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2018年11月09日

命を賭けて護ったもの

世の中には、呪いや祟り、などによって自由を制限された方たちが



実在する。



それは、その土地から離れられない、というものだったり、逆に



生まれた土地に戻れない、そして一生目立たないように生きて



いかなければならない等、本当に様々だ。



それはあくまで先祖か犯した罪に拠るものが殆どであり、



運が悪いとしか言えないのが実情である。



しかし、そういった方達の為に、力を注いでいる人達も確かに居るのだ。



それは僧侶だったり、神官だったり、そして霊能者だったりと



様々なのだが、そのどれもが損得勘定抜きにして、ただ彼らを



護りたいという気持ちだけで、日々祈っている。



そして、とある場所に不遇の一族がいた。



やはり彼らも大昔に先祖が行った愚行により、いわれの無い



呪いを受けていた。



それは、自分の子供の命を救う為に、とある神社に奉納されていた



食料を盗み、子供達に分け与えた。



すると、それから以後、怪異が続くようになる。



親族の長男というものが、次々に不可解な死を遂げた。



親族がどんな商売をしても、すぐに倒産してしまうようになった。



家の中や外で、不気味な影を見たという目撃が相次ぎ、そして、その影を



見たもの達は、皆、その後、高熱にうなされて死んでいった。



だから、大昔から、その一族にはしっかりとした神官が毎日祈祷を



するようになった。



すると、確かに怪異は発生するが、死人は出なくなった。



しかし、昔の神官に比べると、現代の神官というのは、俗世に関わり過ぎていた。



だから、その力自体も弱くなってしまい、逆に呪いの力はどんどん強まっていく



という状態になった。



そこで、誰からの伝でAさんの力を借りることが出来たのかは分からないが



数年前からAさんは、ずっとその家系の人達を見守ってきた。



親戚一同が一箇所に集まり、質素に暮らしているその姿はさすがの



Aさんの心も動かしたのかもしれない。



そして、もうひとつ。



実は、その家系には、それなりの力を持ったおばあさんが居た。



どこで修行したのかは分からないが、Aさんいわく、



相当のものですよ・・・。



それに、とても温和な性格で、私のアドバイスも真面目に聞きますから。



というのだから、かなり強力な力をもっているのだろう。



しかし、ある時、そのおばあさんの孫が身篭った。



すると、おばあさんは、まるで人が変わったかのように、その孫に



きつく当たるようになった。



それまでは、親戚の者に対して、いや、誰に対しても優しくいつも笑って



接していたおばあさんが、まるで鬼のような顔で孫に厳しく当たる。



親戚の者達は、さすがに身篭っている孫にきつく当たるのは



まずいだろう。



もしかすると、おばあさんは、呪いの主に憑りつかれたのかもしれない、と



Aさんに助けを求めた。



しかし、Aさんが、そのおばあさんに会ってみると、いつも通り



礼儀正しく温和な表情で真摯に向き合ってくる。



そして、憑りつかれた兆候も全く見えなかったから、Aさんは、そのまま



しばらく様子を見ることにしたという。



しかし、それからも、おばあさんは、その孫娘に対してだけ、明らかに



辛く厳しく接した。



そして、在る夜などは、孫娘が寝ていると、人の気配で目が覚めた。



すると、そのおばあさんが、一心不乱にその孫娘に対して何かを



ブツブツと呟いている事が度々あった。



そんな感じの日々が続くと、その孫娘がAさんとの面会を希望した。



そして、涙ながらにAさんに、おばあさんを何とかして欲しいと懇願



する孫娘に、今度はAさんも冷たい態度で、追い払ったという。



もう、孫娘は誰も頼ることが出来なかったが、それでも母親としての



自覚を持ち始めていたのか、



なんとしてでも、お腹の子だけは私が護ってみせる、と



気持ちを強くもった。



それからは、Aさんは、その親族の下へ出向くことはしなくなった。



そして、それから半年以上経った頃、Aさんの元に連絡が入る。



あのおばあさんが亡くなったという知らせだった。



そして、亡くなる前に書き記したというAさん充ての手紙を渡されたという。



そこには、こんな事が書かれていた。



A先生を騙す様な事をしてしまい本当に申し訳ありませんでした。



しかし、自分の寿命が判り、その後の親族を護るためには、



私にはこの方法しか思い浮かびませんでした。



きっと、A先生のことですから、もう全てお見通しなのだと思います。



それは、こちらに顔を出されなくなったことで私には分かりました。



A先生のお察しの通り、孫娘が身篭っている子は、とても強い霊力を



生まれながらにして持ち合わせて出てくる事を感じました。



それは、私など到底及ばないほどの強い力。



ただ、それをあいつらに悟られてはいけなかった。



どうしようもない孫娘と、ただ生まれてくる子供と思わせるには



身内の中でも、そういう振る舞いをするしかなかった。



そして、その子の誕生を無事に知ってから死んでいける幸せを



感じております。



ただ、この世を去る私にはもうその子に何もしてあげられません。



だから、もしも、まだ私のお願いを聞いてくださるのだとしたら、



その子が霊力を使えるようになるまでの間、その子をお守りください。



私やA先生が、わざと冷たく接して孫娘から、呪いの注意を遠ざけた



様に・・・・。



そして、大変勝手なお願いですが、この事は親族の誰にも決して



話さないでくださいませ。



ただ、孫娘にだけは、あまりにも辛く接してしまいましたので、



A先生の口から、私が謝っていた事だけをお伝えください。



あの孫娘はとても良い子で、私が一番可愛がってきた子なんです。



だから、私の突然の態度の変化に戸惑い辛い思いをさせてしまった



ことでしょうから。



最後まで勝手ばかりで駄目な弟子でしたが、本当に感謝の気持ちで



一杯です。



本当にありがとうございました。



こんな内容だった。



そして、その手紙を読んだAさんは、俺を連れてすぐに親族の元に向かった。



すると、孫娘とその子供もすでに退院しており、その親族の間にも



久しぶりの明るい時間が流れていた。



そして、それを見た、Aさんは、



これで、私の出番は終わりました。



あとは、ご自分たちで何とかしてください。



それでも、もしも困るようなことがあった時だけ、私に連絡してください。



と、ただ、それだけ言うと、ざわつく親族達をよそに、



さっさとその家から出て車で帰路に就く。



俺が、



どうしたの?急に機嫌が悪くなっちゃって・・・・。



と聞くと、少し笑いながら、



機嫌が悪い?



その逆ですよ。



こんなに愉快な事は久しぶりです。



きっと、あのおばあさんの願いが、いや、ご先祖の永年の願いが



通じたのかもしれないですね。



あそこに寝かされていた生まれたばかりの赤ちゃん・・・。



あんな子が親族の中に居たら、間違いなく大昔からの呪いなんか、



すぐに逃げて無くなります。



あの子は、とても強い陽の力を持って生まれて来てますから。



陰のモノを全て飲み込んでしまう程の・・・。



あれじゃ、呪いの主も手の出しようがないです。



ざまあみろ・・・・です。



したがって、もう私の出番は無いんです。



だから、家から出てきました。



嬉しい気分で・・・。



そう言われた。



まあ、事情を聞けば納得出来るのだが、嬉しい気分ならもっと



嬉しそうな顔をしたら?



と強く思った俺だった。




Posted by 細田塗料株式会社 at 22:17│Comments(0)
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