2018年02月03日

釣り場の先客

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

また明日から寒気がくるみたいですね。

来週は金沢もきっとまた雪との格闘に

なる事でしょう(涙)

ところで、昨晩の新年会は片町でした。

何故か歩いている人は少なかったですが、

それでも、ちゃんと怪奇現象に遭遇しました(涙)

また、後日、こちらで書かせて頂きたいと

思います。

ちなみに、昨晩、午前2時頃帰宅すると、

うちの大監督が起きておりました。

新しい脚本でも書いているのかと思いきや、

MMDとかいうソフトでCGキャラを作り

躍らせては、喜んでおりました(涙)

そして、自分で食べようと買って帰った

五目チャーハンを奪い取られました。

それからいったい何時まで、そんな事を

やっていたのかは知りませんが、今日は午後

2時頃にご起床になっておられました(泣)

まあ、なんにでも熱中するのは良い事

かもしれませんが・・・。

それでは、今夜はいきます。

怖くない話。

どうぞ!




これは釣り好きなお客さんから聞いた話。

場所は具体的に書かないが、奥能登とだけいっておこう。

其処には、船乗り場から釣り船が出て、沖にあるコンクリート製の釣り場

まで連れて行ってくれるらしい。

そして、そこで釣り客は釣りを楽しみ、数時間後に再び船が迎えに来てくれる

まで存分に釣りを楽しむのだという。

確かに、船を持っていない釣り人にとってはありがたいサービスなのかもしれない。

しかし、ごく稀に不可解な出来事も起こるらしい。

その日も、彼は生憎の冬の悪天候の中、その船乗り場を目指して車を走らせていた。

雨が降っており釣りには向かないとも思われたが、それでも釣りが大好きな

彼は久しぶりの休みを何とか釣りをして1日を過ごしたいと思っていた。

釣れようが釣れまいが関係なく、純粋に釣りに没頭する時間を楽しみたかった。

その為、彼は前日から釣りの用意をして翌朝早くに起きてまだ夜も

開け切らないうちに家を出た。

そのせいか、奥能登にあるその釣り場に到着した時には、まだ午前7時前。

車を停めて缶コーヒーを買い飲みながら海を見ているとやはり海はかなり

荒れていた。

やはり今日は船が出そうにないな・・・・。

やはり釣りは陸地からするしかないのかもな・・・・。

そんな事を考えながらぼんやりと海をみていたという。

すると、何処からか小型の古い漁船が船乗り場に近づいて来る。

彼は何度もその船乗り場を利用していたがそんな船を見るのは初めてだった。

恐る恐る彼はその船に近づいていく。

どうやら彼の他には釣り客はいないようだ。

そして、その小さく古い漁船は船乗り場に接岸しじっとしている。

彼は、正直なところ、かなり迷ったという。

こんな天気ではきっと釣果は得られないだろう・・・。

それよりも、こんな状態の海に、あんな小さな漁船で行くとしたらかなり危険だ。

下手をすると・・・。

しかし、そんな彼の考えとは裏腹に、いつもの沖にある釣り場に速く行きたいと

身体は勝手に動き、気がつくと彼はその船に飛び乗っていた。

すると、まるで彼が乗るのを待っていたかのように、その船はすぐに岸を離れる。

おいおい・・・もう少し他の客を待たなくて良いのか?

そんな事も考えたが、それまで彼は沖にあるその釣り場を独占する形で釣りを

した経験は無かった。

そして、それは彼だけかもしれないが、やはり1人で釣り場を独占して自由に

釣りを楽しむというのは彼にとっては願ってもない事だった。

だから、彼はそのまま黙って大きく揺れる船に身を任せていた。

漁船の操縦をしている年配の男は、彼が船に乗ってからも一言も話していなかった

が、それは彼にとっても好都合だった。

どうやら彼はプライベートでは無口に過ごしたいらしい。

船が乗り場を出てから10分程でいつものコンクリート製の釣り場が見えてきた。

其処はそれなりのスペースが在り、まるで海の中に造られた防波堤のようだった。

あそこで、今から俺は1人で釣りを満喫出来るのか・・・。

そんな事を思いながら彼はじっとその釣り場を眺めていた。

すると、不思議な事に気がついた。

どうやら先客がいるのだ・・・。

しかも、それは女性であり釣りには全く似つかわしくない様な服装を

している様に見えた。

そうまるでその辺を散歩でもしに来た様な軽装だった。

彼はそれを見て、最初に感じたのは、残念な気持ちだった。

せっかく1人きりで釣りを満喫できると思っていたのに・・・。

その女の姿は確かにおかしいとは思ったらしいが、どうせ観光客が沖から

海を眺めたいという理由でその釣り場にやってきたに違いないと思っていた。

そして、すぐに漁船はその釣り場に接岸され、彼は船から降ろされた。

そして、何時間後に迎えに来ますという言葉も無く、そこからさっさと

帰っていった。

その女と2人きりでその釣り場に残された彼は、その女に目もくれず

さっさと釣りの用意を始めた。

そして、その女から一番離れた場所に折りたたみ式の椅子を設置して

釣りを開始した。

話しかけられたり、という面倒くさい事は避けたかった。

その釣り場の周りの海は不思議と波も無く完全な凪状態。

だが、それからしばらく釣り糸を垂らしていたが、いっこうに魚がかかる

気配は無かった。

勿論、釣れないのは想定内だったから、彼は朝早く作ってきた弁当をビールで

流し込みながら、ぼんやりと釣りを続けていた。

そして、何気なく彼はその釣り場を見渡した。

其処で彼は思わず、えっ?と声を出してしまう。

間違いなくその釣り場に降りた時には居た筈の女の姿が見えなかった。

彼は思わず立ち上がってあたりの海を見渡した。

あれから船は来ていない。

だとしたら、あの女は産みに落ちたんじゃないのか・・・。

彼は慌てて携帯を取り出し、110番に電話を掛けようとした。

しかし、何故か電話は繋がらない。

電波が全く来ていなかった。

何度かその釣り場を訪れたが、そんな事は初めてだった。

どうなってるんだ?

そう思ったが、彼は冷静に考えてみた。

そもそも彼は早朝の船でこの釣り場にやって来たのだ。

だとしたら、彼よりも先客が居る事自体、おかしなことだ。

それに、あの船頭は、あの女に声もかけなかった。

だから、きっとあの女は俺の身間違いに違いない・・・と。

彼は胸騒ぎがする気持ちを落ち着かせつつ、再び釣りに集中した。

そして、それからしばらくして彼の釣竿に何かがかかる。

かなりの引きの強さだった。

彼は浮き足立つ心を抑えつつ慎重にリールを巻き取っていく。

そして、彼は見てしまった。

彼が巻き上げたリールの先端に浮かび上がる女の姿を・・・。

それは水死体という感じではなかった。

海の中から、じっと彼を睨みつけている顔が見えた。

うわっ!

彼は釣竿を慌てて放り出しそうになったが、何とか踏み止まった。

彼はその海の中から見つめるモノと目を合わせてはいけない気がしたという。

だから、彼は慌てて海面から視線を逸らした。

すると、今度は、もっと在り得ない光景が彼の視界に入ってきた。

彼が見た釣り場の向こう側に、男女1人ずつの姿があった。

まるで彼の方を覗き込むかのように前傾し立っている姿がそこには在った。

そして、その男女が着ている服からはポタポタと水が滴り落ちていた。

彼は、慌てて視線を戻した。

今度こそは絶対に見間違いなどではない、という自信があった。

視線を戻した先の海の中にはもう彼を睨んでいる女の姿はなかった。

彼は決して振り返らず釣りを続けたという。

絶対に見てはいけないものなのだと本能が命令していた。

しかし、必死に釣りに集中しなくては、と思うのだが気になるのはやはり

背後の事ばかりだった。

すると、また変な音がした。

まるで何かがこのコンクリートの釣り場によじ登ってくるような音。

ペタペタという音に混じって苦しそうな息遣いさえ聞こえてきた。

それでも、彼はそのまま釣りを続けるしかなかった。

すると、どうやら、その釣り場にはその後も沢山の何かがコンクリートを

よじ登ってあがってきているようだった。

言葉とも取れないような奇妙な話し声が聞こえてくる。

きっと、もうその釣り場は足の踏み場も無いくらいに沢山の男女で

埋め尽くされているのは後ろを振り返らなくても分かっていた。

その証拠に、彼のすぐ背後からも何やらザワザワとした聞き取れないような

言葉が聞こえてきていた。

彼はもう手どころか全身が震えて止まらない状態だったが、それでも

目をつぶりながら必死に釣り糸を垂らし続けるしかなかった。

そして、突然、何かが彼の手を掴んだ。

とても冷たい手だった。

彼は思わず目を開けた。

すると、そこには眼球の無い両目が彼を覗き込んでいた。

彼はその場で意識を失ったらしい。

そして、気がついた時には、彼は漁船の漁師に助け起こされていた。

どうやらこの悪天候の中、漁に出た漁師が釣り場のコンクリートの上で

倒れている彼を発見してくれたらしい。

彼は、先ほどの体験が夢であって欲しいと思った。

しかし、港への帰りに、その漁師から聞かされたらしい。

彼を見つけたとき、沢山の人間が海の中へ滑るようにして消えていく姿を

目撃した事を・・・。

そして、海にはそういうものが居るのが当たり前なのだということを・・・。

そして、当然、その日、釣り場へと向かう船は運航されていなかったらしい。

それでは、彼をその釣り場まで連れて行ったのはいったい誰なのだろうか?

彼はその日以来、もう奥能登で釣りをするのは止めたらしい。



  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:18Comments(10)