2018年11月09日

転職願い

これは人材派遣業で働いている知人から聞いた話。



実はある男性がその人材派遣会社に登録されているのだが、



すぐに辞めててしまい職種を転々としているというのだ。



まあ、よくある話だな、と思った俺は、



まあ、最近の若い人は、仕事よりも生活の自由が優先なんでしょ?



と聞くと、とうやらそうでもないらしい。



特にその彼においては、誰よりも仕事を頑張ってこなし、休日



出勤も嫌がらず、派遣先の会社からもとても受けが良い



のだという。



それじゃ、飽き性なんでしょ?



と聞いた俺に、その男性はこんな話をしてくれた。



彼は派遣先が決まると、まず最初にその会社について勉強する。



そして、初出勤では誰よりも早く出勤し、派遣部署の全ての



社員に丁寧に挨拶する。



そして、誰よりも早く出勤する、というのは、その後も続く様で、



当然、すぐにその職場に溶け込んでしまう。



更に、雑用などの誰もが嫌がる仕事も率先して行い、そして



本来の仕事も、当然のごとくすばやく確実にこなす。



そんな彼だから、派遣先の会社から、内々で正社員にならないか、



という打診を受ける事もあるらしい。



しかし、彼はそんな願っても無い申し出を全て丁寧に断った。



自分はあくまで○○という会社と契約している身ですから・・・



というのが、表向きの答えなのだが、実はそうではないらしい。



そして、どんなに長くでも2年と経たないうちにその派遣先を



変えて欲しいと申し出るらしい。



確かに無理強いは出来ないのだが、派遣先からの評判もすこぶる



良い彼なので、当然、何とか思い留まらせようと説得する。



しかし、彼は絶対に首を縦には振らない。



だから、仕方なく、別の会社を紹介し、派遣する事になるのだが



そこもすぐに派遣先変更の希望が出されるのである。



それは、何故なのか・・・・。



どうやら、その答えは彼がそれまで送ってきた人生の中にあった。



彼は生まれた時、3人兄弟の末っ子としていたって普通の家庭に



生を受けた。



会社員の父親とパート勤めの母親。



そして、それぞれ2歳と4歳年上の兄。



その家庭は本当に普通に幸せなものだった。



しかし、ある時、彼が入学した小学校で妙な噂が聞こえてきた。



それは、彼が一緒にいると、それだけで不吉なことが起こると



いうものだった。



そして、どうやらそれは、ある意味事実に裏づけされたものだった。



彼の担任になった先生は必ず事故や病気ですぐに学校に



来られなくなった。



彼が遠足に行くと必ず誰かが大怪我をした。



彼がウサギの餌やり当番になると、必ず小屋の中のウサギが



全て死んでしまった。



そして、彼と友達になった者は、その全てが原因不明の病気になったり、



大怪我をして学校に来られなくなった。



そんな噂が蔓延してしまうと、当然垂れはイジメの対象になった。



そして、それを見かねた両親は彼を隣町の小学校に転校させた。



すると、やはり、前の学校と同じことが起こるようになる。



そればかりではなかった。



それまでは、何と言われようと、彼の味方をしてきた家族だったが、



そのうちに、父親が原因不明の突然死を遂げ、母親も仕事中に



大怪我を負った。



そして、二人の兄も、まるで、両親に続くようにして、原因不明の



大病にかかり、入院してしまう。



もうその頃になると、さすがの家族も気味が悪くなってしまい、



彼から距離を置くようになった。



そして、そのうちに、彼は親戚からも疎まれるようになり、1人で



祖母の暮らす田舎に送られてしまう。



しかも、彼はその田舎でも祖母と暮らそうとはせず、祖母の家から少し



離れた小屋の中で1人で暮らすようになった。



食事は祖母が運んでくれ、大金は母親が送ってくれてはいたらしいが、



小学生の子供にとってはとても辛いことだと想像出来た。



しかし、彼は



仕方の無いことだから・・・・。



と言って平然と1人で暮らしていた。



そんな状態で大人になった彼は、頭はかなり良かった為、就職は



出来たらしい。



しかし、その会社も彼は3年と経たずに退職願いを提出した。



このまま居たら、会社に多大なご迷惑をかけてしまいますから、



という理由で。



そして、それからは彼は派遣会社に登録して、短期での配属変えを



続けている。



そして、その理由というのはこんな感じだった。



彼は子供の頃、夢の中に出てきた悪魔?と契約したらしい。



子供なのだから仕方の無いことなのだが、彼は悪魔と名乗るものに、



誰よりも幸せになりたいか?



と聞かれ、



うん!



と答えてしまったらしい。



そして、それからは、彼が行く先々で不幸が連続した。



勿論、彼の身に何かが起こる訳ではなかったのだが、



それは子供である彼にとってもとても辛いことだった。



そして、そのうちに分かるようになる。



自分がこのままその場に居たら、何が起こるのか、ということが。



それは彼の脳内に鮮明に現れた。



火事で焼け落ちた校舎、事故で死人が出ているバス。



そのどれもが凄惨極まりない地獄として彼の目には映った。



だから、彼はそんな惨状が脳裏に浮かぶとすぐにその職場から



離れる様にしている。



誰も不幸にしない為に・・・・。



本当にそんな事があるの?



と聞く俺にその男性は、



実は一度、頼み込んでその職場に残ってもらった事があるんですけどね。



その後、その会社の社屋は火事で全焼してしまいました。



そして、それは彼がその時、言っていた通りの結末だったんです。



そう言っていた。



だから、俺はAさんに聞いてみた。



本当にそんな事が起こり得るのか、と。



すると、Aさんは、



まあ、悪魔かどうかは分からないですけどね。



でも、何かが守護霊としてその彼に憑いてしまったんだと思いますよ。



本当は守護霊になれる筈もないモノが・・・・。



何かは分からないですけど、悪いものであり、強力な何かが・・・。



それって、本当は全然、守護霊なんかではないんですよね。



何かに憑かれた状態と同じなので・・・。



そして、そいつには予知する能力があるんでしょうね。



あっ、予知じゃないか。



だって、その不幸を引き起こしているのが、その守護霊ですから。



そして、それは彼にだけどんな不幸をこれから起こすのかを



教えてるんでしょうね。



いかにも、俺気お前だけを護ってやってるんだぞ、とでも言うように。



でも、本当に守護霊だとしたら、盲目的に彼だけを護ることはしません。



彼が、その先、生きていくうえで必要だと思うなら、辛い災難だって



受けさせます。



彼だけが護られていれば、どういう立場になるか、十分に考えて上で。



だから、彼に憑いているモノは、守護霊を装って、災いを起こし



楽しんでいるだけです。



それは、契約なのかもしれないし、単に彼の反応を見て



面白がってるのかもしれないですけど・・・。



でも、もしも本当に本人が契約してしまった、と言っているんだとしたら、



もう救う方法はありません。



何とかしてあげたい気持ちはありますが、こればっかりは・・・。



そう残念そうに言っていた。



配属先を変え続けることだけが、きっと彼に出来る唯一の抵抗



なのかもしれない。



Posted by 細田塗料株式会社 at 22:22│Comments(0)
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