2017年08月28日

続続・タクシーの運転手さんから聞いた話

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様でございます!

突然ですが、土曜日にはるばる埼玉から

お越し頂き、ご丁寧にお土産まで頂きまして、

本当にありがとうございます。

サブレ、美味しく頂きました!

ただ、出来れば、仕事場である会社に

来られるのは可能であれば避けて頂いた

方が助かります。

本当に申し訳ありませんが。

ちなみに、うちの娘は、今日が夏休み最後の日らしく、

しょんぼりしながら、フローリングの上をゴロゴロ

しておりました。

9月の初旬に文化祭と演劇の発表があり、その直後に

試験が待っているというナイススケジュールみたいです(笑)

ということで、今夜もいってみましょう!

怖くない話。

本当に怖くないですけど・・・・・。

どうぞ~!



これは俺の知り合いのタクシーの運転手さんから聞いた話である。

年齢は60代くらいで、そもそものきっかけは、いつも遠方での飲み会

の際に頼んでいるタクシー会社があるのだが、いつも決まって同じ人だった。

だから、いつしかタクシーに乗っている間、ずっと話し込むようになってしまい、

その方が、とにかくカラオケが好きで、カラオケ同好会みたいなものにも

入っており、今度発表会があるんだけど、もしも良かったら、バイトで

カラオケの変わりに生バンドとして演奏して貰えないか?と頼まれたのが

事の始まり。

それ以来、毎年、バンドメンバーのバイトとして定着してしまっている。

そして、これからが本題。

その日、彼は送迎の依頼があった為、金沢市郊外の一軒屋に向かっていた。

時刻は、午後8時。

彼は予約された時間に遅れては大変と、少し早めの時間に会社を出発し、

指定された家を探していた。

しかし、どれだけ探しても、その家は見つからない。

彼は途方に暮れてしまい、会社に電話して、目的地の家を確認した。

すると、前方にぼんやりとした明かりが点いているのが見えた。

もしかして・・・・

そう思い車をその家の前まで走らせると、確かに予約してきた方の苗字が

書かれた表札が見えた。

あれ?さっきもこの道を通ったけど、こんな家あったか?

彼はそう思ったが、予約時間ギリギリだったこともあり、急いで車を降りて

その家の玄関へ行き、呼び鈴を鳴らした。

しかし、何度呼び鈴を押してもいっこうに返事が無い。

彼は仕方なく、玄関の引き戸を開けて、

すみませ~ん。○○タクシーですが・・・・。

と呼んでみた。

すると、ぼんやりとした灯かりの奥から、年老いた女性の声が聞こえてきた。

あっ、すみません。

ちょっと足が悪いものですから、家の中まで入ってきてもらえますか?

そう言われ、彼は、

それじゃ、お邪魔しま~す・・・

と言いながら、家の中へあがると、声が聞こえた廊下の奥へと進んだ。

廊下を進んでいくと、突き当りの右手にある部屋から明かりが漏れている。

彼は、出来るだけ怖がらせないようにゆっくりと歩き、

こんばんは~。○○タクシーです。

と優しく声をかけながら部屋を覗いた。

すると、そこには、年齢が90歳を超えていそうなお婆さんが布団から

体を起こした状態で、彼を待っていた。

そして、

あ~、すみませんね~。どうしても行かなければいけない所があって・・・

と申し訳なさそうに手を合わせる。

彼は、

いえいえ、全然気になさらないでくださいね!

すぐに車に乗れますか?

と聞くと、そのお婆さんは、こっくりとうなづいた。

彼は、そのままお婆さんを背負って、玄関を出た。

その際、家の鍵は?

と尋ねると、

こんな年寄りの家に泥棒なんて入るわけが無いから・・・。

と言って笑った。

だから、鍵はそのままにお婆さんをタクシーの後部座席に座らせると、そのまま

すぐに車を発進させた。

走り出してから、

どちらまで行かれますか?

と聞くと、

とあるお寺の名前を告げられた。

こんな時間にお寺に何の用事が?

と思ったが、彼は、そのまま車を走らせると、30分程で、そのお寺に到着した。

すると、そのお婆さんは、車から降りずに、後部座席に座ったままの状態で

お寺の方に向かって手を合わせる。

そして、30秒くらい手を合わせると、彼に、このまま家まで送って欲しいと

言ってきた。

それは構いませんが、もし宜しければ、私が手をお貸ししますから、ちゃんと

お寺の中へ入って手を合わせられた方が良いのではないですか?

と聞くと、

いえ、もう足が不自由ですし、これ以上、運転手さんにご迷惑をお掛けする

訳にもいきません。

それに、お寺の前から、お祈りできただけで十分満足ですから・・・。

そう言って、にっこりと笑った。

そう言われ、彼は、そのままUターンして、もと来た道を戻り、やはり30分くらいで

お婆さんの家に到着した。

そして、料金を払ってもらい、また、お婆さんを背負い、家の中へと入って

行くと、お婆さんがこう言った。

明日から、しばらくの間、毎日、今日みたいにあのお寺まで送迎して貰えませんか?と。

勿論、彼は、その場で快諾する。

そして、それから毎日、午後8時にお婆さんの家に迎えに行き、そのお寺へと

送迎した。

そして、そのおばあさんは色んな事を話しては、懐かしそうに笑う。

それを聞いている彼も、その話がまるで自分の事のように楽しく聞いていた。

それからは、どんどんと、そのお婆さんと親しくなっていき、彼が迎えに行くと、

そのお婆さんは、手料理を作って待っていてくれるようになった。

足が不自由なのに、どうやって作っているんだ?

とも思ったが、

その手料理は、とても美味しく、まるで、彼が幼少の頃に、祖母に作ってもらった

手料理と同じ味がして、とても懐かしく感じた。

ある時などは、あまりに美味しくて、勢い良く食べ過ぎた為、うっかり料理を

ワイシャツにこぼしてしまった事すらあった。

そして、そんな日が何日も続いたある日。

その夜も、ちょうど午後8時に、お婆さんの家まで迎えに行き、料理をご馳走に

なってから、車の中で色んな話をして、過ごしたのだが、お寺からの帰り道、

そのお婆さんが、寂しそうにこう言った。

お寺に送迎してもらうのも今日で最後なんです。

今まで、本当にありがとうございました。

その言葉に、彼も同じように寂しく感じたが、おばあさんから、今夜が最後、と

言われてしまっては、返す言葉は無かった。

だから、彼は、

こちらこそ、今まで本当に楽しい時間をありがとうございしました!

とお礼を言い、深々とお辞儀した。

そして、翌日には、彼はそのお婆さんの所へ行く必要がなくなったが、やはり

どこか寂しく、そして心配だったのだろう・・・。

彼は、ちょうど午後8時に、お婆さんの家にやって来てしまった。

すると、警察の車両が数台停まっていた。

もしかして、強盗にでも入られたのか?

そう思った彼は、急いで車を停めると、玄関前に居た警察官に、何があったのか?と

尋ねてみた。

すると、この家に1人暮らししていたお婆さんが、孤独死されていたんです、と

教えられた。

その時は、警察官が忙しそうに動き回っていたから、それ以上は聞けなかったが、

彼は実際、訳がわからなくなってしまっていた。

だから、それから2日後に、その家へと再び訪れた。

そして、その場で話し込んでいた2人の主婦を見つけて、詳細を尋ねてみた。

すると、彼は驚いてしまった。

どうやら、その家のお婆さんは、お金が無く、水道も電気も止められて、

かれこれ、3ヶ月前には亡くなっていたという事。

そして、遺体が見つかった時、既に一部ミイラ化していたが、その手には、

しっかりと残り数百円になった全財産である小銭を握り締めていたという事。

そして、そのお婆さんの生前の容姿を聞いてみると、間違いなく、彼が毎晩

タクシーでお寺まで送迎していたお婆さんと同一人物だった事が分かった。

どうして、3ヶ月も前に亡くなっていたお婆さんが、タクシーを呼び、そして

送迎される事が出来たのか?

彼は、最初、それを聞いたとき、何故なのか、と必死に考えてみたが、到底

答えなど見つかる筈も無かった。

それよりも、あのお婆さんが、水道も電気も止められ、どんなに辛い生活の

中で孤独死してしまったのかを考えると、いたたまれなくなった。

そして、そんなお婆さんだから、きっと自分の運転するタクシーでお寺までの

ドライブと会話を何より楽しみにしていたのだろうと思うと本当に悲しかったし、

きっと、手持ちのお金が尽きてしまい、自分に迷惑を掛けないようにと、

タクシーでの送迎を断ったのだろうと思うと、その心中を察してあげられなかった

自分が情けなくなってしまった。

そして、彼は最後にこう言っていた。

警察の司法解剖の結果がどうかは分からないけど、

間違いなく、あのお婆さんは、

存在していたのだと。

その証拠に、手料理をご馳走になった時に、

うっかりこぼしてしまったワイシャツの

汚れが、今も取れないまま、残っているんだから・・・・。

そう言っていた。

そのお婆さんは、きっと最後に幸せな時間を過ごすことが

出来たのだと信じたい!
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:49Comments(51)