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2018年11月09日

続・最強の悪霊というモノ

以前、最強の悪霊、というモノの話を書いた事がある。



実はその話には続きがある。



まだ終わってはいない。



あの時、Aさんの姉を苦しめ、そしてAさん自身も翻弄され、親族だけでなく、



他の霊能者をも巻き添えにした、とてつもない悪霊。



念じるだけで人を呪い殺せるほどの危険で最強の悪霊。



あの時、結局、Aさん達は、その悪霊から姿を隠す事で何とか難を逃れた。



しかし、それはあくまで逃げただけであり、何の解決にもなっていない。



何より、その悪霊自体は、無傷のまま相変わらずこの世を彷徨っていたのだろう。



念じただけで人を呪い殺せる程の力を持ったまま・・・。



新しい犠牲者を求めながら・・・。



実は、あの事があってから、Aさん達家族は急速に霊力を失ったらしい。



それは、その悪霊から目立たなくなる為の防衛本能が働いたのかもしれない。



しかし、Aさんだけは違っていた。



あの性格ゆえ、恐れながら生きるなどという事は絶対に受け入れられなかった。



そんな感じだから、生来の高い霊能力に加え、家族たちが持っていた能力も



全てAさんに集まる形で、彼女の能力は桁外れのものになっていく。



そして、Aさんの心の中にはいつもこんな気持ちがあった。



いつか、あの悪霊を滅ぼして、家族が、そしてそれまでに関わってきた



全ての人達が安心して暮らせる世界にしなければ、と。



だから、東北で修行をし、日々、鍛錬を怠らなかった。



しかし、1つだけ決めていた事があった。



それは、決して誰にも頼らずに一人だけで解決する、という事。



確かに、現在は姫という規格外の霊能者と共に行動する事が多い。



しかし、過去の体験から、その相手が、それこそ計り知れないほどの邪悪な



力を長い年月の間に蓄えている事は分かっていた。



そして、その力は以前のAさんの姉の一件以来、まだまだ強くなっているのは



容易に想像出来た。



だからこそ、もしも負けて死ぬのだとしたら自分だけで良いと思ったのだろう。



ただ、やはりAさんの心の奥底にはいまだにあの時の恐怖が残っているらしく



なかなか決行には移せなかった。



しかし、ある日、それは突然に、Aさんから逃げ場を奪ってしまう。



ある夜、寝ている時、嫌な夢を見たのだという。



それは、紛れもなくあの悪霊であり、Aさんの霊力を辿って姉の居場所も突き止められる。



そして、これからじっくりと呪い殺しやる、と高笑いしながらゆっくりと



消えていった。



その時、悪夢から醒めたAさんは、体中に体験した事の無い程の冷や汗をかいて



いた。



悪夢の中で、高笑いするその悪霊は、まるでAさんなど相手にしていない



という感じであり、実際、その時、夢の中で対峙した感覚から、



私ではコイツには勝てない・・・。



と確信したのだという。



そんな絶望の中でAさんは夢から覚めた。



そして、すぐに家族の元に駆けつけたという。



すると、もう既に呪いが始まっているのか、姉も母親も何か疲れきった顔を



していた。



そして、Aさんから夢の話を聞くと、姉も母親も口を揃えて同じ事を言った。



それは、



私達はもう良いから・・・・。



あなただけでも早く身を隠しなさい。



それくらいの力はあなたならもう十分備わっている筈だから・・・。



そんな言葉だった。



しかし、その言葉を聞いたとき、Aさんは吹っ切れたらしい。



もうくよくよして迷っている場合ではない、と。



そして、俺に連絡をよこした。



珍しく、丁寧な言葉で話す電話口のAさん。



俺は、



何があったの?



と少し不安気に聞いた。



すると、お願いがあります・・・・という。



あまりにもそれが切羽詰った感じに聞こえた俺は、



理由を全て話してくれるなら・・・と答えた。



すると、Aさんは、絶対に他言無用だと前置きして、これまでの経緯を



話してくれた。



その上で、



実は、お願いって言うのも他でもないんですが・・・。



まあ、私がKさんに頼むなんて、これくらいのことしかないともう察してる



かもしれませんが・・・・。



Kさんも知っている通り、私には守護霊がいません。



それは、霊と対峙するうえで、長所にもなると短所にもなってしまいます。



そして、今回の相手は、Kさんも知っている、あの因縁のある、



最強の悪霊です。



たぶん、守護霊無しでは私は全く歯が立たないと思うんです。



だから・・・その・・・・守護霊を貸してもらえませんか?



そう言われて俺は、



そんなに簡単に守護霊の貸し借りなんて出来るの?



と聞くと、



まあ、私が借りるだけですから・・・。



それにKさんには宝のもちぐさ・・・・。



そこまで聞いて、俺は、



はいはい。どうぞ、お好きに。



どうせ、俺には守護霊がついてるかどうかもわからないんだから・・・。



すると、Aさんは、



その通りですね。それじゃ、遠慮なく・・・。



と何やら俺の肩越しに向かって話し始める。



そして、しばらくすると、俺の肩が突然少し軽くなった。



もしかして、今の状態が守護霊がいないってことなの?



と聞くと、Aさんは申し訳なさそうに頷いた。



そして、俺はAサンの方に向き直ると、



で、これで勝てそうなの?と聞く。



すると、



分かりませんね。でも、Kさんの持ち腐れしている守護霊のお陰で、防御は



それなりに高まっている筈です。



あとは、私がどれだけ相手に攻撃できるか、いや、私の力が通じるか、ですかね。



こればっかりはやってみないと・・・。



しかし、そう話すAさんの顔はいつもとは違い明らかに怯えている。



本当に大丈夫なの?



やっぱり俺から姫達に話して力を貸してもらったら?



そう言うと、Aさんは急に怖い顔になって、



もしも、そんな事をしたら、Kさんの事、ただじゃおきませんからね。



そう言われてしまう。



そして、それからしばらくの間、Aさんからの連絡は無くなった。



さすがに心配になった俺はAさんのマンションに向かった。



インターフォンを押す。



しかし、何の反応も無かった。



だが、もしもこのマンションにいないのだとしたら、もう手掛かりが消えてしまう。



だから、俺は執拗にインターフォンを押し続けた。



すると、何十回目かのインターフォンでガチャリと部屋のドアが開いた。



すると、そこにはまさに満身創痍といった様子のAさんが立っていた。



驚いた俺は、



どうしたの?大丈夫なの?



と声を掛けた。



すると、



あ~本当に煩い人ですね。傷に響くじゃないですか?



せっかく傷を癒してたのに・・・・。



と傷だらけでも言葉遣いは相変わらず汚い。



そして、俺が部屋に入ろうとすると、



あ・・・だめですよ。



ここはもうあいつにバレちゃってますから・・・。



何度かやりあったんですけどね。



でも、私、以前の件で一度あいつに憑依されかかってるんですよね。



忘れてました。



1度、憑依されてると、当然憑依されやすくなるので・・・。



だから、攻撃するというよりも、憑依されないように護るだけで



精一杯で・・・・。



だけど、もう限界かもしれないです。



だから、今度あいつがやってきたら、その時は道連れでも何でも良いから



あいつを現世から連れ出さないと・・・・。



そう言って力なく笑った。



あっ、そうでした。



だいぶ無理させちゃったんですけど、Kさんの守護霊もそろそろお返ししないと・・・。



そう言うので、



そんな状態を見せられて、じゃあ、返してくれ、なんて言える訳ないでしょ?



と返すと、



ありがとうございます。本当に助かりますよ。



でも、そうとなれば、早く此処から立ち去ってください。



あいつは、またいつ襲ってくるか分からないですからね。



そう言われ、ドアを閉められた。



ドアを閉める際に、



いいですか。



ここから出たらすぐに姫の所に向かってください。



私の部屋を訪れたKさんを、あいつはきっと許さないだろうから・・・・。



だから、姫の所に・・・。



あの子の側には、さすがのアイツも、おいそれとは近づけませんから・・・。



でも、私の事は絶対に喋っちゃ駄目ですからね!



そう言われた。



俺は車に戻り、道路に出るとき、得体の知れない不気味な姿の女を見た。



それは、以前、Aさんから見せてもらったことのある悪霊の姿、



そのものだった。



俺は姫に電話をして、姫の自宅近くの喫茶店で会う事にした。



喫茶店に到着し、店のドアを開けると、いつもの様に姫がニコニコと笑いながら



迎えてくれた。



そして、それと同時にAさんの部屋を出てからずっと感じていた背中を押し潰す



様な圧迫感が一瞬で消えた。



これが、姫の力なのか・・・。



そんな事を考えながら席に着くと、姫が真面目な顔で聞いてくる。



最近、Aさんの波長が感じ取れなくなってるんですけど、私嫌われちゃったんで



しょうかね?



とても心配そうに真顔で聞いてくる姫に俺は思わず笑ってしまう。



どうして笑うんですか~?



と言う姫に、俺は覚悟を決めてAさんの話をした。



口止めされてはいたが、もう限界だった。



Aさんでも敵わないほどの悪霊だとしたら、俺にはもう姫しか頼れる



相手はいなかったのだから。



俺の話を聞いているうちに、いつもの笑顔が消えた。



そうですか。その悪霊とそんな因縁があったんですか・・・。



でも、Aさんが敵わないほどの悪霊って・・・・。



姫は少し俯きながら何か思案している。



どうする?



止めておく?



Aさんが敵わないほどの悪霊なんだから、逃げる方が賢いかもしれないんだから。



それに姫ちゃんに喋ったって分かったら、おれもただでは済まないだろうし・・・。



そう、俺が言うと、姫はゆっくりと顔を上げながら、



逃げるなんてありえませんよ・・・・。



だって、Aさんは私の師匠なんですから・・・。



師匠の敵は、弟子の敵です。



そう言って、目の前のミルクティーを一気に飲み干した。



じゃ、今から連れて行って貰えますか?



俺は、



え?これからすぐ?心の準備が・・・。



それに、姫ちゃんに話したって分かったら、怒られるだけじゃ済まないし・・・。



そう言うと、



あの・・・Kさん。



そんな事言ってる場合ではないと思うんですよね?



それに、様は、Aさんを助けに行くのでなければ問題無いんですよね?



そう言われ、俺は無言で頷いた。



俺は車に姫を乗せて、Aさんのマンションへと向かった。



すると、まるでAさんのマンションの周りだけが外界から遮断されているかのように



真っ暗になっている。



来てますね。そいつ。



姫が呟く。



そして、姫かこう続けた。



今日の私、実は凄く怒ってます。



Aさんに何をしてくれるんだと!



だから、もしも私がやり過ぎになりそうな時はKさんが止めてくださいね。



そう言われ、姫の顔を見ると、そこにはもう柔和な姫の顔は無かった。



正直、怖いとさえ感じる程の顔つきになっており、ああ、これが善と悪の



神が宿っているということなのか・・・・。



と姫が味方で良かったとつくづく感じてしまう。



車から降りる時、姫に、



Kさんは車で待っていてください!



と言われたが、その方が危険だと思い、俺は姫に付いて行った。



姫が歩いていく周りだけが明るく照らされていく。



暖かさと寒さ、安心と不安が入り混じった様な不思議な空間になっていた。



俺は急いでAさんの部屋のドアを開けた。



すると、ドアの中はまるで、何処までも続く様な広い空間が広がっている。



闇に包まれた空間の中で、Aさんが防戦一方になっている姿が見えた。



その姿を見た途端、姫が



ニコニコと笑いながら部屋の中へと入っていく。



姫の姿を見つけた悪霊は、さずかに姫の力が判るのか、動きが止まってしまう。



そして、Aさんの悲痛な叫び声が聞こえる。



あれだけ言っては駄目だと念を押したのに・・・・。



何で、姫を此処に連れてくるんですか?



しかし、その言葉に、姫はニッコリ笑って、



あっ、Aさん・・・こんにちは~。



ご無沙汰しております。



私はただの通りすがりなので気にしないでくださいね(笑)



それに、Kさんの守護霊ちゃんとは友達なので・・・。



やっぱり友達のピンチには助けに来ないと(笑)



と明るい声で答える。



そして、悪霊の方へ向き直ると、



あなたですか?



Aさんに付きまとってるおばさんって・・・・。



あなた相手に、わざわざAさんが出て行く必要も無いので・・・。



弟子の私がお相手致します・・・。



雑魚は私が担当ですから我慢してくださいね・・・。



それと、今日の私は、とても怒ってますから・・・。



手加減は出来ないと思います。



それでは、何処からでもかかって来て下さい!



そう言って、悪霊を睨みつける。



悪霊は、それを聞いて、更に不気味な姿になり、大きな叫び声をあげる。



広い空間全体が地響きのようにユラユラと揺れ、強い耳鳴りが襲ってくる。



正直、こんな奴に勝てるものなのかと少しだけ不安がよぎる。



しかし、姫の力はそんなものではなかった。



すみません。私って暗いところが嫌いなので・・・・。



そう言って、両手を広げると、その広い空間が一瞬で明るい光に覆われていく。



だいたい、こんな暗いところにずっといるから、ろくでもないことばかり



考えちゃうんですよ!



そして、目をつぶったまま、大きく深呼吸する。



その瞬間、また何かが変わったようだ。



明らかに、悪霊が姫の姿に恐れおののいている。



すると、突然、姫が、



Kさん、私やりすぎてませんよね?



最後は、やはりAさんに始末して頂いた方が良いんでしょうか?



でも、私、Aさんを苦しめたこいつが、やっぱり許せないんですよね。



だから、こいつ、消しても良いですか?



もう二度と再生出来ない場所に・・・。



突然、そう聞かれ、俺は、呆気にとられていたが、すぐに我に帰り、



勿論、何処にでもどうぞ!



と言った。



すると、姫はニコっと笑ったかと思うと、



それじゃ、さよなら・・・・。



そう言って、広げた手を閉じていく。



すると、もの凄い轟音とともに、大きな光が雪崩のように近づいて来る。



そして、その悪霊は固まったまま、その光に飲み込まれ、そして消えていった。



光が闇を全て飲み込むと、Aさんの部屋はいつもの部屋に戻っていた。



一部始終を見ていた俺は完全に呆気にとられてしまった。



あれだけAさん達家族を苦しめた最強の悪霊といわれるモノがまるで



子ども扱いのまま、消滅させられてしまった。



姫の力は一体どこまで強くなるのか・・・。



恐怖と期待が入り混じった不思議な気持ちだった。



すると、Aさんが、おもむろに



姫ちゃん、ちょっとやり過ぎ!



と冷たい声で言った。



すると、姫はAさんに駆け寄って、



やっぱりやりすぎましたかね?



ごめんなさい。



今度からはちゃんと気をつけますから・・・・。



とオロオロと不安げにAさんの顔を覗き込む。



すると、Aさんは、



うそうそ・・・問題ないよ。ありがとね。



それに、やれって言ったのはKさんだから・・・。



そんな憎まれ口を聞くAさんの顔は、まるで長年の悩みが晴れたかのように、



とても爽やかな顔になっていた。



それから、Aさんはしばらくの間、入院する事になった。



そして、退院後は、俺に難癖をつけてきて、食事と大量のスイーツを



奢らされてしまった。



ある意味、悪霊よりもタチが悪いのでは、と感じてしまった。



そして、Aさんと姫のやり取りを見ていると、まるで仲の良い姉妹のようであり、



姫の力が暴走する事は絶対に無い、と確信した。



Posted by 細田塗料株式会社 at 21:44│Comments(0)
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