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2018年11月09日

夜中に聞こえる・・・・。

友人は滋賀県に住んでいる。



大学時代の友人である彼とはいまだに交流がある。



お互いに仕事やプライベートで近くに寄った時には、連絡を取り、何処かで



会って話に花を咲かせる。



そんな彼が話してくれたのがこの話だ。



彼は長男ということもあり、実家で両親と共に生活している。



しかもかなりの資産家の家らしく、まさに豪邸と言えるほどの家屋である。



俺も1度伺わせて貰った事があるが、その大きさには驚いてしまった。



彼曰く、ただ古いだけの家だから・・・・。



という事だが、俺なんかが住んだとしたら、きっと家の中で迷子になって



しまうだろう。



そんな彼の家は数年前に改築をしたらしい。



広い敷地の中に何棟もに分かれて建っていた事もあり、改築の際には、



その棟を順番に移動しながら、生活していたらしい。



どうやら、かなり昔は、親戚もその敷地内に住んでいた事もあったらしく、



生活に必要な間取りはどの棟にも揃っていたというから驚きだ。



しかし、そうやって改築が進んでいくと、ある時問題が発生した。



それは、工期の関係で改築を急ぎ過ぎた為、生活する棟というのが



無くなってしまったのだ。



いや、実際には、1つだけ棟が残されていたが、その棟はどうやら曰くつき



であるらしく、彼の両親や祖父・祖母は皆、その棟に仮住まいするのを



拒んだ。



だから、しばらくの間は、知り合いが経営するビジネスホテルに滞在する



事になったらしい。



しかし、過去の曰くなど全く知らない彼とその妻は、そのまま、たった一つだけ



残っていた棟で生活する事にした。



家族は皆、真顔で止めたのだが、それだけ止められると尚更引っ込みがつかなくなり、



彼とその妻は、そのままその棟に住む事になった。



引越しの際には、建築業者も手伝ってくれて、案外簡単に引越しは終わった。



あれだけ家族が忌み嫌っていた建物も住んでみると、とても快適だった。



ずっと使われていなかったので、多少かび臭い匂いは残っていたが、それでも



生活に支障が出るほどではない。



それよりも、普通の会社員である彼にとっては、ホテル生活でお金が掛かる事の



方がよっぽど恐ろしかったらしい。



かくして、その棟での生活が始まった。



昼間は工事業者も沢山いるので、寂しいどころか逆に煩い位だったが、それでも



夜になると、広い敷地に2人だけの生活は、静か過ぎる事もあり、



少し心細かった。



実際、家族は用事があっても電話を掛けてくるだけで、決してその棟に



やって来る事は無かった。



何をそんなに怖がってるんだ?



彼はそれが不思議で仕方なかった。



確かに古い建物は、どこかタイムスリップしたかのような雰囲気はあったが



ある意味、懐かしさを感じられる風情もあり、逆にこれ程の貴重な家屋が



今まで誰にも使われていなかった事が勿体無いとさえ思えた。



彼と妻は、そんな感じで一週間ほどは平和な時を過ごした。



しかし、ちょうど一週間が過ぎた頃、怪異は突然起こった。



彼が寝ていると、何かの物音で目が覚めた。



まるで何かを引き摺って廊下を歩いている様な音だった。



妻がトイレにでも行っているのか?・・・・・。



そう思った彼は、顔を横に向けた。



すると、そこには不安そうな顔で彼を見つめる妻の顔があった。



起きてたの?



そう聞いた彼に、妻は、



うん。それよりも、あの音は何?



この家には私達しか住んでいない筈なのに・・・。



もしかして、お父さんたちが来たのかな?



そう言われたが、時計を見ると既に午前2時を回っていた。



そんな時間に訪ねて来るような家族ではなかったし、何より、この家の鍵は今は



彼と妻しか持っていなかった。



だから、彼は、首を小さく振った。



どうする?



確かめてみる?



そう言われたが、何かが頭の中で、“止めろ”と叫んでいた。



すると、突然、廊下を歩いている音が近づいて来るのか分かった。



彼は、妻に、絶対に何があっても寝たフリをするように言ってから、自分も



布団を頭から被った。



それと同時に、彼らが寝ている部屋の襖がズズッズーと平音が聞こえた。



彼は恐怖で固まりながらも、妻がうまく寝てフリを続けられるのか、と



心配していた。



彼は目を閉じたまま布団に包まり、耳に全神経を集中する。



すると、その足音は、何か重たい物を引きずりながら、部屋の中、彼らが寝ている



周りを回り続けているのが分かった。



そして、突然、その音が止まった。



彼は更に耳に神経を集中させる。



すると、布団を頭から被り寝ている彼のすぐ近くから苦しそうな息遣いが



聞こえてくる。



彼は、その時、呼吸を止めなければ、と思ったという。



こちらが生きている事が分かってしまったら・・・・。



そう思い、必死に息を止めて必死に堪えた。



すると、しばらくすると、また足音が部屋の中をズルズルと歩き回る音がして、



再び静かになった。



それは、きっと今度は妻の近くで、呼吸音を聞きだそうとしている事は容易に



想像出来た。



何とか、持ち堪えてくれ・・・。



彼は必死にそう願った。



すると、また、すぐにズルッズルッと部屋の中を歩き回る音がして、それが



部屋から出て行った音が聞こえた。



しかし、彼は、布団からは出られなかった。



布団の中でずっと震えて過ごし、そのまま朝になってしまう。



そして、突然、妻の声が聞こえ、彼もゆっくりと布団から出た。



妻の無事な姿を見て彼はホッとした。



外からは朝陽が差し込んで、とても爽やかな朝であり、まるで昨晩の事が



夢だったかのように感じてしまう。



しかし、彼と妻は、そのまますぐに着替え、会社に出勤した。



もう、その家には長居したくはなかったのだ。



そして、昼間の間に、知り合いである消防団に入っている友人に昨夜の事を



話し、何とか力になってもらえないか、と頼んでみた。



すると、友人はすぐに了解し、その晩は仲間の消防団員2人と共に、彼の家に



泊まってくれる事になった。



彼は、豪華な料理と酒を用意して、友人達にふるまった。



そして、友人達には、彼らの隣の部屋で寝てもらう事にした。



翌日は仕事も休みだったので、彼と妻もしばらくは、一緒酒を飲んでいたが、



午後12時近くになると、妻が眠たくなったらしく、彼と妻は寝室に入る。



妻は酒のせいか、すぐに寝息を立てだしたが、彼はなかなか寝付けなかった。



それでも、隣の部屋から聞こえてくる友人達の笑い声や話し声を聞いていると



少し心強く感じられた。



そして、彼も少しウトウトし始めた頃、突然、ドンッという音で彼は起こされる。



時刻はちょうど午前2時になっていた。



恐怖で固まる彼に対し、隣の部屋からは、



大丈夫!ちゃんと起きてるから・・・安心しろ!



と力強い声が聞こえてきた。



そして、隣の部屋から何やら音が聞こえてくる。



それは、彼ら3人が立ち上がり、持参してきた木刀や竹刀を手に持った音



だとすぐに分かった。



そして、昨晩と同じく、ズルッズルッと何かを引きずりながら廊下を歩く



音が聞こえてくる。



そして、それと同時に、隣の部屋の襖が開き、彼ら3人が廊下へと飛び出す



音が聞こえてくる。



そして、間髪を入れず、



おい!誰だ!そこで何をしている!



と言う大きな声が聞こえてきた。



彼は、布団の中で、その声をとても頼もしく聞いていた。



しかし、次の瞬間、廊下からは、



うわぁ~、なんだよ。これ・・・・・。



やめろ・・・来るな・・・・来るなって・・・・。



そして、



うわぁ~・・・



という悲鳴にも似た声を最後に、彼らの声は全く聞こえなくなった。



そして、それから、何かを引き摺る音がしばらくの間、続いた。



彼はその音を、



きっと、何かに彼らが引き摺られているに違いない・・・。



そう思って恐怖した。



すると、その物音で目が覚めてしまったらしい妻が蒼ざめた顔で彼の布団の中に



入ってきた。



私・・・・もう限界・・・・耐えられない・・・怖すぎる・・・。



そう言って、泣き顔になる。



しかし、彼は妻の口を塞ぎ、



静かにしてくれ!お願いだから・・・。



あとはお前は目を閉じてれば良いから・・・・。



何があってもお前だけは守ってみせるから・・・・・。



そう今に優しく言った。



すると、すぐに今度は、彼らが寝ている部屋の襖が開けられる音がした。



彼と妻は身体を硬直させて息を止める。



すると、またしても、何かを引き摺る様な音が聞こえてくる。



そして、その音は昨夜と同じ様に彼らの布団の周りをズルズルと音を立てて



回っていた。



彼と妻は恐怖でお互いの身体をしっかりと抱きしめていた。



すると、突然、声が聞こえた。



もう大丈夫だぞ!



それは、紛れもなく、消防団員の友人の声だった。



彼と妻は身体から一気に力が抜けていった。



そして、



馬鹿やろう・・・脅かすなよ・・・・。



そう言って布団から身体を起こした。



ヒッ・・・・。



思わず声が出た。



そこには、目が潰された様にふさがった大きく背中の丸い大男が彼らの顔を



覗き込む様にして笑っていた。



彼と妻は、そのまま意識を失ったそうだ。



そして、それから朝の日差しで目が覚めた。



彼と妻は、布団を引き剥がされるような状態で、その部屋に寝ていた。



急いで妻を起こすと、どうやら妻は無事な様だった。



お互いの無事を喜びあった後で、すぐに彼らの安否が気になった。



そして、恐る恐る家の中を探すと、彼ら3人は使われていない大きな木製の風呂



の中に重なるようにして寝かされていた。



慌てて揺り起こすと、どうやら無事なようだったが、昨晩の事は全く覚えて



いなかった。



結局、その日を境にして、彼ら夫婦も、ホテル生活をする事になった。



改築の建築業者には、件の建物をすぐに取り壊してしてくれるように頼んだ。



その日以来、彼ら夫婦の身に怪異は起こっていないらしいが、両親や祖父に



その建物には、どういう曰くがあったのかを何度聞いてもいまだに教えてくれない



のだという。



ちなみに、解体した建物の下からは、小動物なのか、人間なのか、よく分からない



骨が多数出てきたという事だ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:47│Comments(0)
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