2018年01月08日

ラジオ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

お休みも今日で終わり・・・・。

明日からは怒涛の新年会ラッシュです。

皆様もご自愛くださいませ!

明日から学校が始まるうちの大監督は、

あいかわらず呑気に、コンパスとかいう

ゲームをやっております(笑)

まあ、試験の結果が楽しみです(笑)

ということで、今日はいつもより早めですが、

怖くない話、いってみましょう!

今日の話はいつもより怖いかも・・・。

まあ、大丈夫です(笑)

それでは、怖くない話、

どうぞ~!




これは俺の友人が体験した話である。

その日、彼は加賀地方にある廃屋に向かっていた。

廃墟マニアである彼は、休みになるといそいそと下調べしてあった廃墟に

出掛けるという趣味を楽しんでいた。

俺には理解出来ないが、朽ち果てた建物の中に踏み入って探索していると、

廃墟になる前はどんな生活が其処で営まれていたのか、という事に

思いを馳せると、とてもノスタルジックな気分になるのだという。

だから、いつもはそういう同じ趣味を持つ仲間達と廃墟を巡る。

しかし、その時彼が目的地として選んだ場所はさすがに問題があった。

そこは、噂では数十年前にそこで惨殺事件があり、それ以後は

完全に封鎖された建物。

もともとは民家だったらしいが、それでもその建物はかなり大きく

異様な雰囲気を漂わせていた。

しかも、封鎖された後も、その場所からは、叫び声や泣き声、そして

笑い声など様々な声が漏れ聞こえてくるという話だった。

だから、さすがの廃墟マニアの彼の友人も、その時ばかりは彼の誘いを

断った。

普通なら、そこでその計画は終わるのだろうが、彼は普通ではなかった。

元々、霊の存在などは信じていなかった彼は、逆にそんな変な噂の

正体を突き止めてやる、と俄然、ヤル気を出して1人でその廃屋に

向かっていた。

現地に着くと、その廃屋は他の民家からかなり離れた場所にポツンと

建っていた。

封鎖されてから数十年たっているのだから、さすがに傷みも激しく、至る所が

錆びたり、朽ちかけている。

そんな建物を見たら、俺なら間違いなく何もせずに引き返すのだが、彼はやはり

違った。

朽ちかけた様子を、良い雰囲気と捉え、更に、何処かが壊れて建物に侵入

しやすいのではないか、と考えたらしい。

その建物は、当時としてはかなりモダンな建築物だったらしく、少し洋館的な

要素もあり、彼は好奇心がどんどんと膨らんでいくのを感じていた。

そして、他の民家から離れた場所に立っているという立地条件も彼を大胆に

させた。

彼はいつも廃墟探索の時には持ち歩いている工具を使って、大きな鉄製のドア

にかけられた鎖を切っていく。

どうして、ここまで頑丈にしなくてはいけないのか?と思うほど、その鎖は

ありえ無い程の太い鎖で何重にも玄関に巻き付いていた。

本来なら器物損壊になるらしく、玄関の鎖を切ったりはしないらしいのだが、

その時の彼の好奇心はもう押さえが効かない程に増幅していた。

だから、どうせ、これから住居侵入をしてしまうんだから・・・と言い聞かせながら

その太い鎖を切っていく。

鎖が全て除去するのは、約20分位かかった。

錆びており脆い筈の鎖も、何故か彼の侵入を拒むように、なかなか切れては

くれなかったらしい。

かなり疲れたらしいが、気を取り直して一気に玄関のドアを開けた。

そこは完全な真っ暗闇だった。

窓も何もかもが完全に閉ざされ封鎖されていたのだから、当たり前の事

なのだが、何か吸い込まれるような嫌な感じがした。

そして、外から見た限り、この家に2階というものは存在しない。

その代わり、どうやら1階の広さはかなりのものだと感じた。

彼は持参した大型の強力ライトを点けた。

暗闇の中にライトが照らした部分だけがはっきりと浮かび上がる。

家の造りは変わった感じで玄関から長い廊下がまっすぐに伸びており、

その両端に部屋があるといった感じだった。

彼は土足のまま玄関の土間から廊下へ上がる際に、とりあえず、

失礼します・・・。

と言った。

別に誰もいないのはわかっているのだが、ついいつもの癖でそう言ってしまう。

廊下はとてつもない量のホコリが積み重なり完全に真っ白になっている。

彼はライトの灯かりを頼りに、ゆっくりと歩を進める。

最初に一番手前の右側の部屋のドアを開けた。

ライトで照らすと、ホコリこそ積もっているものの、部屋の中には

机や椅子などが、そのまま置かれており、掃除さえすればすぐにでも生活

出来そうな感じに見えた。

そうして部屋の中を色々と探索していると、ありえない事に彼は気付いた。

その部屋にはホコリがつもり真っ白になっているのだが、明らかにホコリの上に

誰かの足跡がついていた。

それも、靴の足跡ではなく、明らかに裸足の足跡が・・・。

これはどういう事だ?

彼は考え込んだ。

すると、その時、廊下の方から何かを引き摺る様な音が聞こえてきた。

ズルッ・・・ズルッ・・・・。

それは明らかにかなり重たい物を引きずりながら廊下を進む音に聞こえた。

さすがの彼も思わず息を殺し、ライトを消して、全神経を耳に集中した。

しかし、それ以後、音は全く聞こえてこない。

彼は再びライトを点けると、その部屋から廊下へと顔を出して様子を窺う。

しかし、そこには何も、そして誰もいなかった。

彼は、聞き間違いだと確信し、そのまま廊下へ出た。

その時、ある事に気付いた。

確か、玄関のドアは開けっぱなしにしていた筈なのだが、何故か閉まっている。

しかし、霊など信じない彼は、特に気にも留めず、それよりも、誰か

他に侵入者が居た時の自己防衛の為に、持ち物からかなり強力なスタンガンを

取り出して不慮の事態に備えた。

人間ならば、スタンガンがあれば、大丈夫だから・・・。

彼はいつもそう言って、護身用にスタンガンを持ち歩く。

その時、彼は勘違いをしていた。

きっと、彼以外の廃墟マニアか、もしくは浮浪者がこの家に住みついたり

探索に来たりしているのだろう、と。

確かに人間相手なら無敵かもしれないが・・・。

そして、再び、ライトで廊下の奥を照らす。

すると、前方に何やら地下に下りる階段らしきものが見えた。

普通なら、絶対にそんな地下には降りないだろう。

しかし、彼は地下へ続く階段が見つかった時、もう他の部屋の事など

どうでもよくなっていた。

彼はそそくさと廊下を進み、階段に近づく。

その時、彼が歩く廊下のホコリの上には誰かの裸足の足跡がはっきりと残っていた。

しかし、そんな事は彼にはもうどうでもよかったらしい。

とにかく、速く地下に降りて、そこに何が在るのかを確認したかった。

彼はライトの灯かりで足元を照らしながら、ゆっくりと階段を下りていく。

階段は踏みしめる度に、ギシーッと嫌な音を立てた。

そして、階段にも廊下と同じように裸足の足跡がはっきりと残されていた。

彼は片手にライト、片手にスタンガンを持ったまま、ようやく無事に地下に

辿りついた。

そこは、とても広い空間になっていた。

家の地下だとはいっても、土が剥きだしになっており、単に家の床下に

降りられるようになっているだけ、という感じがした。

ただ、それにしては、頭上空間はかなり高く取られており窮屈な感じはしない。

こういう変わった隠し部屋みたいなのがあると、テンションあがるな~

彼はそんな事を思いながらライトで辺りをぐるっと照らした。

すると、地下の一番奥に小さな扉があった。

木製のドアがついた部屋になっているようで、彼の好奇心はより一層

掻き立てられた。

そして、その部屋のドアにも玄関と同じように鎖が何重にもかけられていた。

彼は玄関と同じ要領で手早く鎖を切り、そして勢い良くドアを開けた。

そこには木製の机が置かれていた。

そして、その机の上には、古い型のラジオが置かれており、そこから

何か聞こえていた。

彼はそのラジオを取り、ボリュームを上げた。

すると、聞いた事も無い、まるで昭和初期の歌のような声が

聞こえてきた。

なんだ・・・この放送?

それにいつからこのラジオは鳴ってるんだ?

そう思い、彼はラジオの裏面を見た。

彼は一気に恐怖に襲われた。

そのラジオには電源も繋がっていなければ、電池も抜かれていた。

なのに・・・ラジオはずっと鳴り続けている。

これって・・・・・。

そう思った時、突然、階段の方から音がした。

彼は思わず、振り向くと、1階の床から、階段を覗き込む様に無数の顔が

見えた。

彼は反射的に部屋のドアを閉めた。

そして、鍵をロックする。

なんだ・・・何が起こってるんだ?

彼はそう思い、ドアについている小窓から外を見た。

そこには、窓に張りつく様に、女の顔があった。

彼は思わず悲鳴を上げる。

すると、突然、ドンドンと部屋のドアを叩く音が聞こえてくる。

それと同時に、ウオーン・・・ウオーン・・・・

という得体の知れない声まで聞こえた。

彼は片手に持っていたスタンガンのスイッチを入れた。

しかし、何故かまったく反応しなかった。

唯一の武器であるスタンガンが反応しなかった時点で、彼はもう気が狂いそうに

なっていた。

必死に、

誰か・・・助けてくれ~

と叫び続ける。

ドアを叩く音はドンドンと大きくなっていく。

と、突然、ドンドンという音も、得体の知れない声もピタッと止まった。

彼は、泣き叫ぶのを止め、顔を上げた。

すると、その瞬間、部屋のドアがスーッとゆっくり開いた。

そして、そこには3人の女が立っていた。

とても恐ろしい姿だったのは何となく覚えているという。

しかし、その瞬間、彼は意識を失った。

そして、気がついた時には、目の前に警官の姿が在った。

見回りに来て、家の前で倒れている彼を見つけ、慌てて助け起こして

くれたのだという。

それから、彼は警察官から色々と聞かれたが、何とかうまく誤魔化して

その場は無事に帰ることが出来た。

そして、その後、俺と会う機会があり、その事を話してくれた。

その時の彼は、かなりやつれた様子で心配になるほどだった。

でも、無事で良かったな!

そう言う俺に彼は首を横に振った。

俺はあの時、どうして外にいたんだろう・・・。

自力では無いのは間違いない。

だとしたら・・・・。

だから、きっと、まだ終わってないんだ・・・。

何一つ。

だって、今も何時だって、俺には聞こえてるんだ。

あの地下で見つけたラジオから流れていた曲が・・・・。

だから、まだ許されてはいない・・・。

なぁ、どうしたら許してくれるのかな?

そう聞かれ、俺は何も言えなかった。

その後、彼はすぐに仕事の都合で転勤になった。

そして、それから何度連絡を取ろうとしても彼の消息は不明のままだ。

彼の無事を祈るのみである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 17:00Comments(25)