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2018年11月10日

名前をつけるということ

愛着があるものには、とかく名前を付けたがる人が多い。



ペットもそうだろうと、車やバイクにも名前を付けたりする。



そうする事でより一層、愛着が深まるのだとしたら、それは



決して悪い事ではないのだろう。



しかし、人の形をしたもの・・・・。



つまり人形などに名前を付ける場合は、それなりの覚悟をした方が



良いのかもしれない。



今回はそういう話である。



そして、これは俺の知人が体験した話である。



彼は趣味で石を収集している。



休みの日になると、山や河原に出掛けては珍しい模様の石を探す。



彼は、珍しい石の種類に興味がある訳ではなく、石についた独特の変わった



模様が好きなのだという。



その石にどうやって、そんな模様がついたのか、と思いを巡らせていると



時間を忘れる程楽しいらしい。



そんな彼がある日、川原で珍しい模様の石を見つけた。



その模様はどの角度から見ても、人間の顔、それも女性の顔のように見えた。



彼は嬉しくなってその石を家へと持ち帰ると、収集した石を入れておく



標本ケースの中に大切にしまった。



そして、彼は余程嬉しかったのか、友人達に連絡をし、その石を見せて回った。



勿論、その中には俺も居たのだが、正直、その石に浮かび上がった顔のような



模様というのは、~の様に見える、というレベルではなく、まさに女性の顔に



しか見えないという位、はっきりと石の上に若い女性の顔が浮かび上がっていた。



だから、その時、俺は彼に進言した。



この石は、持っていてはいけない類の石かもしれない・・・。



だから、出来るなら、元在った場所に返して方が良い、と。



そして、他の友人達も、その石を見ると皆、気味悪がったらしく、彼に



こんな石は早く捨てたほうが良い、と忠告したのだという。



しかし、彼のその石に対する執着はとても強かったらしい。



いや、友人達から批判された事で却って、彼の気持ちに拍車をかけてしまった



のかもしれない。



彼はある日、その石に名前をつけた。



あえて、名前は伏せておくが、彼にとってはとても大切な存在だった祖母と



同じ名前だった。



そして、その石を標本ケースにはいれず、常に肌身離さず持ち歩く様に



なった。



革製の高価な袋に入れて、愛用のセカンドバッグの中に入れて・・・。



その頃、彼は言っていた。



その石を持っていると、とても幸運が訪れるのだと。



何をやっても上手くいき、誰にも負ける気がしない。



やはり、この石が俺の元に来たのは間違いなく運命だったんだ!と。



確かにその頃の彼は仕事でも好成績が続き、会社でも昇進し、やる事為す事



全てが上手く行っていたのは事実だった。



だから、周りの友人達も、本当にその石が幸運の石なのだとしたら、それはそれで



素晴らしい事だ、と喜んでいた。



しかし、ある日、彼は車を運転している時、何処からか女性の声が聞こえたという。



車の外を見ても、そんな女性の姿など何処にも無かった。



更に、趣味の石集めに行く度に、何故か危険な目に遭う様になった。



そして、決定的だったのは、彼が彼女とドライブしている時、突然何処かから



”死ね”という声が聞こえ、そのまま彼の運転する車は彼の意志とは違う



方向に向かっていき、助手席からガードレールに激突した。



彼には怪我はなく、彼女だけが救急車で運ばれた。



命に別条はなかったが、それでも、かなりの重症だったという。



そして、不可思議な事はそれからも続いた。



彼が、病院へと彼女を見舞いに行こうとすると、必ずと言ってよいほど



車が故障して動かなくなった。



それでも、諦めず、タクシーで病院に向かおうとすると、今度はそのタクシーが



事故を起こしてしまう。



ドライバーの話では、彼が事故を起こした時と同じように、ハンドルが全く



効かなかったという。



さすがに彼も、これはおかしいと思い始める。



そして、ふと思い出したようにバッグの中に入れておいた石を取り出すと、



なんとその石には、以前とは比べ物にならない程、はっきりと、そして



細部にわたるまで明瞭な若い女性の顔が浮き出ていたという。



しかし、以前、石に浮かび上がっていたのは、無表情な顔だったのだが、



その時、彼が見た石には明らかに憎悪に満ちた女性の顔が浮かび上がっていたという。



それを見てしまうと、それまでの不可解な出来事が全てその石を持っているせい



なのではないか、という気持ちになってしまい、彼はその石を標本ケースではなく、



次回、石を収集しに行った時に、その場所に捨てる石ばかりを入れてある段ボール箱



の中に無造作に入れてしまったという。



そして、それから、しばらくして、彼も病院へと入院する事になった。



車を運転中、突然、対向車線から車が突っ込んできて、彼の車と正面衝突したのだ。



そして、その時、彼は一瞬、対向車の助手席にニタニタした笑みを



浮かべた若い女が座っているのを見た。



しかし、その後、警察から聞かされた話では、衝突してきた車には男性1人



しか乗っておらず、その男性も突然、ハンドルもブレーキも全く効かなく



なってしまい、そのまま彼の車に突っ込んでしまったと供述しているとの事



だった。



そこで、彼は俺に相談してきた。



病院へと見舞いに行った俺は、それまでに彼が体験した様々な不可思議な



出来事を詳しく話した。



そして、そのうえで、何とか出来ないものか?と相談してきたのだ。



勿論、俺はいつものAさんに相談した。



すると、Aさんは、



人の顔がはっきりと浮かび上がってる石を拾ってくるところが、本当に



馬鹿としか言えませんよね!



しかも、名前を付けた。



いいですか?



名前を付けるというのは、人であれ生き物であれ、そして物であっても、



名前を付けたものとの間には、間違いなく関係が出来てしまうんです。



契約とか、繋がりといっても良いかもしれませんけどね。



そして、自分で名前を付けた物に対して、溺愛したり、嫌ったり・・・。



そんな事をされたら、とてえ物であっても気分の良いものではありませんから。



しかも、顔がはっきりと浮かび上がっている石となると、かなりの確率で



何らかの因縁がある筈ですから・・・・。



まあ、自業自得というやつですね・・・・。



そう言われてしまった。



しかし、見舞いに行った時、彼が事故による怪我とは関係なくやせ細り、



生気が無かった事を話すと、さすがのAさんも、



それじゃ、急がなきゃいけないですね!



とりあえず、その石を私の所まで持って来てくれますか。



話はそれからですね。



そう言った。



だから、俺は彼に家の鍵を借りて、片づけてあるという場所から石を取り出して



急いでAさんの所まで持って行った。



その石を見た時、Aさんは少し驚いた顔をしていたが、



わかりました。



確かに預かりましたから。



また、連絡しますから・・・。



そう言って、俺はその場から帰った。



そして、それからAさんから何の連絡も無いので心配になってこちらから



連絡してみると、Aさんは、いつものように面倒くさそうに、



ああ…あの石ですか?



然るべき処理をしましたけど?



と言ってくるので、



また、粉々に砕いたりしたんじゃないの?



憂さ晴らしついでに・・・・。



と返すと、Aさんは



そんな危ない事出来る訳ないじゃないですか?



本当に、あの石の事、軽く考え過ぎですよね。



あんな危険な石を砕いたりしたら、それこそ、祟られてKさんのお友達は



すぐに殺されちゃいますよ?



それに、それだけでも終わりそうもないですし。



だから、然るべき場所で厳重に保管されてます。



毎日、お経を唱えて貰いながら少しずつ呪いを弱めていくしかありませんから。



あっ、ちなみに、富山の住職のところではありませんから・・・。



だって、富山の住職には一目見るなり、無理だ!って言われましたから。



だから、Kさんは、これ以上、あの石には関わらない方が身の為ですよ。



知らない方が良い事なんて、この世には沢山在るんですから・・・。



そう言われてしまった。



ちなみに、その後、友人の所に連絡すると、怪異はピタッと収まり彼も



順調に回復しているという事だった。





Posted by 細田塗料株式会社 at 09:26│Comments(0)
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