2018年11月09日

守護霊と動物霊

姫はとても強力な二つの力で守護されている。



とても徳の高い守護霊とそして、凄まじいほどに強力な悪霊。



ただ、その力が憑いているから、姫の力が凄いのかと言えば、



そうではないらしい。



姫の素性が凄いから、その様な特別なものが憑いているのだという。



だから、それらが相乗効果となった時の姫の力は比するものが無い。



Aさんは、そう言っていた。



それでは、守護霊というモノを持っていないAさんは、どうなのかといえば、



明らかに自分の力のみで全てを行う。



だから、きっと、単独の力で比べるとしたら、現時点ではAさんの



右に出る者はいない、と俺は思っている。



逆に考えれば、Aさんにとても強力な守護霊が憑いたとしたら、



それはきっと想像を絶するほどになるのかもしれない。



だから、俺はある日、言ってみた。



Aさんも、何処かで強い守護霊を見つけてくれば良いのに・・・・と。



すると、Aさんは、完全に呆れた顔をして、



あの・・・ですね。



相変わらず想像を絶するボケ具合ですよね。



守護霊って、中古車やペットを買うのとは全然違うんですよ。



だから、何処かで見つけてくれば良い、という様な簡単な



ものではありませんから。



それに、守護霊がいない人って、凄くとり憑かれ易いんです。



それに、強い守護霊が憑いたとしても、それに支配されてちゃ



意味ありませんから・・・。



姫ちゃんみたいなのは別格としても、それだけ強い守護霊を憑かせる



のだとしたら、自分もそうとう強くならないといけないんです。



だから、そんな事を簡単に言うもんじゃありませんよ・・・。



そう言われてしまった。



そして、その話を聞いた少し後で、こんな事があった。



それは俺とAさんの共通の友人の身に起こった。



彼女は、誰からも好かれる存在だった。



常に他人のことを親身に考え、真面目で勤勉。



決して他人の悪口は言わない、というAさんとは真逆の



性格なのだから、敵など出来るはずもない。



しかし、ある日、彼女は友人と山登りに出掛け、そして帰ってくると



別人になっていた。



どうやら山で、彼女ははぐれて道に迷ったらしく、再び友人の前に



現れたときには既におかしかったという。



仕事にも行かなくなり、寝て食べるだけの生活。



性格も怒りっぽくなり、威張り散らす。



そして、常に誰かの悪口を言う様になった。



その変わり様は、驚くほどで、まるで別人の様だった。



そして、それは言動だけではなく、容姿にも現れていた。



目は吊りあがり、口元からは常によだれが垂れている。



目の焦点は定まっておらず、時折、妙な奇声を発した。



その姿を最初に見た時、俺はきっと何かに憑依されたのだと思った。



なんとか、悪い霊を祓わなければ、と。



しかし、全く別の視点で見ている人がいた。



それはAさんだった。



俺が、彼女の姿を見て、Aさんに、



何とかしてやってよ・・・・。



と言うと、Aさんは難しそうな顔をして、



助けてあげたいけど・・・・無理・・・ですね。



そう呟いた。



俺が、



なんで?



Aさんなら、簡単に祓えるんじゃないの?



と聞くと、



ええ・・・憑依されたのなら・・・。



でも、あれは憑依されてるんじゃないんです。



実は彼女にも守護霊がいなかったんですよ。



だから、私も以前から気に掛けてたんですけどね。



そして、今の状態は守護霊がついた状態とも云えるんですけど・・・。



守護霊って、元々、対等か、もしくは本人の方が上の立場にある



ものなんですけど・・・。



たまに、立場が逆転して、守護霊の方が支配してしまう事もあるんです。



まあ、それが徳の高い守護霊なら別に問題は無いんですけどね。



でも、彼女の場合、そうではないんです。



守護霊がいない人に、一番憑き易いのは動物霊です。



守護霊気取りで人間を支配しようとするんです。



それでも、本人が強い霊力を持っているか、もしくは、姫ちゃんみたいに



潜在能力が高い人なら、動物霊も下手な事は出来ないんですけどね。



はっきり言ってしまえば、彼女に守護霊として憑いてるのは、



狐です。



それも、かなり位の高い狐。



これって、かなり厄介な事なんですよね・・・。



普通の狐だったら、なんでもないんです。



いわゆる、狐憑きという状態なら・・・。



でも、位の高い狐は、とても手強いんです。



プライドが高いだけでなく、その霊力も強大です。



だから、犬と蛇と並んで、狐は最も相手にしたくない動物です。



そう返してきた。



それでも、やはり放っては置けなかったのだろう・・・。



Aさんは、単身、彼女の所へ出向き、狐を説得しようとした。



俺はその時、車の中で待機していたのだが、彼女の部屋から出てきた



Aさんを見て、思わず目が点になった。



何かをかけられ、びしょ濡れになったAさんがトボトボ歩いてきた。



あのAさんが・・・・。



俺が、



どうしたの?



と聞くと、



見て分かりませんか?



水をかけられました・・・・大量に・・・・。



出て行け、と。



お前などの出る幕では無い、と。



むかつきました!



完全に彼女を乗っ取って守護霊気取りでいますね。



狐のくせに・・・・。



実力行使に出ようかとも思ったんですが、そうなると、彼女の身が



心配ですからね。



でも、このままでは絶対に済ましませんから・・・・。



だから、俺は、



このままでは済まさないって、狐を相手にして、何か方法はあるの?



狐は相手にしたくない動物なんでしょ?



と聞くと、



彼女の身の安全を確保した上で、寝ているところを攻撃するとか・・・。



そう言われたので、俺は



Aさん、狐の霊がいつ寝るか、知ってるの?



と聞くと、



そんな事知ってるわけないじゃないですか!



と自信たっぷりに返してきた。



そして、Aさんはこう続けた。



狐を彼女の中から出て行かせるとしたら、



もっと位の高いもの、例えば、同じ狐に説得して貰うのが一番



なんですけどね、と。



だから、俺は素朴な疑問をぶつけてみた。



それって、姫についてる狐じゃ駄目なの?



確か、相当、位が高いって言ってなかった?



それとも、彼女に憑いてる狐の方が位が高いとか?



そう言うと、Aさんの目が輝きだした。



そして、



姫ちゃんの狐より位が高い狐なんて、たぶん日本にはいません。



そうでした。



姫ちゃんに頼んでもらえば良いんですよね。



確かに、あの子の憑いてる狐というのは、もう伝説的な存在の



狐ですから・・・。



確かに彼女に憑いてる狐の位も高いみたいですけど、さすがに相手には



ならないと思いますから。



Kさんもたまには良い事言うじゃないですか!



そう言ってニンマリと笑った。



そして、数日後、姫と一緒に彼女の部屋を訪れたAさんは、とても



嬉しそうな顔をしていた。



まるで、積年の恨みでも晴らせるかのように・・・。



姫は相変わらず、呑気に、



狐ちゃん、同属の争いは嫌だ、って言ってますけど?



などと喋っていたが、Aさんが手を合わせて、



お願い!



このままじゃ、私のプライドが・・・・。



だから、狐さんに頼んでみて!



姫ちゃんがお願いすれば、断れないでしょ?



と言うと、姫が、



その狐にそんなに酷い事されたんですか?



と俺に聞いてきたが、まあ、俺が常日頃、Aさんから受けている



言葉の暴力にら比べれば可愛いものだと思うのだが・・・。



そんな感じでAさんと姫は部屋に入っていく。



俺はいつもの様にドアの外で待機する事にした。



そして、10分ほど経っただろうか・・・。



部屋から出てきた彼女はもう既に以前の彼女に戻っていた。



そして、どうやら、姫の狐の力を借りて、その狐に説教しまくった



らしいAさんは、



あ~スッキリした!



ととても晴れ晴れとした顔をしていた。



ちなみに、その後、聞いた話では、姫と一緒に彼女の部屋を



訪れた時、姫の背後に憑いている狐の姿を見て、すぐに、その狐は



彼女から離れて、ひれ伏していたそうだ。



それを観たAさんが、狐に説教を開始して、言いたい放題、文句を



言っていたそうだ。



いつもの上から目線で・・・。



そして、



今すぐ、この人から離れなさい!



と言われ、二つ返事で、その狐は逃げるように何処かへと消えていった。



その話を聞いた俺は、



Aさんなら、きっとどんなに強い狐に憑かれても大丈夫だろうから、



いっその事、狐でも守護霊にしたら?



と言うと、



ひとそれぞれだと思いますけど、私は守護霊がいない方が気楽



なんですよね・・・。



自分の身は自分で護りたい方なので・・・。



でも、以前はちゃんと居たんですよ、私にも。



守護霊が・・・・。



そう言って少し寂しそうな顔をしたのが、何故か気になって



仕方なかったが、俺にはそれ以上、聞く勇気は無かった。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:53│Comments(0)
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