2019年06月08日

ハチに刺された理由

これは俺が小学生の頃に体験した話である。



ある日の朝刊にこんな記事が載った。



”遠足の小学生・・・ハチに襲われる”



そして、もうお分かりだとは思うが、その襲われた小学生というのは紛れもなく



俺が通っていた小学校の生徒であり、勿論、その中には俺も含まれていた。



そして、ハチに襲われる原因を作ったのも紛れもない俺達だった。



今は白山市に併合さそれてしまったが、今でもその場所に鶴○という地名が



残されている。



たぶん、石川県では一番有名な神社がある所。



そして、俺が幼少の頃から沢山の怪異に遭遇し、そして大人になってからも



それ以上の怪異に遭遇してきた場所だ。



そして、俺は以前、その土地に住んでいたことがある。



本町という場所だったらしいが、今ではその面影は残されてはいない。



そして、何故か、俺が結婚するまでは俺の免許証には、その土地の住所が



本籍地として記載されていた。



まあ、俺にとっては何かの縁の多い場所なのかもしれない。



もう既にその頃には金沢市内に住んでいた俺は当然、市内の中心部に近い場所



にある小学校に通っていた。



そして、確か、小学生の高学年、多分5年生か、6年生の頃だったと思うのだが、



俺の学年全員で、電車に乗って、その鶴○という場所に在る公園へと遠足に



出掛けた。



俺の学年は、確か1組~6組まで在ったから、1クラスが45人としても、



かなりの大人数での遠足だった。



しかし、やはり田舎の公園というのは、遊具の類は一切置かれてはいなかった。



自然の中で自然と親しめ・・・・・。



そういうコンセプトなのかもしれないが、実際にそれ程の大人数でその公園を



訪れてみると、やはりやる事が無かった。



学校側もそれは承知していた様で、写生をさせたり、グループに分かれて



簡単なオリエンテーリングなどもやらせるのだが、やはり時間は余ってしまい、



お弁当を食べ終わってから、その場所を離れるまでの3時間以上が自由時間



として割り当てられた。



そして、危険だから公園の外には一切出てはいけない!という優しい言葉まで



頂いて・・・・



そして、当の生徒達はその長い自由時間に途方に暮れてしまう。



あるグループは輪になって楽しそうに話しこんでいたが、当然俺達のグループには



そんな事を楽しいと思う奴等存在していなかった。



周りには公園外へは出るな、という言葉を残していった先生達の姿もない。



だから、俺達はお弁当のおにぎりを包んでいたアルミホイルを丸めたボール?



を利用して、野球の様な遊びをする事にした。



アルミホイルだからボールが遠くまで飛ぶことも無かったし、誰が言い出したのかは



分からないが、その状況で考えられる最高の遊びだった気がする。



しばらくは、そうして遊んでいたのだと思う。



確かに楽しかったし、無駄に長い自由時間を有効に過ごせていたのだと思う。



そんな時だった。



野球をやっている俺達を見ていた友達の一人が、



おい!あの木、おかしくないか?



と言い出したのだ。



その場にいた全員の視線がその木に一斉に集まった。



その木は、確かその公園の中に在る木の中では一番大きな木だったと思う。



そして、その木の表面に顔らしきものが確かに浮かんでいた。



まあ、確かに珍しいかもな・・・。



でも、あれって木の模様だろ?



そんな会話があったと思う。



しかし、その後、俺達は信じられない光景を見てしまう。



その木に浮かび上がった顔らしきもの・・・・。



それが、まるで表情を変えるかのように動いたのだ。



その場で野球をやっていた全員が大騒ぎになった。



そして、それはどんどんとその顔の輪郭までもはっきりと見えるほど、はっきり



とした物になってくる。



其処に浮かび上がった顔はどうやら女の顔であり、それがまるで木の表面から



起き上がるかのように、どんどんと隆起しているのが分かった。



普通ならすぐにその場から逃げだしたのかもしれない。



しかし、周りには女子生徒も沢山おり、目立ちたい盛りの俺達は、今考えると



信じられない行動に出た。



大急ぎで、その場に転がっている石を拾った俺達は、こともあろうか、その木の



顔めがけて、その石を投げ始めた。



確か、石を投げていたのは俺を含めても5~6人だったと思う。



今考えると、馬鹿な事をしたと思うが、その時にはその場にいる全員の安全が



俺達の手に掛っているという妙な使命感があった。



投げる石も、どんどんと大きななっていき、その顔に命中させる為に、俺達は



ドンドンと、その木に近づいていく。



そして、はっきりと見えた。



その木の表面に浮かび上がっている顔が明らかに、怒りの表情に変って



いる事に・・・・。



さすがの俺達もその顔を見た時、思わずその場に固まってしまった。



俺達はとんでもない事をしてしまったのかもしれない・・・・。



そんな後悔があった。



その木の顔は、今にもその木から抜け出してきそうなほど、大きく隆起



している。



その時だった。



突然、ブーンという音が聞こえ、その後であちらこちらから、



痛て!



とか、



キャー、



という声が聞こえてきた。



そして、次の瞬間、俺の耳元で大きくブーンという音が聞こえたかと思うと、



次の瞬間、俺の耳に激痛が走った。



俺は必死で耳元を手ではらった。



すると、何かが耳に刺さっている。



慎重にそれを抜いて手に取ると、それは見た事も無い大きな虫の針のようなもの



だった。



それから、その場から全員が逃げ出した。



どうやら、大きなクマンバチに襲われた様だった。



それから、その場には警察が来るわ、救急車が来るわ、と大騒ぎになった。



しかし、結局、酷いダメージを負った者は誰一人もおらず、全員が予定より



少し早くその場から帰る事になっただけだった。



そして、その間、ふと、先ほどの木の顔の方を見ると、既に普通の木に戻っていた。



その後、俺の耳は大きく腫れあがり、しばらく不自由な時間が続いたが、翌日には



すっかりと元に戻っていた。



ただし、その時、木に石をぶつけていた俺達は、学校や親たちから、厳しい



お説教を頂く事になった。



そして、以前、俺はこの話をAさんにした事がある。



その時の会話はこんな感じだった。



Kさんって、。そんな子供の頃から馬鹿だったんですね?



まあ、馬鹿に一日にして成らず・・・・っていうやつですかね(笑)



そう言われた俺は、



まあ、でも、あの時は必死でみんなを護ろうとしてた訳だから・・・。



すると、Aさんは、



本当にそれが馬鹿だって言ってるんですよ・・・・。



いつも、思い込みで突っ走って結局、事態を悪化させてる・・・。



それって、今のKさんと同じじゃないですか?(笑)



そう言われて何も返せない俺は、



でも、それにしても、あの時、偶然、ハチに襲われなかったらどうなってたか?



それを考えると、刺したハチを恨む気も起きないけどね。



そう言うと、Aさんは、冷たい眼で、



どこまでも幸せな人ですよね?



Kさんは、きっと木の中に宿っている何かを怒らせてしまったんですよ・・・。



真剣に・・・。



きっと、そのままだったら、きっと地獄の遠足として新聞に載っていたかも



しれませんね。



そして、クマンバチが襲ってきたのはきっと偶然じゃありませんよ。



クマンバチってそんなに攻撃的なハチじゃありませんから・・・・。



きっと、子供達を助ける為に、わざと刺してくれたんだと思いますよ・・・。



実際、それで、大騒ぎになって、大事には至らなかったんですから・・・。



だから、そのハチさんに感謝しないといけませんね?



まあ、私に言わせれば、木に石を投げたKさんだけでも、もっと酷い



刺され方をされれば良かったと思いますけどね。


それこそ、病院に担ぎ込まれるくらいの・・・・。



そうすれば、今はもう少し立派な大人になれてたかもしれませんからね。



そう冷たく言われてしまった。



Posted by 細田塗料株式会社 at 23:35│Comments(0)
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