2019年06月08日

口裂け女

世間には都市伝説というものが存在している。



そして。それは時代とともに形を変えたりしながらもしっかりと消えさる事無く



存在し続けている。



トイレの花子さん、テケテケ、カシマさん、メリーさん等枚挙に暇が無いし、



こっくりさんやひとりかくれんぼ、なども都市伝説と言えるのかもしれない。



ただ、こっくりさんやひとりかくれんぼ等は都市伝説として広まったが、



明らかに降霊術の一つであり、その方法を世に知らしめた人間の悪意という



ものを感じずにはいられない。



実は以前、Aさんに、。こんな質問をしたことがある。



都市伝説と言われるものの中には実際に実在するモノもあるのかな?と。



すると、Aさんは、こう答えた。



そりゃ間違いなく実在しますよ、と。



だから、俺は次にこんな質問をした。



それなら、Aさんは何か実際に見たモノはいるの?と。



すると、Aさんは、少しだけ真顔になって、



まあ、あまり話したくはありませんけどね・・・・。



でも、以前、口裂け女というものには遭遇した事はありますかね・・・・。



そう返してきた。



そして、これから書くのがAさんのその時の体験である。



その頃、Aさんは友人女性からの依頼で名古屋近辺にいた。



勿論、俺とも知り合いになる前の事である。



その頃でも、今ほどではないがかなりの力は持っていたらしく、卒業して地元に



戻った友人からのSOSで急遽、現地に赴いたそうだ。



そして、そのSOSの内容とは、今で言うところのストーカーそのものだった。



最初は誰かに後をつけられている・・・・・。



そんな感じだったという。



そして、それは徐々にエスカレートしていく。



気が付けば視界の端には必ず、ソレがいた。



ソレというのは女であり、まるで男が女装でもしたかのように、その身長は



180センチ、いや、2メートル近かったかもしれない。



細すぎる体に黒く長い髪が腰の辺りまで伸びていた。



ベージュのコートを着て、ボロボロのパンプスを履いているその姿を友人が



見たのは、たった一度だけ。



酷い耳鳴りがして道路に立ち止まった時、ふと、道路の向こう側からじっと



友人を睨んでいたようだ。



しかし、それ以外は全て視線を感じたり、視界の端に映り込んだソレを



確認しようと視線を向けると、もう其処には女の姿は無かったという。



しかし、それから事態は急速に加速していく。



友人が自宅マンションに帰ると、部屋の前で誰かが郵便受けを覗き込んでいる。



その姿に恐怖を感じた友人は、その場から全力で逃げて友達の家に転がり込んだ。



その姿は大きな身長を折り曲げ、食い入るようにして郵便ポストを覗き込んでおり、



間違いなく、友人が一度見た事のあるその女だったという。



ただ、それで終わりではなかった。



その女は、助けを求め逃げ込んで友達の部屋にまでやって来た。



毎夜、ベランダに現れては、窓の外から友人を睨んでいた。



友人は為す術も無くベッドの中で震えていたのだという。



そこで、さすがに友人は警察に被害届を出した。



ただし、実害があった訳でもなかったので、警察も夜間の巡回を強化する、



という程度の対応しか出来なかった。



そんなある日、友達のマンションに泊まり続けていた友人は、真夜中に



夢遊病者の様に無意識にベッドから起き上がり、ベランダの方へと進み、



窓を開けようとしていたところを友達に制止された。



友達に強く頬をぶたれ、ようやく正気に戻った友人は、自分の目の前、



窓の向こう側に立つ大きな女の姿を初めて間近から見る事になる。



窓の高さよりも大きな身長と長く伸びた爪が異様だった。



そして、もっとも恐ろしかったのは、口元に大きなマスクをしていたという事



だった。



そして、その大きなマスクからはみ出す様にして亀裂の様な口が耳まで伸びていた。



その姿は友人が昔から知っている都市伝説・・・・。



口裂け女そのものだった。



悲鳴をあげてその場に崩れ落ちる友人。



だが、その部屋に住む友達は、何とか警察に電話をする事が出来たそうだ。



しかし、どうやらパトカーがちょうど、マンションの下を巡回中であり



指定されたベランダを確認しているが、誰も確認出来ないという返事が



帰ってきた。



そしてその翌日、友人は友達のマンションを出た。



これ以上、友達に迷惑は掛けられないという判断だった。



ただ、自宅マンションには戻らず、そのままビジネスホテルや24時間営業の



店で夜を過ごす事にした。



しかし、それでもその女は現れた。



気が付くと、何処かから友人を睨んでおり、更に、その女との距離も次第に



近くなって来ている事を実感した。



その時、頭に浮かんだのが、Aさんの存在らしい。



あの子なら何とか力になってくれるかもしれない・・・・。



それは、友人に残された最後の希望だった。



友人に言わせると、その頃でもAさんが除霊すればどんな心霊スポットでも



二度と幽霊の噂を聞かなくなったのだそうだ。



友人と久しぶりに会ったAさんは、友人のやつれ方に尋常ではないモノを



感じ、Aさん自身もあまり時間に余裕が無かった事もあり、早速その日の夜に



その女との決着をつける事にした。



友人にファミレスで御馳走になったAさんは上機嫌で友人の部屋に入ると、



何もせずに、そのまま横になり、そのまま寝息を立てて寝入ってしまう。



正直、何を考えているのか、分からなかったそうだ。



まあ、何も考えていないのはこの俺が断言できるのだが・・・・。



友人もベッドに入って横になると、Aさんが側にいるという安心感からか、



すぐに眠りにつけたそうだ。



しかし、夜中、何かの音で目が覚めた。



それは何かが窓を触っている様な音。



ベッドから上半身を起こして窓を見ると、そこには爪の伸びた指で窓をなぞっている



あの女の姿があった。



悲鳴を上げそうになった友人の口を誰かが手で塞ぐ。



勿論、Aさんだった。



しっ・・静かに・・・声を出さないでね。



あとは私に任せといて・・・・・。



そう言うとAさんはゆっくりと起き上がり窓の方へと歩いていく。



そして、普通に窓を開けてベランダへと出ていった。



正直、あんな女にAさんが勝てるのか、不安でしょうがなかったという。



しばらくの静寂の後、まばゆい光がベランダを覆った。



そして、それから5分ほどしてからAさんは部屋の中に戻って来た。



そして、すぐに窓の鍵を掛けてから、



たぶん、もう大丈夫だと思うけど・・・・・。



でも、念の為に7日以内にどこか別の場所に引っ越しした方が良いよ・・・。



と言われたそうだ。



結局、その後、友人の元にはその女は現れる事は無かった。



これが、その時の話の全てだ。



しかし、この話にはまだ続きがある。



その話を聞いた俺はAさんに聞いてみた。



引っ越しさせたって事は、完全に浄化出来なかったって事?



すると、Aさんは、



あれは無理でしたね・・・・。



凄く面倒くさい相手です・・・・。



私はあの時、切り札として水晶まで使ったんです・・・・。



でも、水晶の中に取り込む事は出来ませんでしたね・・・・。



そして、あいつは、最後に笑ったんです・・・・。



無駄だよ…とでも言いたげに・・・・。



まあ、時間稼ぎにはなりましたから、あの子を引っ越しさせるしか手は無かった。



そんな感じですかね・・・・。



Aさんは、珍しく弱気にそう言った。



だから、俺はこう聞き返した。



でも、今のAさんなら、そんなの相手にもならないんじゃないの?と。



すると、Aさんは更に暗い顔で、



そんな簡単なものじゃないんですよね・・・・。



だから、今の私でも、そして姫ちゃんでも、どうしようもない相手。



都市伝説になっているものって厄介なんですよ。



何度、浄化しようとしても、この世界の何処かでその都市伝説が噂されたり、



怖がられたりしている以上、あいつらは存在し続ける事が出来る。



作り話である四谷怪談の呪いが実在する呪いになってしまったように・・・。



誰が最初に言い出したのかは分かりませんけど、誰かがその都市伝説を



噂し怖がっているい以上、それらは実体を伴ってこの世に現れます。



そして、少なくともこの世からその都市伝説を怖がる者が居なくならない限り、



それらは、強い力を持ち続けるんですよね・・・・。



霊体なら、何とか出来る自信はありますけど、アレは無理です・・・。



だから、Kさんも出来るだけそういう噂には乗らない方が良いですよ。



もしも、そうなってしまっても、誰も助ける事は出来ないんですから・・・。



そう言われ、思わず背筋が寒くなってしまった。



やはり、都市伝説に同情するモノ達は、実体を持っていまだにこの世の中に



存在しているようだ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:05│Comments(0)
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