2017年10月18日

吊り橋の向こう側・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、こんばんは。

そして、お疲れ様です!

うちの娘の修学旅行も2日目。

今夜は仙台で宿泊している筈です。

で、明日はいよいよディズニーリゾートですね。

雨の・・・・・(笑)

で、今日、驚愕の事実が発覚しました。

修学旅行のお小遣いとして、妻から4万円貰っていた

うちの娘ですが、内密に私の祖父から3万、そして

それを知らない私から3万、そして、それらを全く

知らないうちの妻から、別途2万。

合計12万という大金持ち状態で旅行中だという事が

判明しました。

おみやげが、任天堂SWITCHに代わらない事を

祈るばかりです(笑)

それから、つぼみさんをはじめ、皆さん、コメント欄には

誹謗中傷や荒らし行為以外なら何を書いて頂いても

結構ですよ(笑)

そして、文庫本のサイン依頼もお待ちしております。

ただし、金箔の栞は無くなり次第、終了になりますので、

ご了承くださいませ!

それでは、今夜も怖くない話、スタートです。

どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼は登山というよりも山の散策が趣味であり、特に山菜取り

のシーズン

になると、毎週末、山へと出掛けていた。

朝早くに山へと出掛け、それほど高くない場所で山菜取り

をして、

昼には妻お手製のお弁当を頬張る。

そして、また山菜を採ったり綺麗な風景の写真を撮ったり

しながら

一日中、山で過ごし、夜になる前に帰宅する。

しかし、やはり山菜取りともなると、自分の過去の経験に

よってだいたい

良く行く山というのが決まってしまうものらしく、

それがつまらないと

感じた彼は、同じ趣味を持つ知人にそれとなく聞いてみた。

すると、彼がいつも通っている山から、さほど遠くない

場所にある山が

山菜の宝庫なのだという。

それを聞いた彼は、早速次の日曜日に下調べを念入りにして、

教えて貰った

山へと向かった。

邪魔にならない場所に車を停め、すぐに登山を開始した。

その山は当然、彼には初めての山だったのだが、歩き出して

しばらく

すると、おかしな事に気付いた。

それは、どれたけ歩いても、彼の他には、人が全く居ない

という事だった。

普通、山菜の宝庫とまで言われる場所ならば、少なくとも

山菜取りの季節

の間は、朝から夕方まで沢山の人で賑わうのであるが・・・。

まあ、細かい事は気にしない性格の彼は、人が居ない事を

逆に喜び、山道を

のぼる足にも一層力が入った。

そして、歩き始めて30分くらい経った頃、彼の目の前には、

吊り橋が現れる。

こんな処に川などある筈もないのに、何の為の吊り橋なんだ?

そう思って、吊り橋に近づくと、眼下には、かなり深い渓谷があり、それを超える

為の吊り橋だという事が分かった。

こんな所に吊り橋があるなんて聞いてないぞ・・・・。

彼はかなり動揺してしまう。

実は彼は吊り橋というものが苦手だった。

歩く度に揺れるあの感覚がどうしても耐えられないのだ。

下調べでは、こんな所に吊り橋など無かった筈。

そう思ったが、現に目の前には吊り橋が在るのだ。

そして、この吊り橋を超えていかなければ、山菜の宝庫には辿りつけない。

彼は出がけに、妻に山菜の大収穫を宣言してきた事を思い出し、その重い足を

吊り橋へと進めた。

それにしても、とても長い吊り橋だった。

ある意味、観光名所になってもおかしくない程の長さだったが、それが彼にとっては

苦痛以外のなにものでもなかった。

それでも、彼は妻の顔を思い出しながら、一歩一歩と吊り橋を進んでいく。

大丈夫なのか?と不安になるほどの細めのロープと、薄めの足板だけで

出来ている吊り橋は、足板の隙間から、下が透けて見え、彼は出来るだけ下を

見ない様にして歩をゆっくりと進めた。

しかし、実際に歩き始めると、その吊橋は簡易的な造りの割には揺れは

少なかった。

確かに一歩進むたびに、足を乗せた足板が、ギシッという音と共に、大きく

しなるのだが、それ以外は予想以上に怖さは感じなかった。

これなら俺でも大丈夫かも・・・・・。

そう思い、彼はその吊橋をさっさと渡ってしまおうと思った。

と、その瞬間、吊り橋が大きく揺れた。

それは普通の揺れ方ではなく、彼が手摺のロープをしっかり持っていなければ、

吊り橋から落ちてしまっていたかもしれない程の人為的な揺れだった。

危ないじゃないか!

しかし、彼の前には誰も居ない。

彼は、思わず後ろを振り返った。

すると、そこには明らかに場違いな格好をした男の子が笑っていた。

一応は山歩き用の服装で固めていた彼とは対照的に、まるで昔の

時代劇にでも出てくるような汚い着物を着ていた。

そして、丸坊主の頭で裸足のまま吊り橋の乗り口に立っていた。

彼は、思わず、ムッとしてしまい、大声で

危ないじゃないか!

そんな事はしちゃいけないって学校で習わなかったかい?

と叱りつけた。

しかし、その男の子は満面の笑みを浮かべて微動だにしない。

彼は、拘わらない方が得策だと考え、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと

前を向いた。

そして、歩き始めた途端、再び、大きな揺れが襲ってきた。

その揺れは先ほどの揺れとは比べ物にならない位、強烈なもので、彼は危うく

谷底へ落ちるところだった。

彼は両手で手摺のロープを掴み、うずくまったまま、再び背後を振り返る。

いい加減にしろ!

そう言おうとして止めた。

そこには、先ほどの男の子よりもかなり近い距離に、大人の男が吊り橋に乗って

立っていた。

その姿は、とても背が高く屈強な体をしており、先ほどの子供同様に着物を

着ていたが、そのギラギラとした目からは明らかな殺意が感じられた。

まさに鬼の姿そのものだった。

一体、この吊り橋はどうなっているんだ?

次から次に、どうして俺の邪魔をしに来るんだ?

そう思い、頭にきたが、今、吊橋に立っている男は、少なくとも絶対に

係わり合いにならない方が得策なのは明らかだった。

彼は再び前を向いて、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと足早に歩き出す。

吊り橋も残り10メートルくらいになった時、彼の目の前には、不思議な

光景が広がっていた。

先ほどはそんな物は見えていなかった。

しかし、今、彼の目の前には、吊り橋を渡りきった場所で、沢山の人達が

そこに集い、バーベキューをしてビールを飲んでいた。

其処に居る誰もが楽しそうに笑い、まさにユートピアという感じに見えた。

そして、その近くには、手付かずの山菜が所狭しと群生していた。

もしかして、友人が言っていたのは此処の事だったのか?

彼はまさに宝の山でも見つけたように活気付いた。

すると、吊り橋の向こうにいる人達が彼に声をかけてくる。

早くこちらへ渡らないと危ないですよ!

ビール冷えてて美味しいですよ!

ちょうど、肉も焼き上がりましたから一緒にどうですか?

それは彼にとってはどれも魅力的な言葉だった。

そして、そこに集っている人達は、その誰もが優しそうな顔をしており

絵に書いたような善人ばかりに見えた。

だから、彼は一気に吊り橋を渡りきろうと足を踏み出した。

すると、その瞬間、

こっちに来てはダメ!

まだお前が来る所ではない!

という声が彼の頭の中に響いてきた。

それはどこか懐かしい声に聞こえた。

彼は必死に声の主を探した。

すると、楽しそうに彼に手招きをする男女から少し離れた場所に

険しい顔をして立っている女性を見つけた。

他の誰もが笑っている中では、とても異様に見えた。

だだ、他の者達が見せる笑顔が、彼にはとても違和感のあるものに感じられ、

それに比べると、逆に自然な感じがする。

だから、彼の目を凝らして、その女性の姿を見た。

それは、紛れもなく数年前に亡くなった彼の祖母だとすぐにわかった。

祖母に会えた嬉しさに彼は舞い上がり、駆け寄ろうとした。

しかし、祖母は悲しそうな顔をしたまま、首を横に振った。

祖母は生前、ずっと彼の事を可愛がってくれていた。

その祖母が、こちらへ来るな、というのには、きっと大切な訳

が在るに違いない。

そう考えると、彼が今置かれている状態が少しだけ理解出来た気がした。

きっと、この吊り橋の向こうは、あの世になるのだろう、と。

そして、吊り橋の入り口に立つ男は、きっと俺をあの世に

行かせようとしている

人外のモノなのだろう、と。

そして、そんな状況の中でも、祖母は俺を助けようとしてくれている。

だとしたら、俺はなんとしてでも、この吊り橋を戻らなければ・・・。

彼はそう思った。

そして、振り返ると、一気に今歩いてきた吊橋を戻り始めた。

怖いなどと思う余裕も無かった。

彼は一気に吊り橋を走った。

吊り橋の乗り口には、先ほどの大男が立っていたが、そんな事はどうでも良かった。

祖母の思いを無駄には出来ない。

ただそれだけを考えて走った。

大男は再び吊り橋を揺らすようなジェスチャーをしたが、結局は何も

してこなかった。

そして、彼がその男に体当たりするようにぶつかった瞬間、その大男も消えた。

そして、彼は転ぶようにして何とか無事に吊り橋を戻りきった。

体が痛い部分もあったが、それよりも吊り橋の向こうにいる祖母に無事に

渡りきった自分を見て微笑んでもらいたかった。

だから、彼は起き上がると同時に吊り橋の方を振り返った。

彼は呆然としてしまった。

もう目の前には吊り橋など存在していなかった。

見渡す限りの平坦な野原が広がっている。

そして、そこには当然のように、笑顔を振りまく人達も、そして彼の亡くなった

祖母の姿もすっかり消え去っていた。

彼は夢でも見ていたのか?と思ったが、それでも、彼の両腕には、吊橋の

ロープで擦り切れた傷跡がしっかりと残っていた。

訳が分からなかったが、とにかく祖母が今も自分を心配して何処からか

見てくれており、助けてくれた。

それが、とても嬉しかった。

そして、彼はそれ以上、山にはのぼらず、そのまま逃げる様に家に帰ったという。

山ではこういう不思議な事があるんだよな、と得意気に話す彼の顔が

印象的だった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:04Comments(21)