2018年11月10日

もう一人の住人

これは知人が体験した話。



彼女は、元々、大阪の大学を卒業した後、そのまま大阪の企業に



就職し、ずっとOLをしていた。



親は大学を卒業したら地元である金沢市に戻って来て欲しいと



思っていたらしいが、彼女はそれを拒んだ。



やはり、大学時代に覚えた都会の楽しさは彼女にとっては捨てがたい



ものだったらしく、自分が一人娘だということも分かってはいたが、



紆余曲折の末に、大阪に残る事を決めた様だった。



それから、数年経ち、彼女の両親が相次いで病気に倒れてしまう。



彼女自身、大阪での暮らしに辛さも感じるようになっていたらしく、



彼女はそれまで勤めていた会社を辞めて、実家に戻る決意をした。



それまで、少しだけ関係が上手くいってなかった両親も、その事に



関しては素直に喜んでくれたという。



そして、実家に戻った彼女だったが、すぐに就職先は見つかったものの、



両親は、入院したっきり自宅には戻って来ない。



仕事が終わると、両親が入院している病院にお見舞いに行ってから



帰宅する。



そんな生活が続いたという。



そして、彼女が戻った実家だが、以前、彼女が住んでいた時とは違い



かなり大掛かりなリフォームがされており、彼女は実家に居ても



何か落ち着かなかったという。



まるで、自分が知らない家に勝手に上がり込んで生活している様な感覚。



彼女は、仕事から帰っても、誰とも話さず、ひとり暮らしをしている



時と何も変わらなかった。



だから、時間が余ってしょうがなかったのだろう。



そこで、彼女は、ネットショッピングで時間を潰すようになる。



しかし、両親の入院費が、今後どれだけ嵩むかも分からない状態では



何も買わず、ただ、色んな商品を眺めているだけだったという。



そんな時、彼女が夜、帰宅すると、宅配便の不在通知ず郵便受けに



入れられていた。



彼女に心当たりは無かったが、とりあえず宅配便のドライバーに連絡すると、



すぐに荷物を持って、やって来てくれた。



しかし、そこでトラブルが発生する。



ドライバーが持ってきた荷物は、明らかに彼女自身は注文などした覚えが



無かったから。



しかし、どうやらネットショッピングで購入された商品だと判り、とりあえず



その場は彼女が折れて代金を支払った。



しかし、届けられた商品は明らかに男性用の下着だった。



彼女は入院している父親に確認したらしいが、当然、そんなものは



注文などした覚えは無いと言われてしまう。



彼女は何か嫌な予感を感じたという。



しかし、それからも、注文などした記憶の無い商品が彼女の元に



届けられ続けた。



そして、その全てが男物ばかりだった。



勿論、その全てに彼女は心当たりは無く、ネットショップに対して詳細を



調べて貰った。



すると、その注文の全てが、午前2時~3時の間に受けつけられていた。



当然、そんな時刻に彼女が起きているはずはなく、彼女はネットショップに



抗議したらしいが、アンドロイド端末からの注文という事まで指摘



されてしまうと、さすがに強気に出るわけにもいかず、彼女は電話口で



丁寧に謝罪して、ようやく全ての商品を返品させて貰う事になった。



そして、彼女が、スマホからの注文を出来なくするように設定すると、



覚えの無い商品が届く事は無くなった。



それからは、彼女は全てに対して敏感になってしまう。



そして、敏感になった目でよく見ると、それまで気付かなかった



事が見えてきた。



それは、彼女が触った物が、彼女が帰宅すると、微妙に位置がズレテいる



という事だった。



最初は気のせいかと思っていたが、それはごく僅かだが明らかに位置が



ずれて置かれていた。



クッション、テレビのリモコン、玄関の靴、など、その全てが、本当に



僅かだが、置かれている位置が違っていた。



そして、彼女は決定的な事に気付く。



それは、夜、寝る前に歯磨きをしようと洗面所に行き、歯ブラシを



口に入れた時に気付いた。



歯ブラシが、直前に誰かが使ったかのように濡れているのだ。



その時、彼女は確信したという。



この家には私の他に誰かが住んでいる、と。



今、こうしている間も、家の中に居る誰かにじっと見つめられている・・・。



そう思うと、居ても立っても居られなかった。



彼女はすぐに警察に駆け込み、誰かが自分の家に居る!



と助けを求めた。



勿論、その日のうちに、警察は動いてくれたらしく、すぐに



彼女の家にやって来て、家中をくまなく調べた。



しかし、何処にも誰の姿も無かった。



それでも、彼女は必死に警察に訴えつづけたが、証拠が無い以上、



警察も引き上げるしかなくなる。



再び、独りぼっちになった彼女は、もう家に居る事は出来なかった。



その夜は、近くのビジネスホテルに泊まり、翌日には友人に頼んで



家の中を一緒に調べて貰った。



もしも、誰かが隠れてこの家に住んでいるとしたら、絶対に



その形跡が残されているはず・・・・。



しかし、どれだけ探しても、結局何も見つからなかった。



友人たちには、気のせいじゃないか、と言われたが、彼女にはそれまでの



経緯から、誰かが家の中に居るという確信があった。



そんな時、彼女の友人を通して、俺に相談があった。



その友人というのは、俺の仕事上の関係もあったから、俺はいつもの



Aさんに頼んで協力を依頼した。



最初に彼女の家を訪れた時、彼女は不思議そうな顔をしていた。



こいつらは、一体何者だ?という感じで。



しかし、そんな事など全く気にしないAさんが家の中を色々と



見て回った。



そして、しばらくすると、俺達が待つリビングにやって来て、こう言った。



まあ、予想はしてましたけど、これじゃ、警察がどれだけ調べても



何も見つからないでしょうね!



いいですか?



貴女の家に、もう一人居るのは、人間ではないんです。



霊・・・って奴ですね。



まあ、信じようが信じまいがどうでも良いですけど・・・。



で、見回ったついでに、家の中に護符を何枚か貼っておきました。



これで、この家は霊にとって快適な場所ではなくなりましたから、そのうち



すぐに逃げていくと思いますよ。



そう説明した。



すると、彼女は、



霊・・・ですか?



なんで、そんなものが、うちに居るんですか?



というか、そんなものと一緒に生活なんか出来る訳ないです。



すぐに退治とか、出来ないんでしょうか?



と返した。



すると、Aさんは、少し笑いながら、



まあ、浄化出来ない事はないんですけど・・・。



でも、そこまでの悪い霊ではないですしね。



つまり、何処かで貴女を見て、一目惚れされたみたいですよ。



だから、自分の存在を知って欲しくて、買い物したりしたんだと



思います。



まあ、歯ブラシを共用されるのは、嫌ですけどね(笑)



でも、良かったじゃないですか?



霊とはいえ、男性に好かれて・・・。



結構、イケメンでしたよ(笑)



それに、あの霊は絶対に貴女に危害は加えませんから。



だから、まあ、・・・・・・安心してくださいね。



そう言って、俺達はその場を離れた。



結局、Aさんが帰ってから、その家では不思議な事は一切起こらなくなった



ということだ。



ただし、それからというもの、彼女は、色んな所で、同じ男性の姿を



目撃するようになった。



かなり、イケメンらしく、彼女もまんざらでもないらしいが、きっと



その男性というのが、彼女の家に住み着いていた霊らしいのだが、



彼女には、言えそうもない。


Posted by 細田塗料株式会社 at 08:53│Comments(0)
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