2017年10月20日

見附島という所・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日も1日お疲れ様です!

うちの娘がようやく修学旅行から

帰ってきました!

妻から娘を金沢駅まで迎えに行くように言われ、

仕事帰りに迎えに行きました。

で、帰りの車の中で、

福島県は何が良かった?と聞くと、

喜多方ラーメン!

仙台は?

牛タン!

東京は?

もんじゃ焼き!

・・・・・・・・・。

食い物しか記憶に無いんかい?

そして、無事、自宅に戻ってきた娘は、

妻と一緒に焼肉を食べに行きました!

お父さんを1人残して・・・・・(涙)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

石川県の奥能登地方に見附島という観光地がある。

同じ観光地である恋路海岸からも近く、今ほど観光PRが盛んでなかった

当時でもそれなりに観光客が大勢訪れていた。

しかし、それも昼間の話である。

夜ともなると、明かりは遠くの外灯くらいしかなくなり、一気に暗闇

が支配する空間に変貌する。

実はその時は、友人と2人でその場所を訪れた。

何をしに出かけたか、と言えば、勿論、怖いモノ見たさ、ということになる。

実は、心霊好きの間では、この見附島と恋路海岸は、密かに心霊スポットとして、

有名だった。

ただ、実際には恋路海岸に先に訪れてみたのだが、やはり恋人のメッカという

こともあり、夜だというのにカップルが点在していた。

それで、やむを得ず、見附島に目的地を変更したのを覚えている。

見附島に到着すると、まずその暗さに圧倒されてしまう。

暗闇の中に波の音だけが響き、そして、前方には大きな見附島がぼんやりと

見えており、その島の形がまるで軍艦のようであり、俺達は圧倒されてしまう。

それでも懐中電灯片手に海岸へと降りていく。

海岸へ降りると、更に波の音が大きく聞こえ、そして、前方にそびえる

見附島もより一層大きく見えた。

暗闇の中だといつもとは段違いに見附島が大きく迫ってくるように見える。

俺達はとりあえず、懐中電灯を片手に辺りを散策した。

それは、まわりにカップルさん等が居ないかどうかを確認する為に。

やはり、カップルさんの甘いひと時を邪魔したくはなかったから・・・。

辺りをぐるっと回ってみるが、カップルの存在は確認出来なかった。

そして、その頃になると俺たちの目も、しっかりと暗闇に順応し、それなりに

視界が確保できるようになっていた。

そこで、当初の予定通り、見附島に向かって歩き出した。

実は、見附島という島には、石で出来た足場が続いており、砂浜から見附島まで

海の上を石段を進む事で近づく事が出来る。

ただし、途中の石が水中に浸かってしまっている事から、昼間は誰もそこを

渡って見附島まで行こうとはしない。

それは、俺達も同じで、理由は単に恥ずかしいから、というものだった。

だから、そこに来た目的のひとつが、誰も居ない状態で、心置きなく、石段を

歩き、見附島までたどり着いてみたいという事だった。

俺達は、ズボンを膝まで捲り上げ、ビーチサンダルに履き替えて、石段を歩き出した。

その時は、そこそこ波も荒く、暗闇の中ですぐ近くから聞こえる波間の音は、

それなりに迫力もあり、なかなか足が前に出ない。

それでも、後ろからついてくる友人に急かされるように、前へと歩いていく。

今、ここで海に落ちたら、深さはどれ位あるんだろうか?

そして、そのまま波にさらわれてしまう事はないのか?

などと声をかけあっていたが、実は俺が一番恐ろしかったのは、そうではなかった。

何かが海の中に居るような気がしていた。

真っ暗な海の中を歩いているから、そんな風に感じたと思うかもしれないが、

その時、俺は確かに、海の中から見つめる視線のようなものを感じていた。

海の中に沈んだまま、海の上を歩いていく俺達を見ている何かを・・・。

そんなだったから、一歩進むたびに、ついつい前方の見附島よりも、左右に広がる

海の方ばかりを気にしていた。

そして、いつのまにか、俺達は、見附島にかなり近い場所にある、石段が海の

中に沈んでいる場所まで来てしまっていた。

友人が言った。

ここからが、いつも進めないんだよな・・・。

まあ、濡れるのを覚悟しなくちゃいけないんだからな・・・。

どうやら、友人には、海の中から、こちらを見つめている得体の知れない視線

を感じられてはいない様だった。

そして、俺が先頭で、いよいよ水中に沈んでいる石段に足をかける。

夏という事もあって、水はさほど冷たくはなかった。

しかし、どこか冷たさと生暖かさが混じったような海水が気持ち悪くて、俺は

そそくさと、海中に沈んでいる石段部分を渡りきろうとした。

視線は、左右の海に釘付けになっていた。

そのとき、後ろを歩く友人が大声を上げた。

おい!あれなんだ?

俺は友人が指差した方をまじまじと見た。

すると、そこには、暗闇の中に誰かが立っていた。

俺たちと同じように、見附島から砂浜に向かって歩いてきたのか、石段の上に立ち、

俺たちの方をまっすぐに見ていた。

まるで、雅楽の舞のような着物を着た何かが、俺が立っている石段のほんの5メートル

ほど先の石段の上に立ち、微動だにしていない。

あまりに動かないので、あまりにも現実味が感じられなかった俺達は、懐中電灯で

前方のソレを照らしてしまった。

すると、其処に立っている者の全貌が見えた。

やはり雅楽の舞の時に着るような着物を身にまとい、顔には真っ白なお面をつけた

背が高く細身の人型のモノが、じっとこちらを見据えたまま立っていたのだ。

見附島は当然無人島であり、こんな夜更けに島から戻ってくる者など居るはずも

なかった。

もしも、そんな者がいるとしたら、それは人間ではなく、別の何かとしか

考えられなかった。

すると、突然、前方の何かが動いた。

俺達は、ソレが俺たちに向かってくるに違いないと思い、思わず

ヒッ!

と声を上げてしまった。

しかし、次の瞬間、それはまた動きを停止してしまった。

そして、再び、少しだけ動き、また止まる。

まるで、ロボットの動きを模写しているような動き方だった。

しかし、その動きは俺達を恐怖に底へと突き落とすには十分な恐ろしさだった。

俺達は、どちらかが言うともなく、今来た石段を砂浜に向かって戻り出す。

先ほどのモノに背中を向けるのはどうしても恐ろしかったので、横向きに

移動した。

その間、ソレは、じっとして動こうとはいない。

俺達は、今のうち、と思い、恐怖が固まった足を何とか前へと進める。

その時、海の中から異変が起きた。

何かが海の中から突き出してきたのだ。

そして、それは、紛れもなく、古い着物を着た人間らしき者達であり、それが、

ゆっくりと音を立てない様に、海から起き上がるようにして出てきた。

先ほどまで荒れていた海はピタッと波も収まり、その静けさの中で、それらのモノ

達の体から落ちる水滴が、海の中へ落ちる音さえ聞こえるような気がした。

そして、それらは、男と女が交互に壁を造るようにして、俺達が戻ろうとしている

石段から1メートルくらい離れた両脇にびっしりと立っている。

俺は、思わず、

見るな!

と友人に大きな声をかけた。

それらを直視してはいけない・・・そんな気がしたのだ。

すると、今度は背後、つまり見附島の近くの石段の上に立つ何かが、得体の知れない

歌を歌いだした。

雅楽のメロディーとも違う、不協和音だけで構成されたような気味の悪い音。

そんなメロディーと聞いた事のない言葉を合わせたような歌が背後から聞こえた。

俺は、それを聞いた途端、とてつもない睡魔に襲われてしまう。

そして、それは前方を歩く友人も同じだったようで、完全に歩くのを止めて、

呆然と立ち尽くしていた。

このままでは・・・・。

そう思ったとき、突然、頭の中で

寝ちゃダメだよ!

という子供の声が大きく響いた。

そして、それを聞いた途端、俺の眠気は完全に消えてしまった。

俺は急いで前方に立ち尽くす友人へと駆け寄り、手を引っ張るようにして、

砂浜まで走った。

そして、何とか砂浜までたどり着いた俺達は、思わず、そのまま倒れ込んでしまう。

我に帰ったような顔の友人と2人で、恐る恐る背後を確認する。

しかし、そこには、もう何も見えず、ただ、静かに皆が打ち寄せているだけだった。

まるで、キツネにでも化かされた気分のまま、車まで戻った俺達は、そこで

再び、固まってしまった。

そこには、砂のついた手形が、車のウインドウの至る所についていた。

それも、つい、今しがた、付けられた様な手形だった。

俺達は、急いでフロントウインドウの手形だけをふき取り、急いで車を

発進させ、その場から逃げた。

その後、怪異も起こらず、金沢まで無事に帰ってきた俺達だったのだが、

それから、俺と友人の2人は、揃って数日間、高熱に苦しめられる事になってしまう。

ちなみに、その時乗っていた車は、何故か車のいたるところが、まるで海水にでも

浸かったかのように錆びてきてしまい、結局すぐに手放す羽目になってしまった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:43Comments(13)

2017年10月19日

手取川の河口には・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、寒いですね。

お風邪など引いていませんか?

とりあえず、今日もお疲れ様でした!

今日は娘の修学旅行3日目です。

お昼~午後9時までは、ディズニーランドで

フリータイムだそうです。

寒い中でもお馬鹿な娘は元気いっぱい!・・・です。

明日帰った来たら、たぶんぐったりと疲れきって

いることでしょう!(笑)

それから、今日はそこそこの数のサイン希望レターパック

が届いていました。

頑張って、サインしますから、もう少しだけお待ちください。

そして、週末は東京で第2回のオフ会ですね。

是非、楽しんで頂ければ、と思っております。

そういえば、Aさんも金曜日から東京に行くそうです。

日曜日には戻ってくるそうですが・・・。

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!





これは友人から聞いた話である。

石川県には一級河川が二つ存在する。

1つは主に白山市を流れる手取川。

そして、もう1つは小松市の梯川である。

河川には一級河川と二級河川の違いは、確か、管理する役所が違うということ。

一級河川が国、そして二級河川が県の管轄になるはずだ。

まあ、そういう雑学は置いておいて・・・。

彼は、川に携わる仕事をしている。

どこの機関に所属しているかは明言出来ないが、管理するのは一級河川。

その中でも彼が携わっているのは、手取川になる。

手取川といっても、その距離は長く、白山市の山奥にある手取川ダムから、美川

という場所にある河口付近まで、かなり大きな川の状態で延々と続いている。

そして、昔は、堤防などもしっかりとしたものではなく、頻繁に決壊し、

洪水となっていたらしい。

そして、洪水になると、人が流され、結局は見つからない。

それは、そのまま海に流れ出ていく場合もあるし、途中で川の底に引っ掛かり

二度と浮かび上がらない場合もあるのだという。

そして、そのどちらの場合も、かなりの恐怖と苦しみの中で死んでいくのは

想像に難くない。

だからなのだろうか?

昔から、手取川の河口では、怪異に暇が無いらしい。

手取川を管理する部署に年間掛かってくる電話のかなりの部分を、そうした

怪異を目撃したという通報が占めている。

ある者は夜釣りをしていて、突然ずぶ濡れの女に声を掛けられた。

また、ある者は昼間、河川敷の駐車場で昼寝をしていて、まるで時代劇にでも

出てくるような姿をした男達に車を揺すられた。

そして、またある者は河川敷のトイレを夜間利用した時に、用を足して、

ドアを開けると、そこには無数の男女が、トイレ内を右往左往しているのを

見たという。

そして、これから話すのは、彼が直接体験した話ということになる。

その晩、彼は事務所に残って残業をしていた。

そこに居たのは彼1人だったらしい。

時刻は既に午後10時を回っていた。

すると、突然、事務所の電話が鳴った。

慌てて、電話をとると、女の声が聞こえてきたという。

とても小さく聞き取り難い声だった。

しかし、電話の女は、彼が、

もう少し大きな声でお願い出来ますか?

少し聞き取り難いんですが・・・・。

と言っても、何の反応も無く、ただ同じ言葉を繰り返すだけだった。

それは、子供が川に流されたから助けて欲しい・・・。

というものだった。

しかし、その時の川の流れは穏やかであり、そのような事故の報告も入っては

いなかった。

だから、彼は、心の中では、まさか?

と思いながらも、電話ではしっかりとした対応をして電話を切った。

そんな事があるわけないだろう?

と彼は思っていたのだが、さすがに事故の通報があった以上は一応、川の点検

をしなくてはいけなくなる。

電話の女の話では、川に流されたのは、川の上流とのことだった。

だとしたら、もしもその電話の内容が本当だったとしても、もっと川の

上流付近に在る事務所に電話するのが本当だった。

それに、電話をかけてきた女の声の背後からは、まるで、飲み会で大騒ぎでも

しているかのような叫び声すら聞こえていた。

たぶん、酔っ払った女がいたずら電話をしてたのだろう、と思いつつ、彼は

重い腰を上げ、河川の点検に出かけた。

手取川の河口付近は、それなりに良い吊りスポットらしく、いつも夜釣り

を趣味としている人達で、それなりに賑わっていた。

それに、その晩は、川の流れも穏やかで釣りには最適だと思われた。

しかし、時刻はまだ午後10時過ぎだというのに、釣り人はおろか、近くを

走る道路、そして橋にも、一切車が通る気配が無い。

こんな日もあるんだなぁ・・・・。

と思いながら彼は河川敷を降りていく。

そして、懐中電灯を持って、川を照らしながら歩いていく。

すると、川の中に人がいるのが見えた。

彼は釣り人かと思って、

こんばんは!

と声をかけるが、全く返事が無い。

そこで、懐中電灯で川面を照らすと、そこには小学生くらいの女の子が立っていた。

驚いた彼は、

どうしたの?

こんな夜遅くに・・・。

お父さんかお母さんは?

と声をかけるが、相変わらず返事はない。

いや、返事どころか、全く反応すら無かった。

もしかしたら、川に取り残されてパニック状態になっているのかもしれない!

そう考えた彼は、思い切って川の中に入り、女の子に近づいていく。

そして、その時の水位は、いつもより、かなり低かったという。

しかし、近づいて来る彼にすら気付いていないかのように、その女の子は

無反応で、じっと海の方を見つめている。

彼は、女の子のすぐ隣まで来ると、女の子が暴れて流されないようにと、

女の子の手を掴んだ。

彼は、思わずゾクっとなった。

その女の子の手は、とても冷たく、そして何故かとても固かった。

手を捕まれて、初めてその女の子は彼の方を見た。

彼は、違和感を感じながらも、

もう大丈夫だからね!

と優しく女の子に声をかけた。

すると、その女の子は突然、彼の手を握って、もう片方の手で海の方を

指差した。

そして、

行こう・・・・。

とだけ言うと彼の手を掴んだまま、海の方へと歩き出した。

突然の展開に彼は、必死に抵抗しようとしたのだが、何故か、その女の子の

力は異様に強く、大人の男性である彼を明らかに凌駕していた。

ちょっ・・・ちょっと待って・・・・。

彼は、そう言って、その場に踏みとどまろうとするのだが、それも虚しくまるで、

引き摺られるように、強引に体を持っていかれてしまう。

もう、転ばないように引き摺られていくだけで、彼には精一杯だったという。

そして、彼の手を握っている女の子の手からは、体温というものが全く

感じられず、彼はとても気味が悪かったという。

そして、そのまま彼は海との境界線近くまで引き摺られていくと、そこで

女の子は、突然止まった。

そして、再び、海を指差した女の子の横で、彼は摑まれた手を振りほどこうと

必死だった。

しかし、女の子の手はまるで彼の手に食い込んでいるかのようにびくともしなかった。

すると、突然、

ザバーン・・・・という海から何かが浮かんでくるような音が聞こえた。

そして、彼はその光景を見てしまった。

そこには、海の中から浮かび上がってきた水死体らしきものが、自ら立ち上がり、

川の上流めがけて歩き出した一部始終が見えてしまった。

そして、それらは、彼と女の子の方へとゆっくりと歩いて近づいて来る。

彼は思わす目を閉じた。

そんなモノを見る勇気など無かった。

しかし、耳からは、それらのモノ達が、バシャバシャと川の中を歩いてくる音が

はっきりと聞こえていた。

と、次の瞬間、彼の手を掴んでいた手が離れた。

そして、川の中を歩く音も聞こえなくなっていた。

彼は、

もう行ってしまったのか?

と思い、ゆっくりと目を開けた。

すると、そこには彼の顔を覗き込むように、沢山の顔があった。

その顔は、どれも海水で膨れ、どれが目でどれが口なのかさえ、分からなかった。

そして、ちょうど、彼のすぐ前には、一際背の低いモノが立っていた。

それは、今まで彼の手を握っていた女の子である事は容易に想像できたが、

その姿は、腐乱し、白色に変色して膨れ上がった水死体としか表現出来ない

ほど変わり果てた姿を見せ付けていた。

そこで、彼の記憶は飛んでしまったらしい。

気が付くと、彼は川のほとりに腰掛けて呆然と川面を見ていたのだという。

ハッと我に帰った彼だったが、彼の耳には、相変わらず川の上流に向かって

歩いていく様な水音が聞こえたらしく、恐ろしくなって、すぐにその場から

逃げ帰った。

事務所に帰り、夢であってくれ!と願う彼だったが、彼の手にはしっかりと

小さな指が食い込んだ様な痕が残されていた。

そして、彼は言っていた。

大昔から、現在に至るまで、きっと沢山の人が、この手取川で流さて、そのまま

海に出で、命を落としたんだろう。

だから、きっとそういう人達が、元々居た場所に戻ろうとしているだけなのかも

しれないな、と。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:02Comments(20)

2017年10月18日

吊り橋の向こう側・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、こんばんは。

そして、お疲れ様です!

うちの娘の修学旅行も2日目。

今夜は仙台で宿泊している筈です。

で、明日はいよいよディズニーリゾートですね。

雨の・・・・・(笑)

で、今日、驚愕の事実が発覚しました。

修学旅行のお小遣いとして、妻から4万円貰っていた

うちの娘ですが、内密に私の祖父から3万、そして

それを知らない私から3万、そして、それらを全く

知らないうちの妻から、別途2万。

合計12万という大金持ち状態で旅行中だという事が

判明しました。

おみやげが、任天堂SWITCHに代わらない事を

祈るばかりです(笑)

それから、つぼみさんをはじめ、皆さん、コメント欄には

誹謗中傷や荒らし行為以外なら何を書いて頂いても

結構ですよ(笑)

そして、文庫本のサイン依頼もお待ちしております。

ただし、金箔の栞は無くなり次第、終了になりますので、

ご了承くださいませ!

それでは、今夜も怖くない話、スタートです。

どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼は登山というよりも山の散策が趣味であり、特に山菜取り

のシーズン

になると、毎週末、山へと出掛けていた。

朝早くに山へと出掛け、それほど高くない場所で山菜取り

をして、

昼には妻お手製のお弁当を頬張る。

そして、また山菜を採ったり綺麗な風景の写真を撮ったり

しながら

一日中、山で過ごし、夜になる前に帰宅する。

しかし、やはり山菜取りともなると、自分の過去の経験に

よってだいたい

良く行く山というのが決まってしまうものらしく、

それがつまらないと

感じた彼は、同じ趣味を持つ知人にそれとなく聞いてみた。

すると、彼がいつも通っている山から、さほど遠くない

場所にある山が

山菜の宝庫なのだという。

それを聞いた彼は、早速次の日曜日に下調べを念入りにして、

教えて貰った

山へと向かった。

邪魔にならない場所に車を停め、すぐに登山を開始した。

その山は当然、彼には初めての山だったのだが、歩き出して

しばらく

すると、おかしな事に気付いた。

それは、どれたけ歩いても、彼の他には、人が全く居ない

という事だった。

普通、山菜の宝庫とまで言われる場所ならば、少なくとも

山菜取りの季節

の間は、朝から夕方まで沢山の人で賑わうのであるが・・・。

まあ、細かい事は気にしない性格の彼は、人が居ない事を

逆に喜び、山道を

のぼる足にも一層力が入った。

そして、歩き始めて30分くらい経った頃、彼の目の前には、

吊り橋が現れる。

こんな処に川などある筈もないのに、何の為の吊り橋なんだ?

そう思って、吊り橋に近づくと、眼下には、かなり深い渓谷があり、それを超える

為の吊り橋だという事が分かった。

こんな所に吊り橋があるなんて聞いてないぞ・・・・。

彼はかなり動揺してしまう。

実は彼は吊り橋というものが苦手だった。

歩く度に揺れるあの感覚がどうしても耐えられないのだ。

下調べでは、こんな所に吊り橋など無かった筈。

そう思ったが、現に目の前には吊り橋が在るのだ。

そして、この吊り橋を超えていかなければ、山菜の宝庫には辿りつけない。

彼は出がけに、妻に山菜の大収穫を宣言してきた事を思い出し、その重い足を

吊り橋へと進めた。

それにしても、とても長い吊り橋だった。

ある意味、観光名所になってもおかしくない程の長さだったが、それが彼にとっては

苦痛以外のなにものでもなかった。

それでも、彼は妻の顔を思い出しながら、一歩一歩と吊り橋を進んでいく。

大丈夫なのか?と不安になるほどの細めのロープと、薄めの足板だけで

出来ている吊り橋は、足板の隙間から、下が透けて見え、彼は出来るだけ下を

見ない様にして歩をゆっくりと進めた。

しかし、実際に歩き始めると、その吊橋は簡易的な造りの割には揺れは

少なかった。

確かに一歩進むたびに、足を乗せた足板が、ギシッという音と共に、大きく

しなるのだが、それ以外は予想以上に怖さは感じなかった。

これなら俺でも大丈夫かも・・・・・。

そう思い、彼はその吊橋をさっさと渡ってしまおうと思った。

と、その瞬間、吊り橋が大きく揺れた。

それは普通の揺れ方ではなく、彼が手摺のロープをしっかり持っていなければ、

吊り橋から落ちてしまっていたかもしれない程の人為的な揺れだった。

危ないじゃないか!

しかし、彼の前には誰も居ない。

彼は、思わず後ろを振り返った。

すると、そこには明らかに場違いな格好をした男の子が笑っていた。

一応は山歩き用の服装で固めていた彼とは対照的に、まるで昔の

時代劇にでも出てくるような汚い着物を着ていた。

そして、丸坊主の頭で裸足のまま吊り橋の乗り口に立っていた。

彼は、思わず、ムッとしてしまい、大声で

危ないじゃないか!

そんな事はしちゃいけないって学校で習わなかったかい?

と叱りつけた。

しかし、その男の子は満面の笑みを浮かべて微動だにしない。

彼は、拘わらない方が得策だと考え、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと

前を向いた。

そして、歩き始めた途端、再び、大きな揺れが襲ってきた。

その揺れは先ほどの揺れとは比べ物にならない位、強烈なもので、彼は危うく

谷底へ落ちるところだった。

彼は両手で手摺のロープを掴み、うずくまったまま、再び背後を振り返る。

いい加減にしろ!

そう言おうとして止めた。

そこには、先ほどの男の子よりもかなり近い距離に、大人の男が吊り橋に乗って

立っていた。

その姿は、とても背が高く屈強な体をしており、先ほどの子供同様に着物を

着ていたが、そのギラギラとした目からは明らかな殺意が感じられた。

まさに鬼の姿そのものだった。

一体、この吊り橋はどうなっているんだ?

次から次に、どうして俺の邪魔をしに来るんだ?

そう思い、頭にきたが、今、吊橋に立っている男は、少なくとも絶対に

係わり合いにならない方が得策なのは明らかだった。

彼は再び前を向いて、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと足早に歩き出す。

吊り橋も残り10メートルくらいになった時、彼の目の前には、不思議な

光景が広がっていた。

先ほどはそんな物は見えていなかった。

しかし、今、彼の目の前には、吊り橋を渡りきった場所で、沢山の人達が

そこに集い、バーベキューをしてビールを飲んでいた。

其処に居る誰もが楽しそうに笑い、まさにユートピアという感じに見えた。

そして、その近くには、手付かずの山菜が所狭しと群生していた。

もしかして、友人が言っていたのは此処の事だったのか?

彼はまさに宝の山でも見つけたように活気付いた。

すると、吊り橋の向こうにいる人達が彼に声をかけてくる。

早くこちらへ渡らないと危ないですよ!

ビール冷えてて美味しいですよ!

ちょうど、肉も焼き上がりましたから一緒にどうですか?

それは彼にとってはどれも魅力的な言葉だった。

そして、そこに集っている人達は、その誰もが優しそうな顔をしており

絵に書いたような善人ばかりに見えた。

だから、彼は一気に吊り橋を渡りきろうと足を踏み出した。

すると、その瞬間、

こっちに来てはダメ!

まだお前が来る所ではない!

という声が彼の頭の中に響いてきた。

それはどこか懐かしい声に聞こえた。

彼は必死に声の主を探した。

すると、楽しそうに彼に手招きをする男女から少し離れた場所に

険しい顔をして立っている女性を見つけた。

他の誰もが笑っている中では、とても異様に見えた。

だだ、他の者達が見せる笑顔が、彼にはとても違和感のあるものに感じられ、

それに比べると、逆に自然な感じがする。

だから、彼の目を凝らして、その女性の姿を見た。

それは、紛れもなく数年前に亡くなった彼の祖母だとすぐにわかった。

祖母に会えた嬉しさに彼は舞い上がり、駆け寄ろうとした。

しかし、祖母は悲しそうな顔をしたまま、首を横に振った。

祖母は生前、ずっと彼の事を可愛がってくれていた。

その祖母が、こちらへ来るな、というのには、きっと大切な訳

が在るに違いない。

そう考えると、彼が今置かれている状態が少しだけ理解出来た気がした。

きっと、この吊り橋の向こうは、あの世になるのだろう、と。

そして、吊り橋の入り口に立つ男は、きっと俺をあの世に

行かせようとしている

人外のモノなのだろう、と。

そして、そんな状況の中でも、祖母は俺を助けようとしてくれている。

だとしたら、俺はなんとしてでも、この吊り橋を戻らなければ・・・。

彼はそう思った。

そして、振り返ると、一気に今歩いてきた吊橋を戻り始めた。

怖いなどと思う余裕も無かった。

彼は一気に吊り橋を走った。

吊り橋の乗り口には、先ほどの大男が立っていたが、そんな事はどうでも良かった。

祖母の思いを無駄には出来ない。

ただそれだけを考えて走った。

大男は再び吊り橋を揺らすようなジェスチャーをしたが、結局は何も

してこなかった。

そして、彼がその男に体当たりするようにぶつかった瞬間、その大男も消えた。

そして、彼は転ぶようにして何とか無事に吊り橋を戻りきった。

体が痛い部分もあったが、それよりも吊り橋の向こうにいる祖母に無事に

渡りきった自分を見て微笑んでもらいたかった。

だから、彼は起き上がると同時に吊り橋の方を振り返った。

彼は呆然としてしまった。

もう目の前には吊り橋など存在していなかった。

見渡す限りの平坦な野原が広がっている。

そして、そこには当然のように、笑顔を振りまく人達も、そして彼の亡くなった

祖母の姿もすっかり消え去っていた。

彼は夢でも見ていたのか?と思ったが、それでも、彼の両腕には、吊橋の

ロープで擦り切れた傷跡がしっかりと残っていた。

訳が分からなかったが、とにかく祖母が今も自分を心配して何処からか

見てくれており、助けてくれた。

それが、とても嬉しかった。

そして、彼はそれ以上、山にはのぼらず、そのまま逃げる様に家に帰ったという。

山ではこういう不思議な事があるんだよな、と得意気に話す彼の顔が

印象的だった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:04Comments(19)

2017年10月17日

追いかけてくる・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日は娘の修学旅行1日目。

福島県にお泊りの大監督から、

先ほど妻の所にLINEが

入ってきました。

”このホテル、オバケが出るんだって!(泣)”

との事でした。

いやぁ、楽しそうなホテルで良かったです(笑)

それから・・・・。

もしも、お買い上げ頂いた”闇塗怪談”にサインが

欲しい方は、是非どうぞ!

実は返信用のお礼にと、用意させて頂いた

金沢金箔の栞、が残り8枚ほど残ってます。

まあ、宜しければ・・・ですが。

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは俺の大学時代の友人が今も体験している話である。

彼は元々は東京出身だったのだが、大学で仲良くなり、その後も時折

連絡を取り合うような関係が続いている。

以前、引越しを繰り返している友人の話を書いた事があるが、彼の場合、

事態はもっと深刻である。

彼の場合は怪異が起こりだすと、少なくとも数百キロ以上離れた場所へと

引越しを繰り返しているのだから。

そして、これから話すのは、そこに至るまでの全記録である。

彼の両親は彼が小学生の頃、離婚した。

彼は母親についていき、母親はそれから3年後に再婚した。

再婚した男性も再婚だったらしく、前の奥さんとは死別だったという。

そして、その男性には、前の奥さんとの間に出来た女の子がいた。

彼よりも年齢は3歳年下だった。

そんな2人が再婚したのだから、当然、彼とその女の子は異母兄妹という

事になった。

最初はやはりギクシャクしたらしいが、1年も経つと、まるで生まれながらの

兄妹のように仲良くなった。

いつも色んな話をしたり、悩みを相談したり・・・。

ただ、彼はいつもどちらかというと自分の部屋に篭りがちな妹の事をいつも

気に掛けていた。

そして、彼が大学に進む頃にはそれが現実のものとなってしまう。

彼はその明るい性格から、大学でも活発に活動し、部活動やバイト、そしてコンパ

といったもので大忙しになってしまう。

それでも、いつも妹の事は心のどこかで気に掛けていたのだが、彼に彼女が出来る

ようになると、さすがにそこまでは気が廻らなくなってしまう。

そして、ちょうどその頃、妹は高校でイジメにあっていた。

それは酷いイジメだったらしく、そのうちに妹は高校に行かなくなってしまう。

そして、妹は誰にも相談できず、やはり兄である彼の元へと電話をかけてきたらしい。

しかし、携帯電話等無かった頃であり、彼も部活やバイト、そしてデートとアパートを

空けている事が多かった為、その電話が彼へと繋がった事は一度も無かった。

そして、悩みに悩んだ挙句、彼に便箋に思いのたけをびっしりと書き詰めた手紙を

送ってきた。

その手紙を見た時、彼はとても驚き、すぐに実家へと電話をした。

彼は妹の安否が心配で堪らなかったという。

しかし、もう遅かった。

彼が実家に電話した時、珍しく妹は外出していたらしく、帰宅したら電話して欲しい、と

家族に頼み、彼はその日はずっと部屋に篭もって妹からの電話を待った。

そして、夜になってから、実家から電話がかかってきた。

しかし、それは妹からの電話ではなく、妹がビルから飛び降りて自殺したという

訃報だった。

彼は呆然として一時的に呼吸さえ苦しくなるほど悲しみ絶望した。

そして、妹のSOSに気付いてやれなかった自分を責めた。

翌日、急いで東京の自宅にも戻ると、妹は、家の一番奥の居間に白木の棺おけに

入れられた状態で彼を迎えてくれた。

そして、一目妹の死に顔を見ようとした彼を両親は必死で止めた。

かなりの高さのビルから頭から落ちたようであり、とても正視できる状態

ではない、というのがその理由だった。

だから、彼は、そのまま妹の死に顔を見ることなく、通夜と葬儀に参列した。

ずっと、塞ぎ込んでいる彼を見て、両親は、

断じてお前の責任ではないのだから気にする必要は無い、

と言ってくれたが、それから数日間、彼は実家で何も手につかないまま、

過ごした。

それでも、やはり大学に戻ると、忙しい生活が待っており、数ヶ月もすると、

彼は以前のように元気を取り戻した。

しかし、それは妹自身と、死別した妹の母親には許せなかったのかもしれない。

それからは怪異が彼の生活を狂わせていく。

彼の所属する部で、原因不明の事故が多発する。

そして、そのどれもが、突然目の前に現れた女2人を避けるようにして起こった

事故だった。

彼のバイト先でも何人かが、階段から落ちたり、火傷をしたりと大怪我を負った。

それにも、常に2人の女を見たという噂が広がった。

そして、彼の彼女も、アパートから出掛ける際、突然背後から誰かに突き落とされ、

瀕死の重傷を負ってしまう。

そして、病院で入院中にも、彼女のベッドの側には、何度も2人の女が立っている

のが目撃された。

そして、ついに怪異は彼に直接及ぶ事なる。

それは、ふとしたことから始まった。

夜、アパートの窓を開けると、遅い時間にも拘わらず、誰かが外灯の近くに立ち、

こちらを見ているのに気付いた。

そして、それは2人の女であり、その1人は遠目に見ても、亡くなった妹だと

いう事がはっきり分かった。

彼は、怖いという感覚は無く、急いで部屋を飛び出すと、階段を下りて、先ほど

見えた街頭の下まで走った。

すると、そこには水溜りがふたつ在るだけで、誰も居なかった。

彼は一目だけでも妹に会って、謝りたかったらしいのだが・・・。

そして、がっくりと肩を落として部屋に戻ると、机の上にびっしょりと濡れた

白い紙が置かれており、そこには、

自分だけ・・・・。

絶対ゆるさない・・・・。

とだけ書かれていた。

そして、それからというもの、彼が寝ていると、女が2人現れては彼の首を絞めてきた。

その1人は妹であり、ニタニタと笑いながら、その様子を眺めていた。

そして、もう一人の女がいつも恐ろしい形相で、力いっぱいに彼の首を絞めてきた。

そして、彼が意識を失い、再び目を覚ますと、また首を絞められるという事が

朝になるまで毎晩繰り返されるようになった。

彼は首を絞められている最中にも、必死に妹の方を見て、心の中で謝り続けた。

しかし、妹は、そんな彼の様子をニタニタと笑いながら見ているだけだった。

そんな日が数日連続すると、彼も死にたくはないから、友達の部屋に転がり込む。

すると、数日は平和なのだが、それを過ぎると、また同じ事が繰り返された。

だから、彼は大学を休み、実家へと帰省した。

彼には妹の姿は確認できたが、もう一人の女が一体何者なのか?ということが、

ずっと分からなかったから。

そして、実家で、父親に頼み込み、妹の写真を見せて貰った時に、その正体が

判明した。

それは、死別した妹の実の母親だった。

父親の話では、とても妹の事を溺愛しており、死ぬ間際まで妹の事だけを心配していた、

ということだった。

その話を聞いた彼は、大学に1度戻り、すぐに退学届けを提出した。

実際には彼の責任などでは決してないのだが、結果的に、彼の周囲の人を大勢

不幸にしてしまった。

それが彼には許せなかったし、何より、彼がそのまま大学に残る事で更なる被害者

が出る事だけは避けたかったから。

そして、それから1年も経たず、彼の両親も、突然の死を遂げた。

もう彼は完全に天涯孤独になってしまう。

それからの彼は、正社員の仕事には就かず、日雇いのバイトをして生計を

立てている。

住まいも、ネットカフェやカプセルホテルなどを転々としているらしい。

そんな不安定な生活をしていても、やはり怪異は彼に近づいて来るそうだ。

だから、そんな兆候が起こり始めたら、すぐに彼は、生活の拠点を遠くに

移動させる。

東京から大阪に変えたり、北海道から九州へと変えたりもした。

移動距離が長ければ長いほど、彼の元に怪異が迫ってくるのを遅らせる事が出来た。

ただし、それは一切、友人や仲間を作らず、一生を天涯孤独に生きなければならない

という過酷な人生に他ならない。

だから、大学時代の友人だけが、彼にとっても財産なのだという。

そして、彼が移動した先からは、必ず、

今度は○○県に引っ越してきたよ。

という連絡だけは入ってくる。

が、それ以上のコンタクトは彼が取りたがらない。

コンタクトを取ったことで、友人達に不幸が訪れるのだけは避けたいということ

らしい。

そんな彼だから、俺も、1度Aさんに相談した事がある。

すると、Aさんは、

もしかすると、妹さんから最後に届いた手紙が、いつまでも目印になって、その

親子を引き寄せてしまってるのかもしれないですね・・・。

と教えてくれた。

そして、当然、俺は彼にそれを伝え、その手紙をどこかで処分するように奨めた。

しかし、彼は、

ありがとう。

でも、気持ちだけ受け取っておくよ。

あの妹からの手紙は、自分への戒めとして、絶対に捨てられないんだ。

もしも、あれを捨ててしまったら、俺は、“人間”ではなくなってしまう様な

気がするんだ・・・。

そう言っていた。

そんな彼は、ほんの数日前には、再び東京へ移動した、という連絡をしてきた。

彼の平和が一日でも長く続く事を祈ってやまない。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:19Comments(26)

2017年10月16日

犀川ダムへ続く道

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

いよいよ明日から、うちの大監督が

修学旅行へと出発します。

うちの娘は、南海トラフ(やっと覚えた!)を

怖がってますが、私は妻と2人きりで

ほぼ丸四日間を過ごす事の方が

恐怖・・・・です(涙)

あっ、ちなみに、第1弾として届いた、闇塗り怪談には

サインを入れさせて頂き、本日発送しておりますので、

今しばらくお待ちくださいませ!

ということで、今夜も怖くない話、スタートです。

それでは、どうぞ~!



金沢市の兼六園から車でまっすぐ山の方へ走ると、心霊スポットとして名高い

鷹の巣トンネルと、熊走大橋があり、それを通り過ぎて、更に

まっすぐ進むと犀川ダムがある。

今日は、その犀川ダムについて書こうと思う。

勿論、そのダム自体は心霊スポットして認知などされていない。

だから、俺自身も、そんな気は全くないまま、車を走らせていたのだが・・・。

実際、熊走大橋から犀川ダムへと向かう道は自然の宝庫である。

野生動物も沢山生息し、野草や山菜も沢山取れるのだろう。

実際、俺がその道を走っていて一番最初に驚かされたのは、やはり動物だった。

細いアスファルトの道が続くその道は対向車が来たらどうしよう?と不安な

なるほど狭かった。

しかし、実際には他の車とすれ違う事は一度も無かった。

だから、俺はそこそこのペースで車を走らせていた。

すると、突然、カーブを曲がった先に何かが居た。

俺は急いでブレーキを踏んで急停止した。

そこには、鹿の親子がのんびりと道の真ん中で日向ぼっこをしていた。

慌てて急停止した俺にも驚く様子もなく・・・。

だから、俺もサファリパークよろしく動物観察をする事にした。

車のエンジンも止める。

近くで見る鹿は、とても大きく感じられた。

そして、対照的に小鹿はといえば、まるで、ぬいぐるみのように小さい。

そのコントラストが楽しくて、俺は食い入るようにそれを見ていた。

しかし、やはり車の存在が気になるのか、親鹿が急かすように道路に

寝そべっている小鹿を起こし、街の横にある林の中に消えていった。

鹿の親子を見るのにかなりの時間を費やしてしまったのか、辺りはうっすらと

暗くなりかけていた。

俺は再び車のエンジンをかけようとした。

しかし、何故かエンジンがかからない。

俺はその時、嫌な予感がした。

何故なら、その時の車は、エンジンが掛からなかったのだが、それはセルモーター

すら回らないという状態であった。

そして、過去の体験から、その様な状態でエンジンが掛からない時は、車の故障

というよりも、霊的なものが原因である事が多かった。

俺は思わず天を仰いだ。

こんな状態では、俺が出来る事など何も無かった。

しかし、この道は犀川ダムに続く唯一の道である。

きっと、誰かが通りかかってくれる・・・・。

それだけが、心の拠り所になっていた。

それにしても、山の陽が落ちるのは異様に早かった。

辺りは、もうかなり暗くなってしまい、俺は車の窓を閉め、ドアもロックした。

何が出てきても対応できるように・・・。

その時、突然、何処かから俺の苗字を呼ぶ声が聞こえてくる。

○○くん・・・・○○くん・・・。

その声は林の中から聞こえたようにも感じたし、車の中からにも聞こえた。

しかし、閉めきった車の中から聞こえたなどとは絶対に思いたくなかった

俺は、目を凝らして林の中を探した。

そして、俺は固まってしまう。

車の左右に広がる林、いや、森と言った方が適当なのかもしれない。

その木の影から誰かが覗いていた。

それも1人や2人ではなかった。

沢山の木々の陰から顔だけを出すようにして、沢山の人の顔が、こちらを見ていた。

そして、その口が動くたびに、

○○くん・・・・○○くん

と俺を呼ぶ声が聞こえてくる。

どうして俺の名前を知っているんだ?

というよりも、そもそもあいつらは何者なんだ?

俺は自分の苗字を的確に呼ばれたことで、思わずマジマジと、そいつらの方を

凝視してしまう。

すると、それらは、男もおり、女もいた。

それぞれに顔が違うのだが、1つだけ共通しているのは、どの顔も大きく崩れて

いたという事だった。

まるで、事故で顔面を強打したようなその顔は、見ているだけでも気分が

悪くなってくる。

そして、その時、忘れていた事を思い出した。

ここは、明らかに自然豊かな林の中であるが、そのすぐ脇には、熊走大橋とそこから

かなりの落差がある渓流が続いている。

つまりは自殺の名所である。

そして、そこで自殺した者の中には俺の知り合いも居た。

だから・・・・なのか。

俺の苗字を知っているのは・・・。

根拠は無かったが、もはやそういう説明しか思いつかなかった。

そうなると、俺は急に恐怖というものに襲われてしまう。

だから、それらの顔から目を背けなければ・・・。

決して目を合わせないようにしなければ・・・。

そう思い、視線を車の中に逸らすのだが、やはり恐怖で外が気になってしまう。

だから、俺はついつい視線をまた、それらの顔に戻してしまった。

俺は凍りついた。

明らかに、その顔がとれも先ほどの位置よりも近づいていた。

ヤバイ!

俺は隠れるようにして、姿勢を低くして上体を助手席の方へと倒した。

そして、必死でお経を唱えた。

すると、突然、

コンコン、という窓をノックするような音が聞こえた。

しかし、俺の本能が、見るな、と告げていた。

見てはいけない・・・見たら最後・・・・だと。

だから、俺は必死に目を閉じ耳を塞いだ。

すると、それに反応するように、一斉に車の窓がノックされた。

それは1人や2人というものではなかった。

俺は、車の周りを自殺霊達が取り囲み、一斉に窓をノックしている姿を

想像してしまい、完全に固まってしまう。

必死に携帯を見るが何故か電源が切れており、全く反応しなかった。

万事休す・・・。

こんな場所に来るんではなかったとしきりに後悔したが、今となってはもう

どうしようもなかった。

辺りはもう完全に真っ暗になりそれが恐怖に拍車をかけた。

その時、突然、大きくクラクションの音が聞こえた。

何度も何度もクラクションを鳴らされた。

しかし、おれはその音さえも、それらの霊達の仕業だと思い込んでいた。

すると、車のドアが開く音と、そしてバタンと閉められる音が聞こえた。

そして、次の瞬間、

おい、大丈夫か?救急車でも呼ぼうか?

という声が聞こえてきた。

俺はハッとして起き上がると、前方には大きなSUVが停まっており、そして

心配そうに窓を覗きこむ男性の顔があった。

俺は、すかさず車から降りて、その男性に事情を説明した。

突然、エンジンが掛からなくなった事は伝えたが、俺が見た霊の事は一切

話さなかった。

そして、どれどれ?と車を点検し、俺にもう一度エンジンをかけてみるように

指示してきた。

すると、車のエンジンは一発でかかった。

俺は、男性に深々と頭を下げ、礼を言うと、そそくさとその場を後にした。

そして、何とか無事に自宅までたどり着く事が出来た。

やはり、あの辺りは自殺スポットとしてあまりにも有名であり、それに

引き寄せられるように、新たな自殺を誘発させている。

だから、きっとそういう成仏出来ない自縛霊が居たとしても決して不思議ではない

のだが、それでも、そんな危険な霊達も、そこを毎日仕事として通っている

ダムの職員さんとはきっと共存する仕組みが出来ているのかもしれない。

そう思った体験だった。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:19Comments(25)

2017年10月15日

禄剛崎灯台というところ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日は短めですが1話アップさせて頂きます。

なんか、今日は色々と疲れる1日でした。

でも、明日からは、気持ちを切り替えて、

頑張らなければ!

それでは、怖くない話、いってみましょう。

どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

石川県の珠洲市という所に、禄剛崎灯台というものがある。

禄剛崎と書いて、ロッコウザキと読むらしい。

いわゆる観光名所になっており、灯台の場所から、海からのぼる朝日と

海に沈む夕日が見られる場所だったと記憶している。

そして、これは家族で、その灯台に行った時の話である。

その当時はまだ娘も幼く可愛い盛りだった。

そして、その時は確か、家族で1泊2日の能登一周旅行をした際に、訪問した

のだが・・・。

車を駐車場に停めてから、徒歩でかなりの傾斜の坂道をひたすら登る。

やはり日頃の運動不足がたたってしまい、急な坂道で四苦八苦している

俺と妻。

しかし、娘はといえば、それこそ元気いっぱいで走り回っていた。

それにしても、駐車場には他の車は1台も停まっていなかったのだが、

坂道を登り始めると、かなりの人の数に驚かされる。

それこそ、お年寄りから子供まで沢山の人達が俺達のように、坂道を

せっせと登っていた。

そして、不思議と坂道を下りて来る人とは1人もすれ違わない。

それでも、俺達を追い越していく人達は、四苦八苦して登っている俺達に

頑張ってね~!

お先に~!

等と声を掛けてくれる。

これは頑張らなければ!と思い、汗を拭いつつ坂道を登る。

すると、元気いっぱいの娘が、

ねぇ・・先に灯台まで行って待ってても良い?

と聞いてくる。

俺は、この先はどうせ1本道だから・・・・と思い、

気を付けて行くんだよ!

と声を掛けると、娘はそれまで俺達のペースに無理に合わせていたとでも言うように

突然ダッシュして坂道を登り始める。

俺と妻は、マイペースを守りながらも確実にのぼっていく。

すると、相変わらず、老若男女が俺達を追い抜いていく。

しかし、不思議だった。

確かに疲れ果ててはいるものの、俺達もそれほど遅いペースで坂道をのぼっていた

わけではないのだが、それでもお年寄りにすら抜かれていくというのは、正直なところ、

恥ずかしさと共に、奇妙な感じを受けた。

すると、上の方から娘が走ってくる。

その顔は、まるで大発見でもしたかのように得意気な顔だった。

そして、俺達のところまで辿りついた娘は、

ねぇねぇ、上の灯台のところ、どうなってるか、知ってる?

と聞いてくる。

俺は、

まあ、これだけの人がのぼってるんだから、もしかしたら人でいっぱいなんだろ?

と返すと、

娘は首をブンブンと横に振って、こう言った。

ううん。誰も居ないの!

上に行ったら白い灯台があったんだけど、でも私しか居なかったの・・・・。

そんな馬鹿な事が在る筈がないと思い俺は娘に、

ああ、そうか。

もしかしたら、上に行った人達は全員でかくれんぼでもしてるのかもしれないな?

と返すのだが、娘は釈然としない顔をしている。

それじゃ、3人でゆっくりのぼっていこうか、という事になり、そこからは再び

3人でゆっくりとのぼり始めた。

そして、ようやく頂上までたどり着く。

そこにはとても綺麗な真っ白い灯台が建っており、そこは当然、先に上っていった

人達が沢山居るはずだった。

しかし、そこには娘が言っていたように誰も居なかった。

あれだけの人数が隠れられる場所など、そこには存在していない。

俺氏もしかしたら、別の下りる道が在るのかもしれないと頂上を調べたが、

そんな道など何所にも見当たらなかった。

すると、娘がまたしても得意気に言ってくる。

ねぇねぇ、おとうさん!

みんな、どこに行ったか知りたい?

俺はさすがに自分の常識では説明がつかなかったので、娘の話を聞く事にする。

すると、娘は、

あのね。のぼってきたみんなは、そのままアソコから下りて行ったよ!

と言いながら、その場所まで走っていき、手招きする。

俺はゆっくりと娘が立つ場所まで歩いていき、驚愕した。

そこには下へ降りていく道など存在せず、海へと繋がる断崖絶壁が在る

だけだった。

みんな、ここから下へ降りて行ったんだよ。本当だよ・・・。

と少し不安そうに俺の顔を見つめる娘に俺は、

うん。きっとそうだな。あの人達は、ここからのぼっていったのかもしれないなぁ!

そう言うと、娘は嬉しそうに笑った。

それは別に娘の気持ちを考慮して言った言葉ではなかった。

そうでなければ、あの人達が忽然と消えた理由は見つからなかったのだから。

もしかしたら、あの灯台への坂道は、霊道として天に繋がっているのかもしれない、と

強く感じた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:51Comments(23)

2017年10月14日

夜間診療

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様でした!

昨晩は片町飲みでしたので、今日は

おとなしく家で過ごしてます。

ところで、昨晩、片町で飲んでいると

出版社のご担当様からメールが

入りました。

何かな?

と思って見てみると・・・。

なんと、今週号の週刊文春に私の

『闇塗怪談』を画像付きで推薦書として

紹介してくれているとの連絡でした。

急いで、飲むのを中断して、近くの

本屋まで買いに行ったのは

いうまでもありません(笑)

これです。↓


文春様、ありがとうございます。

そして、いつもながら皆様、

本当にありがとうございます。

それでは、今夜も怖くない話、

いってみましょう!

というか、本当に怖くないです(涙)

どうぞ~!


これは知人が体験した話である。

彼女は、元々は結婚して金沢に住んでいたのだが、結婚に行き詰まり離婚

する事になり、金沢を離れて実家のある能登に小学生の一人娘と共に

移り住んだ。

やはり金沢と比べると、色々と不便な事もあったが、それでもゆったりした

自然の中で、娘と一緒に生活する事は何物にも代え難いくらいの安心感を

彼女に与えてくれた。

元々は彼女が生まれ育った土地であり、それなりに昔の友人達も残っており、

周りの人達も、彼女と娘さんの事を暖かく迎えてくれたのだという。

それまでは専業主婦だった彼女にとって、1人で娘との生活費を稼ぐのは

簡単ではなく、いつしか疲れ果て、家に帰っても食事をして寝るだけ。

娘との会話も侭ならない生活になってしまう。

それでも、娘はいつも彼女の周りをうろうろと歩き回り彼女の注意を引こうと

するのだが、その時の彼女には、それさえも鬱陶しく感じていた。

そして、そんな生活を続けていたある日、突然の異変が起こった。

それは突然の病気だった。

彼女が、その日、仕事から帰宅すると、小学生の娘が布団に入っていた。

どうしたの?

と聞くと、どうやら風邪っぽいとのことだったので、彼女はそのまま娘を

寝かせておく事にした。

買ってきたパンだけを枕元に置いて・・・。

そして、そのまま夜も更けて彼女も床に就いた。

その時の娘さんは、どうやらパンも食べたようであり、スースーと寝息を

立てていたという。

そして、午前1時を回った頃、彼女は苦しそうなうめき声に目を覚ます。

そして、横の布団で寝ている娘を見ると、嘔吐し苦しそうな呼吸をしながら

痙攣を繰り返していた。

彼女は悲鳴にも似た声を上げて、娘を揺り起こそうとしたが、目も開けられず、

苦しそうに嗚咽を繰り返している。

彼女は急いで携帯を取り出すと、過去に何度か娘が診察してもらった個人の小児科

に電話をかけるが、全く出る気配が無かった。

そこで、彼女は救急車を呼ぶ為に電話をかけるのだが、その時は、唯一1台だけの

救急車が既に出動してしまっており、そちらに向かえるのは、少なくとも1時間以上

後になってしまうと言われる。

そして、その際に、電話でこう言われたそうである。

お話をお聞きした状況だと、もしかすると一刻を争うのかもしれません。

もしも、お車をお持ちでしたら、貴女が車でお子さんを病院まで連れていけませんか?

そう言われた彼女だったが、確かに車はあるのだが、田舎という事もあり、指定

された救急対応の総合病院までは、どれだけ急いでも1時間以上は掛かってしまう。

彼女は途方に暮れてしまったが、目の前で苦しんでいる娘を見ていると、やはり

一刻の猶予もないのは明らかだった。

彼女は娘を毛布で包み、ゆっくりと車に乗せた。

そして、出来るだけ振動を与えないようにしながら車を発進させた。

田舎の道は当然の事ながら、対向車も後続車もなく、ほとんどの信号も

点滅信号になっている。

彼女は、車のライトを上向きにしたまま、必死の形相でアクセルを踏み込む。

辺りには民家の明かりも全く無く、完全なる闇の世界になっており、彼女は

まるで、自分と娘がこの世界から、突き放された様な孤独感に襲われた。

なんで、こんな田舎に引っ越してきたんだろう・・・。

これで、娘が死んでしまったら、私はもう生きていけない・・・。

そんな事ばかりを考えていた。

そして、

もっとしっかり娘のそばに居てあげなかった事を悔いた。

その時、突然、娘を乗せている後部座席から苦しそうな声と酷い嗚咽が聞こえた。

彼女は急いで車を停めて後部座席のドアを開けた。

すると、そこには全身を酷く痙攣させ続けたまま、呼吸も侭ならない娘がいた。

もう、この子はいつ死んでもおかしくない・・・。

全ては私の責任だ・・・。

そう思うと、涙が止まらなくなった。

もうこのまま車を走らせてもきっと娘は助からない。

それなら、このまま娘が息を引き取るのをしっかりと抱きしめたまま見守ってから、

私も此処で死んでしまおう・・・・。

そんな事まで考えたという。

そして、娘の横たわる後部座席に彼女も乗ろうとした時、彼女の目に、

突然、在りえない物が映った。

それは、○○○小児科という看板だった。

しかも、こんな時間だというのに、看板にはしっかりと明かりが灯っている。

まさか・・・・。

そう思った彼女だったが、何故かその看板の光は優しく彼女を誘っている様にも

感じた。

だから、彼女は気を取り直して、とりあえず、その看板の場所まで車を走らせる

事にした。

こんな時間にやっている小児科など聞いた事も無かったが、そんな事はどうでも良かった。

もう彼女には、その看板の明かりだけが、唯一残された希望だったから。

そして、車を看板の場所まで走らせると、目の前には、古いながらも明らかに

病院と判る建物が現れる。

更に、病院の中からは、明るい光が漏れていた。

彼女は急いで娘を後部座席から降ろすと、小走りに病院へ向かった。

そして、彼女が病院の入り口に着こうとした瞬間、突然、入り口のドアが開いて

そこから年老いた医師らしき男性と、若い看護師の女性が現れた。

そして、2人は笑顔で、

よく頑張りましたね!

もう大丈夫ですよ!

と言って、娘を受け取ってくれた。

そして、そのまま娘は診察室に連れて行かれ、彼女は待合室で待つように言われた。

彼女は、その時不思議な感覚に襲われていたという。

娘は、まさに生死の境目を彷徨っており、そして、今彼女が居る病院は、とても

古く昭和の頃を彷彿とさせる、ある意味、最新医療とは程遠い病院だった。

しかし、彼女は何の不安も感じなかったという。

もう、この病院に連れてこれたのだから、絶対に大丈夫だ、という不思議な

確信があった。

初めて訪れる病院なのに・・・・。

しかし、診察室の方からは、話し声はおろか、物音ひとつ聞こえては来ない。

それでも、彼女は、自分に出来るのは、娘の無事を祈るだけ・・・と思い、

ひたすら待ち続けた。

そして、そのうちに何故か彼女は寝てしまったという。

緊張と不安と心配で眠れるような状態ではなかったのだが、それでも知らない

間に彼女は意識を失った。

そして、それから誰かに揺り起こされて彼女は目覚める。

そこには、心配そうに彼女の顔を覗き込む娘の顔があった。

どうしたの?

もう大丈夫なの?

と聞くと、娘は、

うん。もう大丈夫!

ごめんね。心配掛けて・・・・。

と返してきた。

彼女は感極まって娘を抱きしめた。

そして、しばらくして目を開けると、そこにはそんな姿を優しい顔で見つめる

年老いた医師と看護師の姿があった。

彼女は、涙を急いで手で拭うと、立ち上がり、医師と看護師に、深く頭を下げて

誠心誠意お礼を言った。

そして、

あの・・・治療費はお幾らになりますか?

どんなに高額でも、どんな事をしてでもお支払いしますので・・・。

彼女は、そう言った。

それは彼女の心からの本心だった。

彼女にとって何よりも大切な娘の命を助けてもらったのだから、その治療費が、

たとえ、数百万でも、数千万でも払う覚悟は出来ていた。

そして、そんな大切な娘の命を、早々と諦め、自分も死んでしまおうなどと

考えてしまった自分を悔いていた。

すると、年老いた医師は、

うん。助かって良かった。

今日はもう遅いから、治療費は、後日お支払いに来てくれれば良いですよ。

その代わりと言ってはなんですが・・・。

もっと娘さんと貴女自身の命を大切にしなさいよ。

それじゃ、また来なさい・・・。

そう言って、にっこりと笑った。

そう言われ、彼女はまた涙が止まらなくなった。

そして、少し落ち着くと、また何度もお礼を言って、その病院を後にした。

その医師と看護師は、ずっとニコニコとしながら、病院の外に出て、

手を振って見送ってくれていたという。

それから、後日、彼女がその病院に治療代を払いに行こうとしたのだが、

何故か、病院が見つからなかった。

その土地の人にも聞いたのだが、そんな病院は知らないと言われた。

もしかして、夜なら判るかも・・・と思い、車で現地に向かったが、

その場所にはもう病院の看板はどうしても見つからなかったという。

彼女は言っていた。

あれは、もしかしたら、この世の物ではなかったのかもしれない。

だけど、娘の命を助けてくれたのは事実。

それに、まだ治療代も払っていないので・・・。

そして、こう続けた。

あの時は、こんな田舎に住むのはやめよう、と思ってしまったけど、あの件が

あってからは、そんな不安は感じないんですよね。

だって、あの時確かに、

また来なさい・・・・。

と言ってくれたんですから。

きっと、またあの病院に出会えるような気がしてます。

勿論、その時はしっかりと治療代を払わないと!

そう言って笑っていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:33Comments(14)

2017年10月13日

誰もいない筈のオフィスで・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

今日は夕方からお客さんとの飲み会ですので、

早めにアップさせて頂きます。

そういえば、サイン用の『闇塗怪談』が、返信封筒と

共に送られてきております。

下手くそな字で恐縮ですが、丁寧に書かせて

頂きます(笑)

ただ、仕事以外の時間での作業になりますので、

少々お時間を頂きますことをご理解ください!

それでは、怖くない話、いってみましょう!

どうぞ~!



これは友人が体験した話である。

彼は某大手保険会社に勤務しており、忙しい時期になると、

徹夜が続く事もあるそうだ。

そんな彼の会社が入っているのが、市街中心部にある

新しいオフィスビル。

地上8階、地下2階という、いわゆるインテリジェンス・ビル

というやつだ。

そんな最先端の場所でも、怪異は起こってしまう様である。

その日、彼は大口の担当顧客の事務処理に追われていた。

週末の金曜日ということもあり、本来なら早めに帰宅して

のんびりしたいと

思っていたのだが、現実は甘くなかった。

午後9時を回っても、全く出口の見えない進捗状況に、

彼はその夜の徹夜を覚悟した。

既にオフィスには誰も残っておらず、彼は仕方なく、簡易的に

戸締りをして、外のコンビニへ晩ご飯を買いに出かけた。

徹夜ということもあり、彼はかなり多めの食料を買い込んでオフィスに

戻った。

そして、その時感じたのだという。

なんか、雰囲気が違うな・・・と。

確かに、どこが違うのか、と言われれば的確に答える事は

出来なかったが、それでも

彼が少しだけ外出している間に、オフィスの様子が明らかに違っていた。

彼のオフィスは繁華街の大通りに面しているから、当然その時間帯も

かなりの交通量である。

しかし、そういった外界の音というものが全く聞こえてこない。

目の前の書類が床に落ちただけでも、かなり響いて聞こえてしまう様な、異様な

静けさが、そこには在った。

いつもは決してそんな事もなく、明らかにおかしかった。

しかし、彼にはそんな事を気にしている余裕など無かった。

すぐに自分のデスクに座った彼は、買ってきたサンドイッチを片手で

口に運びながら、

再び仕事に没頭した。

すると、すぐにオフィスの電話が鳴った。

本来なら、すぐに出なければいけないのだが、その時は余計な仕事を

入れたくなかった

彼はそのまま電話を無視した。

すると、今度はファクスが流れてきた。

時刻はもう午後11時を回っていた。

彼は、

俺の他にもまだこんな時間に仕事してる奴もいるんだよなぁ・・・。

と妙に感心しつつ、そのまま仕事を続ける。

しかし、そのファクスというものが、なかなか終わらない。

いや、1枚送ってきたかと思うと、すぐに次のファクスが送られてくる。

そして、それを彼は無視し続けるのだが、さすがに鬱陶しく感じ始める。

だから、ふとファクスの方へと視線を向けた。

そこで彼は思わず、

え?

と声を出してしまう。

先ほどから、間違いなくファクスが受信している音が聞こえており、そして、

今も、新たにファクスを受信する音が聞こえている。

しかし、ファクスの受信用紙が溜まっているはずのトレーには、

一枚も受信用紙が見えなかった。

あれ?おかしいな・・・・。

彼はそう思ったが、気のせいだと片付けてしまう。

その後もファクスは受信を何度か繰り返していたが、結局、

何も送られて来なかった。

そして、ファクスの受信が途切れた時、ふと、静寂が訪れる。

やっと、静かになってくれたか・・・・。

そう思い、彼がホッとしていると、突然、オフィスに電話が鳴り響いた。

彼は思わず、体をビクっとさせてしまった。

だが、彼は、

こんな時間に掛かってくる電話は、かなりの確率でトラブルの電話に

違いない。

だったら、電話に出たら、余計な仕事を増やす事になってしまう・・・。

そう思って、電話を無視し続ける。

1度かかってきた電話は、10階以上のコール音の後、切れた。

しかし、電話はまたすぐに掛かってくる。

本当に今夜はどうなっているんだ?

そう思いながら、彼は仕事に集中しようと努めた。

そして、何度目かの電話がかかって来た時、彼は思わず仕事の手を

止めてしまった。

相変わらず、長いコール音が続いていた。

彼には、当然電話に出る気など毛頭無かった。

しかし、電話のコール音は、ガチャッという音とともに消えた。

それは、誰かが電話に出たという事を意味していた。

だから、彼は思わず仕事の手を止めた。

体が恐怖で固まっていた。

彼は、恐る恐る顔を上げた。

広いオフィスには、彼の他には誰もいる筈はなかった。

だから、誰も電話に出る筈もないのだ。

しかし、先ほどの電話は間違いなく誰かが出た様な音が聞こえた。

だとしたら、誰かがいるのか?・・・・・。

彼がそう思った時、広いオフィスの端の方から、ヒソヒソと話す様な声が

聞こえた。

彼の恐怖は更に増してしまった。

しかし、同時に考えてみた。

もしかすると、彼が食事を買いに出ている間に、誰かが帰ってきたの

かもしれない、と。

そして、彼と同じように仕事に追われてしまい、彼に声を掛けるのも

忘れているのかもしれない、と。

彼は椅子に座ったまま、

誰かいますか?

と大声を出してみた。

すると、先ほどはヒソヒソと聞こえていた声が止み、再び沈黙

が訪れる。

彼は思い切って椅子から立ち上がり、先ほど声が聞こえた方へ

と歩き出した。

絶対に誰か同僚が帰って来ている筈だ・・・。

彼はそう願いながら、歩を進め、オフィスの端にあるデスク

までやって来た。

しかし、やはり其処には誰もいなかった。

彼は、その時点でもう仕事など投げ出して走って逃げ出したかった。

しかし、仕事の段取り上、そんな事は出来ないのは自分が

一番理解していた。

だから、彼は、夜間、彼1人が残業する為に使用するフロアの

照明をかなり節約していた。

しかし、そんな事は、その時の彼にはもうどうでもよかった。

だから、フロアの照明を片っ端から点けて、出来るだけフロア

全体を明るくした。

そうすれば、少しは気が紛れると思った。

そして、仕事に集中する為に、切っていたラジオもつけた。

ラジオからは、パーソナリティの賑やかな話し声が聞こえてきて、

少しは気が紛れた。

彼は自分に喝をいれ、再び仕事に向かう為、自分のデスク

についた。

そして、書類に向かうのだが、やはり集中できなかった。

そんな状態だったから、考えるのは、怖い事ばかり・・・・。

そして、その時、気がついた。

彼は勤める会社のビルは、当然、まだ新しく、いわくつきの

場所に建てられたものではなかった。

だから、当然、このビルに関しては、幽霊などの類の話は

一度も聞いた事が無かった。

だとしたら、何が起こっているのか・・・。

彼のオフィスに入るには、専用のインテリジェンスキーが

必要だった。

そして、夜間、そのオフィスに入れるキーということになると、

それを持っている

のは、彼の会社の中でも限られた人数だけだった。

だから、誰もこのオフィスに入れるはずはないんだ・・・・。

もしも、入れる者がいるとすれば、それは人間ではない。

そして、もしも、先ほど彼が外に出て晩飯を買出しに行った時、

何かを連れて

来てしまったとしたら・・・。

そして、もしも、それがずっと彼の背後を追いてきて、彼と一緒に

、このオフィスに入ってしまったとしたら・・・・。

その時の彼には、それしか考え付かなかった。

そして、もしもそうだとしたら、今、彼は人外のモノと2人きりで

このオフィスに居る事になる。

彼は、冷たい汗が流れるのを感じた。

と、その時、突然、彼が座るデスクの右斜め後ろから、

うふふ・・・・。

という笑い声が聞こえた。

彼は俯いたまま、その笑い声が聞こえた方向へと

顔を振った。

そこには、OLが着る様な制服を着た足が見えた。

そして、彼はそのまま視線を上に上げていった。

心の中では、見るな!と叫んでいたが、彼はまるで何かに

操られるかのように

それを見てしまう。

そこには、薄いブルーの制服を着た女が立って、彼を

見て笑っていた。

裸足の足、異様に高い身長、そして、その顔は在り得ない

ほどに細く、そして

建てに長かった。

痩せこけた頬と閉じらたれ大きな口。

そのどれもが彼が始めて見る造形だった。

そして、彼はその時、まるでその女から視線を逸らす事を

禁じられている様に

一切視線を外す事は出来なかったという。

すると、次の瞬間、その女の顔は、まるでロウソクが

溶けていくように、

見る見るうちに崩れ落ち、顔の骨が露出した。

そして、それを見た瞬間、彼は意識を失ってしまった。

そして、次に彼が目を覚ましたのは、そのビルの守衛さんが

見回りにきた時。

床に倒れている彼を見つけた守衛さんが、彼を助け起こして

くれたらしい。

そして、当然、彼はその後すぐに仕事を切り上げて帰宅

したという。

今、彼は別の支店に転勤になり、そのビルで働いてはいない

のだが、どうやら

その事があってから、そのビルには、女の幽霊が何度も

目撃されるようになったという事だ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 12:16Comments(19)

2017年10月12日

天井裏から聞こえる・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日もお疲れ様でございます。

私も1日過ごすと、いやな事も多々ありますが、

それでも此処に戻って来れるという幸せ

を実感しております。

本当に、全然怖くない話を書き続けてきて

良かったと実感しております。

新たにコメント欄にカンボジアの方からのコメントも

頂きまして・・・・。

チョムリアップ・スオ(こんにちは)

アンコール・ワット行ってみたいですね!

それはそうと・・・・。

今日、娘が来週の修学旅行の際に、1人最低

1話だけでも怖い話を話さなくてはいけないらしく、

朝の忙しい時に、

ねぇ、お父さん、怖い話教えてよ!

と言うので、

それなら、それを持って行ってね!

と闇塗怪談を渡してやりました。

しかし、修学旅行で怖い話・・なんて、

今も昔も、そういうところは変わってないんですね(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは友人が体験した話である。

友人は結婚してから、なかなか子宝に恵まれず、それでも夫婦は

仲良く暮らしていた。

しかし、奥さんは時折塞ぎ込む事もあった為、彼は思い切って新築の家を購入する

事にした。

少しでも奥さんの気が紛れれば、という彼の優しさだったのだが、やはり新築の家

というのは人生でもそうそう買えるものではなく、彼にとってもかなりキツイ

買い物であったのだが、やはり喜ぶ奥さんの顔を見ていると、無理してでも

家を買って良かったと実感したのだという。

実際、狭いアパートで暮らしている時には、奥さんの頭の中は、どうして子宝に

恵まれないのだろう、という悩みで一杯になっていたらしいが、新居に住むと、

家具を買い揃えたりと忙しくなったのもあり、奥さんも変に塞ぎ込む事も無くなり、

彼はホッと胸を撫で下ろしていた。

しかし、その新居に住む様になってから3ヶ月くらいが過ぎた頃、彼の奥さんが

妙な事を言い出した。

彼の奥さんは、専業主婦であり、いつも家で家事に勤しんでいた。

当然、彼が仕事で家を空けている時には、奥さんが一人になるのだが、どうやら

その時に、奥さんは、不思議な感覚に襲われた。

それは、家の何処にいても、誰かに見られているような気がするという事だった。

しかも、それは単なる気のせいというものを通り越して、かなり確信に

近いものだった。

何故ならそれは、天井から聞こえてくる音として、常に奥さんが移動する所へ

付いてきたからだ。

その音はまるで天井裏を何かが這って移動している様な音であり、

ズスッ・・・ズズッ・・・。

と奥さんに付いて回った。

そして、奥さんを監視でもしているかのように、敵意に満ちた視線を

送ってくるというのだ。

しかし、その姿はおろか、どこから見られているのかも分からない状態。

最初は、彼を心配させたくない、と黙っていた奥さんも、やはり我慢しきれなくなって

彼に相談した。

その話を聞いたとき、彼は、きっと思い過ごしだろうと思ったのだが、それでも

奥さんを安心させる為に、押入れの中に在る天井裏への上り口から懐中電灯で

照らしたりして確認

するのだが、やはり、そこには誰もおらず、暗闇が広がっているだけだった。

そして、その事を奥さんに話すと、一応は納得したようで、とにかく気にしない様に

努める事にした。

しかし、それでも、天井からの音は消える事はなかった。

それどころか、這いずるような音に混じって、女の苦しそうな呼吸音が聞こえてくる

ようになってしまう。

そして、そのうち奥さんは食欲もなくなりどんどんと痩せていった。

そんな奥さんの姿が見ていられなくなった彼は一時的に奥さんを実家に

帰してのんびりと過ごすように奨めた。

そして、実際、実家に戻った奥さんはそれまでの体調不良が嘘の様に回復し、

食欲も戻った。

彼はその姿を見て喜んだが、ずっと実家に住まわせておく事など出来る訳もなく、

早く事態を解決しようと模索した。

しかし、彼が家にいても全く異変は感じられず、天井からも何も聞こえず、

気配すら感じなかった。

そんな時、彼女の奥さんから連絡が入った。

どうやら、実家に居ても、変な視線を感じるようになったというのである。

そこで、彼は奥さんを実家から呼び戻した。

そして、常に奥さんの側に居る様にして、その音が聞こえるのを待った。

しかし、やはり彼がいると、その音は奥さんにも聞こえないようだった。

どうすれば良いんだろうか?

そんな事を考えながら、その夜はそのまま、家の寝室で寝る事にした。

彼が一緒という事もあって、奥さんはすぐに軽い寝息を立て始める。

そして、そのまま彼も眠りに就いたのだが、何故か真夜中の午前2時過ぎに

彼は突然、目を覚ました。

まるで、危険を察知するかのように・・・。

そして、ふと、隣のベッドで寝ている奥さんの方を見た時、彼は思わず声を

あげてしまいそうになった。

そこには、天井からぶら下がるように、1人の女が奥さんを掴もうと手を伸ばしていた。

彼も見たこともない女だったが、白い着物を着て、ギラギラした大きな目で奥さんを

睨みつけているその様子は、とても人間とは思えなかった。

しかし、恥ずかしながら、最初、それを見た時、全く声が出なかったという。

決して金縛りなどというものではなく、恐怖で声が出なかったのだ。

しかし、その女の両手は、今にも奥さんの首を掴もうとしている。

彼は、渾身の力を込めて叫んだ!

お前!何してるんだ!と。

すると、その女は何故か逃げるように天井に吸い込まれるように消えていった。

彼は慌てて奥さんを揺り起こした。

すると、涙を流した状態の奥さんが、彼に抱きついてきた。

どうやら、奥さんは、先ほどの女が天井から降りてくる一部始終を

目撃していたのだが、

金縛りに遭い、声も出なかったということだった。

それから、彼ら夫婦は、家を出て、ファミレスに行き、朝が来るのを待った。

そして、夜が明けると同時に俺に相談してきた。

そして、話を聞いた俺は、早速彼の家に向かった。

そして、家の中をグルグルと見て回っていると、やはり俺にも何かの気配が

感じられた。

そして、それは凄まじい程の敵意として感じられ、俺は鳥肌がたった。

ただ、そのまま帰るわけにもいかず、彼ら夫婦が見守る中で、天井裏に

上がってみる事にした。

そして、押入れにはいり、いよいよ天井裏に上ろうとした時、突然、俺の

携帯が鳴った。

発信者は、Aさんと表示されていた。

俺は、すぐに電話に出ると、

いや、気が合うね!

もう少ししたら、電話でお願いしようと思ってたところなんだよね・・・。

と言うと、

とりあえず、すぐに其処から出てください。

今すぐにですよ!

そして、そのまま私が来るまで、外で待っててくださいね!

あっ、それと、この電話は家から出るまでは、このまま切らないでください。

電話が繋がっていれば、何とか護れると思いますので・・・。

そう言われ、俺と彼ら夫婦は、そのまま急いで家の外へ退避した。

そして、家の外に出てから、彼の家の住所をAさんに教えると、電話を切った。

彼ら夫婦は、

突然、どうしたんだ?

と怪訝な顔をしていたが、

まあ、今に分かるから・・・もう少し待ってくれ!

とだけ言って、そのまま俺達は外で待機した。

が、肝心のAさんはなかなかやって来ない。

家に入るな、と言われているから、外で待ち続けるしかなく、俺達は、そのまま

寒空の中、外で待ち続けた。

すると、いつもの真っ赤な外車でAさんがやって来た。

電話を切ってから、既に2時間以上経過していた。

俺は、Aさんの顔を見るなり、

あのね~・・・どれだけ待たせるの?

と言うと、Aさんは、

え?すぐ行くって言いましたか?

これでも、シャワー浴びて、お洒落ランチも程ほどに切り上げて来たんですけどね?

と言われてしまう。

彼ら夫婦も、俺とAさんのやり取りを聞いて、ただ呆然と見守っていたが、

俺が、

ああ、この人は、霊的な力だけは凄い人だから、安心してくれ!

と言うと、ホッとした顔をしてくれた。

すると、またAさんが

ところで、本当に危なっかしいんですけど?

さっき、自分が何をしようとしていたか、分かってるんですか?

下手したら死んでましたよ・・・・。

本当に忙しいのに・・・・。

そう言われ、俺は思わず、ゾッとしてしまう。

相変わらず、面倒くさそうなAさんだったが、やはり新築の家という物

には少しは興味もあるらしく、彼の案内で家中を案内してもらった。

そして、家を一回りした後で、Aさんは彼にこう言った。

やはり天井裏に居ますね。

古い時代の女の人です。

でも、時間が経ち過ぎて、今ではもう人の姿はしていませんね。

どうして、新築の家にそんなものが居るのか、謎なんですけど、居るのは事実

なので・・・・。

でも、たぶん、すぐに解決出来ると思いますよ。

それで、早速なんですが、天井裏にのぼれますか?

そう言われた彼は、ポカンとした顔で、

僕が・・・ですか?

と聞き返す。

すると、Aさんは、

ええ、貴方じゃないとダメなんです。

どうやら、貴方にはその女は手出しする気は無いみたいですから・・・。

その女の霊が狙っているのは間違いなく、貴方の奥さんなんです。

だったら、貴方が行かなくっちゃ!

そう言われ、彼は大きく頷き、2階の客間の押入れにある天井裏への上り口に向かった。

そして、

本当に大丈夫なんですよね?

と不安そうに天井裏に消えていった。

そして、彼が天井裏を移動していくのを見守りながら、

間違いなく、天井裏のどこかに、古い木箱がある筈なんです。

だから、それを見つけてください!

そう指示した。

そして、しばらく待っていると、天井裏から、

あったぞ~!

という彼の声が聞こえてきた。

彼はよほど天井裏が怖かったのか、その声が聞こえてから、ドタドタと走るようにして

天井を移動し、その木箱を持って、俺達が待つ2階の客間へと降りてきた。

そして、それをAさんに手渡すと、大きく肩で深呼吸した。

彼が天井裏から持って降りてきたのは、ちょうどお重のような形をした黒い木箱だった。

Aさんは、その木箱を両手で持つと、目をつぶって何かをつぶやいた。

そして、それを床に置いて木箱の蓋を開けた。

そこには、とても古い真っ赤なクシが見え、その下には大量の長い髪の毛が

溢れんばかりに詰められていた。

Aさんは、箱の中身を確認すると、少し顔をこわばらせて、

これは、私が処分しておきます。

良いですね!

と言うと、彼ら夫婦は大きく頷いていた。

それから、その箱はAさんによって処分されたらしいのだが、その方法に

ついては教えてくれなかった。

だから、俺は聞いてみた。

あの時、箱の中身を見た時、顔をこわばらせてたみたいだけど、そんなに

ヤバイものだったの?と。

すると、Aさんは、

ええ、とてもヤバイですね。あれは・・・・。

だから、処分なんて出来る訳も無いので・・・・。

だから、今は封印している・・・・って感じですかね。

と答えた。

それでも、俺がしつこく聞こうとすると、

いや、聞かない方が絶対に良いですよ。

聞いたら、もう後戻り出来なくなるかもしれませんから・・・・。

そう言って笑った。

ちなみに、その後、彼ら夫婦の周りで怪異は一切発生しなくなった。

そして、あの一件の後、すぐに子宝にも恵まれた。

彼は、もしかすると、あの女の霊が、子宝にも関係していたのかも・・・。

と言っていたが、確かに単なる偶然とは片付けられないものが、そこにはあった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:39Comments(20)

2017年10月11日

コンビニという場所には・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様です!

最近は夏に逆戻りしたかの様な

暑い日が続いてますね。

まあ、明日からは少し気温も下がりそうですから、

皆様、ご自愛くださいませ。

今日、仕事から帰宅すると、台所の洗い場には見た事も無い

様な巨大なお皿が・・・・。

何これ?

と妻に聞くと、

うちの大監督専用に買ってきた皿だとの事。

そして、今日のディナーは、そのお皿一杯の

ぺペロンチーノとお刺身盛り合わせ、そして、

これまた特大のカレーライスだったそうです(涙)

ちなみに、試験期間中との事で、午前で学校は

終わるそうで、冷蔵庫に貯蔵して

あったカフェラテが2本消えておりました(泣)

ちなみに、今は明日の試験に向けて、隣の部屋から

ゲームの音が聞こえてきておりますが、きっと

気のせい・・・・なのでしょうね?

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



コンビニという所は便利である。

値段は安くはないが、それでも24時間大抵の物は揃っているので、いざ

~が無い、という時にも便利だし、最近ではオリジナル商品も増え、さらに

お弁当や惣菜も美味しいのだから、誰もが利用するのも理解できるし、

逆に現代において、コンビニが無くなった生活など想像も出来ない。

そして、これから書くのは俺や知人が体験したコンビニにまつわる

話である。

俺もよくコンビニを利用するのだが以前こんな事があった。

昼間のコンビニで俺が本を立ち読みしていると、トイレのあたりで忙しなく

動き回っている人がいる。

その女性はどうやらトイレを使いたいらしいのだが、先客が居るらしく、

何度もトイレのドアを開いては、その先客にプレッシャーをかけていた。

彼女はかなり切羽詰っている感じであり、かなり頻繁にドアを開けて

先客にプレッシャーをかけるのだが、どうやらその先客は全く動じない

様子だった。

そして、さすがに我慢しきれなくなったのか、その女性はコンビニの

店員さんに直談判しにいった。

話を聞いていると、どうやら彼女はかれこれ10分くらい前から、トイレが

空かないか、と待っているそうなのだが、先客が居て、いっこうに

トイレが空きそうもない。

しかも、先客の女性は、内側のドアを開けたまま、トイレで壁を向いたまま立っている

だけらしく、用も足していないのに、トイレを占拠しているらしい。

だから、お店の店員さんから、声をかけてもらって、1度、トイレを出てもらう

ように言って貰えないか?という事だった。

その時、その店には、客は俺とその女性しか居なかったので、店員も、その女性の

苦情に対応すべく、トイレの方へと向かい、ドアをノックする。

そして、ドアを開けると、店員さんは、

あれ?どなたもいらっしゃいませんけど?

と言う。

それを聞いて、その女性はトイレの中を覗き込むと、やはり店員さんの言うとおり、

そこには誰も居なかった。

店員さんが、

まあ、先ほどお客様がレジに来られてる間に帰られたのではありませんか?

と言い、その場はうやむやになったが、トイレの側で立ち読みしていた俺には、

トイレから出てきた者など1人もいなかった事は断言できたが、余計な事は

言わないように、その場はスルーした。

また、こんな事もあった。

夜間のコンビニで、またもや俺が本の立ち読みをしていると、トイレの中から

男性が怒って出てきた。

そして、俺の顔を睨みつけながら店内を見回した後、レジにいた店員さんに

食ってかかった。

どうやら、彼が用を足していると、トイレのドアがノックされたらしい。

だから、彼は、コンコンとノックして使用中である事をアピール。

すると、何故かまたノックの音がして、その音はどんどん大きくなり、

まるでドアを拳で叩いている様な音になったのだという。

そして、それくらいお店側でちゃんと管理しろ!

という難癖にも似た内容の苦情だった。

早速、店員さんがトイレを見に行くと、当然、そこには誰も居ない。

しかし、そこで店員さんがその男性に聞いた。

あの・・・すみませんが・・・・。

トイレのドアは内側のドアも外側のドアも鍵を掛けられてたのではないですか?

だとすると、誰も入れる筈もありませんが・・・・。

それに、お客様がドアを開けた時、そこには誰かいましたか?

そう言うと、今度は俺の方を向いて、

お客様、申し訳ありませんが・・・。

トイレから大きな音などは聞こえてきましたか?

と聞いてくるので、俺は首を横に振った。

すると、その男性は納得がいかないといった感じでその店を出て行ったのだが、

その時、俺には見えてしまった。

その男性の後ろにピッタリとくっつき、嬉しそうに笑っている女の姿を・・・。

まあ、其処に居たほかの人には見えてはいなかったのだろうが・・・。

そして、コンビニの店員さんから聞いた話もある。

夜になり、時刻も午前0時を回ると、店内には客は全く居なくなる。

田舎のコンビニなら、尚更である。

そんな時は、コンビニの入り口の自動ドアが勝手に開いたりするのは日常茶飯事らしい。

それよりも、怖いのは店内の監視カメラだという。

お客の誰も居ない店内には、お客以外のモノ達が、カメラに映りこむのだ。

本を立ち読みするモノ、店の隅で座り込んでいるモノなど様々らしいが、一番

怖いのは、レジの前に立って、店員さんを呼ぶモノだという。

深夜1時や2時を過ぎると、客がほとんど来ないから店員さんはレジ奥の部屋で

待機?しているそうなのだが、突然、声が聞こえるらしい。

その声は、すみませ~ん・・・・すみませ~ん・・・・

と店員さんを呼んでいる声らしいのだが、その姿はしっかりと防犯カメラに

映り込んでおり、とても人間とは思えない容姿をした男女がレジの前に立ち、

店員さんを呼んでいるのが見えている。

だから、そういう時は、聞こえないフリをしつつ、必死に他の人間の客が来るのを

待つらしい。

どうやら、人間の客が入ってくると、すぐに気配は消えるのだという。

そして、たまに新入りのバイトさんなどがその声に反応してレジへ出て行く

事があるそうだが、その後、その新入りバイトさんは確実に辞めていく

そうだ。

そして、そういう話をAさんとした事があった。

Aさんによれば、霊だって、もともとは人間ですから、夜に明るい場所に集まり

たいと思うのは自然なことですよ。

と言っていた。

そして、そのAさんも深夜のコンビニを利用する事があるらしく、その際には

確実に、その手のモノが其処には居るのだという。

勿論、Aさん自体は気にも留めないそうなのだが、たまにレジ前で買い忘れた

物に気付くと、

ねぇ、あんた、暇そうだから、○○○○を取って来て!とか、

ねえ、そこのおでん、取ってよ!

えーと、たまごと厚揚げと・・・・。

という感じで霊達を便利屋さんとして使うのだという。

そして、もしも、霊達がおでんの汁をこぼそうものなら、

あらあら、ちょっと、それくらいちゃんと出来ないと!

ちゃんと拭いときなさいよ!

と叱りつけるというのだから、いったい何様のつもりなのだろうか?

でも、ちゃんと手伝ってくれた後は、しっかりお礼を言いますから・・・。

と自慢げに言っていたが・・・。

ちなみに、そのやり取りを見ていた店員は、その誰もが呆気に取られ、ただ

呆然と目の前で起きている超常現象を大口を開けて見ているそうである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:14Comments(21)

2017年10月10日

彼女がエレベータを使わない理由

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日もお疲れ様でした!

中西様におかれましては、一日も早く

問題が解決するように祈っております。

しかし、ここに集って頂いている皆様は、

それぞれがそれなりに悩みや問題を抱えて

いらっしゃるのでしょうが、いつも元気に

コメントして頂いて、感謝の気持ちしかありません。

本当にありがとうございます。

ちなみに、コメントでもよく書き込まれておりますが、

さすがに本を出したら、Aさんにバレるのでは?

という懸念があるようですが、多分、大丈夫です。

Aさんは、怖い話や映画が大の苦手です(笑)

人の手によって恐怖を演出されているものには、

過敏に拒否反応を示しますので・・・。

しかも、私の勤務先など知る筈もありませんし(笑)

だから、本屋に行っても絶対に怖い本のコーナーには

近寄りません(笑)

夜、寝られなくなるそうです(笑)

ということで、どんどん怖くない話をアップし続けましょう!(笑)

それでは、どうぞ~!





これは俺の知人の体験した話である。

彼女は結婚して夫と小学生の子供2人で暮らしている。

住んでいるのは、市内の8階建てのマンション。

そして、勤務先は6階建てのビルである。

そして、以前、仕事で駅前の高層ホテルに行った時、他のメンバーが当然

エレベータを使って上の階へと移動した時に、何故か彼女だけは、非常階段を

利用して、かなり遅れて上の階へとやってきた。

普通、2階とか3階なら解らないでもないのだが、さすがに10階以上の場所

まで階段でのぼってくる人は、そうそう居ない。

実際、十数階まで辿りついた時には彼女自身、かなり疲れきっており、打ち合わせ

どころではなかった。

だから、俺は少し興味が沸いて聞いてみた。

どうして、エレベータを利用しないのか?と。

そして、その時にこっそり教えてくれたのが、これから書く話だ。

小さい頃、彼女の家にはおばあちゃんが居て、いつも彼女を可愛がってくれた。

そして、そのおばあちゃんが亡くなってから、それは現れるようになったという。

初めてそれを見たのは彼女が高校生の頃だった。

彼女がマンションに住む友達の家に向かう時、エレベータを使った際、それは

現れたという。

エレベータの天上部分にある脱出用のハッチが少しだけ開いており、そこから

女がこちらを覗いていた。

それは確かに女の顔だったが、遠近感が狂ってしまう様な大きな顔であり、とても

人間の女には見えなかったという。

だから、彼女はそのまま恐怖で固まってしまい、それでもその女から視線を

外すことが出来なかった。

視線を逸らせたら危険だという信号を脳が送っていたという。

そして、その時は偶然、どこかの階から1人の人が乗り込んで来た時にドアが

開いたのをも見て、彼女は、逃げるようにエレベータから出た。

無事に友達の家に着き、さきほどの話をしたが、そのマンションでそんな話は

聞いた事がないということだった。

そして、友達の家からの帰り道は、友達も一緒にエレベータに乗ってくれたので、

無事に1階まで降りる事が出来た。

しかし、その事があってから、彼女はエレベータに乗ると、いつもその女を目撃した。

それはデパートだったり役所だったりマンションだったりとバラバラだったが、

何故かいつも同じ女が、天井のハッチから彼女をジッと覗き込んでいた。

そして、次第にある事が分かった。

それは、その女というのは、彼女が1人きりでエレベータに乗っている時にだけ

現れるという事だった。

確かに恐ろしかったが、エレベータに乗る時には、誰かが来るまで待てば良かったし、

またエレベータに乗っていて、一人になってしまいそうな時には、その人と一緒に

降りれば良かったので、大して不便は感じなかったという。

しかし、彼女が社会人になった頃、変化が訪れる。

それは、彼女が仕事で先輩達と一緒にエレベータに乗っていた時に起こった。

突然の酷い耳鳴りに襲われた彼女は、何となく視線を上にあげた。

すると、そこには、いつもは1人でエレベータに乗っている時にしか

現れなかった筈の女が、ハッチの隙間から彼女の顔を覗き込んでいた。

どうして?

彼女が呆然として天井を見上げているものだから、先輩の1人が

大丈夫か?

と声をかけてくれた。

それでも、彼女が固まっているので、その先輩も天井を眺めたらしいが、

あれ?天井部のハッチが開いている事なんてあるんだな~

とだけ言ったという。

その時、彼女は悟った。

きっとその女の姿はじぶんにしか見えないのだろう、と。

そして、それからは、彼女はエレベータに乗るたびにその女の姿を目にする

様になってしまった。

どれだけ沢山の人が一緒にエレベータに乗っていても、お構い無しにその女は

ハッチを開けて、彼女を覗き込んだ。

オフィスビル、ホテル、デパート、マンションなど様々だったが、いつもその女は

其処に居た。

だから、彼女も4階建て位の低い建物は、出来るだけ階段を使うようにした。

健康の為・・・という理由で。

しかし、さすがにそれ以上の高層階の建物になると、彼女1人だけが階段を

利用するのに適当な理由も見つからなかった。

だから、仕事の時は、特にエレベータを使わざるを得なかった。

そんな感じで頻繁にエレベータを利用するようになると、彼女はある事に

気が付いた。

それは、天井の脱出用のハッチの開き方がどんどんと大きくなっており、最近では

ほとんど全開になってしまっていた。

確かに不気味ではあったが、それでも実害は無かったので、彼女は出来るだけ

気にしない様に努めた。

そんなある日の事。

彼女は、とある会社に向かう為、エレベータに乗っていた。

そこは高層階のオフィスビルにある、大手の会社が入っており、彼女は

その会社に何度も足を運び、ようやく成約の一歩手前までこぎつけており、

その日が最終のプレゼンテーションの日だった。

だから、彼女はエレベータ中でも、これから彼女が行わなければいけない

プレゼンテーション用の書類に必死に目を通していた。

そのプロジェクトは彼女が数年かけて地道に行ってきたものであり、彼女は

是が非でも成約まで持っていきたかった。

だから、その時の彼女の頭の中には、他の事を考える余裕など無かったのだろう。

彼女がエレベータに乗ってから、何度もドアが開き、その度に人が乗り降りするのは

感じていた。

そして、その時、彼女はまたしても酷い耳鳴りを感じた。

ハッとして彼女が顔を上げると、エレベータの中には彼女しか乗っていなかった。

彼女はその時、エレベータの一番奥の壁にもたれ掛かる様にして書類に目を

通していたのだが、彼女の前には、誰も居なかった。

え?

彼女は驚いて、エレベータの天井を見た。

すると、そこには居る筈の女の姿は無かった。

ただ、脱出用のハッチが全開になっていた。

すると、突然、彼女の真横から声が聞こえた。

見いつけた~・・・・・。

それは

初めて聞いた様な低くかすれた女の声だった。

彼女は恐る恐る顔を横に向けた。

心臓が止まりそうになった。

そこには、彼女の顔を覗き込む様に顔を近づけている女の顔があった。

何かで押し潰されたように歪んだ顔であり、その大きな頭は一部が欠損していた。

そして、その顔は、とても嬉しそうに満面の笑みを浮かべていた。

その顔はとても恐ろしくとても人間の顔には見えなかったが、彼女はどうしても

その顔から視線を逸らす事が出来なかった。

視線を逸らしたら・・・・終わり。

彼女の脳がそう教えていた。

だから、彼女はガタガタと震える体を押し殺して、じっと女の顔を見つめ続けた。

すると、その女がこう言った。

何階がいい?

彼女はその言葉の意味が理解出来なかったが、それでも、何となくではあるが、

その質問に答えてはいけない、という事だけは分かった。

だから、唇をかみ締めながら、言葉を発するのを禁じた。

そして、彼女は、ずっと考えていた。

どうすれば良い?なんとかしなくては!

そして、誰かがエレベータに乗ってきてくれるのをひたすら待ち続けた。

しかし、エレベータの階数表示には何も表示されていないのを見た時、

彼女は悟ったという。

ここはもう現世ではないのだ・・・と。

すると、その女は、

ねぇ?

と言うと、突然、彼女の体に長く伸びた手を絡み付けてきた。

その手はあり得ないほどに長く、グルグルと彼女の体にまとわりつく。

そして、次の瞬間、その腕に力が入るのを感じると同時に、彼女の体の骨が

音を立てて軋んだ。

彼女は息が出来なくなっていた。

でも、それで良いと思ったという。

死ぬのか意識を失うのかは分からなかったが、このままの時間が過ぎるよりは

マシだと感じていたから。

そして、彼女は遠のいていく意識の中で確かにそれを聞いた。

その女の声が耳元で聞こえ、そして、

またね・・・・。

と言ったのだという。

それを聞いた直後、彼女は意識を失ったが、その後、エレベータの床に倒れている

所を救助された。

その時、エレベータの中は、何かが腐乱したような嫌な臭いが充満していたという。

結局、その時のプレゼンは中止になったが、その後、改めてブレゼンが行われ、

結局、彼女はその仕事を成約できたという。

しかし、それからの彼女は、どんなに高層階であろうとも決してエレベータは

使わず、階段を利用しているのだという。

だから、俺はこう尋ねた。

それてしても大変過ぎるでしょ?と。

すると、少し笑いながら彼女はこう言った。

あの時、あの女は間違いなく、

“またね”

と言ったんです。

だから、次に私がエレベータに乗ったときには間違いなく出てくるでしょうし、

万が一、その時に、他の誰かが乗っていて巻き添えにはしたくありませんから。

それに、私もまだ死にたくないので・・・。

だから、それに比べたら、階段の上り下りくらいは頑張らないと!

彼女がいつかその女から解放される日が来ると良いのだが・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:09Comments(28)

2017年10月09日

無人島での出来事

サインディスプレイ部  営業のKです。

お休みの方も、お仕事だった方も、今日も1日、

お疲れ様でした!

今日は、朝起きて、珈琲を飲んでいると、

うちの大監督(娘)も起きて来て、

昨晩は遅くまで勉強していたから、今朝は

朝風呂にでも入ろうかな~

と言ってお風呂場に向かいました。

高校生が朝からお風呂かい?

と思いつつ、そういえば、昨晩は遅くまで

娘の歌声が聞こえていた様な気がしたが、

あれは夢だったのか?と思っていると、

突然、娘が全裸で部屋に飛び込んでくる。

ど、どうした?

というか、バスタオルくらい巻いてくれ!

頼むから(涙)

と言うと、

お風呂場に蜘蛛が居たの~(泣)

と半泣き状態・・・。

そして、風呂場を見に行くと、何もいない。

だから、

蜘蛛なんて、何処にいるの?

と聞くと、娘が走ってきて、

此処!

と指差す。

そこには、私の肉眼では発見不可能な程の

とてもミニマムな蜘蛛が!

というか、どれだけ視力が良いのだろうか?

というか、全裸は勘弁してくれ!

と愚痴をこぼしつつ、今夜も怖くない話、

いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺の知人が体験した話である。

彼は、輸入品を扱う会社の社長であり、その買い付けにも自分で出向き、

それこそ休む暇なく世界中を飛び回るような生活をしている。

そんな生活だから、結婚もしておらず、立派な自宅にも、なかなか帰ることすら

侭ならないという有様。

正直、そこまで働いてどうするの?と聞きたくなってしまうのだが、彼には彼の

人生プランというものがあるらしい。

その人生プランというのは、とりあえず働けるうちはがむしゃらに働いて、

そして、ある程度の貯金が貯まったら、のんびりと生まれ育った故郷でのんびりと

過ごしたいというものだった。

ただ、彼の生まれ育った故郷というのは、昔はそれなりに沢山の人が住んでいた

らしいのだが、本土からも離れており、不便過ぎる生活の為に、どんどん

人口が少なくなっていき、今では完全な無人島になっている。

だが、彼に言わせれば、そんな事は全く問題にならないのだという。

それどころか、無人島とはいえ、生まれ育った場所に自分ひとりだけで住める

というのは、願ってもない事だ、と常に言っていた。

将来的には、出来る事なら、その無人島を買い上げたいと思っているらしく、

彼の夢はどこまでも尽きる事がない。

そんな彼だから、少しでも連続した休みが取れた時には、決まってその故郷の

無人島へ行ってのんびりと過ごすのだという。

確かに、電気も水道も通っていないらしいが、それでも当時の家や建物はまだ

それなりに使用出来る状態のものもあるらしく、その中でもいつも彼は、

島にひとつだけある消防用の監視タワーの中にキャンプ道具を持ち込んでは

そこから見える風景を眺めながら昼夜を過ごすのが、お気に入りとの事だった。

その監視タワーというのは、もともと灯台として設計されたのではないかと

思えるほど、灯台に類似しているらしく、建物がコンクリートのままであり、

灯台用の大型ライトが設置されていない事を除けば、その形と言い中の構造といい、

まさに灯台そっくりなのだという。

鉄製のドアを開けると、そこからは螺旋階段が続いており、それを60段ほど

のぼると、また鉄製のドアがあり、そのドアを開けると、そこにはまるで宿泊

する為に造られたのではないか、と思えるほど、

フラットで広いコンクリートに囲まれた部屋が現れる。

そして、その部屋は全面がガラス窓で覆われており、その窓の外には

その部屋を取り囲むように、狭いながらもテラスのようなものが設置されている

という事だった。

そして、そのテラスから見る島やその周りの海は、とても言葉では言い表せない

程の素晴らしい眺望なのだという。

だから、その場所は、彼にとっての秘密基地的なものであり、そこに行くと

彼も子供の頃に戻れたようなノスタルジーに浸れるのかもしれない。

そして、その年も彼は、無理に仕事のスケジュールを調整して、その島に

やってきた。

島まで行くのは、いつも一番近くの港の漁船の漁師さんに頼んで、その島まで

送ってもらい、帰りはまた、指定しておいた日時にその漁師さんに船で

迎えに来てもらっていたのだが、その港から、その島まではかなりの距離があり、

その為だけに船を出してもらっていた事もあり、それなりに高額な船代を

渡さなければならなかったが、それは仕方ないとしても、いつも船での

送り迎えの際、漁師さんから聞かされる話が彼は嫌いだった。

それは、その島が無人島になってしまった理由であり、十数年前にそこで

惨劇が起こり、それ以来、その島は呪われ、ひとり、またひとりと島民が

島から出て行ってしまい、ついには無人島になってしまったという話だった。

そして、その島は今でも呪われているらしく、彼を降ろした漁師は必ず逃げる

ように、その場から帰っていくのだった。

勿論、彼自身、故郷の島が何故無人島になってしまったのかは、親からも

教えなれていなかったのだが、それでも、自分の大切な故郷の島を、そんな

風に恐れ嫌っている漁師達には、彼自身、良い印象は持っていなかった。

その日も、彼を降ろした漁師は、そそくさと逃げるように島から立ち去った。

彼はフーっと深いため息をついたが、気を取り直して、島にある坂道を登っていく。

相変わらず、空気は美味しく、海からの潮の香りも格別だった。

彼は大きく深呼吸し、その香りを一気に吸い込んだ。

さすがに辺り一面には雑草が伸びて、ここが無人島である事を主張していたが、それも

ここが無人島である事の証であり、彼は再びこの島に戻ってきたのだと実感した。

すると、少しずつ空の雲行きが怪しくなってくる。

今にも雨が降り出しそうな空模様だった。

彼は歩く足を速めて、いつもの灯台もどきの建物を目指した。

10分ほど歩くと、その建物に到着した。

いつものように鉄のドアを開け、中から鍵をかけた。

どうして、無人島なのに鍵をかけるのかは自分でも分からなかった。

無人島である事は分かっているのだが、さすがに日頃の習慣というものはなかなか

抜けてくれない。

彼はそう思っていたが、やはり彼自身、何かの存在を無意識のうちに感じて

いたのかもしれない。

そして、重たい荷物を背負ったまま、ひたすら螺旋階段をのぼっていく。

前回、来た時に掃除した筈の階段も、あれからかなりの日数が経っているせいか、

既に埃が積もっている。

すると、階段には、裸足でのぼった様な足跡が残されていた。

あれ?

とは思ったが、彼はそれを気のせいだと片付けてしまう。

そして、息が切れてきた頃に、ようやく階段をのぼりきり、ドアの前に出た。

ドアを開け、中に入る。

そこは彼にとってまさに自分の部屋という感じになってしまっており、彼は

懐かしさとそこに戻ってきた安堵感に、疲れが一気に吹き飛んだ。

そして、荷物の中から、お湯が入った保温ボトルを取り出すと、

彼はコーヒーを作り、金属製のマグカップに注いだ。

そして、コーヒーを飲みながら、タバコに火をつけて、テラスに出る。

そこから景色を眺めながら、コーヒーとタバコを味わうのが彼の決まりごと

の様になっていた。

しかし、その時は、どんどん空が暗くなっていき、打ち寄せる波もかなり

高くなっているのが分かった。

せっかくの日なのに、雨は降って欲しくないな~

そう思いながら

彼はそそくさと窓から部屋の中に戻ろうとしたが、その時、窓の外側に

沢山の手形が付いている事に気付く。

誰の手形だ?

前回来た時には、こんな手形あったかな?

彼はそう思ったが、さして気には留めず、そのまま部屋の中に入った。

そして、窓を閉めると、早めにランタンで明かりを点け、晩飯の用意をする。

晩飯の用意といっても、買いこんで来た弁当や缶詰、そしてカップ麺などを

準備するだけなのだが、やはりキャンプと同じように、食事の時が何より

楽しいのだという。

そして、それらを食べながら、チビチビと酒を飲んでいると、一気に

睡魔が襲ってくる。

彼は、寝袋を出して寝なければ・・・・と思いながらも、ついその場に

崩れ落ちるようにして寝てしまう。

それから、どれだけの時間が経過したたろうか。

彼は、ある音に気付き、目が覚めた。

それは、紛れもなく、誰かが階段をのぼってくる音に聞こえた。

何故か雨は降らなかったのか、静寂の中にその音だけが響いている。

時計を見ると、午前2時を廻っていた。

ここに宿泊するようになってから、そんな音が聞こえたのは初めてだった。

そして、なによりも、無人島であるはずのこの島には彼以外の人間などいる筈も

無かった。

俺以外の誰かが、この島にいるのか?

彼は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

しかし、どう考えても、この島には誰もいないのは、過去の島の探索により、明らか

であり、しかも、こんな真夜中に誰かが訪ねてくるなどあり得ない事だった。

それに建物に入る鉄製のドアには、当然鍵も掛かっている。

だから、彼はどうしても信じられず、その足音に耳を傾けた。

それは、どうやら革靴を履いた誰かが、ゆっくりと階段をのぼってくるような音に

聞こえる。

しかも、ゆっくりと確実にその音は、彼が居る最上階へと近づいてきていた。

彼は、その足音に全神経を集中しながら、荷物の中に入れておいた携帯用の

ハンマーを手に取った。

もう、足音はすぐ近くまで近づいて来ている。

その時、彼は、ある事に気付いた。

この建物を入り口のドアの鍵は閉めたが、この部屋のドアの鍵は閉めただろうか?

彼には、鍵を閉めた記憶が無かったし、いつも食べ終えた弁当などをドアの外に

出しておく習慣が付いていたのも間違いなかった。

そこから導き出した結論は、鍵はかけられていない、というものだった。

足音はドアのすぐそばまで近づいている。

彼は、ドアに飛びつくように近づくと、ドアノブの下にあるロック用のレバーを

横に倒した。

と、それと、ほぼ同時に、突然ドアノブがガチャガチャと回される音が聞こえてきた。

ただ、やみくもにドアノブを回し続ける様子は、それがたとえ人間だとしても、

とても普通の人間の行為とは思えなかった。

彼の心臓は大きく波打っていた。

彼は固まったまま、ドアの側に立っていたが、次の瞬間、鉄製のドアが、

グァン、グァン、と叩かれた。

彼はビクっとなって、思わず、ドアから飛び退いた。

人間の手というよりも、何か硬いものでドアを殴りつけているような重く硬質な

音だった。

彼は気持ちをしっかり持たなくては、と自分に言い聞かせる。

しかし、どうしても、ドアの外にいるモノの姿を想像してしまい、それはすぐに

恐怖に変わってしまう。

彼は思い切って、声をかけようか、それとも声を殺してやり過ごそうか、どちらが

最善策なのかを考えた。

しかし、その答えは既に出ていた。

ドアの外にいるモノが、人外のモノなのか、それとも狂った人間なのかは、

分からなかったが、どちらにしても、彼が思う常識というものが通用しない

相手である事は間違いなかった。

彼は声を押し殺し、携帯用のハンマーをしっかりと握って、必死に耐えた。

すると、今度は、別の何かが、階段をのぼってくるような音が聞こえてくる。

それも、1人や2人ではなく、大勢のものが大挙して階段をのぼってくるような

音であり、その音に混じって、ザワザワという声も聞こえてくる。

彼は、持ってきたリュックの中を必死に探り、長いロープを取り出した。

階段から逃げられないとしたら、もう、展望台からロープを垂らして、それを

伝って下に降りるしか方法は残されてはいなかった。

それは、とても危険であり、下手をすれば、命を落としかねない危険極まりない

行為だったが、彼にはもうそれしか逃げ道は残されていなかった。

彼は、その場で立ち上がり、展望台の方を向いた。

そして、展望台へ出ようと、窓に近づいた。

その時、突然、雷が鳴り、辺り一面が白く光った。

そして、一気にどしゃ降りになる。

すると、その光に照らされるように、窓の外にビッシリと張りついた大勢の

亡者の姿が一瞬見えて、そして消えた。

それらの姿はおぞましいほどに腐っており、彼はその瞬間、意識が遠のくのを

感じ、その場に倒れ掛かる。

そして、意識が完全に消えてしまうまでのほんの少しの間に、ドアと窓から

入ってくる腐った亡者達の姿を見た。

そこからは、完全に意識が飛んでしまい、何も覚えていなかった。

そして、次に彼が目覚めた時、既に朝になっていた。

そして、彼が寝ていたのは、昨晩寝泊りしていた灯台もどきの建物ではなく、

断崖絶壁の上だった。

体が半分くらい絶壁の外に出た状態であり、どうして落ちなかったのか、は

自分でも不思議なくらいだった。

ほんの少しでも動けば、その場から海へと落ちてしまいそうだったが、何とか

その場から離れる事に成功し、彼は一気に船で迎えに来てくれる場所まで

走り、携帯で漁師さんに連絡をとり、お金は幾らでも払うから、今すぐに島まで

迎えに来てくれる様に頼んだ。

最初は渋っていたが、それでも彼の切羽詰った感じが判ったのか、すぐに船を

出してくれると言ってくれた。

それから、彼は船が到着するのをひたすら待った。

昨夜、見たモノ達の姿が脳裏をよぎり、またあいつらが襲ってくる様な

気がしてしまい、恐怖が圧し掛かってきた。。

とても長い時間に感じ、生きた心地はしなかったという。

しかし、思っていたよりも早く船が到着したのだが、そこにはいつもの漁師さん

の他に、3人ほどが乗っていた。

やはり1人で来るのは恐ろしかったらしい。

そして、船を見つけ、大きく手を振っている彼だったが、漁師さん達は、何故か

恐れおののいた様な顔をして、船着場に船を着けようとしなかった。

そして、彼に、

船の場所まで泳いで来い!

と言った。

彼は、何故?と思いながらも、必死で海の中を泳いで船までたどり着くと、

全員で彼を海の中から引っ張りあげてくれた。

そして、彼の顔を見た漁師達は、少し哀れんだ様な顔をして、こう言った。

あんた、自分の顔を鏡で見てみなよ!

そう言って手渡された手鏡で自分の顔を見た時、彼は驚愕した。

そこには、何か鋭いもので引っ掻かれてミミズバレになったように、顔中に

格子模様の痕が付けられており、そしてちょうどオデコの辺りには、

漢字で大きく、”迎”という文字がはっきりと残されていた。

それを見て呆然としている彼に、猟師達は何が起こったのか?すら聞こうとはせず、

そのまま逃げるように船を出した。

そして、昨晩体験した話をしようとした彼を遮るようにこう言った。

何も言わんでええよ!

大体の事は想像出来るからな・・・。

それに、どうしてさっきは船着場に船をつけなかったのか、あんたは分かってるのか?

と聞いてきた。

彼が首を横に振ると、一人の漁師が答えてくれたという。

あんたのすぐ後ろに、満面の笑みを浮かべて、手を振っている大きな女がいたからさ。

あんなのは、もう見たくないな・・・・。

そう呟くように言った。

それから、何とか船で本土に戻る事が出来た彼だったが、

もう二度とその島に近づく気にはなれなかった。

あれから、既に2年の月日が経過しているが、彼の身に怪異は起こっていない。

ただ、額に残された、”迎”という文字は今も消えないままである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:50Comments(24)

2017年10月08日

蘇り助けてくれる者達

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

今日は久しぶりに妻と2人きりでおでかけ。

まあ、単にデパートに買い物に付き合わされた

だけですが(涙)

すると、出掛ける時には昨夜の夜更かしもあってか、

完全に熟睡モードだったうちの大監督からLineが

あり、デパ地下で、美味しいものを買ってきて~

というSOSでした。

お腹が空いて死にそうとの事で、それでは何を

買っていけば良い?と聞くと、

○○の中華弁当と○○のお好み焼き、それと

○○の寿司盛り合わせとコンビニおでん、

との事でした。

そんなに食えるのか?と思いつつ買って帰ると、

上記の食べ物に、カップ麺まで加えたうえで、

ほぼ30分で完食しておりました(笑)

で、食後には、冷蔵庫にあった珈琲ゼリー。

それだけ食べると、再び、冬眠に入りました(涙)

連休明けは試験だと言っていたのは、たぶん

私の聞き間違いなのでしょう(涙)

そして、やはり金曜日のオフ会には、当社の

営業Mさんが参加したみたいですね。

なんか、早く帰るな~と思ってたんですが、

そういう事とは露知らず・・・。

まあ、楽しかったのなら良かったですけどね。

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう!

今日は連休ですので、Aさんと姫が登場する話です。

宜しければどうぞ!



これは知人が体験した話である。

彼は音楽という趣味を通して、俺と接点があった。

接点という変な言い回しをしたのは、彼が他人との交流を一切遮断し、

何時何処にいても必ず一人ぼっち・・・そんな生き方を貫いていたから。

だから、彼はライブに出る時も、たった一人でギター1本を抱えて弾き語りを

する、というスタイルに徹していた。

楽屋でも、いつも1人であり、話しかけても返事はしない。

そういう彼の態度は、更に彼を孤独な人間にしていったのだと思う。

いつしか、彼に話しかける者もいなくなり、彼はライブの直前に楽屋に現れて、

そして、ライブで歌い終わると、ひっそりと知らないうちに帰ってしまう。

だから、ライブの打ち上げでも、彼の姿は見た事がなかった。

ただ、俺は個人的には彼が嫌いではなかった。

誰かの為に何もしてあげないかわりに、自分も誰にも頼らない。

誰も信用しないかわりに、他人に自分を信用して貰おうとはしない

誰の話も聞かないかわりに、自分も誰にも泣き言を言わない。

そして、決して他人の悪口は言わない。

その一貫した態度は、俺にはある意味、好感が持てたのだ。

そして、何より、彼が自作して唄う歌には、彼の態度とは裏腹な、心細さや

寂しさ、そして、優しさというものが常に感じられた。

ただ、彼はライブでも曲間のMCを一切行わなかったから、正直なところ、

彼のファンというのはゼロに等しかったのだが。

そして、それはあのAさんも同じように感じていたらしく、年下の彼の事をいつも

影ながら心配していた。

そんな彼がある日を境にして人格が一変してしまった。

他人を酷く罵倒したり、汚い言葉を吐いたり、暴力まで振るうようになる。

ただ、それはある一定時間の間であり、その後はいつもの彼に戻り、1人で

自責の念に駆られている様に苦悶していた。

精神が病んでしまった?

いや、それは、まさに悪霊にとり憑かれたようにしか見えなかった。

そして、それはAさんも同じように感じていたらしい。

そこで、俺とAさんは、バンド関係の知り合いに彼の同級生だったという女性が

いることを思い出し、彼女に話を聞いてみた。

そして、彼の過去を聞いた俺は、驚いてしまう。

彼は小さな頃に父親が酒を飲んでは乱暴を振るうようになり、その巻き添えを受け、

彼は顔に大きな傷を負ってしまう。

その後、彼の両親は離婚するが、その後、彼の母親もアルコール依存症になってしまい、

ある日、突然、幼い彼を殺そうとした。

勿論、彼を殺して自分も死ぬつもりだったようだが・・・。

そして、その動機は彼に父親の血が混じっているという、ただそれだけだった。

運よく一命は取り留めたものの、彼はその後、母親から引き離され、施設に

入れられる。

施設でも、彼は孤立していた。

それは、大好きだった母親に殺されかけたというトラウマから、一切誰も信じられなく

なってしまったからに他ならない。

そして、その後、彼の母親は自殺してしまう。

彼は完全に天涯孤独になってしまい、その後、生きた屍のようにして、ただ毎日

を惰性で生きてきた。

そして、友達も作らず、誰にも頼らず、1人だけで生きるということに疲れ果てて

彼はある日、自殺を図る。

しかし、自殺は未遂に終わり、彼の左手には深いカッターの傷だけが残った。

そして、それからの彼は、まるで、死を待つだけのような生活を送る様になる。

自殺出来ないのだとしたら、それこそ、一人ぼっちで誰の邪魔にもならない様に

生きてみようと・・・・。

だから、自分を痛みつけるように、わざと過酷な仕事を選び、普通の人なら敬遠

するような汚いアパートに住んで他人との交流を一切絶った。

誰とも会話する事も無くなり、朝起きて、働いて寝るだけ・・・・。

どんな人ごみの中にいても、彼は常に一人ぼっちだった。

食事も生命を維持する為に必要な最低限のものしか摂取しない。

自分は死ぬ為に生きているだけなのだから・・・・と。

だが、それはある意味、彼の優しさなのだという。

彼は、誰かが自分と関わる事で不幸になるのが、何より怖いのだという。

だから、誰とも交流を持たない。

裏切られるのが怖くて誰も信じられない。

いっそ、周りの皆から嫌われて孤立した方が、人の為になる。

自分と関わる事で、人が不幸になるとしたら、それが彼には耐えられない。

だから、彼は望んで孤独を受け入れている。

だけど、彼の周りに居る人間も馬鹿ではない。

そんな彼の気持ちや考え方を理解し、一定の距離を置いているが、やはり彼を

好意的に見守っている人は沢山居るのだという。

ただ、それを彼に伝えると、また彼を苦しませてしまう。

だから、彼の事が好きな奴も、敢えて、彼とは距離を置いているのだという。

それを聞き終えたAさんは、重いため息をつくと、

彼のアパートに行ってみませんか?

と言ってきた。

彼のアパートの住所は、ライブの主催者に頼み込んで、緊急連絡先として登録されていた

住所からすぐに調べることが出来た。

そして、彼が、バイトをしている時間帯を選んで、そのアパートに行ってみる。

そこは、隔離された、という呼び方が似合うような汚い街の中にあった。

木造の2階建て。

築何十年が経っているのか、恐ろしく古い建物であり、1階と2階にそれぞれ

5部屋ずつの部屋があるように見えるが、どうやら住んでいるのは彼1人としか

思えなかった。

こんな所に住んでいたら、誰でも自暴自棄になってしまう・・・。

それが第一印象だった。

そして、住所によれば、その2階の一番左端の部屋が彼の部屋だったので、急いで

階段をのぼる。

しかし、階段も、ところどころが腐っており、上るのにも一苦労してしまう。

階段をなんとか上りきり、左端まで行くと、彼の苗字の表札がかかっていた。

ドアノブを回すと、鍵はかかっていないようだ。

正直、こんな危なそうな街の中で、信じられない事だった。

俺は、留守なのは知っていたが、とりあえず、

失礼しま~す・・・・・。

と、声を掛けてドアを開けた。

部屋の中に入る。

そこは,ある意味、異様な部屋だった。

部屋は、畳敷きの和室が1つだけ。

そして、そこには、家具はおろか、家財道具すら、ほとんど無かった。

更に、部屋の明かりを点けようとして、電気が来ていない事が分かった。

こんな処で、生活出来るものなのか・・・。

しかし、彼が此処に住んでいるのは間違いない事実だった。

そして、部屋の中のある、唯一の家具であるベッドだけは、異様にきちんと

整頓されており、その部屋全体の異様さに拍車をかける。

そして、壁には、あえて、合わせ鏡になるように設置された鏡が・・・・。

彼は一体この部屋の中で、どんな生活を送っていたのだろうか?

そう考えると、悲しさとともに、不謹慎ながら寒気がしてしまった。

すると、その時、突然、Aさんが叫ぶ!

出ますよ!急いで!

俺はAさんの後を追いて、部屋から飛び出した。

そして、慌てたように階段を下りるAさんに必死になって付いて行った。

途中、一箇所、階段を踏み抜いてしまったのだが、そんな事も気にしてはいられなかった。

階段を降りて、車に急いで乗り込むと、Aさんは、躊躇せず車を発進させた。

そして、しばらく走ると、前方にコンビニが見えた。

俺達はそのコンビニの駐車場に車を停めて、何故か、缶コーヒーとソフトクリームを

奢らされ、それを食べながら、Aさんが語った。

あの部屋、いや、アパート全体が悪霊の巣になってます。

あのまま居たら、たぶん、やられてましたね。

私もKさんも・・・・。

普通では考えられないレベルの悪霊から、低級な悪霊まで、ゴロゴロしてます。

そして、其処に住む彼の闇の部分がとても居心地が良いらしく、それを

邪魔しに来たと感じたあいつらが、部屋に入ってから、ずっと私達を見張ってました。

で、天井から、その中でも、とても邪悪で強力な悪霊が部屋に降りてこようと

していのたで、とりあえず、逃げる事にしました。

たぶん、私じゃ、どうしようもありませんね。あれは・・・・。

逆にとり殺されるのがオチかと・・・・。

私も久しぶりに本気で命の危険を感じました。

出来ればあんなのには係わり合いになりたくないですね・・・・。

まあ、此処まで逃げてこられて本当にラッキーでした。

もう少しで命落としてましたね・・・・。

そう言われたが、ソフトクリームを頬張りながら話すものだから、本当は

とても緊迫した状況の筈なのだが、何故か緊張感が伝わってこない。

だから、俺は、

うーん。それは分かったけど、どうするの?

Aさんが歯が立たないって、信じられないんだけどね・・・・。

だとしたら、このまま、彼を見捨てるの?

でも、それってなんかAさんらしくないよね?

俺は何とかしてやりたいんだけどねぇ・・・・。

そう言うと、

そんなに簡単に言わないでくれますか!

本当に危ないんですよ!ちゃんと分かってます?

と返してくる。

それでも、俺が納得していない顔をしていると、

はいはい。わかってますよ・・・。

誰も見捨てるなんて言ってませんよ!。

でも、今回は私もそれほど力が及ばないのと同じように、例え、姫に手伝って

貰ったとしても、根本的な解決には導けそうに無いんですよね。

それは、彼が持つ負のオーラに、悪霊たちがどんどん集まってしまっていて、

それが彼の体、いや、心を棲家にしてしまっているので・・・。

こればっかりは、霊力がどれだけ強くてもどうにもならないんですよね・・・。

彼が、もう一度、強く生きたいと願うようにならないと・・・。

そう言われ、俺は

それじゃ、彼を説得して、考えを改めさせるとか?

と言うと、

本当に、悲しくなる位の馬鹿かもしれないですね。Kさんって・・・・。

そんな事で、彼の考えが変わるくらいなら、もうとっくに直ってますよ。

それが簡単に出来ないから、困ってるんじゃないですか・・・。

今回の解決方法は、二つしかありません。

彼の命を絶つか、もしくは、彼に生きたいと思わせる事で、彼の中に巣食う

悪霊達を、外に追い出すか・・・・ですね。

そう、追い出せれば、私と姫の力で何とかできるはず・・・。

そして、しばらく考えていたAさんは、

うん。この方法しかないかな。やっぱり・・・。

と言ってくるので、

なに?どんな方法?

俺も出来るだけ協力するから・・・・。

と返すと、

はい。お気持ちだけ頂いておきますね。いつものように・・・・。

まあ、基本的にKさんは、役に立たないので(笑)

そして、ひとしきり笑った後、真顔になってこう言った。

私もKさんも、彼の事、好きですよね?

だとしたら、彼の事を本当に理解している、本当に彼の事が好きで力になりたい

と思っている者も、本当は沢山いるんじゃないかなって思うんですよ。

それは、現世だけではなくて、霊界にも・・・。

だから、その霊達に、今回は力になってもらおうかなって・・・・。

私はその霊達がこちらに来やすいように、道を作ります。

その霊達が、彼に力をくれると信じましょう!

後は、彼次第・・・ということになりますけどね。

そう言って、またソフトクリームを頬張る。

そして、

あっ、そうそう。Kさんは必要ないんですけど、また、Kさんの守護霊には、

力になって貰わないといけないですね。

それと、姫の送り迎えですかね(笑)・・・・。

そう言って笑った。

そして、決行の日。

俺は彼のバイト先に出向き、彼に、その日行う除霊について伝えた。

すると、彼の中には既に、何体もの悪霊がとり憑いているようで、頻繁に顔つきが

変わり、俺に罵声を浴びせてくる。

しかし、時折、彼自身に戻れるようで、その時には、彼は波出を流して、

常日頃、接点が無かったのに、そんな事をして貰えるなんて夢にも思わなかったです。

ただ、今は、この状態が恐ろしいんです。

誰かを傷つけてしまうような気がして・・・・。

そして、段々と自分が自分でなくなっていくのを感じてて・・・。

だから、勝手な頼みかもしれませんけど、お願いします。

助けてください!

そして、もしも助けられなかった時には、いっそ、この世から消してください!

と言ってきた。

まあ、○○君、次第なんだけどね・・・。

と言い、早めにバイトから帰宅して、アパートから出ないようにと伝え、俺はAさん達

が待つ現地のアパートへと向かった。

アパートに着くと、既に姫がAさんの指示のもと、アパートの周りに強力な

結界を張り終えたところだった。

Aさんの言われた通りに、結界を張ってみましたけど、こんなので本当に

大丈夫なんでしょうか?

と聞いてきたが、その結界は、俺が見ただけでも分かる位に、青白く光り、

その凄まじい威力が容易に想像出来た。

そして、Aさんを見ると、Aさんも唖然としている。

やっぱり凄いですよ!姫って・・・・。

と、興奮して言ってくる。

しかし、こんなに強力な結界が張ってあっても、彼が帰宅出来るの?

と聞くと、

ちゃんと、外からは入れる結界になってますよ。

もっとも、中からは絶対に外には出られそうもありませんけどね・・・。

とAさんが返してきた。

既にそのあたりの空一面がどんよりと暗くなり、ウオーンウオーンという

声が聞こえ、俺の目にも、悪霊たちが、空から威嚇してくるのが良く分かった。

そして、しばらくすると、彼がアパートに戻ってきた。

そこには、先程、会った時の彼の顔はなく、明らかに邪悪なものに変わっている。

明らかに危険。

そんなオーラを出しながら、彼が俺達の前を通る。

その目には明らかに、憎悪というものが見て取れる。

その時、Aさんが突然、明るい声で彼に言った。

貴方が自分を否定しても私達は決して否定しない。

だから、絶対に助けるから・・・・。

自分が孤独だと思っているとしたら、大間違いだよ。

貴方を好きで心配している人は沢山いるんだから・・・・。

生きているって事は必ず誰かと繋がっているんだ。

いくら自分が孤独に生きてるって思ってたとしても・・・・。

皆、誰かに助けられ、そして誰かを助けて生きてるんだ。

それに気付いてないだけ。

それを今から貴方に身をもって知って貰わないとね!

そして、口調を変えて、

ちゃんと聞いてるか?

あんたらに言ってるんだよ。悪霊さん達!

そう言うと、にっこり彼に笑いかける。

その時、一瞬だけ、彼の顔が、真顔に戻ったように見えたが、また、すぐに恐ろしい

形相に変わった。

そして、既に悪霊の巣窟となってしまっている彼のアパートへと入って行った。

その後、俺は危険、ということで、ひとり、その場から離れる事になった。

正直、不安で眠れなかった。

本当にAさんと姫で勝てるのだろうか?と。

そして、翌日、心配で眠れなかった俺は、朝早くにAさんに電話をかけた。

なかなか電話に出ない。

もしかして、Aさん達の身に何かあったのか?

と心配がこみ上げて来た時、電話がつながり、眠そうな声のAさんが出た。

相変わらず緊張感が欠如している。

俺は、畳み掛けるようにAさんに昨晩の事を尋ねた。

すると、Aさんは、

ああ、楽勝ですよ(笑)

私と姫が束になって勝てない奴なんて居る訳ないじゃないですか・・・・。

というのは冗談で、

まあ、かなり手強かったんですけどね。

でも、今回の除霊には、どうしても、彼の閉じてしまっている心を開かなくては

いけなかったので、苦労しましたよ。

だから、私と姫の2人で、彼の事を真剣に助けたいと願っている霊達が

戻ってくる為の霊道を作りました。

正直、戻ってきてくれる霊が要るのか、心配だったんですけど、沢山戻ってきて

くれました(笑)

彼の母親は、勿論、祖母、ご先祖様、亡くなった友人、そして、彼の事を本当に

助けたいと願ってる、現世の友達の強い気まで集まって・・・。

それは、凄い光景でしたよ。

Kさんにも見せたかったですね。

それを見た彼の驚いた顔と嬉しそうな顔。

彼は自分でも気付かずに涙が溢れてきて、何かを洗い流すみたいに。

その霊達が、彼の為に、現世に戻るという事が、どれだけ辛く苦しい事か、彼には

分かっていたみたいですね。

それを見た、彼の心がどんどん開いていき、何か固まっていたものが急激に溶け出す

ような感じになって・・・・。

それで、彼の中に憑依していた悪霊達も、居心地が悪くなってしまって、彼の体を

開放するしか無くなったんです。

そこまで、聞いて、俺は、

でも、彼から離れたといっても、そんなに沢山の悪霊。

しかも、そうとう強力なのが揃ってるって言ってたけど、何とか除霊出来たの?

と聞くと、

はい。除霊は出来ませんでしたね。

というか、綺麗さっぱり、消滅させました(笑)

しかも、一瞬で!

それを聞いて俺が、黙ってしまうと、Aさんが

あっ、私じゃなくて、姫がやったんですからね。

一瞬で、パッ・・・・・と。

私は、いくら悪霊だからといって、そんな無慈悲な事はしませんから(笑)

優しく言い聞かせるつもりだったんですよ。

こら、駄目でしょ・・・・て。

でも、その前に、姫が!(笑)

そう言って、笑っていた。

ただ、彼はまだ不安定な状態だから、彼から話しかけてくるまでは、そっと

しておいてくださいね!

と念を押された。

そして、それから3ヶ月くらい経ったある日、彼が挨拶にやってきた。

そこには、以前の孤独な彼の姿はもう存在せず、とにかく明るかった。

生きている事がとても楽しいというのが感じられて俺まで幸せな気持ちになった。

そして、まっすぐに前を見て話をする彼の後ろには、ずっと彼を心配していた

バンド仲間の彼女が寄り添うように笑っていた。

きっと、その彼女を含めて、護りたいものや生きる楽しさを見つけたのだろう、と

感じた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 17:53Comments(34)

2017年10月07日

側にいて護ってくれているもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日もお疲れ様です。

今日は仕事でした。

で、これからお客さんと片町飲み・・・です。

ところで、昨日の金沢オフ会に当社の営業Mさんが

参加されたという未確認情報を今日聞きました(笑)

本当なら面白いんですけどね(笑)

ということで、出かける前に1話アップさせて

頂きますね!

それでは、怖くない話、どうぞ~!




猫や犬などの動物が、どれだけ叱ってもずっと飼い主の側を離れようと

しない事がある、とよく話しに聞く。

そういう時には、もしかしたら、危険から飼い主を護ろうとしている

のかもしれない。

そして、これは友人が体験した話である。

友人は、猫を飼っている。

結婚もせず、自由に生きているのだが。

本当は犬が飼いたかったらしいのだが、やはり朝夕の散歩は負担であり、仕事の

関係上、実行出来そうもなかったので、やむなく猫を飼う事にしたのだという。

しかし、1度飼ってみると、自由気ままな過ごし方や、いつもは呼んでも来ない

癖に、都合の良い時にだけ擦り寄ってくる身勝手さがとても可愛く思えてきて、

彼は、家に帰るといつも猫にちょっかいをだしては、爪を立てられていた。

そんな彼の猫も既に飼い始めて20年以上が経過していた。

実際、喜んで寄って来るのは、食事の時だけてあり、それ以外は、いつも

好きな場所で日向ぼっこをしたり、外へ出かけていったりと好き勝手に

行動していたらしい。

だから彼はいつも言っていた。

完全に俺の片思いなんだよな・・・。

少しは大切にしている気持ちが伝わってるのか不安になるよ・・・、と。

しかし、そういう気持ちはしっかりと伝わるものなのかもしれない。

そんな彼がある時、沖縄へと旅行に出かけた。

沖縄県内の色々な観光名所を巡るのと同時に、有名な心霊スポットにもついつい

勢いで出かけてしまった。

それも、不思議な話なのだが・・・。

彼が那覇市内で昼飯を食べていると、別に店内が混んでいる訳でもないのに、

突然、1人の女性が声をかけてきた。

そして、

相席してもよろしいですか?

と聞いてきた。

良くみると、とても美しい女性であり、彼は即答でOKしたという。

1つのテーブルで一緒に食事をしながら色々な話をした。

そして、どうやら彼女も彼と同じように、一人旅で沖縄にやってきたという

事だったが、話しながらマジマジと見ていると、彼女は顔が美しいだけでなく、

スタイルも良く、そして性格も明るいという彼にとっては理想とする女性像そのもの

であった。

こんな女性と付き合えたら最高なんだけどな・・・・。

などと思っていると、彼女から意外な提案が為されたという。

それは、彼女は是非、沖縄にある、心霊スポットに行ってみたいのだが、

やはり1人では怖いので一緒に行ってくれませんか?

というものだった。

彼は、そういう類は大の苦手だったのだが、それでも、その女性に頼まれると、

断るわけにもいかなくなり、結局、食事が終わってから一緒に心霊スポット

を回る事になってしまった。

その日の午後は完全に、それだけに費やされたという。

しかし、確かに怖かったが、何も出る事は無く、無事に心霊スポットの探索は

終了した。

そして、今度は、本州に戻ったら、お会いしましょう、と言ってお互いのメルアド

を交換した。

それから、彼は通常の沖縄旅行をこなし、翌々日には、沖縄から戻ってきた。

それから、少しずつ彼の身の回りで、危険な出来事が起き始める。

階段から落ちたり、突然落ちてきた照明が当たりそうになったり・・・。

それし数えればきりがない程だったが、何故かその時には、飼い猫が側にいて

彼の行く手を阻むような行為をした為に大事には至らなかった。

そして、そんなある日、突然、彼の住む家に、沖縄で出会った女性が訪ねてきた。

実際、彼は何度か彼女から教えて貰ったメルアドにメールを送ってみたのだが、

一度も返信がなかったので、たぶん、嘘のメルアドを教えられたか、そもそも

俺に会う気は無いのだろうと、完全に諦めていた。

そんな彼女が突然、彼の家を訪ねてきてくれた。

彼は舞い上がってしまい、すぐに玄関のドアを開けて彼女を家の中へと招き入れた。

しかし、彼女は、その美しさこそ、そのままだったが、どこか感じが変わっていた。

うまく説明できないが、まるで作り物のマネキンのような無機質な顔に感じられた

という。

それに沖縄で会った時のような明るさは微塵も感じられず、無口で怖い感じ

すらした。

それでも、嬉しさで頭が混乱していた彼には、そんな事はどうでも良かった。

そんな彼に対して、彼女は突然、変わった質問をしてきた。

どこも怪我はしていないんですか?と。

彼はきょとんとした顔で、その言葉を聞いていたのだがその時少し冷静に頭が

回るようになっていたのかもしれない。

彼は、おかしな事に気付いた。

それと、

どうして、彼女は彼が何度も危険な目に遭っている事をしっているのか?

そして、

どうして、メルアドしか知らない彼女が、この家にやって来れたのか?

という事だった。

彼は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

そして、それと同時に、目の前にいるこの女はいったい何者なのか、と。

そう思って見ると、その女の顔は、美しいというよりも、欠点が無さ過ぎて

かえって不気味な顔に思えてくる。

すると、それを察したのか、その女の口元が少しだけ笑ったように見えた。

それは、言葉では到底説明など出来ないような恐怖を感じたという。

どうして、俺は、この女をいとも簡単に家の中に入れてしまったのだろうか、と

自分を責めた。

すると、その女は突然、ソファーから立ち上がり、彼を見下ろすように睨んだ。

そして、

どうして怪我のひとつもしていないの!

とボソッとつぶやいた。

彼は恐怖で固まってしまう。

その時、どこからともなく、彼が飼っている猫が彼に走り寄ってきた。

彼は猫に危険が及ばないように、何度も猫に向こうへ行くように手で押しのけようと

した。

しかし、猫は頑として彼の横から動こうとはしなかった。

それどころか、彼の体にピタリと体をくっつけて、その女の方をジッと見ている。

そうなると、完全に彼は蚊帳の外という状態になってしまい、その女と猫は、

じっと睨みあっているのを呆然と見つめるのみ。

すると、次の瞬間、その女は、どんどんと顔が溶けていくように、まるで別人の

顔になっていく。

それは、まるで死人の顔が腐乱していくのを連想させた。

そして、それを見た猫も、尻尾を立て、牙を剥いて、女に向かって唸り出した。

彼は、恐怖で意識が遠くなっていったが、完全に意識が飛んでしまう直前、その猫が

尻尾を二つに割り、巨大な猫として、その女に飛び掛っていくのを見た。

そして、その瞬間、完全に意識を失ってしまう。

それからどれだけの時間が経過しただろうか・・・。

彼が目を覚ますと、彼の横でいつものように猫が、のんびりと昼寝をしていた。

彼は先ほど見た光景が、夢であるように感じた。

さっき見た化け猫は、お前じゃないのか?

それとも、本当に夢を見ていたのか?

そう思ってしまうくらい、日常的な平和過ぎる時間が流れていた。

そして、彼はハッと思いつき、急いでモニター付きのインターホンの記録画像を

確認してみることにした。

もしも、夢でないのだとしたら、先ほどの女が、インターホンに記録

されている筈だった。

彼は急いで再生ボタンを押した。

すると、そこには、顔が腐り崩れ落ちた緑色の顔がはっきりと写っていた。

彼はその画像をすぐに消去した。

あくまで夢として片付けたかったのかもしれない。

そして、考えた。

もしかすると、猫が自分を助けてくれたのかもしれない・・・と。

そうでなければ、先ほどの猫の行動は説明がつかなかったから。

それからは、彼はより一層、猫を可愛がるようになった。

そして、相変わらず、猫は迷惑そうに、それでも、いつも彼のそばから

離れずに、日向ぼっこをしているということだ。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:41Comments(30)

2017年10月06日

殺人現場の家

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日は金沢での第1回オフ会の日ですね。

きっと、もう既に盛り上がってるのかも

しれないですね。

私もいつか偽名を使って参加するかもしれません。

その時は宜しくお願い致します(笑)

それでは、今日も怖くない話、いってみますが・・・。

今日の話は、書いている自分でも途中から気持ち悪く

なってしまいました。

霊障がどうとかいうものではありませんが、以前、聞いた

話を文字にしているとき、どうしても、リアルな描写に

なってしまい、ある意味、グロ系になってしまいました。

ですので、耐性の無い方は、くれぐれもお気を付けて

お読みくださいませ!

特にし心臓の悪い方は、お気をつけください。

それでは、くれぐれもお気を付けて・・・。

どうぞ~!



これは俺の大学時代の友人から聞いた話である。

その家は数年前に殺人事件があった場所だった。

東京都心からはかなり離れた辺鄙な場所に在るその家で、老夫婦ふたりが

殺されるという事件が起こりかなりのニュースになったらしい。

そして、その時には同居していた一人娘が疑われたそうなのだが、結局、彼女は

見つからず、別の犯人も見つからなかった為、その事件は迷宮入りしてしまう。

そんな場所に彼は出掛けた

時刻は午後3時頃だった。。

特に目的や理由があった訳ではなく、ただなんとなく、というのが本当の気持ち

だったという。

その家は、一応未解決事件ということで、警察によって立ち入り禁止のテープが

貼られているのだが、常時見張りが立っているわけでもなく、若者達にとっての

格好の心霊スポットになっていた。

実は彼が車でその家に着くと、そこには既に車が1台停まっていた。

おおかた、心霊スポット探索にやってきた若者達だろうと思い、車の横で

タバコを吸って待っていると、何やら女性の叫び声が聞こえてきた。

実は彼自身は、その家に探索にきたわけではなく、あくまで雰囲気を楽しむ

為にやってきたのだが、やはり悲鳴が聞こえてしまうと、そうもいかなくなる。

彼の車以外で停まっているのは、薄いピンクの軽四。

だとすると、女の子達で廃墟探索に来て、何か怖い事が起こった、という事か?

しかし、やはり中へ入るのは怖いので彼はそのまま外で待ち続けた。

10分、20分と経つがいっこうに誰も出てこない。

さすがに彼も覚悟を決めて、車の中にあったゴルフセットからドライバーを抜いて

手にしっかりと持ち、目の前に立つ家の玄関に向かっていく。

やはり、ゴルフクラブとはいえ、何かを手に持っていると、それなりに勇気が沸いてくる

もので、彼はそれをビュンビュンと素振りしながら玄関に到着した。

その家は平屋建てであり、探索するとしてもそれほど時間は掛からない筈なのだが、

これだけ待っても出てこないとなると、もしかすると浮浪者や変質者に襲われた

とも考えられた。

本当は1人で家に助けにはいるのは遠慮したかったが、何の根拠も無しの状態では、

警察は呼べないだろうと彼は判断した。

彼は、わざと大きな音で、その家の玄関引き戸を開けた。

玄関からは廊下がまっすぐ伸びており、その両脇には、何室か部屋があるようだった。

平屋建てということもあり、建物自体は奥へと深く広がっているようだ。

まだ午後4時にもなっていないというのに家の中は暗くじっとりと湿っている。

誰かいますか~?失礼しますね~?

彼は、わざと大きな声を掛けながら、土足のまま廊下へと上がる。

住人が誰も居なくなった家の廊下は、かなり傷んでいるのか、歩く度に、

嫌な音を立てた。

彼は、とにかく先ほど悲鳴が聞こえた女性を助けなければ、と思い、廊下の右側に

ある部屋へと足を踏み入れる。

そこは居間として使われていたようであり、日用品が当時のままの姿で残されて

おり、彼は思わず両手を合わせて成仏を願った。

しかし、その部屋はある意味普通すぎて逆に異様に感じた。

普通は誰も住まなくなって数年が経てば、埃が山積してしまうものだと思うのだが、

何故かその居間にはそうした埃っぽいものは感じられなかった。

それどころか、ほんの先ほどまで誰かが此処で生活していたような印象さえ在った。

やはり、心霊スポットとして有名になると沢山の人が来てしまってこんな感じに

なるのかもな・・・・・。

彼はそんな事を思いながら、再び廊下へと出てきた。

すると、明らかに先ほどまでとは景色が違っていた。

廊下の先には何やら四角い穴が開いているようで、そこからはうっすらと青い光が

明滅していた。

その光はそこそこ明るいもので、本来ならそんな所に穴が開いていたとしても

決しての覗こうとは思わないのだろうが、そんな気持ちを払拭するだけの

明るい光がその穴からは漏れてきていた。

もしかしたら、あそこの穴の中に、悲鳴をあげた女性がいるのかも・・・。

そう思った彼は、まだ夕方にもなっていなかったこともあり、勇気を出して

廊下を進み、その穴の前でしゃがみこんだ。

彼は穴の中に何があるのか、必死にその光の元を目で探った。

と、その時、彼は突然、背後から押された。

え?

そう思う間もなく、彼の体はその四角い穴の中へと落ちていく。

そして、そのまま彼は何かに酷く体をぶつけ、意識を失ってしまった。

それから彼はどれ位意識を失っていたのだろうか・・・。

気が付くと、完全な暗闇の中に居た。

何か硬い物の上に仰向けに寝かされているようだったが、体は不思議とどこも

痛みは感じなかった。

すると、彼の耳に突然、苦しそうな息遣いが聞こえた。

真っ暗闇であり、それが誰の息遣いなのかは分からなかったが、間違いなく彼の

側には何かが居ることだけは確かだった。

彼は恐怖した。

暗闇で視界は利かず、どこにいるのかも分からない。

そんな場所で得体の知れない者が確実に彼の側にいるのだから・・・。

そして、その場から逃げようとして初めて彼は気付いた。

彼の体は指先一本に至るまで、全く動いてはくれなかった。

それだけではない。

声も出せず、目も閉じる事は叶わなかった。

その状況は、彼を更にパニック状態へと引き入れていった。

だから、なんとか精神状態だけでも保たなければ、と彼は必死に自分を

落ち着かせる。

そうしていると、彼の目も暗闇に順応してきたのか、それなりに視界が確保

されるようになる。

しかし、それは彼を更なる恐怖へと落としてしまう事になった。

視界が確保できるようになると、彼は今自分が置かれている状況を把握しようと

出来る限り目をキョロキョロさせて情報を収集した。

すると、どうやら、そこはコンクリートが剥きだしになっている正方形の部屋

であり、彼はその部屋にある硬いコンクリートの上に寝かされている事が

分かった。

そして、その部屋の端には、何かが立っていた。

それは、身長が、その部屋の天井に届きそうなほど巨大なピエロの姿をした

何か・・・だった。

彼はその姿を見た時、体が硬直してしまった。

それくらいそのピエロはサーカスで見るものとは違う不気味な姿をしていた。

そして、彼には全く今置かれている現状が理解出来なかった。

あの家の廊下に開いていた穴を覗き込んだ時に誰かが突き落とされた筈だった。

それなのに、何故自分はこんな場所にいるのか?

考えれば考えるほど頭が混乱してきた。

その時、突然何かが動く音が聞こえた。

その部屋には彼とそのピエロしか居ない。

その音の主は考えなくとも明らかだった。

そして、次の瞬間、聞きなれない嫌な音が聞こえた。

ブチッ・・・バキッバキッ・・・ブチッ・・・・。

彼がその音が聞こえた方へと視線を向けた時、すぐにその音の意味が分かった。

それは、彼の右腕を引き千切った音だった。

そして、それをそのピエロは貪るようにして食べていた。

クチャッ・・・バキ・・・・グチュッ・・・クチャッ・・・。

骨を噛み砕き、肉を咀嚼する音が聞こえた。

彼は視線を反対側に持っていこうとした。

しかし、何故かそれは叶わなかった。

不思議と血は一滴も流れてはいなかったし、何故か痛みも感じなかった。

しかし、その一部始終を見せられる事は彼にとっては苦痛以外の何物でもなかった。

すると、また、

ブチッ・・・バキッバキッ・・・ブチッ・・・・。

という音が聞こえる。

そして、

クチャッ・・・バキ・・・・グチュッ・・・クチャッ・・・。

骨を噛み砕き、肉を租借する音が聞こえた。

そのピエロは、本当に美味しそうにそれに食らい付いていた。

もう彼は気が狂いそうだったが、何とか踏みとどまる。

すると、また、

ブチッ・・・バキッバキッ・・・ブチッ・・・・。

という音が聞こえて、今度は、右足を引き千切り食べているのが見えた。

彼は必死に落ち着こうと自分に言い聞かせ続けた。

そして、それと同時にある事に気付いた。

どうやら、今、ピエロに食べられているのは、彼の体ではなかった。

腕も足も、彼のものとは比べ物にならないくらいに細く短かった。

彼は更に訳が分からなくなった。

どうして俺の意識は、別人の中に乗り移っているのか?

しかし、考えても答えなど出る筈もなかった。

彼は、これは夢なのだ!と自分に言い聞かせ続けた。

そうしないと気が狂ってしまいそうだったから・・・。

そして、何も考えない様にして時間が過ぎるのをひたすら待った。

その間にも、彼の左足は、同様に引き千切られ、そして食べられた。

すると、今度は体が大きく捻られるのが分かった。

ブチブチブチッ・・・・バキッ・・・・。

そして、それはすぐに下半身を引き千切られたのだという事が理解出来た。

それを、そのピエロはあり得ないほどの大きな口を開けて食べていた。

そして、しばらくすると、

ブチッ・・・バキッバキッ・・・ブチッ・・・・。

という音が聞こえ、彼の視界は大きく動いた。

それが、彼の首と上半身を引き千切る音だというのもすぐに分かった。

そして、その上半身に食らい付くピエロを見た時、彼は確認出来た。

やはり、今、ピエロに食べられているのは、彼自身の体ではなかった。

それは、もっと小さな女性の体だった。

もう、その頃になると、彼は早く意識が飛んで欲しいと願うようになっていた。

やはり、自分の体ではないとしても、自分の意識が乗り移った体が意識が在るまま

引き千切られ骨を砕き咀嚼されるのを見るのは、耐えられるものではなかった。

そして、それと同時に彼はその時、ある事に恐怖していた。

次に、そのピエロに食べられるのは、頭の部分だという事は容易に想像出来た。

だとしたら、自分は意識のあるまま、あの大きな口の中で食べられるという事実に

耐え切れるのだろうか?という恐怖に他ならなかった。

そして、そんな彼に恐怖を味わう時間も与えないほどのスピードで上半身を

食べつくしたピエロは、彼の頭を両手で掴むと、そのま大きく開いた口の中へと

押しこんだ。

頭の骨がへし折られる音と共に、幸運にも彼の意識は飛んでくれた。

それでも、彼は意識が飛ぶ瞬間、きっとこのまま死んでしまうのだろう、と

覚悟したという。

そして、それから数時間後、彼は定期巡回にやって来た警官に助け起こされる。

彼の体は、五体満足であり、どこにも痛みは感じなかった。

それからパトカーに乗せられて職務質問をされた。

その際、彼は、悲鳴が聞こえたので急いで家の中に助けにいったのだと説明

したが、その時には其処に停まっていた薄いピンクの軽四は、その場から

姿を消していた。

警官から厳しく注意されてパトカーを降りる際、警官がポツリと教えてくれた。

そういえば、殺された老夫婦の娘が乗っていた車も、薄いピンクの軽四だった、と

いうことを。

それから、警官にお礼を言って彼は自分の車で自宅へと向かった。

そして、途中にあった自販機で暑い缶コーヒーを飲みながら彼は考えていた。

先ほど、彼が見たモノはいったい何だったのか?ということを。

そして、彼はひとつの結論を導き出した。

それは、老夫婦を殺したのは、娘ではないだろうという事。

娘は、たぶん真犯人に拉致され、殺害され、そしてあろうことか、食べられた。

だから、娘の姿は警察がどれだけ探しても見つからないのだ、と。

そして、それを自分に知らせる為に、娘の霊が、それを見せたのかもしれない、と。

そうでなければ、先ほど彼が見せられた光景の説明はつかなかった。

そう思うと、いたたまれない気持ちになった。

そして、それと同時に、寒気を感じた。

何故なら、その真犯人は、いまだに捕まってはいないのだから・・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:13Comments(21)

2017年10月05日

窓から覗き込む女

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日、お疲れ様でした!

今月は当社は決算月の為、なかなか忙しいです(涙)

でも、もう少し頑張れば、クリスマスやお正月という大好きな

行事が待ってますから頑張らないと!

ちなみに、うちの娘はテストが近いという事で、先ほどから

自室に篭もって猛勉強中だということです。

少なくとも妻からはそう聞いていますが・・・。

先ほどから隣の部屋から聞こえてくる友達と電話している

様な声はきっと幻聴なのでしょう(涙)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!


これは俺の友人が体験した話である。

彼はとにかく釣りが好きな男で、休みなると必ず何処かへ釣りにでかける。

しかも連休ともなると、一泊二日や二泊三日の日程で一人で釣りに出かけて

しまう。

それでも、ちゃんとした布団でないと寝られないそうで、いつも安い民宿

を探しては、そこを拠点にして釣り三昧の休日を過ごすのだそうだ。

そして、今回書く話は、彼が富山県にある某民宿に泊まった時の話だ。

その民宿は部屋から釣りが出来るのではないか、と思えるほど川の近くに

建っており、安い料金とも相まって、休日ともなれば、釣りに来た客ばかりで

常に満室状態なのだという。

だから、その日も彼はかなり早い時期にその民宿を予約した。

そして、無事に予約も取れ、彼はその日が来るのが待ち遠しかった。

彼はその民宿に泊まるのは、もうかなりの回数になっていたのだが、そこでの

釣りではいつも大満足の釣果が得られていたのだから・・・。

そして、当日、朝早く起きて彼は車でその民宿を訪れた。

しかし、いつもは客の車でいっぱいの駐車場がガランとしており、駐車

しているのは彼の車だけだったらしい。

だから、宿に入るなり、彼は民宿のおかみささんに聞いてみた。

今日はどうしてこんなに客が少ないのか?と。

すると、おかみさんは、特に理由は無いという。

ただ、年に何回か、こういう日があるのだと教えてくれた。

まあ、彼にしてみれば、釣りが出来ればそれで良い訳であり、特に気にする事も無く、

彼は部屋に荷物を置いてさっさと近くの川へと釣りに出かけた。

しかし、その日はどれだけ待っても一匹も釣れなかった。

それどころか、いつもは川底まで綺麗に見えている川が、何故かにごり、どんよりと

している。

彼は、釣りを早々に切り上げて、さっさと民宿に戻り、明日に備える事にした。

確かに釣りとしては、物足りない結果だったが、いつもは他の釣り客で、決して

静かとはいえない、その民宿も、その日ばかりは彼の貸切になったように、広々と

使えた。

お風呂も1人、そして食事も1人でゆっくりと食べる事が出来た。

そして、早めの夕飯を食べ、部屋の布団の上で寝転がってテレビを見ていると、

ついついウトウトしてしまう。

そして、知らないうちに寝てしまったようだった。

そして、次に彼は、誰かが窓のガラスをコツコツと叩く音で目が覚めた。

既に辺りは暗くなってしまっており、窓からは綺麗な星空が見えていた。

彼は少しだけ上体を起こし、叩く音が聞こえてくる窓の方を見た。

すると、窓の下から手が伸びてきており、その手の爪でガラスを叩いているのが

分かった。

誰か知り合いでも来たのか?

それとも、女将さん?

そう思った彼は、布団から体を出し、

はい?

と答える。

しかし、返事は無かった。

底で彼は仕方なく、眠たい体を引き摺るようにして窓の方へと近づいていった。

そして、窓の近くまで来た時、思い出した。

今、自分が泊まっているのは民宿の2階の部屋だということを。

彼はすぐに眠気が吹き飛んでしまった。

2階の窓に手が届くなど、普通はあり得ないことだった。

だから、彼はそのまま後ずさりするようにして窓から離れると、ジッと息を

殺して、状況を確認しようとした。

相変わらず、コツコツと窓を叩く音が聞こえてくる。

彼は、体が硬直したまま、ただじっと窓を見つめるだけだった。

すると、突然、音も無く、その窓が開いた。

彼はとっさに襖の陰に隠れ、その隙間から様子を窺うしかなかった。

すると、窓の外から、女の顔が現れた。

その女は、一見すると、普通の何処にでもいるような女性に見えたが、やはり

窓の枠に摑まっているわけでもないのに、平然と2階の窓から中を覗き込んでいる。

どう考えても普通ではなかった。

彼は、今何が起こっているのかも理解出来ず、ただじっと襖の陰からその女を

見ていた。

すると、今度は、その女の顔が部屋の中に身を乗り出すようにして入って来て、

突然両手を伸ばした。

そして、その両手は、まるで何かを探しているかのように部屋の中をまさぐっていた。

彼は生きた心地がしなかったという。

彼は一瞬、その部屋から逃げ出そうと思ったのだが、何故か逃げられない気がした。

そして、その女をやり過ごすには、ここでじっと耐えるしかない様な気がしたから、

彼は叫びだしたい気持ちをぐっと飲み込んでその手が彼の近くをまさぐっている

間も、じっと祈るようにして、その手から逃れ続けた。

そして、しばらくその部屋の中を長い両手で探っていた女は、

チッ・・・・・・。

という舌打ちを残して、その部屋から離れていった。

そして、どんどんと部屋を移動しながら、何かを探しているようだった。

彼は今のうちに、早く逃げなければ・・・・と思い、急いで隠れていた襖の陰

から出た。

心臓が止まりそうだったという。

そこには、まるで彼が襖の陰に隠れているのを知っているかのように、先ほどの

女の首が伸び、その顔だけが、巨大化し、襖の陰から出てきた彼を見つめていた。

そして、その女の顔は、なんとも言えない様な気持ちの悪い笑みを浮かべて、

違う・・・・・。

とだけ言って、そのまま窓から出て行った。

その首は、まるで蛇のような動きをしていたということだ。

それから、彼は後ずさりするようにして、その部屋から出て、廊下に座り込み、

襖を閉めた。

そして、そのまま朝まで一睡もしないで必死に恐怖に耐えていた。

翌朝、その話を民宿の女将さんにした彼だったが、その時の女将さんのうっすらと

笑いながら話を聞く顔が、昨晩の女と重なってしまい、彼は、途中で話を止めた。

そして、2泊する予定を切り上げて、逃げるようにして帰ってきたという事だった。

彼はその後も釣りを続けているのだが、決して一人ぼっちの場所では、釣りを

しない様にしているという事だった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:28Comments(20)

2017年10月04日

傘をさす女・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日、お疲れ様でした!

昨日の夜、出版社のご担当者様からメールを

頂き、本の売れ行きが好調だとお褒めの言葉

を頂きました。

これも、何度も言いますが、全て読者の皆様の

お陰です。

本当にありがとうございます!

当社でも、それなりの冊数を買ったらしいのですが、

会社に訪問されたメーカーさんなどに対して

優しく購入を奨めて(押し売りともいう)貰い、

殆どが売れてしまったそうで追加注文まで

してくれたそうです。

まあ、メーカーさんが当社に寄り付かなく

ならなければ良いのですが(笑)

それでは、今夜も怖くない話いってみましょう!

それでは、どうぞ~!


これは俺の知人が体験した話である。

その女を最初に見たのは、バーベキューの様子を録画したビデオの中

だった。

その女は傘をさしていた。

雨は降っておらず、それなのに日傘ではなく、普通の紅い傘をさしている。

その女に違和感は感じたが、日差しも強かったので、きっと日傘を忘れた

女が日除け用として普通の傘をさしているのだろうと思っていた。

傘が邪魔になり、顔は確認出来なかったが、傘の下から見える白いワンピース

とその体型から、30代の女性なのだろうと自然に思った。

しかし、それからその女は、彼の周囲に頻繁に現れるようになった。

子供の運動会のスナップ写真にも写り込んでいたし、夏祭りの時にも、

しっかりと写り込んでいた。

最初は似ている他人だろう、と思っていたが、あまりにも頻繁に写りこむもの

だから、やはり気になってしまい、マジマジと観察すると、どうやらそれらは

全て同じ女のようだった。

気になった彼は、過去の写真も引っ張り出して、その女の姿を探した。

すると、春の花見や秋の温泉旅行、そして、冬のスキーの時に写した写真にも、

その女はしっかりと写り込んでいた。

そして、会社の行事で撮影した写真にも・・・。

特に冬に撮った写真などは、周りのスキーウエアの中に1人だけポツンと

ワンピースを着た女が写りこんでおり、さすがに不気味に感じてしまった。

しかし、そこから更に過去に遡って写真を調べてみると、まさに驚愕の事実

が判明してしまう。

それは、彼が生まれた時の写真から、成長していく写真全てに、その女がはっきりと

写り込んでいたのだ。

特に、彼が生まれた間際に写した写真には、赤ちゃんを取り囲み喜んでいる親戚に

混じって、その女が写り込んでいた。

しかも、しっかりと傘を差したままで・・・・。

だから、彼は両親にその写真を見せて、もしかしてこの女を知っているか?と

聞いたのだが、両親には思い当たる女性は居ないとの事だった。

そうなると、その傘を差している女は彼が生まれてからずっと側にいて彼に

付きまとっていた事になる。

彼は、じっとりとした恐怖が背中に圧し掛かってくるような気がした。

そして、それからが更なる恐怖の始まりだった。

それからの彼は何処に行っても何をしていても、いつもその女が側にいる様な

気がしてしまい、とても落ち着かない日々を送る様になった。

そして、やはり誰かの視線を感じた時には、振り返ると必ず其処に、

その女が傘をさして立っていた。

例えばレストランで食事をしていると、何処からか視線を感じる。

そして、彼がハッとして振り返ると、そこにはその女が立っていた。

レストランという屋内にも拘わらず、相変わらず紅い傘を差して・・・・

そして、そんな事が続くうちに彼はある事に気付いた。

それは、その女の姿は彼以外の人間には見えていないという事。

それを知ると、彼の恐怖心は一層強くなった。

いつも付きまとっている女の姿が、実は他の人には全く見えていない、という

事はそれだけで恐怖が増す様な気がした。

そこで彼は共通の友人の紹介で俺を頼ってきた。

初めて彼に会ったとき、俺は彼からその話を聞いたのだが、話を聞いているうちに

かなり違和感を感じてしまった。

とにかく、我が強く高圧的な話しかたをする。

俺の最も苦手とするタイプだった。

そして、理不尽な事に、通常、そういう人間に限って悪霊にはとり憑かれない。

更に、違和感の理由は他にも在った。

それは、彼が霊にとり憑かれているわりには、とても元気で肌の血色も良かった

という事。

通常、本当に悪霊にとり憑かれているとすれば、当然、それが顔にも表れるもの

なのだが、彼からは、そういうものは一切感じなかった。

そして、彼は話すだけ話して、俺自身には、それを祓うだけの能力が無いと判ると、

すぐに横柄な態度で、誰か他の霊能者を要求してきた。

正直なところ、こういう輩は、助けたくもないのだが、紹介してきた友人には

いつも世話になっているから、無下にも出来なかった。

そして、俺はいつものAさんに連絡を取った。

今回ばかりは断られても仕方がないと覚悟していた。

すると、Aさんは、

ええ、いいですよ。

と二つ返事で快諾した。

俺は、驚いて聞き直した。

あのね・・・相談者は、かなり性格に問題があるタイプなんだけど、本当に

受けるの?

というか、断っても良いんだけど?

すると、

Kさんの方からお願いしてきて、私がOKしてるのに、断っても良いとか・・・。

意味が分からないんですけど?(笑)

と笑われてしまった。

そして、

まあ、相手がどんな奴でも関係ないですから気にしなくて良いです。

今回は、私がやらなければいけないことが、在るみたいなので・・・。

そう言って電話を切った。

そして、当日、俺は気が進まないまま、Aさんを連れて彼の元を訪ねた。

すると、

遅かったな!

と彼が待ちかねたような態度で出迎えた。

そして、俺が連れてきた霊能者が女性だと分かると、

なんだ。女なのか?

本当に大丈夫なのか?

と相変わらずの横柄な態度が鼻についた。

俺は恐る恐るAさんの顔を見ると、特に気にしてはいない様子であり、それも

俺には不思議に感じた。

いつものAさんなら、間違いなく、

こんな奴救う価値ゼロです。帰りましょう!

と言って来る筈なのだが・・・。

すると、彼はまず除霊に対する代金の話からはじめる。

これも、Aさんが最も嫌うパターン(汗)

そして、本題である傘をさした女の霊の話を、身振り手振りを交えて大袈裟に

話し出す。

そして、一通り話し終えると、

たぶん、あいつは俺が生まれた時からずっと俺を付け狙ってるんだ!

だから、あんなバケモノはとっとと退治してくれ!

二度と俺の前に現れないように・・・・・。

あんたなら、それが出来るんだろ?

そう言った。

すると、そこまで黙って話を聞いていたAさんは、ゆっくりと冷静に

喋り出した。

謝礼は・・・お金は必要ありません。

特に貴方みたいな人からは1円だって貰いたくありませんから、ご安心を。

それに今回、最初にこの話を聞いた時、絶対に救わなければ、と私自身が

思いましたから。

それと、さっきから、退治とか威勢の良い事を言ってますけど、その女の霊は、

今もこの部屋の中に居ますよ。

貴方のそばにじっと立っていますから・・。

そこまで聞いた彼が、

おい、マジか?

それなら、さっさと消してくれよ!

モタモタするな。

そう言われ、Aさんは一瞬、顔が険しくなったが、それでもすぐにいつものクールな

顔に戻り、こう言った。

その前に1つだけ貴方に質問させてください。

貴方は今、女がそばに居る状態で何か危険を感じますか?

そして、今まで生きてきて、その女の霊の仕業で酷い目に遭った事もありますか?

すると、彼は、

当たり前だろ!

この部屋に居るって聞いた途端に全身に鳥肌がたってるよ。

それに、ずっと付きまとって、俺が隙を見せるのを待ってるんだろうが?

だから、早くなんとかしろ!

とまくし立てる。

それを見たAさんは、ため息をついてから、こう言った。

本当に救う価値が全く在りませんね!

さっき、私が絶対に救わなければ・・・と言ったのは貴方に対してでは

ありません。

はっきり言うと、あんたなんかを救う為に私は此処まで来た訳じゃない!

その女の霊を救わなければ・・・という意味で言っただけ・・・・。

はっきり言いますね。

その紅い傘を差したまま立っている女の人は、貴方を生まれた時から護っている

とても徳の高い霊なんです。

貴方なんかより、よっぽど救う価値がある霊という事です。

貴方が生まれた時、貴方はすぐに死ぬ運命だったのに、何故かその霊が

救ってくれて、それからはずっと・・・・です。

何から貴方を護ってきたのかは、あえてここでは言いませんが・・・。

普通の霊能者だったら、すぐに逃げ出すくらいの恐ろしいモノ・・・。

あの女の霊だって、好き好んで貴方のそばにずっと居る訳では無いんです。

ただ、貴方を救いたいという気持ちだけで、ずっと貴女のそばにいなければ

いけなかった尊くも可哀相な霊なんです。

でも、貴方のお陰で、もう疲れ果てて限界が近づいています。

だって、救っても救っても、貴方はいっこうに、立派な人間になって

くれないんだから・・・。

それも仕方のない事ですけどね。

だから、私が今一番しなければいけない、と思ったのは、その女の人を

天に戻してあげるという事。

間違っても貴方を助ける気なんか更々有りませんから。

そこまで話すと、Aさんは更に顔を険しくしてこう言った。

それでは、最後に聞きますけど、本当にその女の霊を貴方から引き離しても良い

んですね?

二度とそばに近寄れなくしてしまって大丈夫なんですね?

と彼に聞いた。

彼は、Aさんの話をちゃんと聞いていたにも拘わらず、

ああ、勿論だ!

さっさとやれ!

と答えた。

すると、Aさんは、ニコっと笑って

分かりました。

と言って立ち上がった。

そして、彼に向かって、

それでは、今後起こる事全ては自己責任ということで・・・。

とだけ言うと、目をつぶり何かを呟いた後、さっさと家から出て行こうとした。

すると、彼が、

おい。まだ何もしてないだろ?

ちゃんと退治してから帰れよ!

と喚くので、Aさんは、

もうとっくに終わってますよ。

退治なんかはしていませんけどね。

でも・・・・。

二度とあの女の霊が貴方の前に現れる事はありませんから、ご安心を!

そんな心配よりも、今後の身の安全について対策した方が良いと思うけど?

そう言うと、さっさと玄関から出て行った。

俺も慌ててAさんの後を追ったが、その時見たAさんの顔は不思議と、

晴れ晴れとした顔をしていた。

それから、数ヵ月後、彼の訃報が入ってきた。

車の運転中に、スピードを出したまま、ビルの壁に激突して亡くなったという知らせ

だった。

彼は、その前から、ずっと得体の知れない恐怖に押し潰されそうになっていた

らしく、亡くなった時の顔も、恐怖と安堵が混じった顔をしていたという。

そして、俺がAさんにそれを話すと、Aさんは、すかさず、こう返してきた。

きっと、あの悪霊に追われ続けていた恐怖と、そして死ぬ事でそれから逃れられた

安堵感が混じっていたんでしょうね。

でも、全ては彼が選んだ事ですから・・・・。

まあ・・・・自業自得ですかね。

そもそもは、生まれた間もなく死ぬ運命だったんだから、長生き出来て良かった

じゃないですか?

あんな恐ろしいモノから、ずっと護ってくれていたのにねぇ・・・・。

そう言って、大きなため息をついた。

そして、まあ、強い守護霊が付いていても、その価値が分からない人も1人

知ってますけどね(笑)

そう言って、1人で笑っていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:30Comments(28)

2017年10月03日

冬山で出会った男

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、本日も大変お疲れ様でございました。

営業のKでございます。(優曇華様風に)

今日、帰宅すると、うちの大監督(娘)が、

あーだ、こうだと1人で大騒ぎしていたので、

どした?

と聞くと、

今月、修学旅行で東京方面に行くんだけど、

その時に、"ナンカントリュフ"が来たらどうしよう?

お父さん、助けに来てくれる?

というので、

ナンカントリュフって、何?

と聞くと、

"ナンカントリュフ"も知らないの?

大きな地震のことだよ!

と勝ち誇ったように言うので、

それって、もしかしたら、

"南海トラフ"の事でしょうか?

と聞くと、

顔を赤くしながら、

まあ、そうとも言うかな(笑)・・・。

と言いながら2階の自室へと消えて行きました(笑)

どうやら、言葉の一部しか覚えないのは血筋のようです(涙)

それはそうと・・・・。

サインについて・・・ですが、

私が腱鞘炎になるのをご心配頂いてる方も

いらっしゃいますが、まあ、たぶん、これが

最初で最後の出版になると思っておりますので、

本をお買い上げ頂き、サインを希望される方には

最大限お応えしたいと考えております。

コメントでも、ご提案頂いたように、レターパックに

返信用のレターパックを同封して頂くのが一番

良いのかな、と思いました。

その際、返信用には、送り先のご住所なども全て

書き込んでいただき、サインした本を送り返すだけ、という

形にして頂ければ助かります。

その辺は、とても良い方達ばかりですので、心配はして

おりませんが・・・。

弊社の優しくて綺麗でスタイル抜群の社長夫人も、

サインを受け付ける事に賛同してくれましたが、

やはり業務外の作業になりますので、もしかしたら、

送り返すまでに、それなりの日数を頂くかもしれません。

そして、こんな私のサインでも欲しくて我慢できない、という

方限定で、対応したいと思っておりますので、その辺は

ご理解のうえ、ご判断くださいませ!

そして、今再び、大監督が、私の部屋を覗いて、懲りもせず

さっきの、"ナンカイトリフ"だっけ?

と聞いてきましたので、

"ナンカイトラフ"と教えると、そのまま音もなく部屋のドアが

閉まりました(笑)

まあ、少しは近くなってきてますけどね(笑)

ということで、今夜も誤字脱字を探そう、の

コーナーがやってまいりました。

それでは、怖くない話。

どうぞ~!




これは知人が体験した話である。

彼は趣味で山登りをしていた。

普段はかなりお堅い仕事をしている彼は、山に登っているときだけは、

本当の意味で自由になれるのだという。

しかも、冬の中央アルプスにのぼったり、氷壁をザイルを使いのぼったりと

俺にはとても想像も出来ないような危険な登山ばかりをしていた。

もっとも、彼に言わせると、しっかりと計画し、しっかりと準備し、装備を

整えれば、決して危険なだけの山ではない、といつも言っていた。

そして、危険だけからこその魅力もあるのだと、彼は言っていたが、確かに

彼はこれまで幾多の危険な場面に遭遇しているらしく、骨折も一度や二度では

ないらしい。

そして、そんな様々な体験の中でも、特に不思議な体験だといって、話してくれた

のが、これから書く話である。

その時、彼は冬のとある山に単独で登っていたのだという。

天気予報もしっかりとチェックし、かなり以前からしっかりとした準備をして、

当日の登山に臨んだ。

早朝は、とても快晴で、まさに登山日和だった。

当然、雪の中を踏破してゆくことになるのだが、そんな事は想定内であり、

順調に1日目を終える。

山小屋は当然のごとく雪に埋没しており、彼は予定通り、大きな岩の陰に

テントを張って夜に備えた。

少しずつ山の天気が曇り、風が強くなってきているのは心配だったが、

とりあえず、晩飯を食べ、ウイスキーを飲むと、一気に睡魔に襲われ、彼は

冬用の寝袋に包まって寝てしまう。

そして、翌朝、強烈な風の音で目が覚めた。

テントから顔を出すと、辺りは完全にホワイトアウトの状態であり、視界が

全く利かなかった。

こんな状態゛では下手に動くと命に拘わるな・・・。

当然、彼は登山の際、身動き出来なくなる事も想定して、かなり多めに食料を

持ってきていたので、取り敢えずは、その日は吹雪が収まるのを待ちながら、

テントの中で過ごす事にした。

しかし、その吹雪は、その日はおろか、翌日になってもいっこうに収まりそうもなかった。

勿論、そんな天候の中を移動する事は、死に直結する事は分かっていたので、彼は

そのままテントの中でひたすら体力を温存しながら過ごした。

テントの中とはいえ、気温は氷点下であり、彼は必死に体を動かす事も忘れず、

天候の回復を待った。

しかし、3日目も、天候は全く回復する事はなかった。

さすがに持参した食料も、底を突き始め、彼は食べる量と回数を調整

しながら、テント内での待機を続けていたのだが、さすがに、4日目に

なると、完全に食料が無くなってしまう。

それでも、やはり天候は回復せず、彼は少しずつ、死というものを意識し始める。

食べるものが無いから、体力もなくなり、そして体温の維持も困難になってしまう。

そんな時、何処からか男性が叫ぶ声が聞こえてきた。

お~い!お~い!

最初は、意識が朦朧としている事による幻聴かとも思ったが、確かにその声は

彼に近づいて来ているのが分かった。

しかも、吹雪の中でも、不思議とその声ははっきりと彼の耳に届いていた。

もしかすると、誰かが助けに来てくれたのか?

最初、そう思った彼だったが、長年登山をしている彼にとって、今自分が

置かれている天候が、救助が可能な天候ではないということは、嫌というほど

分かっていた。

だから、救助など来る筈も無いということは分かっていたが、それでも彼は

最後の望みを託すように、近づいて来るその声に集中した。

すると、その声は彼のテントのすぐ近くまで来ているようで、彼はぼんやりとした

意識の中で、その声の主が姿を現すのを待った。

すると、突然、テントの入り口が開けられ、そこから大きな顔が現れた。

意識がぼんやりとしていた彼も、さすがにハッと身構えた。

何故なら、テントの中に入ってきた男は、服装こそ、登山者のそれだったが、

その背丈は異様に大きく、その顔は、嵐の中でもギラギラと目が光っており、

その手には、大きなナイフが光っていた。

そして、その大男は、テントの中に入るなり、彼を異常な目で睨みつけ、

どうせ死ぬんだから俺に食べさせてくれ!そうすれば俺は助かる!

そう言って、ニターっと笑った。

彼は、無意識に飛び起きると、その大男を突き飛ばし、テントの外へ出た。

テントの外は、相変わらずのホワイトアウトだったが、そんな事を気にしている

余裕は無かった。

何しろ、自分を食わせろ!と先ほどの大男は言っていたのだから・・・。

しかも、とても冗談を言っている目ではなかった。

彼は視界の利かない吹雪の中を手探り状態で必死に逃げた。

すると、後方から、

おーい。待て!どうせ死にかかってるんだから、食わせろ!

という声が聞こえてくる。

彼は視界が利かず、方角も分からなかったので、とりあえず、後方からの声が

ちょぅど真後ろの方角になるようにして必死に雪を掻き分けながら逃げ続けた。

そうすれば、少なくとも、出会いがしらにあの殺人鬼と出会うリスクだけは

回避出来たから・・・。

そして、幸か不幸か、後方から追って来る大男は、まるで自分の位置を知らせる

かのように、常に声を出していた。

そして、やはり彼にも意地があった。

どうして、この山の中で、殺人鬼に殺され食われなければならないのか・・・。

それならば、まだ滑落して死んだ方がよっぽどマシだと本気で思っていた。

しかし、数日間、吹雪が続いた雪の中を逃げるのは至難の業であり、彼はなかなか

前には進めなかった。

すると、後方からの声がどんどん近づいて来るのが分かった。

彼はもう無我夢中で雪を掻き分けて前へ前へと進んだ。

先ほどまでテントの中で意識が朦朧としていた自分が嘘のようだった。

しかし、それでも、後方からの声は確実に近づいて来る。

あの大男が、あの大きなナイフを振り回しながら追いかけてくるのを想像した

だけで、足に力が入り、生きる為の底力が沸きあがってきた。

すぐ背後からは、ザッザッと雪を掻き分けるような音が聞こえてくる。

しかし、不思議な事に、それは一定の距離以上は彼に近づこうとはしなかった。

まるで、故意的にそうしているとしか考えられなかったのだが・・・。

と、その時、突然の轟音が響き渡った。

そして、ずざーゴーッという音とともに、大きく何かが移動しているのが判った。

雪崩だった。

そして、その雪崩は、先ほどまで彼がテントを張っていた場所も、跡形も無く

飲み込んで山の斜面を落ちていった。

あのまま、テントの中にいたら、間違いなく死んでいた・・・・。

彼は、その様子を呆然と眺めていた。

が、ハッと我に帰り、背後を確認すると、吹雪の中に去っていく男性の後姿が見えた。

それは、先ほどの大男の後ろ姿ではなく、ごく普通の登山者の姿をした男性だった。

そして、その男性は、彼に背中を向けたまま、大きく手を振っていた。

そして、そのまま吹雪の中に消えていった。

彼は、その状況が理解出来なかった。

しかし、彼が雪崩に巻き込まれず、九死に一生を得たのは紛れもない事実だった。

ただ、テントが雪崩に流されてしまった今となっては、彼の命も風前の灯だった。

その時、彼の足の先に、何か硬いものが当たっているのがわかった。

そして、それを確認すると、それは雪で埋もれていた山小屋の入り口だった。

雪に埋もれていた筈の、その山小屋は何故か、入り口までの雪が全て除雪されており、

彼は、急いで、その山小屋の中へと避難した。

山小屋の中には、食料に加え、暖をとる為の薪、布団なども揃えられており、彼は

安心感から一気にその場にへたり込んでしまった。

そして、薪ストーブに火を点けると、彼は山小屋に備蓄されていた食糧を

食べながら考えていた。

それにしても、どうしてあの大男は自分を捕まえようとはしなかったのだろうか?

本当に食べるつもりなら簡単に捕まえられただろうに・・・・。

そして、吹雪の中で背中を向けて去っていった男性は一体誰なのか?

そして、その答えとして考えられる事は1つしかなかった。

もしかしたら、いや、間違いなく、先ほどの大男の殺人鬼は、彼を怖がらせ、窮地に

追いやる事で、テントを張っていた場所から逃がす為に、後姿の男性がわざとした

事ではないのか、と考えていた。

背後の大男は、決して彼に追いつく事はしなかった。

そして、常に彼が、この山小屋に辿りつけるように巧みに方向を制御しつつ、

追いかけて来なければ、こんなに正確に山小屋に辿りつける筈はなかった。

そして、雪に埋もれて見えなくなっていた筈の山小屋の入り口が綺麗に

除雪されていたが、一体誰がそんな事をしたというのか?

それは、先ほどの男性が彼を助ける為にやったと考えれば全て説明がついた。

そう考えると、彼は無意識に大粒の涙をこぼしていた。

それは、その男性がきっと幽霊だったという恐怖の涙ではなく、きっと、その

男性もこの山を登山中に亡くなった男性であり、それでも、彼を助ける為に、

あんな事までしてくれた。

もしも、そうでなければ、自分はあの雪崩に確実に巻き込まれていた。

それが、とても嬉しく申し訳なくて、涙が止まらなかった。

そして、それから2日後、天候は快晴になり、彼は自力で下山した。

当然、彼はその後も登山を続けているのだが、その件以来、彼の登山は大きく

変わった。

それまでの彼は、とにかく、山の山頂を目指す事しか考えていなかったのだが、

それ以降は、最優先で誰かを助ける為に動く事を心掛けているのだという。

今年ももうすぐ彼の好きな冬山のシーズンがやってくる。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:06Comments(29)

2017年10月02日

受け継がれてきた人形

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様です!

相変わらず、コメント欄にて、闇塗怪談を

買って頂いたご報告を頂きまして、

感謝の極み・・・です(涙)

そして、新規の方からも沢山のコメントを

頂きましてありがとうございます。

自分が本当に幸せ者だと実感しております。

そのご恩に報いる術など私程度の者に在る

筈も無く、せめて、怖くない話をずっと皆様に

届け続ける事しか出来ませんが、何卒

ご理解くださいませ!

あっ、それから、お買い上げ頂いた『闇塗怪談』

に私のサインを入れて欲しいというコメントも

ありました。

汚い字で、且つ、芸能人とは違い、単純に

営業のK、と書くだけのサインになりますが、

それでも宜しければ、会社まで元払いで

送って頂ければ、汚いサインを書き入れた後、

お送りしたいと思います。

ただ、文庫本程度を送るのに、どの発送方法が

安いのか?

そして、本当は着払いでお送りしたいのですが、

それで良いのか?

など、頭を悩ませております。

良い案があれば、お教えくださいませ!

それでは、怖くない話、いってみましょう!

誤字脱字の冴えをお楽しみください!(笑)

それでは、どうぞ~!


これは友人が体験した話である。

彼女の家には代々同じ人形が嫁入り道具として持たされるのが決まりごと

になっていた。

それは市松人形。

元々はひな祭りの人形と一緒に飾る筈の市松人形がどうして、花嫁道具と

一緒に持たされるのか、誰にも分からなかった。

ただ、ずっと昔から、それはまるで家系のしきたりでもあるかのように、脈々と

受け継がれてきた習わしだった。

彼女の母親も、そして祖母も皆同じようにして、その人形を花嫁道具として

持参していった。

しかし、誰もが喜んでその人形を持参し嫁に行った訳ではなかった。

というよりも、災いをその家から遠ざける為に、まるで人身御供のように、

その人形を、そして呪いを背負わされて、嫁に行かされたという表現が正しい

のかもしれない。

それは、どういう意味なのかと言えば・・・・。

その人形を持って嫁入りすると、必ずすぐ子宝に恵まれた。

しかも、それは必ず女の子と決まっていた。

そして、その女の子が小学校にあがる迄には、必ずその家の誰かが亡くなった。

まるで、授けてやった命の代わりに別の命を要求するかのように・・・。

亡くなる人は、1人の場合もあれば、複数人の場合もあった。

ただ、亡くなった人に共通していたのは、とても無残な死に方であり、それは

全て自殺だったという事だった。

しかも、その人形は、常に家族が一番集まりやすい居間に置かなくてはならず、

そこに置いてある人形には、幾つもの怪奇現象が起こっていた。

夜、居間から女の子の歌声が聞こえてくることもあった。

また、居間に置いてあるはずの人形が、勝手に別の部屋に移動している事もあった。

そして、中には、その人形が真夜中の廊下を、まるで茶運び人形(からくり人形)の

ように、ひとりで真っ暗な廊下を歩いている姿を目撃した者もいた。

そうなると、やはり、その家の者は皆、その人形を気味悪がってしまい、何処かへ

片付けてしまおうか、という話になるのだが、それは禁忌の行為として嫁いだ嫁に

必死に止められた。

過去に、人形を遠ざけただけで、死人が出たのを、その嫁は知っていたから・・。・

それでも、やはり気持ちが悪いという事で、必ずその家の誰かが人形を片付ける

そうなのだが、そうすると、人形は行方不明になってしまい、そして、人形を

片付けてしまった者は必ず非業の死を遂げた。

それは、交通事故だったり、急な心不全だったりするのだが、その死に顔は

直視出来ないほど、恐怖で歪み、それがただの死ではない事を物語っていた。

だから、彼女は幼い頃からその話を聞かされて育ったので、

自分は結婚などしてはいけないのだ・・・・・。

と心に決めて生きてきた。

しかし、人生というのは不思議なもので、そんな彼女を好きになり、その人形の

事も聞かされ納得したうえで、彼女と結婚したいという男性が現れてしまう。

彼女自身も、その男性に好意を抱いていたのだが、やはり人形の事もあり、

何度となく、結婚の申し出を断ってきた。

しかし、結局、その男性の気持ちに負けてしまい、結婚する事になる。

勿論、その市松人形を花嫁道具として持参して・・・。

しかし、その男性も、やはり万が一にも家族に災いが降りかかる事だけは

避けたかったので、結局、親とは同居せず、彼女と2人でアパートでの

新婚生活をスタートする事になった。

人形は、リビングの箪笥の上に置き、出来るだけ視界に入らないようにした。

すると、やはり結婚してすぐに彼女は子宝に恵まれる。

しかも、当然のごとく女の子だった。

彼女は、是が非でも2人だけで育てようと頑張ったのだが、やはり共働きの

生活では限界があった。

そして、彼女は頑として固辞していたらしいのだが、結局、男性の両親と同居

する事になった。

一応、人形も持参し、出来るだけ視界に入らないようにと、リビングで

一番背の高い家具の上に置いた。

男性の両親は、とても優しく常に彼女の事を心配してくれた。

そんな矢先、やはり突然の訃報が舞い込む。

男性の父親が、ビルの屋上から飛び降り自殺をした、というものだった。

その日の朝も、普通に会話し元気に会社へと出かけていったのだが・・・。

男性やその母親は、ただの偶然だといって、逆に彼女を慰めてくれたのだが、

彼女は、無性に、その人形に対して、自分でも説明できないくらいの怒りが

込み上げて来るのがわかった。

どうして、あんなに優しかった義父が死ななくてはいけないのか・・・と。

そして、ある日、意を決した彼女は、その人形を持って外に出た。

そのまま、車で海の近くまで来ると、人形に灯油をかけて燃やした。

彼女は自分の代で何とかその呪いの連鎖を断ち切らなければ、と思い、そんな

行動に出たのだという。

しかし、人形が燃えていく時、まるで生きているかのように、もがいている様に

見えたといい、その際、ギャーという叫び声まで聞こえたらしい。

彼女は恐怖に震えながらも、目を閉じ、耳を塞いで、その人形が燃え尽きるまで

その場に立ち会った。

そして、完全に灰になったのを確認した彼女は、燃え尽きた人形に水をかけ、

穴を掘って土の中に埋めた。

そして、やっと終わったという安堵感と達成感を感じながら、帰路についた。

そして、家に戻り、彼女は驚愕する。

間違いなく燃やしたはずだった。

灰になったのも見ていたし、それをきちんと土の中にも埋めた。

しかし、彼女が、男性の実家のリビングに入ると、間違いなくその人形は、

いつもの場所に立っていた。

しかも、その人形の顔は、怒りで歪んだような顔になっていたという。

彼女は、家族には、その人形を燃やした事、そして、それが、家に戻っていた事は

話さなかった。

余計に不安にさせるだけだと思ったし、何より、それによって呪いを受けるのは

彼女自身だと確信していたから。

そして、翌日、その人形は忽然と、リビングから姿を消し、行方不明になる。

家中をどれだけ探し回っても見つからなかった。

俺が彼女から、この話を聞いたのは、まさに、そのタイミングだった。

彼女は言っていた。

きっと、私はあの人形に殺されるのだと思ってます、と。

しかし、その顔には悲壮感や恐怖感は微塵も感じられなかった。

運命を受け入れたとでもいわんばかりの清清しく感じてしまった。

だから、俺はAさんに相談した。

すると、Aさんは、いつもにも増して嫌な顔をした。

Kさんって、本当にいつも難題ばかり持ち込みますよね?

出来る事なら、私も動物霊と人形には手を出したくないんですけどねぇ・・・。

そんな感じで文句を言いながらも、いつも力を貸してくれるのがAさんだった。

しかし、彼女から人形にまつわる話を聞き、そしてその人形を見た時、

これは無理ですよ・・・。

ただでさえ人形って執念深くって浄化するのが難しいんですけど、この人形は

たぶんもう誰にも止められない状態になってしまってて・・・。

せめて、燃やす前なら何とか手はあったのかもしれませんけど・・・。

さっきから人形に睨まれてて、ずっと頭が痛いんですけど、あの人形の力は

そんなレベルではないと思います。

Kさんの命くらい簡単にとってしまうくらいに・・・。

それとも、私が、あの人形と刺し違える覚悟で、やってみれば良いですか?

まあ、たぶん私が負けるんでしょうけどね・・・。

とAさんは言った。

俺は、すかさず彼女の方を見ると、うっすら笑って、首を横に振っていた。

だから、俺は彼女に聞いてみた。

どうして、そんなに強い心でいられるのか?と。

すると、彼女は一瞬厳しい顔になって、こう言った。

私だって本当は怖いのかもしれませんけど・・・・。

でも、今は、家族を護る事、そして、私の家系が背負わされてきた呪いみたいな

ものを、何とか私の代で断ち切ろうと必死なんです。

でも、あの人形は燃やしても、灰にしても、土の中に埋めても・・・ダメなんです。

だとしたら、私が殺される瞬間に、あの人形を道連れにするしかないのかな、って

今は考えてます。

彼女はそう言って、頷いていた。

ちなみに、現時点では、彼女の身に、不幸は起こってはいない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:11Comments(32)

2017年10月02日

闇塗怪談の感想コメント用・・・です。

サインディスプレイ部  営業のKです。

コメント欄にて、闇塗怪談を読んだ後の

感想コメント用の場所を作ったらどうか?

とのご提案がありました。

私としましても、とても興味がありますので、

さっそく作らせて頂きます。

感想コメントは、そのまま承認無しで

反映される設定になっている筈です(笑)

良かった、悪かったなど率直なコメントを

お寄せ頂けると、今後に活かせると

思いますので宜しくお願い致します。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:00Comments(26)