2017年11月14日

つきまとう理由

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、

先日、削除した『その歌を唄ってはいけない』

の話を再アップさせて頂きました。

ご指摘のあった冒頭部分の歌のタイトルを

削除したうえで、最初の説明部分に

注意書きを追加させて頂きました。

もしも、お読みになられる方がいらっしゃれば、

その注意書きを厳守してお読みください。

ということで、今日は朝から風邪熱なのか、

体温が38度前後ありましたが、何とか

仕事をこなし、現在は37度ちょっと、で

落ち着いております。

そして、今日は地元の新聞社から取材の電話が

ありました。

勿論、丁重にお断りしましたが(笑)

ということで、今夜も書き溜めた話を1つ。

とりあえず、書ける様なら毎日何かしら書く習慣を

つけないと・・・・。

Aさんも少しだけ登場します。

それでは、怖くない話、いってみませう。

銅像!・・・じゃなくて、どうぞ~!





それはほんの偶然の出来事から始まった。

彼は東京のとあるアパートに住み通勤には電車を利用していた。

そして、彼が乗車している時、急ブレーキがかかった。

そして、しばらくして電車は停まり、車内アナウンスで人身事故との

アナウンスが流れてきた。

正直、

またか?

と思ったという。

確かに彼が電車に乗っている時には、何故か人身事故が発生する

確率が高かった。

そして、その時には、いつも彼はこう思いながら過ごすのだという。

よくまあ、こんな鉄の塊に飛び込む勇気があるよな?

それだけの勇気があれば、もっと他に解決策はあるだろうに・・・・。

そして、

いま、この電車の下に、誰かが巻き込まれているんだ・・。

痛いだろうな・・・楽に死ねていれば良いけど・・・・。

そして、そのまま電車が再び走り出すまでの時間をボーっとして過ごすのだ。

しかし、その時は少し勝手が違っていた。

何故かその日だけは、通勤電車が異様に空いていて、彼は座席に

座る事が出来ていた。

だから、対面側の窓から、外の景色をぼんやりと見つめていたのだ。

そんな時、異変が起こった。

彼が眺めている窓に何かが映りこんだ。

それは、明らかに人間の手だった。

そして、その手は窓に張りつく様にしてベタベタと動き回っていた。

それは、何故か他の乗客には見えていないらしく、彼は思わず

大声を出そうとして止めた。

すると、次の瞬間、その手に引き上げられるようにして、顔が映りこむ。

首から下が無くなった顔が、まさに窓に張りつくようにして、じっと

彼を見つめていた。

それは、女性だった。

彼は、とっさに考えた。

きっと、これは今、電車に飛び込んだ人の霊なのではないか?と。

だから、顔を合わせてはいけないと思い、すぐに顔を伏せて、頭の中で

祈った。

どうぞ、成仏してください、と。

そして、しばらくすると、電車にアナウンスが流れ、走り出した。

彼はそーっと顔をあげるが、その窓にはもう、その女の顔は見えなかった。

その日は、結局遅刻してしまったが出社し仕事をこなして午後7時頃

帰路についた。

その日は、少し用事があったので、いつもの電車ルートではなく、

別の電車に乗り継いで帰ることにした。

しかし、その帰りの電車の中、彼がふと視線を上げると誰かに見られている

様な感覚を覚えた。

だから、彼は辺りをキョロキョロと見回すと、斜め向かいの座席に座った

女性が彼の顔をじっと見ていた。

そして、彼と目が合うと、満面の笑みで応えた。

彼はその女性の顔を、どこかで見た事がある顔のように感じ、何とか

思い出そうとした。

そして、その答えが導き出されたとき、彼は思わず、え?と声を出してしまう。

何故なら、その顔は、彼が朝の出勤時に遭遇した人身事故の際、窓に

張り付いていた顔とそっくりだったのだから・・・。

そうと分かると、その女の満面の笑みがとても恐ろしく感じてしまう。

彼は、勢い良く座席を立つと、そのまま別の車両へと移動した。

そして、最寄の駅で降りた彼は、そのまま階段を駆け下りると、

急いでタクシーを拾った。

そして、運転手さんに住所を告げると、早く車を出すように頼んだ。

しかし、運転手さんがなかなか車を発進させないので、彼は思わず、

どうして車を出してくれないんですか?

急いでるんですけど!

と語気を荒げたが、運転手さんは申し訳無さそうにこう言った。

いえ、お連れの女性がまだ乗られていませんので・・・・。

それを聞いた彼は、タクシーのドアを自分で思いっきり閉めてこう言った。

僕に連れの女性なんていませんよ!

だからさっさと車を出してください!

.すると運転手は不思議そうな顔をして車を発進させた。

そして、彼は自分のアパートに付くまでの時間に運転手とこんな会話をした。

さっきはすみません。

運転手さんも見えてたんですね?

でも、あの女は、どんな風に僕に付いてきてましたか?

と聞くと、運転手は、

いえね。ずっとお客さんの横から顔を覗き込む様にして立っていらっしゃいましたよ。

ずっと笑っていたからきっと恋人同士なんだと思ったんですけどね・・・。

そう言われ、思わず身震いしてしまった。

そんな会話をしているうちに、タクシーは彼のアパートの前に停まり、

彼は急いで料金を払いタクシーを降りた。

だが、その時、彼の視界には、アパートの前に立って手を振っている

あの女の姿がはっきりと映りこんだ。

彼は一旦降りたタクシーをもう一度ドアを開けさせて急いで乗り込むと

そのままその場から走り去った。

そして、その日は結局、会社の近くのビジネスホテルに宿泊する事にした。

ビジネスホテルでは特に変わった事は起こらず、快適に過ごせたという。

そして、翌日、ビジネスホテルから出勤した彼は、その日も会社が

終わると、そのまま帰路についたのだが、やはり怖かったらしく、

翌日が休みだった事もあり、同僚を誘って彼のアパートで飲もうという

事にした。

そして、彼のアパートに着く頃には時刻は午後8時位になっていた。

恐る恐るアパートの周りを見渡すが、何処にもあの女の姿は無かった。

彼はホッと胸を撫で下ろし、アパートの階段を上り自室へと入る。

部屋の中は、一晩空けただけなのに、どこか自分の部屋ではない様な

感覚に襲われ、そして室内も妙に寒く感じた。

その日は、2人で買い込んできた酒とつまみで、大いに飲んだ。

そして、昨日からの疲れなのか、彼は同僚よりも早く潰れてしまう。

そのまま寝てしまったらしく目が覚めたのは、もう朝の8時を過ぎていた。

横を見ると同僚の姿は無く、メモに書置きがしてあった。

彼女さんが夜中に訪ねて来られたので帰ります。

ヨロシク!

とそれだけが書かれていた。

彼は、寝ぼけ眼で考えていた。

僕に彼女は居ないのだが・・・・。

一体誰が訪ねてきたんだ?

と、そこまで考えて彼は固まってしまう。

あの女は、アパートの前まで来ていたんだ・・・・。

だとしたら、部屋を訪ねてくる事もあるかもしれない・・・と。

ただ、それからは彼も常に緊張しながら部屋の中で生活していたが、

同僚が招き入れたという女の姿は一度も見る事は無かった。

それよりも、彼が仕事から帰宅すると、明らかに部屋の中が掃除され

綺麗になっていた。

普通なら、それも立派な怪異になるのだろうが、根が楽天家の彼は

それについて深く考える事はしなかった。

そして、いつしか、あの女の事も忘れていった。

そんなある日、彼が夜中にトイレに行こうと目を覚ますと、彼の寝ている

ベッドの横に、あの女が座っていた。

そして、相変わらず満面の笑みを浮かべていた。

結局、彼はその女に気付かれないように寝たフリを続け、何とか朝を

迎えた。

朝になると、その女は、少し寂しそうに立ち上がると、そのまま壁の中へと

吸い込まれるように消えていった。

そして、それは毎晩続くようになり、彼は睡眠不足でどんどんと疲労が溜まった。

そんな日が2週間も続いた頃、彼は俺に助けを求めてきた。

自殺者の霊に付きまとわれて死にそうだ!

との事だった。

そこで、俺はちょうど東京に遊びに行くというAさんに頼んで彼のアパートを

見てきてもらう事にした。

そして、東京から戻ったAさんにその結果を聞いてみた。

すると、

ああ、会って来ましたよ。勿論。

その男性にも、そして女の霊にも・・・。

でも、浄化はしませんでした!

必要無さそう・・・ですから。

こう言うので、俺はその理由を聞いてみた。すると・・・。

あの女の人は、確かに自殺した霊なんですけどね。

自殺した霊は基本的にはその場所から動けなくなって自縛霊になるんですが。

でも、自殺した際、彼の気持ちとシンクロしてしまったらしく、自縛霊では

なくなったんですけどね。

それで、最初は、その女も、その彼にとり憑こうと思ったらしいんですけど。

でも、好きになっちゃったみたいで(笑)

側にいられるだけで幸せだそうです(笑)

だから、彼の側に居るんですけど、彼には見えないようにしてるらしいです。

怖がらせたくないから・・・。

でも、何かしてあげたくて、取り敢えずは掃除とか目立たない事をしてるそうです。

ただ、夜中に気付かれてた事は知らなかったみたいで、驚いてました。

ごめんなさいって。もう夜中には絶対に姿は現しませんって。

私は健気だと思いますけどね。こういうの。

霊だからって、恋しちゃいけない訳じゃないでしょ?

それに、変な霊が寄ってくるよりも余程安心だと思いますけどね。

だから、私は浄化する気はありませんね。あの女の霊を。

だって、話してたら可愛いんですよ(笑)

そう言って笑った。

まあ、考えてみれば、俺の友人にも霊と共同生活している奴も居るのは事実。

悪くないかもな・・・・。

そう思った俺は、彼にはしっかりと浄化したよ、と嘘の連絡をした。

そして、その後、彼の身の回りで怪異は一切起こっていないそうである。

きっと、その女の霊は、まだ側にいるのだろうが(笑)

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:39Comments(30)