2019年06月08日

○○掲示板

これは俺の知人から聞いた話。



彼女は、社会人になってから一時期、かなり荒んだ生活を送っていた。



仕事でも失敗が続き、付き合っていた彼氏にもふられた。



仕事も休みがちになり、いつしか自宅アパートに引き籠る様になった。



何も食べず、毎日部屋から一歩も出ず、太陽の日差しさえも見ない毎日が



続いた。



いつしか、パソコンだけが外界との接触手段になり、ネットで見かける



不幸な事件を扱ったサイトだけが彼女の心の癒しになっていた。



そんな時、彼女はあるサイトを見つけた。



それは、自由というものをテーマにしたサイトだった。



誰もが日頃は絶対に言えないような愚痴や不平不満を赤裸々に書き込み、



彼女もいつしか、そのサイトに魅かれていった。



本当は彼女自身、周りに対して、そして自分の不幸に対して言いたい事が



沢山あったらしく、それを自由に書き込みする事が出来、なお且つ、それに



対して沢山の賛同するコメントが届いた。



彼女にとって、そのサイトはまさに理想郷だったのかもしれない。



ただ、そのサイトに訪れる様になって、しばらくすると、ある事に気付いたという。



それは、自殺をほのめかすような書き込みがとても多く、そしてそれに同調する



書き込みも多かったという事。



勿論、彼女自身、自殺など考えた事も無かった。



だから、少しだけ迷ったらしいが、それでも、その頃の彼女にはそのサイトだけが



心の拠り所になっていたから、当然、サイトから離れる事など出来る筈もなく、



彼女は毎日、数時間をそのサイト内で過ごす様になった。



ただ、確かに自殺という言葉には嫌悪感はあったが、実際、そんな考えを持っている



人達と掲示板で話していると、彼女の周りにいる誰よりも彼女の心の痛みを理解



してくれたし、何より、リアルで嘘の無い優しいコメントが彼女にはとても



心地良かったという。



そして、いつしか、彼女は自殺志願の人達とも深く交流を持つ様になる。



ただ、交流と言っても、あくまでネット内での匿名での交流に過ぎなかったから



彼女に不安は無かった。



そして、仲良くなっていくにつれ、彼女も自殺をほのめかすような内容の書き込みに



対しても、同調するようなコメントを書くようになった。



そんなある日、彼女は、そのサイト内にあるチャットルームに入ったという。



いつものように、取り留めも無い話を楽しむ為に・・・・。



しかし、彼女はすぐにそれを後悔する事になった。



そこでは、すぐに集団自殺の決行についての話し合いが始まった。



そして、それはどんどんと話が進んでいき、いつしか彼女が恐れていた



方向へと話が進んだ。



それは、集団自殺に参加する者を最終確認するという事。



そのチャットルームには彼女を含め全部で5人の男女が入室していたが、彼女を除く



4人は既に、参加を表明していた。



そして、最後に、彼女への意志確認が行われた。



彼女には当然、自殺する気持など無かった。



しかし、そのサイト内でせっかく仲良くなれた友達から信用を失うのが



恐ろしかったという。



そして、



まさか・・・ここまで話を聞いといて、不参加って事は無いよね?



いつも、あんなに不平不満を書き込み、死にたいと何度も書き込んで



いたのだから・・・・・。



そうコメントされて、彼女は思わす、



勿論、参加するに決まってるじゃないですか!



一緒にあっちの世界に行って、そして仲良く過ごしましょ!



と書き込んでしまったという。



実際、彼女はそれまで、ついいい気になって不平不満を書き込んでは、最後に



”死にたい・・・・”と書いていたらしく、そこで不参加を表明すれば



もうそのサイトには来られなくなる、と思ったからだという。



しかし、彼女はまさか、その時の約束が本当に実行されるとは思ってはいなかった。



ここに集まって来る皆も、きっと私と同じように、ただ、癒しを求めて、非現実



の世界に逃避しているだけなのだろう、と。



だから、それからも、彼女はいつもと変わらないようにそのサイトに足を運んだ。



そして、集団自殺の計画に参加表明をした他の人達も、いつもと変わらないように



サイト内で和気あいあいと書き込みを行っていた。



だから、彼女はいつしか、集団自殺の計画の事などすっかり忘れてしまっていた



のだという。



そして、それから数日が過ぎたある日、彼女がアパートで寝ていると突然、玄関の



ドアをノックする音が聞こえた。



それは、ドンドンという大きな音だったが、ゆっくりとした音であり、彼女は



その音を不思議な音だなぁ、と感じていたという。



しかし、眠たかった彼女は、その音を無視して、そのまま布団の中に潜り込んだ。



すると、また、玄関のドアをノックする音がした。



今度は、明らかに先ほどとは違う音だった。



しかし、彼女はそのまま寝続けていると、また、ドアをノックする音が聞こえた。



そのドアの叩き方は明らかに別人が叩いている様に全く異質な音であり、



強さだった。



そんな音が、合計で4回続いたという。



結局、彼女は最後まで布団から出ることなく、その音をぼんやりと聞き流した。



そして、彼女が起きたのはそれから数時間後の午後4時頃だった。



いつものように、パソコンを起動していつものサイトに移動した。



しかし、いつも、そのサイトに来ていた友人たちの姿は無かった。



いつもなら、誰か一人くらいは欠ける事は会っても、常に誰かがそのサイトを



訪れ、何かしら書き込んでいた。



しかし、その日に限って、彼らの書き込みは何処にも見当たらない。



そして、彼女は思わず、ハッとして大切な事を思い出した。



その日は、その人達との集団自殺を約束した決行日に他ならなかった。



まさか・・・・。



そう思って、彼女はそれ以後も何度もそのサイトをチェックした。



しかし、どれだけ時間が経過しても、彼らの書き込みは見つけられない。



本当に実行なんかする訳ないよね・・・・。



彼女は自分に言い聞かせた。



しかし、それから何日間かが経過するが、彼らが書き込みをする事は無かった。



まさか…・単なる偶然・・・・。



自分にら言い聞かせながらも彼女は次第にそのサイトに近寄らなくなっていく。



しかし、どうしても彼らの事が気になって仕方なかった彼女は、それからも



何度か、思い出したようにそのサイトに顔を出して、彼らの安否を確認



しようとしたが、やはりあの日以来、彼らの書き込みがぱったりと途絶えており、



彼女は、すぐにそのサイトから出る、という事を繰り返す様になる。



忘れなければ・・・・・。



私には関係ない事なんだから・・・・。



そう考えれば考える程、不安はどんどん募っていった。



そんなある日、彼女は夢を見た。



夢の中には見知らぬ男女4人が立っており、じっと彼女を見つめていた。



そして、彼女に向かって、



ねぇ・・・どうして来なかったの?



約束したのに・・・・・。



と寂しそうに語りかけてきた。



その時点で彼女にはその4人の男女がたったい誰なのか、理解できたという。



ねぇ・・・どうして?



そう何度も語りかけてくる4人に彼女はなんとか弁解しようと試みた。



しかし、どうやっても言葉が出なかった。



喋ろうとするが声にはならなかった。



すると、彼らは、



苦しかったんだ・・・・。



とても・・・・。



と言ったかと思うと、その顔はどんどんと崩れていき腐った果実の様に



どろどろになり、そして皮膚と肉が床に落ちていった。



彼女はそれを見て意識が飛びそうになったがそれは叶わなかった。



それどころか、どうしても、それから視線を逸らす事が出来ない。



そして、彼らは骨だけになりながら、



あと6日・・・・・。



と言って、スーッと何処かへ消えていった。



そして、うなされるように目が覚めた彼女は汗でびっしょりと濡れた体で



肩で息をしながら、



やっぱり…彼ら死んでたんだ・・・・・。



そして、私を迎えにきた・・・・。



そう確信したという。



そして、彼女はそれからも毎晩、同じ夢を見た。



そして、彼らは去り際に、



あと5日・・・・・。



あと4日・・・・・



と、どんどんカウントダウンをしていく。



さすがに恐怖でいっぱいになった彼女は慌てて、市内の有名なお寺に行き、



相談したらしい。



すると、約2時間ほどの除霊を行われ、かなり高額な料金を取られた。



しかし、その後も彼女の悪夢は収まらない。



それだけではなく、彼女は鏡を見るたびに自分の顔がどんどんと痩せていくのが



はっきりと分かったという。



そして、夜になると、再び悪夢が繰り返される。



しかし、もう彼女には手の打ちようが無かった。



そして、いよいよ、



あと1日・・・・・。



と言われた翌日、彼女はその夜、苦肉の策として寝ないという選択をした。



寝なければ悪夢を見る事も無いし、カウントダウンに脅える事も無い。



ただ、彼女には友達といえる者は一人もいなかった。



だから、睡魔とは1人で闘うしかなかった。



そして、昼間、気を紛らわそうと外出して街に出た。



行くあては無かったが、それでも、ふらふらと街中を歩いているだけで



気が紛れるのが分かった。



しかし、どこをどう歩いていたのか、彼女には分からないというが、どうやら



彼女は自分でも気付かないうちに、駅のホームを歩いていたらしい。



そして、それから意識が無くなり、気が付いたら、凄まじいブレーとの音と



焼けた匂い、そして、



大丈夫か?あんた!



という声でハッと我に返った。



すると、電車のホームのすぐ脇で誰かに押し倒されるようにして横になっている



自分に気付いたという。



目撃者の話では、彼女は1人でフラフラと夢遊病者の様にホームへと近づいていき、



通過する特急電車に飛び込もうとしたらしい。



電車に顔がぶつかりそうな状態の自分を見て彼女は戦慄した。



彼女は駅員や警察から厳しく叱責された後、解放された。



ただ、彼女は、それから起こるであろう命の危険に恐怖し、そして再び



部屋の中に籠る様になったという。



毎日、恐怖の中で過ごした。



しかし、彼女がそれ以後、悪夢を見たり、何かに操られるように



自殺へと動かされる事は無かったという。



自分でも、どうして解放されたのか、は分からないという。



そして、実はこの話には後日談がある。



どうやら、あのサイトで集団自殺を行うと予告していた彼らは、その全員が



生き延びていた。



というよりも、元々自殺などする気はなく、たんに彼女に騙して驚かせようと



していただけだという事が判明した。



彼女はほっと胸を撫で下ろしたが、そうなると、更なる疑問が発生する。



それでは、彼女の夢の中に出てきた彼らはいったい何者なのか?



そして、どうして彼女を自殺させようとまでしたのか?



それに関しては、今でも全く何も分からないの・・・・。



そう彼女は不安そうに話してくれた。


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:57│Comments(0)
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