2017年12月12日

事故現場

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

こちら金沢は最低気温1度、最高気温6度

明日は、最低2度、最高5度

という状態です。

はっきり言って、寒い・・・です。

昨晩はお客さんの忘年会で、結局、午前3時

まで片町で飲んでました。

もう帰りたいオーラを出し続けていたんですが、

全く伝わりませんでしたね。

解散後は、そそくさと帰宅して寝ましたが、

今朝の寝起きは最悪でした(涙)

最近は朝の出勤時間帯でも飲酒検問やってますから、

ビクビクものでした(汗)

それでは、今夜も怖くない話、いってみましょう。

どうぞ~!



確か、数年前。

夕方の事故だったと記憶している。

通常、事故を見かけても、出来るだけ、事故車の方を見ないようにしている。

何故かと言えば、死亡事故だとすれば、気分も悪くなるし、何よりも

良くないものを連れ帰ってしまう危険があるから。

ただし、その時は、不思議と目がそちらに引き寄せられてしまった。

それは通常よりも沢山のパトカーや救急車、そして消防車まで来ており、

辺り一面が赤い回転灯で不気味に浮かび上がっていたから・・・。

とても悲惨な事故であり、車が完全にトラックの下に潜り込んでいた。

車からは路面に大量の血のような物が広がっていた。

車のドアから上の部分は完全に無くなっており、衝撃の凄まじさを

物語っていた。

あれじゃ、助かっていないな・・・・たぶん・・・・。

そして、その事故を見た俺は、運転する車の速度を落とした。

やはり、事故を見るたびに思う。

明日は我が身かもしれない・・・と。

そして、その事故現場を通り過ぎる時、俺は不思議な光景を目にする。

女性が、ぼんやりと事故現場の間近に立ち、車を見つめていた。

警察やら消防が忙しく動き回る中にあって、その女性だけは異質だった。

誰も気にしていないのか、それとも見えていないのか、とにかく

その女性は、まるで時間が止まってしまったように虚ろな目で事故車を

見ていた。

ヤバイ・・・・。

そう思った。

だから、俺は、急いでその場から立ち去ろうとした。

と、その瞬間、俺はその女性と目が合ってしまう。

まずい!

そう思った時にはもう遅かった。

酷い耳鳴りがしたかと思うと、突然ハンドルが左に取られた。

慌ててハンドルを持つ手に力を込めて何とか持ち堪えたのだが、車内が

とても嫌な空気に包まれていた。

無音・・・それで居て心臓の音だけがいように速く響いている。

俺は恐る恐るルームミラーで後部座席を確認しようとして固まった。

視線を動かした際、俺の視界には助手席に座る女が映ってしまった。

それは先ほど事故現場に立ち尽くしていた女に他ならなかった。

やっぱり・・・・。

俺はあえて気付かないフリをしたまま車を走らせる。

どうやら、その女は事故現場の様子が気になって仕方ないらしく、大きく

後ろを振り返りながら動かなかった。

俺は頭の中で必死に考えていた。

一体どうすれば良いか・・・ということを。

そして、1つの結論にたどり着く。

もう一度、あの事故現場に行くしかない・・・。

そう考えた俺は、何処か車をUターン出来そうな場所を探す。

暗闇の中、ついついスピードも出し過ぎてしまう。

その時、顔の横に何かが触れるのを感じて俺は思わず横を向いた。

そこには、先ほどの女が助手席から身を乗り出すようにして俺の顔を

覗き込む姿があった。

ひっ・・・・。

俺は思わず、小さな声を出してしまう。

そして、車を思わず路肩に停めてしまう。

すると、どうやらその女は泣いているようで、

私・・・しんだの?

どうしてこんな事に・・・。

と呟くのが聞こえる。

そして、今度は少し怒ったような口調に変わり、

痛かった・・・・痛かったの・・・。

わかる?とれくらい痛いのか・・・・。

そう言うと、自らの手を顔に持っていき、しっかりと両手で掴むと、

そのまま右へ左へ、と大きく揺すったかと思うと、一気に腕を振り下ろす。

その時、嫌な音を立てて、女の首が折れた。

俺は突然の出来事に、ただ呆然と見つめていたのだが、次の瞬間、

その女が、

これ・・・こんな感じ・・・・。

と言いながら、折れた首元を大きく捻り出した。

女の首がまるで雑巾のように絞られていき、千切れていくのが見えた。

もう、俺には限界だった。

俺は一気にドアを開けて車の外に飛び出した。

女の方は見ないようにした。

どんな状態なのかは、想像に難くなかったから・・・・。

それから、俺は呆然としたまま、その場に立ち尽くしていたが、ハッと

我に帰り、車内を見ると、もう女の姿は見えなくなっていた。

俺はその日の用事を取りやめて家に帰ることにした。

そして、その際、もう一度、先ほどの事故現場を通らなければいけない、と

思った。

何故なら、その女が俺の車ではなく、ちゃんと事故現場に戻れたのか、を

確認したかったからだ。

そして、その事故現場を再び通った時、事故車両を見つめる女の姿が見え、

俺はホッとして家に帰った。

不謹慎かもしれないが・・・・。

きっと、あの女は自分がどんな状態で死んでいるのかを知って欲しかった

のかもしれない。

俺は最後まで見る事はなかったが、きっと彼女の遺体は、体と首が・・・・。

今度からは車にもしっかりとAさんの護符を貼らなければ・・・・。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:35Comments(9)

2017年12月11日

空想が一人歩きを始める。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今夜はお客さんの忘年会の為、出かける前に

1話アップさせて頂きます。

それでは、今夜も怖くない話、

いってみましょう!

それでは、どうぞ~!




これは俺の友人の話である。

彼は漫画を書くのを趣味としている。

趣味といっても、実は昔から漫画家になるのが夢であり、仕事をしながら

漫画を描き続け、いつかプロの漫画家になるのが最終目標である。

そんな彼だから、仕事も熱中できず、出世など出来る筈も無く、

収入も少ない為、いまだに独身のままだ。

彼がいつも書いているのは、恋愛やSF系の漫画だった。

しかし、それを何度出版社に送っても、懸賞に応募しても、全く

評価されることは無かった。

自分には才能がある筈・・・・というのが彼の口癖だったが、さすがに

誰からも評価されない年月が長くなると、その自信も薄れてくる。

そこで、彼は最後の挑戦とのことで、それまでとは違うジャンルの漫画を

描き上げた。

それはホラー系の漫画であり、そこには彼がそれまで生きてきて、もしも

本当にそんなモノがいたら恐ろしいに違いない、と思っていたモノを

描ききった。

勿論、彼には心霊体験などある筈も無く、完全なる空想の世界の話である。

しかし、それを描きあげた後、意見が聞きたいとのことで、俺も読ませて

もらったのだが、正直、最後まで読む事は出来なかった。

それは面白くない、という理由からではなく、何か得体の知れない気持ち悪さを

感じたからだった。

正直、漫画に出てくる幽霊的なモノは、他の漫画にも出てくる様なモノであり、

確かに恐ろしい姿をした女だったが、それはホラー漫画では平均的なレベルの

ものだった。

しかし、読み続けていると、まるで何処かすぐ近くから、その女に見つめられている

ような圧迫感を感じてしまうのだ。

途中で読むのを止めた俺に、彼は、

どうした?

そんなに面白くないのか?

と聞いてきたが、

いや、そうじゃないんだけど・・・・。

ただ、もしかしたらこの本は危険なモノなのかもしれない・・・。

出来れば、このまま何処かのお寺にでも持ち込んで処分してもらった方が

良いのかもしれない・・・残念だけど・・・。

と答えるしか出来なかった。

それを聞いた彼は、俺の真意が伝わらなかった様で、それから彼とは疎遠になってしまう。

そして、その時もっとしっかりと彼を止めていれば・・・と俺自身、

後悔するような怪異が頻発する。

ことの始まりは、彼がその漫画を出版社に郵送で送った数日後だった。

出版社で、見知らぬ女の姿が目撃されるようになる。

トイレや給湯室はもとより、廊下やロビー、会議室、そして編集室と

いたるところで、その女が目撃された。

その手のホラー系の漫画を扱う出版社ではよくあることらしいが、どうやら

それは常識的レベルを超えていたらしく、そこに現れる女は、まさに彼が

漫画の中に描いた女の姿とそっくりだった。

更に、その出版社では、社員が次々に怪我や事故に遭ってしまい、結局

彼の漫画はすぐに彼の元に送り返されてきた。

そこには、

故意か偶然かはわかりませんが、二度と当出版社との関わりをお断りします。

そして、すぐにこの原稿を処分される事を希望します。

という内容の書面が同封されていた。

それを聞いたとき、俺は、やはり・・・・という気持ちになった。

何故なら、その漫画を読んでからというもの、常に誰かに監視されている

気配があり、そして、数日間に及び、毎夜、夢の中にあの女が出てきて、

じっと俺を睨んでいる、という状況が続いていたから・・・。

しかし、そんな現実も彼には通じなかったらしい。

彼はそれからも別の出版社に漫画の原稿を送っては、同じように、辛辣な書面と

共に原稿を送り返された。

そうなると、さすがに彼も気持ち悪くなったらしいが、苦労して描いた原稿を

捨てる勇気もなく、その原稿は彼の部屋で埃をかぶる事になる。

すると、それからは彼の友人や知人、そして近所の住人の間でも、見知らぬ気持ち悪い

女の姿を見たという噂が流れ始める。

ある者は昼間の公園で子供に声をかけているのを見た。

また、ある者は夜の駅で、ふらふらと何かを探している姿を見た。

そして、それは朝昼夜、関係なく至るところに現れるのだが、その姿はどう考えても

普通の人間には見えないもので、背丈が2メートルを超え、骨と皮だけのような

風貌で、白く汚れたコートを着ているという共通した目撃情報があった。

だから、彼はどうしてもその女の姿を自分の目で見てみたくなり、仕事を休んで

その女の姿を探し始める。

本当に見つかるのか?と思っていたが、それはいとも簡単に遭遇する事が出来た。

彼がその女に遭遇した時、その女は、公園のジャングルジムの上で、どこかの

猫を一心不乱に貪っていた。

女の口から滴る血が、その姿を一層不気味なものにしていたが、それは

彼には一目見て、彼が漫画の中に描いた女である事が直感的に分かったという。

そして、彼に気付いた女は、ニッコリと彼に笑いかけたかと思うと、まるで

蜃気楼のように消えてしまったという事だ。

現在、その漫画の原稿は、とあるお寺に厳重に保管されている。

結局、その後、彼の身の回りに怪異と実害が及ぶ事態になり、彼は俺に

相談してきた。

どうすれば良い?

と聞く彼に、俺はとあるお寺で封印することを勧めた。

そして、今、その漫画はそのお寺に封印されており、怪異は完全に収まっている。

今回の件で、俺はある話を思い出した。

それは、かの有名な四谷怪談である。

実在したお岩という女性は、夫婦円満で商売もうまくいき、幸せな人生を

送ったらしい。

それを鶴屋南北なる作者が、あくまで空想の話として、お岩さんという

女性を主人公にして四谷怪談というおどろおどろしい怪談を書き上げた。

そして、それはこの現代においても、呪われた逸話を残している。

歌舞伎役者や映画俳優が四谷怪談を演じる時、必ず於岩稲荷(神社)を

お参りするのが決まりになっている。

それは過去にそれを怠った役者や監督、関係者が不慮の死を遂げているから。

しかし、もともと江戸時代から続く、於岩稲荷(神社)というのは、夫婦円満と

商売繁盛をお願いする為の神社なのである。

だから、四谷怪談という話も、鶴屋南北という作者の空想が勝手に一人歩きを

始めた事による怪異や呪いだと思うからである。

実は、世の中にはまだまだ、この手の話が沢山存在する。

彼の漫画に拘わる怪異が永遠に封印される事を願って止まない。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:21Comments(14)

2017年12月10日

たまには・・・お気に入り動画!

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、わんばんこ。

本日、2回目の更新になります。

通夜の帰り道での怪異、に関するコメントで

はるた冷凍雲様より、その時のその時、

カーナビはどうなっていたのか?という質問が

ありましたが、実を言うとその時、カーナビは

ずっと青森県の竜飛崎近辺を指しておりました(泣)

勿論、妻と娘には話しておりませんが・・・・。

ちなみに、そのうちの大監督は本日の演技、

大成功のようで、現在、妻と鍋パーティ中です(笑)

そして、今夜は私のお気に入りの動画をご紹介

したいと思います。

どれも怖そうなタイトルですが、笑えます。

なので、恐れることなくご覧ください。

結構、有名な動画かもしれませんので、

知っている方も多いかもしれませんが。

それでは、どうぞ!

まずは、JAFが作ったリングの貞子をパロった動画です。

①恐怖! かからないエンジン
https://www.youtube.com/watch?v=0V_hA8ybrFU&index=1&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw


②恐怖!電流地獄
https://www.youtube.com/watch?v=GQVySfBSySc&index=2&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

③恐怖!開かないドア
https://www.youtube.com/watch?v=EMW_Ru3mz5I&index=3&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

④恐怖のタイヤ交換
https://www.youtube.com/watch?v=vNGxq1XmCaY&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw&index=4

⑤恐怖!動かないハンドル
https://www.youtube.com/watch?v=E4O9AYskFoc&index=5&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

⑥恐怖!灼熱地獄
https://www.youtube.com/watch?v=MmdkZpbmOr8&index=6&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

⑦恐怖!ボルト緩み事件
https://www.youtube.com/watch?v=eA3I6Jx2DsU&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw&index=7

⑧恐怖のエンジンオイル
https://www.youtube.com/watch?v=Pn9cGoLyPuY&index=8&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

⑨恐怖!キーインロック
https://www.youtube.com/watch?v=QE4uv-KiXng&index=9&list=PLJfKB1Jtrvvu9iCTxz_GwWz-H6gJKu1nw

おまけ
映画エイリアンVSプレデターの公式パロディCM
https://www.youtube.com/watch?v=G8k5I_aWQKI

本当にどれも怖くありませんので(笑)

宜しかったら、どうぞ!(笑)


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:50Comments(4)

2017年12月10日

奇跡のクリスマスツリー

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

昨晩、暇だったので、過去の記事のタグを

確認してみました。

怖い話→怖し話・・・になっていたり、

色々と間違いが多数見つかりました。

もしも、『怖い話』や『怖くない話』で検索されている方が

いらっしゃるならば、もしかすると、まだ読んでいない話が

見つかるかもしれません。

ちなみに、今日はうちの大監督の演劇の発表会です。

なんと、今回は劇の主役だそうです。

お陰で家の中が静かで落ち着きます(笑)

ということで、今日も早めの時間にいってみましょう。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!




その日、友人は完全に道に迷っていた。

世間はクリスマスで盛り上がっているというのに、彼にはそんな余裕

など微塵も無かった。

いや、嫌な事を忘れる為に、彼には仕事に没頭するしかなかったのかもしれない。

彼は仲間内でも誰よりも早く結婚し、可愛い子供にも恵まれた。

仕事は、コンピュータ関係の会社でシステムエンジニアという花形とも

いえる職種に就いていた。

収入にも恵まれ、綺麗な奥さんと、可愛い一人娘。

本当に、絵に書いた様な幸せな家庭だった。

しかし、ある日を境にして、彼の人生は大きく狂い始める。

交通事故で、まだ小学校低学年だった娘さんが亡くなったのだ。

その時、彼は仕事で遠方に出かけており、知らせを聞いて駆けつけた時には

娘さんは既に亡くなっていた。

そして、それが奥さんには許せなかったらしく、それから間もなく彼に

離婚届が突きつけられた。

彼は、何とか思い留まらせる事が出来ないものか、と説得したが、

奥さんの意志は固く、彼は離婚を受け入れた。

ただ、彼が娘さんの死に目に会えなかったのは不可抗力であり、なにより、

その事を一番悔いているのは紛れもない彼自身だった。

だから、彼は娘を失った悲しみと妻と別れた悲しみ、そして、娘さんの死に目に

間に合わなかった負い目を背負いながら生きていく事になった。

彼はその時点で自暴自棄になっていたのかもしれない。

すぐに、それまで勤めていた会社を辞めて、それまでのキャリアとは

全く関係の無い職業へと転職した。

収入も少なく、かなりの肉体労働を伴う仕事は、彼自身、辛いものだったが、

そんな環境の中でがむしゃらに仕事に精を出している時だけは、それらの悲しみ

や辛さを忘れる事が出来た。

そんな感じだった。

そして、その時の彼は、クリスマスイブの夜だというのに、まだ営業車の中にいた。

もっとも、今の自宅であるアパートに戻っても、何もする事は無く、逆に

クリスマスの賑やかさが彼には苦痛でしかなかったのだから、仕方ない

のかもしれないが・・・。

遠方への出張の帰り道、あいにくの大雪に遭ってしまい、道は渋滞で完全に

マヒしていた。

トラックや営業車が数珠なりに連なった渋滞の列は、どれだけ待っていても

いっこうに進まなかった。

それに、彼の車は、すでにガソリンの残量にかなり不安があった。

このまま、渋滞の中で、ガソリンが切れてエンジンが止まったら・・・。

勿論、その時の彼は、凍死する事など全く恐れてはいなかったが、それでも、

自分の車が止まってしまっては他の車に迷惑が掛かる。

それならば・・・。

そう思ったのが、間違いの始まりだった。

彼は、見ず知らずの道であるにもかかわらず、現在停まっている国道を

外れて、脇道に入っていった。

確かに、方向的には間違いなかったのかもしれないが、彼が入った脇道は、

進んでいくうちに、二股、そして三股と分岐しており、更に道はどんどんと

細くなっていく。

更に、大雪の為、どこまでが道なのか、全く分からなくなっていた。

道を振り外せば、間違いなく影下に落ちてしまう・・・そんな状況だった。

どこまで行っても、他の車の轍さえも無く、さすがの彼も不安に襲われる。

もうずく亡くなった娘の三回忌。

それだけはきちんとしてあげたかった。

だから、彼は眠い目を擦りながら必死に運転を続けた。

しかし、相変わらず、道は車がようやく1台通れる位の道幅しかなく、

更に幾重にも分岐している。

更に、どうやら、彼はその山道をグルグルと回っているらしく、走っているうちに、

先ほど自分の車が通ったタイヤの跡を発見する。

どうなってるんだ?

いよいよ、寝残りのガソリンも残り少なくなっていた。

その時、彼は自分の車が先ほど通ったタイヤの跡に並んで、小さな子供の靴跡を

見つける。

こんな夜更けに、こんな山の中で?

彼は不思議に思ったが、次の瞬間、彼の目に信じられないものが飛び込んでくる。

それは、亡くなったはずの彼の一人娘の姿だった。

娘は、わざわざ車のヘッドライトが照らす場所まで出てきて、彼に両手を振って

笑いかけてくれた。

彼は、夢なのか?と思い、車を降りようとしたが、それを見た娘は、大きく

首を横に振って、降りてきては駄目だと言う。

そして、彼に背中を向けると、そのままテクテクと歩き出し、少し離れると、

彼に手招きをして合図してきた。

彼は何が起こっているのか、全く理解出来なかったが、それでも娘の言うとおり、

車から降りずに、娘の後を追いていくことにした。

少し歩いてはこちらを向き、手招きする。

その姿は、娘が生まれて初めて雪を見て、大はしゃぎしていた時に着ていた

防寒用の子供服と子供用のブーツを履いた愛らしい姿だった。

その姿を見ていると、それまでの不安感は何処かへ消えてしまい、可愛い娘の姿を

追う事だけに集中していた。

娘が自分を何処に連れて行こうとしているのか?

そんな事はどうでも良かった。

死に目に会えなかった一人娘に会えた事が彼には言葉に出来ない位に

嬉しかった。

そうしていると、今度は前方に大きな明かりが見えた。

すると、娘はもう振り返らずに、その明かり目指して走り出した。

彼は慌てて車の速度を上げて、娘を追いかけるのだが、何故か娘の走る速さは

人間離れしており、彼はやっとの思いで娘に追いていった。

それから、どれ位走っただろうか・・・・。

突然、娘が立ち止まる。

そして、彼の車に走り寄って来ると、小さな指で前方を指差した。

そして、小さな指で運転席の窓ガラスに、

パパ・・・だいすき

と書いてくれた。

それを見た彼が再び車から降りようとしたのだが、娘は悲しそうな顔で、

再び、首を横に振った。

それでも、彼が我慢しきれないでいると、何処からが娘の声が聞こえてきた。

パパ・・・あのひかりにむかって・・・。

さよならだよ・・・。

そう聞こえた。

彼は、とにかく娘の言うとおりにしようと思い、そこから一気に車を走らせた。

バックミラーを見ると、小さな娘がいつまでも小さな手を振っているのが見えて

涙が止まらなかった。

それでも、必死に、娘が指し示した光に向かって車を走らせていくと、彼の目の前には

突然、大きなクリスマスツリーが現れた。

色んな光がキラキラと点滅するとても大きなツリーだった。

彼は、それを見た時、もしかすると天国に来たのかも、と思ったらしいが、

どうやら、そこは大きなショッピングセンターに展示されている

クリスマスツリーだということがわかった。

彼はしばらくそのツリーに見とれていたが、やはり娘は自分を助ける為に

出てきてくれたのだ、と思うと、再び涙が止まらなくなった。

そこからは、彼は渋滞に巻き込まれる事も無く、無事にアパートに

戻る事が出来たという。

そして、娘さんが起こした奇跡はそれだけではなかったらしく、その後、

離婚した奥さんと再び籍を入れ、今は夫婦仲良く暮らしているということだ。

何故なら、娘さんの一番の願いは、パパとママに自分の分まで仲良く一緒に

暮らして欲しいというものだったのだから・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 15:20Comments(17)

2017年12月09日

通夜の帰り道での怪異

サインディスプレイ部  営業Kです。

皆様、お疲れ様です。

先日、通夜の帰りに家族に起こった

怪異に関しては、アップ出来ないと

書きましたが、編集者様のご好意で、

皆さんが読みたいでしょうからどうぞ!

との言葉を頂きましたので、本日、

アップさせて頂きます。

(という事で、この話は本には載せられません)

皆さんも、やはり忘年会の方も多いみたい

ですが、体調にはお気をつけください。

まあ、私が言っても説得力は無いと思いますが(笑)

ちなみに、私は来週の忘年会ラッシュに備えて

今夜はおとなしく家で過ごします。

まあ、本当はクリスマスライブの練習が全然

出来ていないから・・・なんですけどね(涙)

ということで、今日は早めにいってみましょう。

怖くない話。

それでは、どうぞ!




これは俺と家族がつい昨日、体験した話である。

母方の祖母が亡くなった。

能登の田舎町に生まれ、そして生きてきた祖母は結局、その狭い

地域の中だけで一生を過ごした。

高齢になってからは痴呆との闘いの中で余生を過ごしてきた祖母だったが

たまに記憶が戻った時などは、相変わらず俺たち孫を心配し

可愛がってくれた。

そんな祖母が98年という長い生涯を閉じたのだ。

かなり変則的な日程での葬儀となったが、それでも参列しない

訳にはいかなかった。

そして、それは日曜日の夜に執り行われた通夜の夜の事だった。

通夜は、午後8時には終わり、それから親戚とのやり取りも

あって、通夜会場から帰る頃にはもう時刻は午後の10時を

回っていた。

金沢から能登まで延びる自動車道。

そして、その道を下りてからは、県道を1時間ほど走らなければ

ならなかった。

そして、当然、帰りも、行きの行程を戻る事になる。

そして、会場を出る頃にはまだ11月の半ばだというのにかなり激しく

雪が舞い出した。

道路はみるみるうちに雪で白くなったが、念の為にとスタッドレスタイヤに

履き変えてきて正解だった。

そんな雪を見て、後部座席の妻が言った。

もしかしたら、おばあさんがあなたに帰って欲しくないのかもね。

確かに、そう言われれば、そうなのかもしれない。

その日のうちに帰るのは翌日の朝から仕事の予定が山積している俺と

その家族だけだったのだから。

車は順調に走っていた。

元来た道を戻るだけなのだから簡単な話だ。

本来ならば・・・。

自動車道を降りてから県道を道なりに走るだけ。

だから、道を間違う事などありえない。

しかし、俺は突然知らない道に迷い込む。

その時には後部座席にいる妻も娘も疲れの為か、ぐっすりと眠っていた。

そんな状況の中で俺は、気が付くと知らない場所を走っていた。

仕事で営業をしているから、こんな田舎の裏道にもそこそこ精通している

つもりだったのだが、その場所には全く見覚えが無かった。

というよりも、その県道は海沿いを走っている道であり、山など

近くに存在していない。

それなのに、気がつくと、俺はどう考えても山の中の細く暗い道を

ヘッドライトの明かりだけを頼りにひたすら車を走らせていた。

民家など在るはずも無く、外灯もない。

そして、道はどんどん細くなっていき傾斜も急になっていく。

さすがの俺もその時点で車を停めてUターンする事にした。

しかし、道幅はかなり狭く、何度も切り返してようやくUターン出来た。

よし、戻るぞ!と思った瞬間、俺の視界に何かが映りこむ。

それは、こんな山の中には居る筈も無い女性の姿だった。

細い道で崖を背にして俯いたまま道路の方を向いている。

白いワンピースが暗闇の中に浮かびあがり、不自然さが更に増していた。

胸まで伸びた髪で顔は見えなかったが、俺にはそれがすぐに人外のモノ

だと確信出来た。

俺は一瞬躊躇したが、道を戻るにはその女の横を通る以外に選択支はない。

俺は、出来るだけその女の姿が視界に入らないように、ヘッドランプの明かりを

ハイビームからロービームに変えて一気に車を発進させた。

車が近づいた時、一瞬、その女の顔が動いたかのように見えたが、

何事も無く、車はその女の横を通過できた。

そこで俺は再びヘッドライトの明かりをハイビームへと切り替えて、ひたすら

山道を下っていった。

しかし、どうもおかしい。

どれだけ下っても民家はおろか外灯の1つも見えてこない。

そんな事をしているうちに、俺は知らぬ間に再び道に迷う。

間違った道を戻っているのだから、いつか大きな県道に出るだろうと確信

していたが、それもあっけなく覆される。

俺はまたしても山道を登っていた。

しかも、どんどんと道が狭くなり傾斜もきつくなる。

更に、俺は今走っている道が、先ほど迷い込み走っていた山道と同じに

見えて仕方なかった。

そして、その疑念はすぐに確信へと変わった。

先ほど迷っていた時にUターンした場所と全く同じ景色の場所に出てしまったのだ。

俺は背中にベッタリと嫌な汗をかいていた。

しかし、俺はもうUターンする事は考えていなかった。

何故かUターンしても好み力は抜け出せない・・・。

そんな気がしていたから。

車はどんどんと狭くなる道を走り続けた。

しかし、山道であるならば、きっと山頂から別の降りる道が存在

している筈だ。

そんな何の根拠も無い希望におれは賭けていた。

しかし、俺が運転する車がたどり着いたのは、車1台がようやく通れる

道幅の前にある大きな石の前だった。

理由は分からないが、その石は、道を完全に塞ぐ形で其処に置かれていた。

そうとなれば、もう引き返すしか道は残されていなかった。

俺はヘッドライトを下向きにし、ギアをバックに入れて後ろ向きのまま

山道を下り出した。

シートから身を乗り出し完全に後ろを向いて俺は後方を目視で確認しながら

それなりの速度で山道を下った。

ゆっくりとした速度で降りた方が安全なのはわかっていたが、やはり

完全に暗闇に閉ざされた山道をゆっくりと降りるのは恐怖でしかなかったから、

俺は全神経を集中して、必死に山道を降りていた。

その時、突然、後部座席で寝ていた筈の妻と娘から悲鳴があがった。

前・・・・前!

何かを必死に訴えかけていた。

俺は少し速度を緩め、顔を車のフロントガラスに向けた。

すると、そこには、ゆっくりと歩いてこちらに近づいて来る1人の女

が映っていた。

それは白いワンピースを着た女であり、髪の長さも同じだったので、先ほどの

道で出くわした女と同じモノだとすぐに分かった。

しかし、何かがおかしかった。

いや、不自然と言った方が良いのかもしれない。

その女はゆっくりと歩く動作しかしていないにもかかわらず、それなりの

速度で下り続ける車に追いついてきていた。

そして、俺にはその女の顔がうっすらと笑っている様に見えた。

背筋に寒気が走った。

俺はもう前など見ている余裕はなく、ひたすら運転に集中した。

もしも、あの女に追いつかれたら・・・。

そう考えると、もう逃げるしか手は無かった。

後部座席からは、あいかわらず、

きゃー・・・もっと速く・・・・近づいて来るよ。・・・お父さん・・・。

そんな声が聞こえていたのだが、その声は突然ピタッと聞こえなくなった。

しかし、俺にはそんな事を気にしている余裕などなかった。

バックでの運転も慣れてくるとそれなりに速度を上げて走れるもので、

俺は自分でも驚くほどの速度で山道を下っていった。

そして、20分くらい下ったところで、1軒のコンビニの明かりが見えた。

やっと出られた・・・・。

そう思うと疲れが一気に押し寄せた。

とりあえず、コンビニの駐車場に車を停めて、俺は車外に出た。

すると、慌てて妻と娘も車外に飛び出してくる。

そして、開口一番・・・。

怖かったね・・・・助かって良かった!

そして、俺達はコンビニで熱い缶コーヒーを買って再び車に戻った。

そして、そこからは妻と娘が無言だった事を除けば、順調に走り、

そして無事に自宅へとたどり着いた。

そして、家の中に入るなり、妻と娘が大声を出した。

よくあんな状態で運転出来るね?と。

そして、話を聞いてみると、

山道を車が下りている時、あの女が運転席の窓に張りついていたそうで、

妻と娘はただひたすら恐怖し俯いていたという。

そしてコンビニから出た途端、またしても俺が運転する

助手席に山道で見た女が乗っていたそうだ。

そして、じっと俺の顔を間近から覗き込んでいたということだった。

そんな事は知る由もなかった俺は、それを聞いて再び恐怖に押しつぶされそうになった。

ちなみに、その女の姿は自宅近くまで来ると、消えてしまった、ということだった。

本当に追いてきていなければ良いのだが・・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 14:40Comments(25)

2017年12月08日

神戸市鈴蘭台での・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

昨晩はお客さんの忘年会でいつもの

片町で飲み明かしてきました。

ちなみに、来週の月曜も忘年会、そして、

週末など関係なく怒涛の忘年会ラッシュが

待っております。

そして、毎年恒例のクリスマス・ライブも

予定通り行われますので、かなりの

ハードスケジュール・・・です。

ちなみに、うちの大監督は、来週に演劇の

発表会があるらしく、土日も学校・・だそうです。

ちなみに、最近、外国からの宅急便が我が家に

毎日のように届きます。

勿論、荷受人は、大監督の名前が・・・。

どうやら、ネットでこっそり(バレバレですが)

コスプレの衣装や小道具を買い漁っているようです。

まあ、熱中できるものがあるのは良い事なのですが、

購入資金はいったい何処から?(涙)

これくらい勉強も頑張ってくれると嬉しいのですが。

ということで、今夜はいってみましょう。

怖くない話。

神戸の大学生時代の話になります。

それでは、どうぞ!



これは俺の大学時代の友人の話である。

大学時代は、ろくに大学にも顔を出さず、バイクとバイトに明け暮れていた。

神戸という土地柄なのか、やはり走るのは六甲山が多かった。

裏六甲や芦有がメインであり、夕方になると、自宅組、を含めて、皆が六甲山

目指して走った。

そんな中に、1人の友人がいた。

実家が西区の伊川谷であり、六甲山に来る時にはいつも鈴蘭台という街を

経由して来ていた。

彼の乗るバイクは、カワサキの1100cc。

派手さはないが、堅実な走りでとても速かったのを記憶している。

実は、彼は1度、クラブのツーリング時に、トラックと正面衝突をし、バイクは

廃車になったが、彼は無傷という偉業を達成した事でも知られていた。

その日も彼は大学の授業が無かったので昼間からバイトに入り、夕方には

自宅に戻ってバイクで出掛ける準備をした。

そして、夕飯を食べ、夜8時頃には六甲山を目指して自宅を出発した。

やはり昼間はバイクの数が異様に多く気持ちよく走れないのだが、夜ともなれば

走っているのは、かなりの常連達ばかりであり、その中には大学の友人達も

いる為、夜に六甲山を走る事は彼の日課になってしまっていた。

通常、西区辺りから六甲山を目指す場合、国道2号線を走るのが普通

なのだが、彼の場合、六甲山に至るまでの行程も楽しみの一つであり、

いつも敢えて山越えの道になる鈴蘭台経由の道を選んだ。

しかし、その日はいつもとは違っていた。

彼が走る道すがら、車や人には一切すれ違わなかった。

確かに当時は新興住宅地という印象が強かった地域だが、それまでに

そんな事は経験した事は無かった。

今日は不思議な日だなぁ・・・。

彼はそんな事を考えながら、それでもしっかりとバイクを走らせていた。

暗闇の中をバイクの明かりだけを頼りに走った。

まるでゴーストタウンの中を彼1人だけが走っているかのように、

バイクの音だけが町中に響いていた。

と、突然、彼の目の前を何かが横切った。

たぶん小動物の類か子供のどちらかだと思ったという。

彼は思いっきりブレーキをかけた。

すると、路面に砂でも浮いていたのか、その瞬間、バイクはあっけなくバランスを

崩し、彼はバイクから放り出されてしまう。

スピードはそれほど出ていなかった筈だが、路面に叩きつけられた彼の体は

至るところから激痛が走っていた。

腕と足を動かそうとしたが、全く動かなかった。

きっと骨が折れているのだと思った。

確かにそれほどの痛みだった。

彼は、天を仰ぎ道路に仰向けになった。

声を出そうとしたがヘルメットを脱げない状態では大声など出しても

周りの民家に聞こえる可能性は低かった。

だから、彼はそのまま仰向けで誰かが通りかかるのを待つ事にした。

実際、道路に倒れたままでは二重事故の危険もあったのだが、手足が全く

動かない状態では、そうするしか方法はなかった。

どれだけ時間が経ったのだろうか・・・。

幾ら待っても誰もその場所を通りかかる者は居なかった。

季節は冬。

雪は降っていないとはいえ、かなりの寒さであり、実際彼の体温は急速に

奪われていく。

彼はその時、初めて凍死の恐怖というものを感じた。

全身に革ツナギとグローブ、そしてブーツ、ヘルメットを纏っていたが、

革製品など冷え始めたらどんどんと体温を奪っていくらしい。

冷たさによって痛みもほとんど感じなくなっていた。

すると、その時、道路の向こうから何かが近づいて来る。

それは遠目に見ると、まるで子供達の集団下校の様に見えたという。

子供でも誰でも良いから、早く気付いて欲しい・・・・・。

彼はそう思いながら、近づいて来る一団をじっと見ていた。

しかし、その一団の姿がはっきりと見えたとき、彼は声を掛ける事は出来なかった。

何故なら、こちらに向かって歩いてくるのは、僧侶の一団だったのだから。

しかも、その誰もが汚い布キレだけを体に纏い、そしてお経のようなものを

唱えながら歩いてくるのだ。

だから、その時彼は、救助よりも恐怖が勝ってしまった。

僧侶達は、言葉では上手く説明出来ないほど、不気味な雰囲気を醸し出していた。

その身長はまるでお地蔵様のように低く、それでいて、お経を唱える声は

まるで地の底から響いてくるように低く凄みがあった。

そんな僧侶が2例に並んだ状態で20人ほど歩いてくるのだから、

恐怖で固まってしまうのも仕方なかった。

だから、彼はその一団が通り過ぎるのを待つ事にした。

早く通り過ぎてくれ・・・・。

そう思い、出来るだけ目立たないようにその場に体を伏せる。

だが、その一団が彼のすぐ側までやってきた時、彼は更なる恐怖で

言葉を失う。

彼の前を通り過ぎる僧侶、一人ひとりが、倒れている彼の顔を覗き込む様に

しながら通っていくのだ。

それでも、彼はジッと堪えていたらしい。

しかし、その一団が通り過ぎようとした時、彼の体は何かに引き摺られた。

一体何が起こっているのか、全く分からなかったという。

しかし、その一団の最後の僧侶が通り過ぎたと同時に彼の体はまるで

体のどこかにロープでもくくり付けられたかのように、突然体を

持って行かれた。

彼はそこそこ大柄な男であったが、その体をまるで人形でも引き摺る

かのように、いとも簡単に引き摺っていくのだ。

僧侶の歩く速度は速くなかったので、擦り傷が出来る程ではなかったが、

それでも彼を恐怖のどん底に突き落とすには十分だった。

彼は自分の体を目視して、いったい何処にロープをかけられているのか、を

確かめようとしたが、どこにもそんなモノはかけられていなかった。

例えるならまるで強力な磁石で引きつけられてているかのような感覚。

それに気付いた時には、自分のバイクからかなり離れた場所まで来ていた。

そして、もう少し進むと、ガードレールも無い様な山の中へ入ってしまう、と

いうところで、彼は何とか身をよじり、ガードレールに腕を絡める事に

成功した。

それでも、彼の体は何かに引き付けられる様に凄まじい力で引っ張られていたが、

彼は、死に物狂いで必死にガードレールに絡めた腕に力を込め続けた。

と、突然、彼の体を引っ張る力が消えた。

彼は何が起こったのかと、顔を上げて確認しようとした。

その時、彼の目に映ったのは、彼を取り囲むように間近で

彼の顔を覗き込んでいる沢山の僧侶達の顔だった。

その顔には目というものは無く、おびただしく爛れた肌と腐って落ちかけている

耳、そして、その口元の形からはそれらのモノ達が怒っているのが如実に

伝わってきたという。

彼はその瞬間、意識を失った。

そして、次に目が覚めたのは病院へ搬送される救急車の中だった。

また後日、分かった事なのだが、その時、彼の血足は骨折などしていなかったらしく、

何故動かなくなっていたのかは謎だという。

そして、転倒したバイクには車体の至るところにベタベタとした黒い手の跡が

残されていたということである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:33Comments(14)

2017年12月06日

ボーイスカウトでの体験談

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様でございます。

こちら、金沢は、いかにも冬到来・・といった感じで

寒い1日になりました。

うちの大監督は、今日は寒いにもかかわらず、

薄着で学校に行き、寒い寒いと言いながら、

ご帰宅。

そのまま、妻を説得して、暖かいものを食べに行ったのですが、

帰って来てから、

何食べたの?うどん?ラーメン?

と聞くと、

焼肉・・・・という答えが返ってきました(涙)

まあ、確かに焼肉も暖かい、というか熱いですけどね。

妻をうまく丸め込む話術だけは、さすが、

大監督です(泣)

あっ、ちなみに明日は仕事関係の忘年会です。

アップ出来なかったらごめんなさい。

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう。

それでは、どうぞ!




これは俺が体験した話である。

かなり以前、子供の頃にはボーイスカウトというものに入っていた。

ロープの結び方や手旗信号、そしてアウトドアでの生活などを体験させてくれる

ものであり、そこではマナーや礼儀というものも教えられた気がする。

そして、これはそんなボーイスカウトの行事の一環として、石川県の穴水という

所で行われた合同ミーティングに参加した時の話である。

それは北陸三県のボーイスカウト団体が一同に集まるというイベントであり、

その時もかなりの人数が集まっていた。

昼間はそれぞれが幾つかのチームに分かれて自然の中で自然のものを

出来る限り利用して食事を作りそれを競い合ったり、色々な

レクリエーションで盛り上がった。

その後、夜に備えて、テントを張る準備に入る。

さすがにそれだけ大勢が集まってキャンプを張っていると、まるで

何も無い地面の上に色んな色の花が咲いたようにとても綺麗だった

のを覚えている。

その後は、夜になるまでテントの中で自由行動。

そして、いよいよ夜になると、巨大なキャンプファイヤーを囲んで

様々なレクリエーションが行われた。

その後、各ボーイスカウト隊による歌や踊りのパフォーマンスが行われた。

今にして思えば、決してレベルの高いものではなかったが、キャンプファイヤーの

火の周りで行われると、それがとても楽しく思えたのだから不思議だ。

その後、最後の企画として、全員が輪になってキャンプファイヤーを

囲むようにして手を繋ぎ、色んな歌や簡単な踊りが行われた。

その時、誰かが言った。

何か、人数増えていないか?

絶対に多過ぎるだろ?

その言葉は手を繋いだ輪の中へ一気に広まっていく。

火に照らされただけの明かりの中で、全員が疑心暗鬼に周りを見渡す。

確かに、昼間見た時は、ボーイスカウトの人数は200名ほどだった。

しかし、今、手を繋いでいる輪には、どう少なく見ても500人以上の

人間が居るのがわかる。

そのうち、キャンプファイヤーの輪の至る所から悲鳴のような声が聞こえ、

その場は一気にパニック状態になった。

その場を取り仕切る大人達にも、その異常さが伝わったのか、突然、

手を繋ぐのをすぐに止めて、それぞれのテントに入るように指示が出た。

その時、俺を含めて、数人が見てしまった。

暗闇の中を、林の中へと帰っていく集団を・・・。

暗くてよく見えなかったが、人間のシルエットをしたそれらは、まるで

生気の無い動きで、ゆっくりと森の中へと消えていった。

その後、キャンプファイヤーは中止になり、それぞれがテントの中で

就寝するように指示が出た。

俺たちは、恐怖で目が冴えてしまい、全く眠りにつけなかった。

そして、そのうち、キャンプファイヤーの火が完全に消えてしまったのだろう。

辺りが一気に漆黒の闇に変わる。

すると、テントの周りをゴソゴソと動き回る音が聞こえてきた。

俺たちは、その誰もが森の中へ消えていったモノ達の事を思い出し、

恐怖に体が震えた。

と、突然、暗闇の中で大きな悲鳴が聞こえた。

しかも、至る所から・・・・。

もしかしたら、あいつらに誰かが連れて行かれたのか?

そう思うと、居ても立ってもいられなかった。

すると、突然、またキャンプファイヤーの火が点され、辺りがうっすらと

明るくなった。

その後、大人達がテントに回ってきて、キャンプファイヤーの周りで

朝が来るまで待機するように言われた。

俺たちは、我先にとキャンプファイヤーの火の周りに集まり、体を寄せ合いながら

朝が来るまで震えていた。

そして、無事、朝が来ると、急いでその場から撤収の指示が出された。

その時の大人達の困惑した、疲れ果てた顔を見ると、昨夜の出来事が

更に恐ろしいものだったのだと実感した。

その後、何処かのグループのボーイスカウトが数人行方不明だという噂が

たったのだが、その事を尋ねても、どの大人達も話を逸らし答えてはくれなかった。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:16Comments(19)

2017年12月04日

車の窓に・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

最近ではすっかり元気を取り戻したうちの大監督は

現在テスト期間中です。

で、明日で試験が終わるので、帰りにカラオケ三昧

だそうです(涙)

でも、相変わらず1人では寝られないみたいで、

何かと理由を付けて妻のベッドに転がり込んでます(笑)

それはそうと、ブログの再開に関して沢山の暖かいコメントを

頂きまして本当にありがとうございます。

もしかすると、また何かの怪異に遭ってしまい、ブログを

お休みする事があるかもしれませんが、決して辞める事は

ありませんので、長い目で見てやってください。

ユルユルと更新していきますので、宜しくお願い致します。

それでは、短いですがこんんやも怖くない話、

いってみましょう!

似たような話はあると思うのですが、これも私が

直に聞いた実話ですのでご理解ください。

それでは、どうぞ!



おれの友人にとても車好きな男がいる。

だから、それまでは常にスポーツタイプの車に乗っていたのだが、

結婚し、子供が生まれると、やはり何かと不便になった。

そこで、大人数が快適に乗れるワゴン車を中古で探した。

ただワゴン車というのはそれなりに人気があるらしく、なかなか

予算内で車を見つける事が出来なかった。

そんなある日、偶然通りかかった中古車屋に、ありえない値段の

ワゴン車が売られており、彼は思わず店に飛び込んだ。

まだ新しい部類の人気車種が、相場の半値以下で売られていたのだから、

それも仕方ないのかもしれない。

彼は、とりあえず車を見せて貰うと、汚れも無く程度は良かった。

そこで、他の客に買われては大変と、その場で契約をしてしまう。

車が納車されると、家族は大喜びでその車を歓迎したが、子供達

から、少し変な臭いがする、という声もあがった。

そして、それから2ヶ月が過ぎ、寒い季節がやってきた。

出勤の為、車に乗り込みエンジンをかける。

窓ガラスはすっかり曇ってしまっており、彼はエアコンをつけて

曇りが消えるのを待った。

すると、車の窓ガラスの至る所に、指で書いた様な文字を発見した。

ごめんなさい

たすけて

出して

彼は誰かの悪戯だと思い、車外へ出て、その文字を消そうとした。

その時、初めて気付いた。

文字は車外から見ると反転しており、そして消す事も出来なかった。

彼は思わず立ち尽くした。

この文字は車内から書かれている・・・・・・。

そして、それを確かめる為に、ドアを開け、文字を手のひらで擦ると

あっさりと消えた。

やはり・・・・・・。

完全に固まってしまった彼の視界に、まさに今、新たに文字が書き込まれる。

うしろ・・・みて・・・。

彼はそのまま後ろを振り返らずに車を降りて、すぐに中古車屋を呼び、

言い値で買い取ってもらったそうだ。

その車は今もきっと何処かの中古車屋に並んでいるか、もしくは、

誰かの愛車として所有されているのかもしれない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:25Comments(16)

2017年12月03日

除霊・・・ではなく完全消去。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、本当に本当にお久しぶりです。

そして、今日も1日お疲れ様でした。

前回のブログをアップしてから、怪異は続き、

怖くない話を書くどころではありませんでした。

その間、沢山の皆様に、ご心配頂くとともに、

励ましのお言葉も頂きまして、心より

御礼申しあげます。

結局はAさんに頼んで・・・・・解決したのですが、

やはりその間の怪異がたたってか、体調は、

いまだに優れません。

今後は、いつも通り、更新していきたいと

思っておりますが、体調と相談しながら

ゆるゆると進めて行きたいと思っております。

その点、ご理解頂けると幸いです。

尚、通夜の帰路に何が起こったのか?に

関しましては、編集者によりまして

採用されてしまいましたので、大変

申し訳ありませんが、当分の間、アップ

する事は出来ません。

勿論、本を買わなくても読めるように何らかの

方法を考えるつもりです。

そして、今夜の怖くない話は、前回のブログアップ

からの経緯と解決までをまとめてみました。

うまく書けているか、不安ですが、ありのままに

書きましたので、宜しければお読みください。

ちなみに、妻と娘はもうすっかり元気です。

そして、昨日は第3回金沢オフ会が開催されたようで、

もうすっかり常連化している当社の営業Mさんも

参加されたようです。

ちなみに、私にはお誘いがありませんでしたが(涙)

最後に、繰り返しになりますが、

ご心配をお掛けした事をお詫びすると共に、

暖かいコメントを頂いた事で、またブログを再開

出来た事に対して深く御礼申し上げます。

それと、大阪のY様、今回の色々と助けて頂き、

ありがとうございました。

それでは、今夜は久しぶりに怖くない話、いってみましょう。

それでは、どうぞ~!




通夜の帰り道に怪異に遭遇して以来、体調はおろか、怪異にも

悩まされている。

実際、その霊が自宅近くまで車に乗っていた事は分かっていたのだが、

その後、姿は見えなくなっていたので、軽く考えていたのかもしれない。

ただ、家に戻った際、玄関に用意しておいた粗塩(我が家ではいつもそうしている)

を体に振りかけても問題が無かったし、その日の夜も娘が怖がって妻のベッドに

もぐりこんで寝たと言う事以外は変わった事は起こらなかった。

やはり、以前、家の中全体が怪異に見舞われた時、Aさんの指示通りに家の中に

特製?の護符を貼ったお陰で、それ以来怪異は収まっていたので、きっと家の中には

入れないのだろうと高をくくっていた。

しかし、翌日から怪異は発生した。

最初、朝起きて階段を下り、ふと玄関を見ると、そこに女性がひとり立っていた。

きっと町内会の人だと思ったが、それにしても朝早くから大変だな、と

思ったくらいのものだった。

しかし、リビングに行き、妻にその事を訪ねると、

え?誰それ?そんな人来てないよ・・・・。

と言われ玄関に行くと、妻の言うとおり、其処には誰も居なかった。

その時は、きっと何かの見間違いだろう、と話は終わった。

しかし、それからが大変だった。

2階の廊下、階段、そして浴室・・・。

至る所でその女の姿を見てしまう様になる。

しかし、あくまで俺にしか見えないのならいつか居なくなるだろう・・。

そんな風に思っていたのだが、事態はそれほど楽観的なものではなかった。

家の照明が色んな場所で球切れして点かなくなった。

そして、その電球を交換している時に、何気に見た娘の体が震えていた。

そこで初めて娘から話を聞かされたのだが、どうやらその女を目撃しているのは

俺だけではなく、妻と娘も同様にそれを見ていたというのである。

あの夜以来、娘はずっと妻と一緒に寝ていたが、その時にも、その女がベッドの

横に現れて、娘の腕を掴んだらしい。

しかし、妻は娘に対して、お父さんには言っちゃダメ!と言い聞かせたという。

俺が人一倍心配症だから・・・という理由で。

しかし、その話を娘から聞いたとき、俺の意志は固まっていた。

もう、Aさんに頼むしかないのだと・・・・。

そう決心した当日、早速Aさんに電話した。

何度か電話をかけるが、なかなか繋がらない。

そこでメッセージを残して連絡を待つ事にした。

すると、しばらくしてAさんから電話が入る。

俺が電話に出ると、どうやらまだ職場にいるらしく、小声で答えてくる。

そろそろ電話をかけてくるかなって思ってましたよ。

その声は少し笑っており、俺は肩の力が抜けていくのを感じた。

そして、いつもの喫茶店で待ち合わせの約束をして、俺は電話を切った。

そして、約束の時刻が近くなったので俺はいつもの喫茶店に車を走らせる。

喫茶店に着くと、どうやらAさんが先に到着していたようで、彼女の赤い

フランス車が停まっている。

そして、俺が店の中に入ると、一際目立つテーブルがあった。

俺は思わずホッとしてしまった。

そこにはAさんだけでなく姫までもが来てくれていた。

相変わらず、Aさんは楽しそうにメニューに見入っていたが、姫は俺の姿を

見つけると、慌てて席から立ち上がり挨拶してくれる。

この度は本当に大変な目に遭われて・・・・・。

悲しそうな顔でいつもの丁寧な言葉をかけてくれる姫。

俺も片手を上げて挨拶し席に座るが、Aさんはメニューから視線を逸らさないまま、

片手で面倒くさそうに挨拶してくれた。

どうやら俺の不幸より食事が大事な様だ(泣)

俺が席に座ると、店員さんが注文を取りに来たのだが相変わらずAさんは

どれを食べようかと迷っているらしく、なかなか注文してくれない。

そこで、俺と姫は珈琲を注文。

そして、Aさんには、

迷ってるのなら全部食べれば?

と言うと、一気に明るい顔になり、畳み掛けるように注文を告げた。

さすがの大量注文に目を丸くしてメモしていたが、どうやらそれだけの数の

料理は今のテーブルには乗りきらないようで、席の移動をお願いされた。

そして、店員さんが席から離れると、いよいよ本題を切り出そうとした。

しかし、Aさんが、

はいはい。分かってますよ。

しかし、酷いのに目を付けられましたよね?

まあ、まだ何も出来ないとは思いますけど・・・。

そう言ってきた。

それを聞いて、俺は、きっとAさんの事だから全てお見通しなんだろうと察した。

だから、俺は、

で、どうすれば良いんだろうか?

と聞くと、

まあ、Kさんは異常に強い守護霊のお陰で、その霊も手は出せないと思います。

ただ・・・奥さんと娘さんが心配ですね。

そう言われた。そして、

家に行ければ良いんですけど、Kさんって私達みたいな霊能者と付き合いがある事を

家族に知られるのを異様に嫌がりますからね・・・。

そう言われ、俺は言葉を失った。

確かに俺は家族には、こういう人間関係を知られたくはなかった。

それは、俺を見る目が変わるのも嫌だったが、何よりも、そういうもので現在も

家が護られているなどと知られたくはなかったからに他ならない。

確かに以前、かなり根をつめて深夜から朝方にかけて怖い話を書き溜めて

いた時に怒った怪異の際には、いつもの富山の住職から貰った護符では

全く効果が無く、藁にもすがる思いでAさんに頼み込み、駄目元を

承知で家の至るところに、Aさん特製の護符を貼ってみた結果、怪異は

パタッと無くなってしまい、それどころか、家の中がとても明るくなった

という経緯はある。

だが、やはり、そんな護符で護られている等ということを家族が知って

しまえば、やはり気持ちの良いものではないだろう。

だから、俺はAさんにこう頼んでみた。

もしかしたら、以前造って貰った護符の効力が落ちてきているのかもしれない。

だから、新しい護符を作ってくれれば、きっと怪異も収まると思うんだけど?

すると、Aさんは、

あいかわらず救いようが無いほどのお馬鹿さんですよね?

そんな風にいつもボーっとしてるから変なものに目を付けられるん

ですよ。

さっき、”酷いのに目を付けられた”って言ったのを聞いてなかったんですか?

それに私の護符は効力が落ちるなんて事はありませんから。

つまり、私の護符でも防ぐ事が出来ないレベルのモノが憑いてきてしまった・・・。

普通は考えられない事なんですけど・・・。

そういう事になりますね(笑)

そんなに悲観的な現実を笑いながら話すAさんに少し腹が立った。

すると、すかさず姫が、

Aさんもさっきまでは本当に心配していたんですよ。

勿論、私も・・・。

出来る事は何でもさせてもらうつもりですから・・・。

そう言ってニッコリと笑いかけてくれる。

きっとAさんも姫も少しでも俺の恐怖を和らげようとしているのだろうと

その時気付く。

そこまで話したとき、Aさんが頼んだ大量の料理が運ばれてくる。

あの細い体の何処にこれだけの料理が収納されるのか・・・・。

これは食べ終わるまでは話にならないと思い、Aさんが食べ終わるまで

待つ事にする。

その間、姫と話してみたのだが、どうやら今回我が家で怪異を引き起こしている

相手というのはかなり厄介なものらしい事が理解出来た。

ある意味、御祓いというものに免疫でもあるかのように、霊力や気に

対する抵抗力が強いらしい。

しかも、過去にも幾つかの家庭を消滅させたほどの力があるらしく、

それがその女の楽しみになってしまっており、邪魔するものは

全て呪い殺すのだと・・・・。

そうしていると、Aさんが大量の料理を完食。

満足そうな顔で、

で、何の話でしたっけ?

と言ってのける。

あいかわらず、この性格は何とかならないものか・・・。

それを聞いて、ツボにはまったのか、姫が堪えきれずに笑い出してしまう。

こんな2人が、現実には、俺が知る中では最強の霊能者の2人であるという

ことが不思議に思えてくる。

というか、これからそんな忌み嫌われたモノと対峙するにしては、あまりにも

自然で普通だった。

そう俺は過去に何度も見てきているはずだ。

この2人が、そしてAさんが、凄まじい力で相手を叩き潰す場面を。

俺は改めて、今、この2人が俺の見方についていてくれるという事に

感謝するしかなかった。

しかし、俺は、こう続けた。

護符じゃ無理だとしたらどうするの?

Aさんなんか家の中に入れたら、ここぞとばかりに家の家具とか破壊しそうだけど?

と言うと、Aさんは、

家の家具なんか破壊しませんけどね。

あれはストレスが溜まってる時だけです(キッパリ)

というか、すぐには何も出来ないんですけどね。

えっと・・・その女の霊は明らかに悪霊です。

そして、Kさんのおばあさんが黄泉路に立たれた時に、こちらの世界に

入ってきてしまって・・・。

だから、おばあさんが今は必死に押さえ込んでくれてるんですけどね。

でも、残念な事に、力には圧倒的な差があって・・・。

でも、初七日までは何出来ないんですよ。その女も。

逆に言えば、初七日を過ぎなければ、こちらからも手を出せません。

もしも、手を出してしまえば、Kさんのおばあさんまで巻き込んでしまうから。

だから、今、見えてるのは、その女の幻影に過ぎません。

もっと恐ろしい事が起こるのは初七日を過ぎてから・・・。

だから、それまでにこちらも備えておかないといけないですね・・・。

そう言われた。

俺は驚いてしまい、Aさんに聞いた。

初七日を過ぎたら、もっと恐ろしい事が起こるって・・・。

いったい何か起こるの?

すると、Aさんは、

そんな事、判る訳ないじゃないですか・・・。

でも、下手をすると死人すら出かねない・・・。

それくらいの力がある悪霊だって事です。

そう言われ、俺は少し落ち込んだ。

すると、それを見て、Aさんが続ける。

その為に、私と姫が此処に来てるんじゃないですか?

大丈夫ですよ。

私と姫の力を見くびってもらっては困ります(笑)

ただ、今回は、しばらくの間、私が奥様に、そして姫が娘さんに気を送る

事になります。

私と姫が送る護りの気ですから、どんなモノも破れない筈です。

そうすれば、奥さんと娘さんは大丈夫なんですが、もしかしたらKさんだけは

怖い思いをするかもしれません。

いや、間違いなく怖い・・・・いや命の危険にさらされると思います。

まあ、そんだけ強い守護霊がいれば、殺される事はありませんけど(笑)

最悪、手足の1本か2本は失うかもしれませんけど(笑)

そう言われた。

すると、姫が、

そんな手足の1本か2本なんて、心配要らないですよ~

悪くても骨折して入院するくらいだと思いますから元気だしてくださいね(笑)

とニッコリ笑いながらフォローする。

まあ、全くフォローになっていなかったが・・・・。

しかし、何となくそう言われて俺は元気を取り戻せた。

妻と娘にあの女が近づけないだけでも、一安心だから。

しかし、それからが大変だった。

俺は本当に日常生活の至る所で、その女の姿を見るようになってしまう。

仕事中、運転中、そして家の中、何処にいて何をしていても、常に視界の中に

その女の姿があった。

パソコンに向かい、現状を報告しようとブログの画面を開くと、

まるで、今すぐ殺してやろうか・・・・とでも言いたげな顔で

俺に顔を近づけてくる。

道路に突き飛ばされた事も、階段から突き落とされた事もあったが、

守護霊のお陰なのか、大事には至らなかった。

また、寝ている時や仕事中に、腕を掴まれたりもしたが、それ以上の事は

出来ないようだった。

だから、Aさんがいつも言っている、強い守護霊というものの力を信じて

出来るだけ気にしない様に生活した。

見えたりするだけで、守護霊に護られた俺にはきっと

出だしは出来ないのだろう・・・。

そう考えるようになった。

しかし、それから数日後、ちょうど初七日を1週間ほど過ぎた頃だったと思う。

俺が仕事中、苦手とする高い場所へ行く用事が出来た。

元々、高所恐怖症である俺は、出来るだけ高所に行くのを避けているのだが、

その時は、お客さんからの希望で不具合の原因を調べる為に、ビルの屋上へ昇り、

そこから更にはしごを使い、10メートルほど昇らなければならなかった。

正直、辞退したい気持ちで一杯だったが、仕事である以上、ワガママは

許されない。

俺は屋上へと昇ると、はしごをしっかりと固定し、ゆっくりと上っていく。

そして、はしごの最上段まで昇ってきた時、それは現れた。

最初は、足が動かなくなった。

いつもの高所恐怖症で体が硬直してしまったのか、とも思ったが、どうも

様子が違う。

俺はゆっくりとはしごを見下ろした。

すると、そこには俺の足を掴むようにして、あの女が笑っていた。

とても不気味な笑い顔だった。

俺は、恐怖した。

こんな場所で、こんな奴に出くわしたら、命が幾つあっても足りない。

すると、その女は俺の足を掴んだまま、大きくはしごを揺さぶった。

俺は必死にはしごにしがみつき、振り落とされないようにした。

もしも、こんな高さから地面に落ちたら・・・。

それは想像に難くなかった。

俺は自然に叫んでいた。

俺があんたに何かしたのか?

もしも、そうなら謝るから・・・・。

そう言った途端、その女は更に薄気味悪い笑顔を浮かべると、ゆっくりと

はしごを昇ってきた。

殺される・・・・。

本気でそう思った。

と、その瞬間、遠くから眩しい光が近づいて来る。

あっと思った瞬間、突然眩しい光が俺とその女を包んだ。

断末魔の叫びを残して、その女の姿が白い光の中に消えていった。

それと同時に俺も一瞬目がくらみ、はしごを踏み外しそうになる。

俺は、ガクガクした足で何とかはしごを降りると、突然携帯が鳴った。

Aさんからだった。

俺は、

今のAさん?

はしごから落ちるところだったけど?

と言うと、

Aさんは元気そうな声で、

落ちなかったんだから、結果オーライということで(笑)

ところで、どうですか?

言ったとおり大丈夫だったでしょ?

今回は、独断で、Kさんに囮というか、エサになってもらいました。

本当は奥さんと娘さんと同時に、Kさんにも気を送って加護する事も

出来たんですけどね。

あちらもなかなか狡猾で、実体を現してくれなったので・・・。

だから、Kさんの守護霊だけでは護りきれない相手だと

判ってましたがあえて、Kさんをフリーにしてみたんですが、

まあ間一髪でしたけど、助かって良かったですね。

女は、完全に消しておきましたからもう心配はありませんよ(笑)

あっ、それとこれはかなりの貸しになりますから、その点はお忘れなく!

そう言って、電話は切れた。

確かに、それ以後、家での怪異は完全に消えた。

後日、聞いた話だが、あの時の白い光は、Aさんと姫の渾身の気が

合わさったものらしく、それなら、どんな悪霊もひとたまりも

無いのは容易に想像出来た。

そして、これは余談だが、現在、我が家にはAさんの護符と合わせて

姫が初めて作ってみたという護符も貼られている。

Aさんが姫に教えながら作った試作品的なものらしいのだが、それがまたとても

効力があるのが実感出来る。

それは、Aさん、曰く、

やっぱり姫の力って、護りにもとてつもなく強い力を発揮しますね!

Kさんの家は、もう霊的に要塞化してますよ(笑)

という言葉からも判る。

だとしたら、俺があれほど危険な目に遭わなくても、姫の護符を貼った

だけでも解決出来たのでは?

と思うのだが、そんな文句を言う度胸は無いのが情けない。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 17:15Comments(51)