› 看板・サインスタッフブログ | 細田塗料株式会社 › 毎夜、やって来るモノ・中

2018年11月09日

毎夜、やって来るモノ・中

それは小さな木彫りの仏像だった。



薄汚れて木が真っ黒になっていたが、それを見た父親が、何度も祖父達に



お礼を言っていた。



そして、父親はその仏像を彼女に渡した。



これを肌身離さず持っていなさい!



これは先祖代々、家系を守ってくれていた物だから・・・。



もしかしたら、これがお前を助けてくれるかもしれないから・・・。



そう言って少しだけホッとした顔で・・・・。



しかし、その夜から怪異は始まってしまう。



夜、彼女は窓を全て目張りした自分の部屋で寝ていた。



すると、夜中に突然目が覚めた。



夜中に目を醒める事などそうそう無かった彼女は、どうしてこんな時に



限って目が覚めてしまったのか、と自分に呆れていた。



すると、突然、窓を目張りした板が、コンコンとノックされる音が聞こえた。



彼女はハッとした。



彼女の部屋は2階だったのだから・・・。



すると、窓の向こうから、



見いつけた~



という無邪気そのものの声が聞こえてきた。



彼女は、その瞬間、あの日田んぼの草むらで見た男の子の姿を思い出して



しまい、慌てて布団を被った。



何も聞こえない・・・・気のせい・・・気のせい・・・。



そう自分に言い聞かせた。



しかし、どんなに布団を被っていても、どんなにしっかり耳を塞いでも



その男の子の声が耳に入ってくる。



彼女はそのまま布団に包まって震えていたらしいが、そのまま知らないうちに



寝てしまったらしい。



祖父が届けてくれた木彫りの仏像を握り締めて・・・。



そして、目覚ましが鳴って、彼女はぼんやりとした頭で考えた。



昨日のアレは何だったのか?と。



そして、リビングに行くと、両親が不安そうな顔で何やら話しこんでいたが、



彼女の姿を見ると、



おはよう!



よく眠れたか?



と不自然に明るく話しかけてきた。



そこで彼女は悟ったという。



間違いなく昨夜の声は両親にも聞こえていたんだと・・・。



そして、家族で朝食を食べていると、父親が彼女に会社に電話するから、と



告げた。



そして、体調がとても酷く出社出来る状態ではないという嘘をついて、



彼女がしばらく会社を休む旨を伝えた。



そして、ぼんやりとテレビを観ていた父親がこう言った。



ワシも9日間は会社を休む。



だから、お前も会社を休んでもらうぞ!と。



確かに、こんな状態では会社にいけるはずもなかったが、それでも



自分の為に両親が会社を休む羽目になってしまった事を彼女は両親に



謝った。



しかし、両親は笑いながら、



別にお前が悪いわけじゃないんだから・・・。



だから、謝ってもらう必要なんか無いんだぞ!



それに、こんなことでもないと、長期休暇なんて取れないしな!



そう言われたという。



昼間の時間はそうして平和に過ぎていった。



そして、夜がまた来る。



その夜は彼女は両親と一緒の部屋で寝た。



その方が少しは恐怖も緩和されると思ったから・・・。



そして、その夜、再び、夜中に目が覚めた。



時計を見ると、午前2時を回っていた。



すると、どこからともなく、昨日の男の子の声が聞こえてきた。



見いつけた~



もう逃げられないよ~



相変わらず、無邪気な声だったが、それが逆に恐怖を掻き立てた。



そして、彼女には両親も起きている事に気付いた。



しかし、どうやら両親も震えているらしく、それも彼女の恐怖を



一層強めてしまう。



両親も必死に耐えているのが分かった。



だから、彼女も必死に耐えようと思った。



仏像を握り締めながら・・・。



しかし、その間もずっと



見いつけた~



もう逃げられないよ~



という声が聞こえていた。



そして、それから、どれだけの時間が経ったのだろう・・・・・。



それは明け方の事だった。



突然、彼女の母親が痙攣し始めた。



口から泡を吹いて意識も朦朧としている。



彼女は居ても立ってもいられず、布団から起き上がると、



早くお母さんを病院へ連れていかなきゃ!



そう言った彼女の手を握ったのは母親だった。



痙攣しながら必死に彼女の手を握り、そして首を横に振っていた。



そして、父親が言った。



朝まで待つんだ!



朝が来れば・・・。



それまで頑張ってくれ・・・・。



その声はかなり動揺し震えていたという。



そして、時計の針が午前7時になって、急いで救急車を呼んだ。



そして、そのまま母親は病人に入院してしまう。



昼間は母親の病室で過ごした。



命には別状無かったが、それでも過度の緊張によるストレスが原因



と医者に言われて彼女は呆然とした。



そして、夕方になる前に病室を離れて家に戻った。



どうして自分の母親がこんな目に遭わなくてはいけないのか、と



強い怒りを覚えた。



それから父親と二人だけの生活になった。



そして、また夜が来た。



それまでに玄関の目張りもしっかりと付け直して夜に備えていた。



そして、また彼女は夜中に目が覚めた。



今度は父親に揺り起こされたのだ。



おい!起きろ!



何か変な音が聞こえないか?



そう言われて彼女が起き上がろうとした時、突然、寝ていた部屋の



襖が開いた。



彼女はビクッとしたが、その時、父親が、



見るんじゃない!



と言って、彼女の布団の上から覆いかぶさってきた。



彼女はその状態でじっと聞き耳を立てていたが、布団の外の様子は



全く伝わってこなかった。



だから、彼女は必死に仏像を握り締めたまま、時が過ぎるのを待った。



それから、また長い時間が流れた。



そして、ちょうど時計が朝7時を告げた時、突然、大きな笑い声が



聞こえてきた。



そして、布団が急に軽くなった。



彼女が慌てて布団から顔を出すと、父親が立ったまま、天井を見たまま



笑っていた。



彼女は急いで救急車を呼んだ。



そして、父親も病院に緊急入院させられた。



彼女も既に疲れ果てていたが、必死に父と母の看病を続けた。



父も母も命に別状は無かったが、それでもベッドからは起き上がる



事も出来なかった。



それでも、夕方になると、二人は口を揃えて、



此処に居てはいけない!



早く家に戻って、ちゃんと戸締りをしなきゃ!



と彼女の体の事ばかりを気にしてくれる。



そして、家に着いて彼女は考えた。



どうして、自分の家族がこんな目に合わされなくてはいけないのか、と。



そう思うと、一層、怒りがこみ上げてきた。。



そして、こうも思っていた。



今日で2日経った。



しかし、こんな状態であと3日、持つのだろうか?と。



それでも、犠牲になった両親の為にも、自分ひとりでも何とか



頑張ってみせる!



彼女はそう強く思っていた。



そして、それからは夜、寝るのは止めた。



昼間、仮眠をとって夜は起きていよう・・・。



そうすれば、アレに対処出来るかもしれない・・・。



そう思った。



しかし、本当の恐怖はそれほど生易しいものではなかった。



突然、電話が鳴って、出ると、病院の看護師だと告げられた。



お父様が危篤状態です!



電話の向こうからそう告げられた。



彼女は、もうどうなっても良いと思い、急いで家を出る準備をした。



すると、突然、玄関のチャイムが鳴った。



時刻は既に午前2時を回っていた。



彼女は恐る恐る玄関に向かうと、そこには頭でっかちの子供らしきシルエットが。



そして、それは明らかにアンバランスな形をしていた。



あいつだ・・・・。



彼女は急に恐怖に襲われてその場にしゃがみこんでしまった。



すると、何かが階段を降りてくる音が聞こえてきた。



ミシッ・・・ミシッ・・・・ミシッ・・・・。



それはゆっくりと一歩ずつ階段を降りてくる音だった。



しかし、もう家には彼女しか居ない事は明らかだった。



その時、彼女は突然、ポンポンと背中を叩かれた。



ヒッ!



恐怖で固まる彼女。



そして、恐る恐る振り向いた彼女は、予想だにしないものを見た。


後編に続く・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:07│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

count