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2018年11月10日

玄関からやって来るモノ

これは友人の家で起こった話。



彼の家は、彼と奥さんの二人暮らしである。



それなのに、2階建ての一戸建てに住んでいるという贅沢者である。



子供が出来ないというよりも、元々、子供を作る気は無かった。



それなのに、新築で、1階に大きなリビングと和室、そして



2階にも、彼らの寝室の他に、2部屋も作ってしまったという。



お互いの部屋として趣味や仕事に使うつもりだったらしいのだが、



結局、その部屋は使われないまま、開かずの間となってしまっていた。



彼はそれなりの収入があり、それだけで十分生活できるだけの



収入だったのだが、奥さんも気晴らしを兼ねて週に何日かは



外へパートに出掛ける。



そんな生活を送っていた。



そして、その日は、ちょうど奥さんのパートが休みの日だった。



朝から生憎の雨模様だったのだが、奥さんは彼が出掛けた後、



洗濯をし、家の中の掃除を済ませ、買い物に出掛ける前に



少しだけ、ソファーに座ってテレビを観ていた時の事だ。



突然、玄関のチャイムが鳴った。



奥さんは、モニターを確認して訪問者を確認しようと、立ち上がり



モニターの画像を見た。



しかし、そこには誰も映ってはいなかった。



もしかして、町内会の回覧板を持ってきた人が、チャイムを鳴らしたのかな、



と思い、奥さんは再びソファーに戻ろうとした。



すると、また、玄関のチャイムが鳴らされた。



だが、相変わらず、玄関のモニターには誰の姿も映ってはいなかった。



奥さんは、不思議に思いながらも、



はい・・・どちら様ですか?



とモニタースピーカーで問いかけた。



しかし、外からは、車の走る音以外、何も聞こえては来なかった。



いたずらかな?



奥さんは、そう思い、モニターを消した。



すると、またしても、玄関のチャイムが鳴らされた。



しかも、立て続けに何度も・・・。



奥さんは完全に、いたずらだと判断したらしい。



一応、もう一度モニターの画面を見たが、誰も映ってはいない。



奥さんは、ムッとしてそのまま玄関まで歩いていった。



そして、玄関の中から、外にいる誰かに向かって、



いたずらなら、止めて下さい!



警察を呼びますよ!



と語気を強めた。



しかし、外からは相変わらず、何も反応は無かった。



奥さんはかなり頭に血がのぼっていたのだろう・・・。



いつもは、そんなに大胆な行動には出ないタイプの女性だったが、



その時は、考えるよりも先に体が動いてしまった。



急いで、靴を履き、玄関の鍵を開けると、そのまま一気にドアを



大きく開いた。



そして、



誰ですか?



いい加減にしなさい!



そう言って、辺りを見回した。



しかし、やはり、そこには誰の姿も無かったという。



間違いだったの?



でも、確かにチャイムが鳴らされたし・・・・。



そう思った時、奥さんは突然、背中に酷い悪寒を感じたという。



とんでもない事をしてしまった・・・・。



何かを家の中に入れてしまったかもしれない・・・・。



そんな嫌な感覚があったという。



それから、奥さんは玄関の鍵をかけてリビングに戻った。



そして、再びテレビの画面を観ていたが、何かとても嫌な予感がして



テレビに全く集中出来ない。



まるで、家の中から誰かに見られている・・・・。



それは、気のせいではなく、確かに強い視線を感じた。



奥さんは、怖くなってしまい、急いで彼に電話をした。



いつも、電話をかけてくる事など無い筈の妻から、突然かかってきた



電話だったので、彼は打ち合わせ中だったが、すぐに電話に出た。



そして、奥さんは先ほどからの出来事を彼に話した。



彼は、それを黙って聞いていたが、奥さんは彼から意外な言葉を



かけられる。



まあ、出来るだけ早く帰るようにするけど・・・。



でも、友達でも来てるのか?



それだけ人がいれば、怖くないだろ?と。



しかし、その時、家の中にいたのは、間違いなく奥さん1人だった。



奥さんは、彼に、



ちょっと、やめてよ・・・。



ただでさえ、怖がってるのに、冗談になってないから!



奥さんにそう言われた彼だっだが、彼の耳には受話器越しに確かに



複数の人間が話す声が聞こえていた。



彼はその日、予定をキャンセルして、早く家に帰ってきた。



そして、不安そうに固まっている奥さんを外食に連れ出した。



久しぶりに外で食べる食事に、奥さんも次第に元気を取り戻して



いくのが分かった。



そして、翌日は休みだった事もあり、彼らはそのままカラオケに



行って、ストレスを発散した。



そして、帰る頃には、奥さんもすっかり元気になっており、



気のせい!気のせい!



と元気にはしゃいでいた。



そして、彼が玄関のドアの鍵を開けて先に家の中に入った。



季節は、もう梅雨だった。



しかし、家の中は、明らかに寒く、そしてじっとりとした空気に



満たされていた。



そして、リビングに行った彼らは、思わず立ち尽くしてしまう。



そこには、真っ暗な部屋の中に、テレビだけが点いており、



ひたすら砂嵐の様な画面を映し出していた。



彼らが外出する時、間違いなく、テレビは消したはずだった。



それに、もしも消し忘れたとしても、何も映らない画面のままに



しておく事は考えなれなかった。



彼らは、武器になりそうな物を手に取って、家の中を確認する事にした。



家中の明かりは全て点灯させた。



怖さを紛らわす為に、窓という窓を全て開けて、外の空気を入れた。



いつもは煩いだけの外の雑音も、その時はとても心強く感じたという。



一応、1階も全て確認する。



和室、そして、浴室、押入れ・・・。



やはり、誰も居る筈がなかった。



そして、階段の明かりをつけて、いよいよ2階へとあがる。



わざと大きな音を立てながら階段をあがっていく。



その時、1階よりも2階の方が、さらに寒い事に気付いた。



2階へあがると、急いで、全ての明かりをつけた。



そして、彼らの寝室から調べていった。



朝起きたままの寝室が、そこには在った。



念の為にクローゼットも布団もまくって確認したが、どこにも



異常は無かった。



彼らは、ホッと安心して、寝室から出た。



そして、残りの使っていない部屋を見て回ろうとした。



しかし、二つある部屋のどちらも、まるで内側から鍵が掛けられた



かのように、ドアノブが全く動かなかった。



確かに、彼らはずっとその部屋に入ってはいなかった。



しかし、その部屋には鍵など付いてはいなかった。



結局、彼らは、ドアノブが動かないという事実を、



ずっと使っていなかった事による建て付け不良という事で無理やり



自分達を納得させた。



しかし、家の中を全て確認してしまうと、それまでの恐怖がかなり



改善され、それがあたかも、気のせいだったと思えるようになる。



そして、その日の夜は、二人でお酒を飲んで、午後11時頃に寝た。



異変に気付いたのは奥さんの方だった。



時計を確認すると、時刻は午前2時を回っていた。



奥さんは、キュッ・・・キュッという音で目が覚めたという。



そして、その音がする方に目をやると、何と彼が寝ている寝室の



ドアノブが、何度も上下に動いていた。



奥さんは、静かに、そして急いで彼を起こした。



起こされた彼は、寝ぼけ眼のまま、奥さんが指差す方を見た。



すると、そこには、ひたすら上下に動き続けるドアノブがあった。



彼は、眠気が一気に飛んでしまった。



この家には、彼ら以外は誰も居るはずが無い。



だとしたら、今、ドアノブを動かしているのは誰なのか?



いや、それ以上に、どうしてドアノブを動かしているだけで、ドアを開けて



部屋の中に入ってこないのか?



全てが疑問であり、恐怖だった。



しかし、彼には奥さんを護る義務が在った。



彼は静かにベッドから起き上がると、近くに立てかけてあった護身用の



ゴルフのドライバーを手に取った。



先ほど、家の中を見て回ったとき、手に持っていたドライバーを彼は



そのまま寝室まで持ってきていた。



ドライバーとはいえ、攻撃力のある物を手に持っていると、いつも



以上に勇気がでた。



それに、不安そうに見つめる奥さんが隣にいた。



彼は、出来るだけ怖がっていない素振りを見せて、立ち上がり、



ドアの方へ近づいた。



もしかして、泥棒なのか?



そう思ったという。



そして、相手が誰であろうと、奥さんだけは護らなければいけない、と



決意していた。



相変わらず、ドアノブは彼の目の前で上下に動き続けていた。



そして、次の瞬間、彼は予想外の行動に出る。



もしかしたら、ドアを開けるのが怖かったのかもしれない・・・・。



そして、部屋の中に、人がいる事がわかれば、相手がそのまま



逃げていってくれると思ったのかもしれない。



彼は、上下に動き続けるドアノブに手を伸ばし、そして、それを



しっかりと掴んだ。



すると、当然、ドアノブは上下に動かなくなった。



何度か、彼の手に、外から力が加わってくるのが分かったが、



それもすぐに消えてしまう。



そして、何かがドアから離れていく様な足音が聞こえた。



ズルッ・・・ズルッ・・・・ズルッ・・・・。



何かを擦り付けながら滑るような足音だった。



逃げていくものに対して、人は強くなれるのかもしれない。



彼は出来るだけ音をたてない様に、静かにドアを開いた。



廊下は真っ暗だった。



そして、その先、彼らがいつも使用していない部屋の前に何かが



立っていた。



背を向けて立つそれは、明らかに女の後姿に見えた。



しかし、白い洋服を着たそれは、異様に背が高く、そして、かなりの



猫背だった。



女だと認識出来たのは、単に、女物の洋服と髪の毛が長かったから・・・。



それ以外は、とても女性には見えなかった。



というよりも、その女の身長は、明らかに彼よりも高く、猫背であるにも



かかわらず、頭が天井に届きそうだった。



そして、異様に細いその姿に彼は戦慄を覚えた。



ただ、その時、彼にはもう1つ気になることがあった。



それは、その女が立っている部屋とは別の部屋のドアが少しだけ



開いていたという事。



彼は、その女よりも、そのドアの隙間が気になっていた。



そして、じっと見つめる彼の目に、在らぬ物が映りこむ。



そこには、ドアの隙間から、こちらを睨む、もう1人の女の顔が



在った。



彼は背中につめたい汗が流れるのを感じていた。



すると、突然、ドアの前に立っていた女が、彼の方を振り返った。



その動きは、とても速いものであり、彼は何が起こったのか、全く



把握出来なかった。



すると、その女は、そのままかがむようにして、彼の方へと



近づいてきた。



凄まじい速さだった。



彼は、思わず、



うわぁ!



という大きな声を上げて、ドアを閉めようとした。



しかし、その女の動きは彼の動作を凌駕していた。



彼がドアを閉め切る前に、ドアに女の手がかかった。



彼も必死でドアを力ずくで閉めようとしたが、その女の力は、彼の



想像を超えていた。



呆気なく、開かれたドアの前には、考えられないような大きな、そして



細すぎる女が立っていた。



そして、彼を見下ろすように、嫌な笑みを浮かべると、



ギャギャギャギャ・・・・・



と不気味に笑った。



その顔を見た瞬間、彼はそのまま意識を失ってしまった。



奥さんを護らなければ・・・・。



そう思いながらね彼の意識は、一気に薄れていった。



そして、ドアの前に、倒れたまま、彼は朝の光の中で目を覚ました。



部屋中に差し込んでくる朝の眩しい光は、昨夜の事が、単なる幻



だと思わせるには十分なものがあった。



しかし、彼はすぐに現実に引き戻される。



彼がベッドの方に目をやると、奥さんは、ベッドの上で上半身だけを



起こしたまま、呆然と天井を見つめていた。



彼は、急いで奥さんに駆け寄り、



どうした?



大丈夫か?



と奥さんの体を揺らした。



奥さんの目は完全に焦点が合っていなかった。



そして、彼の顔をぼんやりと見た直後、奥さんはそれまで見せた事の無い



ほどの下品な顔で、



ゲラゲラゲラゲラ・・・・・・・。



と笑った。



彼は急いで救急車を呼び、奥さんはそのまま入院となってしまった。



そして、彼は途方に暮れ、そして俺に助けを求めてきた。



俺は、いつも通り、Aさんに連絡を取り、彼の身に起こった事を



話した。



すると、Aさんは、いつもとは違う反応を見せた。



ドア、開けちゃったんですか?



それは、まずかったですね・・・。



それにしても、あいつらが、まだ、ウロウロと彷徨ってたんですね・・・。



そう返してきた。



俺は、すぐに聞き返した。



あいつらって、Aさん、知ってるの?と。



すると、Aさんは、まあ、随分と昔の話ですけどね・・・。



でも、あいつらに引導を渡すとなると、私1人では少々



難しいかもしれません・・・・・。



でも、分かりましたよ。



今回ばかりは、私も少しは関わりがありますから・・・。



それじゃ、今度の日曜にでも・・・・。



それまでに準備をしておきますから・・・。



そう言われた。



俺は、それから、彼に会って、Aさんの事を話した。



性格は悪いが、力だけは保障するから・・・と。



だから、安心してくれ・・・・。



そう言うと、彼は少しだけ嬉しそうな顔をした。



奥さんは、相変わらず病院に入れられている様であり、かなり精神的な



ショックが大きかったようであり、暴れだしたり、笑い出したり、



そして、突然、泣き出したり、と情緒不安定な状況であり、精神科の



個室部屋に入れられているとの事だった。



だから、俺は、その事も、Aさんに伝えた。



彼の家にいるモノ達だけてなく、奥さんも救ってやって欲しい、と。



すると、Aさんは、



病院の精神科・・・・ですか。



でも、ある意味、其処が一番安全な場所かもしれません。



だって、あいつらは、元々は其処から生まれたモノ達ですから。



だから、絶対に、病院、しかも精神科には近づかないと思いますから。



そう言われ、俺は更に謎が深まってしまった。



当日、彼の家に行くと、既にAさんの車が停まっていた。



しかし、Aさんの姿が見えなかったので、俺は辺りをキョロキョロと



見回していたのだか、突然、背後から、



こんにちは~・・・・お邪魔してます~



今日は宜しくお願い致します・・・。



という声が聞こえた。



振り返ると、そこには姫が立っていた。



いつもの様にニコニコと笑っている姫の姿を見て、俺は、



今回の相手が、それほどのものなのか、と思ってしまった。



Aさんと姫が、二人ががりで挑まなければいけない相手なんて・・・。



すると、今度は別の方向から声が聞こえてくる。



遅いですね!



師匠よりも遅く現場に入るなんて論外です!



振り返ると、やっぱりAさんだった。



俺はいつからAさんの弟子にされているんだろうか?



そんな事を考えていると、Aさんがこう言ってきた。



今回の相手は、とにかく狡猾な相手です。



そして、逃げるのが得意な相手です。



それなりに、力も持ってますからかなり厄介ですよ!



そして、元々、双子なので、どちらか1人でも逃がしたら、また



復活されてしまいますから・・・・。



だから、姫ちゃんにも手伝ってもらう事にしました。



そして、作戦なんですが、私が家の中に入って直接対峙しますから、



姫ちゃんは、家から外に逃がさないように結界を張ってもらいます。



そして、Kさんは、いつものように雑用・・ですかね。



こんな感じでいきますから・・・・。



そう言われた。



姫は元気に、はい!と返事をしていたが、俺はいつもにも増して



微妙だった。



外では、彼が不安そうな顔で立ち尽くしていたが、どうやら怖くて



家の中には入りたくないという事だった。



そして、それを聞いたAさんは、彼にこんな質問をした。



それじゃ、家の中の家具とかドアとか、壊しちゃうかもしれませんけど、



大丈夫ですよね?と。



すると、彼は黙って頷いた。



そして、それを見た時のAさんの嬉しそうな顔が目に焼きついている。



そして、家の中に入っていこうとしたAさんが俺に声を掛けた。



それじゃ、Kさん、行きますよ!と。



俺は目が点になって、



え?なんで俺が一緒に行くの?



と聞くと、



私の身の回りのお世話は誰がするんですか?



そういうのをまとめて雑用というんですよ。



そう言われ、俺は渋々、Aさんの後に続いた。



Aさんは、家に入ると、通っていった所に、全て護符のようなものを



貼り付けていく。



これで良し、と。



これで、あいつらはもう此処には逃げ込めませんから・・・。



そう話しながらゆっくりと家の中を進んでいく。



そして、そのまま2階に上がろうとするので、俺は、



1階は見なくて良いの?



と聞くと、



彼の話を聞けば、あいつらが2階の使われていない部屋にいるのは



簡単に分かりそうなもんですけどね・・・・。



そんな嫌味を言われた。



そして、階段をのぼろうとした時、Aさんは、突然、俺に合図して



先に行くように、と指示を出した。



何で、俺がAさんの前を進まなきゃいけないんだ?



そう思いながら、階段をゆっくりとのぼっていると、上から大きな音がして、



何かが落ちてくる。



それは、大きなカバンだった。



そして、中には何か硬いものが入っているようで、とても大きな音がして、



俺は思わず後ずさり、間一髪でそれを避けた。



そして、うしろのAさんは大丈夫かと振り返ると、Aさんは、階段すら



のぼっておらず階段の下で腕組みをしたまま、俺が必死でかばんを



よけたのが、面白くて仕方が無いといった感じで笑っていた。



そして、



いや~、あいつらも必死に抵抗してきますね。



これは潰し甲斐がありそうです。



ということで、Kさん、さっさと2階まで上がって安全確保をヨロシク!



そう言われた。



俺は少しむかついたが、彼の為だと思い、何とか我慢した。



そして、なんとか無事に2階まで上りきると、Aさんは余裕の表情で



悠々と階段を上がってくる。



そして、2回には部屋が3つ在った。



そのうちの二つが、まるで鍵が掛かったようにびくともしなかった。



俺が、



これから、どうするの?



とAさんに目配せをすると、Aさんは、嬉しそうな顔で持参したバッグから



何かを取り出そうとした。



それは、予想よりも大きな金槌だった。



そして、Aさんは、俺に確認してきた。



壊しても良いって、言ってましたよね?確かに。



それを聞いて、俺は首を縦に振ったが、一応、



これでも、出来るだけ穏便にしないとね・・・・。



と言ったが、Aさんの耳には届いていなかった様だ。



大きく振りかぶったAさんは、その大きな金槌をドアのノブめがけて



振り下ろした。



ドアノブはいとも容易く折れてしまった。



そして、Aさんは、



それじゃ、いってきますから・・・・。



そう言うと、1人で部屋の中に入っていく。



部屋の中からは、



久しぶりだよね・・・とか、



今回ばかりはもう逃げられないから・・・・という声が聞こえてくる。



すると、突然、隣の部屋のドアが少しだけ開いた。



俺は固まってしまった。



そこには、とても細くそして、大きな女がこちらをじっと見つめていた。



俺は恐怖したが、その恐怖はすぐに消えてしまった。



何故なら、その人間とはとても思えない様な女は、明らかに何かに



怯えていた。



そして、その恐怖の対象がAさんであることは明らかだった。



そして、どうやら、その部屋での除霊が終わったAさんが、悠々と



部屋から出てきた。



そして、それと同時に隣の部屋のドアは勢い良く閉められた。



すると、間髪をいれずに、Aさんは、隣の部屋のドアノブも一気に



破壊した。



そして、一言。



まあ、こんな金槌なんて使わなくても、元々鍵が掛かってるわけじゃないので、



簡単にドアは開けられるんですけどね・・・。



でも、まあ、ストレス解消ということで・・・。



その時のAさんの顔は、とても満足気に微笑んでいた。



物を破壊するという行為が、どれだけ好きなのだろうか・・・。



そして、部屋の中からは、先ほどと同じようなやり取りが聞こえてきた。



そして、Aさんの、



あっ・・・・



という声の後で、何かが電線にぶつかってショートした様な音が聞こえてきた。



俺はすぐにそれが、Aさんが少しヘマをして取り逃がしそうになったが、



結局、姫の強力な結界に阻まれて、捕まってしまったのだと分かった。



それにしても、この二人と対峙して勝てる相手など存在するのだろうか。



俺はそんな事をぼんやりと考えていた。



そして、また、数分後、Aさんが満足そうな顔で部屋から出てきた。



はい。終わりましたよ。



そう言っていた。



外に出ると、姫が、相変わらずニコニコと笑いながら、



あんな感じで大丈夫でしたか?



と聞いてくるので、Aさんは、



うん・・・バッチリだったよ。



お陰で逃がさずに済んだしね・・・。



そんな会話をしていた。



結局、その後、すぐに奥さんは完全に元に戻り、ずくに病院を



退院する事が出来た。



そして、それから、その家では一切、怪異は起こらなくなった。



ただ、それからは、彼も奥さんも、玄関のチャイムが鳴っても、



人の姿が見えないときには、絶対に玄関を開けることはしなくなったという。



そして、Aさんはこんな事を言っていた。



霊だって、元々は人間ですから、玄関から訪ねて来る事が多いんですよ。



だから、姿が見えないときには絶対に玄関のドアは開けちゃいけません。



そう言っていたのが、とても印象に残っている。



ちなみに、その後、彼と奥さんからは、Aさんには、大量のスイーツ券、



そして、姫には図書券がお礼として贈られたそうである。



そして、その霊達とAさんとの関係については、それから何度聞いても



まあ、色々とありますから・・・。



若気の至りというか・・・・。



としか、教えてはくれなかった。



ただ、



私としても、過去の失敗、遣り残した事が解消出来てホッとしてます!



と言っていたのだから、きっと、もう、あいつらが現れる事は



ないのだろう・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 00:02│Comments(0)
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