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2019年06月08日

腐っていく・・・・。

これは知人から聞いた話。



彼はその日、ある心霊スポットに友人と出掛けていた。



その友人は彼の幼馴染であり、幼い頃からいつも一緒に遊んでいた仲だという。



その友人の名前を仮にMと呼ぶことにする。



Mは、昔からオカルト関係が大好きであり、そのMに誘われるまま、彼も



幾多の心霊スポットへ出かけていた。



確かに不気味ではあったが、何を見る事ともなく、その後も特に霊障に



悩まされる事も無かった。



だから、そんな危険を冒してしまったのかもしれない。



というのも、その時、Mが指定してきたのは、特に曰くつきの心霊スポット



だった。



心霊スポットマニアなら絶対に近付かない危険すぎる場所。



その場所とは田舎の山間に在る古い小学校であり、そこに行った者は



生きては戻れないと、まことしやかに噂されている場所だった。



さすがに、その時ばかりは彼も反対したという。



しかし、Mの強引さに負けて結局、昼間なら・・・という条件でその場所に



行く事を了承したという。



日曜日の朝、お互いの家を出発した彼らは、途中で落ち合って、彼の車に



乗り換え、目的の廃校を目指した。



街中から離れ、砂利道を走り、集落を抜けて何度か道に迷いながら2時間



以上かかって、ようやく彼らは目的の廃校に到着した。



その日は天気も良く、間近で見る廃坑はとてもそんな危険な心霊スポットには



見えなかったという。



しかし、いざ、廃校の中に入ろうとした時、彼は異様な気配に気づいた。



音が何も聞こえないのだ。



まるで耳の穴に栓でもしたかのように、虫の音も風の音も全く聞こえなかった。



まるで、辺りの空気がぴんと張り詰めたように緊張している様に感じたという。



やっぱり止めておかないか?



何度もそう言う彼の手を掴み半ば強引に廃校舎の中に入っていくM。



しかし、中に入ると雰囲気は一変し、懐かしささえ感じるほどゆっくりとした



空気が流れていた。



ほらな・・・・心霊スポットなんて何処もこんなもんだろ。



生きては戻れないなんて大袈裟な噂が立つこと自体、理にかなっていないんだから。



きっと、誰かが此処に近づかせないようにする為に、そんな噂を流しただけに



決まってる!



Mは、そう力説しながら、どんどんと校舎の木製の廊下を進んでいき、彼も



それに追いていったという。



そして、しばらく廊下を進んだ所で彼らは予想だにしないものに出くわす。



それは、何処にでもいる普通の子供だったという。



学校の制服らしい半ズボンを履いた子供が前方に立ち彼らを見つめていた。



彼はその場で固まった。



しかし、Mは違ったという。



何だ・・・・どこの子供だろうな・・・・。



そんな事を言いながら、どんどんとその子供に近づいていく。



何怖がってんだよ?



普通の子供じゃん・・・・・。



そう言いながら彼は進み続け、ついにはその男の子の前に立ち、そして



しゃがんだまま何かを話していた。



すると、Mは、突然振り向いて、



この子が探し物を一緒に探して欲しいってよ?



どうする?



と、彼の方へと向き直り大声で声をかけてきた。



一瞬、彼も迷ったそうだが、すぐにそんな気持ちは消えたという。



その男の子は、まるで作り物のマネキンのような顔をしていた事もあったが、



何より、Mが、こちらを向いて話している後ろで、その男の子は明らかに



笑ったのだ。



それは愛想を振りまくという感じではなく、何か邪悪で不気味な笑いに感じたという。



だから、彼は首を横に振って、それを拒否した。



ちぇっ、だらしねぇな・・・・。



Mは、そう言って、その場から、男の子と一緒に消えていったという。



その場に残された彼は、一目散にその場から走りだし、校舎の外に出ると



車に乗って中から鍵をロックした。



そして、ひたすら彼が無事に戻って来るのを待っていたという。



しかし、待てど暮らせど、Mはいっこうに帰って来ない。



携帯に電話するが、何故か圏外になってしまう。



それでも、恐ろしかった彼は、車から出ることはせず、そのまま車内でMの帰りを



待ち続けた。



そして、それから5時間近くが経過した頃だろうか・・・・。



ふと、校舎の方を見ると、Mがボーっと玄関の前で立ち尽くしていた。



慌てて彼は車から出てMに駆け寄った。



大丈夫だったか?



そう問いかけたが、Mは、



ああ・・・・うん・・・・まあ・・・・。



という言葉しか口にしない。



車に戻り、帰路いついたが、その間もMは、一言も喋ろうとはしなかった。



結局、朝、二人で落ち合った場所まで戻ったが、Mの様子がおかしかったので、



その日はそのまま彼の車でMを自宅まで送ったという。



そして、その翌日、Mに連絡をしたが携帯は繋がらなかった。



それからも、何度もMに連絡を取ろうとしたが繋がらない。



そこで、その廃校に行った日、落ち合った場所に置き去りにしていたMの車を



確認しに行くと、Mの車はまだ其処に置かれたままになっていた。



さすがに何かあったのだと思った彼は、Mの自宅を訪問したらしいが、対応



してくれたMの家族に、



Mは、今病院に入院しているから・・・・・。



と言われ、その病院の名前すら教えて貰えなかった。



そんな時、突然、Mの父親から連絡があり、会って話しを聞きたいと言ってきた。



彼も嫌な予感がしたので、即答でOKすると、その日のうちに喫茶店で会って



話をする事になったという。



現われたMの父親はかなり疲労困憊といった感じで、コーヒーを頼むと早速



本題に入ってきた。



いつも、息子と仲良くしてくれてありがとう。



幼馴染の貴方だから、こんな話をするんですが、2週間前の日曜日、うちの



息子と一緒に出かけたりしませんでしたか?



そう聞かれ、彼は即座に頷いた。



すると、父親の顔が何か切羽詰まった顔になって、



子供が腐っていくんだ・・・・・・。



これが息子が最後に言い残した言葉です。



そして、今はもう喋る事も出来ません。



いったい、その日、息子に何があったのでしょうか?



と尋ねてきたという。



だから、彼はその日の出来事をありのままに話した。



いわくつきの廃校に二人で出かけ、一人の男の子に遭遇し、Mはそのまま付いていき



自分はその場から逃げたという事を。



すると、父親は頭を抱えながら、



いや、貴方だけでも無事て良かった。



うちの息子も貴方くらい慎重であったら、あんな事には・・・・。



と言うので、彼も返す言葉で、



あの…Mは、今、どんな状態なんですか?



酷い病気にでも?



すると、父親は、



あれを病気といえるのか、は分かりません。



何しろ、今の医学では何も判らないそうですからね。



貴方も息子の事は早く忘れてください。



もう息子は帰って来ないと思いますから・・・・。



それだけ言うと、頼んだコーヒーには手もつけず、父親はその場から去っていった。



彼は余計に訳が分からなくなってしまい途方にくれたが、もしかしたら自分にも



責任の一端があるのだと思い、何度も彼の自宅を訪れて、家族に病院の名前



だけでも教えて貰えないものか、と懇願した。



そんなある日、彼がMの自宅を訪れると、家の中から苦しそうなうめき声が



聞こえてきた。



もしかしたら、Mが病院から自宅に戻って来ているのかもしれない、と思い、



彼は、無断で家の上がり込み、その声の聞こえる部屋を探した。



そして、その部屋に辿りつき、一気に部屋の襖を開けた。



心臓が止まりそうになったという。



そこには、部屋中にブルーのシートが敷かれ、その上に置かれたパイプベッド



には、見た事もない物体が横たわっていた。



体中が腐り、異様な腐臭をまき散らしていた。



体中の皮膚が爛れた様に溶けており、それが人間なのかすら判別出来なかった。



そして、その物体は彼の姿が見えたのか、急に大きなうめき声をあげて



体をよじった。



そのうめき声は、彼の名前を呼んだ様に聞こえたという。



彼は、震えながら後退し、廊下に出ると静かに襖を閉めた。



見なければ良かった、と思った。



そして、同時に涙が溢れてきた。



すると、背後に立っていたのか、母親が彼に声を掛けた。



うちの馬鹿息子が、いったい何をしてしまったのか・・・・。



あんな姿になってしまって、今では病院にもいられなくなってしまって・・・・。



普通はあれほど体の腐食が進めば生きていられる筈はないって、病院の先生も



言ってたのよ。



でも、実際には死ねないらしいの・・・・。



まさに生き地獄って奴なのかもね・・・・。



そう静かに言ったという。



そして、彼が帰ろうとすると、



貴方の携帯に息子が生きている間、その報告だけはさせてちょうだいね。



それをあの子も願ってると思うから・・・・。



そう言われたという。



それから、彼は罪の意識に苛まれながら生きている。



そして、Mの母親から毎日の様にMの生存報告が届くらしい。



今でもMは生きているのだ・・・・。



そう思うと、嬉しくもあり辛くもなってしまうらしい。



ただ、ごく稀に、Mの携帯からの通話が掛って来る事があるらしいのだが、



彼はその電話にはどうしても出られないんだ、と辛そうに呟いていた。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:16│Comments(0)
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