2018年11月10日

守護霊がいなくなる

人間には守護霊というものが付いており、その人を護っている。



ずっと以前から、そう思っていた。



守護霊というのは、その人の先祖に当たる者だったり、何か縁のある者だったり、



という場合が多いが、それ以外にもその人に何処かに魅かれ、そして守護している



というパターンもあるのだと聞いた。



1人の人間に何体もの守護霊が付いている場合もあるし、最近では守護霊という



ものを持たない人間も増えているのだという。



ただ、守護霊というのはその人が安全に、そして楽しく幸せに暮らせる様に



守護している訳ではないらしく、その人が現世に生きている間に体験し積まなければ



いけない苦労や困難をきちんと乗り越えられる様に見守りながら寿命を全うさせる



という役目も担っているのだと聞いた。



だから、何でもかんでも、その人の為に助け船を出してくれたり危険から



回避してくれるというものではないらしい。



ただ、やりは現世を生き抜いていく為に、守護霊の力というものは大きいらしく、



守護霊無しでの人生は、その全てをその人が持つ予感や感性だけを頼りに



生きなければいけない事になるらしくなかなか大変なのだと聞いた。



そして、これから書く話はその守護霊に関する話。



俗にいう霊能者という人には必ずと言ってよいほど強い守護霊がついている。



逆にいえば、その守護霊の力によってその人自身も強い霊能力を身につけ



られていると言えるのかもしれない。



だから、守護霊というものを持たないAさんの存在は奇跡といえるのかも



しれない。



もっとも、Aさんは、自分の事を霊能者だとは思っていないが・・・。



そして、ある時、霊能者達の間で不可解な事が起こり始めた。



それは守護霊がいなくなってしまうという事だった。



そして、守護霊というものを失くしてしまった霊能者は例外なくその霊能力



を失っていった。



守護霊と言っても絶対的なものだはない。



悪霊に憑依された人は、元々その人についていた守護霊も悪霊の影響で



そのまま悪霊のしもべの様な存在になってしまい、除霊が困難になる、



というのは良くある話らしい。



そして、悪霊の中には、その人自身への攻撃よりも、守護霊に対する



攻撃に長けているモノも存在するのだという。



実際、その時起こっていた事はこんな感じだ。



悪霊に悩まされた依頼主が、霊能者に相談する。



勿論、それを生業としている霊能者はそれが、どんな相手かも分からないまま



その悪霊と対峙する。



それが罠だとも気付かないで・・・・。



霊能者達は、必死になつて、その依頼主に憑いている悪霊を祓おうとする。



しかし、その悪霊の目的は、その霊能者の守護霊を操れるようにする事。



だから、いくらお経を唱えようが、真言を唱えようが、効力など



在る筈はない。



そして気が付いた時には、その霊能者の守護霊はすっかりその悪霊に



操られるようになってしまい、そのまま、その霊能者から出て、



悪霊の軍門に下る。



そんなだったから、いつしか、その依頼に応える霊能者という者が誰も



居なくなってしまった。



そして、誰も受ける事の無くなったその依頼は、人づてに流され、そして



俺の所にやって来た。



その噂を知っていた俺は当然、断ろうとした。



しかし、予想外にも、Aさんと姫はその依頼を受けると言った。



危険だから止めた方がいいよ!



そういう俺に、Aさんは、不敵な笑みを浮かべて楽しそうだったし、姫はといえば、



いつもどおりにニコニコと笑っているだけ。



そして、当日、現地に一緒に行こうとすると、Aさんも姫も俺を制止した。



止めた方が良い・・・・と。



せっかく、身分不相応な強い守護霊を持っているのに、その唯一の長所が



無くなったら、存在価値が無くなるから、と。



しかし、やはり2人が心配だった俺は、頑として首を縦に振らなかった。



すると、Aさんから、



まあ、Kさんの守護霊なら大丈夫かもしれませんね・・・・・。



ご本人と違って、異常に強力だから・・・・。



と言われ、現地への同行を許された。



現地は郊外の古い旧家だった。



そして、そこの大きな蔵の中にその悪霊がいるということだった。



Aさん、姫、俺の順番で、その蔵の中に入っていく。



蔵は2階建てになっており、俺達が入ると、すぐに2階から何かが降りてくる



足音が聞こえてくる。



ほら・・・きたよ・・・・Aさんも姫も気をつけて!



そう言う俺に対して、Aさんも姫もいつもにも増してのんびりムードだった。



階段を降りていたモノの姿がはっきりと見えた。



年老いた老人の様な姿だったが、その不気味さは言葉では言い表せないほどで



しかも、その顔はニンマリと笑っている。



俺はすぐにAさんと姫の様子を確認するが、全く変わった様子は無かった。



いや、いつも以上にやる気がなさそうな2人。



白いモヤの様なものが蔵の中に充満してきて俺達を包んでいく。



早く何かしないと!



俺がそう叫ぶが、Aさんは、何もしようとはしなかった。



それどころか、まるで他人事の様に呑気にあくびまでしている始末。



俺は訳が分からないまま、1人で焦っていたが、そのうち、焦っているのは



相手の悪霊の方だと感じ始めた。



何か勝手が違うというか、とにかく、その悪霊の顔がどんどん引きつっていくのが



俺にも分かった。



そして、その悪霊が、再び階段を上っていこうとした時にAさんが初めて



動いた。



強い相手には逃げの一手ですか?



まあ、ここまで来たんだから逃がさないけど・・・・。



そう言うと、



まるで、ピストルでも撃つような恰好をしながら、引き金を引く真似まで



している。



俺には何をしているのか、分からなかったが、Aさんが、その動作をした瞬間、



その悪霊はまるで実弾にでも当たったかのように苦しみだし、そしてしばらくすると



そのまま消えてしまった。



呆気に取られて固まっている俺をよそに、



さっ、帰りましょ!



Aさんが、そう言うと、姫も俺もその後に続いた。



そして、Aさんが嬉しそうに、



どうでした?



いつか、これをやってみようと思ってたんですけど格好良かったですか?



霊ガンみたいだったでしょ?



と嬉しそうにはじゃいでいる。



格好良かったです~



凄かったです~



と同調し褒めちぎっている姫の言葉を遮るように、俺はこう尋ねた。



Aさんも姫も守護霊・・・・大丈夫だったの?



何か秘策でもあったの?と。



すると、Aさんは呆れたように、



あの・・・ですね。



私には守護霊ってもんが付いていないんですよ。



知ってるでしょ?



そして、姫ちゃんは守護霊がちゃんと付いていますけど、レベルが違います。



あんな守護霊にちょっかいを出そうなんて考える奴は居ないでしょ?



それこそ、自殺行為というやつです。



蟻が象と喧嘩するみたいなもんですからね。



そして、何故かKさんにも身分不相応な強い守護霊がついている。



まあ、これは蟻とだんご虫程度の差でしょうけど・・・。



だから、あいつも面食らったと思いますよ。



どれ一つとして勝てそうな守護霊が見つけられない・・・。



それが分かった時のあいつの顔は結構楽しめましたけどね・・・・。



勝ち目が全く無いと分かったから、その場から逃げようとしたんです。



まあ、そうするしかないでしょうけど・・・。



でもね、守護霊がついているのも考えものです。



姫ちゃんみたいに規格外の守護霊なら安心なんでしょうけど、普通の守護霊は



それほど強いものではないから。



それにばかり頼ってたら、それを失った時、何も出来なくなる。



だから、場合によっては守護霊なんか居ない方が良い場合もあるんですよ。



私みたいに・・・・。



そう言っていた。



確かにそうだった。



守護霊がいないAさんに対して、あの悪霊が出来る事は何も無かっただろうし、



姫ちゃんについている守護霊なら、その姿を見ただけで、どんな奴でも



逃げていくだろうし・・・・・。



俺は改めて、凄い2人とチームを組んでいるのだと実感させられた事件だった。



ただ、思わず悩んでしまった事がある。



Aさんが例えにした、蟻とだんご虫・・・・。



どちらがどっちなのだろう、と。



姫の時には、対比として象を出してきたんだから、俺がだんご虫・・・なのか?



いや、そういう事になると、もしかして蟻の方がだんご虫よりも強いのでは



ないのか?



そして、後日、それを確認しようとAさんに聞いてみたのだが、



Kさんって、相変わらず暇・・・・なんですね?



と冷たく言われてしまった。


Posted by 細田塗料株式会社 at 09:49│Comments(0)
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