2017年11月12日

その土地を離れられない理由

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です!

相変わらず沢山のご意見と励ましのコメント。

本当にありがとうございます。

相変わらず、書く事から少し距離を置いておりますが、

それでも、皆様からの思いに、少しずつ

書きたいという気持ちが湧いてきております。

ちなみに、うちの大監督は現在、脚本作りの真っ最中!

先週の木曜~土曜までは山に篭もっての

演劇合同合宿にも参加してきました。

合宿で、人間的にも成長してきたと自負する大監督ですが、

先ほど家族で外食に行った際、カメラのキタムラの

ラの文字のLED電球が切れているのを見つけて、

わーい!カメのキタムラ~亀のキタムラ~と

1人ではしゃいでおりました。

ちなみに、来年は受験ですが、大丈夫ですか?

大監督?

それと、皆様にお願いばかりで恐縮なのですが・・・。

私の文庫本「闇塗怪談」の中の話にある

・キツネの嫁入り

・死者からの電話

・迎えに来るモノ

・怖いモノ知らず

の中で皆様が一番怖いは感じられた話は何になりますでしょうか?

竹書房さんで、年間の怖い話グランプリがあるらしく、

それに参加する為に1話だけ選ばなければいけないのですが、

私には正直、どれが一番怖いのかが判断出来ません。

もし、宜しければ、皆様のご意見をお聞かせ願えれば

助かります。

お願いばかりで本当に申し訳ありませんが、

ご協力の程、お願い致します。

ということで、今夜も、過去に書き溜めた話をアップ

させて頂きます。

まあ、怖くないです。ごめんなさい。

それでは、どうぞ~!



これは俺の大学の後輩の話。

彼女は、山陰のとある都市に住んでいる。

もっとも以前は郡とか村だったらしいのだが、合併して市になったらしい。

そして、彼女は、既に結婚適齢期も過ぎているのだが、

いまだに結婚する気配すら無い。

それどころか、大学も20歳になる前に自主退学し、そして大学時代の

サークルの同窓会にも一度も顔を出した事は無い。

そして、これはバイクでのツーリングの際に、彼女が住む山陰の

都市に寄り、一緒に飲みに行った時に聞いた話である。

事の起こりは、かなり古く江戸時代よりも前の話になるのだという。

ある旅人がその村にやって来て、一晩泊めてくれるように懇願した。

しかし、その村はとても貧しい者ばかりの村であり、旅人を

泊める余裕など無かった。

しかし、何故か、村人達は相談の上、その旅人を泊めてあげた。

ただ、それは旅人の身を案じて、というのではなく、旅人が持っていた

金品が目当てだったのだという。

そして、その夜、村人達は、旅人が寝てしまった頃に、旅人を襲った。

金品を強奪した上に、旅人は、誰も近寄らない洞窟の中に幽閉した。

幽閉した旅人には最低限の食料しか当たらなかったが、それでも

旅人の生命力は強く、なかなか死ななかった。

それでも、村人達は、決して旅人を殺すことだけはしなかった。

やはり人殺しをする事自体が恐ろしかったし、祟られても困る。

だからといって、このまま旅人を自由にしてしまえば、よその土地で

口外されてしまう。

だから、幽閉して、気持ち程度の食べ物を与え続け、そして旅人が

死んでいくのをひたすら待っていた。

旅人はどんどん痩せ衰えていったが、それでも何かが心の支えになって

いたのか、ミイラのようになりながらも生き続ける。

そんな時、1人の子供が、偶然、その洞窟に入り、その旅人を見てしまった。

最初は驚き恐怖したが、それでも子供に優しく接する旅人に心を開き、

その子供と旅人は急速に親しくなった。

そして、旅人から事情を聞いていた、その子供は、ある日の夜、

皆が寝静まった頃に、家を抜け出し、洞窟に向かった。

そして、自分が用意出来た少しばかりの食料を渡し、縄をほどいて

旅人を解放してあげた。

しかし、体力がもう残っていなかった旅人は、ふらふらと歩いているところを

村人に見つかり、捕まった。

そして、旅人は決して口を割らなかったが、結局、旅人を逃がした

子供も突き止められてしまう。

そして、危険ということで、その場で、まず子供を殺し、そして

旅人を殺した。

目の前で、自分を助けてくれた子供を殺された旅人は、狂ったように

村人を罵り、恨みの言葉と共に死んでいった。

これが、大昔に実際に起きたといわれる惨劇であるだけでなく、現在も

続く呪いの起源だという。

なんと、彼女が生まれた時、そこはもう立派な街になっていたが、元を

辿れば、その村なのだという。

そして、その村は生まれた子供は、大人になる前に全ての体験を

しなくてはいけなかった。

趣味や遊び、そして、旅行など・・・・。

それは、20歳になってしまうと、もうその土地からは離れてはいけないから、

だという。

そういわれると、確かに大学を20歳になる前に理由も無く自主退学

したのも説明がつく。

しかし、この現代において、いまだにそんな呪いが残っているのか?

そんな疑問を彼女にぶつけてみたが、彼女は、真顔で頷き、話を続けた。

今は市に合併されていますが、それでも他の地域とは、雰囲気も発展具合も

全然違うんです。

いわゆる過疎地なんです。此処は・・・・。

だから、きっとこの場所で何が起こり続けていても、きっと他の地域の

人達には関係無いんでしょうね。

この土地の者は、一生此処から離れる事は出来ないんです。

だから、子供達は、生まれて物心がついた頃に、この話を聞かされます。

そして、20歳まで、という限られた時間の中で、精一杯楽しむように

教えられます。

なかには、20歳までの間を、わざわざ県外で過ごさせる人も居る位です。

でも、20歳になったら、否応無く、この土地に戻らなければいけないんです。

そして、20歳になったら、この土地に縛られて生きて、そして死んでいくんです。

決して、この土地から出る事は叶いません。

過去に何人もの大人達や、20歳まで県外で過ごし、此処に戻るのを拒んだ

若者がいたらしいんですが、やはり全員が例外なく痩せ衰えて、7日持たずに

死んでいったみたいです。

そんな土地だから、以前は、近親者による結婚や子作りが行われていました。

法律上は決して許されない事なんですけど、でも現実はそうなんです。

そして、近親相姦を繰り返していると、生まれてくる子供はどんどん

人間の姿をしていないようになりました。

だから、今は、近親間での結婚をする者はいませんけど、その代わり、

県外の人とメールやSNSで知り合って、結婚する人が増えてきて・・。

ただ、それも結局は、県外の罪の無い人達を、この呪いの輪の中に

誘い込んでいる事になります。

そして、結婚してこの土地に住んだ者にも、否応無く、呪いは適応されます。

だから、私は結婚しないんです。

私が結婚しないことで、県外から不幸になる人が入ってくるのを、少なくとも

1人は救えますから・・・。

そう言って、彼女はグラスを飲み干した。

そして、つらそうな顔で見ている俺に向かって、

でも、心配しなくて大丈夫ですよ。

案外、この土地も楽しい事もありますから(笑)

それに、私達の先祖がやった事ですから、その報いは当然、受け止めないと!

きっと、今もその旅人は、この土地のどこかで私達が出て行かないように

見張ってるのかもしれないですよね。

そう言って、無理に笑ってみせたが、やはり俺には、理不尽な呪いに

思えて仕方ないのだ。

いつか、この呪いが解ける日が来る事を願わずにはいられない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:57Comments(40)