2018年01月02日

夜と朝の境界

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様でございます。

今日、我が家は初詣に行ってきました。

うちは毎年近くの神社と決めておりまして。

うちの娘は参拝の際、500円玉を投入。

私はご縁がありますようにと、50円。

妻にいたっては、気持ちの問題でしょ、と

10円玉1枚でした。

しかし、最初に500円玉を投入してしまった

うちの大監督は、やっぱり私も10円にしとけば

良かった!と思ったのか、何とか賽銭箱の500円玉を

回収出来ないかと、色々と罰当たりな事を

やっておりました。

結局、回収出来ず、ショボンとしている娘を

元気付ける為に現在、妻と娘はサイゼリアで

大盤振る舞い中・・のはずです。

私はといえば、さっさと帰宅して怖くない話を

書いておりますが・・・・・。

それでは、今日もいってみましょう。

誤字脱字が読者の皆様の癒しになっている?

みたいですので、あえて修正はしておりません(笑)

それでは、怖くない話。

どうぞ~!



これは仕事関係の知人が体験した話である。

知人の勤める会社は印刷関係。

といってもかなり特殊な部類であり、普通の印刷業とは全く違うのかもしれない。

ただ、品物に印刷してそれを出荷するという部分はきっと同じだと思う。

だから、印刷用の機材が置かれている工場と、それに伴う倉庫を有している。

だが、大きく違うのは、残業が無いということ。

それは会社が社員の働き過ぎを防止するための決まりごとかと思えば、

どうやらそうではないらしい。

今回はその話をしてみたい。

その会社では、午後6時を回ると殆どの者が退社し、どれだけ遅い者でも

午後8時には会社を出る。

それは、会社からの奨励的なものではなく、厳格な規則として社員に

徹底されているらしい。

それには、以前起きた忌まわしい事故が起因しているらしく、それ以来、

出る・・・のだそうだ。

朝や昼間は全く何も起こらない。

しかし、夜になると、そこはある意味、危険地帯になってしまう。

確かに、以前、その会社で深夜残業をしていた社員が朝になって、

出社してきた同僚に無残な姿で発見されたらしい。

1人で残業をしている際、機械に巻き込まれての事故だったという。

しかし、出るのはその社員の霊ではないのだ。

それは子供の姿だったり、時には女性の姿だったりする。

最初は、ただの見間違いだろう・・・と高をくくっていたのだが、ある時、

社長が、血まみれの女性の幽霊を見て以来、それは真実味を持った現実

として社内で認知された。

そして、それからも死人こそ出なかったのだが工場内で夜間の事故が

頻発するようになると、会社もようやく重い腰を上げ、一切の残業を

禁止した。

まあ、それは社員の安全の為というよりも、これ以上、変な噂が出て

業績が悪化するのを恐れての事だったらしいのだが。

しかし、残業禁止と言われれば喜ぶ者ばかりではない。

繁忙期などには、製造や営業の社員からは、残業をしないと納期が守れない、

というクレームがあがり始める。

そこで会社としては、最低でも3人以上のグループでの残業を認めた。

それは、午後10時までという制約と、作業やトイレ休憩時でも単独行動は厳禁

というものだったが、それでも何とか社員達の頑張りで納期は守れていた。

そんなある日、俺の知人である彼に電話がかかってくる。

時刻は夜の10時を回っていた。

電話の相手は、同じ会社に、数ヶ月前に中途採用で入社してきた

営業の男性だった。

お互い年齢が近いこともあってか、彼らはすぐに仲良くなり色々と

相談できる間柄になっていた。

そして、電話をかけてきた内容というのは、会社の工場にサンプルを

忘れてきたらしく、今夜それを取りに行きたいというものだった。

工場自体は、専用のカードとパスワードさえ知っていれば簡単に

入る事が出来るのだが、過去の忌まわしい出来事と会社の厳しい罰則を

知っている知人は、即答で反対した。

危険過ぎるし、万が一誰かに見つかれば、減給程度では済まないという

理由で。

しかし、彼は仕事に対する熱意が強く、どうしても、と頼み込む彼に

知人は根負けして、パスワードを教えた。

ただ、やはり夜間は危険過ぎるということで、何とか、早朝、日が昇って

から、という条件つきで。

そして、彼は確かに知人との約束を守り、夜には工場に行かなかった。

ただ、やはり朝に工場に寄ってからサンプルを探し、それを持って

遠方のお客様の下に向かうというには少し無理がうったのかもしれない。

彼は、まだ寄るが明け切らない午前5時頃に工場に向かった。

入り口に立ち、カードを挿入しパスワードを入力した。

当然、入り口のドアはカチャっと音を立ててロックが解除された。

彼は速くサンプルを持ち出して客先に向かわなければ、と思い、そそくさと

工場の中へと入った。

朝とはいえ、まだ真っ暗な工場内は、いわくつきの噂も伴って、彼の

足をすくませるには十分だった。

しかし、彼は工場内の最低限の電気を点けて、早足で工場内に入った。

本当は全ての電気を点けたかったが、万が一誰かに見られたらと思うと、

薄暗闇の中で歩を進めるしかなかった。

工場は縦に長く、サンプル関係は工場の一番奥の部屋に置かれていた。

しかし、工場内には沢山の大型の機械が並んでいる為、まっすぐに

最短距離を進むという訳にはいかなかった。

それでも何とか彼は一番奥の部屋までたどり着いた。

そして、そこで我慢しきれずに知人に電話してきた。

時刻は午前5時40分位だったという。

眠たそうな声で電話に出た知人に、彼は泣きそうな声で早口に喋った。

やっぱり来るべきじゃなかった・・。

どうなってるんだ?この会社!

この声を聞いて、知人は全てが飲み込めたという。そして、

なんで、こんな時間に行ったんだ?

まだ、朝になってないだろ?

やはり何かあったのか?

すると、電話の向こうから、

工場に入って、歩いていると、誰かが後ろから着いて来る音がして・・・。

最初は自分の足音が反響してるのかと思ったけど、俺が止まっても、その

足音は、ペタッペタッという音で近づいてきて・・・・。

もう怖くてそのまま工場の一番奥の部屋まで走り続けた。

その間、俺が走っている横に、何人もの人が立ってるんだ。

子供もいたし、老婆もいた。

若い女性もいたし、男の人も・・・。

それが、まるで走っている俺を賞賛しているように、拍手のような動作を

しながら、笑ってるんだ。

そう言われて、知人は、

でも、何とか置くの部屋まではたどり着いたんだろ?

今から親しい社員に頼んで一緒に助けに行くから・・・。

だから、絶対にその部屋から出るなよ!

ちゃんと鍵もかけて!

そう言うと、電話の向こうから彼が生気の無い声で、

もう無理だ。間に合わないよ。

部屋の窓に、あいつらが張りついて、俺を睨んでるんだ。

電話を切って出て来いって言ってるみたいだ・・・。

俺は行かなきゃ・・・・。

ごめん。もう切るよ・・・。

そう言って電話は切れた。

知人はすぐに彼にかけなおしたが、何故か話し中で繋がらなかった。

何度かけ直しても・・・・。

知人は信頼の置ける同僚に電話をし、5人程集まると、会社の工場前で待ち合わせた。

皆、恐怖で顔が引きつっていた。

それでも、勇気を出して、工場の中へと入り彼を探した。

もう既に時刻は午前6時30分であり、夜は明けていた。

しかし、それでも、いつもの昼間とは全く違う得体の知れない気配を感じた。

彼らは5人が固まって行動した。

そして、一番奥の部屋までたどり着くと、部屋のドアは開いたままに

なっており、中には彼の姿は無かった。

そして、小さな声が聞こえ、そちらへ向かうと、彼が工場内の裁断機で自分の

指を細かく切りながら、訳のわからない歌を唄っていた。

痛みとはかけ離れた、嬉しそうな顔で笑いながら・・・。

それから、年月が流れ、彼はいまだにその会社で働いている。

片手の指はもうほとんど残っていない状態だったのだが、それでも何とか

こなせる仕事に配属されて。

彼は徐々に普通の状態に戻りつつあるらしいが、それでも、あの時、何が

あったのかは覚えていないという。

しかし、知人は、確かに彼は単に気が狂ったのではないと確信している。

どうしてだ?と聞く俺に、

いや、あの時、彼が電話を切る前に、間違いなく俺も聞いていたんだ。

何人もの人間が、いや、人間とは思えない声で、幾つものけたたましい

笑い声が聞こえているのを・・・。

だから、彼は間違いなく、あいつらに連れて行かれたんだと思ってる。

そう言って唇をかみ締めた。

ちなみに、その会社では、今では工場長以外には、ドアのロックを

解除出来ないようにしているということだ。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 16:31Comments(22)