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2017年12月20日

スキューバダイビング

サインディスプレイ部  営業のKです。

皆様、お疲れ様です。

クリスマスライブ2日目・・・です。

遅れそうなので、取り急ぎ1話

上げさせて貰います。

それでは、どうぞ~!




友人にスキューバダイビングをやっている男がいる。

趣味といえば聞こえた良いが、初めはほんの興味本位で始めた

スキューバダイビングだが、彼の場合、すっかりその魅力に取り憑かれてしまい、

最近ではスキューバをする為に仕事をしているのだ、と本人が言っていた。

勿論、俺はそんな高尚な趣味をした事はないから想像もつかないのだが、

海の中を潜っていると、日常では決してお目にかかれないものと遭遇したり、

誰もいない海の底まで潜ったりすると、生きている事が実感できるそうであり、

そんな体験は他では出来ないといつも言っている。

実際、スキューバダイビングというものは、酸素ボンベを背負って海の中を

泳ぎ潜るわけだが、基本をマスターし、セオリーを守らないと、それこそ

命を落とす場合もあるらしい。

そんな彼だが、日本の沖縄をはじめ、世界中の海で潜ってきたらしいのだが、

ここ数年はずっと小笠原の父島辺りで潜る事が多いそうだ。

沖縄も確かに素晴らしいらしいが、彼の個人的な感想では、小笠原のほうが、

まだ手付かずの場所が多く残っており、興味をそそられるのだそうだ。

クジラに遭ったり、イルカに遭ったり、そしてサメに遭う事もあるらしいのだが、

彼が最も興味を持ち、且つ、恐れているのは他のものだという。

それは、言葉で言うのは難しいのだが、海の中に突如として現れる洞窟

らしきものなのだという。

洞窟らしきもの・・・と書いたのは、それが本当に洞窟なのか、は分からないから。

ただ、数ヶ月前に潜った時に見つからなかったり、時には前日に潜った時には

見つからなかった洞窟が海の底でぽっかりと口を開けている時があるのだという。

そんなに怖ければ近づかなければ良い、と俺も思うのだが、何か無性に

惹きつけられるものが、そこには在るそうだ。

だから、彼はついついその洞窟に近づいてしまう。

ライトで照らしても、何も見えない暗闇が続いている。

普通、海の中に洞窟のようなものが在る場合には、その中は魚のねぐらになっている

筈らしいのだが、そこには生というものが全く感じられない。

生きている自分がその洞窟の前に立つだけで、どこか息苦しささえ感じる程の

『無』が其処には存在している。

普通の人間なら、そこで諦めるのだろうが、彼はそうではなかった。

洞窟の前に来て、奥を覗いていた時、彼はその洞窟がいったい何処まで

続いているのか、知りたくなったらしい。

俺はスキューバの映像を見ると思う事がある。

それは、きっとスキューバをしている人達は、知らぬ間に自分が空さえ飛べる

人間になっていると錯覚してしまうのではないか、という事である。

海底を地面だと考えれば、其処から海面までを自由に浮かび沈み泳ぎ

回れるのだから、そう思っても仕方ないのだが・・・。

ただ、彼の場合、その傾向が強いのかもしれない。

日頃の大人しく怖がりの彼を知る俺には仮のそういう冒険心は図り知る事は

出来ないから・・・。

そして、彼はその時の為に常備している大型のライトを持ち、洞窟の中へ

入っていく。

入り口から数メートルしか来ていないのに、何かを感じたらしい。

それは、無数の誰かから、じっと見られているような視線だった。

彼は何度もキョロキョロしながら、洞窟の中を更に進む。

相変わらず、小魚一匹居ない洞窟の中で彼は何かを見つけようとライトを

四方に向ける。

しかし、何も見つからない。

いや、見つからないというか、洞窟の中が何かおかしい。

それは次第に海の中というか感じではなく、何かの体内ではないか?と

感じ始める。

其処に大きな根拠は無かったのだが、何故かそんな風に思えたという。

入り口から既に20メートル位進んでしまった彼はそこでようやく

戻る決心をする。

このまま進んではいけない・・・。

本能がそう言っていた。

そして、立ち止まり、もう一度ライトを洞窟の奥深くまで照らした時、彼は

固まった。

見間違いではなかった。

そこには、海の中を浮かびながら上下に動きつつ、彼の方へ手招きする女の

姿が見えた。

薄い水色の布をまとったその女の顔は、笑っているとも怒っているともつかない

表情だったが、彼にはそれは決して見てはいけないものだと強く感じたという。

彼は反射的に体を反転して、入り口目指して泳ぎ出した。

スキューバをするうえで、慌てるという行為が命を危険に晒す事は彼自身、

よく分かっていたが、それを無視させるだけの恐怖がそこには在った。

彼は死に物狂いで泳いだ。

暗闇の中、背後から何かが追いかけて来ている様な気がした。

そして、捉まったら終わりだという確信すら在ったという。

彼はようやく入り口近くまで来ると一気にそのまま洞窟から出ようとした。

すると、その時、彼の足が何者かにつかまれた。

何かに引っ掛かったり、大型の魚に咥えられたりすれば、足を捉まれた

様な感覚になる事もあるが、その時は全く違っていた。

誰かの手の指が彼の足首にガッチリと食い込んでいるのが分かった。

彼はパニックになり、前身でバタバタともがくしかなかった。

しかし、つかまれた足はいっこうに解放してはもらえなかった。

いったい何が彼の足を掴んでいるのか・・・。

彼は、本当は目視で確かめたかったが、それは絶対にしてはならないと思った。

だから、手に持ったライトを彼の足元めがけて振りかざした。

その瞬間、彼の足を掴む手の力が一瞬、弱まり、その隙をついて彼は

脱出に成功する。

そのまま、自分を落ち着かせるようにしながら、彼は水面へと上がり、

そして、船の上へと戻った。

そして、そこで確認出来たのは、彼の足に付けられた3本しかない指の跡と

満タンだった筈の酸素ボンベがほとんど空になっていたという事実だった。

彼は今でもそういう洞窟を見つける事があるそうだが、最近では見かけたら、

すぐにスキューバを中止し、海から上がる事にしているという。


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:05│Comments(12)
この記事へのコメント
 こんばんは、野崎と申します。

 私は、海に潜りたくはないですね……。
 あそこは根の国の入り口、全ての命が還る場所であると同時に穢れが流れ着く場所。ですから、何があってもおかしくないと思います。

 まあ、それはともかくとして。

 海中で遭遇する怪女、と聞いてまず思い浮かんだのはマーメイドですね。でもそうじゃないようで。
 おそらくはともかつぎの類でしょうけれど、海の精霊ネレイドの可能性も。
 ともかく、少なくとも幽霊というわけではない、気がします。
 本来まだ生あるものが立ち入ってはいけない領域に不用意に踏み込んでしまったために引き込まれそうになったのかもしれません。

 では、ここらで失礼します。
Posted by 野崎昭彦 at 2017年12月26日 00:19
営業のKさん

この場をお借りして

はるた夏雲さん

いや、これからの時季は、はるた風花さんかな?

昔々、浦島は背負った酸素を口にして、竜宮城へ来てみれば、絵にも描けない恐ろしさ・・・ですよね。
なぜ玉手箱を持たされ現世に、なぜ急速老化なのか・・・不思議ですね。

TOさん

東京では今、放送してるんですか妖怪人間ベム・・・壺の中のボコボコと泡立つ液体の中から、ズルリズルリと這い出る何者か・・・その正体は、人間に成れなかった妖怪人間・・・そこからのオープニング曲への入り方は秀逸です。

善を施しながら完全型を目指す・・・日本的ですね。

それでは、失礼します。
Posted by 中西 at 2017年12月21日 21:05
自分の趣味が山歩きなので、山関連の怖くない話を何度も楽しませていただきましたが、もうひとつの趣味であるダイビングに因んだ話も更新してくださり有難うございます。

自分もいままで五百回ほど潜っていますが、何処と無く気味の悪い海域や霊的に危ないスポットなどは確かに存在します。

2009年に海外で潜ったとき、一緒のボートに乗っていた初心者の方が事故を起こして亡くなりましたが、後から聞いたところによると、いままでに何人ものダイバーが命を落としたダイビングスポットだったそうです。

もしかして一緒に潜っていたら、自分も連れていかれたかもしれません。

それでも来年は潜りに行きたいですね。今年はいちども行けなかったので。
Posted by きなこ餅 at 2017年12月21日 13:30
Kさん こんにちは。

クリスマスライブ楽しそうですね。

私も水は怖いです。小さい頃に家の側の用水に落ちました。
ボチャンという音と共に見えなくなった娘を母が引き上げてくれました。私は水の中から、母の顔を見ていました。

何事もなく助かったのは、余程悪運が強いのか、それともご先祖様が、馬鹿なやつだと思いながら手を差し伸べてくれたのかも。
生まれる前は、母体の羊水の中で泳いでるのにね。

それでは、お体お大事に無理をされませんように。
Posted by M at 2017年12月21日 12:38
おはようございます。

お疲れ様です。適度に大監督に癒されて下さい。そして、睡眠と栄養剤ですかね?

私は体調不良な時はRー1を飲んでます。

なんか効く気がします。

山の話も海の話も…。。。

指が3本って言うのは…なんでしょうね。

何かに指を食べられた?とか?

どっちにせよ、生きている者を引きずり陥れる物に変わったって事ですよね。
Posted by にじちゃん at 2017年12月21日 09:26
K様、皆様おはようございます。
クリスマスライブお疲れ様ですm(_ _)m

お話を読んでいて、
息苦しくなってしまいましたw
海の中の真っ暗な洞窟。。
そこで得体のしれないものに足を掴まれるなんて
想像しただけで恐ろしいです((;゚Д゚))
何者なんでしょうかね。。

それでは失礼致します。
Posted by まってぃん at 2017年12月21日 09:04
K様、こんばんわ。更新いつもお疲れ様&ありがとうございます。


その後体調は大丈夫でしょうか?
ライヴは愉しそうですが、無理はなさらないように。

今回のお話、海の底って怖いです。得体が知れなくて。海で溺れて、兄に助けて貰った事がありますが、今でも鮮明に覚えている位怖かったです。
人間は水が無いと生きて行けませんが、水の中では生きられない、厄介な生物だって、笑いながら兄が言ってました。

クリスマス、年末が迫って忙しくなりますが、体調崩さないように、お身体お大事になさって下さい。
Posted by ミニ子 at 2017年12月21日 00:24
Kさん、こんばんは。

年末の公私忙しい中、更新ありがとうございます。

海の中で見た女は何者でしょうか。
私は生きていた者の成れの果てと言うより、妖怪とかの類いではないかと思います。
自然の中には、生きている者が入ってはいけない領域が、あるのでしょうね。

中西さん
東京MXと言うローカルTVがありますが、今その妖怪人間ベムを見ていました。
懐かしいですね。

それではまた、次のお話を楽しみにしています。
Posted by TO at 2017年12月21日 00:13
浦島太郎のもっと怖い話みたいと思いながら読んでたら、中西様が竜宮城と書かれてて、リーダーもやっぱりそう思いました?とスマホに話しかけてしまいましたよ。

海の事故、足を捕まれたという話がありますけど、きっとそんな主の住処なんでしょうね!

たまに布団から肩が出ていて雪の上で寝てた夢を見ますが、今日は海で溺れる夢を見そう・・・BGMはK様の演奏か。
Posted by はるた夏雲 at 2017年12月20日 23:00
お仕事&ライブ&怖くない話のup、お疲れ様です。

私、海なし県に住んでるくせに、ダイビングのライセンス保持者です。完全なるリゾートダイバーですが…
お陰様で、まだこの様な体験はないです。でも、海の中はやっぱり何か神秘的と言うか…音のない不思議な空間なのは、間違いないですね…
次潜るのは何時になるかわからないけど、この話を思い出さないことを祈るばかりです(。>д<)

何かと気が急くこの季節なので、無理しないで下さいね‼️
Posted by KIN at 2017年12月20日 22:38
営業のKさん

今頃はトナカイの着ぐるみ姿、ビキニサンタの傍らでギターを演奏している・・・のでしょうね。
頑張って下さい!

幼い頃は、池や川で遊泳する事も
多くありましたが、海はやはり別格ですね。
沖では底が知れない・・・絶え間なく続く波・・・海で泳ぐのは怖かったですね・・・ましてや潜る。

まるで巨体ナマコの体内に潜入する感覚・・・その先には、三本指の人魚姫?まさか竜宮城じゃないですよね。
三本指といえば、妖怪人間ベム・・・オープニング曲は、ジャズ調で格好良い・・・関係ないですが。
その方の無事が何よりです。

それでは次回も怖くない話を楽しみにしておりますが、くれぐれもご自愛下さい。
Posted by 中西 at 2017年12月20日 21:37
こんばんは!連投ありがとです!よく山をあの世だといいますが、海もなんでしょうね!つまりこの世はあの世の中にあるということ!この世はあの世を人間が開拓して出来た地で、まだまだ知らない事がいっぱいあるのですね!はいチキンな私がしったかぶりました笑!もう少し人間が空飛べたり海もぐっても大丈夫なら人生100倍面白いんだけどな!
Posted by Aさんのファンクラブ12番 at 2017年12月20日 19:28
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