2018年02月28日

目覚まし時計

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

いや~、よく誤字脱字を指摘されます(笑)

しかも、私の誤字脱字には特徴がありますので、

皆さん、うすうす感づいてるかもしれませんが、

私はキーボードの入力として『かな入力』を使っております。

昔は、かな入力専用キーボードなんていうのもあったりして、

今ほどローマ字入力が大勢を占めていませんでした。

会社でも良く言われます。

なんで、かな入力なの?と。

理由は簡単。

ローマ字入力を覚えるのが面倒だから・・・です(涙)

実は娘にもよく言われます。

かな入力だと遅いでしょ?と。

でも、娘と競争すると、必ず私が勝ってしまいます。

その度に、娘は、

途中で指が攣った、と負け惜しみを言いますが(笑)

そういえば、そろばんで段位を持っている大監督より、

そろばん8級の私の方が暗算が速いのは何故?

と、書いていると、隣の部屋から、大監督の歌声が

聞こえております。

今は試験期間中のはずなのですが(涙)

ということで、今夜も少しも怖くない話。

いってみましょう。

誤字脱字はお許しください。

それでは、どうぞ~!




これは友人から聞いた話である。

彼女は一昨年、母親を病の末に失っていた。

小さな頃からお母さん子だったらしく、いつも何をする時にでも、必ず

母親が側で見守ってくれていた。

そんな彼女だったから、母親が亡くなると、実家を出て1人暮らしを始めた。

やはり、母親の思い出が残った物に囲まれて生活していると、とても辛く

寂しい気持ちになってしまうのだという。

そんな彼女にも、後悔の念はあった。

それは、母親が亡くなる数年前から、何かにつけて母親に反抗的な行動を

とってしまい、きっと母親を悲しませていたのではないか、と考えている。

朝、起こしに来てくれたのも、朝食をしっかり食べなさいと口うるさく

言ってくれたのも、間違いなく彼女の事を思っての事なのだが、それが

分かっていても、どうしても反抗的な態度をとってしまったらしい。

そんな感じで1人暮らしを始めた頃は、母親の大変さがとても良く分かった

という。

そして、母親の面影を思い出して、つい泣いてしまった事もあるのだという。

しかし、どうやら最近は少し様子が違うらしい。

ある意味、怪奇現象の部類なんですけどね。

そう言いながら彼女はとても嬉しそうに話す。

1人暮らしを始めてから、仕事に力を入れるようになった彼女は、それなりに

遅くまで働き、お酒の付き合いさえするようになった。

そして、夜、部屋に帰ってくると、冬には部屋の中が暖かく、夏には部屋の中が

少し涼しくなっているのだという。

最初は気のせいかとも思ったらしいのだが、何度確認しても明らかに部屋の温度は

普通では考えられないほどに適温に保たれている。

更に、疲れて風呂に入った時も、ついウトウトしてしまい、湯船の中で寝てしまう

こともあるらしいのだが、そんな時でも必ず誰かが背中をトントンと叩いてくれるらしい。

彼女は、そんな時、少しだけ気味悪く感じた事もあったらしいのだが、ある日を

境にして、恐怖は感じなくなったという。

それは、遅くまで残業しての帰り道、バスを降りてマンションまでの道のりを

1人で歩いていた時の事だった。

ずっと、誰かが自分の後をつけて来ている気がした。

何度か歩調を変えたり、止まったりするが、やはり誰かが後ろから付いてきている

のは間違いなかった。

そこは人気が全くない寂しい道であり、彼女は不安に駆られ何度も後ろを振り返る。

すると、間違いなく、彼女の後方20メートル位の場所に男性の姿が見えた。

彼女は恐怖で思わず走り出してしまったらしいのだが、当然、背後の男も

走り出す。

そして、男の足音がどんどん近づいて来た時、突然、その男が

うわぁ~!

と大きな声を上げて、逆方向へ逃げ出した。

驚いた彼女は、恐る恐る後ろを振り返ると、そこには女性の姿があった。

暗くてよく分からなかったが、そのシルエットはとても亡くなった母親に似ていた。

思わず、駆け寄ろうとすると、その女のシルエットはそのまま暗闇の中へ消えていった。

それからは、彼女は、いつも母親に今でも護られているんだと考えるようになり、

とても幸せな気分なのだという。

そして、極め付けが朝の目覚まし時計らしい。

彼女が使っている目覚まし時計は、単純な構造であり、最近良くある、

何度止めてもそのまま寝ていると何度でも目覚ましが鳴るというタイプ

ではなく、1度止めれば、もう鳴らないタイプの目覚ましなのだという。

しかし、朝が苦手な彼女はいつも目覚ましを止めて、また少し寝入ってしまう。

実際、それで会社に遅刻した事もあるそうだ。

しかし、1度止めればもうならない筈の目覚まし時計が、何度でも鳴るのだという。

それこそ、彼女が起き上がるまで・・・。

そして、彼女が目覚ましを止めるたびに、目覚ましのセット時刻が5分後に

変わっており、当然5分置きに目覚ましが鳴るのだという。

勿論、彼女がそんな事をする訳もないのだが、それは生前、彼女の母親が

なかなか起きて来ない彼女に対して、行っていた事なのだという。

だから、朝は特にすぐ横に母親が居てくれるような気がして、ついつい何度でも

目覚ましを止めてしまうんですよね!

そう嬉しそうに彼女は話してくれた。

彼女の小さな幸せがずっと続く事を願わずにはいられない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:57Comments(19)

2018年02月27日

寝ている時には・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

いや~、やはり超常連の方々にコメント頂けると

盛り上がりますね。

私も嬉しくなってしまい、ついつい多めに小躍りを

続けてしまい、既にグッタリしております。

文庫本のサイン、いつでもどうぞ!

何冊でも大丈夫ですよ(笑)

勿論、記念の粗品を添えてしっかりと送り返させて

頂きます。

たまに、お客さんのところで、サインを書いてたりすると、

よくそんな子供みたいな字でサインなんか出来るね?

と言われてしまいますが、その点はご容赦くださいませ。

そういえば、常連さん達も、サイン本が届いていないような・・・。

勿論、気の向くままで結構なんですけどね(笑)

特にミニ子様。

最近、お元気が無いように見受けられますが、もしも

良かったらサイン本お送りください。

スペシャルなミッキーの粗品をご用意してお待ちしております。

それから、埼玉のS様。

お誕生日、おめでとうございます。

いつも会社にお買い物に来て頂き、お土産まで

頂いておりますので、ずっと恐縮しております。

そういえば、私も6月には晴れて、20歳の誕生日ですね。

ここい集われていらっしゃる人生の大先輩の方々から

いつも人生の・・・・・・・嘘です(涙)

ということで、今夜は仕事のブログではなく、いつもの

怖くない話です。

まだまだ、ブログの引越しが終わりませんが、可能ならば、

引越し先でも、今までと変わらないようなやり取りが

続けられれば嬉しいのですが・・・・。

それでは、どうぞ~!






これは仕事関係のお客さんから聞いた話である。

彼はデザイン関係の仕事をしており、役職は専務。

金沢市の金石という所で妻と子供達2人と一緒に一戸建てに住んでいる。

確かに毎日が残業に追われ忙しい日々を送っているのだが、ある時、

家族からこう言われたそうである。

イビキがうるさくて眠れなかった!と。

確かに彼はいつも自分の趣味の部屋で寝ており、その為、彼がイビキをかいていない

と照明するものは何も無かった。

それに、疲れてはいたが、彼の体型はかなり細く、過去にイビキをかいている

と言われた事は1度も無かった。

だから、きっと気のせいじゃないか?

返すと、間違いなく彼の部屋からイビキ、しかも苦しそうな息遣いが

聞こえてきたという。

そんな馬鹿な・・・・と思った彼だったが、家族から、

イビキは無呼吸症候群といって、寝ている間に死んでしまうという怖い

病気に繋がるんだよ、と言われ、さすがに怖くなってしまう。

家族からは、病院に行くように奨められたが、やはり確信が持てなかった

彼は、ある事を思いつく。

それは、スマホで寝ている時の自分のイビキを録音してみよう、と

いう事だった。

彼は翌日、仕事が終わり帰宅すると、いつも通り過ごした後、枕元に

スマホを置き、録音しながら寝たのだという。

そして、翌日の朝、起きると、すぐにはスマホをチェックせず、先ずは家族に

昨夜はイビキをかいていたか?と聞いてみた。

すると、やはり彼のイビキで寝られなかったという。

腑に落ちない彼は、朝はそのまま出社し、会社のパソコンにその音を取り込んで

お昼休みにチェックしてみた。

パソコンで再生を始めると、本当に小さな音までよく拾っており、最近の

スマホの性能の向上に驚かされた。

ただ、再生を開始してから、どれだけ待ってもイビキは聞こえてこない。

聞こえるのは、小さな寝息だけだった。

録音は、夜11時に寝てから、朝6時に目覚ましがなって起きるまで、ずっと

行われていた。

だから、彼は再生用のスライダーを動かし、もっと後の時間帯の音を聞いて

みる事にする。

すると、再生が開始されてから、3時間後、ちょうど午前2時頃に、奇妙な

音が入っていた。

それは、とても苦しそうな呻き声であり、確かにイビキに聞こえるのかもしれない。

そして、その声はどう考えてみても彼自身の声だった。

俺がこんな声を出して寝てるなんて・・・・。

彼はしばらく呆然と再生音を聞いていたが、そのうちにある事に気付いた。

それは彼のイビキに混じって、誰かの小さな声が混ざっているという事だった。

最初は聞き間違いかと思ったが、音量を大きくし、ヘッドフォンで聞いてみると

その声はよりはっきりと聞こえてくる。

どうやら女、それも2人。

それらが、何処かで井戸端会議でもしているかのように、小さな声で

喋っていた。

そんな夜中に井戸端会議などある筈が無い・・・。

そう考えると、彼はなんだか、とても怖くなってきて再生を停止した。

マウスを握った手が震えていた。

彼はもう考えないでおこう、とも思ったが、怖さが増してくるのと比例して、

その声の正体を確認しなくてはいられなくなった。

きっと、気のせい・・・。

そんな結論に達するのを願いながら、彼は仕事が終わり帰宅すると、今度は

ビデオカメラを持ち出してきて自分の部屋に設置した。

彼の部屋がくまなく見渡せる場所にカメラを設置し、いつもは真っ暗な中で

寝るのだが、その夜は小さな電気だけは点けたまま寝る事にした。

1人で寝ていると恐怖でなかなか寝付けなかったが、それでも仕事の疲れも

溜まっており、そのうち自然と深い眠りに就いた。

そして、朝、突然の目覚まし時計の音でいつもの様に目覚めた。

実は彼は録音した際に聞こえた声も、家族には一切話していなかった。

やはり、不確定な事で、家族を不安にさせたくはなかったから。

だから、その日も会社にビデオを持ち込んで、信頼の置ける部下と一緒に

ビデオを大型テレビに接続して再生してみた。

彼は何故か自分でカメラをセットしておきながら、実は再生画像を見るのが

怖かった。

もし何か映っていたら・・・。

そんな事を考えると、とても画面をチェックする気にはなれなかった。

ビデオは早送りで再生しチェックされていた。

勿論、彼は画面など見ていなかったが、一緒にビデオをチェックしてくれていた

部下が突然、大声を出した。

うわっ・・・なんだ、これ?

その声に彼が恐る恐る画面を見ると、部下が画面を少し戻している

ところだった。

そして、しばらく戻した後、通常モードで再生する。

画面には彼が寝ているだけで何も起こっておらず、イビキもかいてはいない。

彼は、部下に向かって、

突然大きな声を出すからびっくりするじゃないか・・・。

そう言おうとして、そのまま画面に釘付けになってしまう。

そこには、まるで下手な画像加工を施したように、突然、何の前触れもなく、

彼が寝ている両脇に、正座をした女がふたり現れた。

何処かから歩いてきたとか、降りてきたというのではなく、突然、画面に

現れたその女に彼も固まったまま目を離せなくなっていた。

すると、画面の映る右側の女が彼の首に両手をかける。

その直後、画面の中の彼は、息が出来ず苦しみ悶えるように、苦悶の表情を

浮かべたまま声にならない嗚咽を漏らす。

すると、今度は左側の女が、両手に体重を架けるかのように思いっきり

彼にのしかかる。

そして、彼はまたしても苦しそうな声を漏らす。

それは夜中の間ずっと続けられ、彼はそのうちにぐったりとしてまるで

死んでいるかのように見えた。

すると、その姿を見て、満足気な顔を浮かべたまま、2人の女は立ち上がり、

そのまま壁の中に消えていった。

すると、突然、彼は咳き込むように息を吹き返す。

そして、そのまま朝まで何も起こらず彼は、無事に起きるまでが、しっかりと

ビデオに記録されていた。

本当にこんな事があるんですね・・・・。

ボソッと部下が呟いた。

そして、固まったままの彼に、部下は気の毒そうにこう言った。

イビキかいていなかったから病院には行かなくても良いみたいですね。

でも、その代わりに、すぐに御祓いを頼んだ方が良いと思いますよ、と。

それから、彼は俺の所に相談をしてきたのだが、いつものようにAさんに

お願いすると、面倒くさそうに対応してくれた。

勿論、ほんの1時間ほどで浄化は全て完了し、彼はそれ以後、苦しまずに

寝られているようだ。

ただ、その時、俺はAさんに聞いてみた。

こんな事ってよくある事なの?と。

すると、Aさんは、いつものように奢りのスイーツを食べながら、

当たり前じゃないですか!

寝ている時って、人間は一番無防備なのに、本来持っている霊的なものは

起きている時よりも強いから、本当に簡単に霊と波長が合ってしまうんです。

だから、かなりの確率で、寝ている時にはそういうのが近くに居ますね。

まあ、寝てれば気付かないんですけどね。

だから、もしかすると、朝になった起こしにいったら亡くなってたなんていうのも、

それが原因の場合もあると思いますよ。

と平然と言う。

それじゃ、どうしたら良いの?

夜中にもしも目が覚めちゃったら?

そんな時は、弱みを見せたら駄目ですね。

お前誰だ?

殴られたくなかったらさっさと消えろ!

これ位の気迫で対応しないと!

そう言うので、

もしかして、Aさんも、そういうのに遭遇したことあるの?

と聞くと、

ああ、昔はね。

よく説教してマッサージさせたりしましたけど・・・。

でも最近は全く来てくれませんね・・・。

そう言っていた。

やはりAさんは別格なのだと改めて確信してしまった。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:29Comments(18)

2018年02月26日

ミマキ中古プリンタJV33のご紹介!

SOLDOUT!

お買い上げ、ありがとうございました!


サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

皆様のお陰で、昨晩、10時頃の新幹線で

大監督は無事にご帰還なされました。

やはり、大変な人多さでかなり疲れていた

様ですが、万が一の時には妻が渡した

お金を取り戻そうとする妻と、そのまま懐に

入れて小遣いにしてしまおうという娘の間で

熾烈な神経戦が展開されておりました(笑)

まあ、そんな時には、私はさっさと自室に

引き上げましたが・・・。

今夜は、怖くない話ではなくて、本業の方の

話になります。

ミマキの中古プリンタ

JV33-130のご紹介です。



インクタイプは速度重視の4色×2

勿論、SS21インクです。



アフターヒーターの上には、メディアの滑りを

良くするフィルムが貼られておりますが、

必要無ければすぐに剥がせます。

かなり綺麗な場所で使用されておりましたので

とても綺麗な個体です。

数日前まで、普通に使用されておりましたので

調子は良いです。

勿論、専用RIPソフトのラスターリンクプロ5が

付属します。

更に、インストール済みのパソコン1式も付属されます。



勿論、このプリンタもミマキさんのご協力のもと、しっかりと

点検・整備されたプリンタになりますが、一つだけ

難点があります。

それは、普通にプリントをしていると気は全く問題ありませんが、

1度プリンタの電源を切ると、次に印刷しようとすると、マゼンタに

ブラックインクが微妙に混ざります。

これも、1度クリーニングをかけて頂ければすぐに回復し

プリント作業に入れます。

実際、使用上には全く問題ありませんので、あえて修理をして

販売価格が高くなるよりも、そのままでご紹介させて頂き、

安価での販売をさせて頂いた方が良い、と考えました。

販売価格は・・・・・。

特価20万円(税別)

なお、いつも通り、ご購入者様での引取りが大前提になります。

トラックでも良いのですが、出来ればプリンタに余計な

振動を与えない為にも、ハイエースなどのハイルーフ車が

最適かと思います。

お引取り時、動作確認をして頂き、その後、使用説明、

そして、ご納得頂けた時点で、お支払いとなります。

基本的には、当社において動作チェックの後は、

お客様の自己責任での運搬になりますので、

ご理解ください。

それでは、ご検討、宜しくお願い致します。

ご質問はお気軽にどうぞ!

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:05Comments(4)

2018年02月25日

初七日

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様でございます。

昨夜もブログの引越し作業に追われ、かなり

遅くまで起きておりましたが、今朝は、珍しく

妻が部屋まで起こしに来て、

○○、無事にビッグサイトに到着したみたいだよ。

それでね。

自動改札で何回も閉じ込められてパニックに

なったみたい(笑)

という言葉に起こされました。

そうです。

金沢駅には、新幹線の改札しか自動改札が無く、

北陸新幹線に修学旅行しか乗った事が無い大監督

にとって、自動改札はまさに高過ぎるハードルでした。

でも、自動改札のゲートが閉まり、慌てふためいている

大監督の顔を思い浮かべ、夫婦揃ってニンマリしてしまいました。

でも、コメントで助言頂いた皆様のお陰で無事に

東京マラソン開催の中、ビッグサイトに辿り着けただけでも

大監督にすれば上出来です。(キッパリ)

皆様、本当にありがとうございました。

きっと帰って来る頃には、少しは成長していると確信

しております。

それでは、今日は少し早いですが、怖くない話を

いってみましょう。

中西様もコメントを書いてくれましたし、嬉しい限りです。

その他の常連様達も、お暇な時にはコメント頂けると

小躍りして喜びます。

ということで、怖くない話。

悲しくて長文ですが・・・。

どうぞ~!





これは俺の友人宅で起こった話である。

彼の家は自営で日本料理の店を経営しており、友人である彼は2代目

という事になる。

店はかなり繁盛しており、友人である俺でも、なかなか予約が取れない

状態だった。

それでも、仕事で東京などからやって来たお得意さんを接待したいと

思って無理を承知で頼んでみると、無理やりにでも何とか席を確保

してくれるという優しい人間だ。

実は、加賀料理が大好きなAさんも。この店の常連になっていた。

まあ、俺が連れて行ったのがいけないのだが、金欠になると、よく

その店に食べに行き、お代は俺につけてくる、というとんでもない事を

やっているようだった。

それなりに名の通った日本料理店ともなれば、それなりの金額になるのだが、

そんな店へAさんは1人で出掛け、たらふく食べて帰ってくる。

そして、俺がその店に行くと、

あっ、そういえば、先日もAさんが食べに来てくれて・・・。

で、これがその請求書・・・・・・。

と言って高額な請求書を提示される。

もっとも、彼がその額面の通りにお金を支払わせて事は無い。

いつも、気持ちだけで良いよ、と言って俺からは数千円しか取ろうとしない。

本当に頭が下がってしまう。

それは、俺との友情とかいうものではなく、単に、彼がAさんのファンだから

なのだと思っている。

俺がいつもお店に行くと、

あんな綺麗な人がお店に来てくれるだけで、店が華やかになる、とか

お前も良くあんな綺麗な人と知り合いになれたもんだよ。

羨ましい・・・。

といつもAさんの話題になってしまう。

まあ、知らぬが仏・・・というやつだ。

話を戻そう。

そして、彼には奥さんと、中学生の長男、そして小学5年生の長女がおり、

郊外の一戸建てに彼の両親と共に暮らしていた。

俺も何度かお邪魔したことがあるが、日本料理の店のオーナーの家とはとても

思えないような洋風の家であり、昔はハードロックバンドをやっていた

趣味のせいか、家の至るところにとてもファンキーな装飾が飾られている。

奥さんもとても明るく気さくな女性であり、その子供達もとても元気が良く、

それでいて、礼儀も行き届いているというまさに理想的な家族だった。

その中でも、小学5年の長女は、いつも明るく元気過ぎるくらいの子供

であり、よくお店を手伝ったりするのだが、その際にはいつもお客さんから

アイドル的な存在になっていた。

あのAさんでさえ、服の上から料理をかけられても、たとえ、“おばちゃん”

と呼ばれても笑って済ますというのだから、相当なものだ。

しかし、世の中というのは本当に理不尽なものである。

その日、ある些細な事が原因で、小学5年の娘が家を飛び出した。

娘がどうしても山に連れて行って欲しい、と頼んだらしいのだが、忙しい

両親は、我慢しなさい!とだけ言って娘のお願いを聞いてあげなかった。

実際、お店を開けるマテには、本当に色々な仕事があり、とても山に連れて

行く余裕など無かったのだが・・・。

そして、それから数時間後、警察から連絡が入る。

娘さんが交通事故で亡くなったというものだった。

仕事も放り出して急いで病院に向かった。

其処には、変わり果てた一人娘の姿があった。

体中が泥だらけになっており、顔だけは綺麗なままで、まるで眠っている

かのようだったという。

そして、その横には事故に遭った際もずっと握り締めていたという花束が

そっと置かれていた。

それからは店も休み、娘の葬儀に忙殺された。

悲しい筈なのになぜか涙が出てこなかった。

あまりに酷い悲しみに直面すると、人は涙が出ないと聞いた事があるが、まさに

そんな感じであり、涙を言ってきでも流してしまったら、そのまま悲しみに飲み込まれ

二度と立ち上がれない・・・そんな確信があったという。

そして、無事に葬儀も終わると、家の中は完全に灯が消えたようになってしまい、

お店も開ける気が全く起こらなかった。

そして、奥さんが亡くなった娘さんの部屋を整理していた時、ふと、娘さんの日記

のようなものを見つけた。

そこには、

もうすぐ、大好きなお母さんとお父さんの結婚記念日だ。

だから、私も今年こそは何かプレゼントしなきゃ・・・。

うん・・・そうだ。

山に行ってお花を摘んできて大きな花輪にして贈ろう!

喜んでくれるかな?

そんな事が書かれていた。

その時、娘が山に行きたいと言ったのが、単なるワガママではなく、

夫婦の結婚記念日のプレゼントを贈る為だった事に気付き、奥さんと彼は

号泣した。

そして、

すまなかった・・・。

お前を殺したのは私達かもしれないな・・・。

そう思うようになっていった。

そして、その直後から家の中で怪異が発生するようになる。

誰もいない筈の娘の部屋から声が聞こえたり、バタバタと走り回るような

音が聞こえた。

夜、寝ていると、娘の声と思われる歌が、家中に響き渡った。

そして、どれも急いで娘の部屋を探すのだが、やはり誰もおらず・・・。

そんな時、俺が彼の家に用事で出かけた際、ある事に気付いた。

それは、家中の者達がげっそりとやつれ、その目はどこか焦点が

定まっていない。

そして、それは何かに取り憑かれた人に現れる症状と同じだった。

不安になった俺は、Aさんに相談した。

すると、いつもなら、面倒くさそうな対応しかしないAさんが、すぐに

彼の家にいく事に了解してくれた。

そして、その道すがら、

辛い結果になりそうですから、Kさんも協力してくださいね・・・。

といつもは絶対に言わないような言葉を口にする。

理由を聞こうとしたが、その時のAさんの辛そうな顔を見て、やはり聞けなかった。

彼の家に到着し、玄関の呼び鈴を鳴らすと、しばらくして彼ら夫婦が出てきた。

どうした?何かあったのか?

と聞く彼らに、俺はとりあえず家にあがらせてくれ、と頼み込む。

不思議そうな顔で、俺とAさんを家の中に入れてくれた彼ら夫婦に、Aさんが

口を開く。

はっきり言いますね。貴方達ご夫婦を始め、この家の方全てが取り憑かれています。

そして、残念ながら、取り憑いているのは、亡くなられた娘さんです。

そこまで聞くと、彼らはどこか心当たりがあったのか、

もしも、そうだとしたら、ソレはある意味、嬉しい事かもしれません。

だって、もう一度、娘に会えるという事ですからね・・・。

それを聞いてAさんの顔が急に厳しくなり、こう返した。

違うんです。そうじゃない。

貴方達はそれで良いのかもしれないけど、このままだとあんなに可愛い女の子が

ずっと、現世に縛られてしまうんです。

人は亡くなると、7日間の間、この現世に留まります。

その間に、あの世に行く準備もしなくてはいけないし、これからどうするのかも

決めなくてはいけないんです。

あの世に行くのか、それとも、このまま現世に留まるのか・・・。

ただし、現世に留まるというのは、余程の恨みがあるか、自殺してやむを得ない

場合を除き、例外中の例外です。

だから、当然、現世に留まった霊は孤独で寂しい思いをする。

そして、そのうちに悪霊に変化するものが殆どなんです。

そうなったら、もう何処にも行けない。

もしかすると、そのうちに悪霊にさえ、なってしまうかもしれません。

それで良いんですか?

少なくとも私は、あんなに可愛かった娘さんを、浄化するなんて、御免です!

それを聞いてもじっと俯いている彼ら夫婦に、Aさんは優しく聞いた。

娘さんの初七日が明けるのはいつですか?と。

すると、それは明後日だという。

そして、Aさんは、こう続けた。

もしも、明後日に初七日が明けるまでに、娘さんをこの家に入れてしまったら

もう何をやっても無理です。

だから、どんな事があっても絶対に娘さんを家に入れてはいけません。

酷なようですけど、それが娘さんにとっても最良の道だから・・。

分かって頂けませんか?

すると、彼ら夫婦は顔をAさんに向けて、

本当にそれが娘にとって最良なんですね?

と返し、Aさんが大きく頷くと、夫婦は泣きながら、

宜しくお願いします・・・。

と声を絞り出した。

それから何度か、不思議な事が起こったらしいが合えて、彼らはそれに

反応しない様にした。

そして、ちょうど初七日が明ける日の昼間、突然の電話が掛かってくる。

電話に出ると、聞こえてきたのは亡くなった娘の声だった。

まるで、生前と変わらず元気な声で、

今夜帰るから玄関の鍵かけないでね!

それだけ言うと電話は切れた。

娘さんの声を聞き、さすがに動揺してしまったが、それでも何とかその電話の件を

俺に知らせてくれた。

Aさんに連絡すると、

それでは、今夜、家に出向かないといけないですね・・・。

今夜が勝負ですから・・・。

そう言って、電話が切れた。

夕方、彼の家に着くと、既にAさんが彼の家に着いていた。

玄関の回りを清め、娘さんの霊が玄関に近づき難くする為に、色々と何かを

やっている。

俺が、

そんな事するくらいなら、いっその事、家に近づけない様にすれば?

と言うと、

相変わらず単純な脳細胞ですよね。

そんな事をして、彼ら夫婦が本当の意味で納得しますか?

娘さんの死を受け入れて、それでもこれから前を向いて生きていける様に

しないと何の意味も無いでしょ?

もうこうなってしまったら、彼ら夫婦と娘さんの両方を満足させる最良の結果

は難しいけど、それならせめて生きている彼らだけでも何とか最良の結果に

持っていってあげないと・・・・。

そう言われた。

そして、家の中へ戻り、家の明かりを全て消したまま待機する。

そして、ちょうど午後9時位になると、突然、玄関の

呼び鈴が鳴らされた。

玄関に向かおうとする夫婦をAさんが制止する。

静かに・・・、出来れば、このままやり過ごすのが一番ですから・・・。

すると、玄関の方から、真っ暗な部屋の中に娘さんの声が響いてくる。

ねぇ、開けてよ・・・どうして鍵が掛かってるの?

ママもパパも私の事、嫌いなの?

私はこんなにママとパパが好きなのに・・・・

ねぇ・・・・ねぇ・・・・・。

そして、玄関のドアが、ドンドンと叩かれる。

その間、本当にこれが最良の方法なんですよね?と念を押すように、彼ら夫婦が

Aさんの顔を見る。

そして、そのうちに、玄関を叩く音も、娘の声も聞こえなくなった。

彼ら夫婦は、悲しみと安堵感が入り混じった神妙な顔で息を殺していた。

すると、突然、すぐ近くから大きな声が聞こえた。

見~つけた!

娘さんの声だった。

全員がその声のする方を見ると、窓に張りついた娘さんがニコニコと笑いながら

こちらを見ていた。

その姿を見て、さすがの彼ら夫婦も、窓に駆け寄り、窓を開けようとする。

何やってるんですか?駄目ですよ!

Aさんの厳しい声が鳴り響く。

彼ら夫婦を窓から引き離してAさんがこう語りかける。

あのね・・・○○ちゃんは、もう死んじゃってるの・・・。

ママとパパに会いたい気持ちは分かるけど、それでママとパパが不幸になっても

良いの?

そんな姿でパパとママに会いにくる事自体が、誰も幸せにしないの!

分かる?

そう語りかけると、その娘さんの顔が突然、恐ろしい顔に豹変した。

あんた、関係ないでしょ?

ママとパパに会わせて!

ずっと一緒に居たいんだから!

そう言うと、家はガタガタと大きく揺れて、酷い耳鳴りが襲ってくる。

娘さんの顔は、残念だがもう既に、完全に悪霊と言って良いほどに、醜く崩れている。

生前の姿を知っている俺は、とても正視するのが辛かったが、それはAさんも

同じだったようだ。

目をつぶり、何かを呟いた後で、Aさんはもう一度、語りかける。

このままじゃ、○○ちゃんを浄化させなくちゃいけないの・・・。

でも、それは絶対にしたくないから・・・お願い、分かって・・・。

それでも、娘さんの顔は更におぞましいモノに変わるばかりだった。

Aさんは深いため息をついて、悲しそうな顔で、俺の顔を見て、目配せした。

それは、これから娘さんを浄化するという決断と、その為に、その様子を

見なくて良いように、彼ら夫婦を部屋から連れ出すように、という指示に

他ならなかった。

もう、それしか方法は残っていない・・・。

俺もそう思った。

その時、再び、彼ら夫婦が窓に駆け寄った。

そして、

パパとママの為に、お花、ありがとうね・・・。

本当に嬉しかった。

ママとパパも忘れていた結婚記念日を覚えていてくれたんだね?

本当に優しいものね・・・・昔からずっと・・。

そんな○○が、ずっと大好きだから・・・。

○○が一緒に連れて行きたいならそうしなさい・・・。

ママもパパも、いまでも○○の事が大好きだから、全然大丈夫だよ!

これからも、いつでも一緒に居てあげるよ。

でも、お兄ちゃんの事もあるから、ママとパパのどちらかだけ、残して欲しいな。

お願いだから・・・・。

彼ら夫婦は泣きながら娘さんに語りかけた。

すると、みるみる娘さんの顔が、生前の愛らしい顔に戻っていく。

そして、

私のせいで、ママとパパが離れ離れになっちゃうの?

そんなの私嫌だ・・・。

あのね・・・・ママもパパも、今でも私の事好き?

お花も喜んでくれた?

キョトンとした顔で聞いてくる娘に、彼ら夫婦は、大きく頷き、

勿論じゃないか!

お前より大切なものなんて何処にも無いんだから・・・。

そう言うと、娘さんは満面の笑みを浮かべ、

うん。わかった。私も大好きだよ。

ごめんね。ワガママ言って・・・。

でも、もう行くね・・・。

今まで本当にありがと!私もこれからもずっと大好きだから・・・。

そう言うと、娘さんの身体はまるで霧のように薄くなっていき、そのまま

暗闇の中に消えた。

静かになった部屋の中で、夫婦のすすり泣きがずっと聞こえていた。

それから、Aさんと2人で、外へ出て先程まで娘さんが張り付いていた窓

に向かうと、そこには、花で造られた大きな花輪が二つ落ちていた。

それを拾い、彼ら夫婦に渡すと、彼らは一気に号泣したのだが、その時、

どうやら、Aさんも涙が止まらなかったらしく、無言のまま、外に出で行った。

それから、彼らの家では怪異というのは収まったらしいが、それでも不思議な事は

起こっていた。

それは、彼らが再び、お店を再開してからというのも、亡くなった娘さんの姿を

見たというお客さんが後を絶たなかった、という事だ。

彼ら夫婦には全く見えなかったが、お客さんの殆どが娘さんの姿を目撃していた。

しかし、誰もその姿を見ても、恐ろしくは感じなかった。

まるで、生前と同じように、元気で愛くるしい顔でお店中で笑っている娘さんに

お客さんは皆、癒され、お店は更に繁盛している。

その話を聞いた俺は、Aさんに、

大丈夫なの?初七日過ぎてるのに・・・・。

と聞くと、

うん。全然問題ありませんよ(笑)

と嬉しそうに笑っていた。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 14:20Comments(40)

2018年02月24日

視野

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

先ず初めにお礼を言わなくては・・・。

うちの娘の東京行きの為に、色んな方達が、

親身になってアドバイスして頂き、本当に

心より感謝致します。

ありがとうございます!

勿論、うちの娘もとても感動しておりました。

コメントに書かれた内容はプリントアウトして

持参するそうです(笑)

まあ、無事に帰って来れるのか、いまだに

不安ではありますが、これもきっと娘の成長には

役立つのかな、と自分に言い聞かせております。

今夜は色々と忙しくて、怖くない話を更新するつもりは

なかったのですが、とりあえず短い話を書きましたので、

一応アップさせて頂きます。

中西様も最近出現されませんし、ミニ子さんもなんか元気が

無いのが凄く気になっておりますが・・・。

それと、先日のコメントでも書かれておりましたが、いつでも

文庫本をお送り頂ければ、サインを入れ粗品を付けて

お戻し致しますので、いつでもどうぞ!(笑)

それでは、短いですが、怖くない話、いきましょう。

それでは、どうぞ!




これはある霊能者から聞いた話である。

人間には視野というものがある。

普通の人間で、だいたい90度~100度くらい。

しかし、目が顔の横に付いている動物の視界は人間よりも遥かに広い

視野を持っているらしい。

つまり、人間は、前から攻撃や防御には優れているが、それ以外の

約270度くらいが、まるで見えていないということである。

これを、霊が見えるとか見えないとかの話に置き換えてみると、話はとても

単純らしい。

人間というのは、ごく日常的に霊を見ているらしい。

ただ、霊というのは、ちょうど視界の境界ギリギリの場所にいるらしく、

何か気配がする、と感じた時には、かなりの確率でその視界のギリギリの場所に

映り込んでいる。

そして、それはカメラの場合も同様らしい。

よく心霊動画といわれるものを見ていると、カメラが急に別の場所を映した

瞬間に映りこんだり、カメラの移動中に映り込んでいる場合が確かに多い。

霊も急なカメラアングルの変化に対応出来なかったのかもしれない。

では、何故カメラには動画として映りこむのに、なかなか人間の目には

霊が映りこまないのか?

それは、やはり人間という生き物が、有形というものを見てはいけない

畏敬の存在として無意識のうちに避けているからだそうだ。

だから、どうしても霊の姿を見たい、という強者がいるとしたら、その為には

訓練によって目を左右に動かし視界を広げれば良い。

そうすれは、もしかすると、見たくない、後悔するようなモノが見えてしまう

かもしれない。

ただ、俺はその話を聞いたとき、少し疑問に感じた事がある。

それは、霊を見るのは、真横や背後だけではない、ということ。

明らかに、前方に立ちふさがる霊の姿を何度も目撃していると、そんな場合、

望まなくても霊は見えてしまうのだから。

すると、こんな答えが返ってきた。

そういう見え方をする霊は、何か用事があって目の前に現れたか、もしくは

危害を加えようとして出てきた霊のどちらかだ、と言われた。

そして、それがもしも前者の場合は怖いが実害は無いという、タイプだが、

後者の場合は、とにかくすぐにその場から逃げなければいけない。

そう言われた。

そんなのに出くわして簡単に逃げられると思う?

と聞くと、

簡単じゃないだろうけど、逃げるしかないでしょ?

だって、そのまま霊と対峙してたら、下手すると殺されちゃうから・・。

簡単じゃないだろうけど、逃げるしか選択支は無いから・・・。

だから、死ぬ気で逃げなきゃね!

そう言われた。

もしも、お手軽に霊の姿が見たいというのなら、突然振り返ってみるのも

ひとつかもしれない。

それくらい、霊というのは身近に普通に、存在しているものなのだから。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:52Comments(24)

2018年02月22日

護符

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

コメント、色々と拝読させて頂いております。

結論としまして、この会社のブログには、

引越し完了までにアップした話は、そのまま

置いておきます。

ですから、お好きな時に過去記事をお読み

頂ければ、と思います。

私自身、このブログに沢山の読者様が来て

くれているのは、やはり会社のブログに、こんな

不謹慎な怖い話を書いているからだと

自覚しております。

ですから、このブログに新しい話がアップされなくなっても、

こちらの読者様同士がコメント欄などて色々と交流を

深めて頂けると、私としても嬉しい限りです。

せっかく沢山の方達にお越し頂いてりますのに、

本当に申し訳ありませんが、色々と事情もありますので、

ご理解くださいませ。

それから、今日、電話にて、

TOKANA(トカナ)というサイトのライターさんに

取材を受けました。

気が付いたらベラベラと余計な事まで話して

おりました(涙)

いずれ、記事になってアップされると思いますので、

宜しければどうぞ!

ちなみに、取材費を頂けるという申し出は丁重に

お断りしました(笑)

それから、怪談最恐戦2017(竹書房HP)の

投票締め切りが、今月の28日に迫っております。

宜しければ、ご参加頂けると嬉しいです。

ちなみに、闇塗怪談には、投票しなくて結構です(笑)

私も読みましたが、やはり皆様、プロの作家さんだけ

あって、どれも文章が上手過ぎです(涙)

その最恐戦を記念?して、ツイッターにて、

各作家様達の150文字怪談も見られるようです。

私も150文字怪談を書きましたが、ツイッターを

やっておりませんので、残念ながら読めませんが(涙)

ツイッターをやられていいらっしゃる方は是非どうぞ!

それはそうと、闇塗り怪談第2弾の校正が全然

進んでおりません。

まあ、編集者様にお任せしておりますので、

気にしても仕方ないのですが、やはり最後の本だけに

少し不安・・・です。

ちなみに、うちの大監督ですが、夜行の高速バスで

新宿まで行くそうなんですが、そこからビッグサイトまで

どうやって行けば良いのか、不安でいっぱいらしいです。

まあ、迷って悩んで、通りすがりの人に道を聞くのも

勉強だと思い、何のアドバイスもしておりませんが(笑)

きっと田舎モノ丸出しでキョロキョロするんだろうな、と

ちょっと笑えてしまいます。

まあ、可愛い子には旅をさせろ・・・ですね。

それでは、今夜は怖くない話、いきます。

どうぞ~!





Aさんという女性は、なかなか手強い女性である。

態度もでかいし、口も悪い。

Aさんに助けてもらった事も数多いが、Aさんのお陰で危険な目に遭った

事も相当な数になる。

それでも、やはりAさんと仲良くなると便利な事もある。

その1つがAさんから貰う護符・・・である。

一見、何の変哲も無い紙切れにしか見えないのだが、その護符が在ると無いと

では、怪異の遭遇率が大きく変わる。

いっその事、通販で売れば?

と思ったりするのだが、当のAさんはお金には興味が無いらしい。

それよりも、面倒くさい事が何より嫌いだから、必要に迫られた時にしか

造らない、と言うのだから、勿体無い

話かもしれない。

そして、以前、こんな出来事があった。

彼は公務員をしながらバンド活動をしていた。

つまりは俺とAさんの共通の友人だ。

郊外に一戸建てを建てて、奥さんと子供2人の4人で仲良く暮らしていた。

そんな彼の楽しみは仕事が終わり帰宅してから、自分の部屋で映画を観る事。

部屋には防音が施され、沢山のスピーカーと大型スクリーンに囲まれた

その部屋は、まるで小さな映画館といった感じだ。

その部屋で、好きな映画のブルーレイを、酒を飲みながら鑑賞する。

大きなソファーも備わっており、そこで横になったまま観る映画は最高らしい。

ただ、やはりそんな快適な部屋に居ると、ついつい眠たくなってしまう。

だから、彼はいつも映画の途中で居眠りをしてしまい、夜中に奥さんに起こされる

というのが日課になってしまっていた。

そんな彼をある時、異変が襲った。

映画を見ていた時、突然、大きな揺れの様なものを感じ、部屋の電気も全て

消えてしまった。

慌てて部屋から出て家族の安否を確認したらしいのだが、どうも、その時揺れを

感じたのは彼だけのようであり、確かに他の部屋の電気は全く消えていなかった。

だから、その時は、

もしかすると、寝ぼけてたのかもな・・・。

という結論に達したという。

しかし、それからが本当の怪異の始まりだった。

彼が1人で部屋の中で映画を観ていると、映画の音声に混じって、

ケラケラという笑い声や、怒りに満ちた叫び声のようなものを聞くようになる。

それも、それらの音は彼の耳のすぐ近くから聞こえていた。

最初は、音声システムの誤作動かな、とも思ったらしいのだが、それから

その笑い声や叫び声は映画を観ていなくても聞こえるようになる。

しかも、それは彼が部屋に居る時だけに限って起こるのだ。

さすがに気味悪くなった彼は、Aさんに相談したという。

すると、数日後、Aさんが護符を届けてくれた。

しかし、その時、Aさんはかなり多い数の護符を用意してくれたらしいのだが、

彼は、自分の部屋に貼る1枚だけで良いから・・・。

と、そのほかの護符はAさんに返したらしい。

部屋に入れなくなったら、家のほかの場所が危なくなる、というAさんの

アドバイスを無視して・・・。

実際、彼はその時でも霊障などは信じておらず、ただ気休めにAさんに護符を

頼んだだけだったらしい。

そして、持ち帰った護符を自分の部屋の壁に貼った。

すると、まるでそれまでの怪異が嘘のように、彼の部屋には再び平和な時間が

訪れた。

そして、その平和な部屋の中で彼は毎晩の様に映画鑑賞を楽しんだ。

何も起こらなくなると、人間というのは気が大きくなるものらしく、彼は

それまでに起こっていた怪異すら、きっと気のせいだったのだろう、と

勝手に決め付けてしまったようだ。

それから、彼自身は平和で充実した時間を過ごしていたようだ。

奥さんが少しずつ痩せていき、子供達の顔色もだんだんと悪くなっていく。

それでも、彼は対して気にも留めず、いつものように仕事から帰宅すると

映画を観ながら寝落ちしてしまう、という生活を繰り返すようになる。

そして、ある日の夜、いつものように映画を観ていた彼はそのまま寝落ちしてしまった。

翌日は休みだったらしく、いつもより夜更かししていたのだという。

そして、彼の寝息を聞いたのか、奥さんが彼の部屋のドアを開けた。

彼は、いつものように、

あっ・・・ごめん、ごめん。

また、寝ちゃってたかな?

そう言いながら、身体を起こしてドアのほうを向いた。

すると、そこには、開いたドアの向こうから、奥さんと並んで立っている

2人の女の姿が見えた。

誰だ・・・こいつら?

いつもなら寝ぼけてしまう彼だったが、さすがにその時は一気に目が覚めた。

そして、もう一度ドアの方を見ると、間違いなく見知らぬ女が奥さんの横に

立って、彼を恨めしそうに睨んでいた。

どうやら、部屋には入ってこられないそれらの女は、奥さんがまるで

子供に見えてしまう程、身長が高かった。

いや、高いという表現を通り越して、まるで酷い猫背になって、彼の部屋を

覗き込んでいた。

しかし、どうやら、その女達の姿は奥さんには見えていないらしく、

ちゃんと、電気消して寝てよ!

と言う言葉を残して奥さんがドアを閉めた。

そして、ドアが完全に閉まるまで、ずっとその女達の目が彼を睨んでいた。

その時、彼は初めて分かったという。

彼の部屋に怪異が起こらなくなったのは、やはりAさんから貰った護符の

お陰なのだということを・・・。

そして、彼の部屋に入れなくなった霊が、彼の見ていない家の中で

怪異を起こすようになっていたという事を。

その為に、霊障は、彼ではなく奥さんや子供達に向けられていた事を・・・。

それから、彼はすぐにAさんに連絡して、あの時、返した護符をもう一度

もらえないか、と頼んだらしい。

その時、Aさんは、

だから、言ったでしょ?

と笑いながら、すぐに新しい護符を用意してくれた。

そして、Aさんから護符を貰い、家の中の

いたる所に貼りまくったところ、

それからは、家の中で怪異は全く起こらなくなったそうである。

奥さんも子供達もみるみるうちに元気を取り戻した。

ちなみに、我が家にも、しっかりAさん特製の護符が貼られているが、半年も

しないうちに、その護符は真っ黒になってしまう。

だから、もしもAさんの護符が無かったら・・・と思うとさすがに

恐ろしくなる。

勿論、その代わりに、俺はAさんに色々とご馳走をしなくてはいけないのだが。

まあ、持ちつ持たれつ、というところなのかもしれない。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:57Comments(30)

2018年02月20日

開かずのトイレ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

現在、ブログの引越し準備中です。

引越しした後、このサイトの怖くない話を残した方が

良いのか、思案中です。

勿論、コメント欄はこのまま残しておきますので

お好きに使ってください。

私も、ブログの引越し後は、このサイトでは

仕事関係の内容が中心になりますが、

たまに書く事になると思いますが、

宜しかったらコメント頂けると嬉しいです。

うちの大監督も、皆様のコメントでのアドバイスを

伝えましたら、ちゃんと歩きやすい靴を

履いていって、会場で履きかえると申して

おりました。

皆様のアドバイスに感謝致します(笑)

それでは、今夜もいきます。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!






これは友人から聞いた話である。

ある日、友人は友達と一緒に映画を観に行った。

大型のショッピングモールに併設された映画館だったらしい。

彼女は本当はホラー系の映画を観たかったらしいのだが、一緒に行った

友達というのがホラーが苦手らしく、仕方なくラブコメディ映画を観る

事にした。

休日という事もあり、映画館はかなりの賑わいだった。

彼女自身、よく映画を観に行くらしい。

だが、その時は何故か不思議な事が連続して起こる。

常に誰かの視線を感じたり、時には得体の知れない悲鳴の様な声が聞こえてくる。

そして、それは映画を観ている間も変わらなかった。

いや、映画を観ている間はもっと酷かったといっても良いくらいだった。

映画を観ていると、ふと誰かの視線を感じ、そちらの方を見ると、見知らぬ女が

通路に立ってこちらを見ている。

最初は、

あの女の人、何してるんだろう?

と思ったらしいが、それはやがて

迷惑な人だな・・・。

あんな所に立っていたら、後ろの人が映画を観るのに邪魔になるよ・・・。

と変化した。

そのうち、彼女はある事に気付いた。

それはどうやらその女の姿は周りの人達には見えていないのだということ。

それが分かってしまうと、急に恐怖に襲われた。

ジッと、こちらのほうを向くその女の顔がとても気味の悪いモノに感じた。

しかし、どうやら、その女が見えているのは彼女だけではないらしい。

彼女の横で映画を観ている友達も、だんだんとイライラした顔になっていたから。

彼女は、その女の姿が見えているのが自分だけではない、と気付き、少しだけ

ホッとしたという。

しかし、彼女の横で映画を観ている女友達の顔はどうみても恐怖を感じている

顔ではなかった。

むしろ、突然現れて、じっとこちらを見ている女に、イライラを募らせている。

そんな風に見えたという。

そんな女の姿も映画が終わる頃には、消えていた。

彼女は友達と一緒に映画館を出た。

そして、2人揃ってトイレに行く事になった。

先程の女の顔が脳裏に焼きついており、彼女ひとりだけてばトイレに行く事が

出来なかったのだ。

そんな彼女の頼みにも、その友達は快くOKしてくれた。

そして、トイレの前に行くと、どうやら休日という事もあり、かなり

長い列が出来ていた。

しかし、トイレの一番奥の個室が使用禁止の張り紙をつけられたまま、

誰も利用していないようだった。

そこで、彼女は思い出した。

その商業施設のトイレは霊が出るという事で有名だということを。

昼夜に拘わらず、そのトイレの一番奥の個室を使った者は、この世のものとは

思えない程の恐ろしいモノに遭遇するのだという。

だから、彼女は思わず、トイレの一番奥の個室の方を凝視してしまう。

そこで、彼女はハッと息を呑んだ。

そこには、トイレの一番奥の個室のドアが少しだけ開いており、その隙間から

1人の女がこちらをジッと見ていた。

彼女は恐怖で体が硬直してしまった。

他のトイレに移動使用かと、隣に居る女友達にお願いしようと思った。

しかし、どうやら横に居る友達は全く怖がっている様子が無かった。

それどころか、今にも大声で怒鳴りだしそうな顔をしている。

その間、トイレの中に出来た長い人の列はなかなか順番が進まなかった。

だから、彼女は思い切って、友達にお願してみたらしい。

きっと優しい友達のことだから、すぐに快諾してくれる筈・・・・。

そう思っていた。

しかし、彼女の言葉を聞いた途端、その友達は塚且つとトイレの中を進んでいく。

そして、一番奥の個室のドアの前に立つと、突然、ドアを叩いた。

そして、

うざいんだけど・・・。

さっきからずっとちょっかい出してきて!

何か用でもあるの?

いい加減にしてくれる・・・。

早くここを開けなさい!

皆、待ってるんだから・・・。

すると、トイレのドアが大きな音を立てて、内側から叩かれた。

トイレの中で列に並んでいた人達は、皆、その音に恐怖し、一気にトイレの中は

静寂に包まれた。

せっかく並んでいた列から離れていく者もいた。

しかし、彼女の友達だけは全く違っていた。

まるで、ドアを叩かれた事に、キレてしまったかのように、怒りの表情で

大きく深呼吸していた。

そして、突然、

わかったよ・・・開けないんだよね?

それなら、こっちから行くから・・・。

そう言い終えると、勢い欲両手で個室のドアを押した。

噂では、そのドアが開いたら、無事では済まされないと聞いていた彼女は

その光景を恐怖の中で見守った。

しかし、トイレのドアは、そのままゆっくりと開いていく。

その時、彼女の目には、恐ろしい形相でドアの隙間から友達を睨みつける

女の姿を見てしまった。

彼女は思わず、

あっ・・・危ない!

と叫んでしまった。

しかし、友達はそんな言葉も聞こえていないのか、そのまま吸い込まれるかのように

個室のなかへ入っていき、そのままドアは閉まってしまう。

彼女は個室のドアに駆け寄って、

ねぇ・・・大丈夫?

と声を掛けたのたが、その時個室の中からは、

あんたねぇ・・・何考えてるの?

映画の間もずっと付きまとって、挙句の果てにはトイレまで・・・。

そんな顔をしても、怖くないから・・・。

うるさい・・・全て自分が悪いんだからね!

そんな声が聞こえたかと思うと、個室の中が一瞬、明るくなる。

何してるの?

そんな風に心配して見守る彼女の耳に、トイレを流す音が聞こえてきたかと

思うと、次の瞬間、個室のドアが開いた。

彼女は呆然と見ていたらしいのだが、次の瞬間、

あ~・・・スッキリした!

と言いながら中から友達が出てきた。

そして、その友達は、少し照れくさそうに、周りで様子を見守っていた人達に、

え~っと・・・もう此処使えますよ・・・。

と、小さな声で告げた。

しかし、唖然としたまま、誰もその個室を使わない。

すると、その友達は、そのままトイレの外へと歩いて出て行ったらしい。

もうお気づきの方もいらっしゃると思うのだが、その友達というのは紛れもない

Aさんだった。

どうやら、いつものAさんは、彼女の前ではとても清楚に振舞っているらしく、

その後、2人の関係は少し気まずくなってしまったという。

だが、それ以後、そのトイレには開かずの間は無くなり、怪異も発生

しなくなったそうである。

しかし、霊の間でもAさんの危険度は知れ渡っていると思うのだが・・・。

その霊も、大変な相手を怒らせてしまったものである。

霊が少し気の毒になった話であった。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:45Comments(21)

2018年02月19日

霊感ゼロ

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日はなかなか忙しい1日でした。

しかも、パソコンの故障が頻発してしまい、

営業どころではありませんでした(涙)

まあ、そういうアフターケアが今後の営業に

繋がるんだと言い聞かせておりますが・・。

ちなみに、うちの大監督ですが、今週末の

東京行きの為に、ヒールの高い靴を新調

されたようなんですが、部屋の中をツカツカと

歩き回った挙句、足首を捻って軽い捻挫に

なっておりました(笑)

まあ無事に帰ってくることを祈る事に

しましょうかね(笑)

あっ、それと竹書房の『怪談最恐戦2017』

ですが、まだ投票されていらっしゃらない方は、

是非、ご参加ください。

勿論、私に投票など、しなくて結構です。

私も他の方に投票しましたので(笑)

怖い話の裾野を広げる為にも是非!

ついでに、『闇塗怪談~戻レナイ恐怖~』も

是非、ご検討くださいませ!

最後の本になるので、私も気合入ってます(笑)

それでは、今夜はいきます。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!





これは俺の友人の話である。

彼は昔からの友人であり、以前から色んな形で一緒に遊んできた。

カラオケに行ったり飲みに行ったり、そして心霊スポットに行ったり。

彼は決して心霊スポット好きなわけではないのだが、何故か誘うと

一緒に付いてきてくれる。

まあ、付き合いが良いといえばそれまでだが、それ以上に彼は霊の存在も

信じていないし、霊感といわれるものも皆無なのだ。

だから、心霊スポットに行って他の皆が恐ろしいモノを見たとしても彼だけは

決して見る事が無かった。

ある意味、最強の存在である。

だから、彼はきっと死ぬまで幽霊など見ることも無く、霊の存在も信じないままに

平和な人生を送るものだと思っていた。

実は彼は現在、結婚して大阪に住んでいるのだが、先日、久しぶりに会った時、

突然の変わりように驚いてしまった。

彼は現在では霊の存在を確信している。

そして、それはこれから書く体験によるものらしい。

彼はとある飛び込み営業の会社で働いているのだが、夜のお客さん相手の場合が

殆どらしく昼間は昼寝でもしながら時間潰しに費やされる。

それも、俺から見ると、とても恐ろしい場所で昼寝をするのだ。

以前から、よく仲間内で、

あそこのトンネルは間違いなく何かが起こる。

危険だ!

という話をしていると、突然、話に入ってきて、

あっ・・・そのトンネル、よく昼寝に使ってるけど何も起こらないよ!

といった具合で、話を盛り下げてくれる。

まあ、霊感ゼロの彼にとっては、たとえ花魁淵で昼寝したとしても何も

起こらないのだろうが・・・。

それでも、どこか憎めない性格の彼は、良い意味で仲間内でも貴重な存在だった。

そんな彼がある日、白山市にあるトンネルでいつものように昼寝をしていたらしい。

そのトンネルは心霊スポットとしてかなり有名なトンネルであり、昼間でも

近づく者はいなかった。

しかし、そんな場所こそが彼にとっては誰にも邪魔されないでゆっくりと熟睡

出来るオアシスになっていた。

いつもならば・・・。

彼はいつものように遅めの昼飯を食べ、眠たくなったらしく、いつも利用している

そのトンネルにやって来たらしい。

明かりが全く無く、真っ暗なトンネルの中へ車を走らせ、ちょうど

トンネルの真ん中辺りで車を停止させエンジンとライトを消した。

その日は雨が降っていたらしくトンネルの中はいつにも増して暗く雨の音が

心地よかった。

ただ、その日に限って短い筈のトンネルがとても長く感じたという。

彼は窓を全て締め切り、おもむろにシートを倒した。

いつもなら、そのまますぐに眠りに就ける彼だったが、その時は何故か全く

寝付けなかった。

眠たいのは間違いないのだが、何か胸騒ぎのような感覚があり、ドキドキして

眠れなかったそうだ。

それでも、じっと目を閉じ眠気に身を任す。

そして、どれ位時間が経過しただろうか。

実はそのトンネルは、唯一、近くの農家の車が通行するらしいのだが、その時は

全く1台も通らなかった。

静か過ぎると逆に眠り難いのかもしれない。

彼はそのままウトウトしながら時間を費やす。

すると、いつもの車の通過音ではなく、彼の耳には車の外を誰かが歩いている

足音が聞こえてくる。

それも、1人の足音ではなく、何人かがトンネル内をウロウロと歩き回っている

様な足音だった。

彼は、

もしかしたら、昼間っからどこかの若者達が心霊スポット探索にでも来たのか?

そう思い、シートから身を起こす。

邪魔だからさっさと何処かへ行ってくれ!

そう言うつもりだったらしい。

しかし、どうも様子が違った。

起き上がった彼の目に最初に飛び込んできた景色はいつもとは違っていた。

前方に在る筈のトンネルの出口が見えず、ただ暗闇だけが広がっていた。

彼は慌てて背後も見たらしいのだが、やはりそこには彼が車で入ってきた筈の

トンネルの入り口が消えていた。

雨で外が暗いだけなのではないか?

そう思い、彼は何度も確認するのだが、やはりそこにはトンネルの入り口も出口も

存在していなかった。

さすがの彼も慌ててシートを起こした。

そして辺りを見回すと、そこには5人ほどの男女がまるで人形のように規則的な

動きでトンネル内を歩き回っていた。

その姿は、どこにでもいる普通の服装であり、特に危険な感じはしなかったという。

きっと彼は気が動転していたのかもしれない。

彼は予想外の行動に出た。

車のドアを開けて外に出た彼は、トンネルの中を歩き回る若い男女に向かって

ねぇ・・トンネルの出口が消えてるんだけど・・・。

そこまで言って彼は言葉を止めた。

その瞬間、トンネルの中を行き来していた男女の動きが全く同時に止まったのだ。

男女の中にはトンネルの壁を向いたまま停止している者や、お互いに向かい合う

形で静止している者さえ居た。

さすがの彼も少し気味悪く感じたが、なんと彼はそのままトンネルの出口があった

場所に向かって歩き出した。

きっと、外がもう真っ暗になってしまって出口が見えないのだろう・・・。

そう思ったらしい。

彼は暗闇にすっかり慣れてしまった目で視界を確保しつつ出口に向かう。

しかし、どれだけ歩いてもトンネルの出口には出られず、どこまでもトンネルが

続いている様にしか見えなかったという。

もう彼は怖いというよりも、トンネルから出られないという不安感で一杯になり

急いで車に戻った。

すると、先程までトンネルの中を歩き回っていた男女の姿が消えていた。

彼は急いで車のドアを開け運転席に座ると、ドアをロックした。

急いで車でトンネルから出なくては、と思い車のキーを回した。

しかし、車は全く反応しなかったという。

不安で動揺した彼は、何気なくルームミラーを見た。

心臓が止まるかと思ったという。

そこには、目を見開いたお爺さんが背筋を伸ばした状態で後部座席に座っており、

その顔からは得体の知れない満面の笑みがこぼれていた。

うわぁ・・・。

彼は思わず大声を出した。

自分に対して、

落ち着け・・・落ち着け・・・・何かの見間違いだ・・・。

と言い聞かせた。

しかし、何度ルームミラーを見ても、間違いなく知らないお爺さんが座っている。

彼は車の外に逃げ出したかった。

だが、その時は何故か車の外に出るのはもっと危険だ、と自分の中の何かが

知らせていた。

すると、今度は車の屋根の上に、何かが当たる音がした。

トンネルの天井から何か硬い物が落ちてきて車の屋根に当たった様な音だった。

彼は恐る恐る窓越しに窓の下を見た。

すると、その時、窓の外から何かが視界を遮った。

彼はまじまじとそれを見た。

すると、それは知らない女性の顔だった。

女性が運転席のドアの外にピッタリと張りつき、そのまま起き上がってきた

かのように見えた。

しかし、その女の顔は、車の窓に収まり切らないほど縦に長かった。

そして、後部座席に座るお爺さんと同じように満面の笑みを浮かべていた。

彼はまたしても、悲鳴を上げてしまう。

そして、ルームミラーに目をやると、そこには彼の肩越しに顔を近づけ、更に

気味の悪い笑みを浮かべるおじいさんの顔が映っていた。

もう早く意識が飛んで欲しいとさえ願ったという。

そのままでは気が狂ってしまいそうだった。

すると、突然、車の窓全体に沢山の手が出てきて、バンッと大きな音を立てて

その手が一斉に窓を叩いた。

そこで、彼はようやく意識を失った。

それから、どれ位の時間が経過したのだろうか。

彼が目を覚ますと、そこは完全な暗闇になっていた。

夢・・・だったのか?

彼はそう思いながら、おもむろに時計を見た。

既に時刻は午前0時を回っていた。

いかん・・・仕事が・・・・。

そう思った彼は急いで車のキーを回した。

車のエンジンは一発でかかった。

やはり、夢だったのか・・・・。

彼はホッとしてそのまま車を発進させた。

夢の中では見つからなかったトンネルの出口もちゃんとあった。

トンネルから出た彼はそのまま近くの橋を渡って国道に合流した。

既に午前0時を過ぎており、すれ違う切る間もかなり少なかった。

そして、信号で停車した時、彼は何気にルームミラーを見た。

凍りついた・・・。

そこには、夢の中で見た筈の、お爺さんと、若い女性、そして男の子が

後部座席に座っていた。

全員が満面の笑みを浮かべて・・・。

彼は、周りに車が居なかった事もあり、まだ赤信号であるにも拘わらず車を

発進させた。

アクセルを踏む足に力が入る。

とにかく、早くトンネルから出来る限り離れなければ!

そう思った。

それから何度かルームミラーを見たが、やはり3人は後部座席に座ったまま

だったらしいが、金沢の市街地まで来ると、いつしか消えていなくなっていた。

それから、彼はそのまま仕事をせずに自宅へ戻った。

無事に帰れたのが奇跡だと感じた。

そして、それからである。

彼がそれまで全く見ることの無かった例の姿を頻繁に目撃するようになったのは。

今でも、1日一度は必ず霊を見てしまうという彼に、俺はAさんから貰った

護符を渡して、肌身離さずいつも持っている様にアドバイスした。

しかし、その話をAさんにしてみたところ、どうやら霊障は収まるだろうが、

霊の姿を見てしまうのは改善されないだろう、との事だった。

Aさん曰く、

誰だって、いつ突然霊が見えるようになるかなんて、誰にも分かりませんよ。

人間の体質が年齢と共に突然変わったりする様に、霊感だって突然変わるんです。

だって、人間というものは、魂という霊体が肉体を被っているに過ぎない

んですから・・・。

でも、良かったじゃないですか・・。

私なんて生まれた頃からずっと霊を見てきてるんですからね(笑)

と言っていた。

また、彼に何かの変化が起こって、霊が見えなくなるまで辛抱するしか

ないようだ。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:41Comments(20)

2018年02月17日

継母・・・というもの。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日は仕事でした。

現在、金沢は雪が真横に降っております。

ちなみに、今夜もスキージャンプのラージヒルの

決勝がありますので、前説は無し・・ということで(笑)

別にオリンピックか好きという訳ではないのですが、

純粋にスキージャンプが好きなもので(笑)

それでは、今夜も怖くない話、いきます。

どうぞ~!



これは知人が体験した話である。

彼女は幼い頃に両親が離婚した。

離婚の理由は分からなかったが、彼女にとっては、父親も母親と同じ位

大切であり、かけがえの無いものだった。

彼女には兄弟もおらず、一人っ子だったので、離婚を告げられた時の

ショックは相当なものだった。

そして彼女は父親に引き取られ、親子2人での生活が始まった。

最初の数年は、確かに寂しく、母親に会う事も許されなかったが、それでも

次第に父親との生活にも慣れていき彼女は普通の暮らしを取り戻した。

しかし、それから間もなく、父親が再婚した。

初めて再婚相手の女性を紹介された時、彼女はその女性に対して嫌悪感を

強く持った。

それは、新しい母親に対する反発というようなものではなく、初めて

その女性を見た時、まるで、造りものの様に感じ、気持ちが悪かったという。

美人ではあるけれど、その顔には気味の悪い位の不自然さがあった。

だから、彼女は最初にその女性と会った後、1人洗面所で吐いてしまったという。

それでも、新しい母親を交えての3人での生活が始まった。

勿論、彼女も父親の選んだ女性なのだから、と無理やりに自分を納得させて

出来るだけ仲良く接するように努めた。

しかし、どうやら、彼女のそういう気持ちが継母には伝わってしまっていたのかも

しれない。

父親が一緒にいる時には優しい継母も、彼女と2人きりになるとまるで別人の様に

彼女を罵倒し邪魔者扱いした。

それこそ、イジメと言えるほどの仕打ちをされたのだという。

それでいて、父親の前では、優しい母親を完璧に演じている継母を、いつしか

彼女は恐ろしいと感じる様になってしまう。

そんな時は、離婚した母親に凄く会いたくなっていたという。

そんな矢先、離婚した母親が突然、死亡したという連絡が入った。

自殺だった。

彼女は呆然とし、早く亡くなった母親の所に駆けつけたかったが、その時も

継母の猛反対で、誰もその葬儀には出席する事はなかった。

その時、一瞬、見せた継母の嬉しそうな笑顔を見た時、彼女はもうこんな家には

居られないと確信したという。

だから、彼女は高校を卒業するとすぐに就職し親元を離れた。

継母から出来るだけ離れたくて、わざわざ一番遠い地域にある会社を

志願し就職したのだという。

だが、それは彼女にとって正解だったようだ。

それまでの陰湿な暮らしとは違い、新天地での彼女はすぐに友達も出来て

仕事もそつなくこなした。

そして、そのうちに彼氏が出来て、付き合ってから2年後に結婚をする。

しかし、結婚式は挙げなかった。

貧乏だったのも理由の1つだが、何より、元の家族に会う事だけは絶対に

避けたかったから・・・・。

それから、彼女は決して裕福ではなかったが笑いの絶えない幸せな家庭を

築いていく。

彼女は、心の中で自分が育った様な劣悪な家庭には決してしないという強い

覚悟があった。

勿論、夫も優しく真面目な人柄だったので、彼女の覚悟はすぐに目を結んだ。

そんな時、突然の訃報が入る。

彼女の父親が急死したという連絡だった。

父親が死んだのはとても悲しい事だったが、彼女はあえて父親の葬儀には

参列しなかった。

あの継母に会うのは絶対に嫌だった。

それに、葬儀に参列して、父親の死因を聞くのが彼女にはとても恐ろしかった。

もしも、また自殺だったとしたら・・・・。

彼女は、浮かんでくる継母の気味の悪い笑顔を振り払うように、仕事と家事に

精を出した。

それから、すぐ彼女は子供を授かった。

可愛い女の子だった。

彼女も夫も、生まれてきた娘を第一に生活し、家計はより厳しくなったが、それでも

彼女は充実した生活を送る。

そして、娘がちょうど3歳になった時だった。

突然、苦しみ出した娘を病院に連れて行くとすぐに緊急入院になった。

かなりの難病で、手術には莫大な金額が提示された。

かなりショックを受けた彼女だったが、決して諦めなかった。

夫婦は、娘の手術代が溜まるまで、と昼間の仕事に加えて夜も仕事するようになる。

確かにお金は溜まっていったが、生活はかなり酷い状態だった。

家事は出来ず、料理も作れない。

夫婦が顔を合わせる時間もかなり少なくなり、家庭内はかなり荒んでしまう。

そんな時、彼女の家を突然訪れて来た者がいた。

それは、彼女が忌み嫌っている継母だった。

継母は、偶然なのか、夫と一緒に居る時に、彼女の家を訪ねてきた。

夫の手前、追い返すことも出来ず、彼女は継母を家の中に入れた。

彼女は、睨みつける様な目で、継母と対峙した。

しかし、もうそこには、以前、彼女が嫌っていた継母の姿は無かった。

相変わらず綺麗ではあるが、その言葉や表情からは優しさが滲み出ていた。

そして、継母の口から出た言葉は、

少しの間で良いから泊めてくれないか?

というものだった。

彼女は勿論、拒否したが、ずっと遠方からわざわざ訪ねてきてくれた継母に

対して、彼女の夫は優しく接した。

そして、彼女を説得し、結局、夫に押し切られる形で継母を家に泊める事になった。

彼女は、自分の安住の地が継母に侵食されていく様な気がして恐ろしかった。

しかし、現実は違った。

相変わらず、仕事の娘の看病で忙しい彼女に代わって、継母は家事の一切を

こなしてくれる。

家の中は、以前にも増して綺麗に掃除され、帰宅すると美味しい手料理が

彼女達夫婦を出迎えた。

しかも、それらは、彼女からお金を渡される事なく、全て継母のお金で

まかなわれた。

そんな日が続くと、少しずつ彼女の継母に対する嫌悪感も薄らいでいった。

本当にこの継母は改心したのかもしれない・・・。

母親が自殺したのも父親が死んだのもきっとただの偶然だったのかもしれない。

そんな風に思い始めたという。

そんなある日、彼女の職場に突然、電話がかかってきた。

それは、残酷にも娘の死を告げる病院からの電話だった。

彼女が病院に駆けつけると、もう娘は別の場所に安置されており、触ると

信じられないほどに冷たかった。

でも、彼女は泣けなかったという。

あまりの悲しみの深さと、まだ娘の死を現実として受け入れられなかったから。

その時、ふと彼女の脳裏をよぎるものがあった。

もしかして、継母が来たからなの?

それに、どうして住所を知らない筈のあの女が家に来れたの?

彼女の頭の中は不安でいっぱいになった。

彼女は夫に付き添ってもらい、自宅へと一時的に戻った。

玄関を開けると、家の中は真っ暗だった。

嫌な予感がした彼女は、急いで家の明かりを点けて継母の姿を探した。

すると、娘が寝室として使っていた部屋のドアが開いていた。

急いでその部屋に入った彼女達は、そこで在りえない物を見てしまう。

それは、まるでヘビの脱皮のように、人型の抜け殻が娘のベッドに

覆い被さる様に捨てられていた。

それから彼女は、娘の葬儀を悲しみの中で執り行い、半年位してようやく

気持ちが落ち着いた頃に、ある行動に出た。

それは、継母の存在の裏を取るということ。

自分の不幸の連鎖には、間違いなく継母の存在が関係していると確信していた。

しかし、彼女の実家のある地元に戻り、色々と調べ、戸籍も取り寄せてみた。

だが、そこにはあの女が存在していたという事実が全て消え去っていた。

父親と母親が離婚したまでは事実として記録されていたが、それ以後は

何処にもあの女の名前は出てこなかった。

だから、彼女は今でも確信している。

きっと、あの女は自分を不幸にする為に近づいて来た魔物なのだということを。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:36Comments(16)

2018年02月16日

バスガイドさんから聞いた話

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今夜は、これからスキージャンプのラージヒルを

見たいので、前説はありません(笑)

それでは、怖くない話。

どうぞ~!



これは以前、知り合いの紹介でバスガイドさんと飲む機会があり、

その時に聞いた話である。

彼女は誰でも知っている大手の旅行会社の社員であり、その中で

バスガイドをしている。

大きなバス会社だから、それこそ日本中に支店があり、彼女の場合は

関西を拠点にして日本中様々な場所にバスガイドとして出掛けている。

基本的には、宿泊先でも良い部屋が宛がわれる場合が多いらしいが、

それでも満室状態の時には、所謂、曰くつきと言われる部屋に泊まらなくては

行けない場合もあるのだという。

そんな時の為に、お清めの塩と、護符は常に身に付けているのだそうだ。

そして、面白いのは、最初は霊感など全く無かった筈なのに、そういう部屋に

泊まったりしているうちに次第に霊感が強くなってしまうらしい。

だから、数年、バスガイドをしていると皆、かなりの霊感バスガイドになって

しまうらしく、当然、見たくないモノまで見えるようになるらしい。

しかし、仕事柄、いちいち怖がってなどいられないので、最初は恐怖に

震え上がっていたのが、そのうちに、全く動じなくなるらしい。

どうやら、動じないのが一番安全らしく、下手に怖がっていると、相手?

も面白がって近づいて来るらしい。

更に興味深い話も聞いた。

バスガイドをしていると、たまに変わった企画が催される事がある。

それは所謂心霊スポット巡りの旅、というものらしく、正直、あまり参加したくない

のだという。

心霊スポットといっても、巷で噂になっている様な危ない場所ではなく、あくまで

歴史上、人が殺されたなどの史跡が主な訪問先になるのだが、東京にしろ、京都

にしろ、そこでは同じような事が起こるのだという。

そういう心霊スポット巡りの企画では、必ず、心霊関係の説明者が随行するらしく、

彼女達、バスガイドや運転手が、その場所に入る事は無い。

だから、そう聞くと楽な仕事のように感じるが、実はそうではないらしい。

そういう場所では、彼女達、バスガイドは戻ってきたお客さんをバスの乗降口で

出迎える。

それも、人数を常に数えながら・・・。

それはどうしてか?と聞くと、理由は以下のような感じらしい。

バスガイドだから、乗客の数を数えるのは、大切な仕事なのだが、わざわざ

乗降口で人数を数えるのは、得体の知れないモノをバス内に入れない為。

以前は、全員がバスに戻ってから人数を数えていたらしいが、その場合、必ずと

言って良いほど、人数が多いのだそうだ。

そんな時には、

ああ、また霊が乗ってきたな・・・。

と思って、そのまま乗降口を開けたままにしておく。

そうすると、出発しないバスに痺れを切らすのか、霊がバスから降りてくれるらしく、

何度も人数を数えているうちに、正常な人数に戻るのだという。

ただ、その場合、バスは出発時刻を大幅に超過してその場でじっと待たなければ

いけない。

そのロスを無くす為に、今では必ずバスの乗降口でお客さんを出迎えつつ、

人数を数える。

そして、正規の人数に達するとすぐに乗降口を閉めてバスを発車させる。

どうやら、霊達がバスに乗ってくるのは一番最後らしいのである。

心霊スポット巡りが好きなお客さんなら、霊達とのドライブも悪くないのでは?

と思うのは、俺だけだろうか・・・。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:29Comments(13)

2018年02月15日

野○市駅

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

雪が降らない日が続き、お陰様で、かなり

雪が解けてきましたが、それでも

道路には固まった雪の塊が高くそびえ立ち、

一時停止の場合など、左右が確認出来ません。

でも、少しずつですが、何となく春の到来が

近いことも感じている今日この頃です。

今月、24日から、単独で東京にお出かけになられる

大監督ですが、今日、帰宅すると、テーブルの上に

『ぼきん箱』と書かれた菓子箱が置かれておりました。

これ、何?

と聞くと、

勿論、東京行きの為の募金だよ。

との返事か返ってくる。

そして、誰が募金するの?

と聞くと、

まあ、気持ちの問題だから(笑)

と誤魔化された。

とりあえず、財布の中の1円玉を募金すると、

あっ、お札限定の募金箱なので・・・。

と不満そうな顔をする大監督。

どうでも良いけど、『募金箱』くらい漢字で

書いてくれ!(笑)

ということで、今夜もいきます。

怖くない話。

ちなみに、『闇塗怪談 戻レナイ恐怖』

副題として、戻レナイ恐怖、が付加されました(笑)

ご予約がまだの方は、こちらからいつでも気軽に

ご予約頂けます。

https://www.amazon.co.jp/%E9%97%87%E5%A1%97%E6%80%AA%E8%AB%87-%EF%BC%92-%EF%BC%88%E4%BB%AE%EF%BC%89-%E7%AB%B9%E6%9B%B8%E6%88%BF%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%96%B6%E6%A5%AD%E3%81%AE%EF%BC%AB/dp/4801914098

え?必要ない・・・(涙)

それは失礼致しました~

それでは、どうぞ~!






以前から気になっている駅がある。

それは金沢駅から大阪方面に向かう途中にある野○市駅。

数年前に新しく建て替えられた駅だが、それでも、その駅から伝わってくる

得体の知れない不安感は相変わらず残ったままだ。

隣には交番も在り、大型ショッピングセンターも近くそれなりに

人が多く行き来している。

実は金沢駅と野○市駅の間には、西●沢駅というものが存在しているが、

実際にはその西●沢駅から野○市駅の間にかけて、ずっと昔から違和感を

感じている。

時には側を通るだけで酷い頭痛を感じてしまう事すらある。

これはあくまで俺に限った事なのだろうが、西●沢駅から野○市駅まで

とてつもない不安感に見舞われるのも事実だ。

そして、それは松任駅を過ぎても続き、小松駅近辺ではすっかりと消えている。

一体どうなっているのか?

そこで俺は知人からの情報を頼りに色々と調べてみた。

その結果として感じた事。

それは人身事故に起因しているのかもしれない、ということだ。

実は松任駅から小松駅の間で人身事故、いわゆる飛込み自殺が多く発生して

いるのは知っていたが、調べてみると、西●沢駅と野○市駅でも人身事故が

多発している。

しかも、駅の構内で・・・。

それに駅を発車してからの踏み切りなどでの人身事故も含めるともしかすると

凄い人数になるのかもしれない。

確かに、踏み切り近くで不自然に電車が停車しているのを何度も見た事がある。

そして実際、西●沢駅から野○市駅の間の踏み切りでは人身事故は頻発している。

友人の話では、以前、その踏切であった人身事故では、なかなか頭部が見つからず、

探し回った挙句、結局、かなり離れた場所にある民家の庭から頭部が見つかった

らしい。

その民家の隣に住んでいた友人が言っているのだから、きっとそうなのだろう。

金沢駅では人身事故は発生していないにも拘わらず、何故か小さな西●沢駅や

野○市駅で人身事故が多発するというのは、きっと金沢駅では停車する電車が

殆どだ、とい理由もあるのだろう。

しかし、調べてみると、野○市駅には以前、とても不可解な事件が起こっていた。

その事件のあらましというのはこんな感じだ。

ある日、ホームから飛び降りようとしている人影を見つけた特急の運転手が

通過駅である野○市駅構内で急ブレーキをかけた。

しかし、その人影まで距離は無く、殆ど減速出来ていない状態で、その電車は

人らしきモノを轢いた。

轢いた瞬間、ぶつかった様な異音と衝撃もあったらしい。

慌てて、運転手は本社に事故の連絡をし、電車を駅の中に停めて、対象者

を探した。

しかし、そこには血の痕も無ければ、人の姿も無かった。

ただ、よく調べてみると、電車の前方部にぶつかったときに出来たであろう傷が

残されていたのだという。

確かに運転手は轢く瞬間を見たわけではなかったが、轢いたであろう、嫌な

手応えは確かに伝わってきたらしい。

その後も、念入りに事故に遭ったであろう人を探したらしいが、結局、

誰も見つからなかった。

結局、その事件は、人身事故として記録される事は無かったのだが・・・。

この話はJ○に勤める知人からも確認がとれているので、確かに実際に

起こった怪異らしい。

そして、俺がどうしてここまで野○市駅に拘るのかと言えば、

それは以前、野○市駅の横の

踏み切りの先頭で遮断機が上がるのを待っていた時の経験があるからだ。

時間帯は午後の1時過ぎ。

天気も晴れていたと思う。

そして、その時には、駅のホームにはそれなりに人もいたのだが、

俺の視線が引き付けられたのは、ホームの下、つまり線路の上だった。

そこには、小さな餓鬼のようなものが、下からホームを見上げていた。

ギラギラとした目で品定めでもするように・・・。

晴れた午後の日差しには不釣合いなほどの不気味さ。

運よく、すぐに遮断機が上がり、俺はすぐにその場から車で立ち去る事が

出来たのだが、そのままずっとそこに居たら、もしかしたら、俺がフラフラと

そのホームに吸い寄せられるような不安感があった。

更に、これは夜中、時刻にすると午前1時の少し前くらいなのだが、バンドのスタジオ

練習の帰り道、そんな時刻だというのに俺の目の前で遮断機が降りた。

そして、ふと横目で見た、真っ暗な駅のホームに何人かの人の姿が見えた。

それは男もいれば女も居たように感じた。

そして、それは間違いなく駅員などではなかった。

まっすぐに並んで直立不動で真っ暗なホームの線路沿いに立ち続ける駅員など

きっと居ないだろうから・・・。

そして、野○市駅についてAさんにも意見を求めた事かある。

はっきりとは言って貰えなかったが、ただ一言。

少しでも霊感のある者は、あそこには近づかない方が良いです。

下手すると引きずり込まれますから・・・。

死にたいなら別ですけどね。

そう言っていた。

だから、俺は間違っても野○市駅は使わない。

死んだ者が更に生者を連れて行こうとしているのかもしれないから。

ただ、それでも、金沢駅から大阪駅に向かう途中には必ず、野○市駅を通過する。

その時に人身事故に遭遇しないように願うばかりである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:05Comments(17)

2018年02月13日

バス停・・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日は降ったり止んだり

晴れたり曇ったりという

忙しい天候でした。

朝は福井県境までの道のりとして

渋滞しているであろうコースを避けて

かなり遠回りして行ったのですが、

結局、何処に行っても渋滞しておりました(涙)

更に田舎の道はブリザード状態で、雪の白さと

舞っている粉雪のお陰で、何処からどこまでが

道なのか、全く分からないまま走っておりました。

それでも、車のなかでユーミンの『ブリザード』を

大声で歌っておりましたが、何とかなるもんですね(笑)

※ちなみに映画『私をスキーに連れてって』は大好きな

映画です。

そういえば、AC/DCの『Shoot to Thrill』も唄ってましたが

映画『アイアンマン』は、それほど好きではありません(笑)

そういえば、先程、帰りが遅い娘に妻がラインしたら、

『今、演劇部の後輩と一緒にカマクラ作ってる』との返信が

あったそうです。

カマクラ仲間が増殖中みたいですね(涙)

というか、演劇部辞めて、『カマクラ部』でも作れば?

と思うのは私だけでしょうか?

それでは、今夜もいってみましょう。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!





これは友人が体験した話である。

彼はカメラが趣味であり、休みの日になると、色んな場所に出掛けては

美しい風景を求めて撮影旅行を楽しんでいる。

彼のカメラ歴は長く、これまでには人物や動物、鉄道など様々な被写体を

撮影してきたらしいが、それなりの年齢になった昨今は、風景を撮影

する事に魅了されているようだ。

だから、使用機材であるカメラやレンズもそれこそ車が買えるのではないか、

と思える程の高級機種を愛用している。

そんな彼が奈良県に撮影旅行に行った時の話だ。

奈良県といっても、彼が行くのは観光地ではない。

東大寺も奈良公園も全く興味が無いのだという。

それならば、わざわざ奈良県に行かなくても?

と思うのだが、やはりその土地その土地で風景というのはまったく違うのだと

彼は力説する。

だから、彼はあえて、古い町並みや農村の風景などを求めて徘徊する。

地元の人達から見れば、その姿は不思議に映るのかもしれない。

それでも、彼は出会った人達に、会釈しながら、農道や山の中へと

歩を進める。

その日も、朝から撮影を始めて気がつくと既に薄暮が迫っていた。

これはいかん!

という事で、彼は慌てて帰り支度を始める。

彼は基本的には日帰りで帰ることを決めていたから。

彼は元来た道を小走りで戻る。

彼が撮影していたのはかなりの田舎だったから、もしかするとバスの時間に遅れると

その日はもう戻れなくなってしまうかもしれない。

だから、彼は焦っていた。

かろうじて歩いてきた道を覚えていた彼は、砂利道を全力で走った。

すると、前方に小さな木造の小屋のような物が見えた。

近づくと、その中にはベンチが置かれており、明らかにバス停に見えた。

彼は背負っていたバッグをベンチに降ろして、腰掛けた。

そのバス停には不思議な事にバスの時刻表も無かったのだが、バス停という看板だけは

かかっていた。

もしも最終バスが出てしまっていたら・・・・・。

彼は少し不安になったが、暫くして外が真っ暗になると、バス停の中の明かりが

勝手に点いた。

自動で明かりが点くなんて、やはり田舎とはいえ、こういうところには近代化

が進んでいるんだな・・・。

そんな事を考えながらバス停のベンチに座っていると、一人の老婆が

やってきた。

彼は軽く会釈をしたが、その老婆は反応が無く、そのまま彼の隣に座った。

もしかして会釈した事に気付かなかったのか、と思い、彼はそのままベンチに

座り続けた。

そうしていると、バス停に次から次と人がやって来る。

年寄りが多かったが、中には中年の女性や若い男女の姿もあった。

彼はお年寄りが来たので、ベンチを譲ろうと立ち上がった。

バス停の中はかなり混雑していたので、彼はバス停の外で待つ事にした。

そこで、彼は驚いてしまう。

バス停の外には、まるで人気の店に並ぶ行列のように、長蛇の列が出来ていた。

その人数は少なく見ても100人以上はいる様に見えた。

こんな田舎にこんなに沢山の人が居たんだな・・・。

彼はそう思った。

そのうち、彼は少し違和感を感じ始める。

バス停に集まった人達が全く会話をしないのだ。

この地域に住んでいる人達ならば、間違いなく顔見知りだろうし、それならば

世間話が始まってもおかしくない。

それなのに、そこにいる人達は、外で長蛇の列を作っている人達を含めて

誰も一言も話さないのだ。

彼は少し気味悪く感じたという。

すると、道の向こうからバスのヘッドライトの明かりが近づいて来た。

彼はこれだけの人が待っているのだから、乗りはぐれては大変だ、と思い

バス停の正面でバスを待った。

そして、いよいよ目の前にバスが来た。

しかし、その瞬間、彼は固まってしまう。

暗闇の中からバス停前に現れたのは、真っ黒なバスだった。

広告も何も無い、ただ真っ黒なバス。

バスの乗降口が開いたが、彼は固まったまま乗る勇気が出なかった。

すると、彼の横を通って、バス停にいた人達がその黒いバスに乗り込む。

そして、長蛇の列を作っていた人達も、そのままきれいに並んだまま

バスの中へと消えていく。

このバスが最終のバスだったら、どうする?

彼はバスに乗ろうとするのだが、どうしても身体が動かなかった。

そのうち、バス停には彼だけが取り残された。

そこで、彼は更なる不自然さに気がついた。

それはバスの定員はどうみても数十人。

それなのに、バスの中には長蛇の列を作っていた者まで全てが乗り込んでいる。

いったい、このバスの構造はどうなっているのか?

どうして、こんな普通のバスにそれだけ沢山の人が乗ることが出来るのか?

彼の頭の中は、完全にパニックになっていた。

その間、バスの昇降口は、彼が乗り込むのを待つように、開いたままに

なっている。

どうする・・・どうすれば良い?

彼は必死に考えた。

しかし、結論は出ず、そのままバス停の前に立ったまま俯いているしかなかった。

すると、ギシ~、という音がしてバスの乗降口が閉まった。

彼は、何故かホッとした気持ちになってバスを見上げた。

すると、そこには、バスの窓から恨めしそうな目で見つめる数え切れ無い程の

乗客の視線があった。

彼はそのままへたり込むようにその場に座り込んだ。

すると、バスはそのまま音も無く走り出して暫くすると暗闇の中に

吸い込まれるように消えていった。

彼は呆然としたまま、その場から立ち上がれなかった。

そして、どれだけ時間が経ったのだろうか・・・。

彼の目の前に1台のタクシーが停まった。

タクシーのドライバーは助手席の窓を開けて、

こんな処で待っていてもバスは来ませんよ。

このバス停はもうずっと以前に閉鎖されてますから・・・。

どうします?

乗られますか?

そう言われ、彼は慌ててそのタクシーに乗り込んだ。

そして、タクシーに乗ってから、先ほど彼が体験した事をドライバーに話したが、

まあ、色々とありますよ・・・。

こういう土地柄ですから・・・。

と言って笑うだけだった。

彼は、そのまま駅まで送ってもらい、そのまま無事に金沢まで帰ってきた。

それから、彼は移動には出来る限り、タクシーを利用するようになったという。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:03Comments(14)

2018年02月12日

除雪車

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

あいかわらず、雪が暴風雪のように

降っております。

明日は福井県境まで出張なんですが、

福井県はまたしても大雪警報が出ております。

また大きな被害が出なければ良いのですが。

雪国で大雪が降ると本当に困ります。

本来なら、車が走っていない状態で

スッキリと除雪したいのでしょうが、やはり

皆さん、会社に行ったり買い物に行ったり。

すると、除雪がうまく進まないという悪循環。

数日前のニュースで福井県はガソリンスタンドが

補充出来ない為に、1台につき20リットルという

規制が掛かっているという話を聞きましたが、

どうやら、こちら石川県も同様の様です。

そういえば、昔、仕事の先輩で、雪国の

冬の暗い空が嫌だから太平洋側に

移住する、と退社していった方がいましたが、

何か、最近はその気持ちが良く分かる気がします。

でも、冬の金沢は美味しいものが一杯。

雪が落ち着いたら、是非観光で石川県、いや

北陸へおいでください。

それから、『闇塗怪談』の第2弾についてですが、

前回よりも新作書き下ろしが増えそうです。

最後の本になりますから、気合入れて

頑張らないと!

ということで、今夜もいきます。

怖くない話。

今日は、除雪車についての話です。

それでは、どうぞ~!




これは知人から聞いた話である。

彼は以前、土木関係の仕事をしていたらしく、冬場には除雪車での

除雪が主な仕事だったらしい。

除雪車というと、俺などはすぐに黄色い車体のものを想像するが、実は色々な

メーカーから発売されているらしく、その中には黄色い車体ではない車両も

数多く存在するらしい。

そして、やはり作業は大変なようだ。

冬などは基本的にローテーションで動くらしく、作業していない時間でも、

待機所で出動要請を待たなくてはいけなかったり、また自宅で寛いでいる時でも

急な除雪要請もあるのだという。

だから、休みだからといって、酒を飲むという事は、かなり難しいらしい。

そして、昼間の作業もあるらしいが、基本的には夜や夜明け前の時間帯での

除雪作業が多い。

それも、街中の除雪ならまだしも、山の中を真っ暗な中、除雪作業を

するのは、やはり気持ちの良いものではないという。

怖ければスピードを上げれば良いのだが、いかんせん、除雪車というものは

それほどスピードが出せる乗り物ではないらしい。

そんな彼も、やはり夜間の除雪作業中に、怪異といえる現象に遭遇したのは

一度や二度ではない。

そして、その中でも特に気味の悪かった話を書いてみようと思う。

その日、彼はダムまで通じる道を除雪する為に、F県の山の中にいたという。

時刻は午前3時頃。

防寒服に身を固めて除雪車に乗り込む。

いよいよ除雪作業がスタートしたが、慣れているとはいえ、やはり暗闇の中を

除雪車のヘッドライトだけで山道を登るのは怖いらしい。

本当なら音楽でも聴きながら作業をしたいところなのだが、そういった事は

会社から禁止されていた。

そうなると、うるさ過ぎる位のエンジン音だけが心の支えになる。

そして、ただでさえおっかなびっくりの作業なのに、夜間ともなると、

色々な野生動物達の姿も見つける事が出来る。

最初の頃は、そういった野生動物も恐怖の対象になっていたらしいが、慣れてくると

そういう鹿やカモシカなどを見かけると、一瞬ではあるが、孤独感が紛れる。

しかし、やはり野生動物以外のモノも見えてしまう事もあるらしい。

それは、除雪作業中のライトが照らした場所に一瞬浮かび上がるらしく、

その姿は間違いなく人間そのものだという。

しかし、そんな時期にそんな山の中に人間が1人木々の中に立っているなど

常識では考えられない。

そんな事をしていたら、簡単に凍死してしまうだろう。

だから、きっとそれは人間ではないのだろう。

しかし、彼はいつもそんなモノを見た時には全て気のせいとして処理する

事にしている。

何故なら、そんなモノを見る事はかなり頻繁に起こる事であり、いちいち

それを見て震え上がっていたら仕事にならないからに他ならない。

しかし、その夜のそれはいつもとは状況が違った。

彼は除雪をする際、必ず路面の状況をしっかりと確認する。

実際、除雪車、しかも作業中ともなれば、それほど速度は出ていない。

だから、今から除雪する路面の状況は手に取るように分かる。

そして、その夜は、彼が除雪しようとする路面に、必ずと言って良いほど

人の足跡が残されていた。

それは人間1人の足跡であり、除雪開始から、ずっと路面に足跡が残されている。

実際、足跡が雪の上に残されている事自体はそれほど珍しい事ではないらしく、

彼は気にせず除雪作業を続ける。

しかし、偶然、バックする際、彼は見つけてしまう。

彼が除雪したばかりの路面の上にも、またすぐに真新しい足跡が残されている

事を・・。

彼は血の気が引いてしまい、そのまま祈るように除雪車の速度を上げて

ダムまでの道のりを急いだ。

そして、そのまま無事にダムまでの道に車1台分の通行スペースを確保した

彼は、ダム事務所に寄って、ほんの少しの休憩をとった。

出された珈琲を飲んで、短い世間話をした程度であり、時間にすると10分

程だった。

そして、麓に下りるために除雪車のところまでやって来た彼は、またしても

在りえない物を見つけてしまう。

それは、まるで雪道の上を裸足で歩いた様な足跡であり、それが

除雪車の周りをグルグルと歩いた後、まっすぐに除雪車の運転席の方へ向かい、

そして、除雪車の乗り込み口で、突然消えていた。

彼はその時、ダム事務所の方に無理を言って、暫くその場で待った後、ダムの

職員さんの車に後ろから着いてきてもらう形で山道を下りたらしい。

しかし、すぐに後続の車は、かなり離れた距離で追いてくるようになる。

しかも、やたらとパッシングをしてくる。

彼はもっとスピードをあげろ、ということなのかな・・・。

そう思い、アクセルを踏み込む。

その間、うるさいンジン音に混じって、

ねぇ?ねぇ?

と何かを尋ねるような女の声が聞こえていたらしいが、彼は必死に聞こえないフリをして

全力で山を下りた。

そして、麓でダムの職員さんに言われた言葉を聞いて、彼は固まってしまう。

その言葉とは、

運転手さんの後ろにずっと派手な赤い服を着た女の人が一緒に乗っていた

みたいだけど、あれは何?

最初は赤い布が揺れているのかと思ったけど、纏わり付く様にして

じっとあんたを見てたから・・・。

だから、怖くてずっと車間距離とって追いていったんだわ。

ごめんな。

そんな言葉だった。

彼はその後、会社に着くと、上司に事情を話し、すぐにその除雪車を

神社で御祓いしてもらったそうだ。

ただ、それからも暫くの間、その除雪車の周りには、彼があの夜目撃した

裸足のような足跡がいつも残されていたらしいのだが、それも

ちょうど7日目が過ぎると、パッタリと見えなくなったという。

そして、こうも言っていた。

あの時、上司に話した際、上司は不思議な事にすぐに納得し、手馴れた様子で手際よく

御祓いの手配をしてくれた。

まるで、よくある事だと言わんばかりに・・・・。

やはり、山での作業では、そういうことが過去にも起こっていたのだろう、と

納得したのだという。

それが何者なのか、は判らないがきっと人ではない事は確かかもしれない。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:58Comments(14)

2018年02月10日

決して一人ぼっちではない。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日も雪かき、頑張りました(笑)

ちなみに、明日は金沢市の提唱による、

『除雪協力デー』だそうです。

まあ、もう体力は残ってませんが(涙)

えちの大監督にでも頑張って貰うことにします(笑)

その大監督ですが、今月末の東京行きの為に

午後から北陸新幹線の切符を買いに金沢駅まで

行きました。

帰りは高速バスではなく、新幹線をご利用に

なられるようです(笑)

勿論、資金源はお年玉らしいです。

ちなみに、現在、金沢市内の道路は

酷い渋滞でバスをはじめ全ての車の通行が

侭ならない状態です。

大監督のお戻りは何時になる事やら・・・。

という事で、今夜もいきましょう。

怖くない話。

雪かきの疲れは溜まってきてるんですが

どうしても、この話は書き上げたくて(笑)

それでは、どうぞ~!




これは俺の趣味関係の友人に起こった話。

彼女は元々は東京の生まれだった。

彼女は、幼い頃からジャズが大好きで、今でも昼間は普通のOLとして

働き、そして夜はジャズプレイヤーとしてホテルや店でピアノを

弾いていた。

そして、ある理由が在って東京から金沢へと移り住んだ。

勿論、俺とは音楽のジャンルは違うのだが、俺もたまに頼まれジャズの真似事を

したりする関係で彼女とは仲良くさせて貰っている。

普通、ジャズをしていると、ロックなどをプレイしている人間を少し

上から目線で見てしまう人が多いのだが彼女の場合はそんな高飛車なところが

一切無く、どちらかといえば腰が低すぎるくらいの印象があったから、

色んなセッションに引っ張りだこになっていたのも納得出来る。

まあ、実は俺のブログに出てくるAさんも、元々はジャズプレイヤーよりも

更にプライドが高い筈のクラシックピアノ出身であり、ショパンやモーツァルト

などは譜面が無くても弾けるほどの腕前らしいのだが、何故かバンドでは

ハードロックしかやらない。

まあ、Aさんの場合、別の意味で高飛車で上から目線の性格かもしれないが。

話を戻そう・・・。

彼女は昼間の仕事と夜のセッションのせいで確かに忙しいのだが、それでも

35歳を超えて、いまだに独身であるのには理由があった。

ちなみに、Aさんがいまだに独身であるのは、間違いなくその性格に拠る

ものである事は確かなのだが・・・。

再び、話を戻そう・・・。

実は彼女が結婚出来ない理由というのは、一種の呪い・・・なのだという。

彼女には、元々、両親と2人の兄、そして祖父と祖母が居て、同じ家で一緒に

暮らしていた。

しかし、祖父と祖母が相次いで亡くなり、その後、父親と母親も立て続けに

急逝した。

しかも、その死因は全て自殺だったらしい。

彼女はかなり落ち込んでしまい、仕事にも行けない生活を送る様になった。

生きる希望も無くなり、何もかもがどうでも良いと感じていた。

そんな彼女を助けてくれたのは、彼女の2人の兄達だった。

彼女の生活を支える為に、身を粉にして働き、そして空いた時間は全て、妹である

彼女を元気付ける為に使ってくれた。

それでいて、気力を無くし働けなくなっている彼女に対し、愚痴を言った事も無ければ、

叱る事もなかった。

ただ、いつも優しい目で彼女に接し、

お前は大丈夫だから・・・。

俺達が付いてるから安心しろ・・・。

お前がずっとこのまま働けなくても笑うことが出来なくても、俺達が

側にいて支えてやるから・・・。

お前が生きていてくれるだけで俺達は嬉しいんだから・・・。

と常に優しい言葉をかけてくれた。

彼女はその言葉に励まされて次第に心が修復されていった。

そして、今度は私がしっかりとして、兄達を支えていける様にならないと・・・。

と自分に目標を決めて頑張った。

もう不幸は去ったかに思えていた。

しかし、また同じ悲劇が彼女を襲った。

それは運命の悪戯という言葉では、表現出来ない程のあまりにも酷い現実だった。

2人の兄達は、それぞれが別々の会社で働いていたのだが、全く同じ日に

1人は列車に飛び込み、もう1人は病院の屋上から飛び降りて、命を絶った。

勿論、自殺だった。

その日の朝も、彼女の元に、2人の兄達から、元気よく

おはよう!

という電話があったばかりだった。

しかし、結果的には、たった1日で彼女は2人の兄を失うと同時に天涯孤独の

身になった。

だから、彼女は今度こそ、生きた屍のようになり、いずれ自分も自殺して家族の居る

天国に行こうと心に決めていた。

しかし、ある日、弁護士から連絡がある。

それは、彼女に残された財産に関する連絡だった。

兄の友人だったその弁護士は、生前、彼から、万が一の場合、として、色々と

言付かっていたらしい。

そして、弁護士にあったとき、彼女は驚く。

目の前に置かれたのは、彼女の為に、蓄えられた貯金通帳だった。

それは、それぞれ、父や母、祖父や祖母、そして2人の兄が、彼女の名義で

一生懸命に貯めた貯金通帳であり、それを銀行印と共に渡された。

通帳の中を見ると、それぞれがかなりの金額の貯蓄をしてくれていたのが判った。

そして、弁護士からは、彼女に宛てた手紙も一緒に渡され、その際には弁護士

からも、

色々と話は聞いていますが、理不尽な事に負けないでくださいね。

と言われ、弁護士事務所を後にした。

そして、アパートに帰った彼女は、その手紙を読んで、一人で泣いた。

その手紙には、兄自身も含め、家族の皆がどれだけ彼女のことを愛し、

そして心配してくれていたのか、が書き綴られていた。

自分でも訳が分からないくらい止め処なく涙がこぼれ続けた。

そして、丸一日泣き明かした後、彼女の涙は止まった。

彼女はもう泣いていてはいけない、と覚悟を決めた。

今まで自分の事を心配しながら死んでいった家族の為にも、自分は笑って

生きていかなければ、と強く決意したから。

そして、彼女は身寄りのない東京を離れて、音楽大学時代の先輩の誘いで

金沢の会社に就職した。

まるで気取ったところがなく、いつも笑顔の彼女はすぐに職場でも人気者に

なれた。

環境を変える事で、趣味である音楽にも打ち込めるようになっていった。

そして、ある年、親戚が集まる機会があり、その場で彼女は想定外の話を聞いた。

それは、親戚の叔父さん同士が喋っているのが偶然耳に入ったものだった。

その言葉とは、

やっぱりあの呪いは本当だったんだな。

結局、○○○(彼女の名前)を除いて皆死んでしまった。

きっと、そのうち○○○も呪われてあっちの世界に連れて行かれるんだろうな・・・。

そんな言葉だった。

その言葉を聞いたとき、彼女は叔父達に、食ってかかった。

そして、聞いた話というのがあまりにも理不尽な話だった。

それは、遠い昔、彼女の先祖に当たる侍が、農民の女をを手打ちにしたという。

手打ちにした理由は分からないが、実際には手打ちにしたのはご先祖と一緒に歩いていた

別の侍だったらしい。

しかし、どうやら手打ちにされた農民の女が最後に目に入ったのはご先祖の姿

だったらしく、

それから毎晩のように夢に出てきて、侍に対し、

末代まで祟ってやる・・・。

と呪いの言葉を吐き続けた。

それから、その家系の長男の家は必ず死に絶えるのだという。

1つの例外もなく・・・。

そして、話の最後にはとってつけたように、

まあ、ただの偶然かもしれないんだから・・・。

と慰めの言葉を掛けられたが、彼女にはもうそんな言葉は心に入ってこなかった。

そして、色々な人や文書を確認すると、確かに叔父達が言っていたように、長男の

家は全て死に絶えていた。

そこで、彼女は自分の人生を諦めた。

そして、同時にその呪いをかけた相手に強い怒りを覚えた。

大切な家族をそんな呪いで殺されていた等と、納得出来る筈もなかった。

だから、彼女はこう決心した。

自分にはそんな呪いを相手にする力などある筈もない。

それならば、結婚も子供も全て諦めよう、と。

その代わり、呪いに拠って自分が殺されるときには絶対に笑って幸せな顔で

死んでいってやる・・・と。

それが彼女が結婚しない理由だった。

そして、それから1年も経過しないうちに彼女の元に怪異が起こり始める。

夢の中に見知らぬ女が現れては、呪いの言葉を口にした。

それからは、彼女は昼間起きている時でもその女の姿が見えるようになった。

ある時は車に轢かれそうになった時、またある時は工事現場で頭上から落下してきた

大きな鉄の塊にぶつかりそうになった時。

それはどれも寸でのところで助かったのだが、そんな時、必ず夢の中の女が

近くに立って、うすら笑っていた。

ああ・・・兄達もこんな風な恐怖の中で死んでいったんだ・・・・。

彼女はそう思い、いつもその女を睨みつけるのだが、その女は更におぞましい顔で

彼女を睨み返しては、スーッと消えていった。

そんな時、彼女から相談があった。

それは助けて欲しい、というものではなく、生きている最後に、仲のよい音楽仲間

を集めてジャンルを超えて一緒にライブをしたいから協力して欲しい、というものだった。

俺はそこで初めて彼女の置かれた境遇を知った。

それでも、

何とか出来るか、当たってみるよ!

という俺に対して、

いえ、皆さんに迷惑を掛けるともっと辛くなるので・・・。

と固辞されてしまった。

だが、俺は彼女には黙ってAさんに相談する事にした。

だが、1つだけ不安があった。

それは、Aさんはあまり彼女の事を好きではないように見えていたということ。

だから、俺は恐る恐るAさんに事情を話した。

すると、意外にも、

わかりました。何とかしてみます。

と即答で快諾された。

俺が不思議そうな顔をしていると、Aさんは何かを感じたのか、

別に私は彼女の事を嫌いなわけじゃないですからね。

ただ、彼女の生き方というか前向きな明るさに圧倒されてるだけですから。

そう言って、少し照れた顔をする。

少しは可愛い所も残ってるんだ・・・・。

と思っていると、

でも、今回、もしもうまく除霊出来たとしても、絶対に彼女には言わないでくださいね。

彼女に知られて、借りがある、なんて思われるのも嫌ですから・・・。

そう念押しされた。

そして、

まあ、別にどうでも良いですけど、今からさっさと片付けにいきますか・・・。

といつものダラダラした感じとは明らかに違った。

彼女が夜のジャズピアノ演奏のバイトに出ているのを確認してから彼女の

アパートに向かった。

アパートの前のドアの前まで来ると、俺は例によって離れた所で待つように言われた。

全く役に立たないから・・・という理由で。

そして、その際に、Aさんはこんな事も言っていた。

あ~、なるほどね。

あれじゃ、呪いの主もなかなか手を出せないのも納得出来ますね。

亡くなった家族が皆で、死んだ今も彼女を護っています。

それも、強い力で・・・。

彼女は1人で生きてきましたけど、実はずっと側で護られてたんですね。

私も負けていられませんね。

あのご家族の思いを無駄にする訳にはいきませんから・・・。

そして、部屋のドアの前に立ったAさんは、

おい・・・出てこいよ。

本当に呪うことしか出来ない癖に、いつまでも生きている人間の邪魔ばかり

してるんじゃないよ。

私はあんたみたいなのが一番嫌いだから・・・・。

一生懸命に生きてる者の邪魔をするな~!

でも、もう悔やんでも遅いからね。

あんたは、完全に、無に返すってもう決めてるんだから・・・。

そう言って、ドアに両手をつけた。

すると、部屋の中から強い光が漏れてきて、それはしばらくすると消えてなくなった。

はい。おしまい。

Kさん、帰りますよ。

そう言われ、俺はAさんを車で自宅マンションまで送った。

勿論、その途中、ケーキ屋によって大量のケーキを買わされたのは言うまでもない。

そして、帰りの車内で

念を押しておきますけど、今回の事は絶対に内緒ですからね?

と言われたので、

それは分かったけど、それじゃ誰がこのケーキ代負担するの?

と聞くと、聞こえないフリをしながら、待ちきれないAさんがシュークリームを

食べ出したので、俺はもうその話は止めた。

その後、彼女の身の回りには何も怪異は起こらなくなった。

それどころか、それからしばらくして、彼女は結婚の日取りが決まったという

報告をしてくれた。

何があっても、彼女を護るという男性からの求婚だったそうだ。

そして、勿論、Aさんには結婚の予定はまだ一切無い。

あの性格を直さない限り・・・。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 17:35Comments(21)

2018年02月09日

塞がれた扉

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日は晴れの1日でした。

しかし、これだけ雪が積もると、大通りも

車一台が通れるスペースしか開いておらず

何処の道に逃げても渋滞という1日でした(笑)

日曜日からはまた寒波がくるらしいので、

正直、恐ろしいです。

これ以上降ったら完全に生活が麻痺

してしまいますね。

まあ、寒波と聞いて嬉しそうな顔の高校生が我が家には

おりますが・・・・(涙)

明日から3連休らしいのですが、2月末に東京へ

コスプレイベントやらで単独遠征するらしく

色々と忙しそうです。

ちゃんと高速バスの手配も済ませ、こういう時だけ

やけに要領が良いので困ります。

まあ、可愛い子には旅をさせろ、という事なんでしょうか?

可愛くありませんけどね(笑)

ということで、今夜もいきます。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!




これは知人から聞いた話である。

彼女の実家は東北地方のとある県。

そして、彼女の家は代々その地方の大地主を務めていた家柄だった。

今でこそ彼女の両親は普通のサラリーマンらしいのだが、それでも

彼女の実家というのは、かなりの大豪邸なのだという。

純和風の造りの家だが、広い敷地に広がる邸宅は、廊下の長さだけでも

かなりのもので、子供の頃にはそれがとても怖かった。

そして、彼女の実家はとても古く、建て替えをしたいらしいのだが、ある理由

に拠ってそれは叶わないのだという。

だから、広い敷地を侵食するように、どんどん建て増しをするしかないらしい。

その理由というのが、とても興味深いものだ。

彼女の実家は基本的に平屋なのだが、1箇所だけ2階建ての部分がある。

そして、その2階部分は厳重に鍵が掛けられており誰も入る事が

許されていなかったという。

小さな頃から、やはりその禁忌の場所が気になって仕方がなかった彼女は

何度も両親や祖父、祖母に聞くのだが、いつも答えをはぐらかされていた。

しかし、一度だけ、祖父がお酒で酔っ払っている時に話してくれたことがある。

それは、その場所には古から伝わる魔物が封印されており、代々、大地主

だったその家で、それが外の世界に出ないようにずっと番をしているのだと

聞かされたそうだ。

その話を聞いたとき、彼女は恐ろしさのあまり、その晩は眠りに就く事が出来ず、

結局、母親の布団に紛れ込んで寝た。

そんな彼女だったが、いつしかその時感じた怖さも次第に薄れていった

のかもしれない。

彼女が小学5年の頃だった。

その日は年に一度の親戚が一同に会する日。

そして、その場所として彼女の実家が利用された。

当然、親戚の従兄弟も全て集まっていたから、彼女自身もとてもテンションが

高くなっていたのだろう。

親達は、昼間から酒を酌み交わし、子供達そっちのけで盛り上がっていた。

そうなると、子供の楽しみといえば、彼女の実家の探検になってしまうのも

仕方なかったのかもしれない。

子供達は敷地内にある土蔵やら物置、そして使われていない住居部分などを

探検しては、

この家、広すぎるよ~、とか

こんなでっかい家出暮らしてみたい、等と彼女を羨ましがった。

そんな事ないよ~、と謙遜していた彼女の内心もまんざらでもなかった

のかもしれない。

そして、その子供達は、ついに禁忌の場所として隔離されていた唯一の

2階部分までやって来てしまう。

その家は1階部分から、御札のようなものが壁に沢山貼られており、小さな

明かり取り窓があるだけで真っ暗だった。

そして、そこから2階へと長い階段が続いていた。

彼女は、一応は止めようよ、と皆を制止したらしいが、親戚の中にも、その

2階部分に関する禁忌を知っている者がおり、人数が多い事もあり、怖さより

好奇心が完全に上回ってしまった。

誰か、懐中電灯を探して来いよ!

そんな言葉を合図にして、子供達がいっせいに散らばって各々が思いついた

物を探してきた。

その中には懐中電灯もあったが、中には全く役に立ちそうもないロープや

木の棒などを持ってきた子供もいたようだ。

そして、全員が揃ったところで、その家の住人である彼女を先頭に階段を

登っていく。

そして、その階段というのが、とても奇妙なものだった。

かなり急な階段だったのだが、それが途中で何本にも枝分かれしており、

その先は行き止まり、といった感じで、何か作為的にそんな作りにしてある

様な気がして、どんどん恐怖が増していった。

だから、彼女は、

もう止めとこうよ・・・・。

と言ったらしいが、特に男の従兄弟達は、とてもその探検を中止してくれそうにも

なかった。

だから、今度は男の子達が先頭になって彼女は後に続くしかなかった。

男の子達は、懐中電灯で前を照らしながら、幾重にも分かれた階段に迷いながらも

ようやく2階部分へと辿りついた。

2階部分には窓というものが全く無く、だだっ広い空間だけが存在しており、

それだけでも異様だった。

彼女自身も、

こんな場所を残す為に、建て替えが出来なかったの?

と不思議に思ったらしいが、1人の男の子が懐中電灯で照らした先を見た時、

其処にいた全員が固まってしまう。

その部屋にはどうやら四隅に大きな仏像が置かれ、そして部屋の一番奥には

明らかに尋常ではない程の厳重な扉が暗闇の浮かび上がった。

大きな鉄の扉で、その取っ手部分には幾重にも鉄の鎖が巻かれており、

その上から何か大きな紙が貼られていた。

その時点で彼女を含めた女の子達は皆、いっせいに小さな悲鳴にも似た

声を上げたが、それでも男の子達の好奇心には歯止めが掛からなかった。

1人の男の子が扉に近づくと、そこに貼ってある大きな紙切れを剥がした。

そこには、梵字のような見たことも無い文字が書かれていた。

やっぱり、ここ何か居るんじゃねぇの?

その言葉に、今度は別の男の子が取っ手に巻かれた鎖を解いていく。

彼女は止めようとしたがやはり男の子達を怒らせるのが怖かったのと、

どうせ扉の鍵が無ければ開かないだろう、と思い、そのまま様子を

覗っていた。

ジャラジャラという音の後に、鈍く重いギィーという音が聞こえた。

え?・・・なんで?

彼女はそう思ったが、その時にはもう扉は少しずつ男の子達によって

開けられているところだった。

彼女を含め女の子達は全員、その場に一塊になって、様子を覗っていた。

うわっ・・・真っ暗。

何か、置いてあるみたい・・・・。

うわっ・・・・立ち上がった・・・・。

なんだ、こいつ・・・・・こっち来るな!

どっちが前なんだよ・・・・こいつ。

おい・・・早く閉めろ・・・早く・・・・。

駄目だ・・・・間に合わないよ・・・・どうする・・・・うわぁ~!

その声が聞こえた後、部屋に入った男の子達の声は何も聞こえなくなった。

そして、声も出せず固まって震えている女の子達の前に、ソレは姿を現した。

そして、その姿を彼女も見たのだという。

背中合わせに二つの顔がある蛇女のようなものが、長い舌をペロペロと出しながら

その部屋から出てくるのを・・・。

それは全身が裸であり、皮膚にはウロコのようなものが一面に広がっていた。

そして、細く横に長い目で、ソレは気味の悪い顔で満足そうに笑った。

彼女が覚えているのはそこまでだった。

気を失ったのかは覚えていないが、気がつくと、目の前に男の子達が立っていた。

今にも泣き出しそうな顔で・・・。

そして、その後、再び、その部屋の扉を閉め、取っ手に鎖を巻いているとき、

部屋の中は空っぽになっていたという。

男の子達は、一言も喋らず、ただ黙々とその扉を閉めなおし、階段を一緒に

降りたそうだが、その建物から外に出た時、一番年上の男の子が言った。

この事は絶対に秘密だから・・・。

何があっても絶対に言うんじゃないぞ!

その顔は、何かに怯えている様な顔で、その言葉にも必死さが窺い知れた。

だから、その日の事は子供達だけの秘密になった。

永遠の秘密に・・・。

そして、どうやら、それ以後も、その禁忌の扉を開けた事に大人達は誰も

気付いていないようだった。

しかし、それから数年後、従兄弟の男の子が突然、急死した。

その死に顔は、何かに恐怖している死に顔だった。

そして、経ち続けに、従兄弟の男の子達が急死した後、今度は、彼女の実家の

近くに住む住民の何人かが急死した。

そして、そのどれもが、原因不明の死因であり、死に顔は恐怖で顔が強ばったまま

死んでいたという。

それ以後、連続して死人が出る事はなくなったらしいが、それでもかなりの

頻度でその家に拘わる者が亡くなっていった。

そして、彼女は親戚が集まった際の飲み会で、こんな会話を聞いた。

これだけ急死が続くと、本当にちゃんと封印されているのか、不安になるな。

何言うとるんや。

もうずっと長い間、あの扉は一度も開けてはおらんぞ。

だから、余計な心配せんでええ。

きっと、偶然に急死が続いただけに違いない。

そんな事を話しているのを聞いた彼女は、自分がもう大人の女性になっていたこともあり、

思い切って聞いてみた。

もしも、その扉を開けたらどうなるの?と。

すると、

酒も手伝ってか、何気に話してくれたらしい。

どうやら、封印されているモノというのは、ずっと昔に別の土地からやってきたもの

らしく、その際、お侍やら僧侶も加わってかなり大きな魔物退治になったらしい。

結局、その土地の大地主だった彼女の先祖が、責任を持ってその魔物を封印した

らしいのだが、その際、侍や僧侶に協力し封印した彼女の先祖に酷い恨みを抱いて

封印されているらしい。

そして、もしも、ソレが扉の外に出てしまったら、間違いなく彼女ら一族を

根絶やしにしようとするだろう、という事だった。

そして、最後に言われた言葉が彼女にはずっと重くのしかかっているという

事だった。

その言葉とは、

心配するな。

あの扉を開けさえしなければ大丈夫なんだから・・・。

というものだった。

彼女ら子供達は、間違いなくその扉を開けてしまっている。

という事は、もうソレは外の世界に解き放たれているという事。

そして、確かに従兄弟達の中で男で未だに生き残っているのは、ほんの数人

だけになっている。

何度、禁忌の扉を開けたことを話そうかと思ったらしいが、いまだに彼女は

それ事実を話してはいない。

それ以上、恐ろしい事が起こらないように祈るばかりである。
  


Posted by 細田塗料株式会社 at 20:34Comments(11)

2018年02月08日

新しい・・・・家族?

サインディスプレイ部 営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

金沢は今朝も積雪が20センチほど。

さすがにもうそれ位の積雪では全く

何も感じなくなっております(笑)

日中は雪も少ししか降らなかったのですが、

それでも街中を走れば、大きな穴が

幾つも開いており、いたるところで

車がはまって立ち往生しておりました。

立ち往生といえば、福井県。

お隣の県ですから、ずっと心配して

おりましたが、ようやく解消しそうで

嬉しいです。

でも、確か、数年前にも福井県では

雪の中、立ち往生になって自衛隊が

除雪作業に駆りだされていた様な

気がします。

もしかしたら、何か原因があるのかも

しれないですね。

でも、困った時には助け合い。

この気持ちが無ければ北陸の冬は

乗り切れませんね。

皆様も、今年の冬は、突然の大雪や

寒さには十分ご注意くださいませ。

ということで、今夜もいきます。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!




これは知人から聞いた話である。

彼は今でこそ、石川県に住んでいるが、元々は生まれてからずっと

岡山県の倉敷市で生まれ育った。

大学も地元の大学に進んだから、生まれてからずっと倉敷市で生活していた

事になる。

大学を卒業すると地元の企業に就職し、数年後には結婚して1人息子を

授かった。

しかし、運命の悪戯なのか、子供が小学2年にあがる時、病気がちだった

奥さんが突然他界してしまう。

熱烈な恋愛の末、結婚した奥さんだったから、彼の落ち込みようも半端なもの

ではなかったようだ。

しかし、奥さんが残してくれた1人息子の為にも、しっかりしないと、と

気を取り直し、それからは息子さんと2人の生活が始まった。

両親は同じ岡山県に住んでいたが、かなり距離も遠い為、預ける事も出来ず

彼の苦労は相当なものだった。

それでも、何とか時間をやり繰りして仕事と育児を両立させていた。

しかし、ある日を境にして彼の住むマンションで異変が起こり始める。

それは、見過ごせば気がつかない程の些細な事だったのかもしれない。

夜、仕事から帰ると、朝と部屋の様子が違っていたり、無言電話が頻繁に

かかるようになったり、部屋に居ても常に誰かの視線を感じたりというもので

普通の人ならば、それに気がつかなかったのかもしれない。

しかし、彼にはほんの少しだが霊感が備わっていた。

だから、ある日、こんな実験をしてみた。

それは朝の部屋の様子を写真に撮っておき、それを帰宅してからの部屋と

照らし合わせるというものだった。

そして、その結果は、明らかに部屋に置かれた物の配置が変わっていたのだという。

勿論、泥棒や不審者という線も疑ってみたが、几帳面な彼の性格上、鍵を

掛け忘れるという事はありえなかった。

だから、彼は息子に悟られ怖がらせたりしないように、内密に色々とそのマンション

の事を調べてみた。

しかし、新築の状態で入居したマンションに、そんな曰くなど存在するはずも

無かった。

そして、マンションから出て新しい部屋を借りる余裕も彼には無い。

だから、彼は自分にこう言い聞かせた。

きっと、亡くなった妻が、自分と息子が心配になって、ちょくちょく見に来て

いるのかもしれない・・・と。

だから、彼は1度、息子に聞いてみたそうだ。

お母さんに会いたいか?

すると、息子は、少し不思議そうな顔をして、

会いたいけど、お母さん死んじゃったしね。

でも、いつか会えるんだよね?

天国で・・・・。

そう言われ、彼は特に何も感じずにその言葉を聞き流した。

そして、父兄参観の後、父兄懇談が行われた時、先生から言われた言葉に

彼は凍りついた。

先生は、後ろの壁に貼られた子供達の書いた絵の中から、彼の息子が書いた

絵を指差しながらこう言った。

奥様が亡くなられたと聞いていたんですが、再婚なされたんですね。

○○君も、最近はそのせいか、とても元気で・・・。

そう言われ、彼は思わず立ち上がって、その絵の側へと駆け寄った。

そして、まじまじと見た、息子が書いた絵には、『かぞく』という

タイトルが付けられており、そこには息子さんを挟み込むようにして

彼自身と1人の女性が描かれていた。

そして、その女性が彼の亡くなった妻ではない事は明らかだった。

彼の妻は出会ったときから、いつもショートカットの髪型であり、髪を伸ばした

姿を見た事は一度も無かった。

そして、その女性は身長が彼よりもかなり高く描かれており、目の部分は

真っ黒に塗りつぶされ、何故か片腕が欠落していた。

子供の書いた絵に、そこまでのリアルを求めるのは無理な話かとも思ったが、

彼の顔にはしっかりと白目と黒目が描かれており、両腕もきちんと書かれている。

彼はそのまま会社に早退の連絡を入れ、急いで息子が下校してからの時間を過ごしている

学童クラブに迎えに行った。

そして、帰りの車の中で、彼は息子さんに聞いた。

あのさ・・・○○が書いた絵を見たんだけどな。

あそこに描かれている女の人ってお母さんなのかな?

すると、息子さんははっきりとこう言ったという。

ううん。お母さんじゃないよ。

でも、お母さんが死んでからずっと家に居るよ。

お父さんより、ずっと背が高い女の人。

で、その女の人が、もうすぐお父さんと僕を一緒にお母さんのところまで

連れて行ってくれるんだってさ!

そう言った息子さんは満面の笑みで笑った。

しかし、それから彼は息子さんを両親の元に連れて行き、妻のお墓を

供養してくれているお寺に向かった。

すると、そのお寺の住職は、

何か大変な事が起きています。

お話をお聞きして、私が忠告出来るのは1つだけです。

もうその部屋に1度たりとも戻ってはいけません。

貴方も、そして息子さんも・・・。

もし戻ってしまったら、二度とこちらの世界には戻ってこられないでしょう。

だから、勿体無いと思うかもしれませんが、誰か取り合いの方に部屋の家財道具

の処分を任せて、貴方と息子さんは一刻も早くこの土地から離れなければ

いけません。

そして、もう倉敷、いや岡山県には戻らない方が良いでしょう。

それほど、強力な悪霊です・・・。

奥さんのお墓は私がしっかりと護ります。

だから、ご安心ください。

そう言われた。

普通なら信じ難い話なのかもしれないが、彼はその話を全て信じた。

それは彼が霊感があったからなのかもしれないが、実は彼は少し前から

気付いていたようだ。

彼と息子が少しずつやつれてきており、このままではいずれ重い病気に

かかってしまうという事を。

そして、彼は取るものもとりあえず、突然、移動願いを出して、石川県に

移り住んだ。

会社は色々と難癖をつけたが、彼の気迫に押され、会社も渋々転勤を容認した。

そして。それから石川県での生活がスタートした彼だが、転勤後は怪異は

全く起こらなくなった。

それで、彼も少し緊張感が溶けてしまったのかもしれないのだが、1度

広島への出張の際、つい懐かしくなって、その頃住んでいた倉敷の町を

見に行ったらしい。

そして、以前、息子さんと住んでいたマンションにも・・・・。

そこは、車で通り過ぎる様にして、見たらしいのだが、彼が住んでいた部屋には

当然、新しい住人が入居しており、洗濯物も干してあったらしいが、その近くの

窓から、じっとこちらを睨みつけている女の姿を目撃してしまう。

着物らしき服装を着た髪の長い女だったらしいが、痩せ衰え、天井に頭が

付くのではないか、と思えるほど背の高い女が、目だけをギラギラさせて

彼の方を睨んでいた。

まるで、彼が来るのを知っていたかのように・・・。

そのおぞましい姿は今でも忘れられない、と彼は言う。

そして、今でも彼はその女の悪霊の影に怯えながら生活している。

そのせいか、俺にこんな事を聞いてきた。

その女がまた俺と息子の前に現れたら、どうしたら良いと思う?

だから、俺はこう答えた。

その時はすぐに電話してくれれば良いよ。

どんな悪霊が来ても相手にさえならない程の霊能者を知ってるから。

まあ、性格には問題あるけどな。

そう言われホッとした彼の顔を見ながら、

そんな日が来なければ良いな、と強く思った。

  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:59Comments(18)

2018年02月07日

雪山

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

今日も1日、雪かきに追われた1日でした。

ちなみに、天気予報では明日の朝までに

5~10センチ位の積雪といっておりますが、

相変わらずしんしんと雪が降り続けております。

ちなみに、今朝飽きて外を見た時、思わず

笑ってしまいました。

もう完全に想定の範囲を超える積雪です。

神様、もう勘弁してください。

もう雪かきした雪を捨てる場所がありません(涙)

ちなみに、今日は大監督の大カマクラも

ぶっ壊しました(笑)

かなり抵抗されましたが・・・・。

それでも、大監督の高校では積雪が優に

2メートル近いということで、今日休校だった

大監督は、間違いなく明日も休校になると

断言しておりましたが、夕方に学校より、

『明日は始業時間を遅らせて、通常通り

授業を行います』というメールが届き、

しばらく放心状態で固まっておりました(笑)

あ~楽しい!

それから、『闇塗怪談2』の方も順調で、

書き下ろしの話もかなり進んでおります。

今回が最後になりますので、出来る事なら

是非お読み頂ければ嬉しいです。

さぁ、闇塗の第2弾が発売された後は、

予定通り?アイドル歌手目指して頑張ります。

そして、俳優になってグラミー賞をもらって

その先は政界進出・・・なんて予定はありません(笑)

その後は細々と、怖くない話のブログを続けていければ、と

思いますので宜しくお願い致します。

それでは、今夜もいきます。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!




これは知人から聞いた話である。

知人の趣味は登山。

登山といっても、高い山や危険な山には登らない。

あくまで楽しく登るのがモットーだそうだ。

基本的には日帰りか一泊するらしいが、最近ではもう日帰り登山以外は

しなくなったのだという。

そして、その理由はこんな感じだ。

彼は登山は1人で登るタイプだ。

その方が色んな出会いが在ったり、また1人で黙々と山を登っていると

より強く自然を感じられたり生きている実感も味わえるのだという。

そんな彼は一時期、冬山、中でも雪山の登山に熱中していた。

あくまで登るのは決して標高の高い山ではないが、それでも冬の時期には

しっかりと辺り一面が雪で真っ白になる。

当然、防寒用の服装に身を包み、足には滑り止めの付いたシューズを履くのだが、

それでもキャンプをする事はしなかった。

やはり冬用のキャンプ機材をそろえるのは高額になるし、何よりそれだけの

機材を揃えても、やはり寒いものは寒いのだという。

だから、彼はいつも山のロッジや山荘を利用していた。

そこは無人なのだが、しっかりとした建物になっておりストーブも常備

されており暖もとれる。

だから、彼はいつもそういった施設を利用して冬山を満喫していた。

そこで簡単な料理を作り酒を飲みながらラジオを聴く。

それが彼の至福の時間だった。

そして、ある体験をしたのは今から2年ほど前だという。

朝早くに家を出て、とある山に向かった彼は、途中のスーパーで必要な食品を

買って、現地を目指した。

登山口に着くと、やはり冬のせいか、1台も車は止まっていなかった。

駐車場のトイレで登山用の服装を着込んだ彼は、早速、山へと登っていく。

上に上がっていくにしたがって、雪はそれなりに多くなっていったが、特に

登山の妨げになるほどではなかった。

予定通りの時間に山荘に到着した。

時刻は午後4時。

無人の為、当然ストーブは点いていなかったが、灯油は十分に確保されており

彼は急いでストーブを点けた。

そして、部屋が暖まる間に、彼は早速料理を始めた。

彼自身、家では料理などするタイプでは無いのだが、それでも山に来るとそれなりに

楽しみながら料理を作ることが出来ていた。

その時は、簡単な鍋料理と暖めた缶詰。

そんなものでも山で食べる料理は格別らしい。

ラジオをつけ、料理を堪能しながら持ってきたウイスキーを飲む。

1人きりの山荘だったが、寂しいという感覚はなかった。

それどころか、料理を食べながらウイスキーをチビチビと飲んでいると、

気がつけば窓から見える外の景色は完全に漆黒の闇になっていた。

時計を見ると、時刻はまだ午後8時。

それでも、すっかり酔いが回っていた彼は、そそくさと板の間の上に

寝袋を置くと、そのまま寝袋に潜り込んだ。

山の中、しかも周りが雪で覆われた世界では全ての音は雪に吸収されて

完全な無音状態になる。

彼はそのまますぐに眠りに就いた。

異変に気づいたのはそれから4時間後。

夜中の0時を回った頃だという。

誰かが山荘の扉を開いた音がした。

彼は反射的に目を開けたが、明かりを点けたまま寝た筈なのに、その時は

何故か灯かりは消えていた。

こんな夜遅くに他の登山者でも来たのかな・・・・。

彼はそんな事を思いつつ、やはり眠気が勝ってしまい再び目を閉じた。

だが、それから暫くして、彼は何かの視線を感じてうっすらと目を開けた。

心臓が飛び出しそうだった。

そこには見たこともない女が、寝袋に包まれて寝ている彼の顔を覗き込んでいた。

彼は反射的に目を閉じた。

それは見てはいけないものだと感じた。

もっと言えば、生きている事を悟られてはいけないのだと感じた。

それはうまく説明できないが、死に直面した時の防衛本能に似たものだったという。

彼は、そのまま目を閉じ続けた。

出来るだけ小さく呼吸し、生きている事を悟られない様にした。

恐怖で身体は小刻みに震えているのが自分でも情けなかった。

そして、彼の鼻には強烈な線香の様な匂いが入ってくる。

きっと先ほどの女が、彼の顔にピッタリと顔を近づけているのだろう、と

分かった。

目は絶対に開けられなかった。

それは苦痛以外のなにもでもなかったが、目を開ければ間違いなく、その女の顔が

目の前にある。

そんなものを見て悲鳴をあげない自信は無かった。

それから、どれ位の時間が経過しただろうか・・・。

突然、入り口のドアが開く音が聞こえた。

しかし、彼は目を開けて確かめる事はしなかった。

そして、そのうちに、先ほどからのストレスのせいか、そのまま再び深い

眠りに落ちていった。

彼は目を覚ましたのは、翌朝の午前6時頃だった。

天気は快晴で、外からはしっかりと朝陽が差し込んでいた。

彼は寝袋から抜け出すと、あたりの様子を眺めた。

取り立てて変わった様子も無かったが、何故か強い線香の香りが鼻をついた。

彼は昨夜の恐怖が忘れられず、急いで帰り支度を始めた。

そして、荷物を抱えてから山荘の外に出ると、そこには雪の上に、はっきりと

人の足跡が残されていた。

裸足の足跡が・・・。

彼は、ほんの少しの興味心から、その足跡が何処に続いているのか、追って

みる事にした。

すると、その足跡は紛れもなく、そのまま山荘の壁のところで突然

消えていた。

これは、もしかすると山荘から出て、また山荘に戻ったということか?

もしも、そうだしたら・・・まだ中に・・・。

そう思った時、突然、山荘の扉が大きな音を立てて開いた。

彼は、そのまま走って山を下りて来たという。

途中まで、ケラケラと笑う声が、後からついてきていたが、それでもある程度

下山した時、突然、その笑い声は聞こえなくなっていた。

彼はその日、無事に家に帰ることが出来たらしいが、それ以来、日帰り登山しか

しなくなった。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:57Comments(12)

2018年02月06日

一番最後の筈・・・・。

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

そして、私も疲れました(涙)

ここまで、雪かきに追われる日々を過ごしたのは

本当に何年ぶりでしょうか?

夜寝て、朝が来て、外の様子を見るのが

怖いですね!

今朝も車を出せるようにするのに、2時間ほど

かかりました。

もう雪をどかすスペースがありません。

今日はうちの大監督が、休校でしたので、ちゃんと

雪かきを完了させておくように言ってあったんですが、

加賀市まで営業に回り、帰宅すると、雪かきが

されておらず、何故か巨大なカマクラが・・・。

車を駐車出来ない程の巨大なカマクラを一体

何時間かけて製作したのだろうか?

というより、どれだけカマクラが好きなんだ?(泣)

それから暫くして帰宅した妻に、怒られてました。

でも、お隣の福井県はもっと大変な雪みたいですから、

これくらいで凹んでたら駄目ですね。

ちなみに、金沢では、ほっともっとや、かつやが

閉店しております。

コンビニにもあまりお弁当が並んでおりません。

加賀市のお客さんの駐車場


私の部屋から見た隣の屋根


ちなみに、現在もしんしんと雪が降り積もっております(涙)

明日の朝には大台の1メートル超えかも・・・。

ということで、昨晩は仕事の新年会でしたが、

今夜はやります。

怖くない話。

それでは、どうぞ~




これは俺が体験した話である。

その時俺はボーイスカウトの小学生版である、カブスカウトというものに

入っていた。

毎週末に、お寺に集まってはお参りをしたり、近くの大きな公民館で

手旗やロープの使い方など、今となってはあまり利用価値が無さそうな

事に真剣に取り組んでいた。

そんな中でもやはり楽しいのは夏に行われるキャンプだった。

そして、その夏のキャンプは県内の山の中のキャンプ場に一泊二日の

日程で行われたのだが、その中でもやはり楽しみだったのが肝試し。

特にその年は、別の団体であるガールスカウトと一緒に肝試しをする、

ということで、俺は密かに、そして俄然ヤル気を出していた。

キャンプには親達も同行するのだが、あくまで子供達の自主性を尊重

する為に、あまり口出しはしてこない。

そして、その時は、ガールスカウトの女の子達も一緒にカレーや鍋などを

作って和気藹々と楽しんで料理を作った。

そして、夕食も終わり、いよいよ肝試しの時間。

まずは、指導者の大人から、本当か嘘か分からないような微妙な怖い話

を聞かされた。

そして、父兄達が、おばけ役として順路に散らばっていよいよ肝試しが

スタートした。

だが、その時、くじ引きの運の悪さから俺は最後尾という順番になっしまった。

肝試しは2人が一組になって決められた順路を回るのだが、俺は最後尾に

なったお陰で、1人で順路を回る羽目に・・・。

ガールスカウトさん達とのラブラブな肝試しを思い描いていた俺は、その時点で

失望のどん底に落とされてしまう。

それに、何故俺だけが、1人で肝試しに望まなければいけないんだ!

と恐れおののいていたが、後輩の手前、怖がっている態度もする事が

出来ず、俺は寡黙に自分の番が来るのを待つしかなかった。

肝試し自体は、父兄の方達がかなり頑張っているのか、至る所から

驚いた様な叫び声やら泣き声やらが聞こえてくる。

それでも、それまでの全ての組が、しっかりと順路を回って帰って来ていた。

俺は、

どう?・・・怖かった?

と、まるで駐車の順番待ちの小学生の様な質問を繰り返していた。

そうして、自分の順番が近づいて来ると、あれほどつまらなく感じた冒頭の怖い話

も、それなりに恐怖を助長してくれるから、溜まったものではなかった。

そんなこんなで、俺の番がやってきた。

俺よりも早くスタートした組が、まだ、順路の途中にいる筈だったから、

俺はまるで駆け足で回るようにして順路を急いだ。

出来る事なら、前の組の仲間に追いつきたかった。

ただ、俺の順番が最後ということもあり、おばけ役の大人達もあまり

力が入っていなかったのか、

君が最後だよね?

と聞かれ、

はい。そうです。

と答えると、隠れていた場所から姿を現し、そしてそのままスタート地点

へと帰っていく。

実は、これが一番恐ろしかった。

肝試しというと、確かに回る者も怖いのだが、それでもおばけ役の大人達が

近くにいる、ということがどれほど心強かったか・・・。

それが、俺が通り過ぎると、皆、そのままスタート地点へ帰ってしまう。

ということは、もう、そこには誰も居なくなってしまう。

その事が俺にとっては、より恐怖心を掻き立てられた。

だから、俺は出来るだけ早く回れるようにと、必死に早歩きをしていた。

そして、ある地点まで来た時、俺の恐怖はピークを迎える。

そこは、大人達が隠れて脅かす場所の最後の地点だった。

其処から先は、道の奥にある無人のお寺まで行って、あらかじめそこに用意

されている番号札を持ってこなくてはいけなかったから・・・。

例のごとく、俺が最後の組だと判ると、大人達はゾロゾロとその場から撤収していった。

俺はもう恐怖で泣きたい気持ちを何とか堪えつつ、それでも早足でお寺を

目指して必死に走った。

お寺には誰が用意したロウソクの灯かりが揺れていた。

俺はお寺に着くと、とりあえず、番号札をやみくもに掴み、その場から

ダッシュで折り返す。

実は、指定された番号を持ち帰らなければいけないのだが、俺にはもう

そんな余裕は無かった。

早く、みんなの元に戻りたかった。

そこで、たとえ違った番号札を持ち帰って笑われても構わないと思っていた。

すると、俺の後方からペタペタという音が聞こえてくる。

俺は最初、何かの聞き間違いだと思い、1度立ち止まってその音を聞いた。

ペタッペタッ・・・。

それは確かに誰かの足音、それも裸足の足音に聞こえた。

俺は一瞬、誰か大人がやってきたのかな、とも思ったが、何か胸騒ぎがする。

俺は、心の中で、ウワァ!と叫びながら再び走り出した。

前方の暗闇が恐ろしかったが、それよりも後方が気になっていた。

耳は完全に後方からの音に集中している。

すると、いつしかペタッペタッという音は、タッタッタッタッという

走っている様な音に変わっていた。

間違いなく誰かが後ろから追いかけてきている。

それが恐ろしかった。

きっと、大人達の誰かが残っていて俺を驚かそうとしているのだろうと

自分に言い聞かせた。

すると、突然、後方から声が聞こえた。

お~い!待ってよ!お~い!

それは聞いた事が無い声だった。

子供の声に聞こえたが、男とも女ともとれる声だった。

俺はもう完全にパニックになって、きっと大声を出しながら走っていた

んだと思う。

それでも、後方からの声と足音は、少しずつ確実に近づいてきていた。

転んだらお終いだ・・・・。

俺は必死に走りながらも、転ばないようにという点に置いては冷静に

走り続ける事が出来た。

火事場の馬鹿力とでも言えば良いのか、その時はとてつもなく速く走れたような

気がする。

それでも、気がつけば、後方からの足音は、もうすぐ背後から聞こえてくるように

なっていた。

そして、俺の耳元から、あの声がした。

ねぇ!待ってよ!ねぇ!

そして、何かが俺の背中を掴んだような気がした。

俺はその時、何を思ったのか、手に持っていた番号札を後方に投げ捨てた。

すると、一瞬、背後からの足音が遠のいた。

俺は

やった~!

と思い、走る足に力を込めた。

しかし、それから数秒後、凄まじい速さで何かが近づいて来るのが判った。

そして、今度はしわがれた老婆の様な声で、

待て~・・・・止まれ~・・・・。

と聞こえてくる。

少なくとも父兄の中にはお年寄りはいなかった。

だとしたら、後ろにいるのは・・・・。

そう考えると恐怖で足がすくんだ。

それでも俺は止まる事だけはしなかった。

止まったらどうなるのかは分からなかったが、それでも良い事は起こらない

という確信はあったから・・・。

すると、前方から声が聞こえてきた。

どうやらその声はカブスカウトの指導者達が迎えに来てくれた声に違いなかった。

俺はその声に励まされるようにして必死で走る。

その間、背後からは何度も俺の背中を掴もうとする手の感蝕があったが、

最後のカーブを回り、大人達の姿が見えた時には、その声も足音もすっかり

消えていた。

きっと、俺はその時、大人達の胸に飛び込んで泣いてしまったのだろう。

そのまま、その日は俺だけが、両親に連れられてそのキャンプから自宅に

帰ることになった。

その帰り道、俺は両親に俺が体験した事を話した。

両親達は、俺の話に頷きながらも、

きっと怖い怖いと思ってるから、そんな風に感じたんだよ。

と優しく諭してくれた気がするが、自宅に帰ってから着替えの際、俺の服の

背中部分についていた傷を見て、一瞬、両親の顔色が変わったのを俺は見てしまった。

もし、あの時、立ち止まっていたら・・・・。

そう考えると今でも恐ろしくなる。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:38Comments(27)

2018年02月04日

ペンフレンド

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

こちら、金沢は朝からずっと雪が降っております。

現在もかなり強い風と共に、吹雪にも似た

雪が降り続いております。

あ~、明日もまた早起き・・・ですね(涙)

天気を眺めては、ふ~とため息を漏らしている

私と妻の横で、ずっとニヤニヤ嬉しそうにしているのが

我が家の大監督です。

なんでも、雪が積もると高校が休みになるらしいです。

雪降れダンス?を踊っては、妻に頭を叩かれてました(涙)

明日までの積雪が30センチ位でありますように!

ということで、今夜も怖くない話、いってみましょう。

『闇塗怪談2』絶賛、予約受付中です!(笑)
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それでは、どうぞ~!






現代はまさにデジタル社会。

年賀状は、あけおめメールやLINEに移っていき、買い物も家に

いながらネットで注文している方も多いのではないだろうか。

そんな時代だからこそ、あえて直筆による手紙の交換を楽しむ方も

実際に存在している。

そして、俺の知り合いもそんな中の一人である。

いわゆる文通という奴だ。

別にコンピュータやスマホが苦手は訳ではないが、彼にとって直筆の

手紙のやり取りはどこかノスタルジックで懐かしい気持ちに浸れる

楽しい趣味になっていた。

決して字が上手いという訳ではなかったが、お互いが下手な字ながらも

一生懸命に手紙を書いてやり取りする事は、彼にとっても童心に戻れる

貴重な時間になっていた。

だから、いつも仕事から帰ると、先ず最初に郵便受けを確認する。

石川県に住む彼がその時、文通していたのは佐賀県の女性。

年齢は30代で独身だったが、とても丁寧で趣のある文章を書く

女性だったという。

それこそ何十回の手紙のやり取りをした頃だった。

相手の女性からの希望でお互いの写真を交換しよう、という事になった。

元々、容姿には自信が無かった彼だったが、どうせ嫌われるのなら、と思い

思い切って、それなりに、よく撮れている写真を送った。

そして、それから何故か相手の女性からの手紙が来なくなる。

彼は、やっぱり嫌われちゃったかな・・・・

と思い、それからしばらくして新しい文通相手を見つけた。

そして、新しい女性との文通をスタートさせた彼の元に、突然、写真を送った

相手から手紙が届いた。

そして、その手紙には、

あなたの事がとても気に入ってしまったので是非逢いたいという内容が書かれていた。

彼は喜び勇んでその女性に返信したという。

僕も是非お会いしたいです・・・と。

確かに、相手の女性から送られてきた写真には、とても美しくにっこりと笑った

女性が写っていた。

だから、独身の彼にとっては、もしかすると遠距離恋愛になるかも・・・という

期待もあったのかもしれない。

実際に会うとなれば、かなり彼は積極的になった。

そして、その女性からの要望もあり、大阪のとある公園で会おうという事になった。

その時、彼は、

どうして商業施設とか観光スポットでの待ち合わせではなく、聞いた事も無い

公園での待ち合わせを指定してきたのか、と不思議に思ったらしいが、

まあ、そんな事は大して気にならなかったのだろう。

待ち合わせ予定の休日まで彼は仕事も手につかない程ワクワクしていたが、

そんな事も在り、あっという間に約束の日曜日になった。

彼は早朝のサンダーバードに乗り、大阪駅へ向かった。

両手には沢山の金沢のお土産を持って・・・。

大阪駅に着くと、まだ時間にかなりの余裕があったので、彼は久しぶりの

大阪をしばらく散策した。

その際、すれ違う人達が何故か彼の顔を皆、不思議そうな顔で見ていた。

彼は顔に何か付いているのか、と怪訝に思ったが、そろそろ待ち合わせの時間

が近づいていたので急いで指定された公園に向かう事にした。

公園に着くと、休日の昼間だというのに人が全く居なかった。

それだけではない。

その公園に入った途端、彼は何か酷い寒気を感じたという。

それに晴れた昼間だというのに、その公園だけはまるで夕暮れのように

暗かった。

それでも、彼は、

これだけ人が居なければかえってお互いを見つけやすいだろう・・・

と思い、一番真ん中にあるペンチに腰掛けた。

約束の時間まではまだ20分ほどあったが、彼はそのままそのベンチで相手の

女性の到着を待つ事にした。

すると、突然、急激な眠気に襲われてしまい彼はウトウトしてしまう。

そして、どうやらそのままルカ意眠りに就いてしまった。

その中で、彼は夢を見た。

夢の中ではあの写真の女性が彼ににこやかに笑いかけながら手を握ってきた。

彼はドキドキしながらも、その手をしっかりと握り返した。

すると、次の瞬間、その女性が話しかけてきた。

どうして私以外の女と手紙の交換をしてるの?

その言葉に彼は思わず固まった。

確かに気まずいという思いも在ったが、それ以前に、どうして他の女性と

文通して要る事をこの女は知ってるんだ?

という気味の悪さが先にたった。

あの・・・それは・・・・

そういって弁解しようとする彼の声を遮るように、その女は、

どうして・・・どうして他の女とやり取りしてるの?

と、まるで機械の様に同じ言葉を繰り返す。

さすがに彼も気持ち悪くなってその女性の手を振りほどこうとしたが、

まるでとてつもない力で固定されたようにビクともしなかった。

そして、彼の手を握った相手の手はどんどんと力が増していき、彼は

自分の指がボキボキと折れていく音を聞いた。

経験した事の無い激痛と恐怖で彼は大声を上げた。

と、そこで彼は夢から覚めた。

体中に嫌な汗をかいていた。

そして、彼は時計を見た。

すでに待ち合わせの時間はとうに過ぎていた。

と、彼はすぐ横から何かの気配を感じた。

それはどうやら彼と同じベンチに座っている気がした。

もしかしたら、彼女が着ていたのか?

そう思った彼だったが、どうも横から伝わってくる気配は普通のもの

ではなかった。

そう、まるで彼の中の潜在意識がその危険さを警告していた。

彼は恐る恐る顔を横に向けた。

すると、そこには座っている座高だけで彼の1.5倍ほどはありそうな

大きな女が座っていた。

その顔は俯いたまま険しい表情をしており、体全体が黒い靄に包まれたように

はっきりしなかった。

この女は誰なんだ?

少なくとも写真の彼女ではない。

それなのに、他のベンチはどれも空いているのにどうして俺の横に?

そんな事を考えていると、突然隣に座った女が

どうして・・・どうして他の女と・・・。

とまるで地の底から沸きあがるような低く響く声で言った。

その途端、彼はまるで条件反射のように、そのベンチから飛びのき、そのまま

ダッシュして公園の外を目指した。

先ほど見た夢が予知夢だとしたら、きっとそれはご先祖様か守護霊が危険を

知らせてくれたに違いなかった。

だとしたら、あのままベンチに座っていたら・・・。

彼は想像もしたくなかった。

そして、そのまま公園の外に出た途端、周りの空気が一変した。

公園の中とは全く違い暖かく陽が差し込み、雑踏の音で溢れていた。

助かったのか・・・。

そして、トイレに入って鏡を見た際に、何故通行人に不思議な顔

をされていたのかが分かった。

彼自身の顔は、大きなクマが出来、まるで死人のように

蒼ざめており生気すら消え去っていた。

彼は一秒でも早くその場から離れたくて、そのまま駅に駆け込み、一番早い時間の

特急で金沢まで帰ってきた。

そして、知り合いのお寺に行き、御祓いをしてもらったそうなのだが、

そのお寺の住職にも驚かれてしまったという。

よく生きて戻れたものだと・・・。

それからも、その女からの手紙は届き続けたのだが、彼が引越しをしてからは

もうその手紙は来なくなった。

ちなみに、彼はそれ以来、文通は辞めてしまった。


  


Posted by 細田塗料株式会社 at 17:35Comments(22)

2018年02月03日

釣り場の先客

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

また明日から寒気がくるみたいですね。

来週は金沢もきっとまた雪との格闘に

なる事でしょう(涙)

ところで、昨晩の新年会は片町でした。

何故か歩いている人は少なかったですが、

それでも、ちゃんと怪奇現象に遭遇しました(涙)

また、後日、こちらで書かせて頂きたいと

思います。

ちなみに、昨晩、午前2時頃帰宅すると、

うちの大監督が起きておりました。

新しい脚本でも書いているのかと思いきや、

MMDとかいうソフトでCGキャラを作り

躍らせては、喜んでおりました(涙)

そして、自分で食べようと買って帰った

五目チャーハンを奪い取られました。

それからいったい何時まで、そんな事を

やっていたのかは知りませんが、今日は午後

2時頃にご起床になっておられました(泣)

まあ、なんにでも熱中するのは良い事

かもしれませんが・・・。

それでは、今夜はいきます。

怖くない話。

どうぞ!




これは釣り好きなお客さんから聞いた話。

場所は具体的に書かないが、奥能登とだけいっておこう。

其処には、船乗り場から釣り船が出て、沖にあるコンクリート製の釣り場

まで連れて行ってくれるらしい。

そして、そこで釣り客は釣りを楽しみ、数時間後に再び船が迎えに来てくれる

まで存分に釣りを楽しむのだという。

確かに、船を持っていない釣り人にとってはありがたいサービスなのかもしれない。

しかし、ごく稀に不可解な出来事も起こるらしい。

その日も、彼は生憎の冬の悪天候の中、その船乗り場を目指して車を走らせていた。

雨が降っており釣りには向かないとも思われたが、それでも釣りが大好きな

彼は久しぶりの休みを何とか釣りをして1日を過ごしたいと思っていた。

釣れようが釣れまいが関係なく、純粋に釣りに没頭する時間を楽しみたかった。

その為、彼は前日から釣りの用意をして翌朝早くに起きてまだ夜も

開け切らないうちに家を出た。

そのせいか、奥能登にあるその釣り場に到着した時には、まだ午前7時前。

車を停めて缶コーヒーを買い飲みながら海を見ているとやはり海はかなり

荒れていた。

やはり今日は船が出そうにないな・・・・。

やはり釣りは陸地からするしかないのかもな・・・・。

そんな事を考えながらぼんやりと海をみていたという。

すると、何処からか小型の古い漁船が船乗り場に近づいて来る。

彼は何度もその船乗り場を利用していたがそんな船を見るのは初めてだった。

恐る恐る彼はその船に近づいていく。

どうやら彼の他には釣り客はいないようだ。

そして、その小さく古い漁船は船乗り場に接岸しじっとしている。

彼は、正直なところ、かなり迷ったという。

こんな天気ではきっと釣果は得られないだろう・・・。

それよりも、こんな状態の海に、あんな小さな漁船で行くとしたらかなり危険だ。

下手をすると・・・。

しかし、そんな彼の考えとは裏腹に、いつもの沖にある釣り場に速く行きたいと

身体は勝手に動き、気がつくと彼はその船に飛び乗っていた。

すると、まるで彼が乗るのを待っていたかのように、その船はすぐに岸を離れる。

おいおい・・・もう少し他の客を待たなくて良いのか?

そんな事も考えたが、それまで彼は沖にあるその釣り場を独占する形で釣りを

した経験は無かった。

そして、それは彼だけかもしれないが、やはり1人で釣り場を独占して自由に

釣りを楽しむというのは彼にとっては願ってもない事だった。

だから、彼はそのまま黙って大きく揺れる船に身を任せていた。

漁船の操縦をしている年配の男は、彼が船に乗ってからも一言も話していなかった

が、それは彼にとっても好都合だった。

どうやら彼はプライベートでは無口に過ごしたいらしい。

船が乗り場を出てから10分程でいつものコンクリート製の釣り場が見えてきた。

其処はそれなりのスペースが在り、まるで海の中に造られた防波堤のようだった。

あそこで、今から俺は1人で釣りを満喫出来るのか・・・。

そんな事を思いながら彼はじっとその釣り場を眺めていた。

すると、不思議な事に気がついた。

どうやら先客がいるのだ・・・。

しかも、それは女性であり釣りには全く似つかわしくない様な服装を

している様に見えた。

そうまるでその辺を散歩でもしに来た様な軽装だった。

彼はそれを見て、最初に感じたのは、残念な気持ちだった。

せっかく1人きりで釣りを満喫できると思っていたのに・・・。

その女の姿は確かにおかしいとは思ったらしいが、どうせ観光客が沖から

海を眺めたいという理由でその釣り場にやってきたに違いないと思っていた。

そして、すぐに漁船はその釣り場に接岸され、彼は船から降ろされた。

そして、何時間後に迎えに来ますという言葉も無く、そこからさっさと

帰っていった。

その女と2人きりでその釣り場に残された彼は、その女に目もくれず

さっさと釣りの用意を始めた。

そして、その女から一番離れた場所に折りたたみ式の椅子を設置して

釣りを開始した。

話しかけられたり、という面倒くさい事は避けたかった。

その釣り場の周りの海は不思議と波も無く完全な凪状態。

だが、それからしばらく釣り糸を垂らしていたが、いっこうに魚がかかる

気配は無かった。

勿論、釣れないのは想定内だったから、彼は朝早く作ってきた弁当をビールで

流し込みながら、ぼんやりと釣りを続けていた。

そして、何気なく彼はその釣り場を見渡した。

其処で彼は思わず、えっ?と声を出してしまう。

間違いなくその釣り場に降りた時には居た筈の女の姿が見えなかった。

彼は思わず立ち上がってあたりの海を見渡した。

あれから船は来ていない。

だとしたら、あの女は産みに落ちたんじゃないのか・・・。

彼は慌てて携帯を取り出し、110番に電話を掛けようとした。

しかし、何故か電話は繋がらない。

電波が全く来ていなかった。

何度かその釣り場を訪れたが、そんな事は初めてだった。

どうなってるんだ?

そう思ったが、彼は冷静に考えてみた。

そもそも彼は早朝の船でこの釣り場にやって来たのだ。

だとしたら、彼よりも先客が居る事自体、おかしなことだ。

それに、あの船頭は、あの女に声もかけなかった。

だから、きっとあの女は俺の身間違いに違いない・・・と。

彼は胸騒ぎがする気持ちを落ち着かせつつ、再び釣りに集中した。

そして、それからしばらくして彼の釣竿に何かがかかる。

かなりの引きの強さだった。

彼は浮き足立つ心を抑えつつ慎重にリールを巻き取っていく。

そして、彼は見てしまった。

彼が巻き上げたリールの先端に浮かび上がる女の姿を・・・。

それは水死体という感じではなかった。

海の中から、じっと彼を睨みつけている顔が見えた。

うわっ!

彼は釣竿を慌てて放り出しそうになったが、何とか踏み止まった。

彼はその海の中から見つめるモノと目を合わせてはいけない気がしたという。

だから、彼は慌てて海面から視線を逸らした。

すると、今度は、もっと在り得ない光景が彼の視界に入ってきた。

彼が見た釣り場の向こう側に、男女1人ずつの姿があった。

まるで彼の方を覗き込むかのように前傾し立っている姿がそこには在った。

そして、その男女が着ている服からはポタポタと水が滴り落ちていた。

彼は、慌てて視線を戻した。

今度こそは絶対に見間違いなどではない、という自信があった。

視線を戻した先の海の中にはもう彼を睨んでいる女の姿はなかった。

彼は決して振り返らず釣りを続けたという。

絶対に見てはいけないものなのだと本能が命令していた。

しかし、必死に釣りに集中しなくては、と思うのだが気になるのはやはり

背後の事ばかりだった。

すると、また変な音がした。

まるで何かがこのコンクリートの釣り場によじ登ってくるような音。

ペタペタという音に混じって苦しそうな息遣いさえ聞こえてきた。

それでも、彼はそのまま釣りを続けるしかなかった。

すると、どうやら、その釣り場にはその後も沢山の何かがコンクリートを

よじ登ってあがってきているようだった。

言葉とも取れないような奇妙な話し声が聞こえてくる。

きっと、もうその釣り場は足の踏み場も無いくらいに沢山の男女で

埋め尽くされているのは後ろを振り返らなくても分かっていた。

その証拠に、彼のすぐ背後からも何やらザワザワとした聞き取れないような

言葉が聞こえてきていた。

彼はもう手どころか全身が震えて止まらない状態だったが、それでも

目をつぶりながら必死に釣り糸を垂らし続けるしかなかった。

そして、突然、何かが彼の手を掴んだ。

とても冷たい手だった。

彼は思わず目を開けた。

すると、そこには眼球の無い両目が彼を覗き込んでいた。

彼はその場で意識を失ったらしい。

そして、気がついた時には、彼は漁船の漁師に助け起こされていた。

どうやらこの悪天候の中、漁に出た漁師が釣り場のコンクリートの上で

倒れている彼を発見してくれたらしい。

彼は、先ほどの体験が夢であって欲しいと思った。

しかし、港への帰りに、その漁師から聞かされたらしい。

彼を見つけたとき、沢山の人間が海の中へ滑るようにして消えていく姿を

目撃した事を・・・。

そして、海にはそういうものが居るのが当たり前なのだということを・・・。

そして、当然、その日、釣り場へと向かう船は運航されていなかったらしい。

それでは、彼をその釣り場まで連れて行ったのはいったい誰なのだろうか?

彼はその日以来、もう奥能登で釣りをするのは止めたらしい。



  


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:18Comments(10)