2018年11月09日

地下という所

今現在、判っている事実として、世界一深い海は、マリアナ海溝



の、水面下で10キロメートル以上。



当然、人間が到達できるはずもなく、そこには一体何がどうなっているのか、



さえ判らないのである。



そして、それほどではないが、陸地にも深い位置に施設が存在している



所がある。



日本で言えば、岐阜県のスーパーカミオカンデ。



以前は鉱山として採掘作業が行われていた場所であるが、現在は



東京大学の研究施設があり、宇宙から降り注ぐニュートリノというものを



研究しているそうだ。



そして、それ位の深さになると、高熱に耐えると同時に、酸素も人工的に



循環させなければ、人間は生きてはいられないのだという。



そして、これから書く話はそんなに深い場所の話ではない。



ほんの数十メートル、地上から下がった程度の場所である。



それは地下鉄の工事現場。



当然、地下鉄を作るうえで、その辺りの地盤の強度を調べたり、



水脈や他の妨げになるものを事前に調査するのは必然になる。



そして、これは以前、知り合った工事関係の方から聞いた話である。



その方は過去に何度も地下鉄の工事に従事された事があるという。



朝、早くから地下に潜って作業をし、夕方に地上に上がってくる。



それは言葉に出来ないほど、ホッとする瞬間だという。



本来なら昼食の時には、地上に上がっても良い、という事に



なっているのだが、工事の進捗が悪くなると、誰も地上には上がらなくなる。



昼食だけでなく、休憩の時間も、地下に潜ったまま・・・。



そんな環境で仕事をしていると、中には、体調を崩したり精神的に



病んでしまう人もいるのだという。



しかし、どうやら、屈強な工事関係者の精神を蝕んでいくのは



地下での作業というストレスだけではないようだ。



そして、これは彼が体験した、とある現場での話。



通常、地下に潜っていると、それだけで現世とは違う場所にいるような



違和感を感じるらしいのだが、その現場は特に酷かったらしい。



とにかく、早くその場から離れたくて仕方なくなる。



そけでも、工事は進めなくてはならず、そんな中で働いていると・・・。



まず、工事をしていると、誰かが変なことを言い出すらしい。



それは、地下から声が聞こえてくるというものだ。



まるで誰かがヒソヒソ話しているような声。



しかし、工事を行っている場所でさえ、かなりの深さであり、それよりも深い



場所に何かの施設があり、人間が居る事など考えられない。



しかし、人の声を聞いたという者はどんどん増えていく。



勿論、工事の遅れに繋がる全ての要因は排除したいというのが現場監督の



本音なのだろう。



しかし、人の声が本当に聞こえたとなれば、工事の根幹を揺るがす大事件だ。



当然、以前行った調査結果を引っ張り出してきて専門家に意見を聞く。



しかし、どの資料を見ても、工事箇所の下に空間があるという事実は



見つからない。



結局、空耳だろう、という事で工事は再開されるのだが、下から



聞こえる声は更に顕著になる。



ウォー・・・ウォー・・・



という、まるで怒り狂った様な声。



そして、時折、ドンッドンッと地面を叩く様な音も混じってくる



様になる。



作業員達は、恐れおののき、作業が手に付かなくなるが、結論として



その下に空間も無ければ、人が生きていける要素も存在しないという事



になつているので、工事はストップしない。



そうすると、工事作業員達は、得体の知れないモノを見るようになる。



それは、工事現場の隅にボーっと立ち尽くして、こちらを見ている



裸の男だったり、列を成して工事現場を通っていく男女の群れ



だったりもする。



そうなると、1人、また1人と精神に異常をきたし、その現場から



離れていく。



しかし、すぐに新しい人手が投入され、現場作業は継続される。



そんな中で彼が最も驚いたのは、地下鉄のトンネルの天井部分に完全に



頭が着いてしまっている程、巨大なもの。



それは、男とも女とも判別出来ない容姿であり、灰色の肌をした



巨大な4足歩行の人間だったらしい。



そんなものを見ても彼はその現場から逃げ出さなかったらしいが、ある日、



工事現場の隅でニターっと笑いながらこちらを見ている顔だけが巨大な



女を見たとき、すぐにその現場を離れる決心をしたのだという。



何しろ、その女の目は明らかに、俺達人間を餌として見ている様な



得体の知れない笑みを浮かべていたんだから・・・。



だから、その時、確信したんだ。



そこは俺達人間が居てはいけない場所なんだと・・・。



そして、最後にこう言っていた。



よく地下鉄で怪異が起こるって聞くけどさ。



そんな事、当然だろって言いたいね。



だって、あの深さの場所は人間が居ても良い領域ではなく、間違いなく



あいつらのテリトリーなんだから・・・と。



そういえば、ロシアでは地下12キロという深さの穴を掘って



地質の調査をしたらしいのだが、その際、マイクが得体の知れない声を



拾ってしまい、その穴は現在は塞がれたままだという話を思い出した。



やはり、人間は地上で生きていくしかないのかもしれない。





Posted by 細田塗料株式会社 at 22:36│Comments(0)
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