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2018年11月09日

サングラスを外さない理由

片町にあるスナック。



その店には何故か霊感が強い人ばかりが集まるのか、色々な



霊体験をしたお客さんがいる。



勿論、俺もそんな人達から貴重な話を聞けるというの事で



かなり助けられている部分がある。



そんなお客さんの中に、1人だけ店の中でもずっとサングラスを



かけたままでお酒を飲んでいる男性がいた。



年齢はちょうど60歳くらいか・・・。



紳士的な立ち振る舞いと容姿。



そして、カラオケなどは歌わずに一人で黙ってウイスキーを飲んでいる。



その飲みに対するスタイルというものは、かなり俺に近いので、



内心気になっていた。



そして、ちょうど去年の今頃、お店にその男性と二人だけ、という



シチュエーションになった事があった。



だから、俺は少し勇気を出して聞いてみた。



どうしていつも、お店の中でもサングラスを外さないのですか?と。



すると、その男性は少し黙った後、静かにサングラスを外してくれた。



その顔には、左目が欠如していた。



それを見た俺は、



あっ、すみません。失礼しました。



聞いちゃいけない事でしたかね?



と言ったのだが、その男性は少しだけ笑うとゆっくりと



こんな話をしてくれた。



彼の家は先祖代々、太平洋側にある某県の神社で宮司



を司っていた家系だった。



それこそ、かなり古い時代から、その神社はその場所に存在し、



村人の信仰を集めていた。



だが、彼自身、その先祖代々の神社に何が祀られているのか、



宮司になる直前まで知らされていなかった。



そして、父親が引退し、彼が後を継ぐという事が決まって初めて



彼はその神社について教えてもらったという。



そして、唖然としたという。



端的に言えば、その神社に祀られているのは神様などではなかった。



いや、一応、祀り上げる際に、神という名前は付けられていたが、



断じて神様ではなかった。



魔物・・・・・。



そう彼が宮司として務めるその神社には魔物が祀り上げられていた。



いや、封印と言った方が的確かもしれない。



その魔物というのは、大昔、その地域一体で人間を殺し食べまくった



大蛇の化身だった。



一時はその地域に人が居なくなってしまう程の凄まじさで人間が



犠牲になった。



しかし、その後、どういう理由からか、生贄として1年に1人、



人間が差し出されるようになった。



いわゆる人身御供というやつなのだが、それでもその地域の人達は



皆、ホッとしてその生贄の条件を受け入れた。



そして、その生贄の儀式を管理し遂行するのが彼ら一族の



仕事だった。



それでも、過去には、他の有名な神社で修行をし、その魔物を



滅しようとした先祖も居た様だったが、その魔物の力は凄まじく



犠牲者が1人増えただけだったという。



それでも、その地域の人達は、宮司に対して不平不満は一切



言わなかった。



それどころか、皆、彼ら一族を敬い感謝し、金銭や食べ物を



勝手に持ってきてくれていたのだという。



被害が緩和されたのは、この神社のお陰だと・・・・。



だから、魔物を滅しようなどとは思わず、このまま封印し続けて



くれれば良い・・・と。



確かにそうなのかもしれない。



それまでは人間が居なくなるほどの犠牲者が出ていた事を考えれば、



1年に1人の犠牲者など、無いに等しいのかもしれない。



だから、彼も先祖代々の教えに習い、その魔物を封印し、多大な



犠牲者が出ない事だけを最優先した。



それが正しい選択なのかは分からないが・・・・。



だが、どうやら彼の息子はその忌まわしい過去に同調するつもりは



無かったようだ。



小さな頃から、父親である彼から忌まわしき歴史を聞かされていた息子は



中学を卒業すると、すぐに霊験あらたかな神社で修行に入った。



そして、それからも幾多の神社で退魔というものに特化して力を



身に付けていったのだろう。



30歳の年齢なった時、息子はふらっとその神社に戻ってくると、



何やら準備を始めた。



彼が、



一体何の準備をしているのかと、尋ねても何も答えずただ、黙々と



何かを準備し続けた。



そして、その神社に戻ってきたから1週間が経った頃、息子は



ふらっと出掛けていったという。



後で思えば、きっとその時は最後に身を清めるために山の中の滝に



打たれていたのではないか、と彼は話してくれた。



そして、息子が何処かへ消えてからちょうど1週間後、再び、



息子はその神社に戻ってきた。



それは、父親である彼でさえ、手に負えないほどのオーラを



全身に纏って・・・・。



その時、彼は初めて、息子が何をしようとしているのかが判ったという。



だから、必死で止めた。



今の現状こそが、先祖代々、封印を護ってきた賜物なのだから、と。



しかし、息子はその魔物を滅する事しか頭に無かったのだろう。



父親の言葉には一切耳を貸さず、そのまま退魔の行を行ってしまう。



結果は判っていたという。



過去には、当時最強と認識されていた高い能力をも持った先祖が



いとも容易く、魔物の餌食になっていた。



術者がより高い能力を持っていた時代でも・・・である。



それが、現代のような平和の中で培われた能力など、当時の



術者に比べれば比較にもならない事は明白だったから。



しかし、父親の推測を凌駕する程に、息子の能力は高いものだった



のかもしれない。



結局、息子は3日間という長い闘いの末に敗れ去った。



あの魔物を相手にして3日間持っただけでも驚きに値した。



しかし、その代償は大き過ぎた。



結局、その魔物は怒り狂い封印から出てしまう。



神社は大きく破壊され、その後には、まるで意識が無いまま、生かされている



だけといった息子が倒れているのが見つかった。



そして、それを知ったその地域の人達は、皆、他の地域に移住せざるを



えなかった。



それでも、彼は必死に、もう一度、その魔物を封印しようと祈祷を



続けた。



すると、ある雨の夜に、何物かが彼の家にやって来た。



玄関の引き戸越しに話すソレは、すぐに封印していた魔物だと判ったという。



初めて対峙する魔物に、彼は体中に震えが止まらなかったという。



そして、こう言われたのだという。



お前達、一族には恨みは無い。



いや、むしろ感謝するべきなのだろう。



だから、息子はすぐには殺さなかった。



お前達に息子との別れの時間を与える為に・・・。



だから、今すぐに別れを告げろ・・・。



そして、愚かな事をした罪を後悔するがよい、と。



それを聞いた彼は、慌てて玄関の引き戸を開けた。



そこに居たのは、どうやら人間の姿に変化した蛇だった。



人間に似せてはいたが、その皮膚や目は明らかに蛇そのものであり、



彼は恐怖に震えた。



しかし、息子の命を思い、必死に懇願した。



どうか、許して欲しい・・・と。



しかし、その蛇神は、どうしても首を縦には振らなかった。



だから、彼はこう言ったという。



あなたが欲しいものを何でも差し上げますから、1週間だけ



息子の命を伸ばして貰えまいか、と。



すると、その蛇神は、嬉しそうな顔をすると、大きく頷き、一気に



彼に近づくと、彼の左目に指を突っ込むと、そのまま眼球を



引きちぎった。



不思議だった。



左目の視界は完全に失われたが、痛みと言うものは全く無く、血の一滴も



流れなかったという。



そして、その蛇神は、



一週間後にもう一度来る・・・。



その時はお前の右目も貰うことになる・・・。



そう言い残して、闇の中に滑る様に消えていったという。



それから、彼は夜が明けると、窓を目張りした車を用意して、息子を乗せ、



その神社を後にした。



左目を失ったことで、それまでのようには動けなくなった。



そして何処に行けば良いのか、全くわからなかったが、



それでも無我夢中で車を走らせたという。



出来る限り、離れた距離に行かなくてはいけなかった・・・。



蛇神が祀られていない地域・・・。



山を幾つも越えた場所が良い・・・・。



そして、太平洋側から、一気に反対側の日本海に近い方が良い・・・・。



その結果、たどり着いたのが、金沢の地だったという。



彼は、そこまで話すと、自分の目を俺に近づけ、引きちぎられたという



左目を間近で見せてくれた。



それ左目は、事故や病気という感じではなく、まさに引きちぎられた



ように、無造作に荒れたままの状態になっていた。



痛々しいくらいに・・・・。



そこまで聞いて、俺は正直、聞かなければ良かったと後悔していたが、



その男性が店を出て行く際、俺に向かってこう言った。



きっと、もうじきあいつは、やって来る。



無くなった左目がそれを教えてくれるんだ・・・。



だが、もう此処から逃げられる状態ではないんだ。



息子はもう体の殆どが蛇のようになってしまい、全く動かすことが



出来ないのだから・・・。



だから、もうじき、私はこの右目も無くなってしまうんだろう。



いや、逃げた私の事をあいつは、きっと許さないだろうな・・・。



そう言って、彼は店を出て行った。



そして、それから今までの間、その男性が再び、そのスナックに



訪れたという話は聞いていない。



やはり、蛇神の餌食になってしまったということなのか・・・。



そして、俺にはもう1つ、懸念に思っていることがある。



もしも、あの男性が言っていた事が本当だとするなら、それほど



危険な蛇神が、封印から解き放たれて、この平和ボケした



現代に蘇ってしまったのではないのか?



そして、その男性と息子を追ってきた蛇神が、そのままこの地に



居つくことは無いのか?



太古の昔、人間を襲い食べまくったという大蛇の邪神が・・・・。



やはり、早めにAさんや姫に相談してみる必要があるのかも



しれない。



Posted by 細田塗料株式会社 at 23:29│Comments(0)
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