2017年10月31日

誰も飲めないボトル・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

今夜は、60周年パーティーですが、

とりあえず、1話あげておきます。

ちなみに、娘はパーティーには参加出来ません(笑)

そして、今夜の話は、パーティーの後、1人で飲みに

行く予定のお店の話です。

良かったらどうぞ!

まったく怖くないですが(笑)




俺がいつも通っている店には、誰も飲む事が出来ない

ボトルがある。

それは小さなスナックには似つかわしくない様な、

とても貴重なウイスキー。

しかも、かなり高価なものである事は周知の事実

になっていた。

最初に知人から紹介されてそのスナックを訪れた時は、

正直、何故

こんな場末のスナックにそんな貴重で、欲してもなかなか

手に入らない様な

ウイスキーがあるのか、と俺も驚いてしまったのを覚えている。

あまりに珍しいウイスキーだったので、俺も最初に訪れた際、

そのウイスキーを飲ませて欲しいと頼んだのだが、丁重に断られた。

どうやら、そのウイスキーは、ある1人のお客さんの為に用意

してある物だということを聞かされ、渋々断念した。

しかし、それから何度もその店に通うのだが、いっこうに

そのウイスキーのボトルが減っている様子が無い。

だから、俺は聞いてみた。

その、ある客というのは、どんな客なのか?と。

すると、ママさんがこんな話をしてくれた。

かなり以前、そのスナックがオープンした当時はお客さんもまばらで

ほぼ毎日が開店休業状態だった。

それこそ、店を続けていくのも難しいというレベルで。

そんな時、ある男性が、その店を訪れた。

お客さんは少ないが、なんとなく落ち着くお店の雰囲気が気に入った

らしく、それからは常連客として、いつも

飲みに来てくれるようになった。

まだオープンしたばかりで固定客がいなかったその店に、その男性は

足繁く通い続け、更に自分の知り合いや友人達も、この店に連れて来て

どんどん客層を広げていった。

そして、お店が軌道に乗り始めたとき、その男性は顔を出さなくなる。

お店自体は、いつも満員状態で、大忙しだったが、それでもママさんは

その男性の事を思い出さない日は無かったという。

だから、お店のママさんも、すっとその男性が来ない事を気に留めていたが、

どうしても男性とは連絡がつかなかった。

そんなある日、本当に久しぶりにその男性がお店に顔を出した。

とても痩せ細っており、どこか体が悪い事はすぐに分かった。

顔色も悪く、とてもお酒が飲める状態には見えなかった。

すると、その男性は一本の酒のボトルをカバンから

申し訳無さそうに出してきた。

それは、とても珍しく貴重な酒であり、入手困難と言われている

ウイスキーだった。

お願いがあるんだけど・・・・。

本当はお酒の持ち込みなんて許される事では無いのは分かってるんだ。

でも、どうしても、このウイスキーをこの店で飲みたくてね。

悪いんだけど、一杯だけでも飲ませてもらえないだろうか?

勿論、ママさんは笑顔で頷き、丁寧に、ウイスキーのボトルを開けて

グラスへと注ぎ、そして男性の前に差し出した。

そして、その男性は、そのウイスキーをストレートで一杯だけ

飲むと、ママさんにこう言った。

やっぱり、この店で飲むウイスキーは最高だね。

無理を言って飲ませてもらった良かったよ。

それでね。

我侭ついでに、もう1つお願いがあるんだけど・・・。

これから、私が来たら、このウイスキーを出して欲しいんだ。

とても貴重な酒だから、ゆっくりじっくりと飲みたいんだ。

だから頼むよ。

ママさんはそれを聞いて、大きく頷くと男性は嬉しそうに笑ってその店から

出て行った。

また来るから!絶対に来るから!

そんな言葉を残して・・・・。

とても嬉しそうな男性の顔を見て、ママさんもとても幸せな気分になった。

しかし、それがその男性の最後の生前の姿だった。

そして、それからしばらくして、お客さんから、彼が死んだという

知らせを受け取った。

ママさんは愕然としたが、それでも、あのお客さんは、また来るって

言っていたんだから、もしかしたら本当に来てくれるかもしれない・・・。

そう思って、仕事を頑張った。

お店がお客さんで一杯になるたびに、これは亡くなられたあのお客さんの

お陰なんだから、と自分に言い聞かせて。

だから、男性が持ってきたウイスキーは、ずっと棚の一番高い場所に

置いて、そのお客さんが来てくれるのをずっと待った。

勿論、誰にも飲ませずに・・・。

そして、男性が最後に訪れてから、ちょうど一年後、本当にその男性は

お店にやって来た。

痩せ細った姿ではなく、元気そうな姿で。

そして、

お久しぶりです。

という男性に対してママさんは、

はい。ずっとお待ちしておりましたよ。

と笑顔で返すと、黙ってそのウイスキーをストレートでグラスに注ぎ、

男性の前に差し出した。

男性は、とても嬉しそうにそのグラスを手に取ると、一気に飲み干した。

すると、男性は、

また来るけどいいかな?

と聞いてきた。

ママさんは、

はい、いつでもお待ちしていますね!

と返した。

すると、男性は少し照れくさそうな顔で笑うと、ゆっくりとドアを開き、そのまま

お店を出て行ったという。

ママさんにも、それが生きている人間ではない事は分かっていたが、

不思議と怖さは感じず、それどころか、とても幸せな気持ちになれたという。

そして、それから、毎年、同じ日に、その男性はお店にやって来ては、

そのウイスキーを一杯だけ飲んで帰るのだそうだ。

だから、毎年、そのウイスキーは少しずつ減っていく。

しかし、何故か無くならないそうだ。

だから、俺を含めて、そのウイスキーを飲もうと思う常連客は誰もいない。

それどころか、見慣れない客が、そのボトルを見つけ、飲ませて欲しいと

言うと、ママさんに代わって、その人をなだめ、皆で説得する。

そんな感じだから、一年でその日だけは、常連客は誰もその店に

立ち寄らない。

その男性客に、水入らずでのんびりとお酒を飲んで欲しいから・・・。

そして、ママさんも、今では慣れたもので、その日だけは、

従業員を休ませて、お店の看板の明かりも点けない。

今年も、その日が近づいている。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:14Comments(33)

2017年10月30日

在るはずのない部屋

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

いつも、コメント欄で、常連さん達のやり取りに

大爆笑させてもらっております。

明日は、弊社の60周年の記念パーティ?が

市内某所で行われます。

うちの娘が”私も参加したい”と騒いでました(笑)

それが終わったら1人で片町に飲みに行く予定です。

土曜日は飲みに出られなかったので(笑)

それでは、今日も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼はかなり昔からの友人。

お互いに結婚した時期も近かったので、家族ぐるみでの付き合いが長かった。

家というものに限って言えば、俺の方がかなり早く購入した。

まあ、妻に押し切られて、の事なのだが。

その点、彼ら夫婦は、どちらも慎重派のせいか、なかなか家というものに

縁が無かった。

しかし、ある時、中古であるが、リフォームを終えたばかりの

綺麗な中古物件を紹介されて、購入に至った。

俺も、引越しの際には手伝いに行き、その家の中を案内された。

実は、その時、少し違和感を感じたのだが、当然彼らにそれは伝えなかった。

その違和感とは、何かまるで家の中で迷っているかのような不思議な感覚

だった事と、家の中の一部分が異様に寒く感じたという事。

それ自体は、俺の勘違いということもあるし、何よりこれから、その家に

住む者としては、間違ってもそんな話は聞きたくないだろう。

しかし、その違和感は後日、的中してしまう。

ある夜、夜更かしした彼の妻が、何処かから聞こえてくるオルゴールの

微かな音を聞いてしまう。

勿論、彼の家にはオルゴールなどある筈も無かったのだが、明らかに

その音は家の中から聞こえてくるものだった。

翌日、妻は彼にその事を話すと、彼は家の見取り図を持ってきて色々と

考えた。

しかし、家の見取り図によると、妻が夜更かししていた1階のリビングの

横は、明らかに風呂の脱衣場しか存在しなかった。

彼らは、当然、脱衣所を丹念に調べたが、オルゴールなど在る筈は

無かった。

きっと聞き間違いだろう、という事になったが、納得のいかない妻は、

その日の夜も、そのオルゴールの音を確かめる為に夜更かしして

リビングで待った。

時刻はちょうど12時を回った頃だったという。

突然、カリカリと壁を引っ掻くような音が聞こえ、その後に紛れも無く

昨晩と同じオルゴールの音が聞こえてきた。

妻は急いで夫を起こし、リビングに連れて来る。

寝ぼけていた夫も、確かに聞こえてくるオルゴールの音に一気に目が覚めた。

そして、音が聞こえてくる場所を息を殺して探すと、どうやらやはり脱衣所

しかない筈の隣の部屋から聞こえてくる。

結局、その夜、オルゴールの音がずっと聞こえ続け、午前5時になると

ピタリと静かになった。

そこで、翌日、その中古住宅を購入した不動産屋に連絡し、家に来てもらった。

不動産屋の営業は、家の見取り図を見ながら、

いや~、おかしいですね。

でも、この見取り図だと確かにリビングの隣には脱衣所しかありませんし。

そう言いながらも、家の中や外回りを見ていたのだが、突然、彼ら夫婦を

呼ぶ声が聞こえたので、外に行ってみると、その営業さんが難しい顔を

している。

そして、彼ら夫婦に、こう言った。

実は私達も、リフォーム後にこの物件を委託され、お客様に販売させて

頂いたんですが、どうやらこの見取り図には、少し間違いがあるようです。

それが故意的なものなのか、それとも、本人達も知らなかったのかもしれませんが。

そう言って、見取り図の脱衣所の場所を指差した。

そして、

ほら、この図面では脱衣所は、かなりの奥行きがあるように書かれてるんですが、

先ほど見た感じだと、この図面の半分の奥行きも無いんです。

でも、外側から見ると、外壁はしっかりと図面通りになってます。

ということは、もしかすると、脱衣所の奥にもう1つ空間があるのかもしれません。

そう言われた。

そして、

有料になりますが、もしもご希望でしたら、業者に頼んで、脱衣所の後ろの空間を

調べてみる事も出来ますが?

と言われたので、彼らは、即答で、お願いします!と返した。

そして、次の日曜日に業者がやってきて、不動産屋の営業立会いの元で、

リビングの壁に穴を空けた。

最初、小さな穴を開けて、そこからカメラを入れて、中の空間の様子を

探った。

しかし、カメラには何も映らなかった。

そこで、仕方なく、人間が入れるくらいの大きめの穴を開けて、そこから

業者の人間が穴の中に入った。

すると、

うわっ!

という声が聞こえ、その後すぐに業者さんはその穴から出てくる。

そして、開口一番、

この家、どうなってるんですか?

と履き捨てる様に怒鳴る。

そして、これはもう仕事とはいえないので、これで引き取らせて貰います。

そう言って、そそくさと帰っていった。

残された彼らと営業さんは、しばらく呆然としていたが、慌てて

懐中電灯を探し、中に入ってみる事にする。

先ほどの業者の意味不明な言動がかなり恐怖を増長していたが、それでも

営業さんを先頭に、夫も中に入る事にした。

中には入ると、そこは完全に異世界だった。

そこはちょうど2畳ほどの空間になっていた。

懐中電灯に照らされて浮かび上がったのは、壁に埋め込まれた鉄の板と

それに固定されている拘束具。

拘束具は、何故か、どす黒く錆びていた。

そして、鉄の椅子が置かれ、そこには拘束用のベルトが。

更に、座った状態で、ちょうど自分の顔が映るくらいの位置に、小さな

鏡が飾られており、床には見たことも無い古いオルゴールが置いてあった。

そして、その部屋の壁には無数の引っ掻き傷が、どす黒い血の痕と共に

浮かび上がった。

営業さんも夫も、終始無言だった。

そして、営業さんが床に置いてあるオルゴールを拾おうとしたので、夫は

それを止めた。

ここにあるものには、一切手をつけてはいけない・・・・。

そんな気がしたのだという。

そして、彼らは、3分と持たずに、その穴からリビングに出てきた。

明るい場所で、そり2人の顔を見た妻は、その蒼ざめた表情に、一気に

恐怖が増した。

そして、とりあえず、その穴は、応急処置として、ベニヤ板で塞がれた。

その後、営業さんは、会社に帰って上司と相談してみます、と言って、

その場を後にした。

それからは、恐怖の中で、その日を過ごした。

そして、翌日には、上司と伺うという旨の電話を営業さんから貰い、その夜は

何とか乗り切ろうという事になった。

そして、その夜の午前0時過ぎ。

彼ら夫婦は、ある物音で同時に目が覚めた。

それは、いつもにも増して、大きく聞こえる、ガリガリと壁を引っ掻く音と、

オルゴールの音だった。

彼らは、布団の中で、抱き合って恐怖に耐えていた。

すると、どうやら、そのオルゴールの音が明らかに近づいてきていた。

彼らは、得体の知れない何かが、オルゴールを持ったまま、こちらへと

近づいて来る姿を想像して、恐怖が増した。

キシッ・・・ギシッ・・・・ギシッ・・・。

ゆっくりと階段をのぼってくる音が聞こえた。

そして、それと同時に何かをブツブツと呟くような声が聞こえてきた。

それは男の声に聞こえたという。

そうなると、妻はもう恐怖で泣き出してしまう。

その時、夫は何を思ったのか、急にベッドから起き上がり、

待ってろ!今、確かめてくるから・・・。

そう言って、部屋のドアを開けた。

すると、その瞬間、夫の悲鳴が聞こえ、辺りは静寂に包まれた。

妻は何が起こったのか、全く理解出来なかった。

すると、寝室のドアが開いて、妻の名前を呼ぶ声が聞こえた。

声はよく聞こえなかったが、自分の名前をしっているのだから、夫に

間違いないと思ったという。

だから、妻はベッドから起き上がると同時に、

無事だったんだ?

と言おうとして、言葉が出なかった。

そこには、血まみれで片腕の無い男が立っていた。

痩せ細り、骨だけのようになった顔で、その男は満面の笑みで笑った。

そして、妻は意識を失った。

そして、翌朝、目が覚めると、いつもの明るい日差しが差し込んでいたが、

夫が横にいなかった。

やはり、夢ではなかったんだ・・・。

そう思い、妻は慌てて起き上がると、寝室の中にはまるで何かを引き摺った

かのような血の痕がベットリと床に残されていた。

妻は夫の身を案じ、その血の痕を避けるように、廊下へ飛び出すと、そこに

夫は倒れていた。

揺り起こすと意識は取り戻したが、想像を絶する恐怖を体験したのか、

体がずっと震えており、まともに話すことも出来なかった。

そして、夫が落ち着くのを待って、1階へ降りると、リビングに開けた穴を

塞いでいたベニヤ板が、粉々に割られており、ぽっかりと大きな穴が

露出していた。

そのまま、彼らは、仕事を休み、不動産屋へ駆け込むと、急いで、その家の

売却を頼んだ。

しかし、その不動産屋も、何か心当たりがあったのか、結局、その家を

買い戻してくれた。

そして、彼ら夫婦は、それからしばらくの間、ホテルに滞在し、手頃な

アパートを見つけて、すぐに移り住んだ。

それ以来、怪異は発生していない。

ちなみに、その家は今は取り壊され、更地になっているそうだ。

隠し部屋に、誰かが閉じ込められていたとしたら、かなりの事件性が

あるのは間違いないが、その被害者は今はどうなっているのか?

きっと、彼ら夫婦は、あの夜に見たのが、その被害者だとすると、きっと

もう生きてはいないということなのだろう。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:57Comments(25)

2017年10月29日

続・受け継がれてきた人形

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です。

毎週、台風がやってきておりますが、これから

台風が通るコースにいらっしゃる方、十分に

お気をつけください。

そして、既に台風が通過し、被害を受けた方には

心よりお見舞い申し上げます。

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう。

少しだけ長いですが(笑)

それでは、どうぞ~!



先日、受け継がれてきた、いわくつきの人形の話を書いた。

コメントでも、何とかならないのか?という趣旨の内容を頂いていた。

実は、あの話には続きがある。

ちょっとした事情があって、それを書く事を迷っていたのだが、やはり俺自身が

もやもやしてしまいそうなので、書いてしまう。

前回、“現時点では、彼女の身に、不幸は起こってはいない”

として話を締めくくった。

しかし、その現時点というのは、あまりに短かった。

燃やし、土に埋めた人形が、再び家に戻ってきてから、ちょうど1週間目の

ある日、彼女は夢の中にその人形が出てきた、と連絡してきた。

いや、それはもしかすると夢などではなかったのかもしれない。

彼女が眠っていると、ふと何かの気配を感じて目を覚ました。

すると、そこは何故か昭和の初期、ちょうど戦争の最中にある東京だった。

道や川には沢山の人が灰になって倒れている。

彼女は、これは東京空襲の場面だと気付いたという。

そして、灰になって焼け死んでいる人達の中に、彼女は倒れていた。

そこは、とても熱く皮膚が焼けるような感覚があった。

そして、そこに横たわった彼女の横に、ちょうど彼女の顔を見下ろすように

立っているおかっぱ頭の女の子がいた。

そして、その女の子が大事そうに腕にかかえていたのが、あの市松人形

だったという。

その女の子は、地獄絵図と化した大地に横たわり動けなくなっている彼女の顔を

ジッと見つめていた。

そして、人形も彼女を怖い顔で見つめており、その二つがリンクしているように

感じたという。

彼女は、どうやら空襲で負った怪我が火傷のせいで全く動けなくなっており、

話す事も侭ならなかった。

彼女は、その女の子と人形が恐ろしくて仕方がなかった。

だから、心の中で、

早く何処かへ行って!

と願い続けたが、女の子と人形は、全く動こうとはしなかった。

一体、いつまでこんな時間が続くの?

と思った。

しかし、次の瞬間、それは突然終わる。

空から何かが降ってきて、大きな爆発音がした。

そして、その炎と爆風が、女の子と人形を一瞬で吹き飛ばした。

彼女は、それを呆然と見ていた。

そして、あの爆発で、どうして自分が無事でいられたのか、不思議で

仕方なかった。

辺りには、何かが焼けるような嫌な臭いが充満し、煙と炎が視界を遮る。

しかし、その煙が薄くなっていくと、そこには何かがいた。

それは、爆風で死んだ女の子と、それを見下ろす市松人形の姿だった。

そして、人形はしばらく女の子を見つめた後、そこから遠ざかっていくのが

見えた。

彼女はホッとしていた。

女の子には申し訳なかったが、あの市松人形がその場から消えてくれたのは

正直、嬉しかった。

そして、それと同時に、どうして今、自分はこんな場面を見せられているのか、と

必死に考えていた。

すると、背後から、小さな女の子の声がした。

彼女は、動かない体で、必死に声がした方を見た。

すると、そこには、先ほど遠ざかって行った筈の市松人形が立っていた。

そして、相変わらず、恐ろしい顔で、

なんで、あんたが生きてるの?

そう言った。

そして、それを聞いた瞬間、彼女の意識は飛んでしまい、気が付くと

朝になっていた。

とても嫌な気分だったという。

そして、その夢を見てからが彼女にとっての地獄の始まりだった。

家で料理をしていると、突然、変な方向に力がかかり、彼女は左手の小指を

骨に包丁が食い込むほど切ってしまう。

会社で仕事をしていたとき、一番落差のある大きな階段で彼女は突然バランスを

崩した。

それは、背後から誰かに押されたようだった。

しかし、その時は運良く、偶然通りかかった男性社員に助けられ彼女自身は怪我を

しなかった。

しかし、その数日後、その時、彼女を助けてくれた男性社員が、何の前触れも

無く、職場の窓から飛び降りた。

一命は取り留めたが、かなりの酷い怪我を負った。

それから、彼女は、責任を感じ会社に休職願いを出した。

そして、その初日に、家の階段から落ちて、1階の床に体を叩きつけられた。

結局は肋骨の骨折たけで済んだのだが、彼女にはもう考える余裕は無かった。

再び、その人形を抱え、車に乗ると、急いで家を出た。

遺書らしきメモまで残して・・・。

どうやら、その時は、彼女はその人形と心中するつもりだったらしい。

誰の邪魔も入らない山の中で、体を石にくくり付けて、ガソリンをかぶり、

その人形と一緒に焼身自殺をしようと考えていた。

しかし、その移動途中、彼女は、トラックと衝突し、救急車で

搬送された。

彼女の夫から連絡を貰った俺は急いで病院に駆けつけると、そこには事故で

全身火傷と何箇所もの骨を骨折した彼女がICUに入っていた。

そして、彼女のベッドの隣には、相変わらず、傷1つ付いていない市松人形が

置かれていた。

彼女の夫から聞いた話では、命が助かる見込みは50パーセントも無いと

言われたということだった。

その時、俺自身の中の何かがぶち切れた。

許せない!

そんな気持ちしか無かった。

俺は、急いでAさんに連絡を取り、いつもの喫茶店で待ち合わせた。

約束の時間よりもかなり早い時刻に喫茶店に着いたのだが、Aさんも、それと

ほぼ同時に喫茶店に入ってきた。

俺が深刻な顔をしているのを見て、Aさんは、

いやいや、久しぶりですね。

今日は何を奢ってくれるんですか?(笑)

といつも以上に明るく、俺は少しムッとしてしまった。

そして、話を切り出そうとする俺に対して、まるで茶化すようにおどけるAさん。

とりあえず、いつものように、特大パフェを二つ頼み、ご満悦のAさん。

そして、ムッとしている俺にAさんが囁いた。

ほんと、馬鹿ですよね?

あの人形の前で、敵意を剥きだしにしたんでしょ?

さっきから、ずっと側でKさんと私を見張ってます・・・。

だから・・・下手な事は絶対に言ってはいけません!

それだけ言うと、Aさんは運ばれてきた特大パフェを嬉しそうに口へと運ぶ。

俺は、ふと考えた。

確かにいつものAさんは、こんなにハイテンションではない。

だとすると、本当に演技なのか・・・と。

それにしても、凄まじい食いっぷりと嬉しそうな顔を見ていると、何故か

笑えてくる。

そして、Aさんは、特大パフェ二つを完食すると、今度は特大スパゲティを

追加注文した。

俺は、Aさんに顔を近づけて、

まだ演技続けないとダメなの?

と聞くと、Aさんは、

いえ、もうどこかに行ってしまいました。

大丈夫です。

というので、

それじゃ、スパゲティは何の為に?

と聞くと、

ああ、単にお腹が空いていたので(笑)

と返してきた。

俺は少し呆れ顔で、Aさんが食べるスパゲティが凄まじいスピードで減っていく

のを見ていたが、気にせず食べ続けるAさんは、あっという間に完食してしまう。

すると、突然、

出ましょうか?

と言って席を立つ。

そこからは、Aさんの車に乗せてもらう。

どうやらAさんの車は、それ自体に強力な結界が張られているとの事で、その車の中

なら、何を話しても大丈夫だということだった。

だから、俺はそのまま駐車場に車を停めたまま、話をするのか、と思っていたが、

予想を反して、Aさんは車を発進させた。

俺がどこに行くの?

と聞くと、

どうしても寄らないといけない処があるので・・・。

とだけ答えた。

俺はもしかすると、何か秘策でもあるのかと思い、そのまま助手席に乗っていると、

車は、とあるケーキ屋の前で停車した。

すると、Aさんは、

私は車の中で待ってますから、Kさんが買ってきてくださいね!

私は、イチゴショートとティラミスとマロンケーキ、それとシュークリームを

それぞれ2個で!

と言ってくるので、俺が

もしかして、どうしても寄らないといけない場所ってこのケーキ屋じゃないよね?

と聞くと、Aさんは涼しい顔で視線を逸らせた。

もう完全に呆れてしまった俺だったが、やはり彼女を助けるとしたらAさんの

力は必要不可欠のものだった。

だから、言われるままに、指定されたケーキを買って車に戻ってくると、Aさんは

満面の笑みで迎えてくれた。

俺は、嫌味で、

いつも、それくらい明るい顔してると、すぐに彼氏出来るんだろうけどね!

と言うと、

だから、何度言えば分かるんですか?

彼氏が居ないのは、私が欲していないからだって言ってるじゃないですか?

私の彼氏になりたい男なんて、沢山居過ぎて、キャンセル待ち状態なんですから(笑)

と返してくる。

それから、Aさんは、車を近くの公園に停めた。

そして、嬉しそうにケーキを1つ手に取ると、

それで、彼女の具合はどうなんですか?

と切り出してきた。

俺は、そこから順を追って説明をした。

彼女が負った厄災の事。

そして、現在は死の淵を彷徨っている事。

そして、その傍らには、あの人形が、置かれていた事。

そして、彼女がもしも助かったなら、今度は彼女の夫が、彼女に代わって

あの人形を浄化させたいと思っている事。

そして、彼女にどんな後遺症が残り、火傷の痕が消えなくても、夫はずっと

彼女を支え続けるつもりだ、という事も・・・。

それを聞いたAさんは、

まあ、そんな感じですよね。やっぱり・・・。

とため息混じりにつぶやく。

だから、俺は聞いてみた。

やっぱり無理なのかな?Aさんでも・・・・・。

すると、

まあ、私も死にたくはないですからね・・・・・。

と言葉を濁した。

そこで、俺は、

それじゃ、Aさんと姫が力を合わせたら、どうなの?

と聞くと、

姫はまだ女子高生なんですよ?

それに、私も、まだ結婚前の女の子ですからね~?

と言ったきり、しばらく何かを考えていた。

そして、顔を上げて俺の方を見ながら、

まあ、うってつけの人が居ない訳ではないんですけど・・・・。

と少し浮かない顔をする。

俺は、その“うってつけの人”という言葉に食いついて、更に話を続ける。

そんな人が居るの?

それじゃ、早速その人に頼んでみてくれない?

と言うと、Aさんは更に気が進まないという顔をして、

はいはい。分かりましたよ。

でも、忙しい人だから、ダメ元で聞いてみますね・・・・。

と言ってその日はお開きにした。

そして、後日、Aさんから連絡が入った。

それは、その“うってつけの人”がやはりダメだった!

というものだった。

電話口で、

そっか・・・・しょうがないよね・・・・。

と暗い声を出して言うと、Aさんが

分かってるって言ったじゃないですか?

私だって、あれからずっと彼女を助けたいと思って色々と調べたりしてたんですから。

それに、その人に電話した際に、対人形の対処の仕方も教えてもらいましたから。

だから、とりあえずは、やってみましょう!

と言ってくれた。

それからは、姫も参加して富山の住職の寺でミーティングになった。

だから、俺は姫の高校まで迎えに行き、姫を後部座席に乗せてそのままお寺へと

車を走らせた。

しかし、姫と2人で車に乗っていると、いつも困惑する事がある。

それは、姫がどちらに話しかけているのか、分からない時があるから・・・。

どちらに、というのは勿論、俺なのか、それとも俺の守護霊なのか、ということ。

だから、最近では、いつも、話しかける前に、これから話しかける相手がどちら

なのかを冒頭に言ってもらう事にしている。

ねぇ、Kさんとか、ねぇ、Kさんの守護霊ちゃん・・・とか。

まあ、そんな事はどうでも良いのだが、その時にとても興味深い事を姫から聞いた。

それは、姫のある一言から始まったのだが・・・。

それにしても、Kさんの守護霊ちゃんって凄いですよね~。

もしも、Aさんにも、これくらいの守護霊ちゃんが付いていたら、とんでもなく

凄い事になりそうなんですけどねぇ(笑)

その言葉に思わず反応した俺は、すぐにこう返した。

そういえばさ、Aさんの守護霊ってどんな感じなの?

やっぱりワガママだったり、上から目線だったりするの?

と聞くと、

あれ~、知らなかったんですか?

Aさんには守護霊って付いてはいないんですよ~。

だから、たまにAさんもKさんから借りてるじゃないですか?

Kさんの守護霊ちゃんを(笑)

そう言って笑っていた。

その時、俺は初めて知った。

Aさんに守護霊が居ないのだということを・・・・。

そういえば、Aさんがたまに、最近は守護霊がついていない人もいるんですよね、と

言っていたのは、自分も含めての事だったのかと気付かされた。

まあ、もしも守護霊がいたとしたら、あんなにひねくれた性格には

なっていないのかもしれないが・・・。

そんな話をしていると、ようやくお寺に着いた。

寺に着くと、既にAさんが来ており、住職と何やら難しい顔で

話し込んでいる。

それだと下手すると、命を落としかねないよ・・・・。

これなら何とか、最低でも道連れには出来ると思うんですよ・・・。

と何やら物騒な話をしている。

しかし、そこに姫が加わり、

Aさん、そしてご住職・・・。

本当にご無沙汰しております。

今日は私などもお話に加えて頂いて本当に感謝しております・・・。

などと話しだすから、場の雰囲気が一気にのどかなものになってしまった。

それでも、話が人形の浄化というものになると、さすがにその場に居た

者全ての顔に緊張が走る。

やはり、それほど危険な除霊ということなのか?

話を聞いていると、どうやら、人形を浄化する際には、人形に見られても、

そして自分が人形を見ても駄目だということだった。

それはかなり難しいことになりそうだった。

作戦はこうだった。

彼女の夫に頼んで、あの人形をある場所に持ってきてもらう。

そして、そこに入ると同時に姫が強力な結界を張る。

そこで、動けなくなった人形に、Aさんが浄化の行を行う。

そして、浄化が済んだ人形は、強力な御札と共に、気を込めた鉄の箱に

水晶と一緒に納めて、重しと共に海中深く沈める、というものだった。

そうすれば、人形も長い年月の間に浄化されるだろうということだった。

作戦が決まってからは、行動が早かった。

何しろ、彼女の命が懸かっているのだから、全員が必死だった。

俺は彼女の夫に頼んで、人形を、水気の無い、山の中腹にある小屋まで

持ってきてもらうことにした。

夫は、彼女を助ける為だと聞くと、積極的に協力してくれた。

俺が、先に現地に行くと、既にAさんと姫が来ており、火を起こして

何かを焼いて食べていた。

焼いも・・・だった。

それにしても、この緊張感の無さは、何度体験しても慣れることは無い。

そして、キャンプファイヤーよろしく、Aさんは、持ってきた食材を

どんどんと火に入れる。

それは巨大なソーセージだったり、焼き鳥だったり・・・・。

情けなくて言葉も出ない。

そんな俺の気持ちを察したのか、Aさんが、

あっ、ご苦労様ですね。

大丈夫ですって!

戦いの前の腹ごしらえ・・・ですから。

そう言われたが、何の説得力も無かった。

そんな事をしていると、彼女の夫が車でやって来た。

手には、人形が入れられているであろう木箱を抱えていた。

さすがに、それを見た途端、Aさんと姫の顔つきが変わる。

いくよ!

というAさんに、

はい!

と姫が答えた。

まさに、この2人は最強のペアなのかもしれない。

夫が指示されたとおりに、木箱を持って小屋の中に入る。

そして、出てきた夫と入れ替わるように、Aさんが中へと入っていく。

俺は危険という事で、遠巻きにその様子を見ていた。

いつものように、白く眩い光が小屋を包んでいく。

その時、いつもとは違う声が聞こえる。

それは、明らかにAさんの悲鳴にも似た絶叫だった。

それでも、Aさんは、必死に人形と闘っているようで、俺はしばらく

様子を窺っていた。

すると、姫が大声で俺に叫んだ。

あの・・・Aさん、危険です。

私も力を貸したいんですけど、Aさんからは、絶対に最後までこの

結界は解くな!って言われてるので・・・。

私、どうしたらいいですか?

そんな叫びだった。

しかし、姫の初めて聞く大声に、とんでもなくまずい状況だと理解した。

しかし、俺にはどうしようもなかった。

やはり、あの人形には手を出すべきではなかったのか?

しかし、今の状況に巻き込んでしまったのは俺だった。

俺は意を決して、何とかAさんだけでも助けに行く事にした。

Aさんが劣勢になる相手に、俺が何も出来る事は無い。

ただ、このままだとAさんが・・・・。

俺は、恐怖を押し殺して、一歩踏み出した。

すると、突然、ポンと方を叩かれた。

それは見たこともないスーツ姿の男性だった。

そして、

話には聞いていたけど、凄まじい結界だな~

とか、

それにしても、あれほど言っておいたのに・・・。

まだまだ・・・だな。

と独り言を言っている。

そして、その男性は、そのままAさんが居る小屋の方へと近づいていき、

あっさりと小屋の中へ入っていく。

俺は何が起こったのか、わからず、ただ呆然と立ち尽くしていたが、

しばらくすると、小屋のドアが開いて、その男性が出てきた。

その手にはしっかりと人形が握られていた。

そして、少し遅れて、しかめっ面のAさんが出てきた。

かなり反撃をくらったらしく、その姿はとても痛々しいものだった。

そして、Aさんが口を開く。

来るなら来るって最初から言ってよ!

そしたら、私もこんな目に遭わなくて良かったのに!

すると、その男性が口を開いた。

だから、こうやって持てって教えたでしょ?

それに、人形には、絶対に背後から近づく事!

見られたらお終いだって。

その為にも、水晶を上手く使えって言ってあったでしょ?

何回も言ったと思うんだけどね~

と返す。

姫は何とか無事なAさんを見て泣きそうな顔をしている。

そして、Aさんに手厳しい言葉をかけるその男性を睨んでいた。

すると、Aさんが、

あっ、姫ちゃん、大丈夫!

この人、一応、私の師匠みたいな感じだから・・・。

あっ、それからKさん、この人が人形の浄化にうってつけの奴ですから。

と言う。

俺は、師匠という言葉に反応してしまい、その男性を思わず凝視する。

すると、その男性は、俺の方へと近づいてきて、名刺を差し出す。

そこには、かなり有名な会社の名前と、それなりの役職が明記されていた。

俺も思わず、名刺を差し出した。

すると、

ああ、貴方が、噂のKさんですか?

いつも、Aから、色々と聞いてますよ。

かなりの馬鹿だと聞いてましたが(笑)

あのAに馬鹿と呼ばれるくらいですから相当なものなんでしょうね(笑)

と柔らかくも、キツイ言葉を並べてくる。

まあ、返す言葉は無かったので、俺はそのまま、その言葉を受け止めた。

実際、そう言われたが少しも頭にはこなかった。

不思議な人物だ。

そして、

どうやら、仕事の出張の途中で、何やら嫌な予感がしたとのことで、

此処に寄ってくれたとのことだった。

それにしても、これほど簡単にあの人形が浄化できるなんて・・・。

そして、姫にも挨拶を終えると、そのまま送ってもらったタクシーに

乗って、慌しくその場を去っていった。

その後、Aさんから聞いた話では、

強力な霊能者ではあるが、普通に会社に勤め、仕事をしている事。

そして、年に何度かは、同じ志を持った霊能者達で、全国を浄化して

回っている事。

そして、Aさんに霊能者としての技術や心得を教えてくれた師匠であるという

事が判った。

それを聞いて、俺は思わず、

Aさんって、師匠に対してもタメ口なんだね?

と聞くと、

尊敬するのと、喋り方は比例しませんから・・・。

と言っていた。

それから、俺達は、全く反応が無くなった人形を用意してあった

鉄製の箱に入れ、御札、水晶とともに封印した。

それから痕はAさんに任せたのだが、きっと何処かの海に沈めたのだろう。

そして、彼女はその後、奇跡的に回復し、今では普通の生活が送れるまでに

回復している。

それにしても、まだまだこの日本には、とてつもない霊能者というものが、

いるようである。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:15Comments(22)

2017年10月28日

霊がいるのか、いないのか、の診断方法

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です!

今日は私は仕事でした。

用事があるので、今夜は片町に飲みに行けません(泣)

それから、サイン希望の文庫本、沢山届きました。

ありがとうございます。

お手紙を付けて頂いたり、プレゼントまで(涙)

お気遣い頂き、感謝致します。

実は、オマケの金箔の栞が切れてしまいまして、

現在、追加で用意しておりますので、もう

しばらくお待ちください。

それはそうと、今日仕事から帰宅すると、うちの娘が

リビングでゴロゴロしていたので、

今日は家族でお好み焼きでも食べに行くか?

と言うと、娘が

わーい、本当?行きたい、行きたい!

というので、私はそのつもりでいたのですが、

妻が帰って来て、何の音沙汰も無いので、

心配になり、1階へ降りると、既に

お刺身他の、豪華な夕食の真っ最中でした。

あの・・・・お好み焼きは?

とも言えず、そのまま再び2階の自室へと

戻ってきました。

現在、娘は夕食を終えて、隣の部屋でミシンと格闘しております。

それにしても、お好み焼きの話は、いつ消えたの?(涙)

かなり空腹状態です(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

今日は趣向を変えて・・・・。

全く怖くないのでご安心を!

それでは、どうぞ~!




これは以前、飲み会の席でAさんから聞いた話である。

その場に、住んでいる部屋で怪異が発生しているバンド関係の知り合いが

居り、それに答える形でAさんが話した内容である。

金縛りとか、ラップ音とか、霊的な現象なのかな?と思う場合には多種多様

なものがあると思う。

実際にはそれが単なる家の木材が軋む音だったり、単なる医学的な

金縛りなのかもしれない。

しかし、それらの現象が本当に霊によるものなのかどうかを判断する

方法というのも、確かに幾つか存在するらしい。

最も簡単なのは、部屋に盛塩をしてみるということ。

塩には清めの効果が在るので、陰の気を持つ霊には、それがとても不快

なものであるらしい。

使用する塩は、勿論、粗塩が最も適しているらしいが、別に家庭にある食塩

でもOKとの事である。

それを、白い紙の上に、ちょうど円すい状になる様に山盛りにする。

これは、下に紙を置いた上から、塩をかければ、当然そのような形になると

思うので、それほど難しい事ではないと思う。

それを部屋の場合には、四隅に置くだけ・・・である。

本来は、方角的な四方に置くのが正式なものらしいが、実際には、霊は

部屋の四隅から侵入してくるらしく、普通に部屋の角に置けば良いらしい。

そして、それを一晩そのままにしておく。

夜が明け、朝になってからその状態を確認する。

変化を見る為にはスマホで事前に写メを撮っておくのも良いかもしれない。

盛塩を置いた直後の状態と、一晩放置した状態を見比べる為に。

特に変化が無い場合は勿論、霊など居ないので気のせいということになる。

盛塩が濡れている様な場合には、もう1~2日、そのまま様子を見るのが良いらしい。

そして、もしも、その間に盛塩が黄色く変色した場合には要注意というか、

その部屋には霊が存在しているらしい。

盛塩が変化する色は、黄色だったり、うっすらとしたピンク色だったりするらしいが、

変化した盛塩の色によって、それが普通の霊なのか、悪い霊なのかも判断出来る

ということだ。

もしも、盛塩が変色せず、ただ、固まったりしている場合や、薄いピンクに

変色している場合は霊は居るが、それは害を為さないものであるらしい。

ただ、それが黄色や茶色、そして茶褐色、そして真っ黒に変色していった場合は

覚悟した方が良い。

その部屋には、明らかに悪い霊が、存在しているらしい。

そして、最悪なのは、盛塩が、白い紙の上からはみ出すように散乱している場合。

その場合は、とてもタチの悪い悪霊であるらしく、すぐにでも、その部屋から

出て行くか、もしくは何らかの対策をとる事をお奨めする。

実は、俺は以前、霊障に困り果てていた時、盛塩によって、自分の部屋を

確認したことがあるのだが、その時には、白い紙の上に盛った粗塩が部屋中に

散乱しており、かなり恐怖を感じた。

そして、それをしばらく放置していると、怪異は家中に広がったという苦い

経験がある。

そして、これは盛塩から日本酒に置き換えても同じような事が起こるらしい。

この場合、日本酒の味が分かる人でないと意味が無いのだが、やはり

悪い霊が居る部屋ほど、その部屋に置いておいた日本酒の味が不味くなり、

タチの悪い悪霊が居る場合などは、とても飲めたものではなくなる、という

話だ。

そして、盛塩と同じように、日本酒の色も、黄色く濁ってくる。

これも、変色や濁りが酷いほど危険という事になる。

そして、もしも、これらを試して、何らかの現象が起こった時はとりあえず、

その部屋を一時的に退去する事をお奨めする。

逃げるのではなく、あくまで一時的に・・・・である。

勿論、それは各々の判断する事になるとは思うが、そんな部屋で

生活しているだけで、

運は離れて行き、何をやってもうまくいかず、そして重い病気

にもかかり易い。

だからこそ、取り敢えずの一時退去である。

そして、退去している間に、その部屋のカーテンなどを

全て外してしまい、

雨が降らない日には、一日中、部屋の窓を開けておく。

部屋に線香やお香を焚くのも効果的である。

そして、部屋の中の至るところに、粗塩を置いておく。

勿論、神社などで買ってきた、悪霊退散の御札を貼っておくのも

ベターである。

そうして、霊にとって、不快な場所をわざと作ってしまう。

そうすれば、どんなに忍耐の強い霊であっても、必ずその部屋

から出て行く

のだそうだ。

そして、それでもまだ部屋の中で怪異がおこるようであれば、そこに

残っている

のは、とてつもなく強力な悪霊という事になる。

その時には

しっかりとした霊能者やお寺、神社に頼むしか方法は残されていない。

その際には、代金の話を相手からしてくるような場合には、他を

探した方が良いらしい。

確かに最初はしっかりとした霊能力や法力を持っていたとしても、お金に固執

するようになると、その本人も気付かないうちに、その力はどんどん弱まっていく

というのがAさんの持論である。

ちなみに、Aさんのように、甘いものなどを要求するのは特に問題ないらしい。

何故なら、そうした力を使うと、とても疲弊してしまうらしく、その際の

回復の為にも、甘いものというのは、やはり必需品なのだという。

まあ、Aさん本人に言われても、いまひとつ説得力が無いのだが・・・。

そして、Aさんの家や部屋などに霊が居ついた事は無いということだ。

やはり霊達も危ない者には近づかない、ということらしい。

ただ、Aさん自体は、部屋に霊が居ついて欲しいのだという。

なんで?

と聞くと、

だって、掃除とか雑用を私がしなくても良くなるじゃないですか(笑)

それに家に持ち帰った仕事もやらせられますし・・・・・(笑)

と言ってのける。

楽ばかり考えてないで、もっと動けよ!

と思ったが、口に出せなかったのは言うまでもない。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:39Comments(26)

2017年10月27日

彼は海では泳がない

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です。

今日は帰宅すると、うちの大監督が風邪で

食欲が無いとの事で、いつもの夕飯の後、

ラーメンを食べ、更にミスドを食べられた後、

現在、隣の部屋で寝ております。

が・・・・。

先ほどから、ゲームの音に加え、歌を唄っている

様な声まで聞こえてきます。

きっと、幻聴でしょうが(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



友人に泳ぎが得意な男がいる。

彼は中学から高校まで水泳部で全国大会にも行った事があるほどの

スイマーだった。

だから、昔はよく一緒にプールへ泳ぎに出かけた。

彼と泳いでいると、それまでは泳ぎが得意だと思っていた自分が

恥ずかしくなるくらいの違いを見せ付けられる。

とにかく、安定して速く、そして疲れを見せない。

本気で泳げば凄く疲れるんだけどな!

と言っている彼だが、完全に手を抜いて泳いでもあれほど速く

泳いでしまうのだから恐れ入ってしまう。

そんな彼だが、実は海では絶対に泳ぐ事はしない。

波があって泳ぎ難いとかの理由ではなく、海水がベトベトするから、

という理由でもない。

というか、そもそも海には泳ぐ事はおろか、近づこうともしないのだ。

しかも、以前、学生時代に海での遠泳の試験があった際も、学校を

休んでまで、泳ぐ事を拒否した、というのだから筋金入りだ。

だから、以前、一緒に酒を飲んだ際、思い切って聞いてみた。

どうしてそんなに海が嫌いなのか?と。

すると、彼は海が嫌いな訳では無い。

ただ、恐ろしいんだ・・・。

と前置きした上で、お酒の酔いも手伝って、その理由を話してくれた。

彼の父親の実家が海辺の町ということもあってか、子供の頃には、

彼は普通の子と同じように海で泳いだり遊んだりしていたようだ。

それでは、何故そうなってしまったのか・・・・・・。

それはある時の体験から始まっているのだという。

その時も、彼は夏休みを利用して、父親の実家に家族揃って遊びに来ていた。

小学校の高学年だったという。

その頃から、彼は地元のスイミングクラブに加入していたそうで、毎日、

従兄弟達と海に出かけていっては日が暮れるまで遊んでいた。

実際、その町は田舎で何も無かったから、遊べる事といえば、海での海水浴や

魚釣りや貝拾いなどに限定されてしまっていたが、それでも彼はその場所での

数日間をとても楽しみにしていた。

そんなある日、漁師をしている叔父が子供達全員を連れて沖合いまで

釣りに連れて行ってくれる事になった。

いつもは港のテトラポットなどで釣りを楽しんでいたが、やはり沖合いでの

釣りは、大物も狙えるし、魚も豊富だから、かなりの釣果も期待出来た。

だから、その日の前の晩などは楽しみで眠れなかったという。

そして、朝起きると、さっそく釣りの準備をして、彼らは叔父さんの

漁船に乗り込んだ。

船が出港すると、初めての船で船酔いしてしまう子もいたらしいが、

彼は大丈夫だったらしい。

船の先頭に座り、ずっと向こうまで続いている水平線を気持ちよく眺めていた。

叔父さんの操縦する船は、かなり大きく漁船とはいえ、しっかりとした

船室も備わっていた。

そして、港を出港してから20分くらいで、その日の釣り場に到着する。

すると、各々が持ってきた釣竿を使って釣りをはじめた。

さすがに沖合いでの釣りは、テトラポットなどでの釣りとは違い、かなりの

大物がどんどんと釣れた。

入れ食い状態と言っても良い感じだったという。

すると、それを見ていた叔父さんは、

危ない事はするなよ~、とだけ言うと、さっさと船室に行って昼寝を始めてしまう。

おいおい、監督してなくても良いのか?

と思ったらしいが、子供達にとっては、その方が好都合だった。

何しろ、初めての沖合いの海は、見る物全てが新鮮であり、色んな事を

してみたかったから。

すると、気が付くと、並みが完全に消えてしまい、海がまるで水の

絨毯の様に見えていた。

船の周りには波ひとつ無い不気味なほど静かな景色が広がっていた。

360度を見渡しても、どこまでいっても海しか見えなかった。

そして、海の波が消えたせいか、魚がパッタリと釣れなくなった。

釣り糸を垂らすポイントを変えても、餌を変えても、魚は一匹も

掛からなかった。

すると、従兄弟の誰かが言った。

おい、泳いでみないか?と。

すると、従兄弟の殆どが、賛成した。

中には怖いという事で、泳がないという子もいたが、見張り番役としては

ちょうど良かった。

しかし、初めて入る沖合いの海は、プールとは違い底すら見えないのだから、

さすがの彼も緊張したらしいのだが、それも1人が生みに飛び込むと、

そんな緊張感は、あっさりと消えてしまった。

沖合いの海は、波も無く泳ぎやすかったが、それでも、海の底から人食いザメ

でも出てくるのではないか、と妄想してしまい、なかなか船から離れる

勇気は無かった。

だから、彼を含めた全員は、船のすぐ側を泳ぎ回っていただけなのだが、

それでも、かなりのスリルを味わえた。

夏の日差しの中で釣りをしていた体がどんどん冷やされていき心地よかった。

すると、突然、背後から

うわぁ!

という声が聞こえた。

彼は急いで振り返った。

すると、今まさに、従兄弟の1人が、まるで何かに海中に引きずり込まれる

ようにして海の中へ消えていくところだった。

一瞬の沈黙の後、他の従兄弟達は、いっせいに我先に、と船の上に上がっていく。

しかし、彼はその当時から泳ぎには自信があった。

だから、彼は、その従兄弟を助けに行く決断をする。

彼は、

叔父さんを早く起こせ!

とだけ言うと、勢いをつけて海の中へと潜った。

初めて見る沖合いの海の中は、光も通らないくらいに暗く感じた。

そして、頭では分かっていたのだが、実際自分の目で見る、底が見えない

海は、彼に恐怖という感情を抱かせるには十分だった。

それでも、彼はそのまま海中へと潜り続けた。

時折見上げると、海面とはそれほど離れていないにも拘わらず、海の中は

どんどん暗くなっていった。

そして、彼は考えていた。

いったい何が従兄弟を海中へと引きずりこんだのか?ということを。

しかし、それを考えると恐怖で体が硬直してしまうので、出来るだけ

それは考えない様にした。

すると、前方に何やら改装のようにユラユラと揺れているものを発見した。

そして、何故か、その先端には従兄弟の体が繋がれている事が分かった。

彼は、急いで従兄弟に近づき、従兄弟の体を引き上げようとした。

しかし、何故か従兄弟の体は、持ち上がらない。

彼は、仕方なく、従兄弟の体を繋いでいるものを捜した。

そして、固まった。

そこには、海底から何人もの白い体をした人間が繋がってユラユラと揺れており、

一番先頭の白い人間の手がしっかりと従兄弟の足を握っていた。

それは一瞬の出来事だったのかもしれないが、それでも間違いなく、そこに

従兄弟は繋がれていた。

そして、彼は恐怖のあまり、その場で固まったまま、身動き出来ずにいた。

すると、海面から何かが飛び込んでくる音が聞こえた。

その大きな体は、すぐに彼の目の前を横切り、従兄弟の足に繋がっている

白い手を振りほどいた。

そして、身を翻し、彼の手も掴むと、そのまま海面へと上がっていった。

海面まで上がると、彼と従兄弟を先に船に乗せ、最後に叔父さんが

船にあがってきた。

そして、そのまま急いで操舵室に向かい、何も言わずに船をスタートさせた。

そのまま叔父さんは無言で船を操縦し、行きは20分掛かった距離を帰りは、

10数分で港まで帰ってきた。

すると、叔父さんが操舵室から無線で連絡しておいたらしく、港には大勢の

大人達が集まっていた。

そして、従兄弟は救急車に乗せられてその場から居なくなった。

そして、何故か彼もその日のうちに、田舎から家に戻る事になった。

家に戻る途中、彼は父親にその日見た事を話そうとしたらしいが、何故か、

それは死ぬまで誰にも言うな!

とだけ言われたという。

その後、従兄弟が遠い町の病院に入院したと聞いた。

そして、それから叔父さんと電話で話す機会があったらしいが、その時も、

叔父さんは、

何も言うな!絶対に!誰にも!

とだけ言われたという。

その後、彼の叔父さんは片足を失ったと聞いた。

そして、これは噂だが、その時連れて行かれた従兄弟も片足を失ったのだそうだ。

そして、実は彼にも左足に、まるで誰かの手で摑まれた様なアザが残っている。

それが、彼が決して海では泳がなくなった理由なのだという。

そして、最後に彼は言っていた。

あいつらが何者なのかは分からないけど・・・・。

ただ、いつも海の底から手を繋いで海面辺りを泳いでいる人間を狙ってるんだ。

海の底に引き摺り込もうとして・・・・。

だから、特に波が消えた海には絶対に入ってはいけないんだ!

その目はすっかり酔いが醒め、恐怖を思い出した様な顔をしていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:51Comments(19)

2017年10月26日

後ろから追いてくるのは・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

10月も残すところ、数日となりました。

本当に一年の経つのは早すぎますね。

11月になると、毎年恒例のクリスマスライブ用に

ボーカルのオーディションが行われます。

バイト代が高額なので、いつも沢山のボーカル

希望者がやってきます。

カラオケが上手くでも、バンドのボーカルとなると、

かなり難しいんですよね。

皆さん、なんで私が不合格なの?

という不満一杯の顔で退場していきます。

ちなみに、私達演奏側が着るトナカイの着ぐるみも、

そろそろもっと通気性の良いものに変えて欲しいですね。

毎年、一晩で汗びっしょりになってしまいます(涙)

ちなみに、うちの大監督も11月は大忙しだそうで、

毎週の土日がコスプレイベントで埋まっているそうです(涙)

そして、娘も、自分でコスプレ衣装を作る事に目覚めた

ようで、毎晩、隣の部屋から、電気ミシンの音と、時折聞こえる

あっ、とか、しまった、とか、え~、という声が邪魔で

最近睡眠不足です(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは知人から聞いた話である。

彼は、別に悪い人間ではないのだが、考え方が古いというか、

少し男女を区別する所があった。

それはある意味、些細な事なのかもしれないが、やはりお付き合いを

するうえではかなりの障害になることもある。

その中でも、特に目立ったのが、とにかくそれがたとえデート

だとしても、相手の女性には、彼の数メートル後ろを歩かせる、

というものだった。

だから、彼にはなかなか長続きする彼女というのは現れなかった。

そして、実際に彼にも悪気があるわけでもないので、付き合いが

長続きしない理由というものを彼は自覚してはいなかった。

そんなある日、彼に新しい彼女ができた。

そして、何故かその彼女は、自分から進んで、横に並ぼうとはせず、

いつも彼の数メートル後ろから彼に追いて歩いた。

食事の時でも、決して自分から先に食べ事はせず、買い物の時も

率先して自ら荷物を持つという具合だった。

傍から見ていて、何か不自然な感じは否めなかったが、それでも

彼にとっては最高の彼女が現れたものだ、と俺達も付き合いが

ずっと続く事を祈った。

そんなある日、彼はお互いに仕事帰りに落ち合って、花火でも見ながら

のんびり歩こうか、という事になった。

車を停める所も無さそうなので、かなり離れた場所に車で待ち合わせ、

そして、そこから歩いて花火がよく見えるポイントまで歩く、という

予定だった。

その時何故か彼は仕事が予定よりも早く終わり、1時間近くも早く

待ち合わせ場所に着いてしまった。

どうやって、時間を潰そうかと思案していると、何故か彼女も、既に

待ち合わせ場所に来ていた。

彼は驚いたが、これ幸いと、彼女に駆け寄ると、そのまま歩道を

歩き出した。

相変わらず彼女は、彼から少し離れて、後を追いてくる。

彼は時々、彼女に話しかけるのだが、彼女は、うん、とかはい、しか

答えなかった。

花火の打ち上げ場所までかなり近づいてきていた。

花火がパッと夜空に開き、それから少し遅れてドーンという音が響き渡る。

彼にとっては至福の時だったのかもしれない。

その時、彼の携帯が鳴った。

携帯をポケットから取り出し、確認すると、彼女からの着信だった。

え?・・・・なんで?

彼は一瞬、そう思ったが、きっと彼女がいたずらですぐ後ろから

電話を掛けてきたのだと思った。

彼は電話に出た。

すると、

あっ、もしもし・・・今どこにいるの?

私、今、待ち合わせの場所に着いたんだけど、いないんだもん・・・。

別に遅刻もしてないのに、もしかして、先に行っちゃった?

そう言われた。

とういうことだ?

そう思った彼は思わず立ち止まり、後ろを振り返りそうになった。

しかし、後ろを振り向きかけた時、理由は判らないが、何故か後ろを

追いてきているのは、彼女ではない様な気がしたという。

それは、第六感といえるものだったのかもしれないが、とにかく

その時の彼には、後ろにいるのが彼女ではないという確信があった。

もしも本当に彼女だとしたら、ほんの側から悪戯で電話しているのだと

すれば、間違いなく、電話と同時に生の声も聞こえるはずだ。

そして、最初から感じていた違和感。

それは、歩き始めてからずっと彼女は、うん、とかはい、という

言葉しか話していない。

少なくも、彼が知っている彼女はそんなに無口ではなかった。

そして、もう1つ。

彼が待ち合わせ場所に到着した時、彼女はもう其処にいた。

しかし、それまで待ち合わせした事も何度かあったが、彼女が

待ち合わせ場所に遅れずに着いた事など一度も無かったから。

だから、彼は、そのまま立ち止まらず、歩き続けた。

そして、その間、彼はずっと彼女からの電話を切らずに

耳に充て続けた。

すると、突然、背後から声が聞こえた。

ねぇ、止まってよ・・・・。

それは、彼女の声に似てはいるが、明らかに別人に違いなかった。

何故なら、その時、彼女は電話で彼と話し続けていたのだから。

背後から、追いてきているのが、彼女では無いと、明らかになって

しまうと、急に彼は恐怖に襲われる。

こいつは誰なんだ?

どうして、俺の後ろを追いてくるんだ?

そう思うと、恐怖で彼はどんどん早足になってしまう。

しかし、それでも、背後からの声は全く離れる事なく、

ねぇ、止まってよ・・・。

と声をかけ続けてくる。

彼がその時、歩いていた道は、どちらかといえば、交通量の多い道であり、

花火があるその日も、かなりの現物客で賑わっている筈だった。

しかし、歩き始めてから、彼はいまだに誰一人として、現物客もそして、

走っている車も見ていなかった。

すると、背後から聞こえる足音が、いつのまにか、靴音ではなく、

まるで濡れた裸足の足で歩いている様に

ぺしゃ・・・ぺしゃ・・・

という音に変わっていた。

彼は、恐怖でもう何がなんだか分からなくなり、それでも背後から

歩いてくる何かから必死に逃げようと、歩くスピードをどんどんと

あげていく。

と、その時、突然、背後から、背中を、ポンッと叩かれた。

そして、それと同時に彼は、無意識に走り出してしまう。

すると、背後から、

ふふふ・・・。

という笑い声が聞こえた。

と、次の瞬間、嫌な音がして、彼の体は宙に浮かんだ。

そして、数メートル飛ばされた彼はそのまま地面に叩きつけられた。

そこで、初めて、彼は自分自身が事故に遭った事に気付いた。

痛みとともに、体が変な方向に捻じ曲げられたような気がした。

周りには沢山の人だかりが出来、いたる所から悲鳴が聞こえた。

それでも、彼は折れた骨によって力が入らない状態で、まるで

もがくように、何かから必死になって逃げようとした。

それは、勿論、背後にいたあの女から逃げようとしたらしいのだが、

彼の体は思うように動かず、ひのまま同じ場所でもがいているだけであり、

その様子は、ある意味、野次馬の目には異様な光景に映っていた。

電話の向こうからは、

どうしたの?何かあったの?

という彼女の悲痛な声が聞こえていた。

そして、現場に救急車が到着し、それを見た彼はそのまま意識を

失った。

そして、数日間、昏睡状態の後、彼は意識を取り戻した。

体のいたるところの骨は折れ、内臓にも損傷が有ったが、それでも

命に別状は無く、それから半年後に彼は退院した。

そして、その時、彼と電話で話していた彼女は、彼がちょうど事故に遭った

直後、電話の向こうから、知らない女の笑い声がずっと聞こえ続けていた、という。

結局、その女の姿は誰も見ていないのだが、もしかしたら彼はその事故で

死んでいたかも・・・と考えると、とても恐ろしくなる。

それからの彼は、彼女と歩く時には、必ず並んで歩くようにしている

という事だ。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:35Comments(16)

2017年10月25日

卒業アルバムの女

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です!

今日はなかなか忙しい1日でした。

そして、明日も忙しくなりそうです。

うちの妻も仕事が忙しいらしく、機嫌が

悪いです(涙)

しかし、そんな時でも、うちの娘は、いつもと変わらず

マイペースです(笑)

あれも、一種の才能なのかもしれない、と

最近、思っております(笑)

ということで、今夜も怖くない話、いきます。

どうぞ~!



これは俺の友人から聞いた話である。

彼は、富山県に在る、とある中学を卒業した。

そして、この話は、彼の友人に関する話だという。

その中学校は、生徒数が多いという事以外は、

何処にでもあるような普通の中学だった。

そして、卒業時には、しっかりとした卒業アルバムを貰った。

しかし、彼は、ある事件があって以来、二度と卒業アルバム

は開かないだろうと言っていた。

今回の話は、その理由に関する話である。

彼の友人が中学を卒業してから、4年以上が経過した大学時代。

彼の友人(以下、彼)が帰省した時、それは始まった。

実家で、のんびりと休みを過ごしていた彼の元にひとりの女性が訪ねてくる。

最初、見た時、彼にはその女性が誰なのか、全く分からなかった。

しかし、話を聞いていると、どうやら中学時代の同級生だということが

分かった。

その頃は、今と違い、1クラスに45人ほどが詰め込まれていた時代であり、

そうなると、目立たない者は、たとえクラスメイトだったとしても、すっかり

記憶から消えていく。

だから、彼は、最初にその女性が訪ねてきた夜、押入れから中学の卒業アルバム

を引っ張り出して、その女性が名乗った苗字を探した。

すると、彼が写っているクラスの中に、その女性の姿を発見した。

本当にクラスメイトだったんだ・・・。

それにしても、こんなに簡単に忘れてしまうものなのか・・・。

そう思い、彼は思わず苦笑いした。

それからも、その女性は、ほぼ毎日のように彼の実家を訪れてきた。

そして、とくにこれといった話題の無いまま、退屈な時間が過ぎていった。

しかし、彼自身も暇を持て余していた事、そして、その女性がかなり美人だった

事もあり、毎日のように訪ねてくるその女性の話し相手を嫌な顔ひとつせずに

続けた。

そんな感じで、彼の夏休みも終わってしまい、彼は大学へと戻った。

すると、大学に戻った途端、彼には不運が連続してしまう。

階段を落ちたり、車に轢かれたり・・・。

それはとても痛く、悲惨なものだったが、とりあえず命には別状はなかった。

そして、再び、冬休みが訪れ、彼はまた実家へと帰省する。

すると、やはり、その女性がやってきて、彼と話すようになる。

彼は、大学に戻っている時に、体験した事故や怪我の話をその女性に話した。

すると、その女性は静かに頷くようにして微笑みながら聞いていた。

そんな日々が続き、冬休みはあっという間に終わり、彼はまた大学に戻った。

すると、また彼には不幸が連続してしまう。

夏休み明けの時よりも、酷い事故に遭い、酷い怪我もした。

それでも、やはり命に別状は無かった。

しかし、大学には通えず、ずっと入院したままになってしまう。

そして、ちょうど春休み前に退院した彼は再び、実家に戻った。

すると、またしても、その女性が、彼の自宅へと訪れるようになる。

そして、彼は、もっと酷い事故に遭い、酷い怪我をして、ずっと入院していた

事をその女性に話した。

すると、やはり、その女性は静かに微笑みながら、その話を聞いていた。

毎日、その女性が来て、彼と色んな話をした。

そして、瞬く間に春休みも終わってしまう。

だから、彼は大学に戻った。

すると、今度も、彼には不幸が連鎖して起こってしまう。

大学からの帰宅途中、彼は突然歩道に突っ込んで来た大型トラックにはねられる。

生死の境を彷徨った彼だったが、何とか一命は取り留めた。

しかし、その入院中、今度は彼の体に重大な病気が見つかってしまう。

そうなってしまうと、もう彼には大学に留まる理由は無くなってしまった。

だから、大学を自主退学して、荷物も引き払い、実家のある街の総合病院へと

転院してくる。

すると、どこでそれを聞きつけたのか、再び、その女性が彼の入院先を

訪れてきた。

その顔はまるで彼が大学を辞めて帰って来たのが、うれしくて仕方ないといった

感じの満面の笑みだったという。

しかし、彼はその時、完全に、絶望のどん底にいたため、さすがに、その女性と

話す気にはなれなかった。

だから、かなり冷たい言葉で、その女性を病室から追いやった。

それから、数日後、彼の中学時代の友人が彼の見舞いにやってきた。

だから、彼は、聞いてみた。

その女性の事を覚えているか?と。

すると、友人は、勿論!と言った後、こう続けた。

あの子も可哀相だったよな。

かなりクラスの中で虐められていて・・・。

挙句の果てに、行方不明になってしまうなんてな・・・・。

そう言われ、彼は、ハッとした。

そして、一気に記憶が蘇ってきた。

確かに、クラスには虐められていた女子生徒がいた。

かなり陰湿ないじめだったが、彼にはそのイジメに加担していた記憶は無かった。

それどころか、何度か、その女子生徒に助け舟を出してあげた事も思い出した。

だから、彼は友人に言った。

実はな。

その虐められっこが、今、俺の所に何度も来ているんだ・・・。

夏休みと冬休み、そして、春休みにも・・・。

俺が帰省しているって、どこで聞いたのかは分からないけど、毎日のように、

実家の方へと訪ねて来ていたんだ・・・・。

そこまで、聞いていた友人が言った。

ちょっと待て。

変な事言うなよ!

お前は知らないかもしれないけどな。

あいつは、行方不明になってから、一昨年だったかな。

消防用の貯水池の底から見つかったよ。

変質者の仕業か自殺かは分からなかったみたいだけどな。

白骨化していて、かなり大騒ぎになってたよ。

まあ、大学に行ってたお前が知らないのも無理は無いけどな・・・。

それを聞いた彼は、呆然としてしまう。

そんな馬鹿な・・・・。

しかし、やはり信じられない彼は、その当時の新聞を友人に頼んで、図書館から

コピーして持って来て貰うことにした。

すると、そこには中学3年の時に行方不明になり、それから4年後にあたる

昨年に、市内の外れにある消防用と溜め池の底から、完全に白骨化した姿で

見つかったと書いてあった。

そして、それは重しと共に、池の底に沈んでいたのだが、何故か、自殺か他殺か

という肝心の部分が、分からないまま、だと書かれていた。

それじゃ、俺が会っていた女は、何者なんだ?

そう思い難しい顔をしている彼に、友人がこう言ってきた。

そういえば、あの子、お前の事が好きだったみたいだからな。

もしかすると、お前を一緒に連れて行こうとしたんじゃないのか?(笑)

そう笑いながら話す友人の顔を見ながら、彼はそういえば・・・と色んな事を

思い出した。

確か、あの子が虐められてる時に、助けてあげた事があった。

そして、それからは、よくあの子から馴れ馴れしく接してきたり、帰り道で待ち伏せ

されたり、挙句の果てには、自宅にまで訪ねて来た事すらあった。

そして、俺はそんなあの子が段々と嫌になってきて、冷たい言葉を浴びせて何とか

自分から離れていくように仕向けた。

お前みたいな醜い女に近寄られると気持ち悪いんだよ、と言った感じのとんでもなく

酷い言葉で・・・。

そして、その時のあの子の顔は、それまでの好意的な顔から一気に、恨みに

満ちた顔になって俺を睨んでいた。

そんな事までが次々と思い出されていく。

そして、それから数日後だった。

あの子が、行方不明になったのは・・・・。

彼は、背筋が一気に冷たくなった。

しかし、彼が大学の休み期間に会っていたのは、明らかに、美人であり、完全に

別人としか思えなかった。

やはり、あの子とは別人が成りすましてるだけではないのか?

彼にはそうとしか思えなかった。

すると、彼はその時、思い出した。

彼が怪我をしたり事故に遭ったという話を彼女に話しているとき、彼女はまるで

その事実を既に知っているかのように頷いきながら聞いており、しかも、そこには

常に笑っている彼女の顔があった。

そして、その時は、気には留めなかったのだが、その時の彼女の笑顔は今思い出すと

とても満足そうな気持ちの悪い笑顔だった。

だとすると、やはり・・・。

そう考えると、色々な事柄が繋がっていく。

彼が怪我をしたり、事故にあったりしたのは、間違いなく、最初に彼女が自宅

を訪れてから・・・・だった。

そして、それは休みの間に彼女に会う毎にどんどんと酷いものになっていった。

そして、最後には、病気により余命まで宣告される有様だった。

偶然というにはあまりにも不幸が続き過ぎていた。

そして、彼は友人が帰った後、考えた。

やはり、あれはあの子が蘇り、俺を連れて行こうとしているのかもしれない、と。

だとしたら、今度また彼女に会ったとしたら、その時にはもう・・・。

しかし、彼はその時、病院のベッドに寝たきり状態であり、とても彼女から逃げる

術など持ち合わせてはいなかった。

だから、彼は家族や親戚、そして友人達にも頼みこんで24時間の護衛をお願いした。

最初は、何を言っているんだという顔をしていたが、彼の思いを全て話すと、

誰もが彼に賛同し、24時間交代で彼の護衛に就く事になった。

すると、彼の病状は一気に好転し、医者すら驚くほどの回復を見せた。

もうその頃になると、彼は彼女の事などすっかり忘れて、毎晩しっかりと寝られる

様になっていた。

そして、そんなある夜。

彼はいつものように、部屋のすぐ外の廊下で誰も入れらない様に寝ずの番をする

親戚に挨拶してから床に就いた。

彼自身、どんどん病状が回復していくのを感じていたし、何より夜も安心して

朝までぐっすりと寝られていた。

しかし、その夜は、何故か、真夜中に突然目が覚めた。

真夜中の病院というのは、それほど静かな場所ではない筈なのに、何故かその時は

耳が痛くなるほどの静寂の中で目覚めてしまう。

彼は思わずベッドから上体を起こした。

そして、時計を見た。

時刻は午前1時を少しだけ回っていた。

その時、彼の視界に、あってはならないものが映りこむ。

それは、明らかに、女が椅子に座り、床を見ている様な姿だった。

彼は一気に冷や汗が出た。

声を出そうとしたが、全く声にはならなかった。

まさか、あの女なのか?

そう思い、俯いている女をマジマジと見たが、どうやら彼の元に訪ねてきていた

女とは別人のようだった。

だとしたら、これは誰なんだ・・・・。

すると、その女はびっしょりと濡れているようであり、服から滴る水滴で床に

水溜りが出来ていた。

もしかして、死んだあいつなのか・・・・。

そう思った時、突然、俯いていた女が、ボソッと喋った。

死ねば良かったのに・・・。

私みたいに・・・・。

すると、突然、その女が顔をあげた。

その顔は、まるで水死体のように膨れ上がり、髪も抜け落ちて、とても人間の様相を

呈していなかった。

病室中に生臭い臭いが立ち込め、彼は思わず吐き気を催した。

すると、彼は、声だけでなく体も一切動かなくなる。

すると、突然、その女が、彼の腕を掴んだ。

ベトッとした冷たい感蝕が彼の腕に伝わる。

彼は悲鳴を上げて抵抗したかったが、それは叶わなかった。

そして、いとも簡単に彼の体はベッドから引きずり出され、窓の方へと

引っ張られていった。

彼の体をまるで人形でも扱うように軽々と引き起こし、彼に顔を近づけてくる。

その顔は、とても直視できるものではなかったが、知らぬうちに流れていた大量の

涙のお陰で、ぼんやりとしか見えなかった。

すると、その女は、ゆっくりとニターっとした笑い顔を浮かべ、次の瞬間、

彼の体を窓の縁に乗せる。

そして、

あんたも死ぬの・・・・。

と言ったかと思うと、そのまま彼の体を窓から突き落とした。

彼は、その時、ようやく確信した。

彼が事故に遭ったのも、大怪我をしたのも、そして大病をしたのも、きっと

この女の仕業なのだと・・・。

そして、そのまま彼は嫌な音を立てて、病院の駐輪場の屋根の上に叩きつけられた。

そのまま彼は意識を失った。

意識を失う前、彼は死を覚悟した。

しかし、彼はその後奇跡的に目を覚ます。

落ちたところが屋根の上だったこと、そして発見が早かった事が幸いして、

彼は重度の打撲とムチ打ちだけで死を免れた。

その事がきっかけとなり、結局警察が動いてくれたらしく、彼はその後、

順調に回復し、1年と経たずに病院から退院した。

そして、その時に、俺の友人に、この話を聞かせてくれたそうだ。

もしも、俺が突然居なくなったら、この話を皆にしてやってくれ、と。

友人は、何を馬鹿な事を言ってるんだ、と諌めたらしいが、やはり彼には、

分かっていたのかもしれない。

それから、1ヶ月と経たないうちに、彼は行方不明になってしまった。

そして、未だに見つかっていないそうである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:36Comments(14)

2017年10月24日

深夜のプールには・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様でした!

最近、肩こりが酷いので、そういえば、と

以前、娘から貰った肩たたき券を引っ張り出して、

娘に提示し、

それじゃ、お願いしますね!

と言うと、

あっ、お客さん、これ期限が切れてますね~

と言ってくるので、

え?どこに期限なんて書いてある?

と聞き返すと、

必死になって、使用期限として、昨日の日付を入れてました(涙)

そして、日付を書き込んだ後、

でも、今なら10分5千円の特別価格で

肩たたきさせて貰いますけど?

と言ってきたので、丁重にお断りしました(涙)

ちなみに、使用期限が、使用起源になってました(泣)

肩たたきはともかくとして、もう少し漢字の勉強を

してくれ!大監督?

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは俺が体験した話である。

大学時代に金沢に帰省して高校時代の友人達と遊んでいた時の話。

それは夏も盛りの時期で、素でな深夜だというのに、気温は高く空気も

じっとりと纏わり付く感じで、とても蒸し暑かった。

その頃はクーラーが壊れていた車に平気で乗っていたこともあり、

その不快感は、かなりのものだった。

そんな中、友人の一人が言った。

暑すぎるから泳ぎにでも行こうか?と。

俺は、友人の言っている意味がわからず、

え?今から海に行くのは面倒くさいよ!

と返した。

すると、友人は笑いながらこう返してくる。

違うって(笑)

プールだよ!プール!

そして、

え?こんな時間にやってるプールなんてあるの?

と聞くと、再び笑いながら、

こんな時間に営業してるプールなんてあるわけないだろ?(笑)

違うって・・・・忍び込むんだよ・・・プールに!

そう言ってきた。

さすがに、俺達は、

いや、それって、さすがにまずくないか?

見つかったら新聞沙汰だろ?

すると、友人は、

見つからないから大丈夫だって(笑)

そーっと忍び込んで少しだけ泳いで、さっさと出てくれば問題無いよ!

と、キッパリと言い張った。

どうやら、友人は、とあるプールの監視員のバイトをしていた事かあるらしく、

夜間には、警備の者など誰も居ない事を知っているようだった。

それでも、さすがに俺達はかなり迷ったのだが結局暑さに負けて、深夜の

プールへと忍び込む事になった。

あえて、離れた場所に車を停めて歩いて、そのプールに向かった。

そして、プールに到着すると、友人が手招きする。

どうやら、その場所の金網が壊れていて簡単に中に入れるらしい。

大学生の男が通るにはかなり狭い穴だったが、なんとかその穴を通り抜けて

プールの敷地内に入った。

深夜のプールは、決して涼しい場所ではなかったが、それでも静かに揺れている

プールの水面を見ているだけでも、それなりに涼しさが感じられた。

俺達は、その場で衣服を全て脱ぎ、静かにプールに入った。

さすがに周りには民家も在る為、騒いで警察に通報されたくはなかった。

いつもは監視員によってルールに縛られた使い方しか出来ないプールも、深夜

ともなれば、好き放題に泳ぎまわれた。

そして、全身をプールの水の中に浸かっていると、体温が急速に落ち、とても

涼しくなるのが分かった。

いつもは禁止されている背泳ぎや潜水などをして楽しんだ。

特に背泳ぎの状態で水面に浮かんで、星空を見ていると、とても気持ちが良かった。

俺達は、それぞれが空き放題な事をして時間を過ごした。

それは、きっと10分ほども経っていなかったと思う。

突然、隣の屋外プールにある飛び込み台から、何かが水の中に飛び込む様な音を

聞いた。

俺達は、さすがにビクっとして動揺してしまう。

すぐに水の中に隠れ、顔だけ出してその音に集中した。

すると、どうやら女の声が聞こえる。

しかも、キャッキャッと笑いながらとても楽しそうだ。

悲しい性というべきか、女の声だと判ると、俺達はすぐにプールから出て、衣服を

着た。

全裸のまま、女性にそんな姿を見られたくなかったし、何よりも、俺達と

同じようにプールに忍び込んでいる女の子達がいるのだとしたら、仲良く

なりたかった。

本当に、不純な理由なのだが・・・。

身なりを整えて俺達は、音がした飛び込み台の方へと静かに近づいていった。

当然、体も髪も濡れたままだったが、それでも蒸し暑い夏の夜にはちょうど良かった。

俺達は、室内プールの建物の陰から、その飛び込み台を覗き込んだ。

キャッキャッと笑う声から、きっと複数の女の子がいる筈だ、と思っていた。

しかし、そこで見たものは、飛び込み台の一番高い所から、プールへと飛び込む

女の姿だった。

とても背の高いヒョロッと細長い女が、飛び込み台から、真っ逆さまに落ちて、

そのまま頭から水の中に飛び込んでいた。

その光景はとても異常なものだった。

あの高さから飛び降り、頭から着水して、大丈夫なものなのか?

いや、それよりも、水の中に飛び込んでから、再び、飛び込み台の最上段まで

駆け上がっていく女の姿は、まるでビデオの早送りでも見ているかのように、

異質なものだった。

しかも、キャッキャッと笑いながら水に頭から飛び込み、そして異様な速さ

で、再び、キャッキャッと笑いながら飛び込み台の階段をのぼっている女は

どうみても人間の女には見えなかった。

俺達はしばらくの間、呆然とその様子を見つめていたが、ハッと我に返った

様に、その場から全員が無言のまま立ち去ろうとした。

その時、ある変化に気がついた。

水に飛び込む音も、笑い声も聞こえて来なくなっていた。

俺達は、そーっと振り返り、再び飛び込み台の方を見た。

すると、飛び込み台の一番高い場所から、その女が、ジッと動かず俺達の方を

凝視していた。

暗闇なのに、どうしてそんな事が分かるのかは自分達でも説明が出来ないが、

とにかく、その時の女は、先ほどの楽しそうな顔ではなく、怒りに満ちた顔で

ジッとこちらを睨みつけている。

誰かが、

ヒッ・・・

と声を出しかけたが、何とか我慢して、その場からゆっくりと離れる事にする。

その女から視線を逸らさないようにした。

視線を逸らし途端に、一気にこちらに掛け寄ってくるような気がした。

すると、今度は、室内プールの方から明かりが動いているのが見えた。

まるで警備員が見回りでもしているかのように・・・・。

俺は友人に、

おい、見回りは居ないって言ってなかったか?

と問い詰めると、友人は、

いや、絶対に、夜間は完全に無人の筈だ!

と語気を強める。

それじゃ、あの光は何なんだよ?

と言いかけた所で、ある事に気付いた。

その光は、まるで沢山の人が明かりを持ったまま数珠繋ぎで歩いてくるような

感じであり、その光は、ゆらゆらと上下に揺れている。

しかも、その光は明らかに懐中電灯の強い光ではなく、まるで提灯でも持っている

ような弱い光だった。

俺達は、姿勢を低くしたまま、その光の動きを見守った。

もしも、それが本当に警備員のものだったとしたら、下手に動けば見つかってしまう。

俺達は息を殺してそっとその場に固まっていた。

すると、その光は室内プールの窓いっぱいに広がったと思うと、急に明かりが消えた。

すると、青白い室内プールの夜間照明の中、プールの水面がゆらゆらと

揺れていた。

何故?室内プールだろ?

すると、次の瞬間、室内プールの水面から手が伸びてきて、プールの縁を

掴む。

そして、そこから音も無くゆっくりと出てきたのは、無数の男の姿。

それが室内プールの窓に張りついたまま、こちらを見て笑っていた。

俺達は全員がそれを見た時、隠れるのも忘れて走り出していた。

一目でヤバイものだと確信した。

俺達は、音を立てず静かに行動する事も忘れ、必死になって走った。

すると、その時、先ほどまで俺たちが入っていたプールの方からヒソヒソという

声が聞こえてくる。

走りながら、そとらの方を向いた俺達がみたものは、プールの淵に両手を

掛けたまま浮かんでいる子供の姿だった。

さすがに、今度は悲鳴をあげてしまう。

それでも、出来るだけプールの方を見ない様にして走っていたが、突然、先頭を

走っていた友人が急停止した。

俺は、

おい!なんで止まるんだよ!

と怒鳴ったのだが、次の瞬間、言葉を失ってしまう。

俺達が走っていく前方には、プールの横をペタッペタッと片足を引き摺るようにして

歩く女の姿があった。

深夜でもはっきりと分かる白いワンピースに裸足。

そして、一見すると普通の姿に見えるが、どうもおかしい。

よくよく考えてみると、その女には首から上が存在していなかった。

それでも、両手をピッタリと体につけたままの格好で、こちらにペタッペタッと

近づいて来る。

俺は、もう逃げ場が無い、と愕然としてしまう。

横のプールからは子供たちが這い上がってくる姿が視界に入ってくる。

すると、突然、友人の1人が、ウオーッという唸り声をあげて、そのまま全力で

前方から近づいて来る女の方へと向かっていく。

おい、なにやってる!

そんな言葉など聞こえないように、友人はそのまま前方へと走る。

すると、その女とぶつかる寸前に、その女の姿は忽然と消えた。

俺達は、先頭をいく友人に続くようにして、そのまま走り、何とか金網から

再び、外へ出る事が出来た。

それから車まで必死に走り、車に乗り込んでからも誰も一言も喋らなかった。

そして、プールからかなり離れた場所までやって来た時、突然、1人が

大声で叫んだ。

お前のお陰で助かったよ!

それにしても、よくあの女に突進できたよな?

と言うと、その友人は、

周りがバケモノだらけだったからさ。

それなら、顔が無いだけ、まだあの女のほうが怖くないかな、と思っただけだよ。

と吐き捨てる様に言った。

しかし、その後、その時のメンバー3人は、いずれも高熱により、数日間、

寝込む事になってしまった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:30Comments(20)

2017年10月23日

オフ会連絡用2nd

要望がありましたので、オフ会連絡用の場所を

新たに造ります。

お好きにお使いください(笑)  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:56Comments(35)

2017年10月23日

いわくつきの壁紙

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です!

それにしても、台風が通り過ぎたと思ったら、

急に寒くなりましたね。

我が家でも既にファンヒーターがリビングに置かれており、

朝は、うちの大監督が、ヒーター前の特等席を占拠

しております(笑)

お陰で温風が完全に遮られて寒い・・・です。


ところで、東京の第2回オフ会が大成功だったようで

私も嬉しいです!

こんなブログからでも、素晴らしい繋がりがどんどん

広がっていったら最高なんですけどね。

あっ、それと、埼玉のS様、

いつもいつも、お土産を持参して頂きまして、

本当にありがとうございます。

次回からは、是非、手ぶらでどうぞ!(笑)

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

最近はパソコンを使う人よりも、もしかしたらスマートフォンを

利用してネットを楽しむ人が多いのかもしれないが、どちらにしても

壁紙を変える事で、気分も変わるのだから不思議なものである。

最近では、スマホだと待ちうけ画面と言われるのかもしれないが。

そして、その壁紙という物の中にも、いわくつき、と言われるものが

在る事をご存知だろうか?

確かに、世の中には、見ているだけで憂鬱になってくる画像や、持っている

だけで、火事に遭ったり、死んでしまうと言われている画像まで存在する。

そして、俺の周りには、そういう画像を好んでスマホの待ち受け画像にしたり、

パソコンの壁紙として利用している者もいる。

ただ、それらの画像は、今のところ、彼らに厄災をもたらすまでには

至っていない。

しかし、これから話す中に出てくる画像は、ほぼ100パーセントの割合で

怪異が発生する。

それが、その人の命まで奪うものかどうかは定かではないのだが・・・。

そして、俺が一番恐ろしいと思うのは、そんないわくつきの画像が、

ネットの中で、まるで罠を仕掛けて獲物がかかるのを待っている

かのように、普通に置かれており、誰でも閲覧、ダウンロード出来る

状態になっているという事である。

そして、俺の友人もまた、そうした犠牲者なのかもしれない。

彼は大学で物理を教えている立派な先生である。

よく科学者の方は、超常現象的なものを完全否定したり、科学で説明の

つかないものは存在しないのと同じだ、という趣旨の発言をされるが、

どうやら本音は違うらしい。

そして、その中でも彼は変わった存在であり、心霊スポットにも訪れるし、

霊の存在というのも信じている。

人間の知識で説明のつかないものなんて、世の中にゴロゴロしてるよ。

だからこそ、この世は面白いんだ!

というのが、彼のモットーである。

だから、いつも率先して心霊スポットに探索に行き、その場で起こる事を

常に興味深く感じながら、人一倍楽しんでいた。

しかし、研究や授業などの本業で忙しい彼は、仲間に誘われてもなかなか

心霊スポットには行けない。

そんな時に、彼が知り合いから聞いたのは、いわくつきの画像が在り、それを

壁紙などに利用していると、何らかの怪異が起こるかもしれない、という話。

俺なら絶対にそんな画像を壁紙にしたいとは思わないが、日々、刺激に

飢えていた彼は、その画像を使ってみる事にした。

それは、ある特定のワードで検索すると、すぐに配布サイトを見つける事が

出来た。

それはいたって普通の無料壁紙のサイトであり、荘厳な自然からお洒落な

イラストまで様々な壁紙が置かれていた。

そして、その中に、心霊というカテゴリーがあり、その中には全部で

5枚の画像が置かれていた。

そして、画面の隅には小さく、

“自己責任でご使用ください!

とだけ書かれていた。

彼は、その5枚の画像の中から、一番おとなしい画像を選んだ。

他の画像は、いかにも・・・・というおどろおどろしい画像ばかり

だったのだが、何故かその画像だけは、何処にでもあるような

普通の画像だった。

実は彼は心霊好きではあるが、怖い映画や怖い絵などは苦手だったので、

当然の選択といえた。

だから、その画像を選択し、そしてダウンロードした。

そして、いつも彼が使用している研究用のサブのパソコンに壁紙として

設定した。

しかし、どう見てもその画像は、霊障をもたらすものには見えなかった。

その絵は丘に続く坂道を下から見た描写になっており、青く晴れた空と、

坂道の横の草原、そして坂道の上では中学生くらいの女の子がこちらに

手を振っているのが小さく描かれていた。

どうみても、のどかな風景の画像であり、イラスト画として見ても、

かなり完成度の高いものだと感じた。

いわくつき、というのも眉唾物だな・・・・。

彼はそう思って、パソコンの電源を切り、家路についた。

そして、翌日、パソコンの電源を入れると、立ち上がってきた画面が

どうもおかしい。

昨日とは微妙に違っていた。

ただ、何処が違うと言われると説明できないレベルだったので、彼はその画面を

スマホで撮影し、記録していくことにした。

そして、判った事があった。

それは、この画像はそのまま使用しているときは変化が無いのだが、パソコンを

立ち上げ直す度に、明らかに画像に変化が現れていた。

確かに微妙な変化だったが、日を追うごとに画像はどんどんと変化していった。

こうなると、やはりこの画像がどういうものなのか、という疑問が

沸いてきてしまい、彼はその画像ファイルを徹底的に調べ上げた。

きっと、この画像ファイルの中には、日々変化していくように、

何らかのプログラムが仕込まれているのではないか?

それが彼の推測だった。

しかし、どれだけ調べても、そのファイル形式は、ただのJPEGであり、

そんなプログラムを仕込むほどの容量も無かった。

そんなある日、彼と一緒にその画像を調べていた学生が、車で大きな事故

を起こして入院してしまう。

命に別状は無かったが、それでも左足の膝から下を失った。

それが、厄災の始まりだった。

それから彼の周りの人が、次々に怪我や病気、そして事故に巻き込まれていく。

そして、それらの犠牲者に共通していたのは、事故や怪我の際に、

全員が、見たことも無い恐ろしい姿の女を目撃している、という事だった。

そして、それらの犠牲者は、その後も、毎晩、その女が出てくる悪夢

に悩まされていた。

このままでは、死人が出る・・・・。

そう思い、彼はパソコンからその壁紙を削除しようとした。

しかし、どうやっても、その壁紙のファイルは削除出来なかった。

最後には、結局、彼はパソコンをフォーマットして、データごと消すという

決断をしたのだが、それでも、何故かフォーマットは行われなかった。

そして、画面に従い、再起動した時、立ち上がってきた画面を見て彼は

戦慄を覚えた。

そこには、あれほどのどかだった風景は存在していなかった。

晴れた青い空は、星ひとつ無い漆黒の闇に変わり、鬱蒼と茂った茶色く

枯れた草の中を掻き分けるようにして、1人の女が大きく画面に映し出されていた。

それは、ヒョロッと細長い体をし、異常に長い首をした女であり、その手には

長い鎌を持ち、大きく裂けた口と、ギラギラした大きな目が、白いワンピースを

着て、こちらを見つめていた。

犠牲者達が見たのは、この女なのか?

そう思った時、突然、彼は背後から何かの気配を感じた。

そして、冷たいモノが枯れの首の辺りに触れた。

何かがいる・・・俺のすぐ後ろに・・・。

そう感じたとき、彼は無意識にスマホを手に取り、俺に電話をかけてきた。

何故か俺の顔が頭に浮かんだのだという。

そして、電話に出た俺に、彼はあくまで自然な感じで話しかけた。

いや、お久しぶりです。

今、研究室です。

久しぶりにお会いしたいですね。

兼ねてからお話を聞いているAさんも、ご一緒にどうですか?

もしかしたら、明日には会えなくなるかもしれませんので、急いで頂けると

助かります。

それだけ言うと、彼は電話を切った。

しかし、それだけでも俺には十分過ぎるほどに状況が伝わってきた。

そもそも、彼は俺と話すときに、そんな丁寧な言葉を使う男ではない。

それに、Aさんという名前。

そして、明日には会えなくなる。

これだけで、彼の切迫した状況が伝わってきた。

俺は急いでAさんに電話をかけた。

色々と嫌味を言われたが、それでもAさんはすぐに現地まで来てくれた。

私はKさんの便利屋さんじゃないんですけどね・・。

などと言っていたが、彼の研究室が近づいて来ると、Aさんの様子が

変わった。

完全な臨戦態勢に入っている様に見えた。

そして、

うーん、間に合わないかも・・・。

と言うと、その場で立ち止まり、俺に言った。

間に合わないので、今から此処で、この建物全体に霊的な衝撃波を送ります。

霊的なものなので、Kさんには何の問題もありませんけど、Kさんの

守護霊が心配です。

たから、とりあえずKさんは一旦、この建物から外に出てください。

そう言われ、俺は慌てて、建物の外へと飛び出した。

すると、間髪を入れず、凄まじい耳鳴りが襲ってきた。

俺には問題ないと言っていたが、とんでもない話だ。

もしも、あのまま建物の中に居たら・・・。

そう思っていると、建物のドアが開き、Aさんが顔を出した。

そして、

何をそんなところで黄昏てるんですか?

急ぎますよ!ほら!

俺はまだ耳がジンジンしていたので、思わず言い返そうかと思ったが、止めた。

あれが性格だと思うから腹が立つ。

Aさんはああいう病気なんだ、と思えば、寛大な気持ちで居られるのかも。

そんな事考えていると、再び、Aさんの声が響く。

ほんっとに遅いですよね。

それとも、もう歳だから、私の言った事が聞こえませんでした?

そう言われ、

ちゃんと聞こえてるよ!

それに耳が聞こえづらいのは、さっきAさんがやった衝撃波というものの

せいだろうが!

と思ったが、それを口に出せない自分が情けなくなる。

そして、そのまま走って彼の研究室へいき、ドアを開けた。

すると、そこには床に仰向けに倒れている彼の姿があった。

急いで駆け寄り体を揺り動かすと、彼はゲホッゲホッと咳き込みながら

目を覚ました。

彼の首には、しっかりと大きな手の形のアザが残っていた。

彼は、しばらくして落ち着くと、それまでの経緯を俺とAさんに

話してくれた。

すると、Aさんは、初対面の彼に向かって、

それにしても、Kさんといい、貴方といい、馬鹿な事しますよね?

もしかして、2人とも、ドMですか?(笑)

だって私にはわざと厄災を探してるようにしか見えませんからね。

このパソコンから画像ファイルが消せないのも、フォーマットすら出来ないのも

全て呪いのせいなんですよ。

誰が置いたのかは判らないですけど、それは悪意のある誰かによって、拡散

しようと画策された呪いそのものです。

だから、絶対に手を出してはいけないんです。

わかりましたか?

そう言われ、彼は大きく頷いた。

しかし、それを見たAさんは、不満そうに俺を見て、

Kさんは?

わかりましたか?

そう言われ、ムッとしてしまったが、とりあえず、

はい。わかりました。

と言ってしまった自分が悲しい。

そんな俺の言葉に満足したのか、Aさんは勝ち誇った様な顔をして、言った。

それじゃ、弟子のK君。

彼と一緒に出来るだけ大きなハンマーを探してきなさい!

ほら、私は、このパソコンを見張っている、という重大な任務があるので(笑)

そう言われた俺だったが、その時は素直にそれに従った。

何故なら、その後、そのハンマーでAさんが何をいるのか、だいたいの

見当がついていたから。

だから、俺は、ちょうど建物の工事を行っていた業者の方から、ハンマーを

借りる事を思いついた。

しかも、特大のハンマーを・・・・。

Aさんは、出来るだけ大きなハンマーと言ったのだから、文句は言えないだろう。

そして、Aさんが持ち上げられなかったハンマーを俺が手伝ってやれば、

少しは俺の事も見直すだろう。

そう思っていた。

工事業者の方から借りたハンマーは少し大き過ぎたようで、俺でもそれを

運ぶだけで四苦八苦してしまった。

そして、ようやく研究室までたどり着くと、Aさんから、

遅い。遅すぎますよ!

というお叱りの言葉が容赦なく浴びせられた。

そして、俺が持ってきた特大のハンマーを見て、Aさんは何故か嬉しそうに

笑った。

これは怖し甲斐がありそうな素敵なハンマーですね(笑)

そう言うと、Aさんは、パソコンのコンセントを抜き、ディスプレイと

パソコン本体を床に置かせると、特大のハンマーに手を掛けた。

そして、

ファイルも消せないし、フォーマットも出来ない、ということになると、

もうこれしか方法はありませんから(笑)

そう言うと、特大のハンマーを大きく持ち上げて一気に振り下ろす。

特大のハンマーの威力は凄まじく、いとも簡単にバラバラと壊されていく。

本当はこんな事したくないんですけどね・・・。

でも、本当はこんな事したら危険なんですよ。

私だから出来るので、絶対に真似しないでくださいね。

それにしても、このハンマー、最高かも(笑)

そう言って、何度も何度もハンマーを振り下ろすAさんの顔は、いつもにも増して

とても幸せそうだった。

そして、俺でも何とか此処まで運んできたあの特大のハンマーを、いとも簡単に

振り下ろすAさんに、俺は少しだけ恐怖した。

そして、

まあ、こんなもんですかね。

と言い、ハンマーを床に置いた。

その後、当然のように、いつもの喫茶店でスイーツ三昧させられ、

一気に俺の財布が軽くなったのは言うまでも無い。

そして、それから彼の身の回りで怪異は一切起こらなくなり、犠牲者達も

その後、順調に回復した。

そして、そのいわくつきの画像は、今もしっかりとネット上に

拡散している。

俺には、それが、映画リングの中に出てきたビデオテープと同じ物の

ように感じて仕方ないのだ。

安全の為にも、安易に壁紙をダウンロードするのは止めた方が良い

のかもしれない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:56Comments(22)

2017年10月22日

彼女は鍵をかけない・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日もお疲れ様です!

こちら金沢市も、かなり雨風が強くなって

きましたが、これから台風の進路にあたる

皆様におかれましては十分ご注意くださいませ。

そして、既に台風の被害に遭われた方が

いらっしゃいましたら、心よりお見舞い

申し上げます。

うちの大監督は雨の中、朝からアニメイトに

ご出勤され、つい先ほど無事にご帰還なされました。

結局、12万の残金、10万5千円は死守したらしく、

うちの妻はアニメイトでよからぬ無駄遣いを

して来なかったか、と現在調査中です(笑)

そして、今日は確か、東京で第2回のオフ会が

開催されたと記憶しておりますが、皆さん、

楽しまれたのでしょうか?

いつか、本当に偽名でオフ会に参加しますので、

その時はくれぐれも追求しないでくださいね(笑)

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう!

怖くないのでご安心を!

それでは、どうぞ~!



これは友人の彼女が体験した話である。

その友人には霊感というものが皆無なのだが、その彼女さんには、

それなりに霊感があるらしく、物心ついた時から、頻繁に色々な

体験をしている。

それは、霊が見えたり、霊の声が聞こえたり、というものであり、

それ自体には危険な事は無かったので、彼女自身も、霊とは決して

恐ろしいモノではないという認識があったのだという。

少なくとも、こちらから彼らのテリトリーに踏み入らなければ、決して

害を為す事は無いと・・・。

そんな彼女の考えに変化が起こったのは、引越しの為に、とある不動産会社

を訪れた時だった。

運転免許を持っていなかった彼女にとって、駅から近いという立地条件は

絶対的なものであり、その時もそういう物件を探していたそうだ。

そして、ちょうど格安の物件が在るとのことで、彼女は不動産会社の人と

そのアパートを見に行った。

とても真新しいアパートであり、作りも現代的でお洒落。

何故これが、格安なのか?と不安になるほどたった。

しかし、案内された部屋に入った時、彼女はその理由が判った。

その部屋の中は、昼間だというのに異様に暗くジットリと湿っており、

そして、涼しいというのを通り越して、寒いくらいだった。

そして、その部屋の隅を見た時、彼女は全身に鳥肌が走った。

そこには、目と口だけしかない女が正座しており、そして彼女を見て

笑った。

それを見た瞬間、彼女は自然と部屋の外に飛び出してしまう。

不思議そうな顔で彼女の顔を見ている不動産会社の人に、その部屋で

何があったのか?と聞こうと思ったが、すぐに止めた。

そんな事を聞いたとしても、もう彼女にその部屋に住む意志は無かったから。

そして、すぐにそのアパートを離れ、別の不動産屋に向かい、駅からはかなりの

距離はあったが、それでも、とても住みやすそうなアパートを見つけて、即

契約した。

しばらくは、あのアパートで見てしまった女のの笑い顔が頭から離れなかったが、

それでも、数ヶ月経った頃にはもうすっかりと忘れていた。

しかし、ある日、状況が一変する。

彼女は会社からの帰りに用事があり、偶然立ち寄った駅で、あの時の女を

見てしまう。

そして、その時もその女は、目と口しかない顔で彼女を見て微笑んでいた。

咄嗟に彼女はその場から走り去る事が出来たので、それ以上の事は

わからないらしい。

ただ、その駅は、彼女が以前、アパートを探していて見に行った場所

の駅よりも、かなり彼女の現在住んでいる場所に近づいていた。

ただ、その時は、

またしても嫌なものを見てしまった・・・。

という程度にしか思わなかった。

そして、それから数ヵ月後、彼女が仕事帰りにいつもの電車に乗り、そして

降りた駅のホームにその女がいた。

あいかわらず、微笑んで・・・・。

そして、それからというもの、彼女はいつも仕事帰りに、その女を目撃

するようになってしまう。

しかも、駅のホームから階段、そして改札という具合にどんどん彼女の

家に近づいていた。

そして、ある時、その女が駅から外に出て、そして、彼女の住んでいる

アパートの方向を向いて立っているのを見た彼女は、確信したのだという。

それは、その女がずっと彼女を追いかけてきている、ということ。

しかし、すぐに引越しをする余裕など彼女には無かった。

だから、そういう事に詳しい友達に相談したらしい。

すると、あるお寺を紹介されたのだという。

早速、その寺に伺うと、住職が丁寧に対応してくれた。

事情を聞き終えると、その住職は彼女に沢山の御札を渡してこう言った。

貴女は、どうやら自殺した女に魅入られたようだ。

本当はすぐにでも引越しをするのが良いのかもしれないが、結局いつかは

その女に追いつかれてしまうだろう。

だから、この御札を部屋の至る所に貼って、しっかりと鍵をかけて身を護りなさい。

そうすれば、部屋には絶対に入られる事は無い!

そのうちに、きっとその女も諦めてくれるだろう・・・と。

そう言われた彼女は、部屋のドアや壁、そして天井、窓など、至る所に

その御札を貼った。

そして、窓の鍵、ドアの鍵もより頑丈なものに付け替えて、その女の

襲来に備えた。

それこそ、過剰なほどの鍵をかけて・・・。

それからも、彼女は頻繁にその女を目撃し、そしてその場所はどんどんと

彼女のアパートに近づいていた。

しかし、その女は、彼女と出会っても、微笑むだけで何もしてこなかったし、

何より、彼女の部屋がしっかりとその女に対応する準備が出来ているという

事が、彼女にはとても心強かった。

そんなある日、彼女は、自宅アパートの側にある電柱の影に立っている

その女を目撃する。

その女の顔は、いつもどおり、目と口しかなかったが、何故かいつもよりも

嬉しそうな顔をしているように見えたという。

いよいよ、部屋に来るのかも・・・・・。

彼女はそう思って、気を引き締めた。

そして、しっかりと窓やドアに鍵をかけて、いつもどおり生活した。

そんなある日、彼女が仕事から戻ってくると、その女の姿が消えていた。

もしかしたら、部屋に入るのを諦めて、何処かへ行ってしまったのかも?

そう思って彼女はほくそ笑んだ。

そして、いつもどおり、部屋に入ると、ドアと窓にはしっかりと鍵をかけた。

そして、いつものように、食事をし、風呂に入ってから、テレビを点けながら

友達と電話をしていた。

その時、友達が変な事を言った。

他に誰か居るの?その部屋に。

彼女が否定すると、

だって、さっきからずっと女の人の笑い声が聞こえてるけど?

彼女は、

きっとテレビを点けてるから、その声が聞こえてるんじゃない?

と言って、すぐにテレビを消した。

すると、友達は、

なんか、もっとはっきりと聞こえるようになったんだけど・・・・。

と言ってくる。

彼女は、むきになって否定すると、その友達は、

なんか、受話器のすぐ側から聞こえるんだけど・・・・。

と言ってくる。

そして、彼女はそっと背後を振り向こうとした。

息が止まりそうだった。

そこには、あの目と口しかない顔の女が、彼女の耳元から、彼女の顔を

覗き込んでいた。

大声で悲鳴をあげる彼女。

そして、受話器の向こうからは、

どうしたの?何があったの?

という声が聞こえていた。

彼女は、咄嗟にドアに走り、鍵を開けようとした。

しかし、必要以上に頑丈な鍵は、焦っている彼女にはなかなか開錠

出来なかった。

どうして?なんで入ってきてるの?

そう思ったが、焦ればあせるほど、ドアの鍵は開いてくれなかった。

すると、その時、耳元で声がした。

ねぇ・・・・こっち向いてよ・・・・。

そう言われた瞬間、彼女の体は、気持ちとは裏腹に、背後を振り向いてしまう。

そこには、その女が彼女の顔を覗き込みながら、笑っていた。

そして、次の瞬間、その女は自分の首を両手で左に曲げていく。

90度の角度を超えようとした時、ボキッという嫌な音がした。

女の顔は、首が折れた状態で、ダラリと垂れ下がっていた。

そして、えもいわれぬ程の嬉しそうな顔で笑った。

すると、次の瞬間、女は首を持って、再び、元通りに直した。

そして、また、両手で顔を持って、左に曲げていき、そして

首が折れる嫌な音を聞いた。

その時、ドアの外では、どうやら電話していた友達が通報したらしく、

沢山の人が、必死にドアをこじ開けようとしているのがわかった。

しかし、ドアは何故かびくともしなかった。

その時にはもう、彼女は全身の力が抜けてしまい、ボーっとしながら、

ひたすら自分の首を折り続ける女を間近から見せられ続けた。

逃げるという気持ちはもうすでに無くなっており、ただひたすらその女の

行為の一部始終を見せ付けられた。

無意識に涙が溢れ出して、視界がはっきりとしなかったのだけが、唯一

の救いだった。

その後、結局、彼女の部屋のドアは、レスキュー隊によって焼き切られた。

そして、隊員が、彼女の部屋に入った時、放心状態で涙を流し続ける彼女と

それを見ながら、うっすらと笑っている女が壁の中に消えていくのを

目撃した。

それから、しばらく彼女は入院し、精神的な治療を受けた後、退院した。

そして、今は、当然別のアパートに住んでいるのだが、あの事件以来、

彼女は部屋に鍵をかけなくなってしまった。

昼でも夜でも・・・・。

そして、それはいつあの女がやって来ても、すぐに逃げられるようにしておく

為だということだ。

このアパートは東京23区内に実在する。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:44Comments(19)

2017年10月21日

実家には帰らない・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です。

中西様も無事に兵庫から戻られたようで

何よりです。

そして、ミニ子さんも、不思議な松茸を食べて

ハイになられているようで、素晴らしい限りです。

本日、うちの娘の修学旅行のお小遣い12万円の

行方を調べたところ、結局、1万5千円しか

使ってこなかった事が判明しました。

案の定、私にはお土産無し(涙)

だからといって、渡したお小遣いを返して貰おうとは

思いませんが、現在、妻と娘の間で、トップ会談が

行われております(笑)

いったい、娘の元に幾ら残るのか、楽しみです(笑)

でも妻は最強ですので、今から娘の泣き顔が

目に浮かびますけどね・・・・。

今日も妻と娘だけでスシローに行ってきたみたいなので、

私はこれから1人でゴーゴーカレーでも

食べに行ってきますかね(泣)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

なんども申しますが、私の話を読んでも、霊障は

起こりませんのでご安心を!(笑)

それから、せっかくサイン専用のペンも買いましたので、

ご希望の方は、文庫本、お送りください。

それくらいは、しないとバチか当たりますので。

その際は、申し訳有りませんが、レターパックの中に

返信用のレターパック(書き込み済)も同梱してくださいませ。

金箔の栞は付けられるかどうかは微妙ですが・・・。

それでは、どうぞ~!




これは俺の友人の話である。

彼女は、ずっと金沢市内で育った。

そして、大阪の大学に行く為に、4年間実家を離れてアパートに住むように

なった。

初めての1人暮らしはなかなか大変だったが、やはり大阪という土地柄、

楽しい事も多く、大学とバイト、そして恋愛に明け暮れた後、彼女は

金沢へと戻ってきた。

そして、今は地場にある企業に勤務している。

しかし、何故か金沢に戻ってきても、アパート暮らしを続けている彼女は、

経済的に苦しく、本業とは別に、休みの日などはバイトに精を出して

なんとか生活を維持していた。

だから、そんな彼女を見て、周りの友人達はこぞってこう言うらしい。

そんなに苦しいんなら実家で暮らせば良いんじゃないの?と。

しかし、彼女にはどうしても実家で暮らせない理由が在るのだという。

そして、これから話のが、その理由に関する話である。

彼女が大学生活の4年を過ごした後、金沢に戻るにあたり、最初は

実家に戻ろうと思ったそうである。

実は彼女は大学の4年間、一度も実家に戻らなかった。

授業も忙しかったし、何よりバイトで責任あるポジションを任されていた彼女は、

大学が休みになってもバイトのローテーションを外してもらえなかった。

だから、実家に戻らなかったのであって、決して実家に居る家族と折り合いが悪い、

という事ではないのだという。

だから、大学生活が終わると、まず最初に引っ越してきたのは実家だったという。

そして、自分の部屋に入った時、なんとも説明のつかない違和感があった。

それでも気にしないで生活を始めるのだが、どうもおかしい。

大学に行く前までは、普通に寝て起きてのんびり出来た筈の自分の部屋が

まるで異世界に1人ポツンと取り残されたような不安感しか感じなくなった。

しかし、家族にそれを言っても、全く理解して貰えず、以前と何ら

変わっていない、と断言されてしまう。

それでも、その部屋で生活するようになってから、彼女は悪夢にうなされ、

そのせいか、食欲も無くなってしまい、どんどんと痩せていった。

これではいけない、と思い、思い切って部屋の大掃除をし、模様替えを

している時に、彼女はある物を見つけてしまう。

それはベッドの下に張りつくようにして広がっていた無数の長い髪の毛

だった。

彼女は、それまで肩より長く髪を伸ばした事は無かったし、何より

その髪の長さは異常であり、まるで普通の身長ならば、軽く地面に

届いてしまう程の長さだった。

そして、その髪の本数もあり得ないほどに多かった。

だから、彼女はすぐにそのベッドを処分し新しいベッドを買った。

それからはしばらくの間は悪夢にうなされる事はなくなった。

しかし、それもほんの数日の間だけであり、すぐにまた悪夢にうなされる

様になってしまう。

そして、彼女が、もしかして?と思いベッドの下を覗いてみると、またしても

大量の長い髪の毛がベッドの下に張り付いていた。

しかも、今度は、ベッドの下から、見たことも無い櫛が見つかる。

ほんの数日前の大掃除の時には、そんな櫛は絶対に無かったという。

だから、彼女は翌日には、このベッドも処分しようと決めて、その夜は

そのまま眠りに就いた。

そして、真夜中に目が覚めた。

時刻は午前3時頃だったという。

シュッシュッシュッ・・・・。

そんな音が聞こえていた。

彼女は暗闇の中で目を凝らすと、どうやら誰かが彼女の部屋にいる。

誰?・・・・お母さん?

彼女はそう声を出そうとして思わず口をつぐんだ。

そこに居たのは、とてもか細い和服を着た女に見えた。

彼女の家で、和服を着る者などいない事は明らかだったし、何よりも、

その女から伝わってくる気配はとてつもなく暗く重いものだった。

見てはいけない・・・。

彼女はそう思い、そのまま布団に潜り込んだ。

しかし、恐怖と緊張で寝られるはずも無く、結局朝まで布団に包まったまま

起きていた。

自分では恐怖でベッドから出られず、結局、母親が起こしに来るまでベッド

から出られなかった。

そして、そのまま仕事に行ったのだが、どうも体調が悪い。

彼女は仕事を早退して、自宅に戻った。

彼女の家は、家族全員が働いている為に、昼間は誰も居ない。

さすがに自分の部屋で寝るのは恐ろしかったので、彼女はリビングの

ソファーで横になった。

そして、ウトウトしていると、何処からか歌のような物が聞こえてきた。

彼女は、泥棒かもしれない!と思い、護身用としてリビングに置いてあった

ゴルフクラブを持って、リビングを出た。

すると、どうやらその歌声は2階から聞こえてくる。

彼女は、万が一の為に玄関の鍵を開け、いつでも何があってもすぐに

逃げられるようにしてから、2階に向かって大声で叫んだ。

誰かいるんでしょ?

出てきなさい!

しかし、2階からは何の反応も無かった。

そうなると、さすがに確かめなくては、尚更怖くなってしまう。

彼女は、玄関のドアを開け、そして2階へ上がる階段の横にある窓を

開けたままの状態にして、わざと大きな足音を立てながら階段をのぼった。

しかし、2階からは相変わらず、誰かが逃げるような音は聞こえず、歌声だけが

聞こえてくる。

2階まで上りきった彼女は、そのまま廊下を進む。

すると、その歌声は、どうやら2階にある彼女の部屋から聞こえてくる。

それは歌というよりも、子守唄のように聞こえた。

ただし、それまで聞いた事の無い歌であり、曲調もとても暗かった。

だから、何故彼女がその歌を聞いて子守唄だと思ったのかは分からないが、

とにかく直感的にそう感じたのだという。

彼女は、そのまま1階へ戻ろうかとも思ったが、そんな事をすれば、

尚更、恐怖感が増してしまう。

それに、一連の違和感の原因がもしかしたら判明するかもしれない、という

気持ちが彼女の行動を後押ししていた。

彼女は、おもむろに自分の部屋のドアの前に立つと、大きく深呼吸した。

そして、木製のドアを一気に手前に引いた。

声が出なかった。

そこには、彼女の部屋の床に正座したまま、彼女の方を向き、そして

櫛のようなもので、髪をといている女がいた。

正座した状態の髪の毛は床一面に広がり、1櫛いれる度に、その長い髪の毛が

大量に抜けて床の上に落ちていった。

そして、その女は真っ白な着物を着て、背筋をピンと伸ばしたまま正座し、

カッと開かれた大き過ぎる目がギラギラと光っていた。

そして、その口からは、先ほどから聞こえていた子守唄のような歌が

唄われていた。

それは、ただ其処に座っているというよりも、何故か彼女に対して

憎しみのようなものをぶつけてきている気がした。

しばらく、その様子を呆然と固まったまま見つめていた彼女だったが、突然

その女が立ち上がるような素振りを見せた途端、一気にドアを閉め、

階段の方へと走った。

追ってくるな・・・・追ってくるな・・・・。

そう心の中で念じながら。

だが、彼女が階段を降りかけた時にふと、廊下を見ると、まさにその女が

ドアを立ったまますり抜けて廊下へと出てくるのが見えた。

彼女は必死に階段を駆け下りると、何故か開けておいた筈の窓も玄関も

閉まっていた。

それでも、彼女は、必死に玄関までたどり着くと、ドアノブに手を掛けた。

しかし、ドアは何故か全く開かなかったという。

別の場所から早く逃げなくては!

そう思い、リビングの窓に向かおうと振り向いた時、彼女の視界が

遮られている事に気付いた。

そして、それは、あの女が彼女の前に立っている為だ、と分かるのに

時間は要らなかった。

恐ろしい形相で彼女の顔を睨みながら、顔を近づけてくる女。

その瞬間、彼女は意識を失った。

そして、それから数時間後、玄関で倒れているところを、帰宅した

母親に発見されて、すぐに救急車で病院に運ばれた。

結局、気が動転している以外、どこにも異常は見つからず、彼女はすぐに

自宅に戻る事が出来た。

しかし、それからは、友達の家に泊めてもらいながら、安いアパートを探し、

彼女はすぐに引越しをした。

そして、それ以後、一度も実家には戻っていないのだという。

ただ、彼女以外の家族には、怪異は全く起こっておらず、家族は、きっと

熱で悪い夢でも見たのだろうから、戻っておいで!と言ってくれるらしい。

しかし、それ以後も、実家に電話した際には、紛れもなくあの時に

聞こえていた子守唄が受話器の向こうから聞こえてくるのだという。

だから、彼女は、今後も実家に帰る事はおろか、近寄る事も無いだろう、と

寂しそうに話してくれた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:34Comments(21)

2017年10月20日

見附島という所・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、今日も1日お疲れ様です!

うちの娘がようやく修学旅行から

帰ってきました!

妻から娘を金沢駅まで迎えに行くように言われ、

仕事帰りに迎えに行きました。

で、帰りの車の中で、

福島県は何が良かった?と聞くと、

喜多方ラーメン!

仙台は?

牛タン!

東京は?

もんじゃ焼き!

・・・・・・・・・。

食い物しか記憶に無いんかい?

そして、無事、自宅に戻ってきた娘は、

妻と一緒に焼肉を食べに行きました!

お父さんを1人残して・・・・・(涙)

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

石川県の奥能登地方に見附島という観光地がある。

同じ観光地である恋路海岸からも近く、今ほど観光PRが盛んでなかった

当時でもそれなりに観光客が大勢訪れていた。

しかし、それも昼間の話である。

夜ともなると、明かりは遠くの外灯くらいしかなくなり、一気に暗闇

が支配する空間に変貌する。

実はその時は、友人と2人でその場所を訪れた。

何をしに出かけたか、と言えば、勿論、怖いモノ見たさ、ということになる。

実は、心霊好きの間では、この見附島と恋路海岸は、密かに心霊スポットとして、

有名だった。

ただ、実際には恋路海岸に先に訪れてみたのだが、やはり恋人のメッカという

こともあり、夜だというのにカップルが点在していた。

それで、やむを得ず、見附島に目的地を変更したのを覚えている。

見附島に到着すると、まずその暗さに圧倒されてしまう。

暗闇の中に波の音だけが響き、そして、前方には大きな見附島がぼんやりと

見えており、その島の形がまるで軍艦のようであり、俺達は圧倒されてしまう。

それでも懐中電灯片手に海岸へと降りていく。

海岸へ降りると、更に波の音が大きく聞こえ、そして、前方にそびえる

見附島もより一層大きく見えた。

暗闇の中だといつもとは段違いに見附島が大きく迫ってくるように見える。

俺達はとりあえず、懐中電灯を片手に辺りを散策した。

それは、まわりにカップルさん等が居ないかどうかを確認する為に。

やはり、カップルさんの甘いひと時を邪魔したくはなかったから・・・。

辺りをぐるっと回ってみるが、カップルの存在は確認出来なかった。

そして、その頃になると俺たちの目も、しっかりと暗闇に順応し、それなりに

視界が確保できるようになっていた。

そこで、当初の予定通り、見附島に向かって歩き出した。

実は、見附島という島には、石で出来た足場が続いており、砂浜から見附島まで

海の上を石段を進む事で近づく事が出来る。

ただし、途中の石が水中に浸かってしまっている事から、昼間は誰もそこを

渡って見附島まで行こうとはしない。

それは、俺達も同じで、理由は単に恥ずかしいから、というものだった。

だから、そこに来た目的のひとつが、誰も居ない状態で、心置きなく、石段を

歩き、見附島までたどり着いてみたいという事だった。

俺達は、ズボンを膝まで捲り上げ、ビーチサンダルに履き替えて、石段を歩き出した。

その時は、そこそこ波も荒く、暗闇の中ですぐ近くから聞こえる波間の音は、

それなりに迫力もあり、なかなか足が前に出ない。

それでも、後ろからついてくる友人に急かされるように、前へと歩いていく。

今、ここで海に落ちたら、深さはどれ位あるんだろうか?

そして、そのまま波にさらわれてしまう事はないのか?

などと声をかけあっていたが、実は俺が一番恐ろしかったのは、そうではなかった。

何かが海の中に居るような気がしていた。

真っ暗な海の中を歩いているから、そんな風に感じたと思うかもしれないが、

その時、俺は確かに、海の中から見つめる視線のようなものを感じていた。

海の中に沈んだまま、海の上を歩いていく俺達を見ている何かを・・・。

そんなだったから、一歩進むたびに、ついつい前方の見附島よりも、左右に広がる

海の方ばかりを気にしていた。

そして、いつのまにか、俺達は、見附島にかなり近い場所にある、石段が海の

中に沈んでいる場所まで来てしまっていた。

友人が言った。

ここからが、いつも進めないんだよな・・・。

まあ、濡れるのを覚悟しなくちゃいけないんだからな・・・。

どうやら、友人には、海の中から、こちらを見つめている得体の知れない視線

を感じられてはいない様だった。

そして、俺が先頭で、いよいよ水中に沈んでいる石段に足をかける。

夏という事もあって、水はさほど冷たくはなかった。

しかし、どこか冷たさと生暖かさが混じったような海水が気持ち悪くて、俺は

そそくさと、海中に沈んでいる石段部分を渡りきろうとした。

視線は、左右の海に釘付けになっていた。

そのとき、後ろを歩く友人が大声を上げた。

おい!あれなんだ?

俺は友人が指差した方をまじまじと見た。

すると、そこには、暗闇の中に誰かが立っていた。

俺たちと同じように、見附島から砂浜に向かって歩いてきたのか、石段の上に立ち、

俺たちの方をまっすぐに見ていた。

まるで、雅楽の舞のような着物を着た何かが、俺が立っている石段のほんの5メートル

ほど先の石段の上に立ち、微動だにしていない。

あまりに動かないので、あまりにも現実味が感じられなかった俺達は、懐中電灯で

前方のソレを照らしてしまった。

すると、其処に立っている者の全貌が見えた。

やはり雅楽の舞の時に着るような着物を身にまとい、顔には真っ白なお面をつけた

背が高く細身の人型のモノが、じっとこちらを見据えたまま立っていたのだ。

見附島は当然無人島であり、こんな夜更けに島から戻ってくる者など居るはずも

なかった。

もしも、そんな者がいるとしたら、それは人間ではなく、別の何かとしか

考えられなかった。

すると、突然、前方の何かが動いた。

俺達は、ソレが俺たちに向かってくるに違いないと思い、思わず

ヒッ!

と声を上げてしまった。

しかし、次の瞬間、それはまた動きを停止してしまった。

そして、再び、少しだけ動き、また止まる。

まるで、ロボットの動きを模写しているような動き方だった。

しかし、その動きは俺達を恐怖に底へと突き落とすには十分な恐ろしさだった。

俺達は、どちらかが言うともなく、今来た石段を砂浜に向かって戻り出す。

先ほどのモノに背中を向けるのはどうしても恐ろしかったので、横向きに

移動した。

その間、ソレは、じっとして動こうとはいない。

俺達は、今のうち、と思い、恐怖が固まった足を何とか前へと進める。

その時、海の中から異変が起きた。

何かが海の中から突き出してきたのだ。

そして、それは、紛れもなく、古い着物を着た人間らしき者達であり、それが、

ゆっくりと音を立てない様に、海から起き上がるようにして出てきた。

先ほどまで荒れていた海はピタッと波も収まり、その静けさの中で、それらのモノ

達の体から落ちる水滴が、海の中へ落ちる音さえ聞こえるような気がした。

そして、それらは、男と女が交互に壁を造るようにして、俺達が戻ろうとしている

石段から1メートルくらい離れた両脇にびっしりと立っている。

俺は、思わず、

見るな!

と友人に大きな声をかけた。

それらを直視してはいけない・・・そんな気がしたのだ。

すると、今度は背後、つまり見附島の近くの石段の上に立つ何かが、得体の知れない

歌を歌いだした。

雅楽のメロディーとも違う、不協和音だけで構成されたような気味の悪い音。

そんなメロディーと聞いた事のない言葉を合わせたような歌が背後から聞こえた。

俺は、それを聞いた途端、とてつもない睡魔に襲われてしまう。

そして、それは前方を歩く友人も同じだったようで、完全に歩くのを止めて、

呆然と立ち尽くしていた。

このままでは・・・・。

そう思ったとき、突然、頭の中で

寝ちゃダメだよ!

という子供の声が大きく響いた。

そして、それを聞いた途端、俺の眠気は完全に消えてしまった。

俺は急いで前方に立ち尽くす友人へと駆け寄り、手を引っ張るようにして、

砂浜まで走った。

そして、何とか砂浜までたどり着いた俺達は、思わず、そのまま倒れ込んでしまう。

我に帰ったような顔の友人と2人で、恐る恐る背後を確認する。

しかし、そこには、もう何も見えず、ただ、静かに皆が打ち寄せているだけだった。

まるで、キツネにでも化かされた気分のまま、車まで戻った俺達は、そこで

再び、固まってしまった。

そこには、砂のついた手形が、車のウインドウの至る所についていた。

それも、つい、今しがた、付けられた様な手形だった。

俺達は、急いでフロントウインドウの手形だけをふき取り、急いで車を

発進させ、その場から逃げた。

その後、怪異も起こらず、金沢まで無事に帰ってきた俺達だったのだが、

それから、俺と友人の2人は、揃って数日間、高熱に苦しめられる事になってしまう。

ちなみに、その時乗っていた車は、何故か車のいたるところが、まるで海水にでも

浸かったかのように錆びてきてしまい、結局すぐに手放す羽目になってしまった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:43Comments(22)

2017年10月19日

手取川の河口には・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、寒いですね。

お風邪など引いていませんか?

とりあえず、今日もお疲れ様でした!

今日は娘の修学旅行3日目です。

お昼~午後9時までは、ディズニーランドで

フリータイムだそうです。

寒い中でもお馬鹿な娘は元気いっぱい!・・・です。

明日帰った来たら、たぶんぐったりと疲れきって

いることでしょう!(笑)

それから、今日はそこそこの数のサイン希望レターパック

が届いていました。

頑張って、サインしますから、もう少しだけお待ちください。

そして、週末は東京で第2回のオフ会ですね。

是非、楽しんで頂ければ、と思っております。

そういえば、Aさんも金曜日から東京に行くそうです。

日曜日には戻ってくるそうですが・・・。

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!





これは友人から聞いた話である。

石川県には一級河川が二つ存在する。

1つは主に白山市を流れる手取川。

そして、もう1つは小松市の梯川である。

河川には一級河川と二級河川の違いは、確か、管理する役所が違うということ。

一級河川が国、そして二級河川が県の管轄になるはずだ。

まあ、そういう雑学は置いておいて・・・。

彼は、川に携わる仕事をしている。

どこの機関に所属しているかは明言出来ないが、管理するのは一級河川。

その中でも彼が携わっているのは、手取川になる。

手取川といっても、その距離は長く、白山市の山奥にある手取川ダムから、美川

という場所にある河口付近まで、かなり大きな川の状態で延々と続いている。

そして、昔は、堤防などもしっかりとしたものではなく、頻繁に決壊し、

洪水となっていたらしい。

そして、洪水になると、人が流され、結局は見つからない。

それは、そのまま海に流れ出ていく場合もあるし、途中で川の底に引っ掛かり

二度と浮かび上がらない場合もあるのだという。

そして、そのどちらの場合も、かなりの恐怖と苦しみの中で死んでいくのは

想像に難くない。

だからなのだろうか?

昔から、手取川の河口では、怪異に暇が無いらしい。

手取川を管理する部署に年間掛かってくる電話のかなりの部分を、そうした

怪異を目撃したという通報が占めている。

ある者は夜釣りをしていて、突然ずぶ濡れの女に声を掛けられた。

また、ある者は昼間、河川敷の駐車場で昼寝をしていて、まるで時代劇にでも

出てくるような姿をした男達に車を揺すられた。

そして、またある者は河川敷のトイレを夜間利用した時に、用を足して、

ドアを開けると、そこには無数の男女が、トイレ内を右往左往しているのを

見たという。

そして、これから話すのは、彼が直接体験した話ということになる。

その晩、彼は事務所に残って残業をしていた。

そこに居たのは彼1人だったらしい。

時刻は既に午後10時を回っていた。

すると、突然、事務所の電話が鳴った。

慌てて、電話をとると、女の声が聞こえてきたという。

とても小さく聞き取り難い声だった。

しかし、電話の女は、彼が、

もう少し大きな声でお願い出来ますか?

少し聞き取り難いんですが・・・・。

と言っても、何の反応も無く、ただ同じ言葉を繰り返すだけだった。

それは、子供が川に流されたから助けて欲しい・・・。

というものだった。

しかし、その時の川の流れは穏やかであり、そのような事故の報告も入っては

いなかった。

だから、彼は、心の中では、まさか?

と思いながらも、電話ではしっかりとした対応をして電話を切った。

そんな事があるわけないだろう?

と彼は思っていたのだが、さすがに事故の通報があった以上は一応、川の点検

をしなくてはいけなくなる。

電話の女の話では、川に流されたのは、川の上流とのことだった。

だとしたら、もしもその電話の内容が本当だったとしても、もっと川の

上流付近に在る事務所に電話するのが本当だった。

それに、電話をかけてきた女の声の背後からは、まるで、飲み会で大騒ぎでも

しているかのような叫び声すら聞こえていた。

たぶん、酔っ払った女がいたずら電話をしてたのだろう、と思いつつ、彼は

重い腰を上げ、河川の点検に出かけた。

手取川の河口付近は、それなりに良い吊りスポットらしく、いつも夜釣り

を趣味としている人達で、それなりに賑わっていた。

それに、その晩は、川の流れも穏やかで釣りには最適だと思われた。

しかし、時刻はまだ午後10時過ぎだというのに、釣り人はおろか、近くを

走る道路、そして橋にも、一切車が通る気配が無い。

こんな日もあるんだなぁ・・・・。

と思いながら彼は河川敷を降りていく。

そして、懐中電灯を持って、川を照らしながら歩いていく。

すると、川の中に人がいるのが見えた。

彼は釣り人かと思って、

こんばんは!

と声をかけるが、全く返事が無い。

そこで、懐中電灯で川面を照らすと、そこには小学生くらいの女の子が立っていた。

驚いた彼は、

どうしたの?

こんな夜遅くに・・・。

お父さんかお母さんは?

と声をかけるが、相変わらず返事はない。

いや、返事どころか、全く反応すら無かった。

もしかしたら、川に取り残されてパニック状態になっているのかもしれない!

そう考えた彼は、思い切って川の中に入り、女の子に近づいていく。

そして、その時の水位は、いつもより、かなり低かったという。

しかし、近づいて来る彼にすら気付いていないかのように、その女の子は

無反応で、じっと海の方を見つめている。

彼は、女の子のすぐ隣まで来ると、女の子が暴れて流されないようにと、

女の子の手を掴んだ。

彼は、思わずゾクっとなった。

その女の子の手は、とても冷たく、そして何故かとても固かった。

手を捕まれて、初めてその女の子は彼の方を見た。

彼は、違和感を感じながらも、

もう大丈夫だからね!

と優しく女の子に声をかけた。

すると、その女の子は突然、彼の手を握って、もう片方の手で海の方を

指差した。

そして、

行こう・・・・。

とだけ言うと彼の手を掴んだまま、海の方へと歩き出した。

突然の展開に彼は、必死に抵抗しようとしたのだが、何故か、その女の子の

力は異様に強く、大人の男性である彼を明らかに凌駕していた。

ちょっ・・・ちょっと待って・・・・。

彼は、そう言って、その場に踏みとどまろうとするのだが、それも虚しくまるで、

引き摺られるように、強引に体を持っていかれてしまう。

もう、転ばないように引き摺られていくだけで、彼には精一杯だったという。

そして、彼の手を握っている女の子の手からは、体温というものが全く

感じられず、彼はとても気味が悪かったという。

そして、そのまま彼は海との境界線近くまで引き摺られていくと、そこで

女の子は、突然止まった。

そして、再び、海を指差した女の子の横で、彼は摑まれた手を振りほどこうと

必死だった。

しかし、女の子の手はまるで彼の手に食い込んでいるかのようにびくともしなかった。

すると、突然、

ザバーン・・・・という海から何かが浮かんでくるような音が聞こえた。

そして、彼はその光景を見てしまった。

そこには、海の中から浮かび上がってきた水死体らしきものが、自ら立ち上がり、

川の上流めがけて歩き出した一部始終が見えてしまった。

そして、それらは、彼と女の子の方へとゆっくりと歩いて近づいて来る。

彼は思わす目を閉じた。

そんなモノを見る勇気など無かった。

しかし、耳からは、それらのモノ達が、バシャバシャと川の中を歩いてくる音が

はっきりと聞こえていた。

と、次の瞬間、彼の手を掴んでいた手が離れた。

そして、川の中を歩く音も聞こえなくなっていた。

彼は、

もう行ってしまったのか?

と思い、ゆっくりと目を開けた。

すると、そこには彼の顔を覗き込むように、沢山の顔があった。

その顔は、どれも海水で膨れ、どれが目でどれが口なのかさえ、分からなかった。

そして、ちょうど、彼のすぐ前には、一際背の低いモノが立っていた。

それは、今まで彼の手を握っていた女の子である事は容易に想像できたが、

その姿は、腐乱し、白色に変色して膨れ上がった水死体としか表現出来ない

ほど変わり果てた姿を見せ付けていた。

そこで、彼の記憶は飛んでしまったらしい。

気が付くと、彼は川のほとりに腰掛けて呆然と川面を見ていたのだという。

ハッと我に帰った彼だったが、彼の耳には、相変わらず川の上流に向かって

歩いていく様な水音が聞こえたらしく、恐ろしくなって、すぐにその場から

逃げ帰った。

事務所に帰り、夢であってくれ!と願う彼だったが、彼の手にはしっかりと

小さな指が食い込んだ様な痕が残されていた。

そして、彼は言っていた。

大昔から、現在に至るまで、きっと沢山の人が、この手取川で流さて、そのまま

海に出で、命を落としたんだろう。

だから、きっとそういう人達が、元々居た場所に戻ろうとしているだけなのかも

しれないな、と。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:02Comments(22)

2017年10月18日

吊り橋の向こう側・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、こんばんは。

そして、お疲れ様です!

うちの娘の修学旅行も2日目。

今夜は仙台で宿泊している筈です。

で、明日はいよいよディズニーリゾートですね。

雨の・・・・・(笑)

で、今日、驚愕の事実が発覚しました。

修学旅行のお小遣いとして、妻から4万円貰っていた

うちの娘ですが、内密に私の祖父から3万、そして

それを知らない私から3万、そして、それらを全く

知らないうちの妻から、別途2万。

合計12万という大金持ち状態で旅行中だという事が

判明しました。

おみやげが、任天堂SWITCHに代わらない事を

祈るばかりです(笑)

それから、つぼみさんをはじめ、皆さん、コメント欄には

誹謗中傷や荒らし行為以外なら何を書いて頂いても

結構ですよ(笑)

そして、文庫本のサイン依頼もお待ちしております。

ただし、金箔の栞は無くなり次第、終了になりますので、

ご了承くださいませ!

それでは、今夜も怖くない話、スタートです。

どうぞ~!



これは俺の友人が体験した話である。

彼は登山というよりも山の散策が趣味であり、特に山菜取り

のシーズン

になると、毎週末、山へと出掛けていた。

朝早くに山へと出掛け、それほど高くない場所で山菜取り

をして、

昼には妻お手製のお弁当を頬張る。

そして、また山菜を採ったり綺麗な風景の写真を撮ったり

しながら

一日中、山で過ごし、夜になる前に帰宅する。

しかし、やはり山菜取りともなると、自分の過去の経験に

よってだいたい

良く行く山というのが決まってしまうものらしく、

それがつまらないと

感じた彼は、同じ趣味を持つ知人にそれとなく聞いてみた。

すると、彼がいつも通っている山から、さほど遠くない

場所にある山が

山菜の宝庫なのだという。

それを聞いた彼は、早速次の日曜日に下調べを念入りにして、

教えて貰った

山へと向かった。

邪魔にならない場所に車を停め、すぐに登山を開始した。

その山は当然、彼には初めての山だったのだが、歩き出して

しばらく

すると、おかしな事に気付いた。

それは、どれたけ歩いても、彼の他には、人が全く居ない

という事だった。

普通、山菜の宝庫とまで言われる場所ならば、少なくとも

山菜取りの季節

の間は、朝から夕方まで沢山の人で賑わうのであるが・・・。

まあ、細かい事は気にしない性格の彼は、人が居ない事を

逆に喜び、山道を

のぼる足にも一層力が入った。

そして、歩き始めて30分くらい経った頃、彼の目の前には、

吊り橋が現れる。

こんな処に川などある筈もないのに、何の為の吊り橋なんだ?

そう思って、吊り橋に近づくと、眼下には、かなり深い渓谷があり、それを超える

為の吊り橋だという事が分かった。

こんな所に吊り橋があるなんて聞いてないぞ・・・・。

彼はかなり動揺してしまう。

実は彼は吊り橋というものが苦手だった。

歩く度に揺れるあの感覚がどうしても耐えられないのだ。

下調べでは、こんな所に吊り橋など無かった筈。

そう思ったが、現に目の前には吊り橋が在るのだ。

そして、この吊り橋を超えていかなければ、山菜の宝庫には辿りつけない。

彼は出がけに、妻に山菜の大収穫を宣言してきた事を思い出し、その重い足を

吊り橋へと進めた。

それにしても、とても長い吊り橋だった。

ある意味、観光名所になってもおかしくない程の長さだったが、それが彼にとっては

苦痛以外のなにものでもなかった。

それでも、彼は妻の顔を思い出しながら、一歩一歩と吊り橋を進んでいく。

大丈夫なのか?と不安になるほどの細めのロープと、薄めの足板だけで

出来ている吊り橋は、足板の隙間から、下が透けて見え、彼は出来るだけ下を

見ない様にして歩をゆっくりと進めた。

しかし、実際に歩き始めると、その吊橋は簡易的な造りの割には揺れは

少なかった。

確かに一歩進むたびに、足を乗せた足板が、ギシッという音と共に、大きく

しなるのだが、それ以外は予想以上に怖さは感じなかった。

これなら俺でも大丈夫かも・・・・・。

そう思い、彼はその吊橋をさっさと渡ってしまおうと思った。

と、その瞬間、吊り橋が大きく揺れた。

それは普通の揺れ方ではなく、彼が手摺のロープをしっかり持っていなければ、

吊り橋から落ちてしまっていたかもしれない程の人為的な揺れだった。

危ないじゃないか!

しかし、彼の前には誰も居ない。

彼は、思わず後ろを振り返った。

すると、そこには明らかに場違いな格好をした男の子が笑っていた。

一応は山歩き用の服装で固めていた彼とは対照的に、まるで昔の

時代劇にでも出てくるような汚い着物を着ていた。

そして、丸坊主の頭で裸足のまま吊り橋の乗り口に立っていた。

彼は、思わず、ムッとしてしまい、大声で

危ないじゃないか!

そんな事はしちゃいけないって学校で習わなかったかい?

と叱りつけた。

しかし、その男の子は満面の笑みを浮かべて微動だにしない。

彼は、拘わらない方が得策だと考え、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと

前を向いた。

そして、歩き始めた途端、再び、大きな揺れが襲ってきた。

その揺れは先ほどの揺れとは比べ物にならない位、強烈なもので、彼は危うく

谷底へ落ちるところだった。

彼は両手で手摺のロープを掴み、うずくまったまま、再び背後を振り返る。

いい加減にしろ!

そう言おうとして止めた。

そこには、先ほどの男の子よりもかなり近い距離に、大人の男が吊り橋に乗って

立っていた。

その姿は、とても背が高く屈強な体をしており、先ほどの子供同様に着物を

着ていたが、そのギラギラとした目からは明らかな殺意が感じられた。

まさに鬼の姿そのものだった。

一体、この吊り橋はどうなっているんだ?

次から次に、どうして俺の邪魔をしに来るんだ?

そう思い、頭にきたが、今、吊橋に立っている男は、少なくとも絶対に

係わり合いにならない方が得策なのは明らかだった。

彼は再び前を向いて、さっさと吊り橋を渡ってしまおうと足早に歩き出す。

吊り橋も残り10メートルくらいになった時、彼の目の前には、不思議な

光景が広がっていた。

先ほどはそんな物は見えていなかった。

しかし、今、彼の目の前には、吊り橋を渡りきった場所で、沢山の人達が

そこに集い、バーベキューをしてビールを飲んでいた。

其処に居る誰もが楽しそうに笑い、まさにユートピアという感じに見えた。

そして、その近くには、手付かずの山菜が所狭しと群生していた。

もしかして、友人が言っていたのは此処の事だったのか?

彼はまさに宝の山でも見つけたように活気付いた。

すると、吊り橋の向こうにいる人達が彼に声をかけてくる。

早くこちらへ渡らないと危ないですよ!

ビール冷えてて美味しいですよ!

ちょうど、肉も焼き上がりましたから一緒にどうですか?

それは彼にとってはどれも魅力的な言葉だった。

そして、そこに集っている人達は、その誰もが優しそうな顔をしており

絵に書いたような善人ばかりに見えた。

だから、彼は一気に吊り橋を渡りきろうと足を踏み出した。

すると、その瞬間、

こっちに来てはダメ!

まだお前が来る所ではない!

という声が彼の頭の中に響いてきた。

それはどこか懐かしい声に聞こえた。

彼は必死に声の主を探した。

すると、楽しそうに彼に手招きをする男女から少し離れた場所に

険しい顔をして立っている女性を見つけた。

他の誰もが笑っている中では、とても異様に見えた。

だだ、他の者達が見せる笑顔が、彼にはとても違和感のあるものに感じられ、

それに比べると、逆に自然な感じがする。

だから、彼の目を凝らして、その女性の姿を見た。

それは、紛れもなく数年前に亡くなった彼の祖母だとすぐにわかった。

祖母に会えた嬉しさに彼は舞い上がり、駆け寄ろうとした。

しかし、祖母は悲しそうな顔をしたまま、首を横に振った。

祖母は生前、ずっと彼の事を可愛がってくれていた。

その祖母が、こちらへ来るな、というのには、きっと大切な訳

が在るに違いない。

そう考えると、彼が今置かれている状態が少しだけ理解出来た気がした。

きっと、この吊り橋の向こうは、あの世になるのだろう、と。

そして、吊り橋の入り口に立つ男は、きっと俺をあの世に

行かせようとしている

人外のモノなのだろう、と。

そして、そんな状況の中でも、祖母は俺を助けようとしてくれている。

だとしたら、俺はなんとしてでも、この吊り橋を戻らなければ・・・。

彼はそう思った。

そして、振り返ると、一気に今歩いてきた吊橋を戻り始めた。

怖いなどと思う余裕も無かった。

彼は一気に吊り橋を走った。

吊り橋の乗り口には、先ほどの大男が立っていたが、そんな事はどうでも良かった。

祖母の思いを無駄には出来ない。

ただそれだけを考えて走った。

大男は再び吊り橋を揺らすようなジェスチャーをしたが、結局は何も

してこなかった。

そして、彼がその男に体当たりするようにぶつかった瞬間、その大男も消えた。

そして、彼は転ぶようにして何とか無事に吊り橋を戻りきった。

体が痛い部分もあったが、それよりも吊り橋の向こうにいる祖母に無事に

渡りきった自分を見て微笑んでもらいたかった。

だから、彼は起き上がると同時に吊り橋の方を振り返った。

彼は呆然としてしまった。

もう目の前には吊り橋など存在していなかった。

見渡す限りの平坦な野原が広がっている。

そして、そこには当然のように、笑顔を振りまく人達も、そして彼の亡くなった

祖母の姿もすっかり消え去っていた。

彼は夢でも見ていたのか?と思ったが、それでも、彼の両腕には、吊橋の

ロープで擦り切れた傷跡がしっかりと残っていた。

訳が分からなかったが、とにかく祖母が今も自分を心配して何処からか

見てくれており、助けてくれた。

それが、とても嬉しかった。

そして、彼はそれ以上、山にはのぼらず、そのまま逃げる様に家に帰ったという。

山ではこういう不思議な事があるんだよな、と得意気に話す彼の顔が

印象的だった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:04Comments(21)

2017年10月17日

追いかけてくる・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日は娘の修学旅行1日目。

福島県にお泊りの大監督から、

先ほど妻の所にLINEが

入ってきました。

”このホテル、オバケが出るんだって!(泣)”

との事でした。

いやぁ、楽しそうなホテルで良かったです(笑)

それから・・・・。

もしも、お買い上げ頂いた”闇塗怪談”にサインが

欲しい方は、是非どうぞ!

実は返信用のお礼にと、用意させて頂いた

金沢金箔の栞、が残り8枚ほど残ってます。

まあ、宜しければ・・・ですが。

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは俺の大学時代の友人が今も体験している話である。

彼は元々は東京出身だったのだが、大学で仲良くなり、その後も時折

連絡を取り合うような関係が続いている。

以前、引越しを繰り返している友人の話を書いた事があるが、彼の場合、

事態はもっと深刻である。

彼の場合は怪異が起こりだすと、少なくとも数百キロ以上離れた場所へと

引越しを繰り返しているのだから。

そして、これから話すのは、そこに至るまでの全記録である。

彼の両親は彼が小学生の頃、離婚した。

彼は母親についていき、母親はそれから3年後に再婚した。

再婚した男性も再婚だったらしく、前の奥さんとは死別だったという。

そして、その男性には、前の奥さんとの間に出来た女の子がいた。

彼よりも年齢は3歳年下だった。

そんな2人が再婚したのだから、当然、彼とその女の子は異母兄妹という

事になった。

最初はやはりギクシャクしたらしいが、1年も経つと、まるで生まれながらの

兄妹のように仲良くなった。

いつも色んな話をしたり、悩みを相談したり・・・。

ただ、彼はいつもどちらかというと自分の部屋に篭りがちな妹の事をいつも

気に掛けていた。

そして、彼が大学に進む頃にはそれが現実のものとなってしまう。

彼はその明るい性格から、大学でも活発に活動し、部活動やバイト、そしてコンパ

といったもので大忙しになってしまう。

それでも、いつも妹の事は心のどこかで気に掛けていたのだが、彼に彼女が出来る

ようになると、さすがにそこまでは気が廻らなくなってしまう。

そして、ちょうどその頃、妹は高校でイジメにあっていた。

それは酷いイジメだったらしく、そのうちに妹は高校に行かなくなってしまう。

そして、妹は誰にも相談できず、やはり兄である彼の元へと電話をかけてきたらしい。

しかし、携帯電話等無かった頃であり、彼も部活やバイト、そしてデートとアパートを

空けている事が多かった為、その電話が彼へと繋がった事は一度も無かった。

そして、悩みに悩んだ挙句、彼に便箋に思いのたけをびっしりと書き詰めた手紙を

送ってきた。

その手紙を見た時、彼はとても驚き、すぐに実家へと電話をした。

彼は妹の安否が心配で堪らなかったという。

しかし、もう遅かった。

彼が実家に電話した時、珍しく妹は外出していたらしく、帰宅したら電話して欲しい、と

家族に頼み、彼はその日はずっと部屋に篭もって妹からの電話を待った。

そして、夜になってから、実家から電話がかかってきた。

しかし、それは妹からの電話ではなく、妹がビルから飛び降りて自殺したという

訃報だった。

彼は呆然として一時的に呼吸さえ苦しくなるほど悲しみ絶望した。

そして、妹のSOSに気付いてやれなかった自分を責めた。

翌日、急いで東京の自宅にも戻ると、妹は、家の一番奥の居間に白木の棺おけに

入れられた状態で彼を迎えてくれた。

そして、一目妹の死に顔を見ようとした彼を両親は必死で止めた。

かなりの高さのビルから頭から落ちたようであり、とても正視できる状態

ではない、というのがその理由だった。

だから、彼は、そのまま妹の死に顔を見ることなく、通夜と葬儀に参列した。

ずっと、塞ぎ込んでいる彼を見て、両親は、

断じてお前の責任ではないのだから気にする必要は無い、

と言ってくれたが、それから数日間、彼は実家で何も手につかないまま、

過ごした。

それでも、やはり大学に戻ると、忙しい生活が待っており、数ヶ月もすると、

彼は以前のように元気を取り戻した。

しかし、それは妹自身と、死別した妹の母親には許せなかったのかもしれない。

それからは怪異が彼の生活を狂わせていく。

彼の所属する部で、原因不明の事故が多発する。

そして、そのどれもが、突然目の前に現れた女2人を避けるようにして起こった

事故だった。

彼のバイト先でも何人かが、階段から落ちたり、火傷をしたりと大怪我を負った。

それにも、常に2人の女を見たという噂が広がった。

そして、彼の彼女も、アパートから出掛ける際、突然背後から誰かに突き落とされ、

瀕死の重傷を負ってしまう。

そして、病院で入院中にも、彼女のベッドの側には、何度も2人の女が立っている

のが目撃された。

そして、ついに怪異は彼に直接及ぶ事なる。

それは、ふとしたことから始まった。

夜、アパートの窓を開けると、遅い時間にも拘わらず、誰かが外灯の近くに立ち、

こちらを見ているのに気付いた。

そして、それは2人の女であり、その1人は遠目に見ても、亡くなった妹だと

いう事がはっきり分かった。

彼は、怖いという感覚は無く、急いで部屋を飛び出すと、階段を下りて、先ほど

見えた街頭の下まで走った。

すると、そこには水溜りがふたつ在るだけで、誰も居なかった。

彼は一目だけでも妹に会って、謝りたかったらしいのだが・・・。

そして、がっくりと肩を落として部屋に戻ると、机の上にびっしょりと濡れた

白い紙が置かれており、そこには、

自分だけ・・・・。

絶対ゆるさない・・・・。

とだけ書かれていた。

そして、それからというもの、彼が寝ていると、女が2人現れては彼の首を絞めてきた。

その1人は妹であり、ニタニタと笑いながら、その様子を眺めていた。

そして、もう一人の女がいつも恐ろしい形相で、力いっぱいに彼の首を絞めてきた。

そして、彼が意識を失い、再び目を覚ますと、また首を絞められるという事が

朝になるまで毎晩繰り返されるようになった。

彼は首を絞められている最中にも、必死に妹の方を見て、心の中で謝り続けた。

しかし、妹は、そんな彼の様子をニタニタと笑いながら見ているだけだった。

そんな日が数日連続すると、彼も死にたくはないから、友達の部屋に転がり込む。

すると、数日は平和なのだが、それを過ぎると、また同じ事が繰り返された。

だから、彼は大学を休み、実家へと帰省した。

彼には妹の姿は確認できたが、もう一人の女が一体何者なのか?ということが、

ずっと分からなかったから。

そして、実家で、父親に頼み込み、妹の写真を見せて貰った時に、その正体が

判明した。

それは、死別した妹の実の母親だった。

父親の話では、とても妹の事を溺愛しており、死ぬ間際まで妹の事だけを心配していた、

ということだった。

その話を聞いた彼は、大学に1度戻り、すぐに退学届けを提出した。

実際には彼の責任などでは決してないのだが、結果的に、彼の周囲の人を大勢

不幸にしてしまった。

それが彼には許せなかったし、何より、彼がそのまま大学に残る事で更なる被害者

が出る事だけは避けたかったから。

そして、それから1年も経たず、彼の両親も、突然の死を遂げた。

もう彼は完全に天涯孤独になってしまう。

それからの彼は、正社員の仕事には就かず、日雇いのバイトをして生計を

立てている。

住まいも、ネットカフェやカプセルホテルなどを転々としているらしい。

そんな不安定な生活をしていても、やはり怪異は彼に近づいて来るそうだ。

だから、そんな兆候が起こり始めたら、すぐに彼は、生活の拠点を遠くに

移動させる。

東京から大阪に変えたり、北海道から九州へと変えたりもした。

移動距離が長ければ長いほど、彼の元に怪異が迫ってくるのを遅らせる事が出来た。

ただし、それは一切、友人や仲間を作らず、一生を天涯孤独に生きなければならない

という過酷な人生に他ならない。

だから、大学時代の友人だけが、彼にとっても財産なのだという。

そして、彼が移動した先からは、必ず、

今度は○○県に引っ越してきたよ。

という連絡だけは入ってくる。

が、それ以上のコンタクトは彼が取りたがらない。

コンタクトを取ったことで、友人達に不幸が訪れるのだけは避けたいということ

らしい。

そんな彼だから、俺も、1度Aさんに相談した事がある。

すると、Aさんは、

もしかすると、妹さんから最後に届いた手紙が、いつまでも目印になって、その

親子を引き寄せてしまってるのかもしれないですね・・・。

と教えてくれた。

そして、当然、俺は彼にそれを伝え、その手紙をどこかで処分するように奨めた。

しかし、彼は、

ありがとう。

でも、気持ちだけ受け取っておくよ。

あの妹からの手紙は、自分への戒めとして、絶対に捨てられないんだ。

もしも、あれを捨ててしまったら、俺は、“人間”ではなくなってしまう様な

気がするんだ・・・。

そう言っていた。

そんな彼は、ほんの数日前には、再び東京へ移動した、という連絡をしてきた。

彼の平和が一日でも長く続く事を祈ってやまない。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:19Comments(29)

2017年10月16日

犀川ダムへ続く道

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

いよいよ明日から、うちの大監督が

修学旅行へと出発します。

うちの娘は、南海トラフ(やっと覚えた!)を

怖がってますが、私は妻と2人きりで

ほぼ丸四日間を過ごす事の方が

恐怖・・・・です(涙)

あっ、ちなみに、第1弾として届いた、闇塗り怪談には

サインを入れさせて頂き、本日発送しておりますので、

今しばらくお待ちくださいませ!

ということで、今夜も怖くない話、スタートです。

それでは、どうぞ~!



金沢市の兼六園から車でまっすぐ山の方へ走ると、心霊スポットとして名高い

鷹の巣トンネルと、熊走大橋があり、それを通り過ぎて、更に

まっすぐ進むと犀川ダムがある。

今日は、その犀川ダムについて書こうと思う。

勿論、そのダム自体は心霊スポットして認知などされていない。

だから、俺自身も、そんな気は全くないまま、車を走らせていたのだが・・・。

実際、熊走大橋から犀川ダムへと向かう道は自然の宝庫である。

野生動物も沢山生息し、野草や山菜も沢山取れるのだろう。

実際、俺がその道を走っていて一番最初に驚かされたのは、やはり動物だった。

細いアスファルトの道が続くその道は対向車が来たらどうしよう?と不安な

なるほど狭かった。

しかし、実際には他の車とすれ違う事は一度も無かった。

だから、俺はそこそこのペースで車を走らせていた。

すると、突然、カーブを曲がった先に何かが居た。

俺は急いでブレーキを踏んで急停止した。

そこには、鹿の親子がのんびりと道の真ん中で日向ぼっこをしていた。

慌てて急停止した俺にも驚く様子もなく・・・。

だから、俺もサファリパークよろしく動物観察をする事にした。

車のエンジンも止める。

近くで見る鹿は、とても大きく感じられた。

そして、対照的に小鹿はといえば、まるで、ぬいぐるみのように小さい。

そのコントラストが楽しくて、俺は食い入るようにそれを見ていた。

しかし、やはり車の存在が気になるのか、親鹿が急かすように道路に

寝そべっている小鹿を起こし、街の横にある林の中に消えていった。

鹿の親子を見るのにかなりの時間を費やしてしまったのか、辺りはうっすらと

暗くなりかけていた。

俺は再び車のエンジンをかけようとした。

しかし、何故かエンジンがかからない。

俺はその時、嫌な予感がした。

何故なら、その時の車は、エンジンが掛からなかったのだが、それはセルモーター

すら回らないという状態であった。

そして、過去の体験から、その様な状態でエンジンが掛からない時は、車の故障

というよりも、霊的なものが原因である事が多かった。

俺は思わず天を仰いだ。

こんな状態では、俺が出来る事など何も無かった。

しかし、この道は犀川ダムに続く唯一の道である。

きっと、誰かが通りかかってくれる・・・・。

それだけが、心の拠り所になっていた。

それにしても、山の陽が落ちるのは異様に早かった。

辺りは、もうかなり暗くなってしまい、俺は車の窓を閉め、ドアもロックした。

何が出てきても対応できるように・・・。

その時、突然、何処かから俺の苗字を呼ぶ声が聞こえてくる。

○○くん・・・・○○くん・・・。

その声は林の中から聞こえたようにも感じたし、車の中からにも聞こえた。

しかし、閉めきった車の中から聞こえたなどとは絶対に思いたくなかった

俺は、目を凝らして林の中を探した。

そして、俺は固まってしまう。

車の左右に広がる林、いや、森と言った方が適当なのかもしれない。

その木の影から誰かが覗いていた。

それも1人や2人ではなかった。

沢山の木々の陰から顔だけを出すようにして、沢山の人の顔が、こちらを見ていた。

そして、その口が動くたびに、

○○くん・・・・○○くん

と俺を呼ぶ声が聞こえてくる。

どうして俺の名前を知っているんだ?

というよりも、そもそもあいつらは何者なんだ?

俺は自分の苗字を的確に呼ばれたことで、思わずマジマジと、そいつらの方を

凝視してしまう。

すると、それらは、男もおり、女もいた。

それぞれに顔が違うのだが、1つだけ共通しているのは、どの顔も大きく崩れて

いたという事だった。

まるで、事故で顔面を強打したようなその顔は、見ているだけでも気分が

悪くなってくる。

そして、その時、忘れていた事を思い出した。

ここは、明らかに自然豊かな林の中であるが、そのすぐ脇には、熊走大橋とそこから

かなりの落差がある渓流が続いている。

つまりは自殺の名所である。

そして、そこで自殺した者の中には俺の知り合いも居た。

だから・・・・なのか。

俺の苗字を知っているのは・・・。

根拠は無かったが、もはやそういう説明しか思いつかなかった。

そうなると、俺は急に恐怖というものに襲われてしまう。

だから、それらの顔から目を背けなければ・・・。

決して目を合わせないようにしなければ・・・。

そう思い、視線を車の中に逸らすのだが、やはり恐怖で外が気になってしまう。

だから、俺はついつい視線をまた、それらの顔に戻してしまった。

俺は凍りついた。

明らかに、その顔がとれも先ほどの位置よりも近づいていた。

ヤバイ!

俺は隠れるようにして、姿勢を低くして上体を助手席の方へと倒した。

そして、必死でお経を唱えた。

すると、突然、

コンコン、という窓をノックするような音が聞こえた。

しかし、俺の本能が、見るな、と告げていた。

見てはいけない・・・見たら最後・・・・だと。

だから、俺は必死に目を閉じ耳を塞いだ。

すると、それに反応するように、一斉に車の窓がノックされた。

それは1人や2人というものではなかった。

俺は、車の周りを自殺霊達が取り囲み、一斉に窓をノックしている姿を

想像してしまい、完全に固まってしまう。

必死に携帯を見るが何故か電源が切れており、全く反応しなかった。

万事休す・・・。

こんな場所に来るんではなかったとしきりに後悔したが、今となってはもう

どうしようもなかった。

辺りはもう完全に真っ暗になりそれが恐怖に拍車をかけた。

その時、突然、大きくクラクションの音が聞こえた。

何度も何度もクラクションを鳴らされた。

しかし、おれはその音さえも、それらの霊達の仕業だと思い込んでいた。

すると、車のドアが開く音と、そしてバタンと閉められる音が聞こえた。

そして、次の瞬間、

おい、大丈夫か?救急車でも呼ぼうか?

という声が聞こえてきた。

俺はハッとして起き上がると、前方には大きなSUVが停まっており、そして

心配そうに窓を覗きこむ男性の顔があった。

俺は、すかさず車から降りて、その男性に事情を説明した。

突然、エンジンが掛からなくなった事は伝えたが、俺が見た霊の事は一切

話さなかった。

そして、どれどれ?と車を点検し、俺にもう一度エンジンをかけてみるように

指示してきた。

すると、車のエンジンは一発でかかった。

俺は、男性に深々と頭を下げ、礼を言うと、そそくさとその場を後にした。

そして、何とか無事に自宅までたどり着く事が出来た。

やはり、あの辺りは自殺スポットとしてあまりにも有名であり、それに

引き寄せられるように、新たな自殺を誘発させている。

だから、きっとそういう成仏出来ない自縛霊が居たとしても決して不思議ではない

のだが、それでも、そんな危険な霊達も、そこを毎日仕事として通っている

ダムの職員さんとはきっと共存する仕組みが出来ているのかもしれない。

そう思った体験だった。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:19Comments(26)

2017年10月15日

禄剛崎灯台というところ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

今日は短めですが1話アップさせて頂きます。

なんか、今日は色々と疲れる1日でした。

でも、明日からは、気持ちを切り替えて、

頑張らなければ!

それでは、怖くない話、いってみましょう。

どうぞ~!



これは俺が体験した話である。

石川県の珠洲市という所に、禄剛崎灯台というものがある。

禄剛崎と書いて、ロッコウザキと読むらしい。

いわゆる観光名所になっており、灯台の場所から、海からのぼる朝日と

海に沈む夕日が見られる場所だったと記憶している。

そして、これは家族で、その灯台に行った時の話である。

その当時はまだ娘も幼く可愛い盛りだった。

そして、その時は確か、家族で1泊2日の能登一周旅行をした際に、訪問した

のだが・・・。

車を駐車場に停めてから、徒歩でかなりの傾斜の坂道をひたすら登る。

やはり日頃の運動不足がたたってしまい、急な坂道で四苦八苦している

俺と妻。

しかし、娘はといえば、それこそ元気いっぱいで走り回っていた。

それにしても、駐車場には他の車は1台も停まっていなかったのだが、

坂道を登り始めると、かなりの人の数に驚かされる。

それこそ、お年寄りから子供まで沢山の人達が俺達のように、坂道を

せっせと登っていた。

そして、不思議と坂道を下りて来る人とは1人もすれ違わない。

それでも、俺達を追い越していく人達は、四苦八苦して登っている俺達に

頑張ってね~!

お先に~!

等と声を掛けてくれる。

これは頑張らなければ!と思い、汗を拭いつつ坂道を登る。

すると、元気いっぱいの娘が、

ねぇ・・先に灯台まで行って待ってても良い?

と聞いてくる。

俺は、この先はどうせ1本道だから・・・・と思い、

気を付けて行くんだよ!

と声を掛けると、娘はそれまで俺達のペースに無理に合わせていたとでも言うように

突然ダッシュして坂道を登り始める。

俺と妻は、マイペースを守りながらも確実にのぼっていく。

すると、相変わらず、老若男女が俺達を追い抜いていく。

しかし、不思議だった。

確かに疲れ果ててはいるものの、俺達もそれほど遅いペースで坂道をのぼっていた

わけではないのだが、それでもお年寄りにすら抜かれていくというのは、正直なところ、

恥ずかしさと共に、奇妙な感じを受けた。

すると、上の方から娘が走ってくる。

その顔は、まるで大発見でもしたかのように得意気な顔だった。

そして、俺達のところまで辿りついた娘は、

ねぇねぇ、上の灯台のところ、どうなってるか、知ってる?

と聞いてくる。

俺は、

まあ、これだけの人がのぼってるんだから、もしかしたら人でいっぱいなんだろ?

と返すと、

娘は首をブンブンと横に振って、こう言った。

ううん。誰も居ないの!

上に行ったら白い灯台があったんだけど、でも私しか居なかったの・・・・。

そんな馬鹿な事が在る筈がないと思い俺は娘に、

ああ、そうか。

もしかしたら、上に行った人達は全員でかくれんぼでもしてるのかもしれないな?

と返すのだが、娘は釈然としない顔をしている。

それじゃ、3人でゆっくりのぼっていこうか、という事になり、そこからは再び

3人でゆっくりとのぼり始めた。

そして、ようやく頂上までたどり着く。

そこにはとても綺麗な真っ白い灯台が建っており、そこは当然、先に上っていった

人達が沢山居るはずだった。

しかし、そこには娘が言っていたように誰も居なかった。

あれだけの人数が隠れられる場所など、そこには存在していない。

俺氏もしかしたら、別の下りる道が在るのかもしれないと頂上を調べたが、

そんな道など何所にも見当たらなかった。

すると、娘がまたしても得意気に言ってくる。

ねぇねぇ、おとうさん!

みんな、どこに行ったか知りたい?

俺はさすがに自分の常識では説明がつかなかったので、娘の話を聞く事にする。

すると、娘は、

あのね。のぼってきたみんなは、そのままアソコから下りて行ったよ!

と言いながら、その場所まで走っていき、手招きする。

俺はゆっくりと娘が立つ場所まで歩いていき、驚愕した。

そこには下へ降りていく道など存在せず、海へと繋がる断崖絶壁が在る

だけだった。

みんな、ここから下へ降りて行ったんだよ。本当だよ・・・。

と少し不安そうに俺の顔を見つめる娘に俺は、

うん。きっとそうだな。あの人達は、ここからのぼっていったのかもしれないなぁ!

そう言うと、娘は嬉しそうに笑った。

それは別に娘の気持ちを考慮して言った言葉ではなかった。

そうでなければ、あの人達が忽然と消えた理由は見つからなかったのだから。

もしかしたら、あの灯台への坂道は、霊道として天に繋がっているのかもしれない、と

強く感じた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:51Comments(23)

2017年10月14日

夜間診療

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、今日も1日お疲れ様でした!

昨晩は片町飲みでしたので、今日は

おとなしく家で過ごしてます。

ところで、昨晩、片町で飲んでいると

出版社のご担当様からメールが

入りました。

何かな?

と思って見てみると・・・。

なんと、今週号の週刊文春に私の

『闇塗怪談』を画像付きで推薦書として

紹介してくれているとの連絡でした。

急いで、飲むのを中断して、近くの

本屋まで買いに行ったのは

いうまでもありません(笑)

これです。↓


文春様、ありがとうございます。

そして、いつもながら皆様、

本当にありがとうございます。

それでは、今夜も怖くない話、

いってみましょう!

というか、本当に怖くないです(涙)

どうぞ~!


これは知人が体験した話である。

彼女は、元々は結婚して金沢に住んでいたのだが、結婚に行き詰まり離婚

する事になり、金沢を離れて実家のある能登に小学生の一人娘と共に

移り住んだ。

やはり金沢と比べると、色々と不便な事もあったが、それでもゆったりした

自然の中で、娘と一緒に生活する事は何物にも代え難いくらいの安心感を

彼女に与えてくれた。

元々は彼女が生まれ育った土地であり、それなりに昔の友人達も残っており、

周りの人達も、彼女と娘さんの事を暖かく迎えてくれたのだという。

それまでは専業主婦だった彼女にとって、1人で娘との生活費を稼ぐのは

簡単ではなく、いつしか疲れ果て、家に帰っても食事をして寝るだけ。

娘との会話も侭ならない生活になってしまう。

それでも、娘はいつも彼女の周りをうろうろと歩き回り彼女の注意を引こうと

するのだが、その時の彼女には、それさえも鬱陶しく感じていた。

そして、そんな生活を続けていたある日、突然の異変が起こった。

それは突然の病気だった。

彼女が、その日、仕事から帰宅すると、小学生の娘が布団に入っていた。

どうしたの?

と聞くと、どうやら風邪っぽいとのことだったので、彼女はそのまま娘を

寝かせておく事にした。

買ってきたパンだけを枕元に置いて・・・。

そして、そのまま夜も更けて彼女も床に就いた。

その時の娘さんは、どうやらパンも食べたようであり、スースーと寝息を

立てていたという。

そして、午前1時を回った頃、彼女は苦しそうなうめき声に目を覚ます。

そして、横の布団で寝ている娘を見ると、嘔吐し苦しそうな呼吸をしながら

痙攣を繰り返していた。

彼女は悲鳴にも似た声を上げて、娘を揺り起こそうとしたが、目も開けられず、

苦しそうに嗚咽を繰り返している。

彼女は急いで携帯を取り出すと、過去に何度か娘が診察してもらった個人の小児科

に電話をかけるが、全く出る気配が無かった。

そこで、彼女は救急車を呼ぶ為に電話をかけるのだが、その時は、唯一1台だけの

救急車が既に出動してしまっており、そちらに向かえるのは、少なくとも1時間以上

後になってしまうと言われる。

そして、その際に、電話でこう言われたそうである。

お話をお聞きした状況だと、もしかすると一刻を争うのかもしれません。

もしも、お車をお持ちでしたら、貴女が車でお子さんを病院まで連れていけませんか?

そう言われた彼女だったが、確かに車はあるのだが、田舎という事もあり、指定

された救急対応の総合病院までは、どれだけ急いでも1時間以上は掛かってしまう。

彼女は途方に暮れてしまったが、目の前で苦しんでいる娘を見ていると、やはり

一刻の猶予もないのは明らかだった。

彼女は娘を毛布で包み、ゆっくりと車に乗せた。

そして、出来るだけ振動を与えないようにしながら車を発進させた。

田舎の道は当然の事ながら、対向車も後続車もなく、ほとんどの信号も

点滅信号になっている。

彼女は、車のライトを上向きにしたまま、必死の形相でアクセルを踏み込む。

辺りには民家の明かりも全く無く、完全なる闇の世界になっており、彼女は

まるで、自分と娘がこの世界から、突き放された様な孤独感に襲われた。

なんで、こんな田舎に引っ越してきたんだろう・・・。

これで、娘が死んでしまったら、私はもう生きていけない・・・。

そんな事ばかりを考えていた。

そして、

もっとしっかり娘のそばに居てあげなかった事を悔いた。

その時、突然、娘を乗せている後部座席から苦しそうな声と酷い嗚咽が聞こえた。

彼女は急いで車を停めて後部座席のドアを開けた。

すると、そこには全身を酷く痙攣させ続けたまま、呼吸も侭ならない娘がいた。

もう、この子はいつ死んでもおかしくない・・・。

全ては私の責任だ・・・。

そう思うと、涙が止まらなくなった。

もうこのまま車を走らせてもきっと娘は助からない。

それなら、このまま娘が息を引き取るのをしっかりと抱きしめたまま見守ってから、

私も此処で死んでしまおう・・・・。

そんな事まで考えたという。

そして、娘の横たわる後部座席に彼女も乗ろうとした時、彼女の目に、

突然、在りえない物が映った。

それは、○○○小児科という看板だった。

しかも、こんな時間だというのに、看板にはしっかりと明かりが灯っている。

まさか・・・・。

そう思った彼女だったが、何故かその看板の光は優しく彼女を誘っている様にも

感じた。

だから、彼女は気を取り直して、とりあえず、その看板の場所まで車を走らせる

事にした。

こんな時間にやっている小児科など聞いた事も無かったが、そんな事はどうでも良かった。

もう彼女には、その看板の明かりだけが、唯一残された希望だったから。

そして、車を看板の場所まで走らせると、目の前には、古いながらも明らかに

病院と判る建物が現れる。

更に、病院の中からは、明るい光が漏れていた。

彼女は急いで娘を後部座席から降ろすと、小走りに病院へ向かった。

そして、彼女が病院の入り口に着こうとした瞬間、突然、入り口のドアが開いて

そこから年老いた医師らしき男性と、若い看護師の女性が現れた。

そして、2人は笑顔で、

よく頑張りましたね!

もう大丈夫ですよ!

と言って、娘を受け取ってくれた。

そして、そのまま娘は診察室に連れて行かれ、彼女は待合室で待つように言われた。

彼女は、その時不思議な感覚に襲われていたという。

娘は、まさに生死の境目を彷徨っており、そして、今彼女が居る病院は、とても

古く昭和の頃を彷彿とさせる、ある意味、最新医療とは程遠い病院だった。

しかし、彼女は何の不安も感じなかったという。

もう、この病院に連れてこれたのだから、絶対に大丈夫だ、という不思議な

確信があった。

初めて訪れる病院なのに・・・・。

しかし、診察室の方からは、話し声はおろか、物音ひとつ聞こえては来ない。

それでも、彼女は、自分に出来るのは、娘の無事を祈るだけ・・・と思い、

ひたすら待ち続けた。

そして、そのうちに何故か彼女は寝てしまったという。

緊張と不安と心配で眠れるような状態ではなかったのだが、それでも知らない

間に彼女は意識を失った。

そして、それから誰かに揺り起こされて彼女は目覚める。

そこには、心配そうに彼女の顔を覗き込む娘の顔があった。

どうしたの?

もう大丈夫なの?

と聞くと、娘は、

うん。もう大丈夫!

ごめんね。心配掛けて・・・・。

と返してきた。

彼女は感極まって娘を抱きしめた。

そして、しばらくして目を開けると、そこにはそんな姿を優しい顔で見つめる

年老いた医師と看護師の姿があった。

彼女は、涙を急いで手で拭うと、立ち上がり、医師と看護師に、深く頭を下げて

誠心誠意お礼を言った。

そして、

あの・・・治療費はお幾らになりますか?

どんなに高額でも、どんな事をしてでもお支払いしますので・・・。

彼女は、そう言った。

それは彼女の心からの本心だった。

彼女にとって何よりも大切な娘の命を助けてもらったのだから、その治療費が、

たとえ、数百万でも、数千万でも払う覚悟は出来ていた。

そして、そんな大切な娘の命を、早々と諦め、自分も死んでしまおうなどと

考えてしまった自分を悔いていた。

すると、年老いた医師は、

うん。助かって良かった。

今日はもう遅いから、治療費は、後日お支払いに来てくれれば良いですよ。

その代わりと言ってはなんですが・・・。

もっと娘さんと貴女自身の命を大切にしなさいよ。

それじゃ、また来なさい・・・。

そう言って、にっこりと笑った。

そう言われ、彼女はまた涙が止まらなくなった。

そして、少し落ち着くと、また何度もお礼を言って、その病院を後にした。

その医師と看護師は、ずっとニコニコとしながら、病院の外に出て、

手を振って見送ってくれていたという。

それから、後日、彼女がその病院に治療代を払いに行こうとしたのだが、

何故か、病院が見つからなかった。

その土地の人にも聞いたのだが、そんな病院は知らないと言われた。

もしかして、夜なら判るかも・・・と思い、車で現地に向かったが、

その場所にはもう病院の看板はどうしても見つからなかったという。

彼女は言っていた。

あれは、もしかしたら、この世の物ではなかったのかもしれない。

だけど、娘の命を助けてくれたのは事実。

それに、まだ治療代も払っていないので・・・。

そして、こう続けた。

あの時は、こんな田舎に住むのはやめよう、と思ってしまったけど、あの件が

あってからは、そんな不安は感じないんですよね。

だって、あの時確かに、

また来なさい・・・・。

と言ってくれたんですから。

きっと、またあの病院に出会えるような気がしてます。

勿論、その時はしっかりと治療代を払わないと!

そう言って笑っていた。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:33Comments(15)

2017年10月13日

誰もいない筈のオフィスで・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

今日は夕方からお客さんとの飲み会ですので、

早めにアップさせて頂きます。

そういえば、サイン用の『闇塗怪談』が、返信封筒と

共に送られてきております。

下手くそな字で恐縮ですが、丁寧に書かせて

頂きます(笑)

ただ、仕事以外の時間での作業になりますので、

少々お時間を頂きますことをご理解ください!

それでは、怖くない話、いってみましょう!

どうぞ~!



これは友人が体験した話である。

彼は某大手保険会社に勤務しており、忙しい時期になると、

徹夜が続く事もあるそうだ。

そんな彼の会社が入っているのが、市街中心部にある

新しいオフィスビル。

地上8階、地下2階という、いわゆるインテリジェンス・ビル

というやつだ。

そんな最先端の場所でも、怪異は起こってしまう様である。

その日、彼は大口の担当顧客の事務処理に追われていた。

週末の金曜日ということもあり、本来なら早めに帰宅して

のんびりしたいと

思っていたのだが、現実は甘くなかった。

午後9時を回っても、全く出口の見えない進捗状況に、

彼はその夜の徹夜を覚悟した。

既にオフィスには誰も残っておらず、彼は仕方なく、簡易的に

戸締りをして、外のコンビニへ晩ご飯を買いに出かけた。

徹夜ということもあり、彼はかなり多めの食料を買い込んでオフィスに

戻った。

そして、その時感じたのだという。

なんか、雰囲気が違うな・・・と。

確かに、どこが違うのか、と言われれば的確に答える事は

出来なかったが、それでも

彼が少しだけ外出している間に、オフィスの様子が明らかに違っていた。

彼のオフィスは繁華街の大通りに面しているから、当然その時間帯も

かなりの交通量である。

しかし、そういった外界の音というものが全く聞こえてこない。

目の前の書類が床に落ちただけでも、かなり響いて聞こえてしまう様な、異様な

静けさが、そこには在った。

いつもは決してそんな事もなく、明らかにおかしかった。

しかし、彼にはそんな事を気にしている余裕など無かった。

すぐに自分のデスクに座った彼は、買ってきたサンドイッチを片手で

口に運びながら、

再び仕事に没頭した。

すると、すぐにオフィスの電話が鳴った。

本来なら、すぐに出なければいけないのだが、その時は余計な仕事を

入れたくなかった

彼はそのまま電話を無視した。

すると、今度はファクスが流れてきた。

時刻はもう午後11時を回っていた。

彼は、

俺の他にもまだこんな時間に仕事してる奴もいるんだよなぁ・・・。

と妙に感心しつつ、そのまま仕事を続ける。

しかし、そのファクスというものが、なかなか終わらない。

いや、1枚送ってきたかと思うと、すぐに次のファクスが送られてくる。

そして、それを彼は無視し続けるのだが、さすがに鬱陶しく感じ始める。

だから、ふとファクスの方へと視線を向けた。

そこで彼は思わず、

え?

と声を出してしまう。

先ほどから、間違いなくファクスが受信している音が聞こえており、そして、

今も、新たにファクスを受信する音が聞こえている。

しかし、ファクスの受信用紙が溜まっているはずのトレーには、

一枚も受信用紙が見えなかった。

あれ?おかしいな・・・・。

彼はそう思ったが、気のせいだと片付けてしまう。

その後もファクスは受信を何度か繰り返していたが、結局、

何も送られて来なかった。

そして、ファクスの受信が途切れた時、ふと、静寂が訪れる。

やっと、静かになってくれたか・・・・。

そう思い、彼がホッとしていると、突然、オフィスに電話が鳴り響いた。

彼は思わず、体をビクっとさせてしまった。

だが、彼は、

こんな時間に掛かってくる電話は、かなりの確率でトラブルの電話に

違いない。

だったら、電話に出たら、余計な仕事を増やす事になってしまう・・・。

そう思って、電話を無視し続ける。

1度かかってきた電話は、10階以上のコール音の後、切れた。

しかし、電話はまたすぐに掛かってくる。

本当に今夜はどうなっているんだ?

そう思いながら、彼は仕事に集中しようと努めた。

そして、何度目かの電話がかかって来た時、彼は思わず仕事の手を

止めてしまった。

相変わらず、長いコール音が続いていた。

彼には、当然電話に出る気など毛頭無かった。

しかし、電話のコール音は、ガチャッという音とともに消えた。

それは、誰かが電話に出たという事を意味していた。

だから、彼は思わず仕事の手を止めた。

体が恐怖で固まっていた。

彼は、恐る恐る顔を上げた。

広いオフィスには、彼の他には誰もいる筈はなかった。

だから、誰も電話に出る筈もないのだ。

しかし、先ほどの電話は間違いなく誰かが出た様な音が聞こえた。

だとしたら、誰かがいるのか?・・・・・。

彼がそう思った時、広いオフィスの端の方から、ヒソヒソと話す様な声が

聞こえた。

彼の恐怖は更に増してしまった。

しかし、同時に考えてみた。

もしかすると、彼が食事を買いに出ている間に、誰かが帰ってきたの

かもしれない、と。

そして、彼と同じように仕事に追われてしまい、彼に声を掛けるのも

忘れているのかもしれない、と。

彼は椅子に座ったまま、

誰かいますか?

と大声を出してみた。

すると、先ほどはヒソヒソと聞こえていた声が止み、再び沈黙

が訪れる。

彼は思い切って椅子から立ち上がり、先ほど声が聞こえた方へ

と歩き出した。

絶対に誰か同僚が帰って来ている筈だ・・・。

彼はそう願いながら、歩を進め、オフィスの端にあるデスク

までやって来た。

しかし、やはり其処には誰もいなかった。

彼は、その時点でもう仕事など投げ出して走って逃げ出したかった。

しかし、仕事の段取り上、そんな事は出来ないのは自分が

一番理解していた。

だから、彼は、夜間、彼1人が残業する為に使用するフロアの

照明をかなり節約していた。

しかし、そんな事は、その時の彼にはもうどうでもよかった。

だから、フロアの照明を片っ端から点けて、出来るだけフロア

全体を明るくした。

そうすれば、少しは気が紛れると思った。

そして、仕事に集中する為に、切っていたラジオもつけた。

ラジオからは、パーソナリティの賑やかな話し声が聞こえてきて、

少しは気が紛れた。

彼は自分に喝をいれ、再び仕事に向かう為、自分のデスク

についた。

そして、書類に向かうのだが、やはり集中できなかった。

そんな状態だったから、考えるのは、怖い事ばかり・・・・。

そして、その時、気がついた。

彼は勤める会社のビルは、当然、まだ新しく、いわくつきの

場所に建てられたものではなかった。

だから、当然、このビルに関しては、幽霊などの類の話は

一度も聞いた事が無かった。

だとしたら、何が起こっているのか・・・。

彼のオフィスに入るには、専用のインテリジェンスキーが

必要だった。

そして、夜間、そのオフィスに入れるキーということになると、

それを持っている

のは、彼の会社の中でも限られた人数だけだった。

だから、誰もこのオフィスに入れるはずはないんだ・・・・。

もしも、入れる者がいるとすれば、それは人間ではない。

そして、もしも、先ほど彼が外に出て晩飯を買出しに行った時、

何かを連れて

来てしまったとしたら・・・。

そして、もしも、それがずっと彼の背後を追いてきて、彼と一緒に

、このオフィスに入ってしまったとしたら・・・・。

その時の彼には、それしか考え付かなかった。

そして、もしもそうだとしたら、今、彼は人外のモノと2人きりで

このオフィスに居る事になる。

彼は、冷たい汗が流れるのを感じた。

と、その時、突然、彼が座るデスクの右斜め後ろから、

うふふ・・・・。

という笑い声が聞こえた。

彼は俯いたまま、その笑い声が聞こえた方向へと

顔を振った。

そこには、OLが着る様な制服を着た足が見えた。

そして、彼はそのまま視線を上に上げていった。

心の中では、見るな!と叫んでいたが、彼はまるで何かに

操られるかのように

それを見てしまう。

そこには、薄いブルーの制服を着た女が立って、彼を

見て笑っていた。

裸足の足、異様に高い身長、そして、その顔は在り得ない

ほどに細く、そして

建てに長かった。

痩せこけた頬と閉じらたれ大きな口。

そのどれもが彼が始めて見る造形だった。

そして、彼はその時、まるでその女から視線を逸らす事を

禁じられている様に

一切視線を外す事は出来なかったという。

すると、次の瞬間、その女の顔は、まるでロウソクが

溶けていくように、

見る見るうちに崩れ落ち、顔の骨が露出した。

そして、それを見た瞬間、彼は意識を失ってしまった。

そして、次に彼が目を覚ましたのは、そのビルの守衛さんが

見回りにきた時。

床に倒れている彼を見つけた守衛さんが、彼を助け起こして

くれたらしい。

そして、当然、彼はその後すぐに仕事を切り上げて帰宅

したという。

今、彼は別の支店に転勤になり、そのビルで働いてはいない

のだが、どうやら

その事があってから、そのビルには、女の幽霊が何度も

目撃されるようになったという事だ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 12:16Comments(19)