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2018年11月09日

停止したエレベータの中で

これは俺の友人が体験した話。



彼女はかほく市という所に住んでいる。



ある時、何か怖い体験って無いの?



と尋ねた事がある。



その時、急に顔色が変わり、“信じて貰えるのなら・・・・”という前提で



話してくれたのがこれから書く話である。



石川県という所は、1年間の雨天日数が全国一だそうだ。



ちなみに、1年間の雷の日数も・・・。



毎年1位なのかは定かではないが、とにかく雨が多く雷がよく鳴る地域



だという事は間違いないらしい。



そんな場所柄ゆえに、落雷による停電もかなり多かった。



多かったと書いたのは、確かに昔は頻繁に停電になっていた記憶があるが、



最近は停電を体験した記憶が無いから。



しかし、どこかの大学の研究チームが落雷の研究の為に、わざわざ石川県



までやって来るくらいだから、今でもそれなりに停電は起こっているのだろう。



そして、彼女が住んでいる地域も、それなりに頻繁に落雷による停電に



なるらしい。



それに加えて彼女が住んでいるマンションはかなり老朽化が進んでおり、



エレベータも古いままなのだそうだ。



ただでさえ、古くて何かが出そうなエレベータなのに、停電になっては



堪らない、と雷が鳴り出すと、いつも彼女はエレベータを利用しない様に



していたらしい。



しかし、その時は、本当に何の前触れも無くエレベータで下まで降りている途中に



彼女は停電に遭遇してしまった。



突然真っ暗になり、急停止したエレベータに、彼女は思わず大きな悲鳴をあげて



しまった。



真っ暗なエレベータの中で彼女は何が起こったのか分からず、それでいて恐怖



の為、じっとうずくまったまま目を閉じていたらしい。



全くの無音状態であり、視界も確保出来ない状態の中で、彼女は必死に、



落ち着け!落ち着け!と自分に言い聞かせた。



お世辞にも広いとはいえないエレベータの室内に彼女は一人ぼっちで乗っていた。



その恐怖は想像に難くない。



そんな状態でどれ位の時間が経過しただろうか・・・・。



すぐに誰かが助けに来てくれるはず・・・。



そんな彼女の思いとは裏腹に、どれだけ待っても何も起こらなかった。



もしかして、誰も私が閉じ込められている事に気付いていないのかも・・・。



そんな孤独感が急に大きくなる。



そして、彼女は決意した。



自分で何とか脱出しなければ・・・・。



彼女は恐る恐る立ち上がるとゆっくりと目を開けた。



あれだけ全く何も見えなかった視界が、目が暗闇に慣れたのか、僅かではあるが



前方のドアが見えた。



彼女はそのドアに近づき、思い切ってドアを力いっぱい叩いてみた。



ドンドン・・・ドンドン・・・・・



鈍く重たい音がエレベータ内に響き渡る。



しかし、何の反応も無かった。



彼女はそれでも諦めず、何度もドアを叩いた。



そして、何度目かドアを叩いていると突然、



コンコン・・・・コンコン・・・・



という音が聞こえてきた。



誰かいるんだ!



彼女は思い切って叫んだ。



誰ですか?私閉じ込められてます・・・・助けてください!



しかし、ドアの向こうから声は返っては来ず、その代わりに



コンコン・・・・コンコン・・・・



と何度も返ってきた。



どうして?誰か居るんじゃないの?



その時、彼女はある事に気付いた。



エレベータのドアは内側と外側の二重構造のドアになっている。



しかし、今聞こえてきている、コンコンという音は、どう考えてもドア一枚



隔てたとても近い場所から聞こえてきている。



そんな場所に、降り口でもない場所に人がいられるのだろうか?と。



そう考えると、急に恐ろしくなった。



孤独感が恐怖に拍車を掛ける。



すると、突然、ドアが



ドンドン・・・ドンドン・・・・と大きく叩かれた。



それは、まさしく薄いドア一枚隔てた場所から聞こえてくる音だった。



彼女は思わず後ずさるようにドアから離れた。



どうしよう・・・・どうすれば・・・・。



すると、前方に電話器型のインターフォンが備え付けられている事に気付く。



彼女は飛び付くようにして受話器を取り耳に当てた。



すると、何処かに掛かっているのか、ずっと呼び出し音が流れている。



お願い・・・誰か取って・・・・。



すると、彼女の願いが通じたのか、突然受話器を取った音がした。



エレベータの会社に繋がるのか、それともマンションの管理会社に繋がるのかは



分からなかったが、とにかくこれで助かった、と思ったらしい。



しかし、受話器の向こうから聞こえてきたのは、



もうすぐいきますから・・・・。



という低い女の声だった。



彼女は思わず受話器を壁にぶつけるように放り出し、ゆっくりと後ずさる。



ゆっくりと一歩一歩・・・・。



すると、何かに背中がぶつかった。



それは硬い感触ではなく、まるで人間のように柔らかい感触だった。



彼女はビクッとなって思わずヒッと声を出した。



このエレベータには自分しか乗っていなかったはず・・・・。



だとしたら、今ぶっかったのは?



彼女は全身から力が抜け、ヘナヘナとその場にへたり込んだ。



すると、後方から



もうついたよ・・・・。



という声が聞こえ、何か冷たいものが彼女の肩に乗せられた。



それは紛れもなく人間の手だった。



そして、その手はまるで氷のように冷たかった。



ざらざらとした感触の手は、しっかりと彼女の両肩に乗せられ、ると同時に



長い髪が彼女の顔の上に落ちてきた。



ねえ・・・・ねぇ・・・・ねぇ・・・・ねぇ・・・・



後ろからは低い女の声が聞こえてくる。



その声は、紛れもなく、先程のインターフォン越しに聞いた声だった。



エレベータの中はとても冷たくじっとりとした湿気に満たされていた。



それでも彼女は汗が止まらなかった。



それが冷や汗というものである事は、自分が一番分かっていた。



彼女は自分の背後にいるモノを想像してパニックになった。



だから、必死で目をつぶり、恐怖を落ち着かせようとした。



しかし、目は閉じられないどころか、先程より更にしっかりと視界が確保



出来る様になっていた。



見ちゃ駄目だ・・・絶対・・・。



そんな気持ちでいっぱいになつていたが、どうしても目を閉じる事が出来ない。



すると、突然、彼女の目の前に女の顔が逆さまになって現れた。



目は真っ白であり、痩せこけた頬が異様に気持ち悪かった。



そして、その逆さまの顔は、大きな口を少しだけ開けて



ニタリ、と笑った。



それは5センチと離れていない距離であり、まるで死臭のような甘い匂いに



彼女の意識は一気に飛んでしまった。



それから、どれだの時間が経過しただろうか・・・。



彼女は突然動き出したエレベータの振動と、そして何処かの階に到着した音で



目が覚めた。



ぼんやりと目を開けた彼女は、そのまま前方を見た。



どうやら、エレベータの電源は回復し、どこかの階へ着いたが、ドアが開かない



状態である事はすぐに分かった。



ドアの外がやけに騒がしく、きっと警察か消防が助けに来ている事は容易に



想像出来た。



鈍い勤続音がして、ドアがゆっくりとこじ開けられていく。



彼女は、それをぼんやりとした表情で、そのまま見つめていた。



もうすぐですよ・・・・頑張ってくださいね・・・・。



そんな言葉が聞こえてくる。



しかし、何故かその時の彼女は、まるで長い冬眠から覚めたばかりの動物



のように、全く動く事が出来なかった。



そして、思考回路も停止しているのか、



誰か助けに来てるんだ・・・・誰なんだろう・・・。



とまるで他人事のように、ぼんやりとしか感じなかった。



そして、いよいよ、大きな鉄の棒がエレベータの中まで差し込まれて、大勢の



声とともに、一気にドアが開かれた。



開いたドアの向こうに立っていたのは、消防のレスキュー隊だった。



しかし、皆、恐怖に震えているような顔をしながら、誰も中に入っては来なかった。



それを彼女は、不思議な事にクスッと笑いながら見ていたという。



そして、急に身体が軽くなると同時に、彼女の体はエレベータの床に沈みこんだ。



それを見て、一斉にレスキュー隊員がエレベータの中になだれ込んだ。



それからの事は彼女はよく覚えていないのだという。



気がつくと、病院のベッドに寝かせられていて、何故か家族すら面会謝絶に



なっていた。



そればかりか、医師はおろか看護師さえも、誰一人として彼女の病室には



入ってこなかった。



しかし、翌日には、特の高そうなお坊さんが数人やって来て、一日中、お経を



唱えられた。



それはとても耳障りに感じ、彼女は身をよじるようにして抵抗した。



そんな日が数日の間、続き、彼女がそのお経を心地よいと感じる様になった頃、



突然、彼女は退院できた。



家族が外で待っており、彼女の顔を見て、安堵の顔で泣いたという。



それから、以後、彼女の身には何も変わった事は起きていないが、あの時、



エレベータのドアが開いたとき、一体何が見えたのか、



現在まで誰も教えてはくれないのだそうだ。



ただ、彼女の両肩には今でもはっきりと誰かの手の跡が黒く残されている。



それが何を意味しているのかは分からないのだが・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:39│Comments(10)
この記事へのコメント
りせっしゅ様。1個下のトコにも。
Posted by はる at 2018年11月10日 18:11
突然、通知メールが来てビックリ。
あれ?
こちらでも書いてる??

みなさん、こちらで交流されてたんですね。
Posted by りせっち at 2018年11月10日 01:30
Kさんでよかったです。
知らない誰かが。。PC が意思を。。ではないのですね。
よかった、よかった!
Posted by はる at 2018年11月10日 00:56
通知メールが届いちゃうんですね。
お騒がせしてすみません。
会社のブログしか読めたいという方がいらっしやいまして、そういう方達の為に、1年に1度、まとめて転載しようと思いました。
本当にごめんなさい!
Posted by 営業のK at 2018年11月10日 00:40
先程から通知メールがどんどん届きまして、
どうされたのかと身の程知らずにお伺いしました。
Posted by とも at 2018年11月10日 00:33
何が起こってるの?!
Posted by Kedama at 2018年11月10日 00:05
怖いよー怖いよー(TT)
エッスー様がいてくれてよかった.....
Posted by はる at 2018年11月09日 23:18
('Д') あれ?コメントが許可なく入ってる!
Posted by 埼玉のS at 2018年11月09日 22:15
|д゚) なんでしょう?

ブログをイジってるのでしょうか・・・?
Posted by 埼玉のS at 2018年11月09日 22:14
あれ?⁉️ 誤字脱字がない。。。
もしや Tさん?
細田塗料会社社長様ですか?
前に アップされていたお話だと思うのですが、
行間が 怖さ増しているように感じます(^^;
Posted by はる at 2018年11月09日 21:51
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