2017年10月04日

傘をさす女・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日、お疲れ様でした!

昨日の夜、出版社のご担当者様からメールを

頂き、本の売れ行きが好調だとお褒めの言葉

を頂きました。

これも、何度も言いますが、全て読者の皆様の

お陰です。

本当にありがとうございます!

当社でも、それなりの冊数を買ったらしいのですが、

会社に訪問されたメーカーさんなどに対して

優しく購入を奨めて(押し売りともいう)貰い、

殆どが売れてしまったそうで追加注文まで

してくれたそうです。

まあ、メーカーさんが当社に寄り付かなく

ならなければ良いのですが(笑)

それでは、今夜も怖くない話いってみましょう!

それでは、どうぞ~!


これは俺の知人が体験した話である。

その女を最初に見たのは、バーベキューの様子を録画したビデオの中

だった。

その女は傘をさしていた。

雨は降っておらず、それなのに日傘ではなく、普通の紅い傘をさしている。

その女に違和感は感じたが、日差しも強かったので、きっと日傘を忘れた

女が日除け用として普通の傘をさしているのだろうと思っていた。

傘が邪魔になり、顔は確認出来なかったが、傘の下から見える白いワンピース

とその体型から、30代の女性なのだろうと自然に思った。

しかし、それからその女は、彼の周囲に頻繁に現れるようになった。

子供の運動会のスナップ写真にも写り込んでいたし、夏祭りの時にも、

しっかりと写り込んでいた。

最初は似ている他人だろう、と思っていたが、あまりにも頻繁に写りこむもの

だから、やはり気になってしまい、マジマジと観察すると、どうやらそれらは

全て同じ女のようだった。

気になった彼は、過去の写真も引っ張り出して、その女の姿を探した。

すると、春の花見や秋の温泉旅行、そして、冬のスキーの時に写した写真にも、

その女はしっかりと写り込んでいた。

そして、会社の行事で撮影した写真にも・・・。

特に冬に撮った写真などは、周りのスキーウエアの中に1人だけポツンと

ワンピースを着た女が写りこんでおり、さすがに不気味に感じてしまった。

しかし、そこから更に過去に遡って写真を調べてみると、まさに驚愕の事実

が判明してしまう。

それは、彼が生まれた時の写真から、成長していく写真全てに、その女がはっきりと

写り込んでいたのだ。

特に、彼が生まれた間際に写した写真には、赤ちゃんを取り囲み喜んでいる親戚に

混じって、その女が写り込んでいた。

しかも、しっかりと傘を差したままで・・・・。

だから、彼は両親にその写真を見せて、もしかしてこの女を知っているか?と

聞いたのだが、両親には思い当たる女性は居ないとの事だった。

そうなると、その傘を差している女は彼が生まれてからずっと側にいて彼に

付きまとっていた事になる。

彼は、じっとりとした恐怖が背中に圧し掛かってくるような気がした。

そして、それからが更なる恐怖の始まりだった。

それからの彼は何処に行っても何をしていても、いつもその女が側にいる様な

気がしてしまい、とても落ち着かない日々を送る様になった。

そして、やはり誰かの視線を感じた時には、振り返ると必ず其処に、

その女が傘をさして立っていた。

例えばレストランで食事をしていると、何処からか視線を感じる。

そして、彼がハッとして振り返ると、そこにはその女が立っていた。

レストランという屋内にも拘わらず、相変わらず紅い傘を差して・・・・

そして、そんな事が続くうちに彼はある事に気付いた。

それは、その女の姿は彼以外の人間には見えていないという事。

それを知ると、彼の恐怖心は一層強くなった。

いつも付きまとっている女の姿が、実は他の人には全く見えていない、という

事はそれだけで恐怖が増す様な気がした。

そこで彼は共通の友人の紹介で俺を頼ってきた。

初めて彼に会ったとき、俺は彼からその話を聞いたのだが、話を聞いているうちに

かなり違和感を感じてしまった。

とにかく、我が強く高圧的な話しかたをする。

俺の最も苦手とするタイプだった。

そして、理不尽な事に、通常、そういう人間に限って悪霊にはとり憑かれない。

更に、違和感の理由は他にも在った。

それは、彼が霊にとり憑かれているわりには、とても元気で肌の血色も良かった

という事。

通常、本当に悪霊にとり憑かれているとすれば、当然、それが顔にも表れるもの

なのだが、彼からは、そういうものは一切感じなかった。

そして、彼は話すだけ話して、俺自身には、それを祓うだけの能力が無いと判ると、

すぐに横柄な態度で、誰か他の霊能者を要求してきた。

正直なところ、こういう輩は、助けたくもないのだが、紹介してきた友人には

いつも世話になっているから、無下にも出来なかった。

そして、俺はいつものAさんに連絡を取った。

今回ばかりは断られても仕方がないと覚悟していた。

すると、Aさんは、

ええ、いいですよ。

と二つ返事で快諾した。

俺は、驚いて聞き直した。

あのね・・・相談者は、かなり性格に問題があるタイプなんだけど、本当に

受けるの?

というか、断っても良いんだけど?

すると、

Kさんの方からお願いしてきて、私がOKしてるのに、断っても良いとか・・・。

意味が分からないんですけど?(笑)

と笑われてしまった。

そして、

まあ、相手がどんな奴でも関係ないですから気にしなくて良いです。

今回は、私がやらなければいけないことが、在るみたいなので・・・。

そう言って電話を切った。

そして、当日、俺は気が進まないまま、Aさんを連れて彼の元を訪ねた。

すると、

遅かったな!

と彼が待ちかねたような態度で出迎えた。

そして、俺が連れてきた霊能者が女性だと分かると、

なんだ。女なのか?

本当に大丈夫なのか?

と相変わらずの横柄な態度が鼻についた。

俺は恐る恐るAさんの顔を見ると、特に気にしてはいない様子であり、それも

俺には不思議に感じた。

いつものAさんなら、間違いなく、

こんな奴救う価値ゼロです。帰りましょう!

と言って来る筈なのだが・・・。

すると、彼はまず除霊に対する代金の話からはじめる。

これも、Aさんが最も嫌うパターン(汗)

そして、本題である傘をさした女の霊の話を、身振り手振りを交えて大袈裟に

話し出す。

そして、一通り話し終えると、

たぶん、あいつは俺が生まれた時からずっと俺を付け狙ってるんだ!

だから、あんなバケモノはとっとと退治してくれ!

二度と俺の前に現れないように・・・・・。

あんたなら、それが出来るんだろ?

そう言った。

すると、そこまで黙って話を聞いていたAさんは、ゆっくりと冷静に

喋り出した。

謝礼は・・・お金は必要ありません。

特に貴方みたいな人からは1円だって貰いたくありませんから、ご安心を。

それに今回、最初にこの話を聞いた時、絶対に救わなければ、と私自身が

思いましたから。

それと、さっきから、退治とか威勢の良い事を言ってますけど、その女の霊は、

今もこの部屋の中に居ますよ。

貴方のそばにじっと立っていますから・・。

そこまで聞いた彼が、

おい、マジか?

それなら、さっさと消してくれよ!

モタモタするな。

そう言われ、Aさんは一瞬、顔が険しくなったが、それでもすぐにいつものクールな

顔に戻り、こう言った。

その前に1つだけ貴方に質問させてください。

貴方は今、女がそばに居る状態で何か危険を感じますか?

そして、今まで生きてきて、その女の霊の仕業で酷い目に遭った事もありますか?

すると、彼は、

当たり前だろ!

この部屋に居るって聞いた途端に全身に鳥肌がたってるよ。

それに、ずっと付きまとって、俺が隙を見せるのを待ってるんだろうが?

だから、早くなんとかしろ!

とまくし立てる。

それを見たAさんは、ため息をついてから、こう言った。

本当に救う価値が全く在りませんね!

さっき、私が絶対に救わなければ・・・と言ったのは貴方に対してでは

ありません。

はっきり言うと、あんたなんかを救う為に私は此処まで来た訳じゃない!

その女の霊を救わなければ・・・という意味で言っただけ・・・・。

はっきり言いますね。

その紅い傘を差したまま立っている女の人は、貴方を生まれた時から護っている

とても徳の高い霊なんです。

貴方なんかより、よっぽど救う価値がある霊という事です。

貴方が生まれた時、貴方はすぐに死ぬ運命だったのに、何故かその霊が

救ってくれて、それからはずっと・・・・です。

何から貴方を護ってきたのかは、あえてここでは言いませんが・・・。

普通の霊能者だったら、すぐに逃げ出すくらいの恐ろしいモノ・・・。

あの女の霊だって、好き好んで貴方のそばにずっと居る訳では無いんです。

ただ、貴方を救いたいという気持ちだけで、ずっと貴女のそばにいなければ

いけなかった尊くも可哀相な霊なんです。

でも、貴方のお陰で、もう疲れ果てて限界が近づいています。

だって、救っても救っても、貴方はいっこうに、立派な人間になって

くれないんだから・・・。

それも仕方のない事ですけどね。

だから、私が今一番しなければいけない、と思ったのは、その女の人を

天に戻してあげるという事。

間違っても貴方を助ける気なんか更々有りませんから。

そこまで話すと、Aさんは更に顔を険しくしてこう言った。

それでは、最後に聞きますけど、本当にその女の霊を貴方から引き離しても良い

んですね?

二度とそばに近寄れなくしてしまって大丈夫なんですね?

と彼に聞いた。

彼は、Aさんの話をちゃんと聞いていたにも拘わらず、

ああ、勿論だ!

さっさとやれ!

と答えた。

すると、Aさんは、ニコっと笑って

分かりました。

と言って立ち上がった。

そして、彼に向かって、

それでは、今後起こる事全ては自己責任ということで・・・。

とだけ言うと、目をつぶり何かを呟いた後、さっさと家から出て行こうとした。

すると、彼が、

おい。まだ何もしてないだろ?

ちゃんと退治してから帰れよ!

と喚くので、Aさんは、

もうとっくに終わってますよ。

退治なんかはしていませんけどね。

でも・・・・。

二度とあの女の霊が貴方の前に現れる事はありませんから、ご安心を!

そんな心配よりも、今後の身の安全について対策した方が良いと思うけど?

そう言うと、さっさと玄関から出て行った。

俺も慌ててAさんの後を追ったが、その時見たAさんの顔は不思議と、

晴れ晴れとした顔をしていた。

それから、数ヵ月後、彼の訃報が入ってきた。

車の運転中に、スピードを出したまま、ビルの壁に激突して亡くなったという知らせ

だった。

彼は、その前から、ずっと得体の知れない恐怖に押し潰されそうになっていた

らしく、亡くなった時の顔も、恐怖と安堵が混じった顔をしていたという。

そして、俺がAさんにそれを話すと、Aさんは、すかさず、こう返してきた。

きっと、あの悪霊に追われ続けていた恐怖と、そして死ぬ事でそれから逃れられた

安堵感が混じっていたんでしょうね。

でも、全ては彼が選んだ事ですから・・・・。

まあ・・・・自業自得ですかね。

そもそもは、生まれた間もなく死ぬ運命だったんだから、長生き出来て良かった

じゃないですか?

あんな恐ろしいモノから、ずっと護ってくれていたのにねぇ・・・・。

そう言って、大きなため息をついた。

そして、まあ、強い守護霊が付いていても、その価値が分からない人も1人

知ってますけどね(笑)

そう言って、1人で笑っていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:30Comments(29)