› 看板・サインスタッフブログ | 細田塗料株式会社 › マンションに纏わる話

2018年11月10日

マンションに纏わる話

これは俺の友人から聞いた話。



彼は今でこそ、お堅い職業に就いているが、子供の頃は、かなりの



わんぱくだったようだ。



そして、その日も友人達と一緒に何か楽しい事は無いか、と思案を



巡らせていた。



中学生の頃だったという。



そして、誰かが言った。



あのマンションに行ってみないか?と。



”あのマンション”とは、彼らの通う中学校の近くにある住人が1人も



住んでいないマンションの事だった。



何故、そのマンションに誰も住んでいないのかは、知らなかった。



ただ、建物自体は古いには古いが、まだまだ住める様に見えたし、



そのマンションよりも古くて汚いマンションにも住人が沢山



住んでいる所は在った。



だから、そのマンションは、彼らにとっては興味の的になっていたのだという。



しかし、理由は教えられなかったが、そのマンションには絶対に



近づかないようにと、学校や親からは厳しく言い渡されていた。



だから、彼らは、その提案に対して、かなり迷った。



それは、怖いから、というのではなく、もしも学校や親にバレたら・・・。



そんな理由からだった。



しかし、1人がその提案に賛成すると、結局、誰もが後には



引けなくなってしまい、結局、そのマンションを探検する事が



全会一致で決定した。



そのマンションまでは各自、自転車で移動した。



人目につかない場所に自転車を停め、彼らはマンションの入り口までやってきた。



その時は、中学生とはいえ、男が6人もいたのだから、怖いという気持ちなど



誰も持ってはいなかった。



マンションに入ると、階段を使って最上階まで上ることにした。



住人が1人もいない以上、当然エレベータは動かないと判断した。



そして、確かにそのマンションの入り口には、太いロープが張られており、



大きな文字で、



危険!立ち入るべからず!



と書かれていた。



とはいえ、そのマンションは8階建てだったから、彼らは8階まで



上る頃には、かなりの体力を消耗した。



その時、誰かがあることに気付いてこう言った。



もしかして、エレベータ・・・動いてないか?



そして、彼らはぞろぞろとエレベータの入り口まで歩いていく。



すると、やはりエレベータの電源は生きたままになっていた。



なんだ・・・階段なんて使う必要なかったじゃん?



誰かがそう言った。



すると、その時、突然、エレベータが動き出す音が聞こえた。



彼らは、思わずビクッとしてしまう。



そして、



どうして?



誰も住んでいないんじゃないのか?



そんな言葉が飛び交った。



勿論、彼らにしてみれば、無人のマンションという事で探検しようと



いう事になった訳であり、誰かが住んでいるのだとしたら、少し



状況が変わってしまう。



もしも、管理人か誰かが、まだ住んでいるとしたら、見つかったら



大変な事になる。



彼らは、そそくさとそのマンションから出ようという結論に達した。



と、その時である。



彼らが立っているエレベータの乗り降り口で、下の階からエレベータが



あがってくるのが分かった。



そのエレベータは1階から上ってきていた。



そして、彼らが居るのが8階だった。



もしも、8階まで上ってくるとしたら大変だ。



立ち入り禁止のマンションに無断で立ち入ったとなれば、学校に通報



されても文句は言えない。



彼らはまるで蜘蛛の子を散らすかのように、その場から離れて、階段に



身を隠した。



すると、エレベータは恐れていた通り、8階で停止した。



そして、ドアが開く音が聞こえ、中から誰かが降りてきた。



コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ



その足音から降りてきたのはハイヒールを履いた女性だと確信した。



そこで、彼らは壁の影からその女性が歩いていくのを目で追った。



特徴のある黒い防止を被った若い女性だった。



それにしても、その姿はファッションモデル、いや、それ以上に



細く、そして背の高い女だった。



ここに住んでるのかな?



たった一人で・・・。



怖くないのか?



そんな事を話していると、突然、その女性が通路の一番奥の部屋に入っていった。



彼らは恐る恐る、その部屋に近づいていった。



大人の男性ならば、そんな事はしなかったのだろう・・・。



しかし、相手が女性と分かってしまえば、いざとなれば逃げられる!



そんな余裕が心のどこかにあった。



彼ら6人は、その女性が入って行った部屋の前にやって来る。



表札には何も書かれていなかった。



そこで、彼らの1人が信じられない行動に出る。



それは、玄関のチャイムを鳴らしてから隠れよう、というものだった。



今から考えると、なんと無謀な行動をするのか、と驚いてしまうが、



その時の彼らの中に、その提案に反対する者は1人もいなかった。



彼らは1人が玄関のチャイムを鳴らすのを待って、全員でその場から



逃げた。



そして、彼らの中の1人はその場から逃げる際に、隠れ場所である



階段までの部屋のチャイムを全て鳴らしていった。



どうせ、他の部屋には誰も住んでいないんだから・・・。



それが、その理由だった。



彼らは階段のところまで来ると、先ほどと同じように壁の影に身を隠した。



きっと、驚いて出てくるだろう・・・。



どんな顔の女が見てやろう・・・・。



そんな思いで部屋のドアが開くのを待った。



しかし、部屋のドアはいっこうに開かなかった。



どれだけ待っても開かれないドアに痺れを切らした彼らは再び、その場に



戻ると、先ほどと同じように、そして今度は何度も玄関のチャイムを



鳴らした。



しかし、何度やってもドアが開かれる事はなかった。



そして、何度目かのいたずらの際、誰かがその部屋の玄関ドアのノブに



手を掛けた。



そして、そのノブを回し手前に引くと少しだけ玄関ドアは開いた。



おい!・・・この部屋、鍵が掛かってないぞ!



彼らのいたずらな心はかなり高ぶっていたのだろう。



彼ら全員の意思を代表するかのように、1人がドアノブを思いっきり



手前に引いた。



ドアは大きく開かれた。



そこで、彼らは恐怖に固まる。



そこには、真っ暗な部屋があり、開かれたドアのすぐ近くにその女が



立って笑っていた。



左右に小さく揺れながら、とても気持ちの悪い笑顔で・・・。



彼らは、一斉にその場から逃げた。



もう、いたずら心など、何処かに消え去っていた。



それは、彼ら全員が、その場に立っていた女が人間ではない、と



確信していたからに他ならない。



彼らは我先にと、階段を目指し必死で走った。



本来ならエレベータで逃げる方が良いかとも思われたが、先ほどの



女が乗ってきたエレベータには出来る事なら乗りたくはなかった。



そして、何とか、無事に階段まで辿り着いた彼らは、急いで



階段を駆け下りようとして急に止めた。



下から何かが階段を上ってきていた。



何かは分からなかった。



ただ、下から上ってくる者は、聞いた事も無い言葉の歌を唄いながら



まるで階段を裸足の足で飛び跳ねながらのぼって来ている様に



ペタッ・・・・・・ペタッ・・・・・ペタッ・・・・



そんな音を響かせていた。



彼らはお互いの顔を見ながら、それぞれが、



どうする?



どうすれば良い?



と聞いているかのようだった。



そして、彼らの中の一人が、身を翻してエレベータの方へと走り出す。



残りの5人も当然、それに続いた。



女の部屋の玄関ドアは相変わらず開いていたが、中からは誰も



出てきてはいない様子だった。



そして、先頭を走っていた1人が、エレベータに辿り着き、急いでボタン



を押した。



そのうち、全員がエレベータ前に集まり、エレベータの階数表示を見ると、



1階にあったエレベータがちょうど上り始めるところだった。



彼らはホッと胸をなでおろした。



と、その瞬間、突然、8階のドアが一気に開かれた。



その音は、とても大きく鳴り響いた。



ドアから何かが出てくる・・・。



そんな嫌な確信があった。



彼らは、何度も何度もエレベータのボタンを連打した。



そんな事をしてもエレベータが早く到着する事など、ありえないのは



よく理解していたが、その時の彼らには、そうするしか、恐怖を



紛らわせる手段が無かった。



誰も開かれたドアの方は決して見なかった。



もしも、ドアの方を見て、何かがこちらに向かってくる姿をみただけで



気が狂ってしまいそうだったから・・・・・・。



エレベータがのぼってくるのがやけに遅く感じた。



もうすぐそこまで、何かが近づいてきている様な気がして誰も声すら



出す事は出来なかった。



恐怖の中で震えながら、彼らはエレベータが早く到着するのを待った。



そして、音も無くエレベータが到着すると、彼らはなだれ込む様に



エレベータの中へと駆け込んだ。



そして、必死に、”閉”のボタンを連打しながら、1階の階数ボタンも



連打した。



エレベータのドアは音も無く閉まり、そして、彼らを乗せたまま、



ゆっくりと1階へと降りていった。



誰も何も喋ろうとはしなかった。



早くこのマンションから出たい・・・・。



それしか、頭には思い浮かばなかった。



すると、突然、階数ボタンの3階のランプがついた。



彼らは、またしても恐怖で固まった。



そして、無言のまま、エレベータの動きを見守っていた。



そして、3階まで来ると当然のごとくエレベータは停まり、そして



ドアが開いた。



そこには、先ほど8回の部屋で見た女が立っていた。



嬉しそうに気味の悪い笑みを浮かべながら、まるで、エレベータに乗っている



彼らの顔を確認しているように感じたという。



そして、彼らの中の1人が、”閉”ボタンを連打すると、そのまま無事に



エレベータのドアは再び閉まった。



そして、1階まで到着すると、エレベータのドアは音も無く開いた。



もしかして、あの女が待ち伏せしているかも?と思ったが、そこには



女の姿はなく、彼らは、エレベータから飛び出すと、そのまま



マンションの外へと逃げ出した。



そして、誰一人として喋る事無く、そのまま各自の自転車に乗ると、



そのまま自宅まで帰ったという。



しかし、それで、終わりではなかった。



それから、自宅に帰った彼らは、恐怖で震えていたという。



彼もそうだったのだから、きっと全員がそうだったのだろう。



そして、突然、玄関のチャイムが鳴った。



彼は恐る恐る玄関まで行くと、



どちら様ですか?



と問いかけた。



すると、玄関の引き戸の向こうには、誰かが立っていて、全く動いていなかった。



そして、突然、



お母さんだよ・・・・ここを開けておくれ・・・・。



そう言われたという。



確かに母親の声に限りなく近かったが、どこかが違う様な気がした。



彼は、恐怖で固まったまま、耳を塞いでうずくまっていると、外にいる



誰かは、玄関の引き戸に両手を掛けると、凄まじい力でガタガタと



引き戸を揺らした。



引き戸は、そのまま壊されてしまうのではないか、と思えるほど



大きく歪み、撓った。



だから、彼はうずくまったまま、必死で



ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・と繰り返していたという。



そうしているうちに、いつしか音は消え、玄関の前には誰も



いなくなっていたという。



彼は、それから、恐怖に震えながら家族の帰りをひたすら待った。



そして、両親や兄が帰ってくると、正直に、そのマンションに行った



事を話したという。



両親からは、こっぴどく叱られたが、それでも彼はまだ幸運な方だった。



どうやら、彼ら6人の家には、彼と同じように、何か得体の知れないモノ



が玄関に訪れたという。



そして、その殆どは彼と同じような行動を取った。



しかし、彼らの中の1人は、どうやら玄関のドアを開けてしまった



様だった。



両親が帰ってくると、玄関は開きっぱなしになっており、家の中には



誰もいなくなっていたという。



そして、それから、どれだけ探しても、その1人の行方はいっこうに



掴めず、現在に至る。



警察や両親、学校が、そのマンションにも探しに行ったらしいが、結局、



彼はそのまま行方不明になった。



そして、それから、聞いた話では、どうやら、そのマンションは、



元々は、大勢の住人が住んでいたらしいのだが、ある日突然、



いたるところで不気味なモノが目撃されるようになり、そのうち、



住民の中から、そのマンションで自殺するものが後を絶たなくなり、



そのマンションは閉鎖されたのだという。



そして、閉鎖されてからも、わざわざ、そのマンションに自殺しに来る



者が後を絶たず、仕方なく、立ち入り禁止にされてしまったという事だった。



今では、そのマンションは取り壊されてしまい、大きな駐車場になっている。



駐車場になる前には、別の建物を作ろうとしたらしいが、工事の段階で



かなりの事故が頻発し、建設を断念。



そして、駐車場になった今でも、その土地では怪奇現象が後を絶たない。



そして、人身事故も頻繁に起きている。



やはり、元々、呪われた土地というものは存在しているようだ。



Posted by 細田塗料株式会社 at 00:12│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

count