2018年11月09日

噂というもの

これは以前、バンド関係の仲間内で起こった事。



バンドといっても、色々なタイプがある。



純粋に音楽を追求している者もいれば、異性と知り合う



目的として音楽を利用している者、日頃のストレス解消の



一環として音楽を楽しんでいる者。



更に、ジャンルもそれなりに幅広い。



さわやか系のJ-POP系もいれば、ハードロック、ブルース、



メタル、ジャズ系、そして昔ながらの1人での弾き語り系。



メンバーも多いところでは10人を超えるし、弾き語りの人は



勿論、1人きりである。



そして、それぞれのレベルもプロ級のもの~初心者まで幅広い。



しかし、それで良いのである。



皆が自分のやりたい音楽を人前で披露する。



プロではなく素人だからこそ可能な音楽への自由度。



実際に、公募で参加バンドを募り、ライブを行うと、そんな



様々な人達との出会いがあって、とても楽しい。



動機や目的は違っていても、聴衆に自分の音楽を聞いてもらいたい



という気持ちがあれば、ライブは成立する。



まあ、中には某バンドでキーボードを担当している協調性の



かけらも持っていない美人教師さんもいるのだが・・・。



そして、これも余談だが、長い間、バンド活動をしていると、とても



面白い傾向に気付く。



それは、見た目がさわやかで、メルヘン系の音楽をやっているバンドほど



プライドが高く、自意識が過剰だ。



こちらが挨拶をしても返してもらった記憶が無い(笑)



そして、逆に、見た目が怖くてアウトローなバンドほど、腰が低く



必ず、向こうから先に挨拶をしてくれる。



しかも、深々と頭を下げて・・・。



ご迷惑をお掛けしないように精一杯頑張りますので、宜しくお願いします、と



予想外の丁寧さで挨拶をしてくれるものだから、こちらとしても



最初の頃はその対応に困惑してしまった(笑)



そんな様々な人間が集まるのだから、その中にはやはり変わった人もいる。



きっと何処の世界にも似たような人間はいるのだろうが、バンドという



音楽を楽しむために集まりでも、それは例外ではない。



自らが常に話題の中心に居ないと、気がすまない人。



他人の音楽を平然と否定する人。



そして、最も厄介なのが、自分の考え方を他人に強要し、拒否すると、



攻撃する人なのかもしれない。



それはとあるライブの構成いついて話し合った事がきっかけだった。



実は、どれだけお金持ちなのかは分からないが、何でもお金に



物を言わせて話を強引に進めるTという男が居た。



そして、彼はこう主張した。



次回のライブは、未婚女性限定にして、オオトリは自分達のバンドに



やらせて欲しい、と。



そうしてくれれば、ライブに関する費用は全て自分達が持つから、と。



しかし、その主張に、S君という若い男性が反対した。



そもそも、ライブというのは、それぞれやりたい事、伝えたいことが



違うのだから、未婚女性限定にして欲しくない、と。



それに、ライブの費用はそれぞれのバントが負担して、成功に向けて



一丸となって頑張るものではないのか、と。



実は、Sという男性は若いながらも、とてもしっかりしており、他の



バンドからの評判も良かった。



そして、その逆に、Tという男性の評判は、かりな悪かったというのが



本当のところだ。



しかし、他のバンド連中は、チケットを売りさばいたり、会場費用を



負担してくれるのなら、細かいことはどうでも良いと考えたのかもしれない。



だから、何故かSという男性が孤立してしまう。



しかし、俺の意見はS君に近かった。



そもそも、そんなライブをしたければ、勝手に単独ライブをすれば良い。



それに何故付き合わなければいけないのか?



そして、独身女性限定というのも引っかかった。



まあ、Tの目的は大体想像できるが、それならば、尚更のこと、



そんな引き立て役に回るつもりは毛頭無かった。



だから、俺は唯一、S君の側についた。



それが、余程面白くなかったのだろう・・・。



俺達のバンドはキャリアだけは長いから、それなりに発言権がある。



その俺に反対されてしまっては格好がつかなかったのだろう。



そして、次のライブでそれは起こった。



実はライブ会場というところは、何処でも一つや二つは怖い噂が



存在している。



勿論、実際に霊を目撃する人も多い。



いつもなら、誰かが変なものを見た、という程度でおわるのだが、



その時は違った。



ライブの最中、突然、照明が消えたり、音声が途切れたり・・・。



そして、挙句の果てには、Tのバンドメンバーがステージの上から



落ちてきた照明に当たって怪我をした。



それが原因でライブは途中で中止されてしまった。



俺のバンドもS君のバンドも出番は無かった。



そして、その数日後、変な噂が耳に入ってくる。



その噂とは、Tのバンドに恨みを抱いていた俺とSくんが、二人で



共謀してTを呪い殺そうとしたという噂だった。



勿論、出所はTなのだが・・・・。



最初に、その噂を聞いたとき、俺は思わず笑ってしまった。



呪いというものの愚かさを誰よりも知っているつもりの俺が



呪いなどかけるはずがないだろう・・・と。



しかも、のろいの掛け方など、俺は当然知るはずも無い。



しかし、ただでさえ、Aさんのお陰で霊が見えたり、霊的な力が



あると思われていた俺だから、その噂は瞬く間に広がった。



そして、俺とS君のバンドはそれ以後、どのライブにも呼ばれなく



なってしまった。



Sくんは、俺に丁寧に謝りに来たが、当然Sくんには何の罪も無かったから



俺は笑って、



今度は二つのバンドだけでライブやろうな、とS君を励ました。



勿論、俺のバンドでも一度そんな話題になった事があったが、他の



メンバーは、謝る俺に対して、



別にお前が悪いわけじゃないだろ、と笑って返してくれていたが。



そして、俺とSくんのバンドは、その界隈のバンドとしては完全に孤立してしまった。



Tにとっては、予定通りの展開だったのだろう。



勿論、他のバンドの中には、



俺達はそんな事信じていませんから・・・と言ってくれる者もいたが、



その時の流れとしては、やはりTに逆らうと、もうライブは出来ない、



という風潮があったから、誰も声を上げる者はいなかった。



そして、毎年恒例の年越しライブの季節がやってきた。



さすがに、そのライブだけは出演しないわけにもいかず、俺達のバンドも



そして、S君のバンドも当然お呼びがかかった。



そして、第一回のミーティングの際、Tのバンドからこんな意見が出された。



気に食わない奴が居ると、呪い殺そうとする奴らとは、恐ろしくて



ライブなど出来るわけが無い、と。



勿論、気に食わない奴を呪い殺そうとする奴らというのは、俺と



S君のことなのだが・・・・。



その頃はもう変な噂は消えかけていたのだが、その言葉でまた再燃



してしまう。



もう、そうなつてしまっては、俺も馬鹿らしくなってしまい反論



する気も起きなかった。



そこで、突然、



馬鹿じやないの?



という大きな声が聞こえた。



Aさんだった。



Aさんは、面倒くさそうに席から立ち上がると、



此処に集まってる人達って、本当に馬鹿ばっかりなの?



小学生じゃあるましい、単なる噂に乗っかって・・・・。



私は知ってるよ。



Sさんも、そしてKさんもそんな人じゃないって・・・・。



それに、誰が誰を呪ったって?



いっておくけど、Kさんに、誰かを呪う力なんて在るわけ無いでしょ?



そんな力があるのなら、もっと世の中の役に立ってるよ。



Tさんが一体何をしたいのか、よく分からないけど・・・。



少なくとも私は貴方の価値観をそのまま鵜呑みにするほど



馬鹿じゃないので・・・。



私は噂は信じない。絶対に。



噂だけで人を判断なんてしない。



噂の中にに本質なんて在るはずがないから・・・。


そして、噂というのは、一種の呪いみたいなものだから。



だから、私は自分の目で見てきたSさんとKさんだけを信じる。



あんた達が、何を言っても私の耳には届かない。



っていうか、耳障りなだけだから・・・。



それに、私は前々から思ってたんだけど、自分の意見が通らないと、



それだけで、誰でも攻撃してきたのは、あんたなんじゃないの?



それでも、まだSさんやKさんのバンドが出ないとしたら、私達の



バンドも辞退させて貰いますから・・・。



皆もいい加減、自分の目で見たものだけを信じてみたら?



これまであなた達が接してきたSさんやKさんは、他人を平気で



呪えるような人間だったのかどうかを・・・。



そこまで言うと、そのままAさんは席に座った。



すると、ポツリポツリと拍手が起きて、やがて会場全体が拍手に



包まれた。



そして、結果として、Tのバンドはその年の年越しライブには参加



出来なくなった。



ミーティングのあと、俺はAさんに駆け寄って、お礼を言った。



どうも、ありがとう。助かったよ、と。



すると、Aさんは、



別にお礼を言われる事は何もしてませんから・・・。



思ったままを言っただけですから・・・。



以前からKさんがトラブルに巻き込まれてるのは知ってましたけど・・・。



良い勉強になるかな、と思って見ていたら、それどころじやなくなって。



私は噂なんかに振り回されて、その人を判断するのが嫌なんです。



自分の目で見てきたものだけを信じる。



それだけです。



それに、あそこのライブ会場に居る霊達は、音楽が好きなだけであって、



決して人間に危害は加えない・・・。



Kさんはともかくとして、あそこの霊達の事を悪く言われるのだけは



我慢出来なくて・・・。



そう言われた。



そして、俺が、



今度、何かお礼しなくちゃね・・・。



と言うと、



あっ、お礼はして欲しいですね。



それと、さっき言われてたように、Kさんもちゃんと人を呪える



位の力は最低でも身に付けておかないと・・・。



Kさんは、ボーっとしてるから気にならないかもしれませんけど、



さっきまでの調子が続いたら、間違いなくKさんの守護霊がTさんを



攻撃してましたから・・・。



そうなったら、笑い事ではなくなってしまいますから・・・。



だから、Kさんの守護霊に代わって、私がTさんにお灸をすえて



おきますから・・・。



呪いじゃありませんけど、まあ少しはあの性格が直るくらいの



体験をしてもらいましょうかね(笑)



そう言って、さっさと何処かへ立ち去っていった。



その後、Tが霊的な現象に悩まされて、音楽どころではなくなっている、



という噂を聞いたが、それがお灸ということなのだろうか。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:34│Comments(0)
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