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2018年11月09日

寺に安置されている・・・・・。

富山の住職とはかなり以前から懇意にして頂いている。



そこそこ?立派なお寺を持ち、大きな家に住んでいる。



だから、最初知り合った時は、かなり金儲けが上手いのだろう、と



思っていたのだが、どうやら彼の家が元々、裕福だったらしく、



基本的に金儲けには興味は無いのだという。



そして、可能ならば、霊や妖魔の様なモノを鎮める為に全国を



回ることもある。



勿論、必要経費以外は、貰わない。



実際、俺の周りにはAさんや姫という規格外のバケモノ?がいる為に



目立たないのだが、その能力は相当なものだ。



そんな住職は俺と年齢が近いこともあり、お互いに敬語などは



使わない。



まあ、ある意味、友達といった方がピッタリくるのかもしれない。



そんな住職のお寺だが、処分に困った曰くつきの品物が送られてくる。



そして、それをしっかりと適切な方法で処分したり、それが出来ない



物は、厳重に管理し、霊障が外に出ないように努めている。



しかも、それに関しても、必要経費以外は一切お金は貰わないと



いうのだから、頭が下がる。



そして、そんな曰くつきの品物の話として、以前、幽霊画の話を書いた。



ただ、住職の寺にはまだまだヤバイとしかいえない物が溢れ返っている。



そんな物の中から今回は能面の話をしようと思う。



俺が最初にその能面に出会ったのは住職の車の中だった。



車に乗せてもらい、何気に後部座席を見ると、金属製の頑丈そうな箱



が座席に固定されるように置いてあった。



助手席に乗っていた俺は、後部座席を倒し、その箱に触れようとした。



すると、それに気付いた住職が真顔で止めた。



何でも勝手に触るなって言わなかったか?



だから、俺はこう言い返した。



お寺に安置せずに車の中に置いてあるっていう事は、それ程たいしたものじゃ



無いんでしょ?と。



すると、住職は、



あのさ・・・身近に置いておいた方が安全な場合もあるんだよ・・・。



でも、どうしても触りたいっていうのなら止めんよ・・・。



その代わり、死んでも知らんけどな・・・。



そう言われ、俺は箱から手を離した。



それから少し車内が気まずくなったのだが、すぐに住職の方から



救いの手を差し伸べてくれた。



何が入ってるか・・・知りたいんだろ?(笑)



そう言われ、俺は、



勿論、知りたいけど、知ったとしたら今度は見たくなってしまうから・・・。



そう返すと、住職がゆっくりとこんな話をしてくれた。



多分、江戸時代か明治時代の頃、仲の良い夫婦がいた。



元々お金持ちの家に生まれた男性は、偶然出会った庶民の娘に



一目惚れした。



そして、回りの反対も聞かず、二人は夫婦になった。



なかなか子宝には恵まれなかったが、それでも二人はとても幸せだった。



しかし、回りの親も親族達も、いまだに二人の結婚にはどうしても



納得出来なかったらしい。



そして、どうしたか、といえば、夫が留守にしている時に限って、



犯人が分からない様に、凄まじい意地悪をした。



それも常軌を逸したほどの・・・・。



次第に妻の体は傷だらけになっていった。



しかし、妻には分かっていたのだろう・・・。



自分が嫁として歓迎されていない事が・・・。



だから、必死に我慢しようと思った。



しかし、ある日、夫が留守にしている時、妻はちょっと近くまで買い物に



出掛けたきり戻らなくなってしまった。



夫はお金に糸目をつけず、妻の行方を捜したらしいが、どれだけ探しても



妻の行方は分からなかった。



それもその筈で、妻はその時、夫の親族に頼まれた男達によって、山の中へ



連れて行かれ、知らない場所に連れて来られていた。



さすがに、殺す事はしなかったが、ある意味、死ぬまで其処から逃げだす



事は叶わない、と宣告された。



そして、ボロボロな牢屋のような部屋の中で、妻は死なない程度の食事だけを



与えられ、日々を過ごした。



それでも、いつかは夫が迎えに来てくれる・・・・。



それだけを信じて妻は生き続けた。



しかし、それから数年の年月が流れ・・・。



相変わらず必死に生き延びていた、妻の耳に信じられない話が入ってくる。



それは、夫が新しい妻をもらい、子供も出来たというものだった。



夫としても、跡取りの話をされ、妻はもう死んでいる、と説得されての



結婚だったらしいが、妻には、理由などどうでも良かった。



それから、妻は、時間つぶしに面を作りたいと頼み、牢屋の様な部屋から



一歩も出なくなった。



毎日、3度食事を運んだが、それにも一切手を付けた形跡が無かった。



勿論、妻を監禁していた男達にとって、それは好都合だった。



手を下さずに、勝手に死んでくれれば、もう監禁を続ける必要も無くなる。



だから、毎日、妻の部屋からは、何かを作っている様な音が一日中、



聞こえていたが、男達はそれを気にも留めなかった。



そうするうちに、その部屋からはまるで誰かと話し笑い合っている様な



声が聞こえ始める。



さすがに不審に思った男達は、部屋の中に入った。



すると、そこには既にミイラのようになった妻の亡骸と能面が1つ



置かれていた。



そして、そこには、自分の手を噛み切った血で書いたであろう文字が



したためられていた。



この能面をあの家に届けてください。



もしも、届けなければこの呪いはあなた達へと向かいます。



そう書かれていた。



普通、それだけなら家に届けたりはしないのかもしれない。



しかし、その能面は普通の面とは全く違っていた。



面自体は、よく見かける女系の小面(こおもて)と呼ばれるものだったが、



その面全体には明らかに人の皮膚が貼り付けてあった。



そして、その皮膚とは間違いなく妻のものとしか考えられなかったし、



何より生きたまま自分の皮膚を剥ぎ、それを能面に貼り付けていた



のかと考えると、あながち呪いも本物だと思われ、男達は恐怖に



駆られながら、その能面を夫が待つ家に届けた。



当然、その能面を見た家族は、そんな気持ちの悪い物は早く捨てて来い、



と命令したが、何度捨てても翌日にはその能面は家に戻っていた。



そんな中、妻を監禁していた男達が、次々と死んでいった。



皆、死ぬ間際に、



あの女が来る・・・・・すまなかった・・・・助けてくれ・・・。



そう口走りながら・・・。



そして、結論から言うと、その家は死に絶えた。



あらゆる怪異に見舞われながら、1人、また1人と、死んでいき



親族も巻き込んで、その家系は死に絶えてしまった。



その後、コレクターの手に渡ったその能面は、そこでも怪異を引き起こし、



そして、死の連鎖を発生させた。



その能面を所有した者に対して、呪いは容赦なく降りかかった。



そして、その誰もが、妻の幻に怯えながら死んでいった。



そうして、その能面は、今現在、住職の元にあるのだという。



ここまで聞いて俺はいつもの悪い癖が出た。



だから、



一目だけでも見せてくれない?



そう言うと、住職は呆れたように、



ここまで聞いても、まだ見たいって言ったのはお前だけだぞ・・・。



と冷たく返された。



しかし、しつこく粘って俺はある条件の下で、その能面を見せてもらえる



事になった。



それは、Aさんか、姫が立ち会う、という事だった。



そして、当然、俺はAさんと姫に頼み込んだ。



折角の日曜日だというのに、俺に頼まれて寺にやって来たAさんは



いつもにも増してやる気が無さそうであり、



本当に、怖がりな人に限ってこういうのを見たがるんですよね・・・。



もう、いっそのこと、それを見て一回死んでみたらどうですか?



そうすれば、もっとまともな思考が出来る人間になれるかもしれないし。



と愚痴っていたし、姫は相変わらずののんびりムードで、



そんなに恐ろしいものがあるなんて、びっくりですよね・・・。



今夜、寝られなくなったらどうしましょうか?



とまるで他人事のようだった。



そして、いよいよ、二人に立ち会ってもらって、金属製の箱の鍵を



開けた。



その時、Aさんは、興味が無いから、とあっちを向き、姫は怖いからと、



これまた、違う方向を向いていた。



俺は恐る恐る蓋を開けた。



住職も、実は箱を開けたことが無いそうで、かなり緊張した顔をしている。



俺は、一気に蓋を開け切ると、まじまじと顔を近づけた。



そこには見るからに古い能面が入っていた。



そして、確かに、その能面は表面に人間の皮膚が貼られており、所々が



ひび割れていた。



そして、呪いという言葉が実感出来るほど、まるで生きているかのように



感じた。



俺は、その時、



こういうのを魅入られるというだろうな・・・。



怖いけど、もっと見ていたい・・・。



そう感じていた。



その時である。



能面の目の部分が明らかに動いた。



見間違いなどではなく、本当に動いたのだ。



まるで、誰かが顔に付けているかのように・・・・。



早く箱の蓋を閉めなければ!



俺はそう思った。



しかし、俺は金縛りに遭ったかのように、全く身動き出来なくなっていた。



と、その瞬間、隣から手が伸びてきて箱の蓋を閉めた。



それはAさんの手だった。



しかし、箱は何か、仕掛けでもしてあるかのように、突然ガタガタと



暴れだした。



すると、Aさんは箱に向かって



もう復讐は済んだはず・・・・。



だから、そこから出ては駄目だよ・・・・。



それは俺に言った言葉ではないのは、すぐに分かった。



そして、続けるように姫もこう言った。



お気持ちは分かりますけど、私達も貴女に力は使いたくありませんから・・・。



そこで゛ずっとこれからも眠っていてくださいね・・・。



勿論、これも俺に対して言った言葉ではなかった。



すると、突然、箱から感じていた禍々しい空気が一気に軽くなった気がした。



そして、住職が口を開いた。



やっぱり、凄いね。



実は、この箱、よく暴れて何かが外に出ようとしていたんだよね。



だから、常に持ち歩いて、監視するしかなかった。



でも、今はそういう気がかなり軽くなってる。



これなら、持ち運ばなくても大丈夫かな・・・と。



そして、今もその能面は住職のお寺に安置されているが、それ以来、



箱が暴れだすと、Aさんか姫の所に持っていき、お説教をして貰う事にしている



らしいが、そうすると、またしばらくの間はおとなしくなるのだという。



それを聞いて俺は考えてしまった。



誰か説教して、Aさんをもう少しおとなしく出来ないものか・・・と。



まあ、きっとそんな事は転地がひっくり返ってもありえないだろうが。



そして、この能面は、今も実在している。



妖気を漂わせながら・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:03│Comments(0)
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