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2017年12月10日

奇跡のクリスマスツリー

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

昨晩、暇だったので、過去の記事のタグを

確認してみました。

怖い話→怖し話・・・になっていたり、

色々と間違いが多数見つかりました。

もしも、『怖い話』や『怖くない話』で検索されている方が

いらっしゃるならば、もしかすると、まだ読んでいない話が

見つかるかもしれません。

ちなみに、今日はうちの大監督の演劇の発表会です。

なんと、今回は劇の主役だそうです。

お陰で家の中が静かで落ち着きます(笑)

ということで、今日も早めの時間にいってみましょう。

怖くない話。

それでは、どうぞ~!




その日、友人は完全に道に迷っていた。

世間はクリスマスで盛り上がっているというのに、彼にはそんな余裕

など微塵も無かった。

いや、嫌な事を忘れる為に、彼には仕事に没頭するしかなかったのかもしれない。

彼は仲間内でも誰よりも早く結婚し、可愛い子供にも恵まれた。

仕事は、コンピュータ関係の会社でシステムエンジニアという花形とも

いえる職種に就いていた。

収入にも恵まれ、綺麗な奥さんと、可愛い一人娘。

本当に、絵に書いた様な幸せな家庭だった。

しかし、ある日を境にして、彼の人生は大きく狂い始める。

交通事故で、まだ小学校低学年だった娘さんが亡くなったのだ。

その時、彼は仕事で遠方に出かけており、知らせを聞いて駆けつけた時には

娘さんは既に亡くなっていた。

そして、それが奥さんには許せなかったらしく、それから間もなく彼に

離婚届が突きつけられた。

彼は、何とか思い留まらせる事が出来ないものか、と説得したが、

奥さんの意志は固く、彼は離婚を受け入れた。

ただ、彼が娘さんの死に目に会えなかったのは不可抗力であり、なにより、

その事を一番悔いているのは紛れもない彼自身だった。

だから、彼は娘を失った悲しみと妻と別れた悲しみ、そして、娘さんの死に目に

間に合わなかった負い目を背負いながら生きていく事になった。

彼はその時点で自暴自棄になっていたのかもしれない。

すぐに、それまで勤めていた会社を辞めて、それまでのキャリアとは

全く関係の無い職業へと転職した。

収入も少なく、かなりの肉体労働を伴う仕事は、彼自身、辛いものだったが、

そんな環境の中でがむしゃらに仕事に精を出している時だけは、それらの悲しみ

や辛さを忘れる事が出来た。

そんな感じだった。

そして、その時の彼は、クリスマスイブの夜だというのに、まだ営業車の中にいた。

もっとも、今の自宅であるアパートに戻っても、何もする事は無く、逆に

クリスマスの賑やかさが彼には苦痛でしかなかったのだから、仕方ない

のかもしれないが・・・。

遠方への出張の帰り道、あいにくの大雪に遭ってしまい、道は渋滞で完全に

マヒしていた。

トラックや営業車が数珠なりに連なった渋滞の列は、どれだけ待っていても

いっこうに進まなかった。

それに、彼の車は、すでにガソリンの残量にかなり不安があった。

このまま、渋滞の中で、ガソリンが切れてエンジンが止まったら・・・。

勿論、その時の彼は、凍死する事など全く恐れてはいなかったが、それでも、

自分の車が止まってしまっては他の車に迷惑が掛かる。

それならば・・・。

そう思ったのが、間違いの始まりだった。

彼は、見ず知らずの道であるにもかかわらず、現在停まっている国道を

外れて、脇道に入っていった。

確かに、方向的には間違いなかったのかもしれないが、彼が入った脇道は、

進んでいくうちに、二股、そして三股と分岐しており、更に道はどんどんと

細くなっていく。

更に、大雪の為、どこまでが道なのか、全く分からなくなっていた。

道を振り外せば、間違いなく影下に落ちてしまう・・・そんな状況だった。

どこまで行っても、他の車の轍さえも無く、さすがの彼も不安に襲われる。

もうずく亡くなった娘の三回忌。

それだけはきちんとしてあげたかった。

だから、彼は眠い目を擦りながら必死に運転を続けた。

しかし、相変わらず、道は車がようやく1台通れる位の道幅しかなく、

更に幾重にも分岐している。

更に、どうやら、彼はその山道をグルグルと回っているらしく、走っているうちに、

先ほど自分の車が通ったタイヤの跡を発見する。

どうなってるんだ?

いよいよ、寝残りのガソリンも残り少なくなっていた。

その時、彼は自分の車が先ほど通ったタイヤの跡に並んで、小さな子供の靴跡を

見つける。

こんな夜更けに、こんな山の中で?

彼は不思議に思ったが、次の瞬間、彼の目に信じられないものが飛び込んでくる。

それは、亡くなったはずの彼の一人娘の姿だった。

娘は、わざわざ車のヘッドライトが照らす場所まで出てきて、彼に両手を振って

笑いかけてくれた。

彼は、夢なのか?と思い、車を降りようとしたが、それを見た娘は、大きく

首を横に振って、降りてきては駄目だと言う。

そして、彼に背中を向けると、そのままテクテクと歩き出し、少し離れると、

彼に手招きをして合図してきた。

彼は何が起こっているのか、全く理解出来なかったが、それでも娘の言うとおり、

車から降りずに、娘の後を追いていくことにした。

少し歩いてはこちらを向き、手招きする。

その姿は、娘が生まれて初めて雪を見て、大はしゃぎしていた時に着ていた

防寒用の子供服と子供用のブーツを履いた愛らしい姿だった。

その姿を見ていると、それまでの不安感は何処かへ消えてしまい、可愛い娘の姿を

追う事だけに集中していた。

娘が自分を何処に連れて行こうとしているのか?

そんな事はどうでも良かった。

死に目に会えなかった一人娘に会えた事が彼には言葉に出来ない位に

嬉しかった。

そうしていると、今度は前方に大きな明かりが見えた。

すると、娘はもう振り返らずに、その明かり目指して走り出した。

彼は慌てて車の速度を上げて、娘を追いかけるのだが、何故か娘の走る速さは

人間離れしており、彼はやっとの思いで娘に追いていった。

それから、どれ位走っただろうか・・・・。

突然、娘が立ち止まる。

そして、彼の車に走り寄って来ると、小さな指で前方を指差した。

そして、小さな指で運転席の窓ガラスに、

パパ・・・だいすき

と書いてくれた。

それを見た彼が再び車から降りようとしたのだが、娘は悲しそうな顔で、

再び、首を横に振った。

それでも、彼が我慢しきれないでいると、何処からが娘の声が聞こえてきた。

パパ・・・あのひかりにむかって・・・。

さよならだよ・・・。

そう聞こえた。

彼は、とにかく娘の言うとおりにしようと思い、そこから一気に車を走らせた。

バックミラーを見ると、小さな娘がいつまでも小さな手を振っているのが見えて

涙が止まらなかった。

それでも、必死に、娘が指し示した光に向かって車を走らせていくと、彼の目の前には

突然、大きなクリスマスツリーが現れた。

色んな光がキラキラと点滅するとても大きなツリーだった。

彼は、それを見た時、もしかすると天国に来たのかも、と思ったらしいが、

どうやら、そこは大きなショッピングセンターに展示されている

クリスマスツリーだということがわかった。

彼はしばらくそのツリーに見とれていたが、やはり娘は自分を助ける為に

出てきてくれたのだ、と思うと、再び涙が止まらなくなった。

そこからは、彼は渋滞に巻き込まれる事も無く、無事にアパートに

戻る事が出来たという。

そして、娘さんが起こした奇跡はそれだけではなかったらしく、その後、

離婚した奥さんと再び籍を入れ、今は夫婦仲良く暮らしているということだ。

何故なら、娘さんの一番の願いは、パパとママに自分の分まで仲良く一緒に

暮らして欲しいというものだったのだから・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 15:20│Comments(18)
この記事へのコメント
営業のK様

素敵なお話ありがとうございます!
亡くなってしまった娘さんが大好きなパパとママを
再び巡りあわせてくれたんですね(^^)

大監督、主役おめでとうございます!
きっと素晴らしい演技を披露されている事でしょう
今日は帰ってきたら豪華なお食事ですね(*^^*)
Posted by はっと at 2017年12月10日 16:15
お久しぶりです!
ご無沙汰してしまいました( ˊᵕˋ ;)

今日は早めのアップですね♩♪
めずらしく更新されて時間が経たないうちに見れました(*´ω`*)

全私が泣いた・・・
って感じですね。
( •̣̣̣̣̣̥́௰•̣̣̣̣̣̥̀ )ウルウル

ほっこり心温まる切ないお話でしたが、この方と奥様が幸せに暮らせることを願います✧*。

12月に入り寒さも増してますしお忙しい時期かと思いますが皆様ご自愛くださいませ。
Posted by ぴょんうさぎᙏ̤̫͚*⑅♥︎ at 2017年12月10日 16:18
良い話を読ませて頂きました。
視界が滲み、熱いものがこみあげてきました。
Posted by 旅人 at 2017年12月10日 16:35
営業のKさん

こんにちは☆ 連日の更新ありがとうござます!

本日のお話は、悲しいけど心温まる素敵なお話でした。
途中から泣きそうになってしまいました(^_^;)
娘さんの願いが届いて良かったですね。

娘さんといえば、大監督、主役とはさすがです!
きっと大成功でしょう。
帰宅後は、焼肉パーティーでしょうか(^-^)

明日からまた一段と寒くなりそうですね。体調に気をつけてくださいませ。
次回も楽しみにしてます。
Posted by しゃねる at 2017年12月10日 16:57
営業のK様

本日も更新ありがとうございます。

いつもは、朝の通勤電車の中で読むのを楽しみにしているのですが、仕事帰りの電車の中で更新されてるのをみて、何となく読みたくなったので読んでました。

「奇跡のクリスマスツリー」ウルっときました(泣)涙が出そうな状況をわざと欠伸をしてごまかしてました(汗)

私の悪い癖と言いますか、子供の話とかは直ぐに我子と重ねてしまい、いかん、いかんとその度に自分に言い聞かせてます(汗 笑)

今日も最寄りの駅でちょっと一杯引っかけてから帰ろうかななんて思ってましたが、真っ直ぐ帰ることにしました(笑)

次回のお話も楽しみにしております。
Posted by おしょうとちんねん at 2017年12月10日 18:41
Kさん、こんばんは。

今日のお話は良い話でもありますが、悲しい話でもありますね。
山道に誘い込まれたのか、偶然なのか危ないところを娘さんに助けられて、夫婦の仲が戻った事が救いだと思います。
「子は鎹」と、昔の人はよく言ったものです。

お嬢さん、巧く出来たのでしょうか、今夜は焼き肉パーティー?、鍋パーティー?、それとも・・・(笑)

それではまた、次のお話を楽しみにしています。
Posted by TO at 2017年12月10日 20:04
途中から文字がにじんで見えませんでした!こんばんは!やはり前回のkさん家族同様わるいものにさそわれて山道迷いこんだんでしょうか?パパだいすき、て文字まだのこしてあるのかな?それにしても自慢の娘さんだね!
Posted by Aさんのファンクラブ12番 at 2017年12月10日 20:17
久々のコメントさせて頂きます。
娘を持つ者として悲しすぎてウルウルしました。
俺なら車から降りてたかも。
Posted by ひで at 2017年12月10日 20:40
動画の方を先に読んでしまい、質問していたお返事にカチコチに凍ってました、こっちを後に読んで正解でした。解凍して(;_;)うるうる。

あ!動画みるの忘れてきた!また戻ろうっと!

・・・タッピミサキタッピミサキ(呪文?)
Posted by はるた解凍した at 2017年12月10日 22:23
営業のKさん

負の意識に支配されてしまうと、亡者も近寄りやすいのでしょうか?

それにしても・・・泣きました。
フロントガラスへの文字、耐えきれずウルウルです。

ただの恐怖だけでなく、肉体亡き後も、誰かを温かく見守り続ける魂がある事を、見聞きし体験されているKさんだからこそ、怖くない話を綴る事がライフワークと宣言出来るのでしょうね。
ありがとうございます。

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしておりますが、くれぐれもご自愛下さい。
Posted by 中西 at 2017年12月10日 22:28
こんばんは。

「そして、小さな指で運転席の窓ガラスに、
パパ・・・だいすき
と書いてくれた」

涙が止まりません。。。
抱きしめたかったでしょうに。
Posted by まーくん at 2017年12月10日 22:34
初めて、コメントしますね。

毎日PM23過ぎから、読んでいます。

今日の話しは、泣きました。
Posted by ヨッコ at 2017年12月10日 23:51
 K様、皆様、お疲れ様です。

連日の更新、ありがとうございます。

 号泣。

 以上。
Posted by 上海より at 2017年12月11日 00:55
営業のK様

お疲れ様です。
今日の話しは娘を持つ親としては涙なしでは読めない内容でした。今から仕事なのにどうしよう?笑

クルスマスライブの練習も頑張ってください。
Posted by K-BOLAN at 2017年12月11日 09:37
おはようございます。

はぁ~、良い話でした。

自暴自棄?な気持が…あちら?の世界と繋がってしまったんですね。

怖い。

でも…助かって、娘さんの想いが届いて良かったです。

大監督、どんな役か気になります。

家での(おねだり?)演技?も更に磨きが…掛かるかも知れない。
Posted by にじちゃん at 2017年12月11日 09:40
お疲れ様です!演劇で大監督さんが主役なのですね。流石、kさんの娘さんですさて、今回のお話はとても悲しくて切ないお話でありましたが読んでて涙が溢れた来ました!
不慮の事故で亡くなった後にでも子供が親を思う気持ちって嬉しいですよね!しかも、夫婦仲良く暮らされてるって最高じゃないですか!
Posted by t.t at 2017年12月11日 15:04
感動しました!
最後の最後に娘さんに会えて良かったです…(涙)

もうひとつ、別れたご夫婦が再び寄り添って人生を歩きはじめる………私の心に静かに深ーく深ーく突きささりました。
そこもまた涙…。
Posted by かのん at 2017年12月12日 06:00
お久しぶりです!

今日のお話、とても感動しました。
ちょっと泣いてしまった。。。

生きている人以上に、
亡くなった人たちは家族を思っているんですね。
ありがたいなあ。
Posted by まあちん at 2017年12月17日 07:32
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