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2018年11月09日

子供達を怖がらせるモノ

ある日、俺は友人からの電話に出た。



どうやら、息子さんが通う通学路に霊が出て子供達が怖がっている



ということだった。



しかも、老人の幽霊ということで、とても恐ろしく泣いて逃げ帰ってくる



子供達が続出しているらしい。



しかも、そんなに恐ろしい姿で現れるなんて・・・。



確か、彼の息子さんはまだ小学校に入学してから2年ほどしか経っていない。



それにしても、子供を怖がらせる霊というのも変わった話だ。



それにしても、なんだって俺の所に電話してくるんだよ?



そう言う俺に友人は、



だって、お前は昔からこういう事には詳しかったから・・・。



そう言われ、



あのな・・・俺は心霊専門の便利屋さんじゃないんだけどな・・・。



そう一言嫌味を言って電話を切った。



しかし、俺1人で何かが出来る訳ではない。



俺は当然のように、Aさんに連絡を入れる。



すると、相変わらず面倒くさそうに電話に出たAさんは、一通り話を聞いた



後で、



あのですね。私は別にKさん専属のの便利屋さんじゃないんですけどね?



そう嫌味を言われてしまった。



それでも文句を言いながらも協力してくれるのがAさんの唯一の長所だ。



翌日、何とか時間を調整して貰い、ちょうど小学生の下校時の合わせる様に



指定された現地に向かった。



すると、現地にはいたるところに、『子ども見守り隊』というネームの入った



ジャンパーを着た老人達が沢山道路に出ていた。



どの老人達も、どうやら子どもと触れ合えるのが楽しくてしょうがないのだろう。



とても元気な様子で子供たちに明るく声を掛けている。



これじゃ、どれが幽霊なのか、分からないよね?



それに、こんなに明るい時間から幽霊なんて出ないよね?



やはり、何かの間違いなのかもしれないね・・・・。



そういう俺に、



いや、そうでもないみたいですよ・・・。



と言って、Aさんはある方向へと歩き出した。



そして、その前方には、どうやら子ども達が立ち尽くしているのが目に入った。



そして、近くまで行ってみると、どうやら1人お爺さんが3人の子供たちに



大きな声で叱りつけているのが分かった。



昔ながらの頑固ジジイといった風貌のお爺さんが身振り手振りをしながら



子ども達に説教をしている。



俺は、なんとなく懐かしくなってしまい、



昔は皆、近所のお爺さんにあんな感じで怒られてたんだよなぁ・・・・。



と口にした。



すると、Aさんが、



まあ、少なくとも優等生ではなかったでしょうからね(笑)



子どもの頃から・・・・。



そう言われてしまう。



相変わらずの口の悪さに俺は、



そんな事より、子ども達を怖がらせている霊って奴を早く見つけないと!



と言うと、



本当に、節穴のような目ですよね。



いったいどこを見てるんですかね?



目の前に居るじゃないですか?



その子ども達を怖がらせているという恐ろしい霊が!



そう言われて、俺は前方を見る。



あの・・・もしかして、あのお爺さんがそうなの?



すると、Aさんは、



ええ・・そうみたいですね。



でも、怖がらせるっていうよりも、道路で危ない遊びを



していたあの男の子達の事を心配して怒りつけてるようにしか



見えませんけどね?



それに、子どもを叱る時は怖がるくらいにしっかり怒らないと・・・・。



だから、私はあのおじいさんの霊がやってあげてる事は、とても



素晴らしい事だと思いますけどね・・・。



それでも、やはり子ども達を怖がらせる霊は、成敗した方が良いんですかね?



どうします?



そう言われ、俺は首を横に振った。



子ども達の中には泣き出している子もいたが、あれくらいしっかりと怒られれば



きっと同じ様な危ない遊びはしないようになるんだろうな・・・。



そう思った。



それじゃ、帰りますか?



そう言うと、Aさんは、そのおじいさんの霊に向かって、



深々とお辞儀をし、帰路についた。



確かに昔は、近所のお爺さんが普通に怒鳴ってくれたし、長々と説教を



される事もよくあった。



今では、自分の家の子どもでもなかなか起こる親が少ないようだが・・・。



それを考えると、あのおじいさんの霊に対して深々とお辞儀したAさんの気持ちが



とても良く分かる気がした。



しかし、俺には友人から頼まれた責任というものがあり、一応念の為に



別の日の夕方、現地を訪れてみた。



もしかして、あの時、俺とAさんに見せた行動は、俺たちの目を



欺く為ではなかったのか?



そんな懸念があったから・・・。



そして、現地に着くと俺は、あの時お爺さんが居た場所に行ってみた。



しかし、そこにはもうお爺さんの姿は無かった。



自縛霊ではなかったのか・・・。



そうして、辺りをウロウロしていると前方から誰かが来る。



そして、俺とすれ違いざまに、無言のまま深々とお辞儀をした。



あの時のお爺さんだった。



俺はそのまましばらく歩き、そしてゆっくりと振り返った。



すると、そこには、公園で楽しそうに遊んでいる数人の子供達を



愛おしそうな目で優しく見つめるお爺さんの姿があった。



それを見て、俺は自分の邪推が恥ずかしくなった。



あのお爺さんに見守られ怒られながら育った子供達はきっと素敵な



大人になるんだろうな・・・。



そう思った。



ちなみに、その後、俺は友人の家に電話をかけた。



どう、解決した?



と聞いてくる友人に対して、俺は、



お前たち親がしっかりしていないから、あのお爺さんが頑張ってるんだぞ!



ちゃんと、自分の子供だけじゃなく、他人の子供も叱れるようになれよ!



そう返したが、電話の向こうで無言のままポカンとしていた友人に



俺の真意は伝わったのだろうか?


Posted by 細田塗料株式会社 at 21:53│Comments(0)
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