2018年11月10日

北海道

これは俺の体験談である。



大学時代に初めてバイクで北海道を訪れて以来、すっかり魅了されて



しまい、それから毎年のようにバイクで北海道を回るのが恒例になった。



最初は大学のバイク仲間と一緒に回っていたのだが、やはり北海道という



土地柄なのか、1人でのんびりと回る方が楽しい事に気づき、大学の



夏休みまでにバイトでお金を貯めて北海道ツーリングに備えた。



とはいえ、お金はそれほど必要ではなかった。



勿論、フェリー代金とかガソリン代、飲食費などは必要不可欠



なのだが、その当時は、JRの各駅が、バイクツーリングの



ライダーさんの為に、駅を寝床として開放してくれていたから、



昼間、走れるだけ走って夜には寝易そうな駅で泊まり、見知らぬ



ライダーさん達と酒盛りをして楽しんでいた。



そんな感じだったから、妻との新婚旅行も北海道に決めた。



勿論、妻は海外に行きたかったようで猛反対していたが、それでも



初めての北海道旅行は、すぐに妻を魅了してくれた様であり、



それから、数年間は妻との北海道旅行が毎年の恒例行事になった。



新婚旅行は、会社にわがままを言って、3週間という長期休暇を



もらった。



どうせ北海道に行くなら、のんびりしたかったし、何より、それだけ



の時間があれば、妻もきっと北海道を好きになってくれるだろう、と



思ったから。



小松空港から羽田へ行き、そこのホテルで一泊した。



そして、翌朝、羽田から一気に釧路空港へ。



飛行機で北海道に向かうのは初めてだったので、かなり緊張していた。



特に、釧路空港は、その広さとモダンな造りに圧倒されたが、何より



圧倒されたのは、飛行機が釧路空港の滑走路に近づいた時。



まるで、山の間を縫うように高度を下げていき、いつ翼が山にぶつかる



のかと、気が気ではなかった。



そして、釧路空港で、オープンカーをレンタルして旅行はスタートした。



最初に向かったのは釧路湿原。



妻もそのスケールの大きさに圧倒されていた。



そして、メインの知床へ。



知床五湖に到着するころには、空は曇り雨が降り出した。



しかも、そこには急ごしらえの警告看板があった。



なんでも、数日前に知床五湖を回っていた方がヒグマに襲われて



大怪我をしたというもの。



そして、その年はヒグマの人間への被害が多い発生しているとの



警告看板だった。



そして、そこには、



それでも行くのであれば、他のグループと合同で行動し決して単独行動は



しない事。



そして、何が起きても自己責任でお願いします!



そんな事が書かれていたと思う。



勿論、俺は即中止しようと思ったが、妻は全く動じず。



結局、雨の中を二人だけで知床五湖へと向かい歩き出した。



俺達の前にも後ろにも、誰もいなかった。



そして、俺の頭の中には、数日前にヒグマに襲われた人がいる、という



事実が、どんどんと大きくなってくる。



もしも、ヒグマが現れたら・・・・・。



そう考えると、その時、どうやって妻を護ろうかと思案し始める。



しかし、手に持っているのは、武器にはなりそうもない傘しかなかった。



そんな事を考えて歩いていると、森の中から聞こえる小さな音すらも



ヒグマではないか?という不安を煽ってくる。



そして、10分ほど歩いたところで俺がギブアップ。



妻からの冷たい視線を浴びながら、駐車場へと戻っていった。



そして、そのまま知床のペンションへと向かった。



それからは妻の機嫌をとりつつ、ペンションでのんびりと過ごした。



そして、翌日は知床で遊覧船に乗り、知床の海を回る。



俺の頭の中には、知床なら、何処に居たってヒグマに遭いそうなイメージが



あったが、遊覧船に乗っている間、必死にビデオカメラを回す俺の前に



ヒグマが姿を現す事はなかった。



そして、それからはウトロ漁港でのんびり過ごす。



漁港では、生きたままのウニをそのまま食べさせてもらって、その感動が



凄まじく、思わず実家に、保冷パックで送ってしまう。



それから、ウトロ漁港でまる二日、のんびりと過ごした。



季節はずれの流氷がまだ残っており、俺は、流氷の上で寝ている子どもの



アザラシを発見。



どうしても、そのアザラシとお友達になりたくて、果敢にも流氷の上を



歩いて行った。



ところどころ、流氷も溶けだしていて、危ない場所もあったが、順調に



アザラシに近づいていくと、通りかかった漁師さんが、



おーい…そんな所にいると危ないぞ!



アザラシを狙って、海の中にはシャチが来てるかも知れんからな・・・。



シャチは人間は襲わんが、アザラシと間違われたら、そのまま食われてしまうぞ!



そう言われて、すぐにその場から逃げだす俺。



そして、それを冷たい目で見ている妻の目が少しだけ怖かった。



それにしても、ウトロ漁港で丸二日間、ぼんやりと海を見て過ごしたが、



あんなに贅沢な時間の使い方は初めてだった。



とても、素敵な時間であり、老後は出来る事ならウトロ漁港の近くに



のんびりと住みたい、と思ったのは妻も同じだったようだ。



ウトロ漁港にあるコンクリートの山に登って上からぼんやりと海を



眺めていた。



とても貴重な時間だった。



それから旭川に美味いラーメンがあるとのことで、車で移動。



長い行列で待った末に食べたラーメンは???だった。



まあ、グルメ情報とはそんなものなのだろう。



その時は北海道を完全にぐるりと一周するつもりだったので、そそくさと



旭川を離れ、一路、稚内を目指した。



その途中、飲んで牛乳のうまかった事!



そして、何か所かで熊牧場にも立ち寄ったのだが、その中の一つで



偶然、鉄の柵に寄りかかって休んでいたところ、背後から唸り声とともに



がシーンという大きな音が!



思わず振り返ると、その熊牧場でも最も大きいであろうヒグマが大きな手を



ぶんぶんと振りかざしていた。



俺の背中との距離は50センチも無かったと思われる。



思わず、その場から逃げかえったのは言うまでも無いが、まさかあんな通路から



離れた場所に、あんな巨大なヒグマが展示されているとは思いもしなかった。



そんなこんなで稚内に到着したが、特に見る物も無く、さっさと昆布を



買って、その場から立ち去る。



それから、色々と回ったが、摩周湖、屈斜路湖と神秘的な水の色に癒される。



特に宿泊した屈斜路プリンスホテルでは、その奇妙な建物の構造も驚いたが



どうやら、俺が外を散策していた時に、もう一人の俺が部屋に戻ってくるという



奇妙な事件が発生した。



口数が少ない以外は完全に俺とうり二つだったと妻は断言していた。



結局、クッシーを発見して大儲けしようとしたが、ついには発見には



至らなかった。



そして、網走刑務所などでは、明らかに霊的な空気を感じて早々に退散。



ただ、網走湖荘というホテルで食べた海鮮ラーメンは、私の中での



ベスト3に間違いなく入るラーメンだった。



ちなみに、北海道の宿に泊まると、海鮮料理ばかりでおもてなしを



されるので、洋食メニューの店やファミレスが恋しくて仕方なかった。



だから、道すがら、くるまやラーメンを見つけた時には、勿論、そそくさと



お店に直行したのは言うまでも無い。



そして、トドが大好きな俺は、道すがら、色々な水族館に立ち寄ったのだが、



とある水族館では、信じられない程の巨大なトドに巡り合えた。



嬉しさのあまり、トドのプールのすぐ近くからカメラ撮影をしていたが、



どうやらトドの機嫌を損ねたらしく、水面に浮きあがった際、何かを



頭に吹き付けられた。



触ると、妙にベトベトしていたが、近くにいた子供が、



あ~、あの人、トドに鼻水かけられてるよ(笑)



との声に、すぐに髪の毛に付着した者を必死に取ろうとしたが結局、



宿泊先のホテルでシャワーを浴びるまで、それが取れる事は無かった。



そして、それからも、ヒグマに興味があった俺は、ヒグマと関連の在る



施設をくまなく巡ったのだが、その中で、歴代最大といわれている



北海太郎というヒグマの剥製を見に行った。



しかし、その大きさは期待はずれというのが素直な気持ちだった。



だた、その後、カムイコタンで屋外に展示されていたヒグマの剥製を



見て、その大きさに圧倒されてしまい、その夜、恐怖で眠れなかったのは



言うまでも無い。



そして、ヒグマの獣害事件としては絶対に外せないであろう、三毛別



の事件跡地を訪問。



素直にその場所に行くと、恐ろしいという感情と共に、悲しい気持ちになった。



妻と二人でしっかりと手を合わせてお祈りをさせて貰った。



色々あったが、旅の終わりに近づいた時、最後の贅沢として、札幌グランドホテル



のスイートルームに宿泊。



そこを拠点にして、丸3日間、札幌を満喫したのだが、どうやら同じフロアの



スイートルームにチ○ゲ&飛鳥のお二人もツアーの宿泊先として利用して



いたらしく、やたらと厳重な警備だった。



せっかくの新婚旅行なのに・・・・。



だいたい、こんな豪華なホテルをコンサートツアーで利用してんじゃねぇよ!



と文句を言っていたら、チ○ゲさんと偶然、廊下でバッタリと会ってしまい、



すかさず、



あの~、チ○ゲさんですよね?



実は新婚旅行でこのホテルに泊ってるんですが、良かったらサインして



頂けませんか?



というと、チ○ゲさんは、



それはおめでとうございます。



と握手をしてくれ、そのうえ、何処にすればよいですか?



と聞いた上で、俺のTシャツの背中にサインをしてくれた。



うん、まあ、なかなか良い人だった。



そして、そこでは結婚してから初めての夫婦喧嘩など、色々とイベントが



発生したが、一番記憶に残っているのは、テレビでやっていたニュース。



どうやら、札幌近郊の線路で、ヒグマが電車にはねられて死亡した



という内容だったのだが、そのヒグマの大きさは完全にモンスター級。



こんな巨大なヒグマが、札幌近郊の線路を歩いていたのか、という



驚きと、こんなんじゃ、夜中に気楽にコンビニにも行けないじゃん!



と思い、恐怖に浸食されていった。



そして、北海道旅行中、人生初めてのオープンカーで好い気になって



走り回っていた俺は、35キロオーバーで白バイのお兄さんに



赤色の素敵な切符を切って頂きました。



新婚旅行が終わり、会社に戻るとすぐに免亭となってしまい、それから



数ヶ月間、俺は社内の冷たい視線にさらされながら、車内勤務を続ける



羽目になってしまった。



あー、こんな事を書いているとまた、北海道旅行がしたくなってくる。



まあ、本当に老後は北海道に移住するのも悪くないかな?と思いつつも、



やっぱりヒグマが怖いからな~と優柔不断な性格は治りそうもない。


Posted by 細田塗料株式会社 at 08:54│Comments(0)
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