2019年06月08日

通報

これは警察関係の仕事に就いている知人から聞いた話である。



110番に電話をかけると、各都道府県の警察本部が管轄する通信センター



に繋がるらしい。



そして、そこにかかって来る電話の内容も、事故や事件、だけではなく、



喧嘩や不審物、夫婦喧嘩や火事など、様々だそうだ。



その中には、とても奇妙な電話も多いらしい。



それは酔っ払いが掛けてきた電話の場合が殆どらしいが、それでも中にはどう考えても



説明が付かないような奇妙な電話もあるのだという。



ある時などは殺人事件の時効設立間際になって、被害者を名乗る者からの電話で



犯人が特定され、逮捕に至ったケースも確かに存在するのだと聞かされた。



殺人事件の被害者からの電話など在りえる筈も無いないと最初は信じなかった



そうなのだが、その声の主が捜査関係者しか知らない様な事実を口にした事で



とりあえず、調べるだけは調べてみようという事になり、結果として



時効寸前の犯人を逮捕する事が出来たのだという。



そして、これから書く話はそんな中でも特に奇妙な電話だった。



その日、時刻は午後10時を回った頃だった。



110番を通じて電話がかかって来た。



若い女の声だった。



ところが、相手の電話番号が何も表示されていなかった。



電話がかかって来ると、相手の番号はもとより、相手の場所や固定電話なのか、



携帯なのか、それとも公衆電話なのかがすぐに分かるそうなのだが、その時の



電話には何も表示されていなかったという。



事件ですか?



事故ですか?



と問いかけるオペレータに対して、



私はたった今、殺されました・・・・。



と、暗い声で答えたという。



聞き間違いかと思い、オペレータが今度は、



殺されたのではなく、殺してしまったのですか?



と聞き返すと、



いえ・・・・私は殺されました。



つい、今しがた・・・・・。



でも、今から殺すと思います。



絶対に許さないから・・・・。



そう言うので、今度は、



すぐに、捜査員が現場に向かいます。



現場は、どちらになりますか?



と聞くと、



とある山の途中に在るバス停の名前を告げたという。



殺人事件の通報かもしれない、という事で、110番の内容は所轄の警察署に



伝えられ、すぐに署員が、現場のバス停へと向かった。



しかし、指定されたバス停に到着したが、そこには誰もいなかった。



そこで、署員が辺りを捜索すると、一人の女が真っ暗闇の山道の端に立っている。



慌てて署員がその場所に行くと、何故か、もうその場所には女の姿はなく、



ライトで辺りを照らすと、何と先ほどの女が少し離れた林の中に立っている。



そして、すぐにその場所に駆けつけるが、やはり其処に女の姿は無く、少し



離れた場所に立っている。



そんな事を繰り返して、署員たちは普通なら絶対に踏み込まないほどの



深い森の中までやって来た。



すると、そこには、一人の男が苦しそうに自分の首を押さえながら地面に



仰向けに倒れていた。



急いで、その男を助け起こすと、半狂乱になって地面を指さす。



すると、男が指さした地面が、一度掘り起こされた様に盛り上がっていた。



そして、男は、



悪かった・・・・。



殺さないでくれ・・・・。



と、叫び続けた。



そこで、署員たちは、その場で応援を要請し、その男を救急車で病院へと搬送



すると同時に、男が指さしていた地面を掘り起こした。



すると、まだ血が乾ききっていないほどの女の死体がバラバラになって埋められていた。



そして、署員たちは、バラバラ死体という事よりも驚かされることになる。



その場所から掘り起こされた女は、最初にバス停に着いた時から、この場所まで



誘導していた女に間違いなかったからだ。



結局、病院に搬送された男は、病院に到着する前に、息絶えた。



最後まで、恐れおののきながら、何かに謝りつつけけていた末の突然死だったという。



結局、その事件は通報者不明という形で処理されたらしいが,警察内では誰もが



直感的に理解していたという。



その110番通報してきたのは、間違いなく殺された女自身なのだと。



こんな不思議な話が警察関係にはまだまだ沢山あるんだ・・・。



彼はそう言っていた。


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:55│Comments(0)
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