2019年06月08日

午前2時14分

これは知人女性から聞いた話。



彼女は仕事とプライベートで同じスマホを利用していた。



最新型のスマホが出る度に、欲しい衝動に駆られるが、やはり



昔から使い慣れている



スマホを捨てる事が出来ず、ずっと使い続けていたそうだ。



そんな彼女はある時、真夜中に着信があった事に気付く。



いつも、彼女は寝る前にスマホをマナーモードにしてそのまま充電しており、



その間に、どうやら着信があったようだった。



しかし、発信履歴には公衆電話としか表示されておらず、相手を確認する事も



出来なかった。



その時は、真夜中に公衆電話から電話をかけてくるなんて、一体誰なんだろ?



と思ったらしいが、すぐにそんな事は忘れてしまったという。



しかし、どうやら、その着信はそれから毎晩、彼女のスマホにかかって来る



様になる。



気になった彼女は留守番電話の機能も使ってみたらしいが、そこに録音されている



のは、風の音とも海の音とも分からないような不思議な音だけだった。



土曜日の夜などはわざと夜更かししてその電話を待っていたらしいが、どうやら



電話がかかって来た時には何も気付かず後になって着信があった事が分かる、



という感じだったそうだ。



そして、相変わらず発信履歴として表示されているのは「公衆電話」という



文字だけだった。



そして、その電話がかかって来るのは、決まって午前2時14分。



そんな真夜中に、決まって公衆電話から電話をかけてくるなんて、どれだけ



暇な奴なのか?



そう思った彼女だったが、さすがに毎日掛って来るその電話に気持ち悪さを



感じ、ある夜、思い切ってスマホの電源を落としてから充電機に繋いでそのまま



寝る事にした。



だが、翌朝起きた時、彼女は驚いてしまう。



電源を落とした筈のスマホが勝手に起動し、その画面には、またいつもの



着信履歴が表示されていた。



いったい、どうなっているのか、不安になった彼女は携帯ショップに相談した。



すると、もしかしたらストーカーかもしれませんので、警察に相談されるか、



もしくは、思い切って電話番号を変えてみられたらどうですか?



とアドバイスされ、迷った挙句、思い切って電話番号を変える事にした。



これでもう大丈夫!



そう思った。



しかし、その日の夜も、やはり同じ時刻に着信履歴が残されていた。



さすがに怖くなった彼女は、警察に相談した。



警察は、彼女のマンション周辺を毎夜、特にその時間帯にパトロールしてくれる



と約束してくれたという。



しかし、相変わらず真夜中の着信が無くなる事は無く、警察が不審者を



見つける事も無かったという。



彼女は不安で眠れなくなり、昼間の仕事にも支障をきたすようになってしまう。



そんなある日の夜、相変わらず彼女が眠る事も出来ず布団の中で苦しんでいると



スマホに着信があった事を知らせるバイブレータが作動している音を聞いた。



着信があった時に彼女自身がそれに気付けたのは、その時が初めてだった。



彼女はベッドから飛び起きて、電話に出ると大声で、



あんた、何のつもり!



私を苦しめて嬉しいの?



と怒鳴った。



すると、電話の向こうから初めて声が聞こえてきた。



それは、女の声で、



まど・・・・・・・。



と小さくつぶやいただけの声だった。



それでも、慌てて彼女は窓の方へ近づき、外を見た。



すると、そこには窓の下の通りに在る公衆電話ボックスの中からこちらを



見つめる女の姿があった。



一瞬、見ただけで、



ヤバい!



そう思ったという。



その女の姿は、遠巻きに見ても明らかに不自然な造りで、とても人間には見えなかった。



かろうじて、着ている衣服が女性であると主張している感じだったという。



彼女は慌てて窓のカーテンを閉めると、部屋の明かりを点けたまま、蒲団の中に



潜り込んだ。



見てはいけないモノを見てしまった・・・・・。



体はガタガタと震え、歯もガチガチと音を立てていた。



すると、彼女の耳に、



コツコツ・・・・・コツコツ・・・・・



という音が聞こえてきた。



彼女には、その音が、先ほどの女が窓の外からコツコツとガラスを爪で叩いている



音にしか聞こえなかった。



その音はずっとなり続けていたが、朝の訪れとともに聞こえなくなったという。



彼女はその日、会社を休み、スマホショップに朝から出掛けた。



そして、起こっている事全てを店長らしき男性に相談したという。



最初は彼女の事をなだめすかしていた店長も、彼女の必死さに負けたのか、



普通では調べてくれないレベルまで彼女のスマホの着信履歴を調べて



くれたという。



そして、その結論として彼女は、予想すらしていなかった結果を聞く事になった。



彼女のスマホに電話をかけてきていたのは、何処かの公衆電話からではなく、



彼女のスマホからだという事だった。



しかし、実際に、彼女が電話の留守番録音を聞いた時にはザーザーと風か波の



音が聞こえていたし、昨夜などは、明らかに見知らぬ女が彼女に電話をかけて



きているのを目撃したはずだった。



それに通常は自分の携帯から自分の携帯に電話をすれば、その携帯番号が



発信履歴に残るはずだったが、それをその店長に聞いてみたが、それ以上は



分かりません、と言うだけだった。



彼女は、更に深まった謎に、更に体が重くなった気がしたという。



そして、その日の夜、やはり怖かったのか、友達に自分の部屋へ泊まりに



来てもらつたという。



やはり、友達が一人同じ部屋の中にいる、というだけで気分は全く違うものらしく、



その日、彼女は久しぶりに、睡魔に襲われ、すぐに熟睡してしまった。



とても深い眠りだった。



しかし、真夜中に彼女は眼を覚ましてしまう。



時計を見ると、ちょうど午前2時14分だったという。



泊まりに来ていた友人も、彼女の横で寝息を立てて熟睡している。



と、その時、突然、彼女は信じられない光景を目にする。



真っ暗な部屋の中。



突然、耳鳴りがしたと思うと、何かが天井から降りてくるのが見えた。



それは、真っ直ぐに直立した姿勢ののまま、足が降りてきて、次は腰、そして



上半身と続き、最後にはその顔が露わになり、そのまま部屋の床に降り立った。



それは、昨夜、公衆電話にいた女に間違いなかった。



彼女は金縛りにかかったように動く事も声を上げる事も出来なかったという。



そして、滑るように彼女のスマホに近づくとそれを手にとって画面を操作



しているのが見えた。



そして、女は嫌な笑いを浮かべると、そのスマホをそのまま彼女の耳に



あてがったという。



その瞬間、遠くなる意識の中で、再び、その女が天井に吸い込まれるように



消えていくのを見たという。



そして、次に彼女が目覚めたのは朝になってからだった。



昨夜の事を友人に話したが、全く覚えていない、と言われた。



それから、彼女は、その日、携帯ショップに行って、スマホの機種変更をした。



そして、それからはな夜中にかかってくる電話は無くなったのだという。



また、もしも電話がかかって来たらどうするの?



そう尋ねると彼女は首を横に振りながら、



いえ、もうかかって来ないって言ってましたから・・・・。



あの女にスマホを耳にあてがわれた時、確かに聞いたんです。



今度、電話がかかって来た時は私が死ぬ時だって、あの時の電話で言われましたから。



その為に、あの時、電話で聞いた言葉は、このまま死ぬまで誰にも話しては



いけないんです。



そう言って辛そうに目をつぶった。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:41│Comments(0)
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