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2019年06月08日

廃屋に置かれている・・・・。

これは知人が体験した話。



その時、彼は1人で車を走らせていた。



目的地は、山間にある、とある一軒家。



金沢市の外れにあるその家は、何故か周りに他の家が1軒も無い状態で、



ポツンとその場所に建っていた。



もう廃屋になってからかなりの年月が過ぎ、いつしか、その場所は曰くつき



の心霊スポットとして有名になっていた。



しかし、その心霊スポットというのは、他の心霊スポットとは明らかに違っていた。



普通なら、その場所で自殺があったとか、殺人事件があったとか、の噂がたつ



のが心霊スポットの認知度を増し、恐怖心を掻き立てる為の必要不可欠な



要素なのだろうが、その廃屋には、誰が住んでいた、とかこんな悲惨な事件が



在ったなどの噂というものが何一つ語られる事は無かった。



ただ、一つだけ、とある噂が流れていた。



その廃屋には、リビングに日記が置かれており、それが毎日のように更新され



書き加えられている、というものだった。



何人かの心霊スポットマニアがその場所を訪れるという噂が流れる事はあったが、



実際に、その場所に行ってみて、どうだったのか、という事は噂にすら



なることはなかった。



だから、



その心霊スポットには絶対に近づくな!



今でもその場所には日記を書き続ける為に何かが棲みついている・・・・。



というのか、マニアの間でも厳しく徹底されており、実際、その廃屋を



訪れる者は誰もいなかった。



そして、そんな廃屋をお度ずれようと思った彼は、必死で同行者を探したが、



友達にも、そして廃墟マニアにもあっさりと断られてしまう。



戻って来れなくなるから・・・・・。



そんな理由で。



実際、仲間を募った際、彼も真剣に止めておくように言われたという。



あそこだけは、別格だから・・・・・。



そう言われて・・・・。



しかし、一度行くと言ってしまった以上、彼の性格では、なかなか断念する事は



そのプライドが許さなかった。



結局、彼は周りの仲間たちに、例の廃屋に行って来る!と宣言してから、次の



日曜日、その廃屋に出かける事にした。



本当は朝早く、清々しい空気の中で廃屋に入りたかったが、生憎、朝から雨が降り、



昼頃になってようやく雨が上がったので、彼は重たい腰を上げたそうだ。



ネットでその辺りの地図を見て、そこまで掛る所要時間を把握して現地に



向かった彼だったが、実はネットで地図検索して際、その辺りには本当に



人家が1軒も無い山奥なのだという事が分かってしまい、本気でその廃屋へ



行くのを止めようかと思ったらしいが、やはり彼のプライドが邪魔をして



予定通り、決行する事に決めたそうだ。



その廃屋に向かって車を走らせているとどんどん景色は変わっていき、どうして



こんな山奥の1軒屋の為に、こんな道が未だに残されているのか?とかなり



疑問を感じた。



しかも、誰も通っていないのならば、その道は既に草木に占拠され、道が



分からない程に自然に帰っているのが普通だと思ったが、何故か、その道は



いまだに沢山の車の通行があるかのように、周りの雑草が生い茂る様とは



まるで違い、はっきりとした未舗装路が延々と続いていたそうだ。



何度もUターンして引き返そうと思いながらも、彼はそのまま惰性で車を



走らせ続けていると、突然、目の前が開けた場所に出た。



そして、そこには古びて朽ち果てた様な廃屋が確かに建っていた。



木造2階建てのその家は、壁には沢山のベニヤ板が貼りつけられ、その窓の中には



カーテンすら残されたままになっていた。



そして、玄関は木製の引き違い戸になっており、その造りから、かなり以前に



建てられた家なのだという事が分かったという。



目の前の廃屋からは、特に薄気味悪い雰囲気は伝わって来ない。



だから、彼はさっさと家の中を見て回り、其処に置かれているという日記を



確認して、暗くならないうちに帰路に就かなければ、と思い、早速玄関へと



向かった。



しかし、ある意味、異様だった。



彼がそれまでに行った事のある心霊スポットには、其処にきた事を誇示するかの様に



スプレー書きがされていたり、その建物自体が壊されているのが普通だった。



しかし、今、彼の目の前にある廃屋にはそういう誰かが来た痕跡というものが



全く残されてはいなかった。



本当に誰も寄り付かないという事か・・・・・。



そう考えたが、彼は頭の中を切り替えて、



誰も来た事が無いのなら、きっと廃屋の中の日記も、戻っては来れない、という



噂も、きっと誰かが流した噂に過ぎないのだろう・・・・。



そう考える事にした。



建てつけの悪い玄関の引き戸を開けると中からは少しかび臭い匂いがした。



彼は土足のまま、玄関の土間から廊下へと上がった。



当然、誰もいる筈もなく、家の中は静かに静寂に支配されていた。



彼はそのまま恐る恐る廊下を進んだ。



歩く度に、板の間の廊下がギシギシと音をたてたが、とにかく早く家の中



を見て回りたかった彼は、懐中電灯の明かりを点けて、どんどんと進んでいく。



廊下の左右には和室が一つずつあり、その襖は開いたままになっていた。



懐中電灯で照らすと、そこには、つい今しがたまで誰かが生活していた様な



生活感のある空間が広がっていた。



本来なら、体が硬直する風景だったが、窓からは外の光がかなり差し込んで



きており、さほど、恐怖は感じなかったという。



廊下を進むと、階段があった。



しかも、その階段は上の階へ続く階段と、下の階へ続く階段があった。



古い建物なのに、地下があるのか?



彼はさすがに気味悪くなったという。



だから、下へ続く階段は見なかったことにして、2階へあがる階段をあがって



みる事にする。



ゆっくりと階段をあがっていく彼。



さすがに緊張したらしいが、2階へ上がった廊下は1階よりも、窓が広く



とても明るく感じ、彼はホッとする。



そして、2階の部屋の探索へとうつる。



2階の部屋はどうやら子供部屋のようだった。



それにしても、部屋数が多かった。



小さな間取りの部屋が全部で6部屋、左に向って伸びていた。



子供6人って…まあ、昔は子沢山の家も多かったみたいだしな・・・・・。



彼は一番手前の部屋から順に見ていった。



居たって、普通の子供部屋だった。



しかも、手前から奥に行くにしたがって、子供の年齢が大きくなっているように



感じたという。



最初の部屋が小学校の低学年。



それが、最後の6番目の部屋になると、どうやら高校生の部屋という感じがした。



そして、6番目の部屋は、明らかに他の部屋とは違っていた。



他の部屋には、机とおもちゃなどが乱雑に置かれている状態だったのだが、



6番目の部屋には、今でも誰かがその部屋を使っているかのような生活感



が残されていた。



壁に掛けられた女子学生の制服らしきもの・・・。



机もきちんと整頓されており、部屋の中には埃が溜まっている様な感じも無かった。



そして、その時、彼はその部屋の机の上に置かれているグレーの手帳のような



物を見つけた。



思わず、近づいて手に取ると、それは紛れもない日記なのだという事が



分かった。



グレーに見えたその日記は本来は白色の表紙なのだと分かった。



それがしっとりと濡れ、所々が腐ったようになっており、それがクレーに



見えたのだと・・・・。



日記は本当にあったんだ・・・・・



彼は恐る恐るページをめくった。



短い文章である事以外は、その日記には取り立てて変わった内容の文章は



見当たらない。



彼は息を殺して、読み進める。



そして、あるページに差し掛かった時、思わず手が止まった。



20○○年○月○○日



”きょうはおきゃくさんがきてくれた



ひさしぶりのおきゃくさんだったからたのしくあそんだ



おいしかった”



そう書かれていたという。



嫌な予感を感じた彼は、そのままその日記をパラパラと読み進む。



すると、その先にも、先ほどの内容と同じような記述が何ページにも渡って



書かれている事が分かった。



彼は急いで最後のページを見る。



すると、そこには、紛れもなく、昨日の日付で書かれたページで終わっていた。



201○年○○月○○日



”ずっと、おきゃくさんがこなくてたいくつ



もっとあそびたいのに



おなかもすいた・・・・”



そう書かれていた。



彼は必死に冷静さを保とうとした。



そして、頭を整理して何とか自分を納得させようとした。



きっと、この家には今も誰かが住んでいるに違いない。



だから、日記が毎日更新出来てるんだ、と。



しかし、彼は自分がどんどん恐怖に飲み込まれていくのをひしひしと感じていた。



何故ならその日記の内容は明らかに異常な物だったから・・・・。



彼は、そのまま日記を机の上に戻し、部屋を出ようとした。



すると、その時、突然、1階から大きな音が聞こえた。



何かが1階の廊下で大きく飛びあがってそのまま着地した様な音。



しかし、彼にはその音を確認する勇気は無かった。



しばらく息を殺してその場で聞き耳を立てていた。



きっと、何かが偶然廊下の上に落ちた音であって欲しい・・・・。



彼はそう思っていた。



すると、ギシッギシッギシッ、と何かが階段をゆっくりとのぼって来る足音が



聞こえてきた。



彼は急いでその部屋にあった押入れに身を隠した。



誰かがこの家に住んでいたのなら、普通に考えても、住居不法侵入だった。



しかし、彼はそれを恐れていたのではなかった。



あんな日記を書く者だとしたら、きっと精神に異常をきたした者が、あるいは、



人間ではない、何か?



彼は出来るだけ音をたてないように静かに押し入れの中に身を隠した。



運良く押し入れの中には何も入ってはおらず、成人男性の彼でも楽に



体を隠す事が出来た。



そして、足音が階段をのぼりきった足音が聞こえる。



そして、その足音は他の部屋には目もくれず、彼が隠れているその部屋に



向って進んでくるのが分かった。



彼は何か出来になる者は無いか?と自分の装備を確認した。



そして、ジャンパーのポケットの中に、針金などを切る為のニッパーが



入っている事に気付いた。



彼はそれを手にしっかりと持って、じっと耳を凝らした。



そして、何かが部屋の中に入って来る音が聞こえた。



とても苦しそうに息をしているのが分かった。



しかも、それは、時折、大きく息を吸い込むようにして笑った。



その度に彼は身を固くして必死で恐怖に耐えていた。



そして、突然、何も音が聞こえなくなる。



部屋から出ていくような音は聞こえなかった。



彼は必死に息を殺して物音から情報を得ようとするが、まさにその空間は完全に



静寂に包まれ何も音は聞こえてこない。



掛けは息を停めて必死に聞き耳を立てていたがさすがに苦しくなり、思いっきり



息を吸った。



その時である。



突然、彼が隠れている押入れの襖が大きく開かれ、そこには顔が激しく爛れた



女の顔が目の前にあった。



それは彼がそれまで経験した事が無い程の恐怖だったという。



大きく抜け落ちた髪の隙間から覗くその笑顔を見た時、彼はその場で意識を失った。



そして、それから彼はどれだけの時間、その場て意識を失っていたのだろうか。



ハッと意識を取り戻した彼は、慌てて押入れから飛び出した。



先ほど見た女はもう目の前にはいなかった。



彼はホッとすると同時に、先ほど見た者は自分の恐怖心から自らが作りだした



幻に違いない、と思った。



いや、そう思わなければ精神が崩壊してしまいそうだったという。



彼は急いでその部屋を出ようとして足を停めた。



机の上に置かれた日記が気になって仕方なかった。



そこで、彼はもう一度、に着きの最後のページをめくってみた。



息が止まるかと思った。



そこには、今日の日付で、



”きょうあたらしいおきゃくさんがきた



なかよくできそう



おいしいといいな”



そう書かれていたという。



彼はそれを見た途端、居ても経っても居られなくなり、一気にその場から立ち上がり



一気に階段を駆け降りた。



そして、玄関に向かい引き戸を開けようとした時、突然背後から大きな笑い声



が聞こえ、彼は思わず振り返った。



すると、そこには、髪が抜けおちガリガリに痩せた裸の女がこちらに向かって



笑いながら手を振っていた。



彼はそのまま一気に車に飛び乗って、必死に車を走らせた。



あの女が追いかけて来ている様な気がして生きた心地がしなかったという。



しかし、彼は何とか無事に家まで辿りつく事が出来た。



そして、その後、俺に電話がかかって来て、この話を聞く事になった。



そして、あの廃屋に行った後から、ずっと怪異が続いているのだと言った。



毎晩、夢の中にその女が出てきて彼を遊びに誘うのだそうだ。



そして、最近では、仕事をしていたも車を運転していても、いつもその女の姿が



視界の端に映り込むのだと・・・・。



苦しそうに話す彼を何とか助けられないか・・・・。



そう思った俺は、いつものAさんに連絡をとった。



しかし、その後、彼との連絡は完全に途絶えてしまった。



家族も友人も彼の姿を全く見た者は居なくなった。



彼はいったいどうなってしまったのか?



俺はAさんに尋ねた。



すると、Aさんは、



あの場所に行った時から彼の運命は決まっていたんだと思いますよ・・・・。



この世には絶対に近寄ってはいけない場所が確実に存在しています・・。



そして、其処に近づいてしまった彼は、そのまま連れ去られてしまって、もう



とっくに何も残っていないかもしれませんね・・・・。



体も、そして魂も・・・・。



Kさんも気を付けないと・・・・。



そう言われ俺は思わず、ゾッとしてしまった。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:29│Comments(0)
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