2018年11月10日

結界を張る人達

これは、富山の住職から聞いた話。



どうやら、この日本という国には、いまだに科学では証明出来ない



事が本当に多く起こっているようだ。



よく、科学で証明出来ないものは実在しないのと同じ、という言葉を



耳にするが、それは単なる人間の奢りにしか聞こえない。



実際、人間は海に関して、まだほんの僅かしか分かっていないし、



地下、そして宇宙ともなれば、全く分かっていないに等しいのかも



しれないからだ。



そして、現実として、霊的なものに悩まされ生きた心地もしない毎日を



送られている方も多いのだろう。



ただし、人間としても、全ての人がただ漠然と生活を送っている訳では



ないようだ。



この現代において、自らの静かな生活というものを捨てて、修行に



明け暮れ、そして、その力をこの国の安定の為に費やしている



人達がいるのだという。



それも、1団体というものではなく、複数の集まりが、それぞれの



修行のもとに、力を高め、日本全土を覆うようにして結界を



張っているのだそうだ。



それぞれの団体や集まりが相まみえたり親交を交わす事は無いようだが、



それぞれの方達が目指している目的は、ただ一つ。



すべての人が霊的なモノに脅えないで暮らせる世界を作ること。



本当に頭が下がる思いである。



そして、それを俺に教えてくれたのは懇意にしてもらっている



富山の住職だ。



そして、どうやら富山の住職の昔の仲間も、その団体に所属し、日々、



日本中を移動しているのだそうだ。



富山の住職も、似た様な事をしているが、それはあくまで個々の案件に



対しての対処に限定されるものだし、何より、すぐに結果が出ない



であろう、日本全国に結界を張る、という気の遠くなりそうな



試みとは全く別のものだという。



実際、日本全土に結界を張るという作業は、日本中を一回りして



終わりというものではないらしい。



常に日本中を移動しつつ結界を張って、それを維持していく。



きっと、その作業は一生かかっても成し得ないものだろうし、それを



いずれは次の世代の者達が引き継いでいくことになるのだろう。



まさに終わりなき献身としか言えない。



そんな古き友人と、富山の住職は会って酒を飲み、お互いの思いを



ぶつける事もあるのだという。



その友人というのもかなりの能力の持ち主らしく、大抵の霊ならば



簡単に除霊し、浄化に持っていく事が出来るのだという。



お互いに厳しい修行をこなし、幾多の経験を積んできた二人。



そして、酒の席で必ず話題にのぼるのが、Aさんと姫の事だという。



友人は、住職に対して、いつも、自分たちの行動に参加しないか?



と誘ってくるらしい。



もうこの日本には、それ程の霊力を有した者などいないのだから、



お前は貴重な人材なのだ、と。



しかし、住職はいつも、その誘いを固辞している。



そして、そんな時、必ず住職が言う言葉は、



今の日本だって捨てたものじゃない・・・。



若い者にも、有能な霊能者は沢山いるし、中には常識では考えられない



能力者もいる。



だから、今は、そんな若者達を見ている方が楽しい。



という言葉である。



そして、その言葉の後には、必ず、Aさんと姫の話をするらしい。



かたや、若いのに、自分など足元にも及ばない様な霊能者であり、



かたや、修行も殆どしていないにも拘らず、化け物じみた霊力を



持っているのだと。



そして、その二人は女性であり、日頃は普通に働いたり学校に通ったりしている



のだと。



すると、いつも、その友人に、馬鹿馬鹿しい、といって笑われるらしい。



だからといって、住職も、決して笑われたことに反論はしない。



まあ、お前にも今に分かるよ・・・。



そう言って、話を終わらせるのだという。



そして、俺が、



どうして?もっと、ちゃんと説明してやればいいじゃん?



と言うと、



まあ、こんなものは、口で幾ら説明したって分かって貰えるもんじゃないしな。



何しろ、最初は俺自身も信じられなかったくらいだから・・・・。



自分はあれほど苦しい修行をしてきたのに、どうして?



って、感じで。



それに、実際、この日本には、あいつらが知らないとてつもない霊能者が



まだまだ埋もれてると俺は思ってるから・・・。



Aさんの師匠もその力は計り知れないし、それにお前に憑いている



守護霊だって、あの二人がいるから目立たないが、相当なもの



なんだから・・・・。



まあ、お前は全くそれを自覚していないけどな(笑)



そう言って笑った。



そして、それから数ヶ月後、富山の住職から面白い話を聞いた。



Aさんと姫が、住職の寺で修行めいた事をせっせと行っていた時、



偶然、その友人が寺を訪ねてきたのだという。



血相を変えて、寺に駆け込んできた友人が、



おい!この寺で今、大変な事が起こってるんじゃないのか?



それにしても変なんだ。



凄まじい妖気と、とてつもなく強い結界が共存してる・・。



お前も分かってるだろうが、そんな事は起こり得ない事なのに・・・。



それなのに、お前は平然と構えている。



その理由を教えてくれ!



と、住職に食って掛かった。



そこで、住職は、



だから、前から何度も話してるだろ?



これが、お前が知らなかった現実ってやつだよ!



そう言うと、住職は笑いながら奥にいたAさんと姫をその友人に



紹介したそうだ。



え?今忙しいんですけど、何か?



とぶっきらぼうなAさんと、



うわ~、ちょうど休憩したかった所なんですよ~



あっ、お客さんですか~



はじめまして。



こんにちは~。



と、いつも通り、呑気な姫。



そして、それとは対照的に、完全に固まり目を白黒させている住職の友人。



こんな・・・・こんな事が本当にあるのか!



そう言って、二人をまじまじと見つめている友人に対して、



あの…見世物じゃないんですけど?



何か文句でもあります?



と好戦的なAさん。



そして、



そんな言い方したら駄目ですよ~



もっとフレンドリーに・・・・。



とマイペースな姫。



きっと、その友人も、Aさんや姫から感じるオーラが見えたのだろう。



更に、姫の背後にいるモノ達も・・・・。



しばらく開いた口が塞がらなかった友人だったが、しばらくすると、



うーん・・・・本当に世の中は広いもんだな・・・。



しかも、こんなレベルの霊能者が、こんな場所にいるなんて!



奇跡としか言えないかもしれない・・・。



そう言っていたという。



そして、Aさんも姫も、どこの宗派にも属しておらず、ある意味、



かなりの部分を独学でやってきたという事を聞いて更に



驚いていたという。



そして、最後には、こんな言葉を残していったという。



これじゃ、馬鹿らしくてこの地方に結界を張る意味なんて



無くなるよ、と。



それを聞いて、俺も、



確かに人格に問題はあるが、Aさんや姫がいれば、きっと



それ自体が結界となって、この辺り一帯は安泰なんだろうな、と



納得してしまった。


Posted by 細田塗料株式会社 at 09:14│Comments(0)
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