2019年06月08日

ブランコ

彼女は市役所に勤めている30代。



そろそろ結婚の話も聞こえてきそうなものだが、当分結婚する気は無いのだという。



どうやら自宅マンションで小型犬と一緒に生活しているらしく、そのせいか、



全く寂しさは感じないのだという。



そんな彼女は毎日、朝と夕の犬の散歩を欠かさない。



真面目な彼女らしく、いつも決まった時刻に決まったコースを散歩するそうだ。



そして、その散歩コースには児童公園があるらしく、夕方の散歩ではその公園を



通るのが午後7時頃になるらしい。



そして、ある時、彼女は気付いた。



公園のブランコが勝手に大きく振れている事に。



それを見るのは決まって夕方の散歩だけらしく、更に言えば、彼女が来るのを



待っていたかのようにブランコはやっくりと、そして次第に大きく振れ始める。



やはり気持ちが悪かったので出来るだけ、その公園は早足で通り過ぎるように



していた。



しかし、ある日、ハッとして気付くと、誰も乗らずに大きく振れているブランコに



並ぶ様にして彼女自身がブランコに乗っている事に気付いた。



知らない歌を口ずさみながら・・・・。


それからは、同じような事が続くようになり、ハッとして気が付くと


無意識にブランコに乗り知らない歌を口ずさんでいる自分がいた。



自分ではどうしようもなかった。



ただ、ある時、彼女は知らない人の怒号でハッと我に帰った。



気が付くと、彼女はブランコの支柱にロープを掛けたまま、その先端を


自分の首に巻きつけて


ブランコに乗っていた。


そして、彼女が乗るブランコはいつもよりも大きく揺れていた。


今にもブランコから彼女の体が飛び出しそうな勢いで・・・・。



もしも、その人が止めてくれなかったら・・・・・。


彼女は全身に悪寒が走るのを感じた。



彼女はそれ以来、犬の散歩コースを変えたらしいが、それ以来、不思議なものを



観る事は無くなったそうだ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:47│Comments(0)
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