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2019年06月08日

閉じ込められた・・・。

これは俺が以前体験した話である。



俺は元々は大学を卒業すると、そのままコンピュータ関係の会社に



就職した。



そして、今の会社に勤めている訳だが、実は現在の会社に勤める前にほんの



数か月だけ勤めていた会社があった。



そして、実はその会社で深夜、社内に取り残された事があった。



それが結果的にはその会社を辞める原因になってしまったのだが・・・。



その会社に勤めだして数か月くらい経った頃だったと思う。



その時、俺は二階の部屋で一人パソコンに向かって明日、お客さんの所に



持っていく見積もりを作っていた。



時刻は、午後11時くらいだったと思う。



突然、部屋の下からガラガラガラという大きな音が聞こえた。



見積もり作成に集中していた俺はしばらくはその音が何なのか、全く



気に留めなかった。



しかし、ガラガラガラという音の後にガシャーンという音が聞こえた時、



その音が会社の入り口のシャッターを閉めた音だと気付いた。



俺は慌てて立ち上がると、急いで階段を降りていった。



下の階は完全に真っ暗になっていた。



俺は途方に暮れてしまった。



完全に俺が2階で仕事をしているという事を忘れられてしまっていた。



それにしてもマズイ事になったと悟った。



その会社では社長しか鍵を持たされてはいなかった。



更にシャッターのスイッチは入口の外にしか設置されてはいなかった。



確かに、どこかの窓から外に出るという事も可能だったが、そんな事をすれば、



朝、再び、シャッターが開いて社長が会社に入るまでの間、非常に不用心



極まりない状態で窓を開け放つ事になる。



だから、それだけは避けたかった。



俺は1階の電気を点けてしばらく考えていたが妙案が見つからなかった。



だから、とりあえずは、2階に戻ってさっさと見積もりを完成させてしまう



事にした。



全ては見積もりを完成させてから・・・・。



そう思いながら・・・。



2階への階段をのぼり短い廊下を通って先ほどまで居た部屋の中へと入る。



作りかけの見積もりが表示されているパソコンがあるはずだった。



しかし、パソコンの電源は完全に消えていた。



どうして?



シャッターの閉まる音が聞こえて、慌ててそのまま1階へと降りたのに・・・。



勿論、自分ではパソコンを消した記憶など無かった。



しかし、俺は理由はどうあれ作りかけの見積もりが消えてしまったという事に



かなり落胆した。



だから、何とかしてさっさと会社から抜け出して家へと帰ろうと思った。



1階へと降りる。



点けたままにしておいた1階の明かりは全て消されていた。



いったい、どうなってるんだ?



もしかしたら、誰かが悪戯で俺が会社の中に取り残された様に見せかけている



だけで、本当はまだ誰かが会社の中にいるのではないのか?



そんな事さえ考えた。



ただ、実際に点けておいた筈の明かりが消えているのだから、そう考えるのが



自然だった。



そう考えると無性に腹が立ってきた。



俺は大声で



すみません!



誰かいるんなら出て来て貰えませんか?



俺も早く家に帰りたいんで!



と叫んだ。



しかし、相変わらず何の反応も無かった。



社内はシーンと静まり返っている。



俺は1階フロアの明かりを点けようとスイッチのある場所に移動した。



夜間常備灯の小さな明かりだけが頼りだった。



そして、スイッチを押すが、全く反応しない。



ちょっと・・・どうなってるんだ?



そう思っていると暗闇の中で静かに隣の倉庫へと続くドアが開くのが分かった。



俺はその瞬間、そのドアから顔を背けた。



誰かが残っていて、ようやく姿を現してくれたのならば、そちらを見て



確認すれば良かった。



しかし、ドアが開いた瞬間、



そこに立っているモノを確認してはいけない・・。



そう思った。



見たら、もうお終い・・・。



気が狂って死んでしまう・・・。



そんな確信にも似た予感があった。



俺はいっきに階段の方へと走り出し、急いで階段をのぼり始めた。



2階への階段の明かりもすっかり消えていた。



しかし、そんな事はもうどうでもよかった。



この建物には今、社員ではない何かが間違いなく存在している・・・。



そう思ってしまえば、もう、戸じまりが、どうこうと言っている余裕は



無かった。



一刻も早く、どんな方法でもいいから、この建物から逃げる!



それしか、もう頭に無かった。



2階へ上がると、やはり先ほどまで居た部屋の明かりも消えていた。



俺は、部屋とは逆方向へと足早に歩く。



そこは昼間でも暗い感じの部屋であり、俺は出来るだけその部屋に入るのを



避けてきた。



しかし、2階から、いや、この建物から外に出られるとしたら俺には



この部屋しか思い浮かばなかった。



そう、その部屋には外へと繋がっている大きな扉があった。



一度も開けた事は無かったが、以前、外から確認した時には、その扉の



外には、小屋根がずっと続いており、それは道路に面した外部へと



回り込むように続いていた。



そこのルートを使えば、安全に外へと出られるはず・・・。



俺は暗い部屋の中に入ると、完全に手探りでドアのノブを探した。



そして、ドアノブを見つけると、今度はその近くに在るはずのドアロックの



場所を探した。



ドアノックはすぐに見つかった。



しかし、どれだけ力を入れても全く回ろうとしなかった。



その時、突然、何かが階段を上ってくる音が聞こえてきた。



ギシッ・・・ギシッ・・・・ギシッ・・・・



それは俺の恐怖心を煽るように、そして確実に階段をのぼってきた。



そして、その目的は一つしか考えられなかった。



それは、俺を追いかけてきた・・・という事。



俺は半ばパニックの様になって、ドアのロックを右や左へと回すのだが、全く



びくともしない。



ずっと、使っていないドアのロックは、錆びて固まったかのように、動こうとは



しなかった。



ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ・・・。



階段をのぼる音が大きく近づいてくる。



俺は完全に途方に暮れてていた。



何処か他の逃げ場所はないか?と考えていた。



その時、突然、階段をのぼる音が変わった。



ドタドタドタドタ・・・・。



俺は反射的にドアにぶつかるように体でドアを押しながらドアのロックを



回していた。



どうして開いたのかは自分でも分からない。



ただ、つい今しがたまでびくともしなかったドアのロックは軽い音とともに、



右回りに回った。



俺は背後を確認する余裕などないまま、外に出ると、そこにはやはり小屋根が



あり、月明かりに照らされたこ屋根はずっと回り込みながら、道路に面した



場所へと続いていた。



俺は、そのこ屋根を踏みぬかないように慎重に、そして足早に小屋根の上



を移動していく。



九死に一生を得た気分だった。



すると、背後から何か音が聞こえた。



思わず振り返った俺の視界に入ってきたのは、月明かりの下で、小屋根を



這いつくばる様にしてこちらへと進んでくる男の姿だった。



その男の着ている白っぽい服が月明かりの下で不気味に揺らめいていた。



そして、その男は何故かバランスがおかしかった。



まるで蛇のように体が長かった。



異様なほどに・・・・。



俺はその姿を見て、思わず小屋根の上を走りだした。



もう、小屋根を踏みぬいてしまう事などどうでもよかった。



アレに捕まったら・・・・。



そう思うと、俺の体は無意識に反応していた。



そして、道路に面した小屋根まで来ると、そこから思い切って飛び降りた。



怪我をしたら・・・。



そんな事を考える余裕は無かった。



地面に着地した時、俺の足には強い振動と痛みが走ったが、そんな事も



どうでもよかった。



急いで車まで走ると、急いで車に乗り込み、その場から逃げるように立ち去った。



その後、病院に行くと、俺の足は軽い捻挫をしてしまっていたようだったが。



翌朝、会社に行くと、他の社員が先に会社に来ていたが、何処の戸じまりも



異常が無かったと聞かされた。



アレが戸じまりをしたのか?



そう思ったが、そんな事はもうどうでもよかった。



俺の姿はもうアレに目を付けられている。



そう思うと、もう我慢は出来なかった。



その日のうちに、辞表を提出すると、社長は引き留めてきたが、昨夜の話



をすると、すぐに辞表を受理してくれた。



もしかしたら、社長は何か知ってるのかも・・・。



そう思ったが、今はすっかり別の会社で働いている俺にとってはもう



それはどうでもよい事だ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:25│Comments(0)
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