネルの出口まで、あと僅か・・・・・。

その時、俺は見た。

その凄いスピードの中、車の助手席から、覗き込む様に顔を窓にピッタリと付ける

男の顔を・・・・。

その顔にはもう、先程の薄ら笑いは、消えており、恐ろしい怒りの形相に変わっていた。

そして、車がトンネルから出ると同時に、その男は消えた。

俺は、それでも、車を停めず、そのまま走り続けた。

停まれば、また、あの男がやって来そうな気がしたから・・・・。

結局、そのまま岐阜県まで走り続けた俺は、予定よりもかなり早い時間に到着してしまう。

そして、仕事を終え、その帰り道には、しっかりと遠回りして、福井の国道8号線を

使って帰ったのは言うまでもない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:47Comments(17)

2017年07月30日

予言というもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日も暑い一日でした。

まあ、九州などはもっと暑かったんだとは思いますが。

今日は夏祭りのリハーサルでした。

コミックバンド化していますが、何とか頑張って

稼がな・・・・・良いライブをしないと。

そして、帰宅すると、午前中は学校に行き、ユルユルな

監督業をこなしてきた娘が、必死に歌を録音していました。

なんでも、nanaとかいうサイトに歌をアップしているのだとか。

でも、下手くそです。

どうせなら、小さな頃から遊びで弾いていたギターとかドラムなら、

下手なセミプロより上手だと思うんですが・・・・。

あっ、今日はコメントでお奨め頂いたファミチキのカレー味を

食べました。

美味しかったです。

でもエビフライは高くて驚きましたが・・・。

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう!

どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼は、ずっと彼女がいない人生を歩んできたのだが、ある日、飲み会で

彼女が出来たという。

いつも彼は飲み会に出席しても、自分から女性と話す事はしない。

別に女性が嫌いという訳ではなく、女性と喋るとあがってしまう、という

のが、その理由だった。

しかし、その時の飲み会では、何故か綺麗な女性が積極的に彼に話しかけてきた

という事で、最初は、あがってしまい喋れなかった彼も段々と会話が弾んで

しまったらしい。

そして、気がついたら、お付き合いしましょう、という事になっていたという。

そして、自慢げに一緒に写った写メを俺達に見せるのだが、悔しい事に、

確かに彼が自慢するように、とても綺麗な女性だった。

しかし、俺も含め、友人達は皆、彼に彼女が出来た事を喜んだ。

そして、彼は、その彼女と付き合うようになってから、少し性格が変わった。

それまでは、何をするにしても、どちらかといえば、行き当たりバッタリというか、

特に拘りを持っていなかった彼なのだが、いつしか、大安や仏滅といった六曜を

重んじるようになったり、無性に方角なども気にする様になった。

そして、どうしたの?と聞く俺達に、彼は彼女の趣味が占いであり、その彼女が

心酔している女性占い師というのがいるらしく、どうやら彼もその占い師に感化されて

しまっている様だった。

しかも、その占い師は、予言も行うそうであり、そのどれもが確実に当たるのだという。

彼はそれから、どんどんその占い師、いや予言者にのめり込んでいくようになる。

そして、ある日、彼はその占い師に、ある予言をされてしまう。

貴方は、悪霊にとり憑かれて、2ヵ月後の第2日曜日の午前0時に苦しみ抜いた挙句、

死にます!

というものだったらしい。

そして、その日、その時刻が来るまでの間に、彼のみに起こる事も克明に予言した。

それは、彼が怪我をする事や、トラブルに巻き込まれる事なども克明に予言されており、

その全てが当たってしまう。

彼は、いつしか塞ぎ込んでしまい、仕事にも行けなくなってしまう。

自分が死んでしまう日が来るのをひたすら恐れていた。

何も手につかない程に・・・・。

そして、時を同じくして、彼の彼女も突然彼の前から居なくなってしまう。

まるで、それまで存在していたのが夢だったかのように、何の痕跡も残さず・・・。

そして、彼は孤独感にも苛まれてしまい、どんどんやつれていく。

そして、彼の目には、いつしか、見える筈のないモノが見えるようになっていく。

それは、黒い人だったり、亡者のような姿をしていたりした。

そして、それらは、どんどん弱っていく彼の姿をジッと見ていた。

それは、まるで死んでいく獲物の死期をじっくりと見定めているようだった。

そして、更に彼を追い詰めるような事態が起こる。

彼に、死期を予言した占い師の女が、彼女と同じように、突然姿を消したのだ。

彼の家族や友人達も、彼のそんな状態を見て、何とか助けたいと思ったのだが、

彼の死ぬ日までの予言が、全て当たってしまっており、知らぬ間に彼の死というものを

受け入れてしまっていた。

そして、その予言の余波が自分に及ぶ事を恐れて、誰も彼に近づこうとはしなくなる。

確かに、予言は克明に当たっていた。

しかし、俺にはどうしても納得出来なかった。

だから、いつものようにAさんに相談してみた。

今回ばかりは、さすがのAさんも断るだろうな、と思いながら・・・。

しかし、Aさんだけは他の人と違っていた。

予言ですか?(笑)

馬鹿馬鹿しい!

それが、Aさんの第一声だった。

そして、

予言なんてものは、昔から数多く存在してますけどね・・・。

ノストラダムスとか、マヤ文明とか・・・。

でも、当たらなかったじゃないですか?(笑)

予言なんて、必ずトリックやこじ付けが存在するものだと思いますよ。

えーと、ですね。あっ、Kさん、ジャンケンしましょう。

で、今、最初に何を出そうと考えてましたか?

当ててあげましょうか?

グー・・・ですよね?

そう言われ、確かに最初にグーを出そうと思っていた俺は驚いた。

だから、

どうして分かったの?

と聞くと、

あいかわらず、お馬鹿ですよね?

自分では気付いてないのかもしれませんけど、Kさんってジャンケンの時、かなりの

確立で最初にグーを出してるんですよ。

つまり、こんな程度のもです。予言なんて!

そして、もしも外れたとしても、それらしい理由を付ければ、もっともらしくなるんです。

そんなものに振り回されて、せっかくの人生を棒に振るなんて、愚の骨頂です。

でもね。本来、予言っていうのは、何かに警鐘を鳴らしたり、危険予防の為に

存在するべきものだと思うんですけど、今回の話を聞くと、かなり悪質ですね。

人を良い方向に導こうとするのではなく、死に向かわせるなんて!

そんな予言なんて、私は認めませんから・・・・。

というか、これって、予言じゃなくて、単なる、呪い・・・なんじゃないですか?

そう言われた。

確かにそう言われてみると、思い当たる節がある。

突然彼女が出来て、その彼女に連れられて予言を聞きに行き、その後、その彼女と

予言者は消えてしまったのだから・・・・。

まるで、彼に、死期が近づいているという予言を聞かせる為だけに、彼女や予言者

が存在していたかのようだった。

そして、その事はAさんも不審に思っていたようで、すぐに彼の家に行く事にした。

それにしても、その時のAさんは、いつものように、横柄な態度ではなく、何故か

協力的だった。

だから、俺は、聞いてみた。

今回はえらく協力的だけど、どうしたの?と。

すると、Aさんは

別に・・・いつも協力的ですよ。

変な言いがかりつけるのはやめてくださいね。

とにかく、私は、こんな奴らが大嫌いなだけ・・・ですから。

そう言ってくる。

そして、彼の家に到着した頃には、もう既に夕方になってしまっていた。

そして、彼に会うと、Aさんは、すぐにこう言った。

ほら。やっぱり呪われてますよ。

予言なんかじゃありません。

でも、かなり厄介かもしれないですね。

この家に入った時から何となく感じていたんですけど、この家、ヤバイかもしれません。

何か用意周到に準備された罠の中に入ってしまったみたいな・・・・。

それに、とても強力な霊が2体、さっきから、ずっと私達を監視しています。

そう言って、携帯を見るAさん。

やっぱり、圏外になってしまってますね・・・・。

どうしましょうか?

と冷静且つ呑気な口調で言ってくる。

だから、俺は

いや、頼みの綱のAさんにどうしましょうか?って言われるほど、不安なことって

無いんだけど(涙)

と訴える。

すると、Aさんは、

大丈夫ですって。

少なくともKさんだけは、何とか此処から逃げてもらわないと・・・・。

と言ってくる。

俺は、

本当はAさんって、優しい人だったんだね!

と言うと、

何言ってるんですか?

さっさと外に出て、誰かに助けを呼んできて貰わないと、という意味ですからね。

まあ、優しいとういうのは、その通りですけどね。

誰に助けを求めれば良いか、は敢えて言いませんから。

それを言うと、この霊達は、邪魔しようとしてきますから・・・・。

ヒントだけ言いますからね。

一応、大学は出てるんでしょうから、自分でちゃんと考えてくださいね。

いいですか。

私がこの家に入ってから、様々なお経の類は全て試しましたけど、全く効果が

無い相手です。

そして、私1人の気では、この2体の霊には、力が及ばないんです。

だから、富山の住職に頼っても駄目だ、ということですね。

わかりましたか?わかりましたよね?

たまには、役に立ってくださいね・・・・。

そう言われ、

たまには・・・って、どういう意味なんだろ?

とブツブツ言っていると、

それじゃ、少しの間だけ、この家の結界を破りますから、その間にしっかりと

逃げてくださいよ!

そう言われ、窓際へと連れて行かれる。

そして、いきますよ!

という言葉の後に、リビングの大きな窓を開け、外に出ようとする俺。

その際、

ちゃんとやるから、信じて待っててね。

すぐに連れて来るから・・・。

それまで、何とか頑張っててくださいね!

と話している途中に、

遅い!早く行け!

と言われ、Aさんに足で突き飛ばされた。

そして、そのまま庭に出ると、俺は急いで乗ってきた車へと走り出す。

その際、チラッと後ろを振り返ると、

2階の窓から、俺をジッと見ている二人の女らしき姿を目撃する。

その姿はとても異様であり、まさに悪霊という言葉がピッタリだった。

そして、俺は車で少し離れた所まで移動して、コンビニの駐車場に車を止めた。

急いで電話をする為に・・・・。

俺が電話をかけた相手は、勿論、姫と呼ばれている最強の霊能者。

昔、Aさんに言われた事があった。

姫は、生まれ持っての霊能力も凄いが、どこの宗教にも影響を受けていないのが、

もう1つの凄いところだという事を。

そして、先程、Aさんが言っていたヒントから連想されるのは、姫しか

考えられなかった。

しかし、いつもAさんは、姫がまだ高校生なので、出来るだけトラブルには

巻き込みたくない、と言っていたのだが、やはり、それほど厄介な相手、

ということなのか、と改めて認識した。

電話をかけると、姫はまだ部活の最中だったのだが、事情を話すと、

すぐに迎えに来てください!

と言ってくれた。

そして、姫が通う高校まで迎えに行き、急いで現場へと車を走らせる。

そして、俺が事情を説明しようとすると、

あっ、もうKさんの守護霊ちゃんから、全部聞きました(笑)

許せないですね!

私の力なんて、通用するのか、不安ですけど、でもAさんが私に頼ってくれたって事は

私の事を少しは認めてくれてるのかな、つて嬉しくなります(笑)

と言って、笑っていたが、その後は、

私の憧れのAさんを虐めるなんて、絶対に許さないですから・・・。

あの人は、私の憧れであり、誇り・・・・なんですから。

と厳しい顔になる。

そして、現地である彼の家に到着する。

何やら、空が曇り、風が強くなってくる。

2体居るって言ってたけど、やる気なのかな?

この姫ちゃんと?

すると、

行って来ます!

と言って、姫がさっさと家に近づいていく。

無防備というか、部活で着ていたジャージ姿のままで・・・。

その時、俺は見た。

姫が、手で指差しただけで、結界が張られ、出られなくなっていると言っていた

玄関のガラス戸が吹っ飛ぶ。

いつもは明るく礼儀正しい普通の女子高生としか見ていなかった。

噂では凄いと聞いていたのだが、眉唾ものだった。

しかし、その時の迫力には、正直圧倒されてしまった。

そして、そのまま家の中に入り、3分もすると、Aさんと彼を連れて出てきた。

そして、

また、Aさんに色々と教えてもらっちゃいました。

消滅とかいうの、初めてやってみました。

と元気に話す姫の後ろから、疲れた顔のAさんが現れる。

そして、一言、

遅いです。疲れちゃったじゃないですか!

でも、あれだけヒント教えれば、Kさんでも間違わないんですね~

と言ってくる。

そして、そのままAさんと姫を乗せ、車を発進させる。

姫を車から降ろした時、丁寧にお辞儀をして、笑って手を振ってくれた。

本当にAさんとはえらい違いだな、と笑えてきた。

そして、先に姫を学校まで送り届けた後、Aさんの自宅へと向かう。

その間、俺は聞いてみた。

もう彼は大丈夫なの?と。

すると、

私と姫が揃っていたのに、解決しない訳はないじゃないですか?

もう、二度と彼には付きまとえませんからご安心を。

と言ってくる。

だから、俺は、

消滅させた、って姫が言ってたけど、そんなに凄い相手だったの?

と尋ねると、

まあ、手強かったですよ。勿論。

それに、姫にも、消滅のやり方とかも教えてみたかったので・・・。

それにしても、一発で成功させるなんて、やっぱりあの娘、凄いですよ。

それと、とにかく、予言とかで人を惑わす奴は人間でも霊でも許せませんから!

そう言った。

だから、俺は、

それにしても、今回はAさんも何故か積極的だったし、勢いで、消滅させちゃうし。

なんか知らないけど、そんなにあの霊に恨みでも有ったの?

と聞くと、

実はですね。先日、貴方は一生結婚出来ませんって、言われたんですよ。

占い師ではなく、予言者だと言ってました。

そして、これは予言だから間違いなく当たると言ってました。

ふざけるなっていうんですよ。

そんなものに、私の人生を決められて堪るか、って言いたいだけですよ。

ほんっとに、人人生をなんだと思ってるんだって感じです。

とだけ返してきたが、それ以上は突っ込めなかった。

そして、予言を親の敵のように攻撃していた理由が

ここで初めて理解出来た。

いつもは結婚願望は無いと強気なAさんも、実は・・・・。

そう思うと少し笑えてきた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:24Comments(24)

2017年07月29日

町の美化委員

サインディスプレイ部  営業のKです。

今夜は金沢で花火がありました。

ちょうど、私の部屋からスッキリと見えるので、

毎年、自室での鑑賞になってます(笑)

うちの妻と娘は、家の近くにある駐車場に

陣取って、ファミチキとアイスを食べながらの

花火鑑賞だったようですが(笑)

今夜の私は片町に飲みに行きたいところを

我慢して、自宅でライブ用の新曲のデモを

作ってます。

それにしても、お腹が空いた~

吉野家の牛丼が食べたいけど、この時間だしな~

と言いつつ、結局は買いに行くんですけどね(笑)

あっ、それとコメント欄に、前回の髪の長い女の話に

出てきた小学生の女の子が、成長すると、姫に

なるのでは?という推測をされておられましたが、

全くの別人ですね。はい。

その娘さんは、まだ中学にあがっていないと思います。

姫、は本当に別格というか、奇跡の存在ですので。

うまく説明出来ませんが・・・・。

期待された方、ごめんなさい。

それでは、怖くない話、いってみましょう!

というか、今夜はアップするつもりは無かった

のですが、なんとなく・・・・。

短くて、本当に怖くない話ですが・・・。

それでは、どうぞ~!



これは俺の体験談である。

俺の住む町には、かなり多くの班が存在しており、数年に一度、班長という

役目が回ってくる。

実は本来なら、数十年に1度回ってくるはずなのだが、最近は、仕事や家庭の

事情を理由に、班長になるのを断る人が多くなっている為である。

確かに面倒くさい班長など誰もやりたいはずもないのだが・・・・。

町会費の集金や、ゴミの番など、やりたくない事のオンパレードであり、出来る事なら

俺も辞退したいと思うのだが、やはり、それでも我慢してやるのが当たり前だと思い

数年に1度回ってくる班長という仕事を受け入れている。

しかし、過去には、とんでもなく凄い人が居た。

その方は、元々市役所に勤めていたらしいのだが、定年退職になってからは、町会の

雑用を快く引き受けるようになった。

班長はもとより、人の嫌がるような仕事を率先してやってくれた。

市の職員だった頃は、市民の皆さんのお陰で生活できていたのだから、退職後は

そのお返しがしたいというのが、その理由だったようである。

最初、俺はその男性が苦手だった。

とにかく規則に煩く、その真面目さ、几帳面さも鼻についた。

だから、よくゴミ出しの時なども、その男性の姿を見ると憂鬱になった。

その男性は、誰もやりたがらない美化委員という役目を引き受けていた。

美化委員とは、要は、一年中、ゴミの収集がある日には、朝6時頃から、

ゴミ置き場に出向き、きちんとゴミが分別されているか?、違法なゴミがだされて

いないか?等を監視する役目になる。

それも、月曜から金曜まで毎日である。

そして、その役目故に、ゴミを出しに来た住人とトラブルになる事も日常茶飯事

だった。

勿論、いい加減な状態でゴミを持ってきた住民が悪いのだが、毅然とした態度で

厳しく対応するその男性を恨んでいた者もいるのかもしれない。

そういう俺も何度かトラブルになったことがある。

ちょうどその当時、俺の妻は病気の為に病院に入院していた。

そして、俺はと言えば、仕事のストレスからパニック障害になってしまい、1人で

歩いて外出する事が出来なくなっていた。

完治した今は、自分でも、何故?と思ってしまうが、その当時は本当に外に出るのが

怖かったのである。

だから、大丈夫かな?と思いながらも、俺は車にゴミを積み、ゴミ置き場まで

行った。

そして、それが当然、その男性の目にも止まる。

どうして、こんな狭い場所にわざわざ車で来るんですか?

他の皆さんのご迷惑になるのが分からないんですか?

そう言われ、言葉を返せなかった俺。

その時はなんとかゴミを出させてもらったのだが、その日以来、ゴミ出しに

いけなくなってしまった。

そして、何度かのゴミ出しの日が過ぎたある日の朝、突然、玄関のチャイムが

鳴った。

慌てて玄関を開けると、そこには、その男性が立っていた。

そして、笑いかけながら、

ごめんなさいね。貴方の病気の事を知らなかったので・・・・。

あの・・・ゴミ、溜まってるんじゃないですか?

私が運びますから、大丈夫ですよ!

と言ってくれた。

そして、

これからは朝に玄関の前までゴミを出してくれれば、私がゴミ置き場まで

運ばせてもらいますから、安心してくださいね。

と優しく言ってくれた。

そして、それから1度だけ、家の前までゴミを出しておいたのだが、出勤の時には

そのゴミはもう無くなっていた。

彼は、それまで、その男性は、ただ頭の固い生真面目過ぎる男だと思っていた

のだが、それ以来、その男性への苦手意識は完全に消えてしまった。

そして、ゴミ置き場に行くと、その男性と会える、と思うと何故か気持ちが楽になり、

歩いてゴミ置き場までゴミを出しに行ける様になった。

そして、俺がゴミを出しに行くと、いつも心配そうな顔で

大丈夫ですか?

無理はしないでくださいね!

と優しく声を掛けてくれた。

その後は、町の中でバッタリ会ったりすると、それなりに世間話までするようになった。

そして、うちの娘の頭を撫でながら、優しく話しかけるその男性を見ていると、

本当は凄く優しい方なんだな、と実感した。

しかし、そんな良い人ほど速くなくなってしまうもので、70歳になる前に、その男性は

亡くなってしまう。

俺はとてもショックであり、凄く残念に思った。

あんなに良い人が・・・・。

しかし、それを証明するかのように、その男性の葬儀には、本当に沢山の方が

弔問に訪れていたのが、嬉しかった。

そして、その男性が亡くなられてからも、俺にはその男性が見えている。

生前と同じく、毎朝、ゴミ置き場に立ち、あまりに酷いゴミの出し方をする

人に対しては、出したゴミ袋をそのまま投げ返す事もあった。

そして、小学生の登下校時には、必ず、ニコニコと笑い、道路に立って

見守っている。

そして、夜は、また住民に危険がないかと、町内を見回っている姿を目撃する。

死んだ後くらい、のんびりすれば良いのに、と思うのだが、その男性の

幸せそうな顔を見ていると、余計なお世話かと思ってしまう。

そして、最近は、よく片町で飲み、タクシーを降りると、いつもその男性の姿を

発見してしまう。

ニコニコと笑い、会釈をしてくれる。

そして、昼間は昼間でその男性とすれ違う時には、お互いににっこり笑って

お辞儀をするようになった。

最初は、姿が見えている事に驚いているようだったが、最近は、照れくさそうに

ニッコリ笑ってくれる。

その男性がずっとニッコリ笑っていられるような町会でいられるように、

頑張らないと、と思ってみたりする。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:54Comments(25)

2017年07月28日

落ちている長い髪・・・・。

サインディスプレイ部 営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

最近、こちらは、昼間はかなり暑いのですが、夕方以降は

それなりに過ごしやすい気温になってくれます。

最近のうちの娘のお気に入りは、クーラーが効いたリビングで

アイスを持ったまま、冷たい所を探して移動する事みたいです。

勿論、妻が見ていない時だけですが(笑)

コメントに、Aさんの言葉を読んだ時に鳥肌が立った、との

事でしたが、たぶん、気のせいだと思いますよ(笑)

確かに、ごく稀に、読んだだけで、実害をもたらす様な

話も実在しているのは確かですが、こちらのブログには

そういう話は一切載せておりませんのでご安心ください。

やはり、実際に会って直に話を聞くのが一番危険かもしれません。

私も以前、百物語をして酷い目に遭いましたので(涙)

でも、ネットで閲覧する活字には、そんな力はありません。

だから、泥舟に乗った・・・いや、大船に乗った気持ちで

お読みください。

それでは、今夜も怖くない話、スタートします。

長いかもしれませんが、ごめんなさい。

暇な時にでもお読みくださいませ!

それでは、どうぞ~!


これは俺の後輩の話。

彼とは以前の職場で先輩・後輩の関係だったのだが、お互いにその会社を

辞め、それぞれが結婚し家庭を持った今も付き合いがある。

何故か気が会う・・・ただそれだけなのだが。

そんな彼は、ある時期、単身赴任で1年間ほど東京で暮らしていた。

妻と小さな娘を残しての単身赴任だった。

こちらでの生活と違い、通勤を含め、移動手段は、殆どが電車か地下鉄であり、

通勤に掛かる時間も長い。

だから、最初は色々と大変だったようだが、そのうちそれも苦だと感じなくなった。

そして、東京での単身赴任も、残り3ヶ月くらいになった頃、彼はある異変を感じる。

それは、彼が暮らすワンルームマンションに、身に覚えの無い、長い髪の毛が

落ちていた事。

彼はどちらかというと、髪型は短めであり、金沢に家族を残してきているので、

週末は、ほとんどを金沢に戻り過ごしていた。

当然、お金に余裕は無く、遊ぶ金も無かったから、女性との接点も無い。

それに、元々お酒を飲めない彼は、仕事帰りに、何処かの店で酒を飲んで帰る

事も無かった。

それなのに、確実に、長い髪の毛が部屋に落ちていた。

最初は、部屋を掃除している時に、

あれ?なんで?

という感じで、長い髪が1本落ちているのを見つけた程度だった。

しかし、その後、長い髪が落ちている頻度がどんどん増えていき、その頃になると、

リビングやベッド、キッチン、風呂場など至る所に長い髪が落ちているようになる。

それも、1箇所に数十本がごっそりと落ちている事もあった。

電車に乗っている時に、隣に座っていた女性の髪が、服についてしまう事も考えられたが、

そこまで大量の髪の毛が落ちているとなると、既にその可能性は消えてしまう。

さすがに、気持ち悪くなってしまい、ティッシュで拾いあげたその髪をまじまじと

見てみると、どうやら、その髪は、1本が50センチ以上もあり、少し縮れたような

癖毛になっている。

彼が、真っ先に思ったのは、

もしかすると、以前のこの部屋の住人の女性が、こっそりと部屋に侵入しているのでは

ないか?

という事だった。

だから、管理会社に連絡し、費用は折半するという条件で、玄関の鍵を変えてもらった。

しかし、それからも、落ちている長い髪の毛は、無くなるどころか、どんどんと

増えていく。

誰かが部屋に侵入しているのではないのか?

だとしたら、一体この長い髪は、どうやってここに落ちているというのか?

そう考えると、怖くなった。

しかし、単身赴任が終われば、この部屋から出て行ける・・・・。

もう少しの辛抱だ・・・。

と、彼は自分に言い聞かせ、ジッと我慢する事にした。

しかし、気にしない様にしていると、更に、落ちている髪の量は増えていった。

まるで、誰かが存在を誇示しているかのように・・・・。

ある時には、夜、風呂に入ろうと、ユニットバスの浴槽にお湯を張った。

その間、彼は、リビングでテレビを見ていたそうなのだが、もうそろそろかなと

思い、浴槽を見に行くと、そこには、無数の長い髪の毛が、浴槽の湯の中で

揺れていた。

これには、さすがの彼も得体の知れない恐怖を感じてしまう。

だから、彼は、出来るだけ、マンションの部屋には居ないようにした。

仕事では残業をして、出来るだけ遅く帰宅し、出張には率先して出向いた。

そして、週末は必ず、妻と娘が待つ、金沢で過ごした。

その部屋にいると、いつか、その長い髪の主を見てしまう・・・。

そんな気がして、怖くて仕方なかった。

しかし、それはそんな簡単な問題ではなかったようだ。

こんな事があった。

ある日、彼が会社のエレベータに乗ると、先客がいた。

女性がひとり乗っていたのだが、その女性はとても身長が高く、まるでエレベータの

天井に頭がつきそうだったという。

そして、どうみても会社の制服とは違う服、それどころか、まるで水商売の女性が

着るような真っ赤な服を着ていた。

そして、髪はとても長く全身が痩せているのは分かったが、顔は何故か見えなかった。

ただ、異様に長い顔だったのは確かたった。

そんな容姿の女性が乗っていたのだから、彼はエレベータの扉が開いた時、思わず

おっ、と声を出してしまった。

そして、エレベータを降りようとしたのだが、開くのボタンを押しても何故か反応せず、

そのまま扉は閉まってしまう。

彼は、エレベータの壁際に立っているその女性に背中を見せる形で、操作パネルの

前に立っていた。

それは、次の階で降りようと思ったからだ。

しかし、どのボタンを押しても全く反応せず、そのままエレベータは1階を目指して

降りていった。

その時、後ろに立つその女が、キキッと変な声で笑ったように聞こえた。

密室の中で、そんな女と2人きりでいると、無性に恐怖が沸いて来た。

そして、思った。

後ろにいる女の髪の長さ・・・ちょうど部屋に落ちている髪の長さと同じ位

じゃないのか?

そう考えると、もう居ても経っても居られなかった。

その女に背中を向けている事がとてつもなく怖かった。

だから、何度も振り返ろうと思った。

だが、出来なかった。

後ろを振り向いたら、すぐ後ろに、あの女の長い顔がある・・・・。

そんな確信があったから。

その証拠に、彼の耳元近くで、先程からずっと、女の鼻息のような音が聞こえている。

エレベータが1階まで降りるのがとても遅く感じた。

しかし、彼が勤める会社が入っているそのビルは、沢山の会社が入っているビジネスビル

だ。

それなのに、先程から、エレベータは1回も止まっていなかった。

それが、彼には何よりも怖かった。

このままエレベータは異界へと降りているのでないのか?

そんな気さえした。

しかし、操作パネルの階数表示はもう2階を過ぎて、停止しようとしていた。

もう少しだ・・・・。

彼がそう思った時、突然、背後から女の低い声が聞こえた。

みい~つけた・・・・。

彼は体が硬直してしまう。

冷たい汗が背中をつたっている。

彼はエレベータの扉が開くと同時に転がるように外へ出た。

扉が開いた先には、いつもの見慣れた1階ロビーが広がっていた。

彼は思わず後ろを振り返った。

しかし、彼が降りたエレベータには、彼以外は誰も乗ってはいなかった。

そして、確信した。

先程、エレベータの中で見た女が、あの長い髪の主に違いない・・・と。

俺が自分の部屋になかなか戻らないから、きっと探しに来たに違いない、と。

だから、しばらくはビジネスホテルに泊まることにした。

狭いビジネスホテルの部屋も、髪の毛が落ちている彼のマンションの部屋に比べれば、

快適だった。

しかし、ホテルでシャワーを浴び、ベッドへと戻った彼は愕然としてしまう。

そこには、無数の長い髪が落ちていたのだから・・・・。

あのマンションだけじゃないのか?

彼は急いで荷物をまとめると、そのビジネスホテルをチェックアウトし、自分の

マンションに戻った。

彼は、大きな思い違いをしていた事に気付いた。

あの女は、てっきりこのマンションに縁のある女の霊だと思っていたのだか、どうやら

それは間違いで、彼自身にとり憑いているのではないのか、という事に。

それならば、何処にいても同じだった。

そして、ちょうどその頃、彼は俺に電話で相談してきた。

話を聞いた俺は、

一度、金沢二戻って来いよ。相談に乗るから・・・

と言ったのだが、彼は

いや、金沢には戻らない。あの女が妻や娘に害をなす様な気がしてならない!

そう返してきた。

しかし、それから彼は大変な目に遭ってしまう。

夜寝ていると、何やら、ゴソゴソと音がする。

部屋の明かりを点けようとするが反応しない。

体を硬直して目を凝らすと、暗闇の中、あの女が、廊下を這いながら彼に

近づいて来るのが見えた。

彼は、そのままベランダから飛び降りた。

彼の部屋は2階だったから、大怪我にはならなかったが、それでもかなりの打撲

を負ってしまう。

そして、あのエレベータの1件以来、その女は、頻繁に彼の前に姿を現すように

なっていく。

気がつくと、部屋の玄関に立っていたり、ベランダに立っていたりもした。

また、テレビを見ていて、ふと横を見ると、其処に、その女が居る事もあったし、

夜中に明かりをつけたまま寝ていて、ふと目を覚ますと、その女が横に寝ており

彼の顔を覗き込んでいる事もあった。

更に、仕事中、プライベートに拘わらず、普通の昼間の街中でも、当たり前のように

その女の姿を目撃するようになる。

その頃になると、かれはもう仕事も手につかなくなっており、どんどんやつれていく

彼を見ていた上司は、本社がある金沢へと戻るように促した。

しかし、彼はそれを拒否した。

妻や娘に実害が及ぶことだけは避けたかったから・・・・。

しかし、結局、業務命令として、彼は残り僅かな出張期間を全う出来ず、金沢へと

戻る事になる。

そして、彼は俺に会いたいと電話をしてきた。

勿論、快諾し、彼の指定したビジネスホテルへと会いに行った。

久しぶりに会う彼は、以前の面影は全く無くなっており、まるで別人の

様に痩せこけていた。

そして、やはり妻と娘への実害が怖くて、金沢へ戻った今も、1人でビジネスホテル

で寝泊りしているとの事だった。

俺は、一通り、話を聞き終えると、彼にこう尋ねてみた。

やはり、この部屋にもその女が出るのか?と。

すると、寂しそうに首を縦に振る。

その時、バスロームの方から、かなり激しい音がした。

まるで威嚇するような、早く立ち去れ!とでも言っているかのような音だった。

それにしても、彼が泊まっているホテルの部屋に入ったとき、感じた、寒い気と

暗い気配、それは俺が過去に体験した事の無いものだった。

俺は急いでAさんに電話をかけた。

あっ、もしもし・・・今、忙しい?あのさ・・・ちょっとお願いが・・・

というと、

忙しいですよ。当然。

で、その忙しい私に、また悪霊退治の話じゃないですよね?

だいたい、そういうお願いがある時だけ電話してますよね?

Kさん?私を何かの便利屋さんと勘違いしてませんか?

と言うので、

Aさんだって、スイーツが食べたくなった時だけ連絡してくるじゃん?

し返すと、

あれは労働に対しての対価としての報酬ですから・・・・

と言うので、

あれ?報酬を貰う霊能者の事、批判してなかった?

と返すと、

いや、そもそもあれは、本来はKさんの方から、スイーツを奢らせて頂きたいんですが?

と言ってくるのが筋なのに、なかなか言ってこないから、しょうがなく私が・・・。

と言い返してくる。

それでも、俺が彼の話をして、俺の話し方がいつもとは違い深刻そうなのに気付くと、

はいはい。わかりましたよ。忙しいんですけど行きますよ。

今回は何処に行けば良いんですか?

と言ってくれたので、彼の泊まっているビジネスホテルを伝えた。

そして、彼氏ホテルのロビーで待っていると、赤い外車が30分ほどで到着した。

そして、ロビーで落ち合った俺たちは、フロントにお願いして、3人で彼の部屋に

行く事にした。

彼の部屋に入ると、先程とは空気が違っていた。

それは彼にも分かったようで、Aさんに向かって、

もしかして、Aさんって凄い人なのかもしれませんね。

だって、その女、Aさんが来るのを知って、何処かへ逃げたみたいだから・・・。

と言った。

Aさんは少し照れたような素振りをみせたが、すぐに部屋の中を見て回り、そして

彼をじっと見つめた。

そして、しばらくするとこう言った。

なるほどね。確かに大した悪霊かもしれないですね。

そして、貴方が此処で寝泊りしているのも正解かもしれません。

その女の霊は、そんなに古い霊ではないんですけど、まあ、妻子ある男性と不倫

していた女なんですけどね。

そして、結局、男性とは結婚出来ずに、失意の中で自殺してます。

たぶん、元々のその女の性格だとは思うんですけど、嫉妬とか恨み、妬みの強い

思いがどんどん増幅していってて・・・・。

だから、貴方に憑いているというよりは、貴方を怖がらせて、家族の元へ戻らせて

その家族、つまり奥さんや子供さんに実害を及ぼすことが目的みたいですね。

不倫といっても、元々は相手の男性を愛していたんでしょうけど、それが

知らぬ間に、相手の家庭を壊す事が楽しくて仕方なくなった女の末路、って

感じですかね。

でも、それだけに厄介ですね。

たぶん、一度や二度の除霊では諦めさせる事は出来ないと思います。

それを聞いた俺は、

それじゃ、こいつは、ずつと家に戻れないんじゃないの?

と聞くと、

いえ、Kさんの友人の家や家族に結界を張って護る、という方法はありますから、

大丈夫だと思います。

ということで、とりあえず、ご自宅を見たいんですけど、大丈夫ですか?

あっ、勿論、貴方は来なくても結構ですから・・・。

と彼に向かって言った。

彼は、大きく頷くと、自宅の住所を書いてAさんに渡した。

そして、彼は自宅に電話をする。

さすがに、悪霊からお前達家族を護る為に、今から知り合いが行くから・・・

と言える筈もなく、

少し家のリフォームをしたいと考えてるから、知り合いの業者さんに頼んで下見に

言ってもらうから・・・。

という説明をしてもらった。

そして、途中、電話を代わり、彼の奥さんに挨拶をしている時、何やら誰かの

声らしきものが会話に入り込んだ。

あっ、なんか混線してるみたいなので、もう電話切りますね!

と言って、電話を切ったが、それは明らかに人間の声には聞こえなかった。

そして、その事をAさんに尋ねると、

そうですか。まずいですね。急がないと・・・・。

そう言って、早速、彼の自宅へ伺う事にした。

自宅に着くと、奥さんと小学生の娘さんが迎えてくれた。

娘さんは、父親が帰ってこないのが心配でしょうがないらしく、

お父さんは、どうして帰ってこないの?

としきりに聞いてくる。

そして、それに反応した訳ではないのだろうが、Aさんが、しきりに、その

娘さんと話し込んでいた。

そして、家の中を見回るフリをしながら、目立たない所に護符を貼っていた

のだが、それを途中で止め、帰ろうとするAさん。

それを見て、俺は、

どうしたの?気分でも悪くした?

と聞くと、

いえ、この家に来て、よく分かったんですよ。

凄いことが・・・・(笑)

Kさんのお友達に、もう家に戻っても大丈夫だって、伝えてあげてください!

と嬉しそうに話す。

そして、俺が、

俺には全然、訳分かんないんだけど、どういう事?

と聞くと、

本当に、私と一緒にこれだけ色んな体験してるのに、全く成長してませんよね?

あの娘さんを見て、何も感じませんでした?

あの娘、凄いですよ。

守護霊もしっかりしたものが沢山護ってくれてるし、何より、あの娘自身が持っている

気の力、や霊能力が凄いんですけどね?

やっぱり分かりませんよね?(笑)

あんなレベルの力を持っている人間なんて、霊能者でもそうそう居ませんよ。

そして、その娘さんが、何よりもお父さんが好きで会いたがってるんです。

これ以上のものはありませんよ。

だから、護符なんて貼る必要もないんです。

あの女の霊が今後、彼や家族に実害を及ぼそうとした時に、初めて気付くんですよ。

あの娘さんの前では、自分など無力だということを・・・。

その時の女の驚いた顔が見られないのが残念ですけどね。

言ってる意味、分かります?

あっ、もしかして、日本語わかりません?

といつもの調子で言ってくる。

そして、奥さんと娘さんに丁寧に挨拶し、家を出た。

そして、外に出ると、植木の方に向かって、鋭い口調でこう言った。

あんた、馬っ鹿じゃないの?

そんなに髪の毛ばっかり落としてると、そのうちハゲるからね(笑)

まあ、せいぜい頑張って!

そう言って車に乗り込む。

俺が、

誰に向かって喋ってるの?

と聞くと、

私達があの家に入る時から、あの女がずっと植木の陰に隠れて見てたのも気付いて

なかったんですね?やっぱり?

せっかく急がしい中、無理して来たのに、これじゃ、どっと疲れますよ(笑)

で、何処にしますか?

と聞いてくるので、俺が

何処って何が?

と聞くと、

スイーツに決まってるじゃないですか?スイーツ!

うん。今日はパンケーキの気分だから、そうですねぇ・・・・。

と言われたので、

いや、Aさん、今日は忙しいんでしょ?

早く、仕事に戻らないと・・・。

それに、今日はAさん、特に何も活躍してない様な気が・・・・。

と言ったのだか、その後、とあるパンケーキが有名な店に連れて行かれ、

焼き上がりまで、2時間半くらい掛かりますが、大丈夫でしょうか?

と店員さんに聞かれたが、

はい。大丈夫てす。

と即答したAさんは、一体何者なのだろうか・・・・。

ちなみに、その後、自宅に帰った彼に、怪異は一切発生しなくなったそうである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:28Comments(26)

2017年07月27日

写真屋という職業

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日もお疲れ様です。

皆さんのコメントのお陰か、あの日以来、変な電話は

かかってきておりません。

このまま、何事も無ければ嬉しいのですが・・・。

それはそうと、本日が労働体験の最終日だった

うちの娘。

帰宅すると、妙に機嫌がいい。

何か良い事でもあったのか?と聞いてみると、

今日、不動産のお店に来たお年寄りのお客さんに

愛想を振りまいていたら、

今時、珍しい良い子ねぇ~、と言って

飴玉をくれたらしい。

それって、子供扱いされてるんじゃ?

と思ったが、本人が喜んでいるので、それ以上、

突っ込まなかった。

しかし、飴玉もらって喜ぶ高校2年って?(笑)

そのお嬢様は、明日からはまた監督業に復帰される

そうである(笑)

ということで、今夜も怖くない話、スタートします。

宜しければ、どうぞ~!


これは俺の知り合いから聞いた話である。

彼は俺の高校の2年先輩であり、実家が写真館を経営していたのだが、家業

を継ぐ気は毛頭無かった。

だから、普通に大学の経済学部を卒業し、一般企業に入社した。

しかし、その後、父親の体調不良により、家業を継続出来なくなってしまった為、

彼が呼び戻され、家業の写真屋と写真館を継ぐ事になった。

ただ、元々、趣味でカメラをやっていた事もあり、就職した会社での仕事も

順調とはいえなかった為、彼は喜んで家業を継ぐ事にした。

彼はいつも言っていた。

仕事として写真と接していると、やはり趣味の写真と、仕事としての写真は

全く違うと痛感させられるという事を。

趣味で写真を撮影しても、何枚、何十枚と撮影した中に、一つでも良い写真が

撮れていれば、大満足なのだが、それが仕事として、お金を貰い撮影するとなると、

失敗は許されず、撮影した写真の全てが唯一無二の光を伴っていなければいけない

のだという。

確かに現代においては、撮影後にデジタル処理で修正を加える事は勿論可能なのだが、

それも、根本的にしっかりと綺麗に撮れていないと、焼け石に水・・でしか

ないらしい。

しかし、どうしようもない事も、やはり存在するらしい。

ある女性は、いつもお見合いをしているのだが、どうしても上手くいかない。

そして、その度に、また新しい見合い写真の撮影を依頼してくるそうなのだが。

実際、その女性は明らかに美しい顔立ちであり、気品も女性らしさ、も持ち合わせて

いるのだという。

スタイルも申し分なく、笑顔も素敵なその女性の見合い写真を見せられれば、どうして

その女性のお見合いが上手くいかないのか、誰もが疑問に思うらしい。

だが、お見合いをすると、間違いなく男性の方から断られるらしい。

そして、その理由が彼には分かっていた。

その女性の写真を撮影すると、必ず、その女性の背後に、男性が写り込む、と

いうのである。

暗い顔をした男性が、彼女の背後から、彼女の顔を覗き込んでいた。

だから、彼はいつも撮影後、確認した画像に写り込んだその男性を画像処理ソフトで

消していくという作業を行ったうえで、写真をその女性へ納品していた。

そして、女性には一切話していないそうなのだが、その男性の恨めしそうな顔を

一目でも見てしまったら、その女性がこのまま一生結婚出来ないことだけは、

分かるのだという。

また、こんな事もあるのだという。

写真撮影用のスタジオは、普段使用しない時には、当然、明かりを消している。

写真が霊を惹きつけるのかどうかは、分からないが、その部屋はかなりの頻度で

霊の溜まり場、になっているのだという。

撮影スタジオに忘れ物を取りに行く。

大きな白いドアを開けると、明らかに部屋の隅に、人が立っている。

それは子供の場合もあれば、若い女性だったり、男性だったり、老婆だったり。

最初は、悲鳴とともに、その場から逃げていたらしいのだが、慣れというのは

恐ろしいもので今では、見えないフリをしつつ、普通に行動出来るのだそうだ。

ただ、たまに、背後から抱きついてきたりする霊もいるそうで、その時には

やはり、大声を上げて逃げてしまうそうだ。

ただ、これは彼の所だけの話ではないらしく、どこの撮影スタジオも皆同じような

ものだという。

だから、撮影に使用していない時には、何処の写真屋も部屋の四隅に盛塩をしている

らしく、また、気付かない所に、御札が貼ってある場合も多いのだそうだ。

まあ、それだけやっても、全く効果は無いそうだが・・・・。

そして、最も困るのが、デジタルプリントや拡大写真にしてくれ、と持ち込まれる

USBメモリやマイクロSDカード。

昔のカメラの様に、フィルムを使用し、現像して焼き付けるという工程があった

頃には、ほんの少しのミスで、幾らでも心霊写真みたいなものは出来てしまった。

しかし、カメラがデジタル化してしまい、撮影したデジタルデータをそのまま

プリントするだけ、という工程には、心霊写真っぽい失敗写真は存在しない。

ここまで、カメラの性能も上がってしまうと、写しだされているものがリアルに

全て本物なのだという。

知らない手や顔が写り込むというのはまだ生易しい方であり、中には、2人で写っている

内の1人の顔だけがガイコツになっていたり、一人で写っている筈なのに、その周りに

取り囲むように、無数の顔が写りこんでいる事もあるそうだ。

そうした場合、かなりの確立で、その方は近いうちに亡くなられるそうである。

そして、その中でも、特に怖いのがこの写真だと見せてくれた写真がある。

それは、福井県の某自殺の名所で撮影されたものであり、撮影した方が、処分して

欲しいと持ち込んだものだそうなのだが、その写真には、断崖絶壁をバックに

友人2人が記念撮影をしたものだった。

誰かに撮影してもらったのか、2人がご機嫌な様子でカメラに向かってVサインを

していた。

そして、その2人の男性の間に割り込むようにして、1人の女性が2人の肩に

手を回していた。

びしょ濡れの女性であり、不気味に笑うその女は、どうみても人間には見えなかった。

そして、その薄気味悪い笑顔は、いまだに俺の脳裏に焼きついたままである。

ちなみに、その男性は2人とも、それぞれ別の日に、その場所から飛び降りて

命を落としたということだ。

そして、その画像にその後、ある変化があった事も話してくれた。

実は、その男性二人が相次いで、飛び降り自殺をした後、その画像を消そうと思い、

それに気付いたそうなのだが、その写真からは、2人の男性の姿は消えてなくなっており、

そこに写っているのは、満足そうな笑い顔を浮かべ、1人立っている女の姿だけだった。

だから、彼は、プライベートでは絶対に写真は撮らないのだという。

かくいう俺も、何故か昔から写真に撮られるのが大嫌いなのだが・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:58Comments(26)

2017年07月26日

どしゃ降りの雨の中で!

サインディスプレイ部  営業のKです。

社会人の方も、学生の方も、海外の方も、

常連の方も、新規の方も、親子読者の方も、

皆様、お疲れ様です!

本当に沢山のコメントをありがとうございました。

凄く勇気を貰いました。

もう感謝するしかないです(涙)

勿論、このブログはライフワークですから、勿論、

生きている間は書き続けたいと思っております。

これからも、誤字脱字キング?として頑張ります(笑)

ヘゼル様も、宜しければまたコメントしてくださいませ!

お待ちしております!

実は昨日から、高校の夏休み行事?として、

労働体験として、不動産会社で朝から夕方まで

働いている、うちの娘。

夕飯の時も、

やっぱり労働の後の食事は一味違うわ!と

いつもよりも食欲旺盛です。

どんな仕事をしてるのか、と尋ねると、

来客したお客さんに笑顔を振りまく、のだそうです。

それで、今日はお客さん、何人来たの?

と聞くと、

う~ん・・・・3人・・・・・。

というか、そういうのを労働とは言わないからね。

そして、昨日はどしゃ降りの雨の中、長靴を履いて行き、

内履きを忘れたお嬢様は、そのまま長靴で

笑顔を振りまいていた・・・そうである。

想像して、妻と2人で大笑いしました。

それでは、今夜も、怖くない話、スタートします。

霊障は、絶対にありませんから、ご安心を!

それでは、どうぞ~!


これは俺の友人が体験した話。

彼は仕事で営業をしている。

ただ、彼の場合、ルートセールスなどではなく、あくまで飛び込み営業が

その殆どになる。

たまに、誰かからの紹介というパターンもあるらしいが、それは非常に稀な

事であり、会社の営業車で市内近郊を回り、目星をつけて飛び込みするらしい。

当然、飛び込み営業がうまくいく確立は低く、殆どの客が話も聞かず、門前払い

するそうだ。

ただし、そうして苦労して1軒でも受注すれば、その報酬はかなりの額になる

のだという。

そして、もう1つ、彼の会社の顧客なのだが、圧倒的に夜の飲食店や飲み屋

というパターンが多い。

その為、彼はいつも昼間は営業車の中で昼寝して過ごす。

昼間に動いても、成果が上がらないのはそれまでの経験で分かっているらしい。

そして、昼間に寝て温存した体力を夜の飛び込み営業に生かすのだそうだ。

まあ、同じ営業職として、大変だな、と思う事が多い。

なにしろ、彼が仕事を終えて帰宅するのは、ほとんど真夜中なのだから。

そして、ある時、こんな事があったんだ、と話してくれたのが、ここに

書く話である。

その日、彼はある商業施設の駐車場に営業車を停め、車の中で資料の整理をしていた。

その商業施設の一角にある居酒屋のオーナーが話を聞いてくれるというアポイントメント

を取れていたからなのだが、やはりお店の営業中はかなり忙しいらしく、閉店まで

待って欲しいといわれたのである。

時刻は午後11時を回っていた。

お店の閉店時間までは、まだ1時間くらいあった。

そこで、彼はその間に晩飯を済ませ、車の中でラジオを聴きながら、閉店後、社長に

提示するつもりのプランを練りながら、それに必要なカタログや資料を揃えていた

のだという。

その商業施設は24時間営業なのだが、さすがに午後11時を回ると、駐車場に

停まっている車もかなり少なく、広い駐車場らポツンと彼だけが取り残された様な

気分になったという。

すると、突然、フロントガラスにポツポツと水滴が落ちてくる。

雨か?

そう思い、彼は窓を閉めた。

すると、それと同時に凄まじい勢いで雨が降ってきた。

それはまさにバケツをひっくり返したような・・・という表現がピッタリの雨であり、

まるで滝の中にでも居るかのようだった。

凄いな。こんな雨見たことないよ。

まるで雨のカーテンの中にいるみたいだな・・・・。

彼はそう思った。

確かに、その時の雨の勢いは凄まじく、雨のカーテンで視界が遮られているかの

ようだった。

車のボディに打ちつける雨の音もかなり煩く、彼は思わずカーラジオのボリューム

を上げた。

そして、ふと、視線を前方に移すと、何かが車の前に立っているのが見えた。

しかし、雨のカーテンに遮られ、よく見えなかった。

だから、彼はフロントガラスのワイパーを動かした。

しかし、それでも良く見えなかった彼は、ワイパーの速度を最大にする。

すると、ワイパーの動きに合わせて一瞬だけ、人が立っているのが見えた。

それでも良く見えなかった彼は、身を乗り出すようにしてフロントガラスに

顔を近づける。

すると、そこに見えたのは、一人の女だった。

季節はもうすぐ夏だというのに、白っぽいコートを着て、傘も差さず、その

女は彼の車の前に立ち続けていた。

黒いヒール、そして束ねていない長い髪、そして何よりも、このどしゃ降りの中で

傘も差さず、立ち尽くしている姿は、とても普通には見えなかった。

髪やコートもびしょ濡れであり、まるで滝のようにそこから流れ落ちている雨が

その姿をとても異様なモノに感じさせた。

しかし、彼はその女が背中を向けていた為、好奇心に負けてずっとその女を

見続けてしまう。

すると、突然その女がくるっと向きを変えて彼の方を見た。

そして、ニヤッと笑ったように見えた。

彼は思わず背筋に寒気が走った。

そして、とっさにワイパーを切った。

車のドアも全てロックした。

心臓が鼓動が激しくなっていた。

今見たのは人間なのか?

何故、俺の車の前に立っているんだ?

彼は、少し呼吸が整うのを待って、再び車の前方を見た。

しかし、そこには、もう誰も立っていない様に見えた。

え?

彼は思わず身を乗り出し、その姿を確認しようとした。

しかし、ワイパーは動かさなかった。

もしも、ワイパーを動かして、そこに、あの女がいたら・・・

そして、その時には、その女は間違いなく俺の方を見ている・・・・

そう考えただけで恐怖で体が硬直した。

すると、突然、声が聞こえた。

ねえ?

彼は思わず息を呑んだ。

外は相変わらず激しい雨が降り続けており、車内は完全な密室になっていた。

外の景色も見えず、雨音でラジオも聞こえにくい。

そんな状態で、彼ははっきりと声を聞いた。

まさか?

そう思いながら、彼はゆっくりと視線を助手席へと移していった。

そこには、紛れもなく先程、雨の中に立っていた女が助手席に座り、ニヤニヤと

彼の方を見ていた。

目は異様に細く長くそして釣りあがっている。

一見すると美人の部類に入るのかもしれないと思ったが、その異様に痩せこけた

顔は、それだけで恐怖を増幅させる。

そして、よく聞こえないのだが、何やら鼻歌のようなものを歌っている。

長い髪は、腰の辺りまで垂れており、そこから水滴がポタポタと落ち、フロア

が水浸しになっているのが分かった。

そして、その女は再び

ねえ?

と言ってくる。

その口に歯という物が存在しないように見えた。

しかし、良く見ると、歯が黒く塗られているのだということが分かる。

見てはいけない!見るな!

自分にそう言い聞かせた。

しかし、恐怖の為なのか、その女から視線が外せない。

彼は、逃げ場の無い恐怖を感じた。

外の酷いどしゃ降りが、まるで、この世界に彼とその女しか存在しないかのような

孤独と恐怖を感じさせる。

彼は、その女を見たまま、右手で必死になってドアロックの解除ボタンを探っていた。

しかし、いつもは簡単に見つかるボタンが見つからない。

それでも、彼は必死になって、それをその女に悟られない様に続けた。

早く逃げないと、もう助からない・・・・

そんな気がした。

すると、突然、

ねえ?

と大きな声が聞こえた。

まるで、怒鳴るような大きな声だった。

その声に彼は、思わず反応し、体が、ビクッとしてしまった。

すると、今度は優しい声で、

ウフフ・・・・見えてるんだ・・・・・聞こえてるんだ・・・・やっぱり・・・

と嬉しそうに喋った。

そして、その女は右手は彼の左腕を掴んだ。

ねえ?どこ行こうか・・・一緒に・・・・・。

その女は嬉しそうに笑った。

彼の腕を掴んだ女の手は、とても凄まじい力で、彼をグイグイと引っ張る。

そして、それにも増して、彼の腕を掴んだ女の手は、とても爪が長いらしくそれが

彼の腕に食い込み、痛みで思わず、声を上げてしまう。

その時、彼の右手が、集中ドアロックの解除ボタンを見つけ出した。

彼は迷うことなく、そのボタンを押すと、車のドアロックが解除された。

彼は渾身の力で、摑まれた腕を引き戻す。

食い込んだ爪が、声にならないほどの痛みだったが、それも、その時には

大した問題ではなかった。

そして、ヌルッとした感覚があった後、彼の腕は開放される。

彼はどしゃ降りの中、躊躇せずドアを開けて、車外へと転がり出た。

彼は誰かに助けを求めようと周囲を確認した。

すると、何故か、広い駐車場には車は1台も停まっておらず、遥かかなたにお店の

明かりであろうか、ぼんやりとした明かりが見えるだけだった。

彼は、迷うことなく、その明かりに向かって走り出した。

降り続いている雨は、駐車場を完全に水溜りに変えてしまっており、彼が走るたびに

酷い水しぶきが上がった。

そして、30秒ほど走ってから、彼は、自分が先程まで乗っていた車を見た。

そこには、ポツンとドアが開いたままの車が停まっているだけであり、その車の近くに

その女の姿はなかった。

諦めて消えてしまったのか?

それとも、まだ車の中に居るのか?

彼は考えたが、それは間違いだと次の瞬間、思い知らされる。

上の方から声が聞こえた。

いや、声ではなく、気味の悪い笑い声・・・・。

ゲラゲラゲラゲラ・・・・。

彼は思わず、走るのを止めて、上を見た。

すると、そこには、先程の女が、どしゃ降りの中を宙に浮いた状態で、立ったまま

前屈みになった形で、彼に手を伸ばしていた。

うわぁ!

彼は、腰が抜けたような状態になったが、それでも必死になって、這い蹲るように

明かりを目指して再び進み出した。

しかし、走っているのとは違い、思うように前に進めない。

彼は、もうすぐ後ろに、あの女が迫ってきているような気がして、気が狂い

そうになっていた。

すると、突然、前方、すぐ近くに、もう1つ明かりが現れた。

彼は躊躇することなく、その明かりめがけて転がるように走り出した。

あの明かりにたどり着けば助かる・・・・

そんな気がしたのだという。

そして、鈍い音がして、彼はそのまま意識を失った。

そして、次に目を覚ました時、病院のベッドで寝ていた。

その後、聞かされたのは、彼があの日の夜、どしゃ降りの雨の中で、急に走ってくる

車の前に飛び出して轢かれたということだった。

駐車場ということもあり、それほどスピードも出ていなかった為、彼は打撲だけで

済んだらしいのだが、何故か、酷い高熱が出て、2日間ほど病院のベッドで

寝込んでいたのだという。

警察の取調べで、突然どしゃ降りの中、走り出し、車にぶつかっていった彼を、

もしかすると、薬物中毒?と疑われたそうだが、結局は、突発性のパニックという

事で、処理された。

しかし、彼を轢いた車のドライバーが、彼を轢いた後、ずっと彼の側で、ゲラゲラと

笑っていた女を見たという供述は、そのまま、うやむやになった。

そして、彼の腕に食い込んだ5本の長い爪の傷跡を見せながら、彼は俺に言った。

あれは絶対に夢でもなければ、パニック状態でもない。

あの夜、確かにあの女はそこにいたんだ!と。

だから、俺はいつものように、Aさんに尋ねてみた。

あの商業施設の駐車場には悪霊が居るの?と。

すると、Aさんは、いつものように面倒くさそうに笑うと、こう答えてくれた。

いつも、私に霊の相談ばかりしますけど、私は別に、心霊物知り博士でもなんでも

ないんですけどね(笑)

しかし、Kさんの友達も、よく霊と遭遇しますよね?(笑)

まあ、Kさんがいつもそうなんだから、仕方がないのかもしれませんけど(笑)

でも、今回は、浄化して欲しいといわれても無理ですから・・・・。

そう言われ、俺は、

そんんなに強力な悪霊なの?

と返すと、Aさんは笑いながら答えた。

いや、強力?・・・違うかなぁ?・・・・まあ、愉快犯的な感じです。

あれは別にその商業施設にいつも居る訳ではなくて、雨を求めて彷徨ってる

浮遊霊ってやつですかね。

なんでそんな霊になってしまったのか、は分かりませんけどね。

とにかく、雨の中しか現れる事が出来ないので、いつも空に浮かんで雨が

振っている場所を探してます。

特に、人を呪う力がある訳でもなく、特別な力がある訳でもないので、人が

自分の姿を見て、驚き、恐怖する姿を見るのが、なにより好きみたいで・・・。

だから、探して見つけられる相手ではないという事ですね。

でも・・・・そうですか。そんな手を使って事故に導く事もあるんですねぇ。

ある意味、勉強になりました(笑)

でも、Kさんのお友達、本当に運が無いですよね?

そんなどしゃ降りの夜に、あの女と遭ってしまうなんて・・・・(笑)

そう話した。

それにしても、話に聞いた女の恐怖さ、とAさんの話す女のギャップが有り過ぎるので、

俺はまたしても、聞き返す。

でも、実際、俺の友人は事故に遭わされた訳だから、やはり危険な霊なんじゃないの?

さっきから笑いが止まらないみたいだけど?

すると、Aさんは、こう返してきた。

たぶん、お友達の反応が良過ぎたんだと思いますよ。

人間でも驚かせようとして、反応が良いと嬉しくなるじゃないですか?

だから、その女の霊も、嬉しくなってしまって、やり過ぎた・・とか?

でも、あの女には、いつ誰でも遭遇する可能性はありますから、危険?なのかな?

でもね。もしも遭っても無視するか、強気で対応すれば良いんですよ!

私も以前、一度遭遇した事があるんですけどね・・・・。

そう言ったので、俺は、更に聞き返す。

え?Aさんも遭った事あるの?

それじゃ、その時はどうやって対応したの?

と尋ねると、

ああ、傘で突いて、遊んでやりましたよ(笑)

凄く迷惑そうな顔してましたけどね(笑)

でも、空に浮かんでる時に、傘で突っつくと結構楽しめます!(笑)

それを聞いて、やはり、Aさんは、生粋のドSだと確信してしまった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:40Comments(28)

2017年07月25日

斎場という場所について。

サインディスプレイ部  営業のKです。

本当は今夜は更新しないつもりだったのですが・・・。

私が昨日書いたブログの前書きの部分について、

色々とご心配をお掛けしてしまっているようですので、

少しだけ書かせて頂きます。

昨晩、書かせて頂いた私からのコメントなんですが、

実は昨日、会社に電話がありまして・・・・。

お名前をお聞きしても、答えて頂けず、私とAさんに

会わせて欲しい、というものでした。

詳しくは語ってくれませんでしたが、

このブログを読んで

酷い事になっているとのことであり、怖い話を書いているんだから

責任をとってくれ、

Kさんの連絡先を教えてくれ!

会社の場所は分かってるんだから近いうちに行くから・・・。

という内容だったらしく、電話に出た

女子社員も不安がっておりました。

私も会社のブログを利用して、こういう話を書かせて

頂いている以上、会社の業務に支障がでるようであれば、

当然、このブログも続けられなくなってしまいます。

勿論、私もそれは望んでおりません。

ですから、その辺を考慮して欲しい、という内容で

書かせて頂いたつもりだったのですが、言葉足らずなうえに、

説明が下手で、本当に申し訳ございません。

頂いているコメントに関しては、読んだら削除してください、と

書かれてあるコメント以外はすべて承認し、公開させて

頂いております。

コメントで嫌な気持ちになった事は、過去に一度しかありません。

その時は、本当にブログをやめようと思い、しばらくブログも

更新しなかったのですが・・・。

ただ、その後に、頂いているコメントは、読んでいても

とても勇気付けられるものばかりで、嫌な思いをした事もありません。

ですから、出来れば、どしどしコメント頂けると、嬉しいですし、

実は、こんなに毎日、更新できるのも、皆様の沢山のコメントが

読みたいからに他なりません。

私の配慮の無いコメントで傷つけてしまった方がいらっしゃったとしたら、

本当に申し訳ありません。

そして、今後とも頑張って更新していきますので、沢山のコメント、

お待ちしております。

それでは、気持ちを切り替えて・・・・。

怖くない話、スタートします。

宜しければ、どうぞ~!(全然怖くないですが・・・・)



この歳になると、もう何度も斎場に足を運んでいる。

もっとも、子供の頃に行った斎場と現代の斎場は全く別のものに感じる。

昔、行った事のある斎場は、それこそ火葬の為のボイラー室だけがあるような

小さく簡素な建物だった。

火葬自体も、かなりの時間がかかったので、完全に燃えきるまで、自宅で待機

していたり、火葬している途中も、きちんと燃えているか、ということを

小窓から遺族がチェックしなければいけないというツライものだったのを

記憶している。

だが、一番最近行った斎場というのは、全面ガラス張りの美しい建物であり、

まるで、どこかのホテルのロビーにでも来たかのような錯覚を感じるほどだった。

火葬に要する時間も短縮され、1時間少しで完全に火葬できるらしい。

しかし、建物がどれだけ美しく、設備がどれだけ進歩しても、やはり今も昔も

斎場で起こる事は何も変わっていないのだという。

子供の頃、行った斎場、いや、その当時は火葬場なのだが、そこでは、何度も

見知らぬ人を目撃している。

火葬場の職員でもなく、親戚でもない、全く知らない人達。

それは、男だったり、女だったり、年老いていたり、子供だったり・・・。

しかし、そのどれもに共通していたのは、視界を急に動かした時に、視界に

一瞬だけ視界に入ってくるという事。

そして、そのどれもが、生気の無い、無表情な顔をしていた。

そして、そのどれもが白い着物のようなものを着ており、子供であった俺にとっても

それが人間ではないモノ、この場所で過去に火葬された方達であるというのが、

理解出来た。

それは、親達にも見えているらしく、父や母も幾度と無く目歩泳がすように避けて

いたのが思い出される。

ただ、不思議と怖いという印象は無かった。

そして、最近の斎場も同じである。

火葬している1時間くらいの待ち時間は、まるでホテルのラウンジのようなお洒落な

空間で、好きな飲み物を飲みながら待つ事になるのだが、柱の影やドアの影には

常に誰かが立って、虚ろな目で一点を見つめていた。

あるものは、自分の足元だけをジッと見つめ、またあるものは、外の景色をずっと

見つめ続けている。

それは、子供達にも見えているらしく、手を振ったり、指差したりするものだから、

その対応に困った記憶がある。

俺も待ち時間の間にトイレに行こうとした際、入り口に男の人が立っており、

驚いて、“すいません”と言ってしまい、用を足している時に、そういえば、何故

白い服を着てあんな所に立っているんだ?と思い、思わず入り口を見るが、もうそこに

その男性の姿はなかった。

そして、トイレから出ようとした時、その男性がガラスにしか映っていない事が

わかった。

飲み物を注文する際にも、カウンターに居る女性職員に、話を聞こうとしたのだが、

まあ、こういう場所なんだから、色々あるわよ・・・

と誤魔化されてしまった。

ただ、ひとつだけ教えてくれたのは、居心地が良いからといって、ずっとそこに

長居していると、知らないうちに、周りが全て知らない人に囲まれているという

事もあるのだということ。

幽霊だって、誰かと話したいのよ。きっと・・・・

そう言っていたのが印象に残っている。

その後、年配の男性職員と話す機会があったので、何気に聞いてみると、今度は

予想外に色々と教えてくれた。

まず、霊が見えたとしても絶対にそちらを見ないようにしているという事。

やはり、姿が見えているというのが分かると嬉しいのか、寄って来るらしく、今では

見てみぬフリが上手になったと笑っていた。

また、飲み物は、お客が席を立ったらすぐに片付けるということ。

そうしないと、霊がその場所に居座ってしまうらしい。

また、夜には、職員といえども、絶対に近づかないのだという。

夜はやはり彼らの時間らしく、一度、忘れ物を取りに戻ろうとした職員が

窓ガラス一面にビッシリ張りついた霊達の姿を目撃したということだ。

その時の姿は、昼間に見るものとは完全に違い、恐ろしい形相で、慣れている筈の

職員も思わず固まってしまったのだという。

そして、最後に教えてもらったのは、毎朝、当番が入り口のチェーンを外し、

中へ入るだが、もしも、その時に、中から話し声のようなものが聞こえてきたら、

それからしばらくは外で時間をつぶすらしい。

そして、10分もすると、話し声は消え、中へ入れるようになるのだという。

そして、最後に教えてくれた。

世の中に、どれだけの霊達が彷徨っているのかは分からないが、斎場に居る

霊達は、どれも安全で大人しく礼儀正しいのだという。

だから、それに、生きている人間も応えてあげないとな、と話してくれた。

そういった少しの気遣いのお陰で、斎場は人間と霊の共存空間と成り得ている

のかもしれない。

ある意味、とても不思議な場所である。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:01Comments(52)

2017年07月24日

牛鬼・・・というもの。

サインディスプレイ部 営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

そして、いつも暖かいコメントを頂きまして、

本当にありがとうございます。

今夜は、お願いからスタートさせてください。

ここのブログに書かせて頂いてる怖くない話は、

事前に友人達に話した事のある霊障の無い話です。

危険な話も知っていますが、一度もこのブログに書いた

事はありません。

更に、念には念を入れるつもりで、コメントの返事も出来るだけ

控えております。

もしも、ブログをお読みになり、霊障が発生したと感じて

いらっしゃる方がいるとしたら、それは単に思い込みに拠る

ものであり、偶然だと思います。

私も皆様に楽しんで頂きたくてこのブログを楽しんで書いております。

決して、読まれた方の不幸は望んでおりません。

ですから、もしも、思い込みの激しい方がしらっしゃるようでしたら、

このブログをお読み頂かない事をお奨めします。

それでもお読みになるという事でしたら、あくまで

『自己責任』を了承のうえでお読みください。

私もずっとこのブログを継続していきたいと思いますので、

ご理解頂けると助かります。

勝手を申しますが、宜しくお願い致します。

ということで、今日はお休みしようかなと思ったのですが、

なんとなくアップしたくなりましたので・・・。

良かったら、お読みくださいませ。

それでは、怖くない話。

スタートします。

どうぞ~!



これは俺の知り合いが体験した話である。

古来より、日本には数多の妖怪といわれるものが伝承されている。

そして、その中に、「牛鬼」というものがある。

頭が牛で、体が鬼、もしくは頭が牛で体が蜘蛛など諸説あるようだが、他の

妖怪と明らかに違うところは、他の妖怪が人を驚かせたりするのが多いのに

比べて、牛鬼に限って言えば、人を食らう、という妖怪なのだという。

そのような妖怪は、山姥と、この牛鬼だけかもしれない。

更に、この牛鬼に関する伝承は日本全国に残されているらしく、何処かに

その体のミイラというものも存在していると聞いた事がある。

他の妖怪が、人間の所業を戒める為に創作されたものだとすれば、この牛鬼

はその存在に対する警鐘を鳴らす為に、伝えられてきた人食いの魔物なのかもしれない。

そして、話を戻すが、俺の知り合いは趣味で狩猟をしている。

その彼が、以前、一緒にお酒を飲む機会があった際に、真剣な顔で話してくれた

内容をここに書いてみようと思う。

彼はいつも狩猟に出るときには、親しい仲間2人と一緒に山へと出かけていた。

その日は、特に夏の暑い日であったが、山へ行き森の中を歩いていると、いつもより

涼しく感じたという。

そして、手分けして猪を見つけようという事になり、彼ら3人は、その場から

分かれた。

猪が見つかったらすぐに携帯で連絡しようという約束をして。

そして、彼はそのまま山の奥深くへと入って行った。

しかし、いつもならとっくに見つかっている筈の猪の姿が見えなかった。

いや、それどころか、ウサギや鹿、などの動物すら見つからない。

疲れて果てて、大木の陰で休みながら、彼は昔言われたある言葉を思い出した。

それは、大先輩である年老いた猟師から教えられた事なのだが・・・・。

どんなに山の中に入っていっても、動物の姿が見つけられないような日は、狩猟を

してはいけない日なのだということを。

そして、それは、山の主を恐れて、動物達が姿を隠しているに違いない。

だから、そんな日は、一刻も早く山から下りなければ大変な事になってしまう、という

話だった。

勿論、その年老いた猟師の事は、尊敬もしていたし、嘘をつくような人ではない事も

分かっていた。

ただ、さすがに山の主というのは言い過ぎだろうと思ったし、もしも本当にそんなモノが

いるのだとしたら、是非獲物として狩ってみたいものだ、とすら考えていた。

そして、そうして休んでいるうちに、彼は突然酷い睡魔に襲われ、そのまま

寝入ってしまった。

それから、どれだけの時間が経ったのだろうか。

彼が目覚めた時、辺りは完全な闇に包まれていた。

彼は一瞬、まだ夢の中に居るのではないかと錯覚する。

それくらいに、彼に見えた視界は漆黒の闇になっていた。

しかし、彼の背中にある大木が、彼がその場で寝てしまった場所である事を

教えていた。

どうする?

それにしても、一緒に来た奴らはどうしているのか?

彼は急いでポケットから携帯を取り出すと、画面の着信を確認した。

しかし、そこに着信履歴は無く、圏外という表示だけだった。

どうして、この場所が圏外になるんだ?

彼は困惑してしまう。

しかし、現実問題として、これからどうするかを考えなくてはいけなかった。

このまま、此処で朝が来て明るくなるのを待つか?

それとも、懐中電灯の明かりだけで、1人で山を下りるか?

答えはすぐに出た。

こんな見知らぬ山深い場所から、懐中電灯の明かりだけで歩くということが、

どれだけ危険かを彼は十分に分かっていたから・・・。

しかし、こんな暗闇の中でポツンと1人で座っていると、とてつもなく恐怖が

襲ってきた。

だから彼は、今自分がもたれ掛かっている大木に登り、太い枝の上で夜を明かそうと

考えた。

少し滑りやすい木だったが、道具をうまく使い、5分くらいで地上5メートル位の

太い枝の上に腰掛ける事が出来た。

ここなら、万が一熊が出たとしても、十分に対応出来ると思える場所だった。

彼はホッと安心した。

木の上に登ると、地上に座っているのとは違い、とても安心感があった。

すると、急にお腹がなった。

そういえば、朝から何も食べていなかったんだよな。

彼は急いでリュックバックからコンビニで買ってきたおにぎりと缶コーヒーを取り出す。

いつもは特に美味しくもないおにぎりも、こんな場所で食べるととても美味しく感じ、

更にお腹が満たされていくと、恐怖感も和らいでいくのを感じた。

おにぎりを食べ終わった彼は、いつも持ち歩いている小型のウイスキーボトルを

手に取り、そのまま2口ほど飲んだ。

胃に向かって流れ落ちていくウイスキーがとても熱く感じたが、不快ではなかった。

こういう体験も良いものだな・・・・。

彼は気持ちに少し余裕が出てきたのか、そんな風に思った。

彼はタバコに火を点けた。

思いっきり吸い込み、それを吐き出しては、またウイスキーを口に運ぶ。

それはまさに至福の時間に感じられた。

と、その時、突然大きな唸り声が聞こえた。

それは今までに彼が聞いた事の無い声であり、どちらかといえば、牛の鳴き声に

似ていたという。

彼は思わず、ウイスキーを口から離し、声の聞こえてきた方を見た。

その時、彼は赤く光る二つの光を見た。

彼は咄嗟に懐中電灯の明かりを消した。

何故かそうしなければ危険だと感じたのだという。

しかし、懐中電灯を消したが、ずっと暗闇の中に居た為に、それなりに視界は

確保できた。

2つの赤い光は、少しずつ上下動をしながら、ゆっくりとこちらに向かって

近づいてきた。

もしかしたら、仲間達が俺を探しに来てくれたのか?

一瞬、そう思ったが、それはあり得なかった。

彼らに自分の居る場所が判る筈も無かったし、何より近づいて来る赤い光は

紛れもなく何かの目にしか見えなかったから。

そして、それがいよいよ近づいて来た時、彼は咄嗟に体を枝の影に隠した。

そこで彼が見たのは、身長が3メートルはありそうな巨大な二足歩行する牛だった。

赤黒い体に牛の首がついていた。

その目は赤く光り、裸の体に服は着ていなかった。

月の光で照らされたその手足には、長く鋭い爪が4本付いていた。

こんな動物は今まで見たことも聞いた事も無かった。

しかし、彼の生存本能が、彼に対し、絶対に気付かれてはいけない、と強い信号を

送っていた。

彼は息を殺して木の上で震えていた。

あんなモノ相手に、自分が持ってきた散弾銃など役に立たないとは思ったが、それでも

銃を握り締めていると、少しは心強かった。

そして、その赤い目の獣は、彼が隠れている木の近くまで来ると、急に立ち止まり、

鼻を鳴らして何かを探していた。

そして、それが探しているとしたら彼しか考えられなかった。

まるで獲物の臭いを嗅ぎ分けるかのように、それは更に大きく鼻を鳴らす。

見つかったら殺される・・・いや、食われてしまう。

彼はそう確信したという。

そして、しばらく鼻を鳴らす音が聞こえていたが、突然、その音が消え

沈黙が訪れる。

彼は息を殺し、じっと耐えた。

しかし、それから30分くらいしても、全く音は聞こえない。

もしかしたら、もう立ち去ってしまったのか?

彼はそう思い、出来るだけ静かに枝の上を移動し、ゆっくりと下を覗き込んだ。

息が止まるかと思った。

それは、彼の座っている大木の下から、彼が居る場所をジッと睨んでいた。

そして、それと目が合ってしまった。

その獣は、突然大きな悲鳴のような鳴き声をあげると、彼が座っている枝に

向かって腕を伸ばしてきた。

暗闇の中、鋭い爪が木の皮を引き裂くような音が聞こえた。

何十回、何百回とその爪は彼のすぐ近くの場所を引き裂いだが、どうしても

あと少しという所で彼には届かなかった。

その後、怒り狂ったような泣き声を残しながら、その獣はゆっくりとその場から

歩いて消えていったという。

彼は九死に一生を得た安堵感と、先程までの緊張感から、無意識に涙が

こぼれた。

そして、考えた。

今すぐここから逃げるか、それとも、朝まで待つか・・・。

しかし、朝まで待つ方が安全なのは明白だった。

そして、そのまま彼は一睡もしないまま、朝を迎えた。

朝の光はとても清清しく、まるで昨夜の事がただの夢だったかのようだったが、木の表面

に付けられた深い引っ掻き傷が、夢では無い事を物語っていた。

彼は、明るくなると、まず銃の残りの弾数を確認し、更にサバイバルナイフもすぐに

取り出せるようにセットした。

そんなものが、あの獣に役に立つとは思ってはいなかったが、それでもそうすることで

ようやく、その場所から地上に降りる勇気が持てた。

地上に降りると、彼はすぐに走り出した。

不思議と、其処に来るまでの道をよく覚えていた。

必死になって走る彼。

そして、もう限界と思い、立ち止まった。

走り出してから、かれこれ10分以上になる。

もう大丈夫だろう、という気持ちもあったのだろう・・・。

彼は大きな石の上に腰を降ろした。

そして、何気なく地面を見た時、思わず、ウワッと大きな声を出してしまう。

そこには彼の影か地面に映しだされていた。

そして、その影に重なるように、牛のような顔が見えたのだ。

彼は、急いで立ち上がると、持っていた銃でその影を撃った。

そして、再び走り出した。

すると、背後から、昨夜聞いた、あの牛のような鳴き声が聞こえてくる。

彼はその声を聞いて、更に走る速度を上げた。

しかし、その声は容赦なく近づいて来る。

このままでは追いつかれてしまう。

それに、何か判らないのだが、彼の走る地面、いや影が異様に熱く感じられた。

まるで、熱したフライパンの上を走っているようだったという。

彼はもうフラフラになっていたが、それでも走るのを止めなかった。

しかし、それももう限界だった。

しかも、背後からの牛の鳴き声は、もうすぐ背後まで迫っている。

彼は、その獣に食べられるのだろうと覚悟した。

その時、突然、前方から人の声が聞こえた。

それも、1人や2人ではなく大勢の人の声だった。

そして、彼の姿を見つけると、一斉に駆け寄ってきてくれた。

その場に倒れこんだ彼は、そのまま意識を失った。

そして、それから彼は病院へと送られ、1週間後に目が覚めた。

どうやら、あの後、原因不明の高熱で、制止の境を彷徨っていたという事だった。

それは、人間が正常に機能出来る体温を超えていたらしく、彼が目覚めて普通に

話している事に医師も驚いていたという。

しかし、そんな事よりも、あの獣に食べられなかったという事が、彼には何よりも

嬉しかった。

その後、その山には、主が住んでいるという話を彼は信じるようになったる。

そして、彼はその時見たモノが一体何なのかという興味を持った。

だから、色々と調べて辿りついたのが、牛鬼という妖怪だった。

そして、彼はそれ以来、狩猟を止めてしまった。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:11Comments(19)

2017年07月23日

仮住まいでの怪異(後編)

サインディスプレイ部  営業のKです。

やっと、後編書き終わりました。

本当は明日の夜にアップさせて頂くつもりだったのですが、

北米様が眠りから目覚めた時に、後編が読めないと・・・

とか、メチャ様が、後編書かないと一気読みしてくれない

みたいですので・・・・。

メチャ様、ちゃんと一気読み、お願いしますね!(キッパリ)・・・(嘘です)

まあ、でも続きが読みたいと言って頂けるのは、とても

嬉しいですからね。

ということで、後編をアップさせて頂きますが、はっきりいって

長いです。

疲れました~

ちなみに、出版する本の校正はまだまだ終わってません。

半分も終わってないですね(笑)

担当編集者のお姉さま、ごめんなさい(泣)

頑張りますから見捨てないでくださいね(泣)

ということで、明日の更新は無いかもしれません。

まあ、頑張ってみますが・・・。

それでは、怖くない話の後編、

どうぞ~!



彼ら夫婦は、それから真剣に話し合ったという。

このまま残り1ヶ月をこの家に住み続けるか、それとも、新しい仮住まいを探して

引っ越すのか、ということを。

しかし、やはり現実問題として、新たに仮住まいを見つけたとしても、その家賃と

引越し費用を捻出する事は、経済的に不可能だった。

だから、その旨を、その営業さんに伝えたのだが、その時に、こう言われたという。

そうですか。残念ですが、○○さんが、そう決められたのでしたら、私共は、それ以上、

口出しは出来ませんね。

ただし、これだけは肝に銘じておいてくださいね。

命の危険を感じたら、躊躇せずに、どんな方法を使ってでも逃げてください。

壁や窓が割られたとしても、機にする必要はありませんので・・・。

怪我をしてもいつかは癒えますが、死んでしまったら元も子もありませんから・・・。

命は一つしかないということだけは忘れないでください。

そう言われ、さすがに怖くなった彼らは、その営業さんに尋ねた。

一体、この家で何が起こったというのか?と。

すると、

それは勘弁してください。

それを喋ったら私は会社をクビになってしまいます。

ただ、一つだけ言える事は、過去にこの家で亡くなった方は、1人や2人では

ないということです。

ですから、危険を感じたら、すぐに逃げてください。

私共も、これ以上、犠牲者が増えるのは避けたいと思いますので・・・。

いいですか?

ご自分の命はご自分で護るしかないんですから・・・・。

そう言われ、それ以上は聞けなかった。

それから、彼らの周りでは怪異が頻発するようになる。

夜、寝ていると、まるで存在を主張するかのように、2階からドンドンと

飛び跳ねるような音がした。

また、寝ていると、天井の方から、

おいで~おいで~と呼ぶ声が聞こえ、その声は朝が来るまでずっと続いた。

仕事から帰宅すると、至る所に貼られている御札が、まるで焼け焦げたように

黒くなっている事もあった。

そして、ある日、夜、怖さを紛らわす為に大音量でテレビを見ていた時、突然

キシッギシッギシッと階段をゆっくりと降りてくるような音が聞こえた。

まさか、降りてきたのか?

と思い、急いで、バリケードで塞がれた階段の上り口の方へ行くと、突然

ドンッドンッとバリケードを叩く音が聞こえた。

低いうめき声とともに、叩かれるバリケードが今にも壊れそうなほどに大きく

撓っている。

さすがに、その夜は怖くなってしまい、急いで家を出て、ネットカフェで一夜を

過ごした。

そして、朝になり、自宅へ戻ると、バリケードの一部が強い力で捻じ曲げられ、

ちょうど人間1人が通れる位の隙間が出来ている。

急いで、住宅メーカーの営業さんに、その事を連絡すると、

やはり、今すぐにでもその家から出られた方が良いと思いますよ!

と言われたが、彼ら夫婦は、それも拒絶した。

すると、

無駄かもしれませんが、とりあえず昼間に、そのバリケードは修繕しておきますので・・。

と言われたという。

そして、彼ら夫婦は、夫が仕事に、そして妻はその日がちょうど休日だったので、

家に残り、修繕の作業員が来るのを待つ事にした。

住宅メーカーが手配した修繕の作業員は、よほど急を要する事だったのか、朝8時には

家に到着した。

修繕の作業をしている際、奥さんは、その作業員達に、その家の事を聞きだそうとしたが、

やはり口止めされているらしく、何も喋ってはくれなかった。

ただ、帰り際に、一言、

よく住めますよね?この家は人が住んじゃいけない場所なのに・・・。

とだけ言われたのが、妙に気になったという。

そして、夫は、仕事中に修繕が完了したという連絡を妻から貰い、一安心した。

家に妻を1人だけ残してきた夫は、心配になってしまい、仕事を早めに切り上げ、夕方

には家に戻った。

玄関は鍵がかかっておらず、開いていた。

しかし、妻の姿はなかった。

そして、妻を探して家の中を見回っていると、修繕の完了の連絡を受けた筈の階段の

バリケードが、完全に壊されていた。

彼は急いで、住宅メーカーの営業に連絡し、その事を伝えると、

今すぐ行きますから、とりあえず家の外に出て、待っていてください!

と言われた。

そして、家の外に出て待っていると、すぐに営業さんがやってきた。

しかも、彼1人ではなく、合計10人ほどの大人数で・・・。

どうしたんですか?こんな大勢で?

と聞くと、

いや、大勢の方が少しはマシかな、って・・・。それだけです。

と返された。

そして、急いで、家の中へ入ると、1階を手分けして探した。

しかし、それでも妻の姿は見つからない。

そして、営業さんのところに行くと、階段の前で腕組をして考えていた。

そして、

うん。やはり行くしかないですね。2階に・・・。

そう言うと、連れて来た同僚達に指示し、一斉に2階へと上がっていく。

○○さんは、一番後ろから着いてきてください。

そう言われ、夫も後に続いた。

2階へ上がると、そこは何故か靄のようなものがかかり、白っぽい空間に

なっており、異常に寒かった。

そして、突然

いたぞ~、奥さんだ!

という声が聞こえた。

夫は急いで、妻の元に駆け寄ろうとしたが、その姿を見て固まってしまう。

そこには、廊下にペタンと座ったまま、開かれた襖の向こうに居る何かと

ぼんやりと話している妻の姿があった。

襖の向こうには、何かが居る。

それは間違いなかった。

妻の声に呼応するように、気持ちの悪い低い声がそこから聞こえていたから。

そして、突然、緑色の細い手が襖の奥から伸びてきて、妻の右手を掴んだ。

それを見て、思わず後ずさりしそうになった夫。

その時、突然、背後から大きな声で、

全員、窓を開けろ!速く!

という声が聞こえた。

あの営業さんの声だった。

逃げ道を確保したのか?冷静だな・・・・。

と思わず感心してしまった。

そう思った次の瞬間、突然、襖の向こうから何かが出てきた。

それは、着物を着た女・・に見えた。

立ち上がったその女は、吊り上がった細い目と大きく割れた口がまるで口避け女を

連想させた。

そして、着物を着ていても分かるほど、異様に痩せ細り、黒い目だけがギラギラしている。

その女が、妻の腕を掴み引き摺ったまま、こちらへとゆっくり近づいて来る。

其処にいた、夫を含めた11人が身構えた。

その時、その女が一瞬気味悪く笑ったように見えた。

すると、突然、ギシギシと廊下を背後から歩いてくるような音が聞こえた。

そして、それに続くように、今度は2階の廊下に面した襖が一斉に開いた。

そして、そこから聞こえてくる亡者のような低く恐ろしい声。

完全に固まって動けなくなった夫。

すると、突然、背後からまた声が聞こえた。

みんな、すまん。とりあえず奥さんだけは助けたいんだ。

俺が奥さんを奪い返すから、それに力を貸してくれ!

そして、その後は、各自の判断で逃げてくれ!

頼む!

そして、一斉に動き出す、10人の男達。

一斉にその女に向かっていき、人だかりのような物が出来た。

そして、そこから、はじき出されるように、妻が出てきた。

そして、

すぐに、このまま奥さんを連れて、外へ逃げてください!

それを聞いて、ハッと我に帰った夫は、急いで妻の腕を掴み、階段を下り、

急いで外へと逃げ出した。

すると、それと同時に、2階に居た、10人の男達も、全て2階の窓から

飛び出してきた。

そのまま、地面に叩きつけられ、うずくまっている。

辺り一面、苦しそうな声に包まれる。

そして、上を見上げた彼が見たモノは、合計6体のバケモノだった。

人間の体はなしているが、そのどれもが、一目で人間ではないと分かる姿をしていた。

首が伸び、ダラリと垂れ下がったモノ、髪を逆立てて威圧する老婆のようなモノなど

様々だったが、そのどれもが明らかに邪悪な顔をしていた。

そして、その中でも、彼の妻の腕を掴んで引き摺っていた女が、主的な立場であることは

すぐに判った。

それらの恐ろしい姿に、彼は身震いした。

そして、それらは、ジッと道路に叩きつけられ苦しそうにしている姿を見ていたが、

やがて薄気味悪い笑い声とともに、消えていった。

彼はすぐに救急車を呼び、彼らと妻は、そのまま病院へと送られた。

その時、実は警察にも通報していたのだが、何故か警察は動いてはくれなかった。

そして、彼も急いで病院へ向かうと、彼らの多くは、打撲だけで済んだらしいのだが、

妻を助けてくれた営業さんは、両腕を骨折し、酷い火傷も負っていた。

あの状況で、何故火傷を負ったのかは、その後の警察の取調べでも解明出来なかった。

しかし、そんな大怪我をしても、尚、彼を気遣い、

気にしないでくださいね。勝手にやったことですから・・・。

でも、○○さんが無事で良かったです。

それと、奥さんは?

と心配してくれた。

彼はその言葉が、涙が出るほど嬉しかったのだが、その返答には嘘をついてしまった。

これ以上、心配はかけたくなかったから・・・。

そして、あの時、妻を救ってくれたのは、自分ではなく、その営業さんだ、ということが

とても恥ずかしかったから・・・・。

実は、その時、妻は、まるで記憶喪失にでもなったように、言葉にも反応しなく

なっていた。

体に怪我は無かったが、あの女に摑まれた腕には、緑色の後がくっきりと残されていた。

そこで、彼は、決断する。

今までの不甲斐ない自分と決別する為にも、絶対にあの家に1人残って、

あいつらと闘ってやる、と。

ただ、やはりそれには無理があったようだった。

彼は、それから一晩を過ごした翌日に俺に電話してきた。

そして、彼と喫茶店で落ち合った俺は、その姿に驚愕する。

顔と首に包帯が巻かれ、まるで大きな事故にでも遭ったようだった。

そして、

どうしたんだ?

と聞く俺に、

両耳を半分くらい引きちぎられ、そして首を絞められたのだという。

そして、その首には、とても赤黒い手の跡が付いており、医者によると、

間違いなく殺すつもりで首を絞めたとのことであり、助かったのは奇跡

だったと言われたという。

まあ、まだ運が付いてるみたいだから、妻や営業さん達の為にも、まだまだ

頑張らないとね!

と気丈に話す彼だったが、そのままでは命を落とすのは明らかだった。

だから、俺は急いでAさんに頼み込んだ。

友人を助けて欲しい・・と。

すると、相変わらず、Aさんは、面倒くさそうに待ち合わせ場所に現れた。

そして、話を全て聞き終わったAさんは、

あの・・・どうして、その家に住み続けたいんですか?

早く出て行けば良いだけだと思いますけど?

と静かに尋ねた。

すると、彼は、

いや、今となってはそんな事、もうどうでも良いんですよ。

ただ、何とかして、病院に入ったままの、妻や住宅メーカーの方達が受けた傷に対して、

一矢報いたい・・・ただそれだけなんです。

勿論、私1人が何とか出来るなんて自惚れてはいませんけど、ただ、このまま逃げ出して

しまったら、何かもっと大切なものまで失ってしまいそうな気がして・・・。

だから、身を護るものでも良いですし、霊的な武器みたいなものでも構わないんです。

一緒に闘って欲しいなんて都合の良い事をお願いする気は毛頭ありませんので、

そういう物があるのなら、貸して欲しいというのが本音です。

とゆっくりと答えた。

Aさんは、彼の首につけられた手の跡をまじまじと見た後に、

あの・・・この悪霊って半端ないですよ?

元々は、1人の女性の自殺から始まった怪異なんですが、それから計5人が

犠牲になってます。

しかも、その犠牲になった5人も、その悪霊に取り込まれてしまっていて・・・。

今では、とんでもない力を持った悪霊の固まりになってますけど?

それでも、1人で闘いますか?

すると、彼は、

はい。勿論です!

とまっすぐな目で、即答した。

それを見て、少しクスッと笑うAさん。

そして、

本当にKさんのお友達ってホント馬鹿ばっかりですよね。

さっさと逃げれば良いのに何故か損な方ばかり選んで・・・。

まあ、類は友を呼ぶ・・・って事なんですかね(笑)

そして、そこからは真顔になり、

でも、そういうのって嫌いじゃないです。

馬鹿は嫌いじゃないです。

Kさんのお友達も、その住宅メーカーの方達も・・・。

損得勘定じゃなくて、意地が優先する場合もありますからね。

だけど、護身用の護符とか霊的な武器?なんてお貸し出来ませんから。・・・。

そこで一瞬、彼の顔が曇ったが、Aさんは、そのまま続けた。

協力はしませんけど、ちゃんとやりますから・・・。

だから、これは私だけでやります!

話を聞いてる途中から、なんか私も段々と腹が立ってきました・・・・。

そこまで人間が嫌いで、人間を小馬鹿にしてるのだとしたら・・・。

思い知らせてやらなくちゃ・・・。

お前らも、元々は人間だろ?って事を!

そして、人間を舐めると、痛い目に遭うって事を!

だからその為にも、私ひとりでやります。

一緒に来て貰ってもはっきり言って邪魔なだけ・・・ですから・・・・・。

といつも通りの辛辣な発言。

そして、

貴方は、病院で奥さんの隣に居てあげてください。

それが、今貴方がしなくてはいけない事!

そして、私は私にしか出来ない事をやるだけです!

そう言うと、彼は涙を流して無言で頷いていた。

そして、それからすぐに彼に案内されて、その家に到着した。

そして、彼に付いて、俺も一緒に帰ろうとすると、Aさんに呼び止められた。

ちょっと何処行くんですか?

そして、俺が、

え?俺が居ても邪魔でしょ?

と聞くと、

家に入る前に雑用があるんですよ。雑用が・・・・。

雑用はKさんの仕事だと昔から決まってるんですけど?

そして、

そんなのをいつ誰が決めたんだ、とブツブツ言っていると、突然、束になった

大量の御札を渡された。

そして、

これを家の周りに出来るだけ沢山貼ってください。

ちゃんと逃げ場か無くなるように・・・ですよ。

もし取り逃がしたらKさんのせいですからね(笑)

それから、2階の連中、私が来たのをもう知ってますから・・・。

さっきから、じっと隠れてこちらを覗いてます。

もしかしたら、邪魔されるかもしれないですけど、頑張ってくださいね(笑)

あっ、それと・・・・・・・さっさと終わらせてくださいね!

と言われ、俺は必死になって家の周りに御札を貼って回った。

その御札は、いつもの御札とは大きさも書いてある言葉も違うものであり、持っている

だけで、とても熱く感じた。

そして、御札を貼り終え、Aさんの元に戻ると、

はい。お疲れ様です~、後は、さっさとお帰りくださいね~

と言われてしまった。

そして、それだけ言うと、Aさんの顔は、いつもとは違いとても真剣な顔になっており、

とても言い返せるような顔ではなくなっていた。

そして、俺はそのまま、とぼとぼと家に帰った。

そして、翌日、彼から俺に電話がかかってきた。

奥さんが、正気に戻り、腕につけられた緑の手の跡もきれいに消えたのだという。

そして、その後、彼から聞いた話によると、どうやらその家は、誰にも貸せず売れず、

かといって、取り壊そうとすると、必ず工事の人が大怪我をしてしまうという曰くつき

の物件だったらしく、それが今回の件があってからは、怪異が収まり、家も無事に

取り壊すことが出来たということであった。

そして、どこの霊能者に頼んだのか、としつこく聞かれたが、それだけは絶対に

喋らなかったらしい。

そして、その後、Aさんに会う機会があったので、話を聞こうとすると、どうやら

腕に怪我をしているようだった。

そこで、

どうしたの?怪我しちゃってるみたいだけど?

と聞くと、

ええ、かなり手強かったので・・・・。

しかも生意気に反撃してきたもので・・・。

だから、お返しに、もっと酷いことしてやりましたけどね(笑)

でも、やはり相当な悪霊たちで、さらにその中の一人が、最悪だったので、結局、

浄化も消滅も出来ませんでした。

と答えた。

そこで、俺は

え?浄化も消滅も出来なかったの?

だとしたら、まだこの世に居るってこと?

だけど、あの家からは怪異は消えたって言ってたけど?

すると、Aさんは

ええ、怪異はもう起こりませんよ。

浄化も消滅も出来なかったので、とりあえず、箱の中に封印しました。

見ます?

と言って、バッグから、幾重にも御札が貼られた木箱を取り出して俺に見せる。

俺はしばらく呆然とそれを見ていたが、

あのね・・・そんな危険なものが封印された箱を、バッグに入れて持ち歩いてる

貴方は頭がおかしい人ですか?

と問うと、

そうですね。じゃ、Kさんが持っててくださいね(笑)

と言って、その木箱をポンと俺に投げてくる。

俺は、必死になってそれを掴むと、

なんで、そんな危ないことをするの?

と言うと、

私が封印したんですから、大丈夫ですって(笑)

それに、この箱、普通の木の箱ではないので、落としても壊れませんし、これだけ

しっかりと護符が貼られているんですから、もしもふたが開いたとしても、簡単に

出て来られませんよ(笑)

と言って笑った。

そして、その後、スイーツを奢らされるのかと思いきや、何故かそのまま何も言って

こない。

それがどうしても謎だったのたが、その後、彼ら夫婦から、お金は受け取らないという

Aさんに、かなりの金額のスイーツギフト券が送られたていたという事実を知った。

それで謎が解け安心していた俺だったが、やはり忘れた頃に、しっかりとスイーツを

奢らされた事は言うまでもない。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:27Comments(26)

2017年07月23日

仮住まいでの怪異(前編)

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、こんにちは。

こちら、石川県にも大雨・洪水警報発令中です。

でも、東北方面は、もっと凄い降水量なのだとか・・・。

これから夏に向けて、渇水も心配ですが、やはり

降りすぎるというのも困りものですね。

あっ、ちなみに、出版記念のサイン会の予定はありません。

というか、買って頂いた本に、アルファベットで、K、とだけ

書くというのも如何なものか・・・と。

まあ、もしかすると、そのうちに水着写真集でも発売するかも

しれませんので、その時には、サイン会&握手会でも

開かせて頂きますね(嘘です)

それでは、今日は、Aさんが主役の話をアップさせて

頂きますが、長いので、前編と後編に分けさせて

頂きました。

ちなみに、前編にはAさんは全く出てきませんが・・・(笑)

それでは、怖くない話、スタートします。

どうぞ~!



これは俺の友人夫婦が体験した話である。

彼らは、それまで住んでいた中古物件の自宅を建て直す事になった。

最初はリフォームを考えていたのだが、やはり新築の家というのは、結婚当初

からの夢であったので、思い切って、新築として立て直す事にした。

ただし、ここで問題が発生する。

住宅会社の工程表では、家が完成するまでには、約3ヶ月かかるとの事だったが、

それまでの間、何処に住めば良いのかという事だった。

本来なら、どちらかの実家に間借りするというのが、好ましいのかもしれないが、

どちらの実家もかなり遠方にあり、現実的ではなかった。

それでも、やはりその間、アパートでも借りて住んでしまうと、それなりにお金が

掛かってしまう。

しかし、そんな余裕は無く、出来ることなら、可能な限りの少ない負担で、3ヶ月間

過ごせないものか、と思案していた。

すると、そんな様子を見ていたのか、住宅会社の営業さんが、ある提案をしてくれた。

それは、どんな提案かといえば、その住宅会社が管理している中古住宅を無償で

貸しても良いという、願ってもない提案だった。

彼らはすぐにその家を借りる事になったのだが、その際、その営業から言われた

言葉がこんな感じだった。

どうせ、誰かが正式に住まわれるようになったら、壁紙とかフローリングも張替えます

から、好きにお使い頂いても結構なんですが、ひとつだけお願いがあります。

それは・・・・。

その家で、何が起こっても、何を見ても絶対に口外しないで頂けますか?

そう言われ、一瞬、

どういう意味だ?

と思ったらしいが、無償の仮の住居を得た事で、喜び舞い上がっていた彼らは、

それほど気にはしなかった。

それからすぐに仮住まいへの引越しは行われた。

いざ引越しとなると、思っていたよりも荷物が多かったが、それでも友人達に頼み、

なんとか無事に引越しは完了した。

最後に、住宅メーカーの営業さんがやってきて、一応それなりの注意事項を説明

された。

その際、お二人だけの生活だから、2階は使わないでも大丈夫ですよね?

と念を押される。

しかも、2階へ上がれないようにと、階段の上り口にダンボールで目張りをして、

2階は使用禁止、という張り紙まで貼っていった。

そこまでしなくても・・・・と思ったが、まあ2階を使う予定も無いし、なによりも

無償で借りられるのだから、と気にするのをやめた。

それから、あっという間に2ヶ月が過ぎ、新築の家も順調に建てられていった。

仮住まいでの生活は快適そのものであり、いっそ、このままこの家に住むのも

悪くないな~、といつも口にしてしまう程だった。

ただ、その間も、住宅メーカーの営業さんに会う度に、

特に変わった事はありませんか?

2階へは行ってませんよね?

といつも聞かれる。

しかも真剣な顔で・・・・。

そうなると、さすがに2階に興味が沸いてしまう。

2階に一体何があるというのか?

もしかすると、とても豪華な部屋があるのかも?

そんな感じに。

そして、本当にただの軽い悪戯心で、ある日、彼ら夫婦は2階へと足を踏み入れて

しまう。

2階へのぼる階段は、かなり傷んでいるのか、1段のぼる度に、ギシギシと

大きな音がした。

2階に上ると、そこから左へと長い廊下が続いていた。

廊下には、埃が積もり、真っ白になっていた。

そして、そこには何故か裸足の足跡がついていた。

それも一つや二つではなく、大量の足跡が・・・・。

そして、その足跡の上には埃が積もっていなかった。

これはどういうことなんだ?

彼ら夫婦は顔を見合わせた。

俺たちがこの家に住んでから、もう2ヶ月になる。

その間、当然誰も2階には上げていないし、俺達自身も2階にはのぼらなかった。

なのに、この新しい足跡はなんなんだ?

彼らは何か得体の知れない気持ち悪さを感じた。

と、その瞬間、2階の廊下に面した部屋のドアが突然パタンと閉まった。

何もしていないのにひとりでに閉まったのだ。

彼らは、思わず声を上げながら、ドタドタと階段を駆け下りた。

心臓がバクバクしていたが、しばらくすると落ち着いてきた。

そして、彼ら夫婦は考えてみた。

もしかすると、2階には誰かいるのかもしれない。

霊とかそういうものではなく、空家になっている時に住み着いた浮浪者か何かが。

しかも、あの営業さんは、それを知っていて、俺達にこの家を貸したのかもしれない。

浮浪者ともどこかで面識があって、追い出すのは可哀相だと思い、俺達と

この家で、共生出来るように、俺達に2階へは行くな、とあれほど念を

押したのかもしれない。

そういう結論に達した。

それ以外は考えなれなかったから。

しかし、そうだとしても、やはり知らない浮浪者と一緒に生活するのは怖い。

そこで、急いで、住宅メーカーの営業さんに電話をした。

そして、遠回しに聞いてみた。

もしかして、あの2階には秘密があるんじゃない?と。

すると、営業さんは、

え?仰っている意味がよく分からないんですが・・・・。

何かありましたか?

と言葉を濁す。

そこで、思い切って更に突っ込んでみる。

あのさ。2階に誰かいるんでしょ?

だとしたら、最初から言って貰わないと・・・・。

それに、見知らぬ人と共同生活するとは、聞いてなかったけど?

と語気を強めた。

すると、その営業さんは、急に口調が変わったのだという。

もしかして、2階に上がったんですか?

大事なことなんです。はっきりと答えてください。

2階へ上がってしまったんですか?

そう言われ、

ああ、ちょっとだけ・・・・。

と返すと、

なんで約束破るんですか?

絶対に2階へは行かないでくださいって、あれほど言ったのに!

もう取り返しがつかないかもしれませんが・・・・。

わかりました。

何とか手は打ってみますが、もしかすると、すぐにあの家を出て行って貰わなくては

いけなくなるかもしれません!

と強い口調で言われた。

その日は、そのまま納得できないまま、電話を切った。

しかし、翌日、彼ら夫婦が仕事から帰宅すると、明らかに、朝とは家の様子が

変わっていた。

家の周りにはしめ縄のような縄が張られ、そして、家の中に入ると、至る所に

御札らしきものが貼られていた。

そして、2階へのぼる階段には、まるでバリケードのような板が張られ、完全に

塞がれている。

どうしたんだ?これは?

2階には浮浪者が居るんではなかったのか?

彼らは、すぐに営業さんに電話をかけて、問いただした。

すると、冷たい口調でこう言われた。

出来る限りの手は打たせて貰いました。

ただ、それで安全なのかどうかは、現時点ではわかりませんが、当社で出来る

手は全て打たせて頂きました。

あとは、このまま住み続けるか、出て行かれるか、と○○さんの方でお決めください。

それから、こうなったのも、○○さんが約束を破られたからですので、もしも

今後も継続して仮住まいとして住まわれるのでしたら、何が起きても自己責任である、

という書類に署名、捺印をお願いしますね。

それを聞いて、彼ら夫婦は、何も言い返せなかったが、それでも、一体2階には

何があるのか、という事を尋ねてみた。

すると、絶対に口外しないという条件で教えてくれたそうだ。

その家は、曰くつきなのだということを・・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 13:21Comments(15)

2017年07月22日

その救急車に乗ってはいけない!

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、暑いですね。私も暑いです。

コメントで出版する文庫本に私の写真が載るのか?

というのがありましたが、とりあえず、速水もこみちの

写真でも貼る事にしましょうかね(笑)

ちなみに、電子書籍でも販売されますので、詳細が

決まりましたらお知らせ致します。

ちなみに、最近のうちの娘ですが・・・。

来月上演する演劇の監督に抜擢されたらしく、

「こらこら、ちゃんと監督と呼びなさいよ!君!」

と偉そうに言ってくるので、台本に書いてあった

「八百長」という漢字を読んでみろと言ったら、

「はっぴゃくちょう」と自信たっぷりに答えてくれました。

演劇の完成度が今から楽しみです(涙)

頑張ってくれ!監督さん(笑)


それでは、頑張って書きました。

怖くない話。

スタートします!

どうぞ~!



これは以前、友人が体験した話である。

その日、彼は1人で出かけたツーリングから帰宅する為に、富山県の山の中

をバイクで走っていた。

時刻は既に午後10時を回っており、対向車とも一台もすれ違わない。

初めて通る山道だったのだが、地図で確認する限り、その道を使えばかなりの

近道になる筈なのだが、夜になると外灯もまばらなその道は、1人で走るには

怖過ぎたという。

だから、彼は焦っており、スピードを出しすぎたのかもしれない。

気がついた時には、とき既に遅し。

そのままガードレールの方へと吸い寄せられるように近づいていった彼のバイクは

そのまま体勢を立て直す暇もなく、その場で転倒してしまう。

バイクとともに、滑りながらガードレールにもぶつかり、鈍い音とともに、

彼とバイクは停止した。

最初は背中を打ったのか、息が出来なかったというが、それも次第に収まった。

そして、彼が体を起こそうとすると、体に力が入らない。

いや、力が入らないというよりも、両足が全く反応しなかった。

折れてるのか?

彼は、そう確信するとともに、漆黒の闇の中に1人取り残されたような気がして、

とても怖くなった。

急いで、ライディング・ジャンバーのポケットをまさぐり、携帯を取り出し、

119番へ電話をする。

しかし、繋がらず、携帯の画面を見ると、圏外と表示されている。

なんで、此処が圏外なんだよ?

彼は、不思議に思ったが、現実は切迫していた。

何とかして助けを呼ばなければ・・・・。

そう思い、彼は必死になって考えていたのだが、先程から車すら通らないこんな

山道では、偶然、誰かが通りかかるというのもありえない話だった。

両足がジンジンと痛み出し、更に体を動かそうとすると、体の至る所がひどく痛んだ。

このまま、誰にも気付かれなかったら、俺はこの場所で死ぬ事になるのか・・・。

彼は更なる恐怖に襲われる。

その時である。

何やら、道路の向こうから誰かが近づいて来る気配がする。

彼は、こんな時間に、こんな場所を通る人間など居るのか?

しかも、こんな夜更けに明かりも持たずに?

と一度は声を押し殺し、恐怖を感じていたのだが、それでも、

とにかく、相手が誰であろうと、助けて貰わないと、死んでしまう、と思い直し、

突然、大声で

おーい、助けてください。怪我しています。おーい。

と助けを呼んだ。

しかし、その声が聞こえていると思われるのだが、向こうから近づいて来る

人影は、相変わらずゆっくりと彼に近づいて来る。

聞こえないのか?

それとも助ける気は無いということなのか?

それとも、やはり近づいて来るのは、人外のモノだというのか?

そう思うと、彼は大声で叫んだ事を後悔し、口を閉ざして、近づいて来る

恐怖に必死に耐えた。

そして、それが彼のすぐ目の前に来た時には、彼は絶句した。

それは、ゆっくりと近づいてきて、彼の横を通り過ぎようとした時、突然、彼

の方を向いたのだが、そこに居たのは、1人の女だった。

いや、女のようなもの、と言った方が正しいだろうか。

裸足のそれは、白っぽい布を纏い、そのルックスから何となく女だという事は

分かったのだが、その顔には口と鼻しか無かった。

鳩のような声を出しながら、それは彼の方を覗き込むようにしてから、突然

ニターっと笑うと、そのまま通り過ぎていった。

今のはなんだったんだ?

それにしても助かって良かった。

と安堵したのだが、勿論、根本的な問題が解決した訳ではなかった。

なんとかして助けを呼ばなければ・・・・。

彼は再び、必死になって考えた。

しかし、その状況では、良い打開策など見つかる筈も無かった。

その間も彼の体の痛みはどんどん酷くなっていく。

痛みで何度も意識を失いそうになりながらも、彼は必死に耐え続けた。

眠ってしまったら、もう助からないような気がしたから。

すると、突然、彼の耳に信じられない音が飛び込んでくる。

なんと、それは救急車のサイレンだった。

もしかして、遠くの音が、山に反響して聞こえてるのかもしれないと思ったが、

なんと、その音は確実に彼へと近づいて来る。

なんで?どうして?

彼は、もしかしたら、先程の人外のモノが・・・・・。

と思ったが、そんな事はどうでも良かった。

彼は、最後の力を振り絞って、近づいて来る救急車に向かって手を振った。

すると、ゆっくりと近づいてきた救急車は彼が倒れている目の前で停まった。

なんか、古いデザインの救急車だな・・・・。

彼はそう感じたというが、それよりも、助かったという安堵感から、彼は無意識に

涙を流してしまう。

時計を見ると、ちょうど午前1時になっていた。

そして、救急隊員らしき白い服を着た男二人が降りてきて、彼に近づいてきて、

手際よく彼を担架に乗せると、そのまま救急車の中へと運び入れる。

その男達が着ている服も、どこか古めかしく、更にその2人の男は、彼に

声をかけてくる事もなかったので、彼は少し不審に思ったらしいが、体の

痛みと安堵感から、彼はそのまま意識を失ってしまう。

そして、次に彼が気づいたのは、午前1時5分頃だった。

先程、時計を確認してから、5分しか経っていない。

そして、目覚めた彼は、何かとても嫌な予感を感じてしまう。

そもそも彼が意識を失ってから、たった5分で目覚めたのも、きっと彼の中の

危険信号が鳴り響いているからに違いない、と強く感じてしまう。

それくらい、酷く危険な感じがした。

救急車の中を見回すと、先程の男2人は、運転席側に座っているのか、その

姿は見えなかった。

そして、上半身を起こしながら、横を見た時、彼は思わず大きな声を出してしまいそうに

なった。

そこには、彼が寝ている担架を挟むように二つの担架が置かれており、そこには

明らかに死体としか見えない男女1人ずつが寝かされていた。

この車に、このまま居てはいけない・・・・。

彼はそう確信する。

そこで、彼は這うようにして、救急車の背後のドアに近づく。

折れているであろう足は、すでに感覚が麻痺しているのか、それほど痛みは

感じなかったという。

そして、背後のドアのノブを回すと、ドアが開けられることが確認出来た。

そっと、外の様子を確認すると、どうやら、救急車は、たいしたスピードでは

走っていないようだった。

これならいけるかも・・・・。

彼は、ゆっくりと体を這い出すようにドアから身を乗り出すと、そのまま地面へと

体を投げ出した。

体、特に足には激痛が走ったが、彼にはそんな事を気にしている時間は無かった。

早く此処から逃げなければ・・・・。

あいつらが、気付くまえに・・・・。

彼は、心の中で、このままあの救急車が走り去ってくれれば、と願っていた。

しかし、次の瞬間、その救急車はゆっくりと停止した。

そして、運転席、助手席のドアが開き、そこから何かが出てくる。

本当なら、そこから出てくるのは、先程の2人の男だった筈である。

しかし、その時、そこから出てきたのは、1人の女だった。

いや、間違いなく、彼が救急車に乗る前に出会った人外の女だった。

そして、その女は、あの時と同じように、ペタッペタッとゆっくりと歩いて

彼の方へと近づいてきた。

彼は必死になって、両腕だけで這うようにして逃げた。

それでも、執拗にその女は追ってくる。

彼も必死で逃げているから、その距離こそ、縮まってはいないように感じたが、

だからといって、いつまでも両腕だけで這い続けられるものではないのは、彼が

一番良く分かっていた。

両腕は擦り切れ、血が滲んだ。

それでも、止まれば捕まるという恐怖が彼に、いつも以上に力を出させていた。

しかし、さすがにそのペースも落ちてくる。

その女の足音はもう彼のすぐ後ろまで近づいていた。

彼は何か良い案はないものかと思案する。

しかし、やはり妙案など見つからない。

と、その時、突然、彼の足が掴まれる。

折れているその両足は酷い激痛を伴った。

だが、そんな事などお構い無しに、その女は彼の折れた足を掴んだまま、彼の体を

引き摺っていく。

そして、彼は痛みで意識が薄れていく中で、

もう助からないんだろうな・・・。

と死を覚悟した。

そして、翌朝、彼は、富山県の職員に起こされる事になる。

彼は、その時、富山県にある斎場(火葬場)の前に倒れていたらしく、朝、出勤してきた

職員に発見された。

その後、彼は病院へと収容され、彼のバイクも回収されたのだが、彼のバイクの場所

から、彼が発見された斎場までは、直線距離にして30キロほど離れていたというのだから

不思議だ。

そして、いつものように、Aさんに、その友人の話をしてみた。

すると、

それって、ちゃんとした救急車ですよ。

あっ、違った。霊柩車ですね。

私も一度だけ見た事があるんですけど、でもKさんの友達、よく無事でしたよね。

ある意味凄いことですから。助かるのって・・・・。

たぶん、諦めずに逃げたのがよかったんだと思います。

そうじゃなかったら、斎場でもう焼かれちゃってますね。

夜中に、斎場から煙が上がってる時があるんですけど、それも同じです。

要は、霊の救急車・・・じゃなくて霊柩車。

そういうのが、あるんですよね。実際に。

Kさんも、さっさと諦めないようにしないと(笑)

そう言われたので、

それじゃ、Aさんは、以前、その霊柩車を見た時はどうやって助かったの?

と聞くと、

あっ、見たというか、呼んだというか・・・・。

タクシー代わりに使おうと思ったんですけど、逃げられたんですよ(笑)

ほんと、ケチくさいですよね(笑)

と言ってのけた。

Aさんは、いったいどこまで霊の方達を舐めきっているのか、少し不安になったが、

いや、一番ケチなのはAさんでしょ?

とは口が裂けても言えなかった。



  


Posted by 細田塗料株式会社 at 16:57Comments(13)

2017年07月20日

誕生日の約束

サインディスプレイ部  営業のKです。

再び、皆様、こんばんは。

本当は明日の夜にアップしようと思っていたのですが、

無理みたいですので、今夜アップさせて頂きます。

ちょっと、南の楽園にでも旅に出ようかと思いまして・・・。

というのは大嘘で、少し雑用がありまして・・・・。

ですので、明日の夜は、アップ出来そうもありません。

土曜には、何とかアップ出来る様にしたいと思っておりますが、

出来なかったら、ごめんなさい。

それでは、今夜2話目の怖くない話、

どうぞ~!


これは知り合いから聞いた話である。

その男性は、仕事としては公務員をしていたのだが、休みになると、そそくさと

1人で山に出かけてしまうほど、登山が大好きだった。

彼には妻と小学3年の1人の息子がいた。

常に温厚な彼は、家族に対してもそれは同じだったようで、妻も息子も彼が

大好きだったのだが、息子にはひとつだけ不満があった。

それは、息子の誕生日に、彼が家に居た事が無いという事だった。

それは息子の誕生日がちょうど仕事のお盆休みに入ってしまっており、彼は彼で、

仕事のお盆休みの日には、必ず登山に出かけようと決めていたのだから、

無理も無い。

彼は確かに息子の誕生日を一緒に祝ってあげたいという気持ちも強かったが、やはり

登山の誘惑には勝てず、仲間からの誘いもあり、なかなか実現しなかった。

だが、ある年の夏は、ちょうど有給休暇がお盆の前後に取れそうだった。

だから、彼はお盆の少し前から有給休暇を利用して、山に登る事にした。

そして、その登山の日は、生憎の悪天候になってしまう。

そして、事故は発生する。

悪天候の中、一緒に登ったメンバーの先頭を歩いていた彼は、突然の強風に

煽られて、谷底へと滑落してしまう。

一瞬の出来事だったという。

そして、その場所から落ちるということは、数百メートルの高さから一直線に

落下する事になり、当然、助からない事はその場に居る誰もがすぐ理解した。

そして、警察に電話した後、すぐに彼の妻のところへ電話をかけた。

妻は電話で彼の事故の話を聞いた後、放心状態になり、その場で泣き崩れた。

そして、現場から電話をかけたメンバーも、そのまま静かに電話を切るしか

なかったという。

そして、泣きつくした後、妻は彼の事故の事はギリギリまで息子には話さずに

おこうと決める。

それほど息子は、初めて父親に祝ってもらえる自分の誕生日会を何よりも楽しみに

していたから。

それから、数日後、警察から連絡が入る。

それは、滑落した夫の遺体が、いまだに見つからないというものだった。

もしかしたら、生きているんじゃ?

との妻からの問いかけに、警察の担当者は、

いや、あの場所から落ちて、生きていられる確立はゼロです。

と言い難そうに答えた。

それでは、一体何処に彼の遺体はあるというのか?

妻も、困惑したままで、どんどん息子の誕生日は迫ってきた。

それでも、息子の待ち遠しそうな顔を見ていると、妻はなかなか事故の事を

息子に話す事が出来ないまま、ついに息子の誕生日を迎えてしまう。

今言わないと、息子にとって夫は“約束を破った父親”という記憶まで残ってしまう。

意を決した妻は、息子を呼んで、息子の目を見たまま、彼が山で滑落し、もう

戻ってはこないのだと話し出そうとしたその時、突然玄関のチャイムが鳴った。

あっ、お父さんだ!

そう言って、勢い良く玄関に走っていく息子。

しかし、次の瞬間には息子の落胆した声が聞こえてくるんだろうな、と思ったのだが、

聞こえてきたのは息子の歓喜の声だった。

やった~、やっぱりお父さんだった~!

それを聞いて、妻は何が起こっているのか、全く理解出来なかった。

すると、

ただいま~

と言いながら、夫が居間へと入ってきた。

その姿は、滑落したようなズタズタの姿ではなく、それこそ、出発の時と

何ら変わらない綺麗な服装だった。

妻は、おかえりなさい、という前に、つい

あの・・・あなた・・・大丈夫なの?落ちたって?

と聞いてしまう。

すると、夫は

俺、ここにちゃんと居るだろ?

そう言って笑った。

それからは、本当に絵に書いたような幸せな時間だったという。

妻の手料理、そして、夫が既に買って隠していたプレゼントを引っ張り出してきたのを

見て、ずっと満面の笑みを浮かべた息子。

しかし、その間も、ずっと夫が何一つ口にしないのを心配していた。

いや、心配していたというよりも、妻にはもう既に全てが理解出来ていたのかもしれない。

こんな時間が永遠に続けば良いのに!

と息子が言い、妻も、同じように感じた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、疲れた息子は、幸せな寝顔を浮かべてスースーと

寝息を立てていた。

そして、夫が、

ごめんな。今までありがとな!

というと、妻が

ううん。こちらこそ。今まで本当にご苦労様・・・そして、ありがとう!

と言った。

そして、それを聞いた夫は、ゆっくりとテーブルから立ち上がると、

もう良いかな?もう疲れてしまって・・・。

そう聞くと、妻の目からは大粒の涙がこぼれた。

そして、妻の頭を優しく撫でると、そのまま夫は少しはにかみながら、妻の手

を取って、握手した。

その手は、とても冷たくさして弱弱しかったという。

悪いけど、後は頼みます・・・・。

そして、深くお辞儀をして、夫は玄関から、まるで出勤でもするかのように、

出て行った。

それじゃ、もう行くよ。

それが最後の言葉だったという。

そして、その翌日、警察から彼の遺体が発見されたという連絡が入る。

岩に叩きつけられた体は、何故か絶命してもおかしくないほどに損傷して

いたが、検死の結果、信じられない事だが、彼が前日の夜までは生きており、

それまでの間を、ノートにしたためていた事が分かった。

そこには、彼が家族に当てた言葉だけが書かれていた。

どうやら、もう長くないようだ。

      ↓

痛みの感覚も無くなってしまった。

      ↓
いや、むすこのたんじょうかいに出るまでは死ねない。いや、絶対に死なない。

      ↓
いよいよきょうのよるだ。なんとか持ってくれ。

      ↓
むすことつまのよろこんだかおがみられた。もうおもいのこすことはない・・・・。

      ↓
もういくよ。ごめん・・・・・。

そこで手帳に書かれた文字は終わっていた。

妻が夫の遺体を引き取りに行った時、その死に顔はとても幸せそうに見えたという。

父親の死を知り、最初は抜け殻のようになっていた息子も、父親の事を思い出し、よく

考え続けたのか、数日後のある日、

あんな凄いお父さんの子供に生まれて本当に幸せだよ。

今度は僕がお父さんの分まで、お母さんを幸せにしないといけないんだ。

だから、僕も頑張るから、お母さんも頑張ろ?

と言ってきて、妻はまた涙が止まらなくなったという。

息子は

大きくなったら、お父さんみたいに山に登るんだ、

と今から張り切っているのだという。

この親子に幸せが続く様に願わずにはいられない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:05Comments(27)

2017年07月20日

その人気の軽四が激安な訳は・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様です。

続々と新規の方のコメントも頂いて、小躍りして

喜びを表現したい位です。

そして、いつもコメントを頂いている常連の皆様も

本当にいつもありがとうございます。

ご丁寧な長文でコメントしてくださる方も多いのですが、

当然、全て熟読させて頂いております。

凄く参考になったり、納得させられたりと、とても

力にさせて頂いております。

今後とも、宜しくお願い致します。

それでは、今夜も怖くない話、スタートです。

ちなみに、話に出てくる車はパレットではなく、

N-BOXです(笑)

ご安心ください。

それでは、どうぞ~!


友人の彼女が免許を取った。

そこで、彼と彼女は一緒に中古車を探す事にした。

だが、彼女が欲しい車は一番人気の軽四だったから、見つけた車のどれもが

予算をかなりオーバーしてしまう。

やっぱり不人気車でもしょうがないか、と思っていた矢先、彼が仕事中に

とんでもない大当たりの車を見つける。

走行も少なく、フル装備、それでいて、価格は相場の半分以下というものだった。

さすがに何かやばい車なのかと思い、その中古車屋に聞いたのだが、事故車でもなく

修復歴も無いとの事だった。

そこで彼女を連れて、その中古車屋に行き、その車を見せると、とても気に入った

らしく、その場で即、契約してしまった。

それから車が届くまでの間、とても待ち遠しかった。

ところが、納車まで2週間くらい掛かるといわれていたのが、契約してから、

1週間も経たないうちに、彼女の元へ納車される。

薄いピンクの軽四は、彼女の理想どおりの車であり、新車にしか見えない綺麗さと

相まって、彼女の宝物になる。

とても喜んでいる姿が、彼にはとても嬉しかったのだという。

しかし、それから数日後、彼女は浮かない顔で彼にこう話した。

あの車、申し分ないんだけど、でも何かおかしいの・・・。

毎朝、起きて、仕事に行こうと思って車に乗ると、運転席側の窓に必ず手形が

ついてるんだ・・・。

最初は気付かなかったんだけど・・・。

でも、その手形が日増しに増えていってるみたいな気がして・・・・。

そう言われて、彼女の車を見に行くと、彼女の言うとおり、手形が付いていた。

それも、彼女が言っていたように運転席の窓だけでなく、後ろの窓や助手席の窓にも

手形が付いている。

そして、手形を拭き取ろうとして、彼は驚いた。

なんと、その手形は全て車の内側から付けられていたのだ。

彼は彼女を呼んで、

あのさ、車の手形、どうやら内側から付けられているみたいなんだけど、何か

心当たり無い?

例えば、誰かを乗せたとか、洗車の時にドアを開けたまま窓を拭いていて、うっかり

手形をつけてしまったとか?

すると、彼女は誰も乗せていないし、洗車もしていないという。

そこで、彼は、真剣な顔で彼女にこう言った。

あのな。手形が車の外から付けられてるんなら、まあ、誰かのいたずらかな?で

済むのかもしれないけど、この車の場合、明らかに車内から付けられてる。

これって、どういう意味か、分かる?

普通ではあり得ないって意味。

だから、しばらくお前の車と俺の車を交換して乗ることにしよう。

その間に何とか解決策を模索してみるからさ。

すると、彼女さんは、もう涙目になりながら、首を縦に振った。

そして、それからは彼がしばらくその車を乗る事になった。

彼も彼女と同じく車で通勤していたので、それから毎日、その車に乗っていた

のだが、やはり、どうもおかしい。

車でCDを聴いていても、ラジオを聴いていても、窓を開けて走っていても、

何処からか、人の声が混じって聞こえてくるのだ。

その声は、普通の会話に聞こえる事もあったし、苦しそうな声に聞こえる事もあったが、

どの場合でも、一人の声ではなく、複数の声が混じって聞こえた。

そして、やはり彼が帰宅して、翌日、車に乗るまでの間や、出社してから退社する

までの間に、必ず内側から手形が付けられていた。

その手形は、少しベタベタした手形で、手のひらの形のものもあれば、爪を立てた

ような手形も存在した。

(やはり監視カメラでも付けるしかないのかな?)

彼がそう思っていたとき、彼の会社で霊感が有ると言われている同僚から、

こんな事を言われた。

あの・・・○○さんの車なんですけど・・・・。

話して良いものか、迷ったんですけど・・・。

ずっと気になってた、というか、最近、私の所にまで霊障があって、頭痛が酷くて。

だから、はっきりと言いますけど、あの車、ヤバイですよ。

最初、見た時にも、車内から外を覗く苦しそうな顔の男女4人が見えたんですけど・・・。

それが、最近では、どんどん増えてきてて・・・。

車の周りにも、色んな悪霊がうろついてます・・・。

悪い事は言わないので、今すぐ車、乗り換えた方が良いですよ!

こんな感じだった。

確かに、そういわれると、それまでの怪異の説明がつく。

ただ、もしも、そうだとしても彼女が車を乗り換えるのに同意するかな?

等と、考えながら、それからしばらくも、その車に乗っていると、手形はどんどん

増えていき、車内だけてなく、車外からも、フロントガラスなどにベッタリと

手形が付けられるようになってしまう。

そして、ある日、帰宅途中に彼が車を運転している時、明らかに苦しそうなうめき声

が聞こえたので、バックミラーで確認すると、そこには、苦しそうな紫色の顔を

した若い男女4人が身を乗り出すようにして、彼の背中や腕をつかんできた。

彼はとっさに急ブレーキをかけた。

そして、確認すると、もうそこには、彼らの姿は無かった。

ただ、それからというもの、車を駐車していると、車内から窓やドアをドンドンと

叩く音が聞こえるようになる。

更に、夜中に、誰かが彼のアパートのドアをドンドンと叩く音が聞こえる様に

なってしまう。

そして、それは、朝方まで続くのだという。

さすがの彼も、もう眠るどころではなくなり、ストレスで激やせしてしまう。

それだけなら、何とか彼も我慢したのかもしれないが、決定打となったのが、

彼女にまで霊障が起こる様になってしまった事だった。

それらは、毎晩、彼女が寝ているベッドを取り囲み、顔を覗き込むようにしながら、

苦しい、苦しい・・・・一緒にいこう・・・・。

と彼女に訴えかけてくるのだという。

そして、彼は俺の所に相談にやってきた。

とにかく助けて欲しい・・・と。

そこで、俺はいつものようにAさんにお願いした。

そして、当日、待ち合わせ、車を見るなり、爆笑し出すAさん。

ごめんなさい。ごめんなさい。

と言いつつ、笑いが止まらないらしい。

そして、言った。

私も色んな車見てきましたけど、1台の車に、こんなに沢山の霊が集まってるのって

初めて見ました。

この軽四って人気あるんでしたよね?

やっぱり霊も人気車が好きなのかも?(笑)

と言って、また笑い出す。

でも、周りに集まってきているのは、単なる野次馬的なものだから、問題ないです。

中に居る霊が呼び寄せてしまってるだけなので・・・。

問題は、中に居る奴らですよね・・・・。

そう言って、車の方へと近づいていく。

そして、ドアを開けて色々と何かを探している。

その間、

うるさい!

馬鹿はあんた達でしょうが!

と暴言を吐いている。

そして、戻ってきたAさんに、

なんで車と喧嘩してるの?

と聞くと、

いやね。煩いんですよ。

中に居る連中が・・・。

20代らしき男2人と女2人。

どうせ、自殺サイトで知り合った連中なんでしょうけどね。

霊気がなってません。本当に!

というので、俺は

ということは、やはり車内で自殺した車なの?

と聞くと、

はい。そうですね。

でも、当然、中古車屋さんも知ってるみたいですよ。

シートの下とか、見え難い場所に、色々と御札を貼ってありますから。

でも、ただどんな御札でも貼れば良いって訳じゃないですからね。

と呆れていた。

そして、

どうします。4人の中に1人だけ厄介なのがいますけど・・・・。

まあ、祓えない事はないですけど・・。

でも、さすがに自殺の行われた車にそのまま乗りたくないでしょ?

と言われ、彼の方を見ると、

勿論、乗りたくないです。

と返してきた。

その後、中古車屋に行き、嫌味たっぷりに、文句を言ってやったそうなのだが、

その中古車屋も、少しも悪びれず、

いや~、分かっちゃいましたか?

でもね。

不動産と違って、中古車に曰くつき車の告知義務って存在しないんですよね(笑)

と平然と言われたそうである。

今後、中古車を買われる時には、お気をつけください。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:06Comments(21)

2017年07月19日

望遠鏡から見えたモノ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、こんばんは。

お誕生日の方もいらっしゃるようで、

おめでとうございます!

暑いのに、東京ではヒョウが降ったりしてるみたいで、

なんか良く分からない天候ですが、

お互いに熱中症には気をつけて、ユルユルと

頑張りましょう!


それでは、今日で何日連続かも忘れましたが、

とりあえず、1話アップさせて頂きます。

どうぞ~!



これは友人が体験した話である。

趣味というのは人それぞれ色々なものがあると思うのだが、彼の趣味というのが、

とにかく変わっている。

彼の趣味は望遠鏡。

いわゆる天体望遠鏡なのだが、それを使って星や夜空を見る事はしないのだという。

では、何をするのか・・・・。

夜の街の景色を見るのである。

誤解されると困るのだが、決して覗きをしているわけではない。

仕事から帰宅して、食事を済ませると、彼はいつも2階の廊下から上がれる

様になっている屋根裏部屋へ行き、そこで、1人で街の風景を眺めるのが

とにかく楽しいのだという。

それは建築中の建物だったり、車の渋滞の列だったりと様々なのだが、

屋根裏部屋の暗い部屋の中から、望遠鏡で覗く世界は、彼のストレス解消に

なっていた。

そして、ある日、いつもの様に屋根裏部屋で何か目新しいものは無いか、と

探していると、建築中のマンションが目に留まった。

とても大きなマンションであり、もう完成間近という感じだった。

その時の時刻は既に午後11時を回っていたから、当然誰もいる筈が無い。

あんな素敵な所に住めたらきっと気持ち良いだろうな~

と考えながら、彼は望遠鏡の倍率を上げて、マンションの隅々まで見て回る。

エントランスもお洒落で高級感があるし、マンションの敷地内には小さな庭園まで

備わっている。

十数階ある巨大なマンションは上層階に行くに従って、造りが豪華に見えた。

たぶん、最上階の部屋になると、1億円以上するのかもしれないな?

等と考えながら、屋上へと視界を移動した瞬間、彼は思わず、えっ?と声を出した。

そこには人が立っているように見えたから・・・。

そこで、彼はもう一度、屋上に視点を合わせると、確かに、屋上のフェンスの所に

女性が1人立っている。

上半身しか見えなかったが、確かにそれは20代くらいの若い女性に見えた。

なんで人がいるんだ?

まだ見学会もやっていないだろうし、何よりこんな時刻に真っ暗闇の中で・・・。

そして、彼が考えたのは、こんな感じだった。

きっと、どこかの若者のグループが完成間近のマンションに忍び込んで、心霊スポット

よろしく、探検でもしてるに違いない、と。

それにしても、あんな事をして、見つかったらただでは済まないだろうに・・・。

と心配になり、回りを見るが、その女性以外に人の姿は見えなかった。

まさか、1人で来てるわけじゃないだろうしな・・・・

そう思って、再びその女性に視点を合わせると、なんと、嬉しそうにこちらに

向かって手を振っている。

まさか・・・・。

そう思ったが、どう見ても望遠鏡で覗いている彼に向かって手を振っているとしか

考えられなかった。

しかし、そもそも、こちらは望遠鏡を使っているから見えているが、これだけの

距離があるのだから、当然あの場所から、彼の姿が確認出来る筈は無かった。

彼は、何か気持ち悪くなって、その夜は、望遠鏡をしまい、早々に寝てしまった。

しかし、やはり翌日の仕事中も、昨夜の女はなんだったのか?と気になって

仕方ない。

そこで、仕事を早めに切り上げて、早々に退社すると、昨夜見ていた完成間近の

マンションへと足を運んだ。

現地には、大きなポスターや看板が設置されており、そこには、数日後から

予約を開始する、と告知してあった。

作業に来ている業者もまばらな状態で、もう殆ど完成しているという事が

すぐに分かった。

そして、念のために、昨夜とは逆のパターンで、マンションから彼の住まいが

ある方向に向かって、目を凝らしてみる。

すると、やはり目視では到底、確認出来る距離ではない事がよく分かった。

だとすると、昨夜の女は、やはり誰か近くにいる友達に手を振っていたのだろう、と

しか考えなれなかった。

そう考えると、昨夜感じた気味の悪さはどこかに消えてしまった。

そして、そのまま帰宅し、食事を済ませると、いつもの様に屋根裏部屋へ。

その夜は、あのマンションを見る気は無かったのだが、何となく気になってしまう。

それに、マンション探検に二日続けて来るはずもないのは分かっていた。

それでも、何故か、彼は好奇心に負けて、あのマンションを見てしまう。

最初に、マンションの屋上を確認した。

其処には、昨夜の女性の姿はなく、彼は妙にホッとしてしまう。

そこから、マンションの色んな場所を確認するが、やはりあの女性は

いなかった。

そして、最後に、彼が夕方、現地に行き、マンションを眺め、こちらの家の方角を

確認する為に立っていた場所を見た時、彼は、思わず息を呑んだ。

そこには、紛れもなく、昨夜の女が立っていた。

時刻は昨夜と同じ、午後11時頃。

そんな時刻に、外灯の明かりにぼんやりと浮かんだその女は、満面の笑みをたたえ、

こちらに向かって手を振っている。

現地に行き、あの場所から、こちらは絶対に見えないのは確認していたが、

やはり、それでも気味が悪かった。

だから、彼は、その女から自分の姿が見えてない事を確認するという意味で、

思いっきり手を振ってみる事にした。

すると、一瞬動きが止まった後、その女が更に大きく手を振り始める。

やはり見えているのか?

しかし、それはあり得ない事・・・・。

そう思うと、彼はさすがに怖くなってしまい、その女の視界から隠れるようにして、

そのままその日の趣味の時間を終わらせた。

そして、それから彼はしばらくの間、何か得体の知れない怖さから、望遠鏡を

覗かない日が続いた。

そして、その女の記憶も薄れてきた頃、再び、屋根裏部屋に上り、望遠鏡を

覗いた。

決して、例のマンションは見ないようにした。

しかし、偶然にも、道路の工事現場の様子を見ていた時、それは映りこんでしまう。

あの女だった。

あの女がいつものように、笑いながら手を振っていた。

彼は慌てて望遠鏡から目を離し、呆然としてしまう。

そして、そのまま望遠鏡を片付けると、そのまま寝てしまう。

何故か、一人で寝るのが怖く感じ、その晩は、家族と一緒に寝た。

そして、彼はまたしても望遠鏡を覗かないようになってしまう。

しかし、やはり、無趣味な彼は、それから1週間くらいして、怖さが薄れてくると、

再び、望遠鏡を覗いてしまう。

そして、出来るだけ当たり障りのないモノを見ようと、色々と視点を変えていると、

またしても、偶然、彼は見てしまった。

それは、何気に家からそう遠くない公園を見ていた時だった。

ぼんやりとした公園の明かりの下で、その女が、笑いながら手を振っていた。

彼は、とっさに目を離した。

しかし、その時、ある事に気付いて、再び、望遠鏡を覗いた。

彼の不安は的中してしまう。

最初に、その女を見たマンションから、その日の夜、その女が立っている公園までは

かなり離れている。

そして、それは同時に、直線的に、どんどん彼の家に近づいて来ている事を表していた。

彼の家までは、もう200メートルくらいしかなかった。

彼は、さすがに恐ろしくなったが、何か手立てはないかと思い、再びその女が立っている

公園へと視点を合わせた。

すると、やはり、その女は公園の明かりの下に立っていて、口に手を当てて、

何やら喋っているように見えた。

彼は望遠鏡の倍率を上げて、何を言っているのか、確認してしまう。

当然、声は聞こえなかったが、その女の口の形から、何を話しているのか、

分かるのではないか、と考えたから・・・・。

そして、その女の口の動きと形を何度も見直していると、どうやらひとつの

言葉にたどり着く。

それは、

う・・・し・・・・ろ

という言葉だった。

え?う・し・ろ・・・ってどういう意味だ?

そう考えながら彼は何気に後ろを振り返った。

彼は、思わず、小さく悲鳴を上げてしまう。

そこには、見知らぬ女が、彼を覗き込むようにして立っていた。

その首は長く伸びきっており、抜け落ちた長い髪が、ただてさえ痩せ細った顔を

恐ろしい顔に変えていた。

そして、その女は、ニコニコと笑いながら、突然彼の首を絞めてきた。

彼は、そのまま意識を失った。

次に彼が目を覚ますと、もう夜明け近かったという。

彼は急いで、屋根裏部屋から出ると、リビングに移動し、そのまま震えて

朝が来るのを待った。

そして、その日の午前に俺に相談の電話がかかってきた。

そして、Aさんに連絡すると、いますぐに行くから場所を教えろと、言う。

彼の自宅の住所を教えると、Aさんは、

今から向かいますから、Kさんもすぐに来てくださいね

とだけ言い、電話を切った。

それから、彼の家でAさんと落ち合い、そのまま彼の屋根裏部屋へ向かった。

彼は事情を話した後、心配そうな顔で

やはり、マンションに憑いてた霊、しかも自殺霊とか・・・ですかね?

と聞くが、Aさんは、

今日は時間が無いうえに、仕事で嫌なことがありまして・・・・。

と訳の分からない返事をしていた。

そして、望遠鏡を覗いたり、マンションの方を見たりしていたが、突然、こちらに

向き直り、こう言った。

あの・・・この望遠鏡って、新品で買いましたか?

すると、彼は

望遠鏡って、かなり高価なものですから、オークションで中古を探して

買ったんですが・・・。

と答えた。

すると、Aさんは、

なるほどね。わかりましたよ。

あのですね。

貴方が見た霊っていうのは、別にマンションに憑いてた霊ではないんです。

間違いなく、この望遠鏡に憑いてる霊です。

しかも、首が長く伸びたって言ってましたよね?その霊?

だとしたら、前のオーナーが何かの偶然で、自殺死体を見つけてしまって、

それをこの望遠鏡で見たしまったんだと思いますよ。

だって、この望遠鏡から強い霊気を感じますから・・・・。

だから、貴方が見ていたのは、あくまでその霊が見せていた幻ですね。

本当は、貴方がこの場所から望遠鏡を覗いていた時、ずっと貴方のすぐ背後から、

ずっと貴方を見ていたって事になりますね。

たぶん、その霊に遊ばれてたんだと思います。

でも、このままじゃ、いずれ・・・・・まあ、危険ですね。

そう言った。

すると、彼が、

いずれ・・・・って、いずれ、どうなるんですか?

と聞くので、Aさんは、すました顔で、

まあ、いずれ・・・・死にますね。というか、とり殺されますね。

と言い放つ。

もう彼は、必死になって、

なんとかなりませんか?死ぬのは嫌です!

とAさんに泣きついた。

すると、Aさんは、

大丈夫ですよ。助かります。

だから、さっき言ったじゃないですか・・・。

今日は時間も無いし、嫌な事もあったって・・・・。

俺と彼は、何を言っているのか、まだ理解できなかったのだが、次のAさんの

言葉で、すぐにその意味が理解出来た。

命と望遠鏡だったら、やはり命を選びますよね?

この望遠鏡って、高価なんですよね?

そして、彼が、命が助かるのなら、全てお任せします・・・と言ったのを確認すると、

Aさんは、

これ使わせてもらいますね(笑)

と楽しそうに言うと、近くにあったDIY用の小型のハンマーを手に取ると、

思いっきり、望遠鏡へと振り落とす。

そこからは、Aさんは、本当に楽しそうに、ハンマーを振り回し、数分後には、

高価な望遠鏡は、ただのゴミへと変わっていた。

あ~、スッキリした。

でも、さすがに疲れますね。こんなの壊すのって・・・。

と言いながら満足そうに笑っていた。

そして、

本当は、この望遠鏡にとり憑いた霊に対して、壊すだけじゃ駄目なので、真似は

しないでくださいね。

私もただやみくもに壊してるだけではありませんので・・・・。

ちゃんと、気を送りながら、壊してるわけですから・・・。

私も本当は嫌なんですよ。壊すのって・・・。

でも、こういうのが、また有ったら、いつでも呼んで下さい。

そう言っていた。

本当は壊すのが嫌だと言っていたような気がするが、Aさんの満足した嬉しそうな

顔を見ていると、あれは絶対にストレス解消の一環として、喜んでやっている、と

確信した俺だった。

ちなみに、それ以後は、彼の周りで怪異は発生していない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:54Comments(15)

2017年07月18日

新生児室を覗く女

サインディスプレイ部  営業のKです。

今日は気温はそれほどでもなかったんですが、

とにかく蒸し暑い1日でした。

昨夜のライブはお陰様で盛り上がりました(笑)

そして、打ち上げも盛り上がってしまって・・・。

私も今日は少しだけ二日酔い気味・・・。

しかし、人一倍飲んで、最後に居酒屋メニューの

スイーツを食べまくってたAさん。

きっと、今日は辛い1日になったことでしょう!

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!


これは知り合いの看護師から聞いた話。

彼女はとある総合病院の産婦人科で働いていた。

仕事の内容はとても大変なのだが、やはり生まれたての赤ちゃんの顔を

見ていると、それだけで幸せな気持ちになれるのだという。

当然、赤ちゃんと出産間近のお母さんのお世話をする事になるので、夜勤は当たり前

であり、看護師の数が足りない時には、二日連続で働き続けるという事も、ざらに

あるのだという。

そして、ある時、彼女の勤務する産婦人科に変な噂が流れ出す。

毎夜、深夜になると、新生児室のガラスの前に、女性が立ち、生まれたばかりの

赤ちゃんを覗き込んでいるというものだった。

それは、看護師達だけではなく、深夜に授乳に訪れた母親達の中にも沢山の

目撃者がいた。

そして、それを目撃した者が口を揃えて言うのは・・・・。

薄汚れたパジャマを着た女性であり、髪は長くボサボサの状態。

そして、爪は伸び、痩せ細ったその姿は、一目見ただけで、人間ではない、と

思った、というものだった。

幸か不幸か、その女の姿をまだ見た事がなかった彼女は、

それって、妊婦さんの所に泊まりに来てた家族の方か、もしくは妊婦さん自身が

自分の赤ちゃんを見に来ているだけなのでは?

と思っていたが、やはり、そのような人が泊まりに来ていた記録は無いうえに、

妊婦さんの中にも、その様な風貌の者は居ないのだと否定されてしまう。

そんなある日、彼女はいつものように、夜勤としてナースセンターに入っていた。

その日の夜勤は彼女を含めて4人だったらしいのだが、急なツワリでも起きない限りは

平和そのものであり、4人の看護師がそれぞれに分担された仕事を黙々とこなしていた。

そして、彼女が新生児室の定期見回りに向かう。

新生児室に入ると、いつものように異常がないか、と確認する。

そして、特に異常が無いと判断した彼女は、ふと視線をガラスに向けた。

思わず息を呑んだ。

そこには、どう見ても年齢が50歳近くに見える女性が、薄汚れた白いパジャマを着て

ガラスに張り付くようにして、赤ちゃんを覗き込んでいる。

(あっ、皆が言ってたのは、この女性の事か・・・・)

彼女はそう思った。

しかし、彼女には、それが他の目撃者が言うように、人間には見えない、とは全く

思わなかった。

確かに衣服は薄汚れていたが、赤ちゃんを見つめる目がとても優しかったから。

(きっと、見舞いに来たご家族の方に違いない・・・)

そう思った彼女は、あろうことか、新生児室から廊下へ出て、その女性に話しかける。

どうかしましたか?

すると、その女性の姿は既に見えなくなっていた。

あれ?おかしいな?

と思い、彼女は廊下へと続くドアを閉めた。

そして、再び、新生児室へ視線を戻すと、そこには先程廊下から覗いていた女性が

身を屈めるようにして、赤ちゃんを覗き込んでいた。

そして、その女性からは、

この子じやない・・・・。

この子でもない・・・・。

という低い声が聞こえてきた。

ちょっと、何してるんですか?

そう言おうとして、彼女は異変に気付いた。

声が出ないのだ。

声だけではない。体も全く動かせなかった。

そして、目だけがその女の一挙手一投足を追いかけていた。

すると、

こ・・・の・・・こ・・に・・し・・よ・・う・・・・。

という声が聞こえ、その女が1人の赤ちゃんを両手で抱きかかえる。

彼女はなんとかしなければ・・・と思い、必死になって体に力を入れるが、

ビクともしなかった。

そして、その女は、彼女の前まで来ると、

あけてしまったね~

と嫌な笑いを浮かべて、軽く彼女にお辞儀をしたのだという。

そして、その時、突然、

キャー!

という悲鳴が聞こえた。

自分の赤ちゃんに授乳に来た母親の悲鳴だった。

その母親は、みすぼらしい格好の見知らぬ女が、赤ちゃんを抱いたまま部屋を

出て行こうとするのを見て、恐怖のあまり悲鳴をあげたのだった。

そして、その悲鳴で赤ちゃんは全て泣き出してしまい、悲鳴と鳴き声を聞いた

看護師や母親達が、こぞって新生児室へとなだれ込んできた。

更に、その悲鳴のお陰で、彼女は金縛りから解放される。

新生児室は、看護師達と母親達、そして廊下へ続くドアの方を向いたままの、その女

の背中が、じっと止まったまま睨みあう時間が続いた。

すると、突然、その女は、地の底から響き渡るような低い声で

ウオ~ウオ~

と叫び出した。

その声は、耳を塞がなければ、鼓膜が破れてしまいそうなほど耳の中に

響いてきた。

だから、其処にいた全員が両手で耳を塞いだ。

中には自分の赤ちゃんを護る為に、耳を塞がずに、赤ちゃんに覆い被さるようにして

護ろうとする母親もいたのだが、どちらにしても、ほんの一瞬、その女から目を離してしまう。

そして、再び目を開けると、その女は既に新生児室には居なくなっていた。

1人の赤ちゃんを抱えたままで・・・・。

それからは、大変だったらしい。

赤ちゃんを連れ去られた母親は半狂乱になり、他の母親達も、新生児室に詰め掛けて、

夜を徹してわが子の側に陣取った。

そして、他の部署も含めて、夜勤の医師や看護師が総動員され、その女と赤ちゃんを

探し回った。

しかし、何処を探しても病院内には、その姿を見つける事は出来なかった。

そこで、やむを得ず警察に電話した。

そして、かなりの数の警官が病院へやって来て、色々と調べられ、探し回った。

そして、それは病院の外へも及んだという。

それでも、やはり赤ちゃんは見つからず、そのまま朝になってしまう。

すると、とあるお寺から電話がかかってきた。

朝、お墓を回っていると、泣き声がするので、声を辿っていった。

すると、ある墓の前に、白い布にくるまれた赤ん坊が泣き喚いていたのを発見し

警察に電話してきたということだった。

急いで、その赤ちゃんを保護し、病院へと連れて来ると、紛れもなくあの女に

連れ去られた赤ちゃんだったという。

母親は、もう戻らぬと思っていたわが子が戻ってきた事で、歓喜したが、何故か、

その赤ちゃんの指には、細く赤い糸が結ばれていた事が、気掛かりで仕方なかった。

その糸を外しても、赤ちゃんの指には、くっきりと赤い糸の跡が残ってしまっていたから。

そこで、母親は、お寺に行き、事情を話すと、赤ちゃんが見つかったというお墓の前まで

母親を連れて行き、その墓で供養されている女の悲しい人生を教えてくれたという。

嫁いだ先で、子供に恵まれず、義理の家族や親戚からも疎まれ、最後には夫からも

愛想を尽かされたまま、失意の中で自ら命を絶った女性なのだと知った。

しかし、だからといって許される事ではない、と判断した住職は、それから3日夜通しで

その女の霊を鎮めるように行を行ったという。

すると、その赤ちゃんの指に付けられた糸の後も、すっかり消えてしまった。

そして、それからは、もうその女は現れていないという。

しかし、善意からとはいえ、その女が新生児室に入れるようにドアを開けてしまった

彼女は、周りからの慰めも届かず、ずっと罪の意識にさいなまれ続けた。

そして、悩んだ末に、彼女はその病院を辞めてしまう。

今は普通の会社で事務員をしている彼女は、それでも、あの時の事は今でも

忘れられない、と口をつぐんだ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:43Comments(18)

2017年07月17日

予知夢

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、暑いですね。(アイスが食べたい)

気が付けば、今日で13日連続アップです。

偉いぞ!自分!

ところで、コメントや知り合いから、よく言われるのが、

なんか、そっくりな話が他のサイトに出てたよ?

というものですが、私は基本的に怖がりなので、

他の方の怖い話は読まないことにしています。

以前、そういうのを読んで、霊障が起こるように

なりましたので・・・・。

それに、他の人の話を読んでしまうと気付かぬうちに

内容がその話に影響されるかもしれないと

思うからです。

あっ、でも唯一、福岡県在住のアマチュア作家で

いらっしゃる”嗣人”さんの作品である、

”夜行堂奇譚”というのは大好きで何度も何度も

読み返しております。

すごく独特で惹き込まれます。

理想とする文章です(私には無理ですが)

あっ、それと、実は9月29日に出版する文庫本とは別に、

知らない出版社さんから、「全国のオバケ屋敷に関する

怖い話を集めてるんですが、掲載しても良いですか?」

という電話を貰いましたので、地名や私の名前を明記しないのなら、

どうぞ!と返答してあります。

そろそろ出版かもしれませんので、もしかしたら、似たような

話が載っているかもしれませんが・・・・・。

今日も休みのうちの娘は、あいかわらず、リビングでフローリング

の上を、冷たい部分を求めて、果てしない移動を続けております。

今日はライブもラストですので、頑張って出演料をかせ・・・・

ではなくて、頑張って盛り上げるぞ~!

それでは、怖くない話、スタートします。

どうぞ~!



人間が持っているといわれる能力のひとつに予知というものがある。

実際、動物達には、そんな予知能力が普通に備わっているのかは

分からないが、それでも巨大地震の前などに魚が消えたり、鳥が

消えたり、という話をよく耳にする。

そして、人間がその予知というものを感じるのは夢の中が多いのかもしれない。

いわゆる予知夢というものだ。

その予知夢というものに助けられるのではなく、悩まされた女性がいる。

彼女は俺の趣味関係の友人であり、バツイチで子供無しという感じ。

そのさっぱりとした性格のせいか、趣味関係の中でも、友達は多かった。

そんな彼女がある日を境にして毎晩のように夢を見るようになる。

いわゆる悪夢というやつかもしれない。

それまで彼女はあまり夢というものを見る事はなかったそうなのだが・・・。

最初に見た夢は、彼女が車を運転中に交通事故に遭う夢だった。

そして、その同じ夢を毎晩見るようになってしまう。

そして、夢を見始めてから7日目の昼間、彼女は仕事中に車を運転していて、

突然飛び出してきた自転車を避け、電柱にぶつかってしまう。

単独の自損事故だった。

とはいえ、彼女はその事故で車を廃車にし、腕を強打してしまい、しばらく

病院に通うことになった。

しかし、彼女には、とても気になる部分があった。

それは、その事故が、まさに彼女が毎夜、夢で見ていた事故と全く同じだったから。

事故を起こした場所、そして、自転車が飛び出してきた場所も同じ。

そして、なにより、その事故で車を廃車にし、腕を怪我してしまう事も同じだった。

そして、彼女は事故を起こした日の夜、今度は別の夢を見た。

彼女が仕事中に不注意から階段を踏み外し階下の床まで転落し、左腕の骨を骨折して

しまうという夢だった。

そして、前回の夢と同じように毎晩同じ夢を見続ける事になる。

そして、再び7日目の昼間、彼女は特に注意を払っていたのにも拘わらず、仕事中に

階段から落ちて左腕を骨折してしまう。

そうすると、その日からはまた別の夢を見る事になる。

そして、その夢は、父親が亡くなる夢だったり、自宅が泥棒に入られる夢だったりと

多様な夢だったが、そのどれもが7日目にはその夢の通りになってしまう。

彼女が細心の注意を払ったにも拘わらず・・・・。

そんな事が続き、彼女が疲弊してしまっていたある日、彼女木また新しい夢を見た。

それは明らかにそれまでの夢とは違っていた。

彼女が想像した事も無い様な異形のモノに追いかけられ、なんとか自分の部屋に

逃げ込む。

しかし、最後には捕まり、そのまま

真っ暗な世界に連れて行かれるというものだった。

あまりにも、怖い夢ではあったが、さすがにそんな異形のモノなど存在する

訳が無いと思った彼女は、今回きさすがに現実に起こる事は無いだろう、と

高をくくった。

しかし、それから毎晩同じ夢を見た。

そして、日常生活の中でも、常に誰かから監視されているような気配を

感じ始めた。

もしかしたら、あの夢も現実に?

そう考える怖くて仕方なかった。

そこで、彼女は俺に相談してきた。

そして、彼女をAさんに会わせてみた。

すると、Aさんは

夢なんて所詮は夢でしかありませんから(笑)

気にし過ぎだと思いますよ(笑)

とまるで取り合ってくれなかった。

彼女と別れた帰り道、俺はAさんに尋ねてみた。

本当に気のせいなの?と。

すると、

あいかわらず単純極まりない脳細胞ですよね。

過去の体験から学ぶという、学習能力が無いんですよね?

まあ、年寄りだからしょうがないか(笑)

すると、ここから口調が変わった。

何も感じませんでしたか?

彼女、悪霊に魅入られています。

ずっと彼女を監視していますね。

だから彼女の言ってる通りです。

とても危険・・・・。

放っておいたら、たぶん連れて行かれます。

でも、今はこちらも動けないので・・・・。

凄く用心深くずる賢い悪霊みたいなので・・・。

だから、わざと分からないフリをしました。

でも、ちゃんと助けますよ!

確か、彼女の夢では最後に彼女が逃げ込むのは、彼女のアパートの部屋

でしたよね?

だったら、私はその部屋で待ってれば良いだけですよね。

だからKさんは、ちょうど7日目の日、彼女がその悪霊に追いかけられたら、

そのまま夢の通りに、自分のアパートの部屋に逃げ込んでくれ、と

伝えてくれれば良いです。

あっ、スペアキーを借りるのも忘れないでくださいね。

Kさんには貸さないかもしれないですけど、私が使うといえば、きっと貸して

くれると思いますから。

そう言われた。

あいかわらず、口が悪いな~と思ったが、それでも言われる通り、彼女に

伝え、スペアキーを借りる事にも成功した。

そして、ちょうど7日目を迎える。

夢では夕方、仕事帰りの彼女が突然、恐ろしく背の高い女らしき異形のモノから

追いかけられるという事だった。

彼女には、可能な限り、夢と同じ行動をとってくれ、と頼んであったので、

彼女はいつものようにいつもの道を使い自宅アパートへの道を歩いていた。

すると、突然、彼女の背後からコツコツというハイヒールの足音が聞こえた。

彼女は恐怖で歩く速度が自然と速まる。

しかし、背後からの足音はそれに合わせるかのように速くなった。

そして、彼女は夢でもやったように、突然、歩くのを急に止めてみた。

すると、背後からの足音も同じように消えた。

そして、再び歩き出すと、また、背後からの足音が聞こえだす。

そして、彼女は背後から聞こえる足音の主を確かめるように、急に振り返った。

すると、そこには夢で見たのと同じ・・・・いや、もっとおどろおどろしい背の高い女が

帽子を被り、無表情のままで彼女を見つめていた。

黒いワンピースから見える手足は異様に長く、2メートル以上は有る様に見える身長

と相まって、とても不気味だった。

彼女はその姿を見てしまったことで更なる恐怖にとらわれたのだろう・・・。

更に歩く速度を上げて・・・というよりも、もう走っているのと変わらないスピード

で一心不乱に逃げた。

それにしても、夕方であり、いつもは人で賑わっている筈の通りには、誰の姿も見えない。

もしかしたら、自分は既に異界の中にいて、助けてくれるAさんの所までたどり着けない

のではないかという不安が頭一杯に広がり、とても不安だった。

すると、先程までコツコツと聞こえていた足音は消え、ぺチッぺチッぺチッとまるで

4本足で駆けて来る様な音に変わる。

もしかすると、部屋にたどり着く前に捕まるのかも?

そう考えると怖くて足が震えたが、それでも彼女には逃げるしか選択肢はなかった。

だから震える足で、何度も転びながらも前へと進んだ。

確か、夢の中ではこんなに転んでなかったような気が・・・・

そう思った時、彼女は突然、伸びてきた長い手に頭を掴まれる。

もう・・・おしまい・・・・。

そう聞こえたという。

そして、彼女は

部屋まではもう少しなのに・・・・。

そう思い涙を流しながら、必死に声を出してAさんを呼ぼうとした。

しかし、声が全く出なかった。

近くで見る、その異形の女は、まるで彼女の顔がスッポリと入るかの様な大きな

口でニンマリと笑う。

それを見て、彼女は意識を失いそうになった。

すると、その女の背後から、声が聞こえた。

何笑ってんの?あんた・・・・。

それは紛れもなく、部屋にいる筈のAさんの声だった。

本当にあんたみたいに馬鹿な悪霊ばっかりで、困るのよね!

そう畳み掛けるように喋るAさんは、その女と比べるととても小さいはずなのに、

その時は、本当に頼もしく大きく見えたのだという。

そして、彼女はホッとしたのか、そのまま気を失ってしまう。

そして、次に目が覚めるとAさんが心配そうに彼女を揺り動かしていたという。

そして、彼女が気が付くと、

良かった。気が付いたね。

ごめん。

なんか今日は忙しくなっちゃって・・・。

で、待ちきれずに部屋から迎えに出たら・・・。

でも、結果オーライという事で(笑)

それじゃ、私はもう帰りますね。

あっ、もう大丈夫ですから。

安心してください。

そう言うと、スタスタと早足で帰っていったという。

その後、彼女は悪夢を二度と見なくなった。

その後、Aさんに素朴な疑問をぶつけてみた事がある。

もしかして、悪夢をみせていたのも、その悪霊の仕業?と。

すると、

悪霊がわざわざご丁寧に危険を知らせてくれる筈ないじゃないですか。

守護霊だと思いますよ。

彼女を護っている守護霊が、危険を彼女に知らせていたんです。

そう言われた。

そして、未だに俺の所へもAさんからの謝礼のスイーツの要求はない。

このまま忘れてくれる事を願うが、きっと無理な話なのだろう。

彼女が金欠状態になる日が来るのが今は怖くて仕方ない。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 15:36Comments(18)

2017年07月16日

FAXから始まる怪異

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、いつも沢山のコメントをお寄せ頂きまして

本当にありがとうございます。

いつも感謝させられたり笑わされたり、納得させられたり、

はたまた、私に代わって、霊に対する色々な対処法なども

読者様同士でやりとりされていたりと、本当に嬉しい限りです。

本当につくづく思うのは、他のブログなどてよく見られる様な

誹謗中傷のコメントが全く無いという事です。

これには、本当に感謝するしかないです(涙)

ちなみに、今回の話でちょうど300話になります(たぶん?)

それにしても、よく続きました。

しかし、書いていない話はまだまだ山ほどあります。

ですから、これからも怖くない話を宜しくお願い致します。

9月29日に出版する本が1万部売れても当然続けます。

10万部売れても続けます。

100万部売れても続けます。

1000万部売れても・・・・・・売れたら、辞めるかも(汗)

いやいや、当然続けます。

ライフワークですから(キッパリ!)

それで、いつか本当に読者様とオフ会なども出来ると

最高なんですけどね!

今夜もライブです。

今日はうちのバンドがトリを勤めます。

最近はどんどんコミックバンド化してて心配ですが(笑)

めざせ!ビージーフォー!

それでは、早めの時間に1話アップさせて頂きます。

怖くない話、どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話。

彼は数年前、それまで勤めていた会社から独立し、会社を経営している。

保険関係の会社であり、彼のほかには事務員が1人という個人事業所に近い

形態なのだが、それなりに忙しく業績も安定していた。

その日、彼は1人事務所に残って残業をしていた。

ちょうど3月ということで、車の保険の更新作業も多く、この時期はいつも

帰りが12時を回ってしまうのだという。

そして、時刻はちょうど午前1時近くだったという。

突然、事務所にあるFAXが受信状態になった。

こんな時刻に?

彼は不思議に思い、仕事の手を止めて、受信したFAXを手に取った。

そこには、

お仕事お疲れ様です。

遅くなりましたが、これから伺おうと思いますので、何卒宜しくお願い致します。

と書かれていた。

これから伺う?此処に来るというのか?

彼は届いたFAXをもう一度見た。

送信元を確認しようとしたのだ。

しかし、不思議な事に、そこには送信元が記載されていない。

なんで?

彼はそう思ったが、そんな事に構っている時間は無いと思い、そのままFAXを

ゴミ箱に丸めて捨てた。

そして、再び、保険の事務処理を始める。

すると、5分くらいすると、またFAXが流れてきた。

おいおい、今夜はどうなってるんだ?

そう思いつつ、彼は再び流れてきたFAXを手に取る。

すると、そこには

お疲れ様。

あと1時間くらいで到着する。

それまで待って。

と書かれている。

あと、1時間かかるって、こいつは一体何処から此処へ向かっているんだ?

というか、一体こいつは誰なんだ?

FAXの相手に全く心当たりの無い彼は、もう一度送信元を確認するが、何も

書かれていない。

送信元を知らせずにFAXするなんて可能なのか?

もしも可能だとしも、一体こいつは何をしたいんだ?

作業の手を二度も止められた彼は、少し不機嫌になり、今後はFAXが

流れてきても、確認しないでおこう、と決めた。

そして作業に戻ると、またしてもFAXが流れてくる。

しかし、今度は、彼はFAXを無視して、そのまま事務処理を続けた。

すると、それから30秒もしないうちに、もう一枚、さらにそこからは立て続けに

3枚のFAXが届いた。

しかし、彼はそのまま事務処理を続けていると、急に電話が鳴った。

もしかして、保険に入られている方が事故でも起こして電話してきたのかも

しれないと思った彼は、すぐに電話に出た。

しかし、彼が

はい!○○○保険です!と元気良く電話に出ると、相手の声が聞こえてこない。

そして、

○○○保険です。どちら様ですか?どうかされましたか?

と続けると、電話は、突然ガチャンという大きな音を立てて切れてしまう。

なんなんだよ?今夜は?

そう思っていると、彼は先程立て続けに届いていたFAXの事を思い出し、

FAXまで行き、送られて来ていたFAXに目を通す。

1枚目。

もうすぐ川を渡ります。

川を渡ったら、あとはもうすぐ・・・・。

赤の用意をしてください。

私は黒を持っていますから。

そして、2枚目。

どうして、すぐ読まない?

涅槃の風はまだ吹いているのに。

すぐに読め。

そして、準備をして待て。

3枚目。

まだ分からないのか。

どうしてすぐ読まない。

もう逃げられないのに。

4枚目。

もう許さない。

もう川は渡りきった。

あとは山を越えるだけ。

5枚目。

友達も連れて行く。

もう遅い。

呪う。

殺す。

もうすぐだ。

FAXの内容はこんな感じだった。

彼は、誰かの悪戯だとは思ったが、さすがにFAXの内容が常軌を逸しており、

さすがに得体の知れない恐怖を感じた。

それにFAXなのに、何故すぐに読んでいないということが分かるのか?

すぐ近くから誰かが監視しているとでもいうのか?

だから、すぐに110番に電話をかけた。

しかし、電話は何故か繋がらない。

呼び出し音すら聞こえなかった。

彼は何度も掛けなおしたが、結果は同じだった。

すると、またしてもFAXが流れてきた。

今度は急いでFAXに駆け寄り、すぐに目を通す。

そこには・・・・

もうすぐ着く・・・・もうす・・・・・もう・・・・・。

入り口は開いているか・・・・・出口はもう・・・・ない。

もうすぐ・・・もうすぐ・・・・。

彼はそのFAXを読んだ時、とっさに自分の身に危険が迫っているのを感じた。

車で逃げようか・・・・。

一瞬、そう考えたが、何故かそれは止めた方が良いと強く感じたという。

だから、彼は急いで入り口のガラスドアを閉め、内側からシャッターを閉じた。

そして、開いている窓という窓を全て鍵をかけ、ロックした。

すると、戸締りが終わるのと同時に、何かがシャッターにぶつかる音がする。

その音はとても大きな音で彼は心臓が止まるかと思った。

そして、何かがシャッターを鋭利なもので引っ掻く様な音が聞こえる。

すると、またFAXが流れてきた。

彼が急いで、それを手に取ると、

もう・・・着いた・・・。

開けろ・・・・・逃がさない・・・・。

そう書かれていた。

彼は今何が起きているのか、全く理解出来なかった。

そして、何故自分がこんな目に遭わなければいけないのか、と自問自答した。

すると、またFAXが・・・・。

そして、そこには

出て来い・・・・殺す・・・・でてこい・・・・ころす・・・・。

とA4用紙にびっしりと隙間無く書かれていた。

彼は恐ろしくなり、そのままFAXの電源を引き抜いた。

すると、今度は電話がかかってきた。

彼が電話に出ると、明るい声が聞こえてきた。

あっ、もしもし、社長ですか?

私、忘れ物しちゃったみたいで・・・。

すみませんけど、開けてもらえませんか?

会社の事務員の女性の声だった。

しかし、時刻は既に午前2時近く。

忘れ物など取りに来るはずはない・・・・。

しかも、シャッターが閉められているのにどうして俺が事務所内にいる、と

わかるというのか?

彼にはその時、今起こっている事が、人為的なものではなく、霊的なものだと

確信した。

だから、彼は机に頭を付けたまま、両耳を塞ぎ、目を閉じて、ひたすら震えて

ただ時が過ぎるのを待つしかなかった。

しかし、その間も、コンセントを抜いた筈のFAXからは、どんどんとFAXが

送られてきているようであり、電話も鳴り続けていた。

彼は、恐怖で生きた心地がしなかったが、それでもずっと体に力を込めた状態で

震えていると、そのまま意識を失うようにして寝てしまった。

次に彼が目覚めたのは、事務員さんが出社してきた午前8時半。

事務員さんは、いつもは自分が出社してきた時には開いているシャッターが

閉まっているのを不思議に思いながら、シャッターを上げ、ガラスドアを

開錠して事務所に入ってきた。

すると、事務所の中はFAX用紙で溢れ、机の上では社長が両耳を覆いながら

寝ているので、びっくりして、彼を起こしたということだった。

彼が目覚めると、既に朝の眩しい光が差し込んでいた。

すると、突然、なんなんですか?これ?

と事務員の女性が床に落ちているFAXを拾い上げて大声を出した。

急いで彼が駆け寄り、そのFAXを読むと、

もう、すぐ後ろにいるよ・・・・・。

ふりかえってみて・・・・。

という言葉や

呪いらしき言葉、殺すという言葉が紙いっぱいに書き込まれていた。

すると、またしても事務員の女性が、大声をだした。

社長、その背中どうしたんですか?

急いで鏡の前に行き、Yシャツを脱ぐと、そこには背中部分から肩にかけて、

ベッタリとどす黒い血の痕が付けられていた。

もしかして、中に入ってきていたのか?と思い、更に恐怖が込み上げてきた。

更に、昨夜、大きな音がしたシャッターを確認してみると、何やら大きく歪み、

そして、大きなカギ爪のようなもので鋭くえぐられた跡が残されていた。

そこで、彼は俺に相談してきた。

事情を聞いた俺は、すぐさまAさんに相談した。

すると、

うーん。それって多分なんですけど、事故で亡くなった方の霊でしょうね。

事故そのものに対する恨みが、何故か保険屋さんに向けられてますね。

それで、黄泉の国から戻ってきた・・・って感じですかね。

しかも、危険ですね。

本気で殺そうとしてます。

もう怨霊になっちゃってます。

困ったもんですよね。

それにしても、Kさんのお友達、事務所の中で震えているとき、振り返らなくて

正解でしたね。

振り返ってたら死んでましたよ。

と説明してくれた。

そして、俺が何とかできそう?

と聞くと、

勿論!

と即答。

それから数日後、彼が身に付ける護符と会社に貼る御札を用意して、彼の会社に

伺った。

そして、護符を貼り終えると、

もう大丈夫だと思いますが、もしも、これでも諦めないようなら、連絡してください。

その時は、仕方ないので・・・・消しますから。

そう伝えた。

そして、謝礼を渡そうとする彼に、丁寧に拒絶したのたが、なかなか彼も引き下がらない。

すると、

そこまでおっしゃるなら・・・・。

とAさんは、某有名メーカーのお取り寄せ出来るスイーツを・・・・。

と嬉しそうに言った。

後日、大量のお取り寄せスイーツが我が家に届き、俺はそれをAさんの元へと

届けた。

だから、今回はスイーツの奢りは無くても大丈夫だろう、と高をくくって

いたのだが、結局、後日、Aさんにいつもの喫茶店のパフェを奢らされる事に

なってしまう。

やっぱり、ここのパフェが一番ですよね~?

と嬉しそうに食べているAさんを見ながら、

一番もなにも、俺はここのパフェなんか食べた事ないだろ?

いつも、ひとりで完食しやがって・・・・。

と思ったが、そんな事を口に出せるはずもなかった。

その後、彼の周りで怪異は発生していないという。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 13:18Comments(19)

2017年07月15日

人間の第六感というもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、暑い中、体調など崩されてはいないでしょうか?

それから、私の書いた不注意な内容の件で

皆様には多大なご心配やご迷惑をお掛けしてしまい、

本当に申し訳ありません。

全ては私の優柔不断さが原因です。

読者の皆様におかれましては、これまで同様

仲良くコメント欄での交流を深めて頂ければ、と

願っております。

ちなみに、危険な怖い話ですが、やはり

私は書く事は無いと思っております。

楽しく読んでこその怖くない話・・・ですから。

ブログの移転や、危険な話の件では、

本当にご心配をお掛けしましたが、

コメント欄も参考にさせて頂き、熟考した結果、

全て、今まで通りで続けていきますので、

今後とも宜しくお願い致します。

本当に申し訳ありませんでした。

全て私の責任です!(反省してます)

ということで、今夜から3連続ライブです。

なんと、Aさんのバンドがトリを勤めます。

うちのバンドは前座みたいなものですが、

頑張ります!

それでは、行って来ます!

ではなくて、怖くない話、スタートです。

どうぞ~!


人間には第六感というものが備わっているのだという。

それは霊感という言葉に置き換えられたりもするのだが、そればかりではない。

予知だったり気配だったりと、自分の身を守る為に古の昔から人間に備わっている能力

なのだ、と聞いた事がある。

だから、それは顕著に現れる人、そして、そうでない人も同程度持っている潜在能力

に他ならない。

ただ、それを認めるか、そうでないかで、能力差があるのは事実らしい。

そんな中でも、何かの気配を感じるという能力。

野生の動物は、ある意味、それに頼って生きているといえるのかもしれないが、

現代に生きる人間にも、必ず、気配を感じて、危険に備えるという能力は

間違いなく備わっている筈だ。

Aさんが言っていた。

人間も知らない人に出会うのは苦手だと思うんですけど、それって霊も

同じなんです。

余程、能力の高い霊や悪霊なら、わざと人間の前に現れる事もありますが、

殆どの霊は、やはり見知らぬ人間を警戒してしまうんです。

だから、その殆どは、人間の背後に現れるんです。

様子を窺う為に・・・・。

それを聞いて、俺が

ふーん。それじゃ、よく背後に気配を感じたりするじゃない?

そういう時って、俺にもよくあるんだけど・・・・。

それって、背後に霊が居る立ってるって事?

そう聞くと

はい。

その人が背後から気配を感じたとしたら、間違いなく、その人と波長が合った霊が

そこに居るって事ですね。

それは、ただの通りすがりの霊かもしれないし、守護霊かもしれない。

そんな霊の場合は何も問題ないんですけどね。

そのままスルーすればいいんです。

ただ、それが何かの目的を持って、その人を狙って背後に現れたとしたら、それは

かなりの確立で悪霊と呼ばれるもの・・・になります。

そんな時は、スルーしちゃ駄目なんですよ。

ちゃんと背後を確認して、危険に備えないと・・・・。

そこまで聞いて、俺は、こう聞き返した。

でもさ。

Aさんみたいな力があれば別なんだろうけど、普通の人はどうやって対処すれば良いの?

すると、Aさんは

まあ、九字を覚えたり、お経を覚えたりするのが最も良いんでしょうけど・・・。

でも、下手にそういうことをすると、悪霊を刺激してしまう場合もあるので・・・。

だから、以前から言っているように、とりあえず、前を向いたままでも良いですし、

背後を睨むと更にベターなんですけど・・・。

とりあえず、出来るだけ大声で脅すんです。

後ろにいるのはわかってるんだぞ!とか

早く消えろ!

でも、何でもいいんです。

とりあえず、脅す・・・。

強気に出る・・・。

そうすれば、殆どの悪霊は、退散する筈です。

そして、そういうので、退散しないレベルの悪霊と対峙する為に、私みたいな

人間がいるわけですから・・・。

しかし、そこまで聞いて俺はひとつ疑問があったので、こう聞いてみた。

でもね。

確かに背後から気配がするから、バッと後ろを振り返るんだけど、誰も居た

例が無いんだけど?

すると、Aさんは

後ろを振り返っても居るわけないじゃないですか~(笑)

だって、後ろを振り返って、すぐ後ろに誰か立っていたら怖いでしょ?

霊だって、同じなんですよ。

突然、振り返られたら、霊もびっくりしてしまうんです。

それに、もしも後ろを振り返って、そこに霊が居たとする。

そんな状態で、霊に向かって脅したり出来ますか?

怖くて出来ないと思いますよ。

だから、私はさっきから、背後だけを振り返って、脅しの言葉を浴びせろ!って

言ってるんですよ。

その時、絶対に、振り返って、視線を上に上げちゃ駄目ですよ。

そこに居ますから・・・。

恐ろしい顔で、こちらを見てますから・・・・。

そんな顔を見たら心が折れちゃいますよ・・・。

私だって怖いモノは怖いので・・・・。

そう言われて、振り返ったとしても、決してそのまま視線を上に上げないように、と

心に誓った。

ただ、どんな悪霊に対しても、睨みつけたまま、暴言を吐き続けるAさんを目撃してきた

俺には、Aさんが霊を怖いと感じているとはどうしても思えないのだが・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:08Comments(22)

2017年07月14日

オークションでの出来事。

サインディスプレイ部  営業のKです。

昨日は、怖くない話をこのまま会社のブログを

利用して書く事にしました、という内容を書きましたが、

ご賛同頂けるコメントに混じって、

個人のブログならもっと怖い話を書いてくれると

思ったのに、残念・・・という内容のコメントも

頂きました。

いや、会社のブログとは別にもう1つ怖い話を

書くサイトを新設しても構わないのですが、

そうなると、そこに書くのは以前から言っている

ように、本当に危険な話・・・という事になります。

もしも、本当にそういうのを望まれていらっしゃるので

あれば、書いてみても良いのですが、封印しているのは

やはり理由がある訳でして、その点、ご了解頂ければ、

勿論、書かせて頂きますよ!

当然、霊障などの実害が伴うと思いますが・・・・。

その際には、同意書にOKされた方のみ閲覧できる

システムにしないと・・・・。

後で訴えられても困るので・・・。

ということで、遅い時間ですが、今日も1話アップします。

これは勿論、霊障の心配は無用です(笑)

それでは、どうぞ~!


これは俺の友人の話。

彼は、アコースティックギター専門で、いわゆるソロギターというものを

ライブで演奏している。

ソロギターというのは、1人で同時に伴奏からメロディーまでを演奏するもので

一般的には変則チューニングを利用する。

元々はエレキ一筋だった俺も、齢を重ねるにつれ、アコースティックギターの

音に魅了されるようになり、彼ともよく一緒にライブを行っている。

そんな彼だが、元々は海外製のギターしか弾かないタイプだった。

マーティン、ラリビー、オベーション、といった名だたるブランドのギターを

愛用し、何故かギブソンには全く興味が無いという拘りがあった。

しかも、彼の持っているギターはそれぞれのメーカーの最高グレードのギター

ばかりであり、1本100万近いギターばかり所有していた。

しかし、ある時、試しに友人のギターを弾いたことで、彼の固定観念は

崩れ去る。

彼がその時弾いたのは、ヤマハのL-10というギターとK.YAIRIのDY-41

というギター。

どちらも国産であり、所謂70年代製作のジャパン・オールドと呼ばれている

ギター。

それぞれが、当時、10万と20万という感じのギターであり、彼が所有している

海外製のギターとは比較にならないほど安いギターなのだが、彼が言うには、

自分が持っているどのギターよりも、格段に良い音、理想の音がした、と

いうことだった。

その事があってから、彼は色々と楽器店をめぐり、その2本のギターを探した。

しかし、古いギターなので、見つかってもなかなか程度の良い物には出会えない。

それで、彼はそれまでは手を出さなかった○フー・オークションに手を出した。

すると、彼が欲しがっていたギターが2本とも出品されている。

彼は嬉しくなり、早速落札しようとするが、やはり人気が高いらしく、なかなか

適正価格で落札できない。

それでも、毎日のように、オークションを除いていた彼は、ある日、とんでもない

掘り出し物を見つける。

それは、K.YAIRIのDY-41であり、不思議な事にありえない低価格、それなのに、

誰も入札していなかった。

不思議に思った彼は、商品の説明欄を読んでみる。

そして、そこに書かれていたのは下記のような内容だった。

亡くなった夫が愛用していたギターです。

私にはどれくらいの価値があるものなのか、全く判りませんので、安価にて

売り切りたいと思っております。

亡くなった夫が最後まで手放さなかったギターであり、いつも大切に扱い

傷も無いように見受けられます。

病院で亡くなった日も、傍らにこのギターを置き、嬉しそうに見つめながら

旅立っていきました。

私にはギターを弾く事はできませんので、どなたか、大切にして頂ける方に

ずっと弾いて貰えたら、亡くなった夫も、本望だと思います。

こんな感じだった。

そして、その説明文を読んだ者は、誰もが、亡くなった持ち主の愛情が詰まった

そのギターに、入札出来なかったのである。

しかし、彼にはその説明文が、逆にとても程度が良いギターだという説明、という

部分しか頭に入ってこなかった。

だから、彼は迷うことなく入札すると、結局終了時間まで他の誰も入札する事

が無く、結局、彼はありえない低価格でそのギターを落札した。

そして、何度かのやり取りの後、ギターが彼のもとに届いた。

それは、まるで新品のように美しく磨きこまれたギターだった。

早速、手にとって弾いてみると、その音は彼の想像を超えるような素晴らしい

音だった。

彼は、そのギターがとても気に入り、いつもそのギターばかりを弾くようになる。

そして、ライブでは、必ず、そのギターを使うようになる。

実は俺もそのギターと同じ物を持っているのだが、確かにそのギターの音には、

何か、人の心を惹きつけて止まない深い響きがあったような気がする。

しかし、それから彼の周りで不思議な事が起こり始める。

彼が外出から戻ると、何故か、ギターのケースが開いていた。

まるで、彼に速く弾いて欲しがっているように・・・。

そして、またある時は、彼がギターを弾こうとすると、既にギターがチューニング

されていた。

彼はギターを弾いた後は必ず弦を緩めて保管する癖がついているので、それは

彼にとってはありえない事だった。

しかし、そんな事も、そのギターの音色の素晴らしさの前では、気にならなかったという。

そして、それから、彼のライブで変な噂が流れるようになる。

彼はいつも1人でギターを演奏するのだが、どう聴いても、1人で演奏している

以外の別のギターの音が混じっているというのだ。

しかも、ライブに来ている者の中には、彼が演奏する背後に、見知らぬ男性が

立っているのを目撃する者まで現れた。

そんな噂が流れてから、彼のライブは別の意味で盛況となる。

誰もが、その噂の真相を確かめようとライブに足を運んだ。

そして、その噂が本当だと知ると、更に彼のライブは別の筋でも有名に

なってしまい、いわゆる心霊マニアといわれる者達もさぞってライブに

足を運んだ。

そうなると、さすがに彼もかなり神経質になってしまう。

更に、もしかして、このギターって呪われてるのか?

という疑念まで持ってしまう。

それから、しばらく、彼はそのギターを一切使用しなくなった。

しかし、ある日、突然、彼は再びそのギターを愛用し始める。

迷いが吹っ切れたように・・・・。

だから、俺は聞いてみた。

何かあったのか?と。

すると、彼は誰にも言うなよ、と言って、こんな話をしてくれた。

彼がそのギターを使用しなくなったある日、彼が外出から戻ると、2階の

ギターを置いてある部屋から、何故かギターの音が聞こえてきた。

彼の家族で彼の他にギターを弾く者はいない。

彼は恐る恐る2階への階段を上がり、静かに部屋のドアを開けてみた。

すると、そこには、言葉に出来ないくらい、楽しそうに嬉しそうに、いきいきと

ギターを弾いている男の人が見えた。

そして、その男が弾いていたギターは、例のギターだった。

本来なら、彼は、驚いて腰を抜かす場面なのかもしれないが、彼は、その男が

弾くギターの音色に魅了され、その音の素晴らしさを再認識させられる。

更に、その男は、とても愛おしそうにギターを抱え、そこからはギターを弾ける

喜びや楽しさが、身に染みるように伝わってきた。

彼は、そーっと少しだけ開けたドアを無意識のうちに全開にして、その男のギター

プレイに浸っていた。

そして、そのまま、数曲を弾き終えると、その男は、ギターをケースの中に戻し、

そして、彼に満面の笑みで深くお辞儀をし、そのまま消えていったのだという。

まあ、お前は信じないだろうけどな・・・・。

でも、それを見てから、俺は、怖いという感覚が無くなったしまった。

その男性と一緒にプレイ出来るのが今はとても嬉しくて仕方ないんだ。

そう言われた。

俺は、

いや、なんとなくだけど、凄く良く分かるよ!

と返した。

それから、一度、Aさんと一緒に彼のライブを見た事があった。

その時、Aさんは、

いやいや、ある意味、こんなにはっきり誰にでも見える霊っていうのも凄いかも。

でも、あの男の人、凄く楽しそうにいきいきしてて・・・・。

こんな霊って、私も初めて見ましたよ。

なんか、聞いてても楽しくなっちゃいますよね。

そう言っていた。

その後、彼から聞いた話なのだが・・・・。

それから、彼はいつもライブの時には、まるで、そこにパートナーがいるかのように、

椅子を置き、水も用意して演奏するようになった。

彼の演奏自体も、以前より明らかに生き生きとして楽しいのだそうだ。

そして、先日、ギターの出品者である奥さんに、彼が演奏したライブの音源を

送ったのだそうだ。

すると、その奥さんからは、何枚もの便箋にびっしりと、お礼の言葉がを綴った

手紙が送られてきたのだそうだ。

そして、そこには、

間違いなく、亡くなった夫がギターを弾いているのが判りました。

本当にこれ以上、嬉しい事はありません。

と書かれていたのが忘れられない、と彼は嬉しそうに言っていた。

俺は一生、このギターを手放すことなく弾き続けるよ!

と最後に彼は力強く答えてくれた。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:25Comments(27)

2017年07月13日

自殺者の呪いというもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

今日の夕方、お客さんから電話があり、明日の午前、

鳥越での打ち合わせが決定しました(泣)

まあ、夜ではないので全然OKなんですけど、

幽霊より、鳥越の巨大カエルの方が怖くて

今夜は寝られそうにありません(涙)

それと、先日、このブログを個人ブログに

引っ越す事を考えていると書かせて頂きましたが、

やはりコメントで、色々とご意見を頂戴し、

このまま、此処で続ける事にしました。

今後とも宜しくお願い致します。

それでは、今夜の怖くない話、

スタートします。どうぞ~!


これは俺の友人が体験した話。

それは本当に偶然のタイミングであり、単に運が悪いとしか言い様がなかった。

彼女はその日、仕事が終わるといつものように自転車に乗り自宅へと向かっていた。

そして、いつものように踏切の遮断機が降りてきて、電車の通過を待っていた。

下りの線路の電車の通過を待っていると、今度はのぼりの電車の矢印も点灯した。

彼女は、この暑い中、遮断機が下りたままの時間が長くなりそうな事に、

大きくため息をついたが、こればかりはどうしようもなかった。

周りには下校中の学生の姿や買い物帰りの主婦、そして、道に数珠繋ぎに

続いている車の長い列が、暑さに拍車をかけた。

其処にいる皆が、ジッとして電車が来るのを待っていた。

そして、左方向から電車が近づいてきた。

と、突然、彼女の背後辺りから、1人の若い女性が彼女を押しのける。

そして、ゆっくりと遮断機に向かって近づいていく。

(あっ、この人急いでるのかな・・・・)

彼女はそう思ってぼんやりとその女性を見ていた。

だが、その女性は、そのまま止まる事なく、遮断機の下をくぐった。

その間、他の人達もその女性の姿を目で追うことしか出来なかった。

そして、その中の誰かが

おい、ちょっと待て!

と叫んだのと同時に、その女性は左から走ってくる特急電車に飛び込んでしまう。

踏み切りの警報機の音に加えて、突然の急ブレーキの音がけたたましく響いた。

そして、一瞬にして辺りの景色が一変してしまう。

その場に崩れて泣き出す者、苦しそうに喉を押さえ、吐き気を抑える者、車からも

殆どの人がドアを開けて車外に出て、その光景に絶句していた。

しかし、彼女は少し違っていた。

その女性が電車に飛び込んだ時、車輪に潰されていく様を一部始終見てしまう。

勿論、その時彼女はその光景から目を背けようとした。

しかし、何故かそれは叶わなかった。

そして、電車の下に消えていく、まさにその瞬間、その女性と目が合ってしまう。

少し笑っているように見えたという。

その後、右から来る電車も緊急停止したようで、辺りは野次馬のも含めて騒然と

なった。

しかし、彼女は自転車に跨ったまま、全く動くことが出来なかった。

そして、現場に到着した警察や消防、そして救急車が来た時、そのまま意識を

失いその場に自転車ごと倒れこんだ。

そして、次に目が覚めたとき、彼女は病院のベッドに寝ていた。

彼女の意識が戻った事に気付いた母親が彼女に駆け寄り、すぐに看護師を

呼んでくれた。

どうやら、彼女は、その人身事故を目撃してから、2日間意識が戻らなかった

のだと聞かされた。

しかし、体には異常は無かった為、その日のうちに退院する。

自宅に帰ると、家族とも相談した上で、2~3日、大事をとって会社を休む事に

した。

そして、最初に夢を見た。

気が付くと、あの日の踏切の前に自分が立っていた。

しかし、何故か辺りには彼女1人しかおらず、車の長い列も見えない。

それでも、踏み切りは遮断機が降りたまま、のぼりと下りの電車が来るのを

待っていた。

すると、突然、横から出が伸びてきて彼女の腕を掴んだ。

ハッとして横を見ると、それは紛れもなくあの日電車に飛び込んだ女性だった。

その女性はまるで喪服のような黒一色の服を着ていた。

そして、

のぼりとくだり・・・・どっちにする?

と小さな声で聞いてきた。

そして、彼女が黙っていると、急に彼女の腕を引っ張り遮断機の方へと連れて行こうと

する。

彼女は

嫌っ、やめて・・・・

と叫んだが周りには誰も居ない。

そして、ズルズルと引き摺られるように遮断機を潜らされた彼女へと電車が警笛を

鳴らしながら近づいて来る。

そして、そのまま彼女は引き摺られ線路内へと連れて行かれる。

そして、もうすぐだよ・・・・。

という低い声を耳元で聞きながら、彼女は凄い勢いで近づいて来る電車に目が釘付け

になる。

そして、いよいよ

ぶつかるっ!

と思った瞬間にいつも夢から覚めた。

そして、夢から覚めると必ず体のどこかが裂けたようになり血が流れ出す。

ほんの2~3日の休養だったはずの欠勤が、それから何週間も続いた。

そうしていると、今度は彼女に別の怪異が襲ってくる。

家の中の何処にいても、その自殺した女性が見えるようになる。

食事をしていても、トイレに居ても、自分の部屋に居ても・・・。

そして、気晴らしにと外に出ても同じだった。

必ず、彼女のすぐ近くにその女が立っており、そして彼女をジッと見つめていた。

そして、それは彼女にしか見えないものであり、医者はPTSDだと診断した。

彼女が寝ているときに起きる裂傷による出血も、彼女が無意識により自らを

傷つけているのだ、と。

そうなると、彼女の家族も、そして友人達も彼女を必要以上に腫れ物にでもさわる

かのように扱いだす。

そして、常に誰かが彼女に付き添うようになる。

しかし、それでも彼女にとっては何の支えにもならなかった。

何故なら、どんな状態でも彼女の目には常に、その女性の姿が見えていたし、更に

寝ているときの夢もどんどんリアルになり、電車に轢かれ体が引きちぎられるという

擬似体験までするようになり、されに伴って彼女の裂傷も酷くなり、時には骨折を

伴う事もあった。

そのうち、彼女は、必死になって、彼女にだけ見えているその女性に懇願し、

許しを請うようになる。

しかし、その女性は、うすら笑いを浮かべるのみであり、更に彼女のそんな

姿を目撃した家族や友人達は、いよいよ彼女の精神がおかしくなってしまった、と

悲しむと同時に、精神病院への入院も検討され始める。

しかし、その見方に異論を唱える者もいた。

Aさんである。

俺の話を最後まで聞いたAさんは、大きくため息をついてこう言った。

それって、彼女に非は全くないじゃないですか・・・。

それに、昔、私の友達が経験した症状に凄く似てるんですよね。

それを聞いた俺が、

それで、その時の原因は結局なんだったの?

と聞くと、

うーん。少し調べてみないといけないですね。

少し時間をください。

というと、そそくさと何処かへ出かけて行った。

そして、翌日、Aさんから電話がかかってきた。

あの・・・・昨日の件ですけど・・・・。

とにかく時間が無いので、今日にでも彼女に会えませんか?

と言ってきた。

それを聞いた俺が、

あっ、今俺、給料日前だから、スイーツを要求されても奢ってあげれないよ。

だから、給料日後に、会うとかじゃ駄目?

というと、

だから、時間が無いって言ってるじゃないですか!

それに、今回はそういうの無しで良いですから・・・・。

と返してきた。

いつもとは違うAさんに呆気にとられたが、とりあえず彼女の家に電話をして、

何とか彼女に会える様にお願いした。

そして、彼女の家に向かう途中でAさんがこう話してくれた。

昔、私の友達が似たような症状になったって言ったじゃないですか・・・。

それって、呪い・・・だったんですよ。

その友達も、駅で偶然、飛び込み自殺を見てしまって・・・・。

でも、その友達の症状が呪いに拠るものだった気づくのが遅れてしまって・・・。

結局、助けられなかったんですよ。その友達。

そして、俺が

助けられなかったってどうなったの?

と聞くと

体中がボロボロに傷ついていって、最後には自分から電車に飛び込みました・・・・。

だから・・・。

今回はその友達の為にも何とかしなくちゃいけないと思うんです。

その為にも、とにかく急がないと、取り返しのつかない事になってしまいます。

そして、

呪いって、私も怖いですよ。

ある意味、無差別攻撃・・・ですから。

愉快犯っていったほうが近いのかな・・・。

しかも、生きている人間がかけた呪いなら、返しようがあるんですけど、今回の

ように、相手が死ぬ間際に彼女に呪いをかけて、そのまま死んでしまった。

そうなると、理不尽な話ですけど、死んだ怨念まで背負わされ、それがどんどん

増幅していく。

普通、霊能者だったら絶対に、そんな危ない呪いになんか関わろうとしないんですけど、

私は霊能者ではないですし・・・。

それに、呪ったもの勝ちみたいなのって、ムカつくじゃないですか・・・。

だから、絶対に彼女を助けますよ。私は。

そう強く話してくれた。

そして、彼女の家に着き、彼女と対面した時、俺も思わず絶句してしまった。

昔の彼女の面影は何処にもなく、痩せ細って、ただ死ぬのを待っているような

状態だった。

その姿をみて、俺も何か、その呪いという物に対して、言いようの無い怒りを

感じた。

そして、Aさんが何やらしているのだが、顔を顰めてどうやら上手くいかない

ようだった。

すると、俺が呼ばれる。

そして、

さっきからこの部屋に護符を貼って結界を張ろうとしてるんですけど、例の女の霊

が邪魔してくるんですよね。

ということで、Kさん。

私が護符を貼っている時、私の盾になってくださいね。

あっ、といってもKさんについている強力な守護霊さんの力を借りるだけで、

Kさんの力を借りるわけではないので・・・・。

そう言われた。

そして、その後は順調に進んだのか、20分位でAさんの作業は終了。

すると、Aさんは、真顔でこう言った。

ということで、Kさんの役目は終わったので、もう帰って良いですよ。

というか、帰らないと、Kさんが大変な目に遭うと思いますので・・・。

あっ、大丈夫ですよ。私の事は。

考えられる限りの最も強力な護符を持ってきましたし、知り合いの霊能者さん達

にも頼んで、此処に強い気を送って貰ってますから・・・・。

大丈夫です。

生きている人間の力を見せてやりますから・・・・。

呪えば、それでOKなんて、絶対に許さないので、私。

というか、私、今から本気の白装束に着替えるんで、さっさと出て行って貰えます?

そう言われ、俺はすこすごと彼女の家から帰った。

それから、彼女の家でどんなことが起こったのかは、Aさんは話してくれなかったが、

数日後、彼女と両親から、丁寧なお礼の電話をもらった。

そして、次に会ったとき、Aさんがいつもよりやつれたというか、疲れている感じ

だったので、俺はAさんにこう言った。

あの・・・先日はありがとう。

お陰で彼女、助かったみたいだね。

でも、Aさん、疲れ切ってるみたいだけど大丈夫・・と。

すると、

そんなに心配してくれるんなら、言葉じゃなくて行動で示してくださいね。

と言われ、そのままいつもの喫茶店に連れて行かれ、ケーキセットに追加ケーキ

3個を奢らされた。

あの・・・・今回の件では、そういうのは無し・・・って言わなかった?

と言いたかったが、当然言える訳もなく、俺はコーヒーを飲みながら、Aさんの

見事な食べっぷりをただ呆然と見ているだけだった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:51Comments(13)