2017年08月19日

その地下鉄に乗ってはいけない!

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様でございます。

あっ、9月29日に竹書房様から発売となります

文庫本のタイトルが

結局、『闇塗怪談』で確定致しましたので、

ご報告させて頂きます。

これは昨晩の編集者様とのやり取りなんですが、

○○○に関する怖い話ってありますか?

と聞かれ、

ああ、ありますよ!

と言って、書き上げて、OKをもらい、そのまま

本に載るそうです。

自分でも思いました。

どれだけ沢山の怖い話をストックしてるんだ!と。

残念ですが、まだまだ終わりそうもありません(笑)

やはり、ライフワークにするしかないですね(笑)

それと、最近、コメントでよく映像化の話をお聞きするんですが、

まあ、それは無理としても、漫画にでもなれば、面白いな、と

思い出しました。

まあ、売れないでしょうけど、ただ自分が読んでみたい

だけなんですけどね(笑)

まあ、そろそろ運を全て使い果たしそうなので、早死に

しそうですが・・・。

もしも、死んであの世に行ったら、きっと今まで散々

書いてきた悪霊達・・・・いえ、悪霊様達に苛められそうですね(涙)

そんな親の気持ちも知らないうちの娘は、今日は宿題そっちのけで、

私が買ってきた、板チョコモナカアイスを勝手に冷凍庫から出して

真剣な顔で何かやっていました。

何やってるの?

と聞くと、

板チョコモナカのチョコだけを先に食べられないかな~と

思って、と言いながら、板チョコモナカを分解してました(笑)

それって、板チョコモナカを否定する行為だろ?

と言うと、

全ては否定するところから始まるんだよ!

そこから人類は進歩してきたんだから・・・。

と、もっともらしい事を言いながら、結局は無断で

私の板チョコモナカアイスを完食する事に成功していました。

ほんと、宿題はいつするんだろ?

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは東京に住んでいる友人の体験談である。

彼は東京のとある設計事務所で働いている。

東京に出てから結婚し、子供も2人いる。

ただ、やはり東京の住宅事情は厳しいらしく、車での通勤など不可能であり、

かなりの時間を要して、地下鉄などを利用しての通勤になるらしい。

ちなみに、これは余談だが、金沢市に住む俺の通勤時間は、車で10分。

こういう面は田舎に住んでいて良かったと思える数少ないメリットである。

話を戻そう。

ちなみに、彼には霊感は無いに等しい。

しかし、波長があってしまえば、こんな事にも遭遇してしまうというのが、

今回の話なのだが。

その日、彼は、抱えている仕事をこなす為に会社に1人残って残業していた。

いつもは、基本的には残業は出来るだけしない主義らしいが、さすがに

繁忙期ともなれば、そうも言っていられない。

そして、時計を見ると、時刻は11時を回っていた。

彼は地下鉄(東京メトロ)の最終電車に間に合うようにと、すぐに帰り支度

を始め、そそくさと会社を出た。

そして、いつものように、電車に乗りつぎ、何とか地下鉄の最終電車に間に合った。

先程も書いたが、彼は出来るだけ残業をしない主義なので、実はこの時が、

地下鉄の最終電車に乗るのは、初めてだった。

だから、最終ということになると、きっと朝の出勤時のような混雑になるのだろうと

予測していた。

しかし、駅のホームに降りると、彼の他には、誰もいない。

それどころか、駅員の姿さえも見えなかった。

おいおい、もしかして、最終便に間に合わなかったのか?

彼は不安になり、腕時計を見た。

すると、最終の地下鉄が来るまでは、まだ5分ほど余裕があった。

さすがに、予定時間よりも早く地下鉄が出てしまう事はないだろう、と思い、

ホッとした。

そして、たぶん、皆、あと5分あるから、来ていないだけで、もう少しすれば、

地下鉄を待つ乗客で一杯になるのだろう、と解釈した。

しかし、それから、時間が経てど、誰もやって来ない。

そして、何故かとても静かに滑るようにして、最終便の地下鉄が入ってきた。

その地下鉄の車両は、彼がいつも見慣れている物とは違い、真っ黒に塗装されていた。

それにしても、黒っていうのもセンス悪いよな~と彼は思った。

そして、ドアが開く。

彼は不思議な気分で、その地下鉄に乗り込んだ。

何故なら、1人だけで乗り込むなどということは、それまでに経験が無かったから。

そして、彼が乗り込むのを待っていたかのように、ドアは閉まり、静かに

地下鉄は走り出す。

彼は車内を見渡した。

それは、彼がそれまでに見たことのある車内とは様子が違い、どこか古めかしい。

レトロといってしまえば、それまでだが、何処か違和感を感じる。

そして、更に違和感を感じたのが、乗客が異常に少なかった事。

最終電車とは、そういうものなのかもしれないとは思ったが、それにしても

異様に少な過ぎる。

彼が乗り込んだ車両には、彼の他には、年配の男性二人と、若い女性が

ひとりだけ、そして、その全員が寝入っている、という状態だった。

これじゃ、地下鉄の会社も採算が採れないだろう・・・。

彼はそんな下らない事を考えながら、自分が何処に座ろうか、と辺りを見渡す。

しかし、彼はその時、何故か、その地下鉄車両に変な興味が沸いた。

いつもは、人で混雑しており、車両を見て回る事など出来る筈もないのだが、

これだけ少ない状態なら、車両の中を歩いていって、先頭車両まで行く事

だって出来そうだ。

そして、車両の中に、一体どれだけの乗客が乗っているのかを確かめたくなった。

これは、彼の悪い癖なのだが、1度、好奇心が沸いてしまうと、止まらなくなる。

彼は、今居る車両から、隣の車両に移り、更に隣の車両へとどんどん進んでいった。

しかし、進むに連れて彼は言いようの無い不安に駆られてしまう。

乗客が誰一人居ないのだ。

最初は、最終電車というのは、こんなに乗客が少ないものなのか、と驚いただけだった。

しかし、これだけ車両を進んいっても誰一人乗客が居ないというのは、明らかに

異常過ぎる。

それに、おかしな事は他にもあった。

この地下鉄はいつも彼が通勤で利用しているものであり、どれくらいの間隔で

駅に到着するのか、ということがある程度分かっている。

しかし、彼が乗ってから、この地下鉄は一度も停車していなかった。

彼は不安に襲われながらも、どんどんと車両を進んでいった。

車両をどんどんと前に向かって進んでいけば必ず先頭車両に行き着く筈だった。

そして、先頭車両には、必ず運転手がいる筈だった。

これは、いつも彼が利用している普通の地下鉄車両なのだということを自分自身に

納得させたかった。

だから、彼はひたすら脇目も振らず、どんどんと前の車両へと進んでいった。

しかし、どれだけ進んでも、先頭車両には着けない。

まさか、これほど長い車両など存在する筈が無かった。

彼は立ち止まり、その場で考え込んだ。

俺は何かとんでもない間違いを犯してしまったのか?

だとすれば、一体何がまずかったのか?

彼は途方に暮れてしまう。

そして、すぐ側の座席に座ると大きく天を仰いだ。

すると、ある事を思い出した。

そうだ!この地下鉄は携帯が使えるんじゃないか!

彼は、背広のポケットからスマホを取り出して、自宅に電話してみた。

数回の呼び出し音のあと、通話状態になった。

あっ、もしもし、俺だけど・・・・。

しかし、電話の向こうからは返事がなかった。

彼は再び、

もしもし?もしもし?

と問いかける。

声が段々と荒々しくなってしまう。

すると、電話の向こうから、突然

もうすぐだ・・・・。

という低い男の声が聞こえた。

彼は驚いて、

おい。お前誰だ?そこで何してるんだ?

妻や子供達はどうした?

と怒鳴りつけたが、電話はすぐに切れてしまう。

彼には電話の声に聞き覚えなど無かった。

それに、どうして、妻が電話に出ないんだ?

もしかして・・・強盗?

彼の頭は完全にパニックになってしまい、すぐに自宅に電話をかけ直そうとした。

しかし、発信履歴を見ると、そこに表示されていたのは、彼の自宅ではなく、見たことも

ない番号だった。

彼は、急いで、電話帳から自宅に電話をかけようとするが、今度は電話が圏外に

なってしまう。

いったいどうなってるんだ?

彼はスマホから視線を外し、前方を見た。

思わず、息が止まりそうになった。

そこには、彼が座る反対側の座席のガラスに映る数え切れないほどの男女が見えた。

それは大人の男女だけでなく、子供や老人なども居り、その誰もが、苦しそうな

表情で窓の外から彼を覗き込んでいた。

彼は、ウワァという声を上げて座席から飛び起きた。

そして、一目散に、今度は彼が元々乗車した車両をめがけて走り出した。

どれだけ前に進んでも誰にも会わなければ、先頭の車両にも行けない状況では、

彼にはそれ以外の方法が思いつかなかった。

そして、走り始めてわかった事。

それは、彼を窓の外から覗き込んでいたのは、反対側の窓だけではなく、彼が座って

いた席のすぐ後ろの窓にも、窓を埋め尽くすようにして、苦しそうな顔が並んでいた。

そして、それは次の車両、そして、また次の車両に行っても同じ状況であり、彼が

必死に走っているのを苦しそうな顔で睨みつけていた。

おいおい、走ってる地下鉄なんだぞ?

どうして、窓の外に立てるんだよ?

そう思ったが、それはすぐに愚問だと気付いた。

それは、これまでの彼が体験した事は全て常識では考えられない事ばかりだったから。

彼は必死に走り続ける。

今度は逆に、車両の中で誰かに出会ったら?と思うと、とても恐ろしかったが、

それでも、何とか気力を振り絞り、走り続ける。

かなりの時間、走った。

もう既に彼が乗車した車両に到着していても、おかしくなかったが、目印である

3人の乗客の姿が何処にも見当たらなかった。

すると、気のせいか、地下鉄が減速をした様な気がした。

いや、間違いなく、ブレーキをかけているような、感覚が伝わってくる。

彼は焦った。

何故なら、停車してしまい、ドアが開けば、外に居るモノ達がいっせいに車両内へと

なだれ込んでくる確信があったから・・・・。

彼は走る速度を速めた。

彼の気持ちの中には、どうせ窓の外に居るモノ達に襲われるのだとしても、他の

乗客が居た方が少しはマシという変な思いがあった。

しかし、どれだけ必死に走っても、あの3人の姿が見つけられなかった。

それところか、地下鉄は確実に減速を続け、明らかに停車しようとしているのが

確実になる。

キーキーという嫌な音を立てて、更にブレーキがかかる。

もう、人が早足で歩く位の速度しか出ていなかった。

そして、彼が一体どんな駅に停まるのか?と窓の外を見るが、相変わらず窓の

外は、完全なる暗闇の世界だった。

この地下鉄は、こんな何もない暗闇に停まってどうしようというのか?

そう思ったが、彼は考えるのを止めた。

その答えは、とても恐ろしいものだと感じたから・・・。

そして、いよいよ、地下鉄は完全に暗闇の中で停車してしまう。

それでも彼は必死に走り続けたが、ふと窓の方を見ると、漆黒の闇の中に張りつく

数え切れないほどの姿が、とても異様に感じ、彼は、なかば諦めて、走るのを

止めようとした時、前方に何かが見えた。

そこには、1人の男の子が座っていた。

そして、彼に向かって手招きをしているのが判った。

普通なら、その状況で見知らぬ男の子に手招きされれば、絶対に近づかないと

思うのだが、その時、何故か、その男の子からは、怖いとか怪しいという印象は

全く感じられず、それどころか、不思議と暖かい気を感じたという。

だから、彼は急いで、その男の子の隣の席に座った。

すると、その男の子は、

絶対に目を開けちゃ駄目だよ。

とポツリと呟いた。

彼は、その男の子のいう事に従って、静かに目を閉じた。

目を閉じていると、不思議と穏やかな気持ちになってくるのが分かった。

すると、地下鉄のドアが開く音が聞こえ、足音はしないのだが、彼の周りには

沢山のモノ達で埋め尽くされているのが、目を開けなくとも良く分かった。

しかし、その男の子の隣に座り、目を閉じていると、不思議と怖くなかった。

きっと、目を開ければ・・・・・。

という気持ちもあったが、その恐怖に支配される事も無かった。

そして、そのまま彼は意識を失ったのか、寝てしまったのか、は分からないが、

次に目を覚ますと、終点に着き、駅員さんに揺り起こされている自分が居た。

夢かとも思ったが、彼の手の上には、まるで先程の男の子が痕跡を残すかのように

置いていった紙切れが置かれていた。

そこには、

もう、こっちに来ちゃ駄目だよ。

と書かれていた。

それを見て、駅員さんの前なのも忘れて、彼は号泣してしまった。

それは、助かったという涙と、その男の子がいなくなった事から来る不思議な気持ち

が混ざった涙だった。

それから、地下鉄の終点から、タクシーに乗り、彼は無事に帰宅できた。

しかし、それ以後は絶対に、終電は利用しない様にしているという。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:43Comments(28)