2017年12月09日

通夜の帰り道での怪異

サインディスプレイ部  営業Kです。

皆様、お疲れ様です。

先日、通夜の帰りに家族に起こった

怪異に関しては、アップ出来ないと

書きましたが、編集者様のご好意で、

皆さんが読みたいでしょうからどうぞ!

との言葉を頂きましたので、本日、

アップさせて頂きます。

(という事で、この話は本には載せられません)

皆さんも、やはり忘年会の方も多いみたい

ですが、体調にはお気をつけください。

まあ、私が言っても説得力は無いと思いますが(笑)

ちなみに、私は来週の忘年会ラッシュに備えて

今夜はおとなしく家で過ごします。

まあ、本当はクリスマスライブの練習が全然

出来ていないから・・・なんですけどね(涙)

ということで、今日は早めにいってみましょう。

怖くない話。

それでは、どうぞ!




これは俺と家族がつい昨日、体験した話である。

母方の祖母が亡くなった。

能登の田舎町に生まれ、そして生きてきた祖母は結局、その狭い

地域の中だけで一生を過ごした。

高齢になってからは痴呆との闘いの中で余生を過ごしてきた祖母だったが

たまに記憶が戻った時などは、相変わらず俺たち孫を心配し

可愛がってくれた。

そんな祖母が98年という長い生涯を閉じたのだ。

かなり変則的な日程での葬儀となったが、それでも参列しない

訳にはいかなかった。

そして、それは日曜日の夜に執り行われた通夜の夜の事だった。

通夜は、午後8時には終わり、それから親戚とのやり取りも

あって、通夜会場から帰る頃にはもう時刻は午後の10時を

回っていた。

金沢から能登まで延びる自動車道。

そして、その道を下りてからは、県道を1時間ほど走らなければ

ならなかった。

そして、当然、帰りも、行きの行程を戻る事になる。

そして、会場を出る頃にはまだ11月の半ばだというのにかなり激しく

雪が舞い出した。

道路はみるみるうちに雪で白くなったが、念の為にとスタッドレスタイヤに

履き変えてきて正解だった。

そんな雪を見て、後部座席の妻が言った。

もしかしたら、おばあさんがあなたに帰って欲しくないのかもね。

確かに、そう言われれば、そうなのかもしれない。

その日のうちに帰るのは翌日の朝から仕事の予定が山積している俺と

その家族だけだったのだから。

車は順調に走っていた。

元来た道を戻るだけなのだから簡単な話だ。

本来ならば・・・。

自動車道を降りてから県道を道なりに走るだけ。

だから、道を間違う事などありえない。

しかし、俺は突然知らない道に迷い込む。

その時には後部座席にいる妻も娘も疲れの為か、ぐっすりと眠っていた。

そんな状況の中で俺は、気が付くと知らない場所を走っていた。

仕事で営業をしているから、こんな田舎の裏道にもそこそこ精通している

つもりだったのだが、その場所には全く見覚えが無かった。

というよりも、その県道は海沿いを走っている道であり、山など

近くに存在していない。

それなのに、気がつくと、俺はどう考えても山の中の細く暗い道を

ヘッドライトの明かりだけを頼りにひたすら車を走らせていた。

民家など在るはずも無く、外灯もない。

そして、道はどんどん細くなっていき傾斜も急になっていく。

さすがの俺もその時点で車を停めてUターンする事にした。

しかし、道幅はかなり狭く、何度も切り返してようやくUターン出来た。

よし、戻るぞ!と思った瞬間、俺の視界に何かが映りこむ。

それは、こんな山の中には居る筈も無い女性の姿だった。

細い道で崖を背にして俯いたまま道路の方を向いている。

白いワンピースが暗闇の中に浮かびあがり、不自然さが更に増していた。

胸まで伸びた髪で顔は見えなかったが、俺にはそれがすぐに人外のモノ

だと確信出来た。

俺は一瞬躊躇したが、道を戻るにはその女の横を通る以外に選択支はない。

俺は、出来るだけその女の姿が視界に入らないように、ヘッドランプの明かりを

ハイビームからロービームに変えて一気に車を発進させた。

車が近づいた時、一瞬、その女の顔が動いたかのように見えたが、

何事も無く、車はその女の横を通過できた。

そこで俺は再びヘッドライトの明かりをハイビームへと切り替えて、ひたすら

山道を下っていった。

しかし、どうもおかしい。

どれだけ下っても民家はおろか外灯の1つも見えてこない。

そんな事をしているうちに、俺は知らぬ間に再び道に迷う。

間違った道を戻っているのだから、いつか大きな県道に出るだろうと確信

していたが、それもあっけなく覆される。

俺はまたしても山道を登っていた。

しかも、どんどんと道が狭くなり傾斜もきつくなる。

更に、俺は今走っている道が、先ほど迷い込み走っていた山道と同じに

見えて仕方なかった。

そして、その疑念はすぐに確信へと変わった。

先ほど迷っていた時にUターンした場所と全く同じ景色の場所に出てしまったのだ。

俺は背中にベッタリと嫌な汗をかいていた。

しかし、俺はもうUターンする事は考えていなかった。

何故かUターンしても好み力は抜け出せない・・・。

そんな気がしていたから。

車はどんどんと狭くなる道を走り続けた。

しかし、山道であるならば、きっと山頂から別の降りる道が存在

している筈だ。

そんな何の根拠も無い希望におれは賭けていた。

しかし、俺が運転する車がたどり着いたのは、車1台がようやく通れる

道幅の前にある大きな石の前だった。

理由は分からないが、その石は、道を完全に塞ぐ形で其処に置かれていた。

そうとなれば、もう引き返すしか道は残されていなかった。

俺はヘッドライトを下向きにし、ギアをバックに入れて後ろ向きのまま

山道を下り出した。

シートから身を乗り出し完全に後ろを向いて俺は後方を目視で確認しながら

それなりの速度で山道を下った。

ゆっくりとした速度で降りた方が安全なのはわかっていたが、やはり

完全に暗闇に閉ざされた山道をゆっくりと降りるのは恐怖でしかなかったから、

俺は全神経を集中して、必死に山道を降りていた。

その時、突然、後部座席で寝ていた筈の妻と娘から悲鳴があがった。

前・・・・前!

何かを必死に訴えかけていた。

俺は少し速度を緩め、顔を車のフロントガラスに向けた。

すると、そこには、ゆっくりと歩いてこちらに近づいて来る1人の女

が映っていた。

それは白いワンピースを着た女であり、髪の長さも同じだったので、先ほどの

道で出くわした女と同じモノだとすぐに分かった。

しかし、何かがおかしかった。

いや、不自然と言った方が良いのかもしれない。

その女はゆっくりと歩く動作しかしていないにもかかわらず、それなりの

速度で下り続ける車に追いついてきていた。

そして、俺にはその女の顔がうっすらと笑っている様に見えた。

背筋に寒気が走った。

俺はもう前など見ている余裕はなく、ひたすら運転に集中した。

もしも、あの女に追いつかれたら・・・。

そう考えると、もう逃げるしか手は無かった。

後部座席からは、あいかわらず、

きゃー・・・もっと速く・・・・近づいて来るよ。・・・お父さん・・・。

そんな声が聞こえていたのだが、その声は突然ピタッと聞こえなくなった。

しかし、俺にはそんな事を気にしている余裕などなかった。

バックでの運転も慣れてくるとそれなりに速度を上げて走れるもので、

俺は自分でも驚くほどの速度で山道を下っていった。

そして、20分くらい下ったところで、1軒のコンビニの明かりが見えた。

やっと出られた・・・・。

そう思うと疲れが一気に押し寄せた。

とりあえず、コンビニの駐車場に車を停めて、俺は車外に出た。

すると、慌てて妻と娘も車外に飛び出してくる。

そして、開口一番・・・。

怖かったね・・・・助かって良かった!

そして、俺達はコンビニで熱い缶コーヒーを買って再び車に戻った。

そして、そこからは妻と娘が無言だった事を除けば、順調に走り、

そして無事に自宅へとたどり着いた。

そして、家の中に入るなり、妻と娘が大声を出した。

よくあんな状態で運転出来るね?と。

そして、話を聞いてみると、

山道を車が下りている時、あの女が運転席の窓に張りついていたそうで、

妻と娘はただひたすら恐怖し俯いていたという。

そしてコンビニから出た途端、またしても俺が運転する

助手席に山道で見た女が乗っていたそうだ。

そして、じっと俺の顔を間近から覗き込んでいたということだった。

そんな事は知る由もなかった俺は、それを聞いて再び恐怖に押しつぶされそうになった。

ちなみに、その女の姿は自宅近くまで来ると、消えてしまった、ということだった。

本当に追いてきていなければ良いのだが・・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 14:40Comments(27)