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2018年11月10日

エアコンが効かない車

これは知人から聞いた話。



その時、彼女は車を買い替えようとしていた。



いつもは新車しか買わない彼女だったが、その時はどうしても乗りたい



車があり、それは既に型遅れの旧モデルになってしまっていた。



だから、今回は仕方なく中古車を探すことにしたのだという。



それは少し変わった形の車だった。



可愛いというか旧車っぽいというか、とにかく古い車の割には



人気があったらしい。



つまり、彼女と同じように、その車に乗りたいと思っている人が



沢山存在するということで、当然のごとく、中古車の相場としては



異様に高いものになっていた。



しかし、どれだけ探しても彼女の予算に合う金額で、その車種を見つける



のは、かなり無理があった。



中古車雑誌、インターネット、ディーラーなどを回ったが、やはり



その車は台数が少ない上に、たまに見つけたとしても、とんでもない



高価格で売られているものばかりだった。



そうして、彼女が諦めかけていた時、偶然、近所に買い物に出た際に



小さな中古車店に、その車種が置かれているのを発見した。



彼女はすぐに、その店に飛び込み、その車の売値を聞いてみた。



すると、その車は、彼女の予算でもお釣りがくるほどの安値で



売られている事が分かった。



あまりにも安過ぎるので、彼女も一応、その車が事故車かどうかを



確認したが、はっきりと事故車ではない!と断言してくれたので、



彼女は安心し、その場で契約をしてしまった。



彼女がそれまで乗っていた車の下取り金額もあって、追い金は少ない金額



で済んだという。



夢にまで見た車を実際に買えた事で彼女は完全に舞い上がっていた。



納車の日までがとても長く感じ、彼女はその間に、新しいシートカバーや



フロアマットを購入して、その時を待った。



そして、納車の日、中古車店の人が、家まで車を運んできてくれて、



そのまま以前乗っていた車は下取りとして、そのまま持ち帰ったという。



本当に良い買い物が出来た、と彼女は心から喜んでいた。



彼女はすぐに友達数人に声を掛けて、その車でドライブに出かけた。



やはり人気車種ということもあり、色んな場所で彼女の車はそれなりに



注目され、彼女の優越感を満たしてくれた。



それにしても、その車は走行距離も少なく、あまり使用感も無かった。



とても綺麗な車で、車内も車外もまるで新車の様だった。



彼女にとってはまさに理想の車だった。



そして、夏が近づいた時、困ったことが起きる。



エアコンが全く効かないのだ。



最初の頃は我慢していた彼女だったが、さすがに気温が高くなってくると



我慢の限界が来てしまう。



購入した中古車店に持ち込もうと思ったが、その中古車店は彼女が



その車を購入した直後、閉店した様だった。



だから、仕方なく、彼女はディーラーに持ち込んだ。



クーラーが全く効かないんです。



そう言って診てもらったらしいが、サービスマンが調べた結果、



エアコンは正常に動いており、クーラーガスの量も問題無い、と



言われてしまう。



そんな筈はないからもう一度ちゃんと診て欲しいと頼んだが、実際



彼女の目の前で作動させたエアコンは、きちんと涼しい風を



送り出していた。



なんで?



彼女は、信じられないといった感じでディーラーを後にした。



しかし、車を走らせていると、やはりエアコンが全く効かない。



というよりも、エアコンの効きを最大にしているにも拘わらず、吹き出し口



から出てくる風は、ぬるいというよりも、どんどんと熱くなっていく。



本当に焼けるような暑さだったという。



彼女は、何度もディーラーや修理工場に車を持ち込んだが、どこで



診てもらっても、やはり異常なしという返答しか返ってこなかった。



それでも、彼女はその車が好きだったので、乗り続けた。



夏場はさすがにきつかったが、なんとか根性で乗り切ったという。



そして、季節が秋になった頃、彼女の車でドライブに出かけた友人が



変な事を言った。



この車、何かね焦げ臭くない?と。



それは確かに、彼女も以前から感じていた事だったが、走行には支障が



無かったので気にしない事にしていた。



しかし、友人から指摘されてしまうとさすがに不安になった。



そして、またしても修理工場に持ち込んだ。



車が、焦げ臭いんです・・・と。



しかし、調べた結果は、どこも異常は無かった。



エンジンに焼きつきの兆候も無かったし、クーラントの量も問題無し。



ブレーキかと思ったが、そこもやはり何の異常も無かった。



それでも、彼女は、



安かったんだから、我慢しなきゃ・・・・。



そう思って、そのまま乗り続けた。



そんな時、車で遠出する用事があり、彼女は高速道路を走っていた。



少し疲れたのでPAで仮眠を取ることにした。



季節はもう秋の終わりだった。



彼女は、そこで自分が炎に包まれている夢を見た。



炎は、全身にまわり、彼女の皮膚が焼けたように溶けだすのが



見て取れた。



そして、夢から目覚めた時、彼女は凄まじい暑さの車内にいた。



思わず、車外に飛び出ると、そこは肌寒いほどの気温だった。



どうして?



真夏でもないのに・・・・。



しかも、天候も曇っており、日差しで車内の温度が急激に上がるなど



考えられない事だった。



だとしたら、この車内の温度は何なのか?



全身が低温火傷を負ったかのように、ヒリヒリしていた。



そして、車内で見た夢の事も気になった。



確かに熱い車内で寝ていたのだから、そんな夢を見たとしても



不思議ではないのかもしれなかったが、その夢はあまりにもリアル



過ぎた。



彼女は、今度はディーラーではなく、お寺を回った。



もしかして、これまで起きてきて不可思議な事は、全て霊的な事



なのではないか、と思ったから。



すると、何か所目かのお寺に出向いた時、彼女は、驚くべき言葉を



告げられた。



それは、この車で過去に、車内に取り残された幼児二人が、死んでいる、



そして、その二人の幼児は、今もこの車の中でもがき苦しんでいる。



そんな事実だった。



さすがに信じがたい話ではあったが、その話が本当だとしたら、それまでの



不可思議な症状も説明がついた。



彼女はすぐにその車を中古車屋に持ち込んだ。



すぐに買い取って欲しい・・・と。



人気車だから、当然高値ですぐに買い取ってくれると思っていた。



しかし、中古車屋の対応は、意外なものだった。



車の車体番号を調べた店員は、



この車は買い取れませんね!



と冷たい対応だった。



どうしてですか?



人気車種だと思うんですけど?



と彼女が言うと、店員は、冷たい目で、



あのね…車っていうのは、ある意味、車体番号で管理されてるんです。



だから車の色を変えてもナンバーを変えても分かっちゃうんですよね。



この車は、過去に人が死んでいるという事実も。



特にこの車での車内置き去りの死亡事件は、かなり大きく報道



されましたから、この業界の者なら、誰でも知っていますよ。



この車で、夏の暑い日に、親に置き去りにされた幼児二人が、この車



の中で干からびて死んでいたという事件を。



お客さんも、何も知らないでこの車を買わされたんでしょうけど、



でも、何軒の車屋を回ったとしても、この車を買い取ってくれる



店は一軒もありませんよ。



何しろ、いわくつきの呪われた車ですからね。



だから、この車を手放したいんでしたら、中古車屋ではなくて、



解体屋さんに持っていかれるしかない、と思いますけどね。



そう言われたという。



彼女は自分が、騙されたというショックと、本当にそんな車が実在している



のだという恐ろしさで、しばらくは車に乗れなくなったという事だ。



そして、その車は、言われたとおり、解体屋に持って行ったらしいが、



解体屋でも、なかなか引き取ってはくれなかった、という事である。


Posted by 細田塗料株式会社 at 09:21│Comments(0)
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