2017年10月09日

無人島での出来事

サインディスプレイ部  営業のKです。

お休みの方も、お仕事だった方も、今日も1日、

お疲れ様でした!

今日は、朝起きて、珈琲を飲んでいると、

うちの大監督(娘)も起きて来て、

昨晩は遅くまで勉強していたから、今朝は

朝風呂にでも入ろうかな~

と言ってお風呂場に向かいました。

高校生が朝からお風呂かい?

と思いつつ、そういえば、昨晩は遅くまで

娘の歌声が聞こえていた様な気がしたが、

あれは夢だったのか?と思っていると、

突然、娘が全裸で部屋に飛び込んでくる。

ど、どうした?

というか、バスタオルくらい巻いてくれ!

頼むから(涙)

と言うと、

お風呂場に蜘蛛が居たの~(泣)

と半泣き状態・・・。

そして、風呂場を見に行くと、何もいない。

だから、

蜘蛛なんて、何処にいるの?

と聞くと、娘が走ってきて、

此処!

と指差す。

そこには、私の肉眼では発見不可能な程の

とてもミニマムな蜘蛛が!

というか、どれだけ視力が良いのだろうか?

というか、全裸は勘弁してくれ!

と愚痴をこぼしつつ、今夜も怖くない話、

いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺の知人が体験した話である。

彼は、輸入品を扱う会社の社長であり、その買い付けにも自分で出向き、

それこそ休む暇なく世界中を飛び回るような生活をしている。

そんな生活だから、結婚もしておらず、立派な自宅にも、なかなか帰ることすら

侭ならないという有様。

正直、そこまで働いてどうするの?と聞きたくなってしまうのだが、彼には彼の

人生プランというものがあるらしい。

その人生プランというのは、とりあえず働けるうちはがむしゃらに働いて、

そして、ある程度の貯金が貯まったら、のんびりと生まれ育った故郷でのんびりと

過ごしたいというものだった。

ただ、彼の生まれ育った故郷というのは、昔はそれなりに沢山の人が住んでいた

らしいのだが、本土からも離れており、不便過ぎる生活の為に、どんどん

人口が少なくなっていき、今では完全な無人島になっている。

だが、彼に言わせれば、そんな事は全く問題にならないのだという。

それどころか、無人島とはいえ、生まれ育った場所に自分ひとりだけで住める

というのは、願ってもない事だ、と常に言っていた。

将来的には、出来る事なら、その無人島を買い上げたいと思っているらしく、

彼の夢はどこまでも尽きる事がない。

そんな彼だから、少しでも連続した休みが取れた時には、決まってその故郷の

無人島へ行ってのんびりと過ごすのだという。

確かに、電気も水道も通っていないらしいが、それでも当時の家や建物はまだ

それなりに使用出来る状態のものもあるらしく、その中でもいつも彼は、

島にひとつだけある消防用の監視タワーの中にキャンプ道具を持ち込んでは

そこから見える風景を眺めながら昼夜を過ごすのが、お気に入りとの事だった。

その監視タワーというのは、もともと灯台として設計されたのではないかと

思えるほど、灯台に類似しているらしく、建物がコンクリートのままであり、

灯台用の大型ライトが設置されていない事を除けば、その形と言い中の構造といい、

まさに灯台そっくりなのだという。

鉄製のドアを開けると、そこからは螺旋階段が続いており、それを60段ほど

のぼると、また鉄製のドアがあり、そのドアを開けると、そこにはまるで宿泊

する為に造られたのではないか、と思えるほど、

フラットで広いコンクリートに囲まれた部屋が現れる。

そして、その部屋は全面がガラス窓で覆われており、その窓の外には

その部屋を取り囲むように、狭いながらもテラスのようなものが設置されている

という事だった。

そして、そのテラスから見る島やその周りの海は、とても言葉では言い表せない

程の素晴らしい眺望なのだという。

だから、その場所は、彼にとっての秘密基地的なものであり、そこに行くと

彼も子供の頃に戻れたようなノスタルジーに浸れるのかもしれない。

そして、その年も彼は、無理に仕事のスケジュールを調整して、その島に

やってきた。

島まで行くのは、いつも一番近くの港の漁船の漁師さんに頼んで、その島まで

送ってもらい、帰りはまた、指定しておいた日時にその漁師さんに船で

迎えに来てもらっていたのだが、その港から、その島まではかなりの距離があり、

その為だけに船を出してもらっていた事もあり、それなりに高額な船代を

渡さなければならなかったが、それは仕方ないとしても、いつも船での

送り迎えの際、漁師さんから聞かされる話が彼は嫌いだった。

それは、その島が無人島になってしまった理由であり、十数年前にそこで

惨劇が起こり、それ以来、その島は呪われ、ひとり、またひとりと島民が

島から出て行ってしまい、ついには無人島になってしまったという話だった。

そして、その島は今でも呪われているらしく、彼を降ろした漁師は必ず逃げる

ように、その場から帰っていくのだった。

勿論、彼自身、故郷の島が何故無人島になってしまったのかは、親からも

教えなれていなかったのだが、それでも、自分の大切な故郷の島を、そんな

風に恐れ嫌っている漁師達には、彼自身、良い印象は持っていなかった。

その日も、彼を降ろした漁師は、そそくさと逃げるように島から立ち去った。

彼はフーっと深いため息をついたが、気を取り直して、島にある坂道を登っていく。

相変わらず、空気は美味しく、海からの潮の香りも格別だった。

彼は大きく深呼吸し、その香りを一気に吸い込んだ。

さすがに辺り一面には雑草が伸びて、ここが無人島である事を主張していたが、それも

ここが無人島である事の証であり、彼は再びこの島に戻ってきたのだと実感した。

すると、少しずつ空の雲行きが怪しくなってくる。

今にも雨が降り出しそうな空模様だった。

彼は歩く足を速めて、いつもの灯台もどきの建物を目指した。

10分ほど歩くと、その建物に到着した。

いつものように鉄のドアを開け、中から鍵をかけた。

どうして、無人島なのに鍵をかけるのかは自分でも分からなかった。

無人島である事は分かっているのだが、さすがに日頃の習慣というものはなかなか

抜けてくれない。

彼はそう思っていたが、やはり彼自身、何かの存在を無意識のうちに感じて

いたのかもしれない。

そして、重たい荷物を背負ったまま、ひたすら螺旋階段をのぼっていく。

前回、来た時に掃除した筈の階段も、あれからかなりの日数が経っているせいか、

既に埃が積もっている。

すると、階段には、裸足でのぼった様な足跡が残されていた。

あれ?

とは思ったが、彼はそれを気のせいだと片付けてしまう。

そして、息が切れてきた頃に、ようやく階段をのぼりきり、ドアの前に出た。

ドアを開け、中に入る。

そこは彼にとってまさに自分の部屋という感じになってしまっており、彼は

懐かしさとそこに戻ってきた安堵感に、疲れが一気に吹き飛んだ。

そして、荷物の中から、お湯が入った保温ボトルを取り出すと、

彼はコーヒーを作り、金属製のマグカップに注いだ。

そして、コーヒーを飲みながら、タバコに火をつけて、テラスに出る。

そこから景色を眺めながら、コーヒーとタバコを味わうのが彼の決まりごと

の様になっていた。

しかし、その時は、どんどん空が暗くなっていき、打ち寄せる波もかなり

高くなっているのが分かった。

せっかくの日なのに、雨は降って欲しくないな~

そう思いながら

彼はそそくさと窓から部屋の中に戻ろうとしたが、その時、窓の外側に

沢山の手形が付いている事に気付く。

誰の手形だ?

前回来た時には、こんな手形あったかな?

彼はそう思ったが、さして気には留めず、そのまま部屋の中に入った。

そして、窓を閉めると、早めにランタンで明かりを点け、晩飯の用意をする。

晩飯の用意といっても、買いこんで来た弁当や缶詰、そしてカップ麺などを

準備するだけなのだが、やはりキャンプと同じように、食事の時が何より

楽しいのだという。

そして、それらを食べながら、チビチビと酒を飲んでいると、一気に

睡魔が襲ってくる。

彼は、寝袋を出して寝なければ・・・・と思いながらも、ついその場に

崩れ落ちるようにして寝てしまう。

それから、どれだけの時間が経過したたろうか。

彼は、ある音に気付き、目が覚めた。

それは、紛れもなく、誰かが階段をのぼってくる音に聞こえた。

何故か雨は降らなかったのか、静寂の中にその音だけが響いている。

時計を見ると、午前2時を廻っていた。

ここに宿泊するようになってから、そんな音が聞こえたのは初めてだった。

そして、なによりも、無人島であるはずのこの島には彼以外の人間などいる筈も

無かった。

俺以外の誰かが、この島にいるのか?

彼は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

しかし、どう考えても、この島には誰もいないのは、過去の島の探索により、明らか

であり、しかも、こんな真夜中に誰かが訪ねてくるなどあり得ない事だった。

それに建物に入る鉄製のドアには、当然鍵も掛かっている。

だから、彼はどうしても信じられず、その足音に耳を傾けた。

それは、どうやら革靴を履いた誰かが、ゆっくりと階段をのぼってくるような音に

聞こえる。

しかも、ゆっくりと確実にその音は、彼が居る最上階へと近づいてきていた。

彼は、その足音に全神経を集中しながら、荷物の中に入れておいた携帯用の

ハンマーを手に取った。

もう、足音はすぐ近くまで近づいて来ている。

その時、彼は、ある事に気付いた。

この建物を入り口のドアの鍵は閉めたが、この部屋のドアの鍵は閉めただろうか?

彼には、鍵を閉めた記憶が無かったし、いつも食べ終えた弁当などをドアの外に

出しておく習慣が付いていたのも間違いなかった。

そこから導き出した結論は、鍵はかけられていない、というものだった。

足音はドアのすぐそばまで近づいている。

彼は、ドアに飛びつくように近づくと、ドアノブの下にあるロック用のレバーを

横に倒した。

と、それと、ほぼ同時に、突然ドアノブがガチャガチャと回される音が聞こえてきた。

ただ、やみくもにドアノブを回し続ける様子は、それがたとえ人間だとしても、

とても普通の人間の行為とは思えなかった。

彼の心臓は大きく波打っていた。

彼は固まったまま、ドアの側に立っていたが、次の瞬間、鉄製のドアが、

グァン、グァン、と叩かれた。

彼はビクっとなって、思わず、ドアから飛び退いた。

人間の手というよりも、何か硬いものでドアを殴りつけているような重く硬質な

音だった。

彼は気持ちをしっかり持たなくては、と自分に言い聞かせる。

しかし、どうしても、ドアの外にいるモノの姿を想像してしまい、それはすぐに

恐怖に変わってしまう。

彼は思い切って、声をかけようか、それとも声を殺してやり過ごそうか、どちらが

最善策なのかを考えた。

しかし、その答えは既に出ていた。

ドアの外にいるモノが、人外のモノなのか、それとも狂った人間なのかは、

分からなかったが、どちらにしても、彼が思う常識というものが通用しない

相手である事は間違いなかった。

彼は声を押し殺し、携帯用のハンマーをしっかりと握って、必死に耐えた。

すると、今度は、別の何かが、階段をのぼってくるような音が聞こえてくる。

それも、1人や2人ではなく、大勢のものが大挙して階段をのぼってくるような

音であり、その音に混じって、ザワザワという声も聞こえてくる。

彼は、持ってきたリュックの中を必死に探り、長いロープを取り出した。

階段から逃げられないとしたら、もう、展望台からロープを垂らして、それを

伝って下に降りるしか方法は残されてはいなかった。

それは、とても危険であり、下手をすれば、命を落としかねない危険極まりない

行為だったが、彼にはもうそれしか逃げ道は残されていなかった。

彼は、その場で立ち上がり、展望台の方を向いた。

そして、展望台へ出ようと、窓に近づいた。

その時、突然、雷が鳴り、辺り一面が白く光った。

そして、一気にどしゃ降りになる。

すると、その光に照らされるように、窓の外にビッシリと張りついた大勢の

亡者の姿が一瞬見えて、そして消えた。

それらの姿はおぞましいほどに腐っており、彼はその瞬間、意識が遠のくのを

感じ、その場に倒れ掛かる。

そして、意識が完全に消えてしまうまでのほんの少しの間に、ドアと窓から

入ってくる腐った亡者達の姿を見た。

そこからは、完全に意識が飛んでしまい、何も覚えていなかった。

そして、次に彼が目覚めた時、既に朝になっていた。

そして、彼が寝ていたのは、昨晩寝泊りしていた灯台もどきの建物ではなく、

断崖絶壁の上だった。

体が半分くらい絶壁の外に出た状態であり、どうして落ちなかったのか、は

自分でも不思議なくらいだった。

ほんの少しでも動けば、その場から海へと落ちてしまいそうだったが、何とか

その場から離れる事に成功し、彼は一気に船で迎えに来てくれる場所まで

走り、携帯で漁師さんに連絡をとり、お金は幾らでも払うから、今すぐに島まで

迎えに来てくれる様に頼んだ。

最初は渋っていたが、それでも彼の切羽詰った感じが判ったのか、すぐに船を

出してくれると言ってくれた。

それから、彼は船が到着するのをひたすら待った。

昨夜、見たモノ達の姿が脳裏をよぎり、またあいつらが襲ってくる様な

気がしてしまい、恐怖が圧し掛かってきた。。

とても長い時間に感じ、生きた心地はしなかったという。

しかし、思っていたよりも早く船が到着したのだが、そこにはいつもの漁師さん

の他に、3人ほどが乗っていた。

やはり1人で来るのは恐ろしかったらしい。

そして、船を見つけ、大きく手を振っている彼だったが、漁師さん達は、何故か

恐れおののいた様な顔をして、船着場に船を着けようとしなかった。

そして、彼に、

船の場所まで泳いで来い!

と言った。

彼は、何故?と思いながらも、必死で海の中を泳いで船までたどり着くと、

全員で彼を海の中から引っ張りあげてくれた。

そして、彼の顔を見た漁師達は、少し哀れんだ様な顔をして、こう言った。

あんた、自分の顔を鏡で見てみなよ!

そう言って手渡された手鏡で自分の顔を見た時、彼は驚愕した。

そこには、何か鋭いもので引っ掻かれてミミズバレになったように、顔中に

格子模様の痕が付けられており、そしてちょうどオデコの辺りには、

漢字で大きく、”迎”という文字がはっきりと残されていた。

それを見て呆然としている彼に、猟師達は何が起こったのか?すら聞こうとはせず、

そのまま逃げるように船を出した。

そして、昨晩体験した話をしようとした彼を遮るようにこう言った。

何も言わんでええよ!

大体の事は想像出来るからな・・・。

それに、どうしてさっきは船着場に船をつけなかったのか、あんたは分かってるのか?

と聞いてきた。

彼が首を横に振ると、一人の漁師が答えてくれたという。

あんたのすぐ後ろに、満面の笑みを浮かべて、手を振っている大きな女がいたからさ。

あんなのは、もう見たくないな・・・・。

そう呟くように言った。

それから、何とか船で本土に戻る事が出来た彼だったが、

もう二度とその島に近づく気にはなれなかった。

あれから、既に2年の月日が経過しているが、彼の身に怪異は起こっていない。

ただ、額に残された、”迎”という文字は今も消えないままである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:50Comments(24)