2017年11月07日

消えない気配

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆さん、お疲れ様です!

公私共に、とても忙しくなっており、大変

ご迷惑をお掛けしております。

アップできる時には、しっかりとブログを

書かせて頂きますので、今後とも

宜しくお願い致します。

ということで、とりあえず、1話アップさせて

頂きますね!

それでは、どうぞ!



これは知人の女性が体験した話である。

彼女は、何より怖いモノが好きという、俺とは真逆なタイプ。

怖いものなら何でも大好物な様で、怖い話やビデオ、そして心霊写真や心霊動画、

更に心霊系の怖い漫画など、その守備範囲はとても広い。

そして、結婚もしており、昼間は共働きで働いている。

だから、仕事から帰り家事をこなし、ゆっくりとくつろげるのはいつもかなり

遅い時間になってしまう。

それでも、平日は翌日の仕事の事もあり、なかなか夜更かし出来ない訳で、

必然的に、週末の夜が彼女の趣味の時間になる事が多かった。

特に誰もが寝静まった静かな時間は、恐怖も倍増し、彼女の一番好きな時間帯

になっていた。

そして、その日も金曜日の仕事が終わり、翌日が休みということもあり、のんびりと

家事をこなしていたせいもあって、自分の部屋でゆっくり出来たのは、午前1時

近くになっていた。

最初はベッドの上に寝転がってホラー小説を読み始めた。

しかし、眠たいわけではないのだが、本の内容がなかなか頭に入ってこない。

そこで彼女はパソコンの電源を入れてyoutubeで怖そうな心霊動画を探して

鑑賞し始める。

しかし、既に見飽きた動画ばかりで目新しいものは無く、それならということで、

彼女はネット上に数多にある実話系の怖い話のサイトを見て廻る事にした。

ヘッドフォンを外し、傍らにはお菓子と缶コーヒーを用意して。

すると、見かけないサイトを見つけた。

彼女は、かなりの頻度でそういう類のサイトを見て廻る事が多かったのだが、その

サイトは明らかに始めて見るものであり、彼女はすぐにそのサイトをじっくりと

見てみる事に決めた。

普通、怖い話のサイトといえば、真っ黒な背景におどろおどろしい画像が随所に

置かれ、中には恐怖演出の為にBGMが流れているものさえ在ったのだが、

そのサイトは、真っ白な背景に、黒い文字が並んでいるだけというシンプルなもの。

そして、そのTOPページには、普通は、霊障が発生しても当サイトは一切責任を

負いません、というのが一般的なのだが、逆に、霊と遭遇したい人だけ閲覧

してください・・・という文言が控えめに書かれており、それも彼女の心を惹きつけた。

ふ~ん。なんか本物っぽいかも・・・・。

彼女は、そう思いながら一話目から順に読み始めた。

話自体は、そう長いものではなかったが、まるでその現場に居るような臨場感が

あり、彼女はすぐに話の中に引き込まれた。

彼女はまるで宝の山でも見つけたような気持ちになり、次から次へと、そのサイトの

話を読み漁った。

彼女は、話を読み進めながら思った。

外からは虫の音が聞こえ、とても穏やかな時間の中で怖い話を読める、と

いうのは、なんて幸せなことなのだろう、と。

そして、ちょうど10話ほど、読み進めた頃、彼女はある事に気がついた。

先ほどから聞こえていた虫の音が全く聞こえなくなっていた。

いや、それだけではない。

外を走る車の音も聞こえず、風も完全に止まってしまい、聞こえてくるのは

部屋に置いてある目覚まし時計が刻むコツコツという音だけだった。

今、何時なんだろう?

彼女は時計を見ると、既に午前3時近くになっていた。

あっ、さすがに夜更かしし過ぎかも・・・・。

と思った彼女は、もう1話だけ読んだら床に入る事にしようと思い、再び

パソコンの画面に向かった。

そして、画面にある『次へ』というボタンを押した。

すると、そこには「秋の夜長に」というタイトルが書かれている。

そして、読み始めていくと、彼女は自分の心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

そこには、1人の女性が1日の仕事が終わり、週末の秋の夜長を利用して

怖い話を読み始めるという内容の話が書かれていた。

そして、それは紛れもなく彼女自身のことが書かれている内容だとすぐに判った。

そこには、彼女の実名はおろか、努めている会社、そして、彼女がその日1日に

体験した事柄が細かく正確に書き込まれていた。

なんで?

こんな事があるの?

そう思い怖くなった彼女は、すぐにそのサイトを閉じようとした。

すると、警告!という真っ赤な文字が出て、

最後まで読まなければ命の保証は出来ません!

という文字が表示された。

普段なら馬鹿馬鹿しいと気にもしない彼女なのだか、さすがにその時は、説明の

つかない恐怖に支配されており、仕方なく、そのまま読み進める事を選ぶ。

そして、画面にある『次へ』というボタンを押した。

その途端、彼女は激しい耳鳴りに襲われた。

初めて体験するほどの強烈なものだった。

それでも画面を見るしかなかった彼女だが、そこに書かれている内容を見た時、

彼女は一気に血の気が引いてしまう。

そこには、こう書かれていた。

自ら危険を選んだ彼女の背後には、1人の女の霊が立っている。

その霊は、江戸時代に無実の罪で捕らえられ監禁されたまま餓死した女の

怨霊であり、今まさにすぐ後ろから、彼女の顔を覗き込み、とり殺そうかと

狙っている・・・・というものだった。

すると、突然、先ほどまでの耳鳴りが嘘のように消え、代わって荒い息づかいが

聞こえてくる。

しかも、それは、明らかに彼女の右耳の側から聞こえた。

誰かいるの?

彼女は頭を動かさないように視線を右に送り確認しようとした。

・・・・・・。

悲鳴をあげようとしたが、全く声にならなかった。

そこには、間違いなく古く汚い着物を着た女らしきモノが彼女の顔を覗き込む様に

身を乗り出しているのが、うっすらと見えた。

部屋の中には、その女の苦しそうな息づかいと線香臭い臭いだけが充満

していた。

彼女は固まったまま身動き出来なかった。

金縛りというわけではない。

何故か目だけは閉じられなかったが、体は動かせるようだったのだが、それが

逆に彼女には恐怖に感じられた。

次にどうしたら良いか、が全く考えられなかった。

すると、またしても画面に、

ここでとり殺されるか・・・・それとも次へ進むか・・・。

という文字が表示される。

彼女は何も考えられないまま、震える手で、『次へ』というボタンを押した。

すると、そこにはまたしても、彼女自身の事が書かれていた。

そこには、

彼女はまた新しい怨霊を召喚してしまった。

その女の霊は、女友達に裏切られ自殺した怨霊であり、彼女の命を奪う事しか

考えてはいない・・・。

そう書かれていた。

彼女は、自然に涙が溢れてきたが、それでも、今度はそっと先ほどと同じようにして

左側を確認してみる。

そこには、紛れもなく、先ほどとは別の女の顔があった。

その顔はうっすらと笑っているようにも見えた。

そして、

クックックッ

という笑い声が聞こえてくる。

彼女は、もしかしたら私は殺されるのか・・・・。

と初めて自覚した。

こんなサイトに興味を持った自分に堪らなく腹がたった。

そして、それと同時に、いわれの無い危険に無性に腹が立ってきた。

そして、再び画面は変わる。

そこには、

最後の試練です。

次へ進めば、貴方は助かるのかもしれません・・・・。

助かりたければ、『次へ』のボタンを押してください。

と表示された。

しかし、もう彼女には、『次へ』ボタンを押す気は毛頭無かった。

考えてみれば、『次へ』というボタンを押したが為に今の窮地に立たされていた。

彼女の唯一の救いは、ずっと聞こえている時計の音だけだった。

こんな状況でも時間は確実に進んでくれている。

だとしたら、朝まで持ちこたえれば、助かるのではないか?

それが、彼女の唯一の希望だった。

しかし、時間が進むのは異様に遅く感じた。

もう永遠に朝が来ないのかもしれないとさえ思った。

そうこうしているうちに、左右にいる女達は、少しずつ前へと移動し、既に

普通にしていても視界の中に入る位にまで近づいていた。

そして、

押せ・・・・・早く押せ・・・・・

と低く暗い声で、ボタンを押すように促してくる。

しかし、彼女にはぼんやりとだがわかっていた。

次に、ボタンを押した時が、自分の最後なのだと・・・・。

だから、彼女はパソコン画面のちょうど真ん中だけをジッと見つめてひたすら

耐え続けた。

そして、どれくらいの時間が経過しただろうか・・・。

外がうっすらと明るくなってくるのが分かった。

しかし、彼女の真横までせり出していた2人の女の顔は相変わらず消えては

いなかった。

すると、突然、彼女の部屋のドアがノックされた。

彼女は歓喜した。

きっと夫に違いない。きっと部屋の明かりが点けっぱなしなのを心配して部屋を

見に来てくれたんだ!

そう思った。

そう思っただけで勇気が出た。

彼女は1度大きく深呼吸をし、体に力が入る事を確認した。

そして、次の瞬間、一気に立ち上がり、部屋のドアを開けた。

そこには夫の姿がある筈だった。

しかし、そこに立っていたのは、彼女を見下ろすように立つ、腐乱して顔の造形

すらも分からなくなっているモノであり、緑色の皮膚からは体液のような

ものがポタポタと滴り落ちていた。

そして、ソレの手が彼女に伸びてきて、頭をつかまれたとき、彼女は意識を

失った。

次に彼女が目覚めたのは病室だった。

彼女が記憶している日時から一週間以上が経過していた。

どうやら、自室で倒れているのが発見され、心肺停止の状態だった。

急いで病院へ運ばれ蘇生措置をとられて、息を吹き返し、また心肺停止になり、

息を吹き返し、という状態がずっと続いたのだという。

そして、それから半年くらいして彼女は無事に退院した。

もう怖い話はこりごりだという。

そして、俺にある事を頼んできた。

彼女が体験した怖い話のサイト。

それがどういうものなのか、調べてもらえないか、というものだった。

俺は自分だけではなく、ネット関係に詳しい友人にも頼んでそのサイトを

探したのだが、そのようなサイトは全く見つかれなかった。

そして、念の為、彼女のパソコンを借りて、その履歴からサイトを探しても

みたのだが、結局、サイトは見つからなかった。

彼女は、それ以来、インターネットは一度も利用していないということだ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:09Comments(21)