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2018年11月10日

シャワーから始まる怪異

これは友人が体験した話である。



その日、彼女は仕事が多忙を極め、自宅マンションへ帰ったのは



既に午前1時を回っていた。



一人暮らしの彼女は、買ってきたコンビニの菓子パンを食べながら



ぼんやりとテレビを見ていた。



番組の中身は全く頭に入って来なかったが、それでも、馬鹿馬鹿しい



お笑い番組は彼女の疲れを和らげてくれた。



パンを食べ終わった彼女は、シャワーを浴びようか、と迷った。



マンションという事もあり、いつもなら、そんな時間にシャワーを



浴びる事はしなかった。



しかし、仕事で嫌な事もあり、更に夏の暑さでかなり汗をかいて



いた事もあって、きっとこのままではぐっすりと安眠できないと



思ったのだろう。



彼女は既に午前2時を回ろうかという時刻にシャワーを浴びる事にした。



最初は、隣の住人が煩くないようにと、最新の注意を払いながら



シャワーを浴び始めた彼女だったが、蒸し暑い夜に浴びるシャワーは



一気に汗が引いていき、とても気持ち良かった。



だから、ついついいつもよりも長くシャワーを浴びてしまっていた。



やっぱりシャワーを浴びて正解だったわ・・・。



そんな事を考えながら、彼女は熱いシャワーを浴び続けた。



その時、ふと、誰かが浴室のドアの横に立っている気がした。



ドキッとした彼女は、シャワーを出したままで、恐る恐るドアの方を



見るが、当然誰も居ない。



そして、一応、念のために浴室のドアを開けて、様子を窺った。



あれ?なんで?



その時、彼女がつけたままにしてきた筈のリビングのテレビの音が



全く聞こえなかったという。



あれ?私、無意識にテレビ消しちゃったのかな?



そう思った彼女は、少し怖くなってしまい、急いで髪を洗ってシャワーを



終わらせようと思ったという。



シャワーで髪を濡らしシャンプーをつけて泡立てる。



長い髪の彼女はいつも髪を洗う時にとても時間が掛ってしまう。



それでも、何故かその時は胸騒ぎがして、そして妙な圧迫感を感じ、



いつもよりも素早くシャンプーを洗い流そうとしていた。



その時である。



突然、彼女の肩に何かが乗った様な感覚を覚えた。



その感触は見なくてもすぐに分かったという。



人間の手。



そう、誰かの両手が彼女の両肩を軽く掴むようにして乗っていた。



彼女は完全にパニックになった。



幽霊という感じはしなかったという。



手は特に冷たい事もなく普通に柔らかかった。



だからこそ、



誰かが家の中にいる・・・。



私以外の人間が・・・・。



そう思うと、一人暮らしの彼女には恐怖以外の何物でもなかった。



声を上げようかと思った。



しかし、もしも強盗だとしたら声を上げたりすれば命の危険もある。



彼女は、震えながら、それでも必死にシャンプーをさっさと洗い流し



視界を確認しようとした。



しかし、そんな時に限って、なかなかシャンプーの泡は消えてくれない。



彼女は自分の長い髪を後悔したという。



すると、突然、彼女の肩から手が離れる感覚があった。



一瞬、彼女は、安堵したという。



しかし、次の瞬間、その手らしきものは、彼女の背中や足を



ペタペタと触りだす。



彼女は、その瞬間、相手は男であると確信し、自分の危機的状況に



絶望した。



そして、思ったのは、



何をされたとしても命だけは守らないと・・・。



という事だった。



しかし、次の瞬間、彼女の耳もとで、うふふ、という笑い声が聞こえた。



女?女なの?



彼女は、一瞬、絶望から立ち直ったが、次に考えたのは、何故女が



自分部屋に侵入しているのか?という事。



もしかしたら、友達?



いや、もしかしたら、実家の妹?



しかし、そう考えるのは無理があった。



彼女は、必死で視界が確保できる程度まで泡を洗い流し、そして、



前方にある鏡を見た。



そこには確実に誰かが映っているはずだった。



しかし、何故か、鏡には自分以外の手も足も映り込んではいなかった。



気のせいだったの?



でも、確かに誰かが触っていたと思ったけど・・・。



彼女は、気を取り直して、急いで髪を洗い流し、リンスまで



終わらせた。



こんな時間にシャワーなんか浴びたから、居ないものまで感じちゃうんだ。



シャワーからあがったら、さっさと寝よう!



そう思って、シャワーを止めてバスタオルを手に取った。



そして、浴室から出る時に、何気にもう一度浴室内を見てしまった。



彼女は引き攣り固まったしまう。



そこには、浴室の換気扇の高さの場所に、巨大な女の顔だけが



浮かんでいたという。



悲鳴を上げたかったが声が全く出なかったという。



彼女は、急いで浴室から出ると、そのままリビングに走った。



リビングに着くと、やはりテレビが消えていた。



正確にいうと、テレビは点いていたが、画面は砂嵐の状態であり、



音声もオフになっていたという。



すると、突然、リビングの明かりが消えて真っ暗になる。



彼女は既に恐怖のあまり、泣いていたという。



彼女は真っ暗なリビングの中で全く動けずにいた。



恐怖で完全に体が竦んでいた。



すると、突然、背後から声が聞こえた。



綺麗な髪ね~



それは低い女の声だった。



彼女の頭の中に先ほど浴室内で見た巨大な顔の女しか浮かばなかった。



彼女は恐怖で目を閉じるしかなかった。



しかし、次の瞬間、背後ではなく彼女の真正面から女の低い声が聞こえた。



ほら・・・・目を開けてよ・・・・。



彼女は、絶対に目を開けたくはなかったという。



しかし、その女の言葉を聞くと、まるで催眠術にでもかかったように



思わず目を開けてしまった。



そこには、紛れもなく、先ほどの女の顔が在った。



今度は顔だけではなく、ちゃんと体もあった。



その女は服は着ていなかったが、それが逆に、細すぎる体を強調しており、



とても異様に映った。



そして、その女は、じっと彼女の顔を見つめながら、自分の髪を



手ですいた。



すると、その動きに合わせるかのように、その女の髪がバサッ…バサッ・・・と



束になって落ちていった。



それはとても不気味な光景だった。



彼女は、そのまま意識を失い、気が付いた時にはすっかり朝になっていた。



夢かと思った。



いや、夢だと思いたかった。



しかし、彼女の足元には、しっかりと彼女の物ではない長い髪が束に



なって落ちていたという。



彼女はすぐに引っ越しを考えたが、お金が無くて断念した。



しかし、それ以後、彼女の部屋では怪異は一切起こっていないという事だ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 08:49│Comments(0)
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